JP4283692B2 - 炭化室の炉壁補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉の炭化室の炉壁補修方法に関する。
コークス炉の炭化室の炉壁は耐火物レンガ(以下、単に耐火物という)で構成されている。この耐火物に、例えば、目地切れ、亀裂の発生、欠損等の損傷が生じると、発生したコークス炉ガスが炭化室から燃焼室へ流入して不完全燃焼を生じたり、熱分解カーボンの炉壁への付着の増大、あるいは製造したコークスの損傷部への食い込みによって押し詰まりの問題が生じる。
そこで、従来、炭化室の耐火物の損傷を補修する種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、炭化室の炉壁損傷部の損耗状況に応じて、溶射範囲及び補修パターンを設定することにより、火炎溶射による補修面と正常な耐火物面との境界部の平滑度を向上させ、コークス押出時の押出抵抗の増加を抑制する炭化室の炉壁補修方法が開示されている。
特許第2819229号公報
しかしながら、前記従来の炭化室の炉壁補修方法には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1の方法は、目的とする平滑な補修面を得るために、予め制御部に多種の基本動作パターンと移動パターンを設定し、多くの組み合わせ補修パターンの中から最適な補修パターンを選択している。しかし、補修は1回(1層)の溶射で行っており、炉壁損傷部の凹凸の影響や、溶射ヒープ(1回の溶射厚みと溶射幅)特性によって補修部に凹凸(山や谷)が生じ、溶射面が平滑に仕上がりにくいという問題があった。
このように、溶射面に凹凸が生じ、更にその表面にダマ、タレ等が生じることで、炉壁損傷部の凹凸よりも顕著な凹凸が補修部の表面に現れるため、カーボンの付着や成長が生じ易く、コークスの押出時の押出抵抗が増加する。
これにより、コークスの押詰まりトラブルが発生し、結果的に炭化室の温度低下が起こり、この急激な温度変化によって炉壁を傷め、炭化室の寿命を短くする恐れがあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、補修部分の溶射面の平滑度を従来よりも向上させ、コークス押出時の押出抵抗の増加を抑制し、炭化室の長寿命化を図ることが可能な炭化室の炉壁補修方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の炭化室の炉壁補修方法は、炭化室の炉壁損傷部に溶射原料を帯状で、所定のパスピッチを有してジグザグ状に吹き付けて補修を行う炭化室の炉壁補修方法において、
溶射原料の吹き付けは複数回積層して行われ、前回の層で、前記所定のパスピッチを有して吹き付けることにより形成された帯状の溶射原料の間の谷部に向けて、次回の層を形成する溶射原料を吹き付けることにより、前記谷部に次回の層を形成する
請求項1記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射原料を炉壁損傷部に帯状に複数回吹き付けて積層することで、例えば、その深さに対応した補修を行うことができる。また、吹き付けられた溶射原料は、その断面が山状に突起した状態であることから、この溶射原料の間に谷部が発生するので、この谷部に向けて次回の層を形成する溶射原料の吹き付けを行う。
また、溶射原料を吹き付けて行う補修方法としては、例えば、テルミット溶射、ラバーフレーム溶射等を使用できる。
なお、テルミット溶射とは、通常の火炎溶射、ガス溶射等のように溶射原料と共に火炎を噴出させ、溶射対象物に対して溶融させた溶射原料を吹き付ける溶射とは異なり、例えば、溶射対象物に吹き付けられた溶射原料(補修材)を、酸素キャリアガスとの酸化反応熱により溶融させるものを意味する。
また、ラバーフレーム溶射とは、火炎によって加熱された溶射原料を吹き付ける補修方式のものを意味する。
請求項2記載の炭化室の炉壁補修方法は、請求項1記載の炭化室の炉壁補修方法において、前記炉壁損傷部の補修をテルミット溶射で行う。
請求項3記載の炭化室の炉壁補修方法は、請求項1及び2記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射原料の吹き付けは偶数回行う。
