JP2932350B2 - 芝生カーペット、及び、その製造方法 - Google Patents

芝生カーペット、及び、その製造方法

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JP2932350B2
JP2932350B2 JP6332760A JP33276094A JP2932350B2 JP 2932350 B2 JP2932350 B2 JP 2932350B2 JP 6332760 A JP6332760 A JP 6332760A JP 33276094 A JP33276094 A JP 33276094A JP 2932350 B2 JP2932350 B2 JP 2932350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、ゴルフ場、
サッカーグラウンド、公園、堤防等の土地に新しく芝生
を造成する際、あるいは、既に植えつけられた芝生を、
全面的に張り替えたり部分的に補修したりする際に使用
される根付き良好な移植用の芝生に関するものである。
なお、この芝生は、一時的に、屋上、展示会場、イベン
ト会場等に設置し回収する際にも使用することができる
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、新しい造成地や芝生の補修地に芝
生を移植する際には、芝生の栽培地から育成された芝生
を短冊型に剥ぎとり、それを運搬して移植していた。し
かしながら、このような方法で芝生を移植するには、芝
生の剥ぎとり、運搬、植付け等に多くの人手を必要と
し、また、移植用の芝生にはかなり重量があり、これら
の作業にかなりの労力を必要とした。
【0003】このような人手を必要とするという問題を
解決するために移植用芝生の長尺化が試みられた。例え
ば、特公昭50−21373号公報には、フィルム上に
可撓性の網目構造体を敷き、その上で芝生を育成して、
芝の根を網目構造体に絡ませることによって長尺化され
た芝担持積層物が開示されている。また、特開昭51−
119108号公報には、底部に不透水性のシートを配
し、その上に網状マットを配した芝生マットが開示され
ている。しかしながら、このような方法で移植された芝
生の根の間には、網目構造体や網状マット等の異物が残
り、それが鳥等につつかれて地上に露出したり、それが
人の足にひっかかったり、更に、そこから芋づるのよう
に芝生の剥離が広がったりする等の問題があった。
【0004】このような移植された芝生に異物が残ると
いう問題を解決するための方法としては、例えば、特開
昭50−142314号公報にとして開示された稲マッ
トように、稲のように草丈の高いものであれば、網目構
造体の代わりに、白クローバのような草丈の低い植物の
根を利用することも考えられる。しかしながら、このよ
うな方法は、草丈の低い芝生の場合には応用することが
できない。一方、特開昭53−75035号には、網目
構造体の代わりに、最終的に腐食されるものであって、
不定型、偏平で摩擦係数の大きい松科等の樹皮の破砕薄
片を使用して堆肥の層を作り、それに芝生を育成して、
樹皮堆肥層と芝生の根自体を支持組織とする芝生カーペ
ットが開示されている。しかしながら、この芝生カーペ
ットは、網目構造体等の異物がないというだけであっ
て、そのカーペットとしての引張強度は、極めて不充分
なものであった。
【0005】このような芝生カーペットの引張強度の不
足という問題を解決するため、本出願人は、特開平4−
148618号公報において、前述の芝生カーペットを
改良して、下葉の交錯した芝生からなる上層、最大長3
〜8mm、厚さ0.2〜2mmの大きさのものが30重
量%以上を占める松科等の不定形樹皮薄片を主体とする
培地と上層の芝生の根本部とそれから伸長した根からな
る中層、及び、中層の芝生の根本部から中層を貫通して
伸長した根が織物状に絡み合って形成された下層からな
り、5mの高さに吊り下げても千切れることがないほど
引張強度の高い芝生カーペットを開発したことを開示し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の下葉の交錯した
芝生からなる上層、松科等の不定形樹皮薄片を主体とす