請求項4記載の炭化室の炉壁補修方法は、請求項1〜3記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射原料の吹き付けは、吹き付け位置を制御可能な溶射ノズルを使用して行われ、前記溶射ノズルの移動パターンを予め設定し、補修開始前に前記炉壁損傷部の損耗状況に基づいて溶射範囲を設定し、前記溶射ノズルの移動速度を前記炉壁損傷部の損耗状況に基づいて制御する。
請求項4記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射ノズルの吹き付け位置の制御は、例えば、機械的及び電気的のいずれか一方又は双方により行うことができる。
また、移動パターンとは、例えば溶射ノズルの移動経路を意味し、溶射範囲とは、例えば破損、欠損が生じた炉壁損傷部である。
そして、溶射ノズルの移動速度を制御することで一箇所当たりに吹き付けられる溶射原料の量を調整できる。例えば、溶射原料の単位時間当たりの吹き付け量を一定にした場合、溶射ノズルの移動速度を遅くするに伴い、吹き付けられた溶射原料の厚みを厚く、また幅を広くでき、一方、溶射ノズルの移動速度を速くするに伴い、吹き付けられた溶射原料の厚みを薄く、また幅を狭くできる。
請求項1〜4記載の炭化室の炉壁補修方法は、前回の層で形成された溶射原料の間の谷部に向けて溶射原料の吹き付けを行うので、吹き付け時に発生する層の凹凸を吸収できる。これにより、炉壁損傷部を略平滑な状態にできるので、コークス押出時の押出抵抗の増加を抑制でき、炭化室の長寿命化を図ることができる。
特に、請求項2記載の炭化室の炉壁補修方法は、炭化室の補修をテルミット溶射で行うので、例えば、炉壁損傷部の細部にまで補修材を侵入させて反応させることができ、例えば火炎溶射と比較して、正常な部分と補修部分との平滑度を向上させることができる。
請求項3記載の炭化室の炉壁補修方法は、溶射原料の吹き付けを偶数回行うので、最終回の溶射原料の吹き付けが、前回の溶射原料の谷部となることから、炉壁損傷部を更に平滑な状態に補修できる。
請求項4記載の炭化室の炉壁補修方法は、吹き付け位置を制御可能な溶射ノズルを使用して溶射原料の吹き付けを行うので、補修の精度を高めることができる。また、予め設定した移動パターンと溶射範囲に基づいて、溶射ノズルの移動速度を制御するので、適切な補修作業を作業性よく実施できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法の説明図、図2は同炭化室の炉壁補修方法の補修材の吹き付け方法を示す説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同炭化室の炉壁補修方法に使用する補修装置の説明図、部分拡大図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法は、炭化室10の炭化室の炉壁を構成する耐火物レンガ(以下、単に耐火物という)11に発生した目地切れ、亀裂の発生、欠損等の炉壁損傷部(以下、単に損傷部ともいう)12に対し、テルミット溶射を使用して補修する方法である。
まず、本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法に使用する補修装置13について説明した後、本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法について説明する。
補修装置13としては、図3(A)、(B)に示すような、例えば、特願2003−69300に記載された補修装置等を使用できる。
この補修装置13は、橇14によって炭化室10の炉底15に接地する台車(プローブ)16を有し、炭化室10内を前進後退することができる。台車16の前進後退は、炭化室10の炉外に配置された装入駆動部(図示しない)によって行われる。台車16の前部は、炭化室10内の最も奥まで前進することを要する一方、装入駆動部は常に炉外に位置するため、台車16は炭化室10内の長さに相当する長さを有するものとなる。
台車16は、走行台車17の上に設置することができる。走行台車17は一対のレール18の上を走行可能であり、これにより補修装置13を、補修を実施する位置まで移動させることができる。台車16と走行台車17との接触部については、走行台車17の上部に複数の受けローラ19を設け、台車16が受けローラ19上に走行可能に載置される構成となっている。