る中層、及び、根が織物状に絡み合って形成された下層
からなる芝生カーペットは、非常に優れたものである
が、ゴルフ場等に多くみられる砂の含有量の非常に多い
土地(以下単に「砂地」という)等に移植した場合、そ
の土地に根づき難いという問題があった。その原因は、
芝生カーペットの中層の培地と、移植地の砂地との間の
土壌特性の差が大きいことにあると考えられる。例え
ば、移植地の砂地は、水捌けがよく肥料も流れ易いのに
対して、移植用芝生の松科等の樹皮薄片を主体とする培
地は、保水性にも優れ、また、保肥性にも優れているの
で、芝の根は、砂地に伸長して行くよりも、水分にも肥
料にも恵まれた松科等の樹皮薄片を主体とする培地の方
に伸長して行き易くなるためと考えられる。このような
観点から、中層の培地を、砂に置換して実験したとこ
ろ、砂の培地は、保水性及び保肥性に乏しいためか、密
に芝種子を発芽させることが困難で、従って、下葉が交
絡し、根が織物状に絡み合うほど密に成育することも困
難であった。更に、たとえ密に芝を育成できたとして
も、できた芝生カーペットをロール状に捲く場合には、
一般に砂の塊は崩れ易いので、曲げに対する強靭性が損
なわれると考えられていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の課題
を解決するため、下葉の交絡した芝生からなる上層、主
として砂30〜70容量%、ピートモス20〜60容量
%、及び、ゼオライト5〜20容量%からなる培地と上
層の芝生の根本部とそれから伸長した根からなる厚さ1
5〜40mmの中層、並びに、中層の芝生の根本部から
中層を貫通して伸長した根が織物状に絡み合って形成さ
れた下層からなる芝生カーペット(以下「第1発明」と
いう)、その芝生が、耐寒性の品種、耐早性の品種、耐
踏圧性の品種、及び、エンドファイト菌を含む対虫性の
品種の中の1種以上の品種の芝を含む2種以上の品種の
芝からなる芝生カーペット(以下「第2発明」とい
う)、それらを製造する一つの方法として、ほぼ水平で
平坦な土地に、所々に排水孔が設けられた合成樹脂フィ
ルムを敷き、その上に、主として砂30〜70容量%、
ピートモス20〜60容量%、および、ゼオライト5〜
20容量%からなる培地に、芝種子等を混合した物を、
厚さ15〜40mmに敷設し、撒水して芝種子を発芽さ
せ、外部環境と芝の成育状態に合わせて、撒水、追肥等
をおこない、徒長した芝生の上茎部を刈り込みながら、
芝生を育成して、芝生の下葉を充分に交絡させると同時
に、敷設物の底部に達した芝の根を合成樹脂フィルム上
を横に匍匐させて相互絡み合わせることを特徴とする芝
生カーペットの製造方法(以下「第3発明」という)、
及び、その方法において、芝種子として、耐寒性の品
種、耐旱性の品種、耐踏圧性の品種、及び、エンドファ
イト菌を含む対虫性の品種の中の1種以上の品種の芝種
子を含む2種以上の品種の芝種子を使用した芝生カーペ
ットの製造方法(以下「第4発明」という)を完成し
た。
【0008】第1発明における上層は、下葉の交絡した
芝生からなる層からなり、交絡した下葉よって、引張強
度が出るようにすると同時に、芝生カーペットがロール
状に捲かれて上層と中層が逆転した時に、中層の培地が
こぼれ落ちるのを防止するようにしている。従って、下
葉の交絡が密になるほど、引張強度が多少向上すると同
時に、ロール状に捲かれた時の中層の層としての安定性
がより高くなる。下葉の交絡を密にするには、芝生の育
成に当たって、芝生の下葉のある下茎部を残して、上茎
部を刈り取る等の方法により、芝生の丈方向の徒長を抑
制し、下葉の成長を促進することによって行われる。
【0009】中層は、主として、砂30〜70容量%、
ピートモス20〜60容量%、ゼオライト5〜20容量
%からなる培地と上層の芝生の根本部とそれから伸長し
た根からなり、15〜40mmの厚さを有するものであ
る。ここで使用される砂は、天然の砂であれば、どのよ
うなものでもよい。また、使用される砂の量が、30容
量%未満であると、芝生の根付き向上の効果が現れ難く
なり、70容量%を超えると、芝の発芽や育成が困難に
なり、また、層としての安定性も低くなる。なお、ここ
で使用する砂は、一般に、砂の粒度分布において、粒径
の大きいものが多く含まれるほど、中層の層としての安
定性が高くなるが、あまり粒径の大きいものが多量に含
まれると、芝の成育が疎らになり、下葉を交錯させるの
が困難になる。このような観点から砂の粒度は、平均粒
径1mm程度のものが好ましい。また、移植後の芝の根
付きを更によくするため、移植地と同一又は類似の砂を
使用することも好ましいことである。
【0010】ピートモスとは、狭義には、泥炭化された
ミズゴケをいいうが、一般には、泥炭を苔状又は繊維状
にしたものであって、草花や植木等の根覆いに使用され
るものをいう。また、広義には、泥炭が、沼沢地や湖等
の水底に枯れた植物の遺体が堆積し炭化したものである
が、完全に黒化せず黄褐色又は赤褐色で、繊維状で元の
植物の組織を肉眼に見分けることができることから、ま
た、石炭のような燃料でないこと区別するためか、泥炭
そのものをピートモスともいう。ここで使用するピート
モスは、広義のピートモスであって、繊維状のものや苔
状のものだけでなく、粗粉状ものや団粒状のものをも含
む。中層の培地に、ピートモスを使用することにより、
培地に芝の発芽・成育に必要な水分や肥料を保持するこ
とができるようになる。しかし、ピートモスの量が20
容量%未満であると、芝の発芽や成育が困難になり、6
0容量%を超えると、移植後も、芝の根が中層の方に伸
長し易くなり、移植地への芝生の根付き向上の効果が現
れ難くなる。
【0011】ゼオライトとは、無機質交換体とも呼ば
れ、母体が無機質であるイオン交換体をいい、その典型
的なものは、けい酸質交換体であって、SiO四面体
を母体としアルミン酸基(−AlO)を交換基として
いる。天然には、ふっ石類やかいりょく石等として産出
する。また、カオリン、石英、炭酸ナトリウムから乾式
法で合成され、更に、けい酸ナトリウム、アルミン酸ナ
トリウム等から湿式法で合成することができる。一般に
市販されているゼオライトは、圧縮強度を上げ、吸収能
力を高めるため、天然のふっ石等を焼成して製造されて
いる。ここで使用されるゼオライトは、イオン交換能力
があり、アンモニアやカリウム等の肥料を保持する能力
があれば、どのようなものでもよいが、できれば、天然
産のものであって、焼成したものであることが好まし
い。また、粒度は、砂の場合と同じ理由により、平均粒
径が1mm程度であることが好ましい。このゼオライト
の量が、5容量%未満であると、芝の育成に必要な肥料
を保持することが難くなり、また、20容量%を超える
と、必要以上の肥料が保持される結果、芝の根が中層の
方に伸長し易くなり、移植地への芝の根付きに悪影響を
与え、また、ゼオライトの費用も嵩むので、好ましくな
い。
【0012】中層の培地には、主として、前述の砂、ピ
ートモス、ゼオライトからなるが、その他に、堆肥等の
固形肥料等を含んでいてもよい。また、中層には、当然
のことながら、培地に混合された芝種子から発芽した芝
の下茎部や芝の根も含まれている。また、砂は、松科等
の不定型樹皮薄片とは異なり、ほぼ粒型であるので、層
としての安定性を持たせるためには、中層の厚さが、1
5mm以上あることが必要になる。15mm未満である
と、曲げる力に対する抵抗が小さくなり、芝生カーペッ
トを捲く時、中層の培地が崩れるおそれがあるだけでな
く、移植後も、十分な肥料や水の保持能力がないため
に、芝生の根付きや生育が遅れる。また、40mmを超
えると、芝の根が中層を貫通して底部に達するまでに成
長するのに長期間を要するようになり、曲げるには厚過
ぎて、ロール状に捲くのが困難になるだけでなく、芝の
根が、移植地の土壌よりも、中層の方に伸長し易くな
り、芝生の根付きが遅れる。芝生の根付きに最も好まし
い範囲は、30〜35mmの範囲である。
【0013】下層は、中層の芝生の根本部から中層を貫
通して伸長した根が織物状に絡み合って形成された層で
あって、芝生カーペットに柔軟性を持たせてロール状に
捲き易くすると同時に、高い引張強度を与えるものであ
る。芝の根を織物状に絡み合わせるには、芝生の育成に
当たって、芝生の下葉のある下茎部を残して、上茎部を
刈り取る等の方法により、芝生の丈方向の徒長を抑制
し、下葉の成長を促進するとともに、根の成長を促進す
ることによって行われる。本発明に係わる芝生カーペッ
トは、何れも、前述の上層、中層、及び、下層からなる