台車16の炉内先端部には、観察診断手段20や補修手段21を炉内空間で移動するための駆動手段22を有する。駆動手段22は、炉内前後方向の平行移動手段23、炉内上下方向に回動するアーム25を利用した傾動手段24、アーム25先端部に取付けられた横方向回転手段26を有する。観察診断手段20及び補修手段21等は横方向回転手段26に取付けられる。この駆動手段22により、横方向回転手段26の先端に取付けられた観察診断手段20や補修手段21は、炉内の上下方向全域を移動可能であり、更に観察診断あるいは補修する対象として左右いずれの炉壁をも選択することが可能になる。傾動手段24の動作による先端部の軌跡は円弧となるが、傾動手段24の動作に合わせて平行移動手段23を動作させることにより、先端部の軌跡を直線とすることもできる。
横方向回転手段26の先端には、観察診断手段20及び補修手段21のほか、カーボン燃焼除去手段等を取付けることができる。
横方向回転手段26の先端に取付けられる観察診断手段20には、この壁面との距離を測定する距離計27が配置される。距離計27としては、レーザー距離計等を用いることができ、これにより耐火物レンガ11の損傷深さを測定する。なお、補修を予定する位置付近の壁面を二次元的に走査しながら、この距離を測定することにより、壁面の損傷深さを三次元情報として取得することができる。走査は、駆動手段22の動作によって行う。
観察診断手段20としては、壁面との距離を測定する距離計27のほか、壁面を撮像する撮像手段や、この壁面の温度を測定する温度計を配置することもできる。撮像手段としては、CCDカメラ(テレビカメラの一例)等を用い、補修を行う壁面の観察を行う。壁面の温度分布を測定することにより、カーボン燃焼除去手段の作動中の壁面温度の監視や、溶射中の温度監視が可能になり好ましい。
横方向回転手段26の先端に取付けられる補修手段21は、図1、図2に示すように、その先端に溶射ノズル28が設けられ、この溶射ノズル28から耐火性粉状物と酸化性の粉体とを混合した補修材(溶射原料の一例)、及びキャリアガスである酸素ガスが噴射される。この溶射ノズル28は、駆動手段22の動作によってその吹き付け位置を制御可能な構成となっている。
なお、溶射方法として、火炎によって加熱された溶射原料を吹き付けるラバーフレーム溶射方式の溶射方法を使用する場合は、補修手段21の先端に溶射バーナー(溶射ノズルの一例)を設け、この溶射バーナーで火炎を形成する。このとき、溶射バーナー先端から溶射原料を噴射させることで、溶射原料を火炎によって溶融させ、溶融させた溶射原料を壁面を構成する耐火物レンガに付着させて補修を行う。
続いて、本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法について、前記した補修装置13を参照しながら説明する。
まず、図3(A)に示すように、走行台車17を駆動させ、補修を実施する位置まで補修装置13を移動させる。
次に、台車16を炉内へ向かって進行させ、例えば、CCDカメラを装着した観察診断手段20を用いて耐火物11の損傷状況等を把握する。補修をすべき損傷部12を選定したら、その損傷部12が駆動手段22の移動範囲に含まれる位置で台車16を静置する。
図3(A)、(B)に示すように、駆動手段22の平行移動手段23と傾動手段24によって観察診断手段20を移動し、例えば、5〜50mm程度のピッチで壁面を走査しながら観察を行う。観察診断手段20の距離計27を用いることによって、損傷部12の侵食深さについての情報が位置の座標と共に得られる。
これにより、損傷部12の補修開始前に、上記した情報から損傷部12の形状を等高線状となった損耗分布図29で表示し、損傷部12の損耗状況を把握して、図2に示すように、溶射範囲(指定範囲)を設定する。なお、この溶射範囲の境界線は、損傷部12の輪郭になっている。
このように、損耗分布図29上で溶射範囲を設定することで、溶射ノズル28の走査軌道と走査速度の変更点を自動設定することができる。
溶射ノズル28から、耐火性粉状物と酸化性の粉体とが混合された補修材(テルミット粉体)、及び酸素ガスを、炭化室10の炉壁損傷部12に吹き付ける。このとき、炉壁損傷部12は、700〜1000℃の温度範囲となっているため、この炉壁損傷部12をテルミット反応を起こすための熱源として使用できる。
従って、炉壁損傷部12に吹き付けられた補修材は、図1に示すように、炉壁損傷部12の凹部(窪み部)30に侵入して損傷面に接触し、ここから選択的に溶射(溶融)が進行する。これにより、炉壁損傷部12の凹凸が補修部31の表面に影響することを抑制、更には防止できる。
また、溶射方法として、火炎によって加熱された溶射原料を吹き付けるラバーフレーム溶射方式の溶射方法を使用する場合は、溶射バーナーから、火炎によって加熱された溶射原料を、コークス炉10の炉壁損傷部12に吹き付ける。
炉壁損傷部12に吹き付けられた補修材の形状は、上記した各条件により変わるため、この条件を設定して、炉壁損傷部12の溶射範囲に補修材の吹き付けを帯状(例えば、断面形状が山状で、かつその最大厚みが2〜10mm、幅が20〜25mm程度)に行う。
溶射ノズル28は、図2に示すように、予め設定された溶射範囲の内側に補修材の形状を考慮した余裕代(エリア余裕代)を持たせた1層目の吹き付け範囲Aの境界、又は境界よりも僅かに内側を走査するように、駆動手段22を用いて制御する(往路)。
なお、補修材の吹き付けは、吹き付け範囲Aの上端部を開始位置(始点)とし、上から下へ向かって、予め設定された移動パターン、即ち所定のパスピッチ(吹き付けられる隣り合う補修材の中心間隔であり、この実施の形態においては例えば20〜25mm程度)を設定してジグザグ状に吹き付ける。なお、この吹き付けは、下から上に向かって行うことも、また横方向、即ち、一方側から他方側(右から左、左から右)に向かって行うこともできる。
このようにして、補修材が損傷面の略全体を覆い尽くすように、溶射ノズル28を最終的に1層目終点まで移動させ、1層目の吹き付けを終了する。なお、溶射ノズル28の走査速度は、損耗分布図29から得られる炉壁損傷部12の損傷深さに応じて駆動手段22により順次制御され、例えば、補修材の単位時間当たりの吹き付け量を一定にした場合、溶射ノズル28の移動速度を遅くして吹き付けられる補修材の厚みを厚く、また幅を広くし、一方、溶射ノズル28の移動速度を速くして吹き付けられる補修材の厚みを薄く、また幅を狭くする。
引き続き、予め設定された1層目の吹き付け範囲Aの内側に余裕代(エリア余裕代)を持たせた2層目の吹き付け範囲Bの境界、又は境界よりも僅かに内側に対して、溶射ノズル28を走査させるように、駆動装置22を用いて制御する(復路)。なお、1層目(前回の層)を形成する補修材は、帯状に吹き付けられている。これにより、図2に示すように、隣り合う補修材の間に谷部32が形成されるので、2層目(次回の層)を形成する補修材の吹き付けをその谷部32に向けて行うため、1層目の溶射パスピッチの1/2(例えば、1/3〜2/3程度の範囲)だけ内側へずらした点(2層目始点)から開始する。
そして、補修材が1層目の略全体を覆い尽くすように、補修ノズルを予め設定された移動パターン、即ち下から上へかけてジグザグ状に移動させ、最終的に2層目終点まで移動させて、2層目の吹き付けを終了する。このとき、溶射ノズル28の走査方向が切り替わる場所、即ち、1層目の補修材を跨ぐ場所では、溶射ノズル28の移動速度を速めて、吹き付けられる補修材量を少なくしたり、また2層目の補修材の吹き付けを停止することもできる。
なお、溶射ノズル28の移動パターンのパスピッチは、前記した吹き付け時の各条件に基づいて、2層目の吹き付けにより、その表面が略平滑になるような間隔、例えば、10〜30mm、好ましくは20〜30mmに予め設定して行う。
これにより、炉壁損傷部12の補修を終了し、炉内から台車16を後退させる。
このように、補修材の吹き付けを偶数回(本実施の形態では2回)積層して行うことで、最終回の吹き付けがその前の回の吹き付けの谷部となることから、生じる凹凸を吸収できる。
従って、補修部分の補修面の平滑度を従来よりも向上させ、しかも損傷していない正常な部分と補修部分との平滑度を従来よりも向上させて、コークス押出時の押出抵抗の増加を抑制し、炭化室の長寿命化を図ることができる。
次に、本発明の作用効果を確認するため、溶射方法として、火炎によって加熱された溶射原料を帯状に吹き付けるラバーフレーム溶射方式の溶射方法を使用した実施例について説明する。ここで、図4は実施例に係る補修前後の炭化室の高さ方向における炉壁の損傷深さ分布を示す説明図、図5は同補修前後の炭化室の押出機側からガイド車側の長さ方向における炉壁の損傷深さ分布を示す説明図であり、各図中の■を繋ぐ線は炉壁損傷部の損傷面の輪郭線を示し、○を繋ぐ線は補修後の補修面の輪郭線(溶射プロフィール)を示している。