が、これらの層の間の境界は、必ずしも明確に区分され
てはおらず、多少の区間で漸進的に変化してところも存
在する。
【0014】第2発明に係わる芝生カーペットは、第1
発明に係わる芝生カーペットにおける芝生が、耐寒性の
品種、耐旱性の品種、耐踏圧性の品種、及び、エンドフ
ァイト菌を含む対虫性の品種の中の1種以上の品種の芝
を含む2種以上の品種の芝からなるものである。この耐
寒性の品種の芝には、ケンタッキーブルーグラス種に属
するディスティーニ、バロン、ラム1等があり、耐旱性
の品種の芝には、トールフェスク種に属するジャガー
2、ジャガー3等があり、耐踏圧性の芝には、ペレニア
ルライ種に属するマンハッタン2、サイテーション等が
ある。また、芝の根の害虫を死滅させるエンドファイト
菌を含む耐虫性の品種の芝には、前述のペレニアルライ
種に属する芝がある。これらの特性のある品種の中の1
種以上の品種の芝を含む2種以上の品種の芝からなる芝
生カーペートは、育成地における耐候性を有するだけで
なく、移植地における耐候性を有するものになり、移植
地における芝生の根付き、及び、生育が、より効果的に
なる。
【0015】第3発明に係わる芝生カーペットの製造方
法は、ほぼ水平で平坦な土地に、所々に排水孔が設けら
れた合成樹脂フィルムを敷き、その上に、主として砂2
0〜70容量%、ピートモス20〜60容量%、及び、
ゼオライト5〜20容量%からなる培地に、芝種子を加
え、又はそれに更に肥料等を加えて、混合した物を、厚
さ15〜40mmに敷設し、撒水して芝種子を発芽さ
せ、外部環境と芝の成育状態に合わせて、撒水、追肥等
をおこない、徒長した芝生の上茎部を刈り込みながら、
芝生を育成して、芝生の下葉を充分に交錯させると同時
に、敷設物の底部に達した芝の根を合成樹脂フィルム上
を横に匍匐させて相互絡み合わせることを特徴としてい
る。この方法を適用する土地は、芝の発芽・育成に必要
な温度と日照が得られれば、どのような土地でもよい。
粗い砂地のように水はけのよい土地では、完全に水平に
なっていた方がよいが、休耕田のように水抜けの悪い土
地では、僅かに傾斜させて、水はけをよくする必要があ
る。また、地表は平坦であることが必要であり、凹凸が
あると、培地が均一の厚さになり難く、また、出来上が
った芝生カーペットの底面が凹凸になって、移植地と密
着しない部分も生じるおそれがある。このような土地に
敷かれる合成樹脂フィルムは、敷設物から下方に伸長し
てきた芝の根を、更に下方に伸長するのを阻止して、横
方向に匍匐させることができるものであれば、どのよう
なものでもよい。また、フィルムに設けられる排水孔と
しては、降雨等があっても培地の水分を一定の範囲内に
維持するができるように、直径約0.5mmの孔が1m
当たり100個程度設けられていればよい。このよう
なフィルムの上に、主として砂、ピートモス、及び、ゼ
オライトからなる培地と、芝種子を加え、又は、それに
更に肥料等を加えて、よく混合してから、一定の厚さに
敷設する。その後、通常の方法で、散水し発芽させ、芝
生を育成する。そして、芝生の育成に当たって、何回
か、徒長した芝生の上茎部を刈り込み、下葉の成長と根
の成長を促して、下葉の交絡させ、根を織物状に絡ませ
るようにしている。
【0016】第4発明に係わる芝生カーペットの製造方
法は、第3発明に係わる芝生カーペットの製造方法にお
ける芝種子として、前述の耐寒性の品種、耐旱性の品
種、耐踏圧性の品種、及び、エンドファイト菌を含む対
虫性の品種の中の1種以上の品種の芝種子を含む2種以
上の品種の芝種子を使用するものであって、前述の第2
発明に係わる芝生カーペットのように、育成地のみなら
ず移植地においても耐候性を有し、移植地における芝生
の根付きを更によい芝生カーペットを得るための方法で
ある。
【0017】
【作用】第1発明に係わる芝生カーペットは、前述のよ
うに、上層の芝生の下葉の交絡した組織が、引張強度に
多少寄与するとともに、下層の織物状組織とで、サンド
イッチ状に中層を挟むことにより、培地の崩壊等を防止
して、中層を安定化し、この中層の一定の厚さを有する
培地により、芝生の根元部の相対位置がずれないように
保持すると同時に、下層の芝生の根で構成された織物状
組織が、高い引張強度を発揮することによって、全体と
しても、ロール状に捲くことができて、高い引張強度を
有するものとなっているだけでなく、中層の培地が、多
くの移植地と同じように比較的高い含有量で砂を含んで
いるので、移植地への芝生の根付きが改善されている。
また、第2発明に係わる芝生カーペットは、多品種の芝
からなる芝生とすることにより、移植地における耐候性
を高めることにより、更に移植地への芝生の根付きを改
善することができる。
【0018】第3発明に係わる芝生とカーペットの製造
方法は、前述のように、地表に敷かれたフィルム上に、
砂の含有量の多い培地に芝種子を混合して、一定の厚さ
に敷設し、芝を発芽させ、成長した芝生の上茎部を刈り
込むことにより、芝生の下葉と根の伸長を促進しなが
ら、更に育成するので、高い引張強度を有し、かつ、移
植地への根付きが良好な芝生カーペットを製造すること
ができる。また、第4発明に係わる芝生とカーペットの
製造方法は、前述のように、多品種の芝種子を使用する
ことにより、移植地における耐候性が高く、芝生の根付
きが改善された芝生カーペットを製造することができ
る。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕休耕田に、長さ約112m、幅約87mの
土地を平坦にならし、その周囲に幅約20cm、深さ約
10cmの排水溝を巡らせて、育成地を作り、その上
に、1m当たり約400個のほぼ等間隔に開けられた
半径約0.5mmの排水孔を有する厚さ0.2mm、幅
1.5m、長さ100mのポリエチレンフィルムを、間
隔を開けて、6列敷き、その一つの列のフィルムの上
に、培地として、平均粒径1mmの天竜川産の天然砂2
4.5l/m、北海道産の繊維状ピートモス7l/m
、及び、アメリカ産のゼオライト3.5l/mと、
芝種子として、ケンタッキーブルーグラス種20g/m
、トールフェスク種25g/m、及び、ペレニアル
ライ種5g/mとをよく混合したものを、厚さ35m
mに敷設した後、散水し発芽させ、芝がある程度成長し
たら、約1週間ごと1回、計18回、下葉を残して上茎
部を刈り取りながら、3月間、通常の方法により芝生を
育成した。得られた芝生カーペットは、高い引張強度を
有し、図1に示したように、ロール状に捲くことができ
た。これを、砂地に移植したところ、根付きは良好であ
った。
【0020】〔実施例2〕培地として、平均粒径1mm
の鹿島産の天然砂10.5l/m、カナダ産の団塊状
ピートモス21l/m、及び、アメリカ産のゼオライ
ト3.5l/mを使用し、実施例1と同様な芝種子を
よく混合したものを、実施例1と異なる列のフィルム上
に、厚さ35mmに敷設し、実施例1と同様にして、芝
を発芽させ、芝がある程度成長してから、約1週間ごと
1回、計18回、下葉を残して上茎部を刈り取りなが
ら、3月間、通常の方法により芝生を育成した。得られ
た芝生カーペットは、高い引張強度を有し、ロール状に
捲くことができ、砂地に移植したところ、根付きは良好
であった。
【0021】〔実施例3〕培地として、平均粒径1mm
の天竜川産の天然砂7.5l/m、北海道産の繊維状
ピートモス6l/m、及び、宇部興産(株)製のゼオ
ライト1.5l/mと、実施例1と同様な配合の芝種
子を計30g/mとをよく混合したものを、別の列の
フィルム上に厚さ15mmに敷設した他、実施例1と同
様にして、芝を発芽させ、芝がある程度成長してから、
約1週間ごと1回、計15回、下葉を残して上茎部を刈
り取りながら、2.5月間、通常の方法により芝生を育
成した。得られた芝生カーペットは、高い引張強度を有
し、ロール状に捲くことができ、砂地に移植したとこ
ろ、根付きは良好であった。
【0022】〔実施例4〕培地として、平均粒径1mm
の天竜川産の天然砂16l/m、カナダ産の団塊状ピ
ートモス20l/m、及び、アメリカ産のゼオライト
4l/mと、実施例1と同様な芝種子計50g/m
とをよく混合したものを、また別のフィルム上に、厚さ
40mmに敷設し、実施例1と同様にして、芝を発芽さ
せ、芝がある程度成長してから、約1週間ごと1回、計
23回、下葉を残して上茎部を刈り取りながら、4月
間、通常の方法により芝生を育成した。得られた芝生カ
ーペットは、高い引張強度を有し、ロール状に捲くこと
ができ、砂地に移植したところ根付きは良好であった。