前記した本発明の炭化室の炉壁損傷方法を使用し、炭化室10の炉壁損傷部12に対して、以下の条件で補修作業を行った。
溶射原料としては、シリカ(SiO2 )を90質量%以上含むものを使用し、火炎を形成する燃料としては、プロパンガスと酸素を使用した。なお、酸素量は72Nm3 /時間とした。また、溶射原料の吹き付けは6回積層して行い、溶射原料の吹き付け量は、1、2層を20kg/時間、3、4層を22kg/時間、5、6層を18kg/時間にそれぞれ設定した。
図4に示すように、補修が行われた炭化室の炉壁高さ方向(Y方向)の距離が600mm(=2500−1900mm)の範囲で、最深部の深さが35mm程度の損傷を受けた部分は、補修後の溶射面の凹凸の深さを10mmの範囲内に抑えることができた。また、図5に示すように、炭化室の長さ方向(X方向)の距離が600mm(=14400−13800mm)の範囲で、最深部の深さが40mm程度の損傷を受けた部分についても、補修後の溶射面の凹凸の深さを10mmの範囲内に抑えることができた。
なお、従来のように、溶射原料の吹き付けを1回(1層)しか行っていない場合は、補修後の溶射面の凹凸の深さが、15mm程度の範囲となっており、補修部の表面に溶射による凹凸が残存していた。
従って、補修部分の補修面の平滑度を従来よりも向上させ、しかも正常な部分との境界部の平滑度を従来よりも向上させることができ、コークス押出時の押出抵抗の増加を抑制し、炭化室の長寿命化を図ることができる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の炭化室の炉壁補修方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、溶射原料の吹き付けを2回積層して行った場合について説明したが、炉壁損傷部の損傷深さの程度に応じて、3回以上積層して行うことも可能である。なお、吹き付けられた補修材の凹凸を、2層で吸収し合うことを考慮すれば、4回以上の偶数回積層して行うことが好ましい。
本発明の一実施の形態に係る炭化室の炉壁補修方法の説明図である。 同炭化室の炉壁補修方法の補修材の吹き付け方法を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ同炭化室の炉壁補修方法に使用する補修装置の説明図、部分拡大図である。 実施例に係る補修前後の炭化室の高さ方向における炉壁の損傷深さ分布を示す説明図である。 同補修前後の炭化室の押出機側からガイド車側の長さ方向における炉壁の損傷深さ分布を示す説明図である。
符号の説明
10:炭化室、11:耐火物レンガ、12:炉壁損傷部、13:補修装置、14:橇、15:炉底、16:台車、17:走行台車、18:レール、19:受けローラ、20:観察診断手段、21:補修手段、22:駆動手段、23:平行移動手段、24:傾動手段、25:アーム、26:横方向回転手段、27:距離計、28:溶射ノズル、29:損耗分布図、30:凹部、31:補修部、32:谷部

Claims (4)

  1. 炭化室の炉壁損傷部に溶射原料を帯状で、所定のパスピッチを有してジグザグ状に吹き付けて補修を行う炭化室の炉壁補修方法において、
    溶射原料の吹き付けは複数回積層して行われ、前回の層で、前記所定のパスピッチを有して吹き付けることにより形成された帯状の溶射原料の間の谷部に向けて、次回の層を形成する溶射原料を吹き付けることにより、前記谷部に次回の層を形成することを特徴とする炭化室の炉壁補修方法。
  2. 請求項1記載の炭化室の炉壁補修方法において、前記炉壁損傷部の補修をテルミット溶射で行うことを特徴とする炭化室の炉壁補修方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射原料の吹き付けは偶数回行うことを特徴とする炭化室の炉壁補修方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化室の炉壁補修方法において、溶射原料の吹き付けは、吹き付け位置を制御可能な溶射ノズルを使用して行われ、前記溶射ノズルの移動パターンを予め設定し、補修開始前に前記炉壁損傷部の損耗状況に基づいて溶射範囲を設定し、前記溶射ノズルの移動速度を前記炉壁損傷部の損耗状況に基づいて制御することを特徴とする炭化室の炉壁補修方法。
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