【0023】〔比較例1〕培地として、平均粒径1mm
の天竜川産の天然砂35l/mだけを使用し、それ
に、実施例1と同様な芝種子計50g/mとをよく混
合したものを、また別のフィルム上に厚さ35mmに敷
設した他、実施例1と同様にして、芝を発芽させ、芝生
を育成した。しかしながら、培地に保水力も保肥力がな
いためか、芝生の根が密には伸長せず、砂の培地をホー
ルドできず、カーペット状にすることは、全く困難であ
った。
【0024】〔比較例2〕培地として、平均粒径1mm
の鹿島産の天然砂24.5l/m、カナダ産の団塊状
ピートモス7l/m、及び、イソライト3.5l/m
を使用した他、実施例1と同様な芝種子計50g/m
とをよく混合したものを、また別の列のフィルム上に
厚さ35mmに敷設し、実施例1と同様にして、芝を発
芽させ育成したところ、イソライトの部分に発芽不良が
みられ、均一な芝生を得ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明に係わる芝生カーペットは、前述
のような構成と作用とを有するので、ロール状に捲くこ
とができ、高い引張強度を有するだけでなく、砂地に移
植しても根付きがよく、その後の生育もよいという効果
をもたらすものであり、また、本発明に係わる芝生カー
ペットの製造方法は、前述のような構成と作用とを有す
るので、前述の優れた芝生カーペットを、極めて効率的
に製造できるという効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる芝生カーペットの概
観を示す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下葉の交絡した芝生からなる上層、主と
    して砂30〜70容積%、ピートモス20〜60容積
    %、及び、ゼオライト5〜20容積%からなる培地と上
    層の芝生の根本部とそれから伸長した根からなる厚さ1
    5〜40mmの中層、並びに、中層の芝生の根本部から
    中層を貫通して伸長した根が織物状に絡み合って形成さ
    れた下層からなる芝生カーペット。
  2. 【請求項2】 芝生が、耐寒性の品種、耐早性の品種、
    耐踏圧性の品種、及び、エンドファイト菌を含む対虫性
    の品種の中の1種以上の品種の芝を含む2種以上の品種
    の芝からなる請求項1記載の芝生カーペット
  3. 【請求項3】 ほぼ水平で平坦な土地に、所々に排水孔
    が設けられた合成樹脂フィルムを敷き、その上に、主と
    して砂30〜70容積%、ピートモス20〜60容積
    %、及び、ゼオライト5〜20容積%からなる培地に、
    芝種子等を混合した物を、厚さ15〜40mmに敷設
    し、撒水して芝種子を発芽させ、外部環境と芝の成育状
    態に合わせて、撒水、追肥等をおこない、徒長した芝生
    の上茎部を刈り込みながら、芝生を育成して、芝生の下
    葉を充分に交絡させると同時に、敷設物の底部に達した
    芝の根を合成樹脂フィルム上を横に匍匐させて相互絡み
    合わせることを特徴とする請求項1記載の芝生カーペッ
    トの製造方法
  4. 【請求項4】 ほぼ水平で平坦な土地に、所々に排水孔
    が設けられた合成樹脂フィルムを敷き、その上に、主と
    して砂30〜70容積%、ピートモス20〜60容積
    %、及び、ゼオライト5〜20容積%からなる培地に、
    耐寒性の品種、耐旱性の品種、耐踏圧性の品種、及び、
    エンドファイト菌を含む対虫性の品種の中の1種以上の
    品種の芝種子を含む2種以上の品種の芝種子等を混合し
    た物を、厚さ15〜40mmに敷設し、撒水して芝種子
    を発芽させ、外部環境と芝の成育状態に合わせて、撒
    水、追肥等をおこない、徒長した芝生の上茎部を刈り込
    みながら、芝生を育成して、芝生の下葉を充分に交絡さ
    せると同時に、敷設物の底部に達した芝の根を合成樹脂
    フィルム上を横に匍匐させて相互絡み合わせることを特
    徴とする請求項2記載の芝生カーペットの製造方法
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