JP4282768B2 - 4―ヒドロキシベンズアルデヒドおよびその誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに詳細には、本発明は、それぞれバニリンおよびエチルバニリンとして知られている、3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドの製造に関する。
フランス特許出願第95/06186号には、4−ヒドロキシベンズアルデヒド類、特にバニリンおよびエチルバニリン、の製造法に関して記載されている。
その記載されている方法は、3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを製造し、次いでその化合物を脱炭酸して4−ヒドロキシベンズアルデヒドを得ることからなる。
フランス特許出願第95/06186号によると、3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドは、以下の化合物のうちの一つおよびその混合物から製造され、特に、以下の式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)の化合物から製造される。
式中、
・Mは、水素原子および/または(Ia)および(IIa)族の金属陽イオン、またはアンモニウム陽イオンを表し、
・Z1、Z2およびZ3は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはアリールのラジカル、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、またはトリフルオロエチル基を表す。
前出の特許の方法では、出発化合物は、芳香環上のオルト位とパラ位に二つの官能基を有する二官能性フェノール化合物であり、その官能基は−CHO基および/または−CH2OH基であってよい。
まず始めに、オルト位が選択的に酸化されてカルボキシル基となり、パラ位の官能基はせいぜい酸化されてもホルミル基である。オルト位のカルボキシル基が脱離すると、4−ヒドロキシベンズアルデヒドが得られる。
このように、バニリンおよびエチルバニリンは、選択的であり、安価な反応物質を使用するという工業的見地から高度に競合的である方法を使用することで、有利に製造することができる。
しかしながら、この方法では、高収率の二官能性フェノール化合物を得るには副産物、すなわちビス−アリールメタンを伴うため、70%を超える反応収率(出発のフェノールに対して表す)を得ることは困難である。
我々の研究により、フランス特許出願第96/12479号において、4−ヒドロキシベンズアルデヒドは、2位にホルミル基またはヒドロキシメチル基を有する(A)、および4位にホルミル基またはヒドロキシメチル基を有する(B)である一置換フェノール化合物の混合物から、化合物(A)の2位のホルミル基またはヒドロキシメチル基をカルボキシル基に、多分化合物(B)の4位のヒドロキシメチル基をホルミル基に、選択的に酸化し、2−ヒドロキシ安息香酸および4−ヒドロキシベンズアルデヒドを製造し、後者を分離することにより製造できることを見い出した。
特に詳細には、使用されるフェノール化合物の上記混合物は、一般式(II)で表される。
式(IIA)および(IIB)中、
・Y1およびY2は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・−CHO基
・CH2OH基
のうちの一つを表し、
・Z1、Z2、Z3は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキルまたはアリールのラジカル、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、またはトリフルオロエチル基を表す。
この方法の短所は、フェノールのヒドロキシメチル化によって式(IIA)および(IIB)の化合物を得るために、出発物質のフェノールの転化率を下げて反応させることが重要であり、この結果生産性が低くなってしまうことである。
従って、副産物をできるだけ減少させ、かつ高い運転生産性を生み出すという大きな経済的関心が持たれる方法が可能となるように、既存の方法を改善する必要がある。
我々が発見し、本発明の一つの態様となるものは、4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよびその誘導体の製造法であり、少なくとも、
・ホルミル基および/またはヒドロキシメチル基を2および4位に有するフェノール化合物(A)と、
・ホルミル基またはヒドロキシメチル基を4位に有するフェノール化合物(B)と、
・ホルミル基またはヒドロキシメチル基を2位に有するフェノール化合物(C)と、
を含む混合物中のフェノール化合物に存在する水酸基に関して、2位にある官能基を選択的に酸化してカルボキシル基とすることで、その結果得られる混合物中には3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、および2−ヒドロキシ安息香酸が含まれるようになり、さらに脱炭酸操作を行うことで4−ヒドロキシベンズアルデヒドと場合によって再利用可能なフェノールとを生成することを特徴とする。
さらなる態様では、本発明は、請求の範囲に混合物自体として記載されるフェノール化合物の出発混合物および酸化後に得られる混合物を提供する。
最後に、これらの混合物の製造方法も、本発明のさらなる態様となる。
本発明の方法では、我々は上述の出発化合物の混合物から開始すれば、カルボキシル基の酸化はオルト位のヒドロキシメチル基およびホルミル基において優先的に起こるので、分子内酸化(A)および分子間酸化(B+C)を同時に行うことが可能となることを発見した。
従って本発明の方法は、酸化段階と、4−ヒドロキシベンズアルデヒドに転化する3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドと再利用可能なフェノール性出発化合物を生成可能な2−ヒドロキシ安息香酸との脱炭酸段階とを含み、次いで4−ヒドロキシベンズアルデヒドを従来法により回収する。
本発明の方法で使用する出発物質は、フェノール化合物の混合物であり、一つ(A)はホルミル基および/またはヒドロキシメチル基を2および4位に有し、第二(B)はホルミル基またはヒドロキシメチル基を4位に有し、最後(C)は2位に有する。
「フェノール化合物」という用語は、水酸基をもつ芳香核を有するあらゆる芳香族化合物を意味する。
以下における本発明の開示では、「芳香族」という用語は、文献、特にジェリー・マーチ(Jerry MARCH)著『最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)』第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1992年、40ページ以降、に記載されているような芳香族性の通常の概念を意味する。
このように、フェノール化合物の混合物(II)が使用され、特に以下の式のものが使用される。
式(IIA)から(IIC)において、
・Y1およびY2は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・−CHO基
・−CH2OH基
のうちの一つを表し、
・Z1、Z2およびZ3は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、またはアリールのラジカル、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を表す。
本発明の方法における使用に特に適当な化合物は、式(IIA)から(IIC)を有し、Z1、Z2およびZ3は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・水素原子、
・メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキルラジカル、
・ビニル、アリルなどの、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルケニルラジカル、
・メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシラジカルなどの、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルコキシラジカル、
・フェニルラジカル、
・ハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素原子、
のうちの一つを表す。
本発明の方法で起こる反応を妨げるものでないのであれば、本発明は、芳香族環上の異なる性質の置換基の存在を除外するものではない。
本発明は、Z1が水素原子または炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を有する直鎖または分岐アルキルまたはアルコキシラジカルであり、Z2およびZ3が水素原子であり、Y1およびY2が同じ種でありホルミル基またはヒドロキシメチル基である、式(IIA)から(IIC)の化合物に適用するのが好ましい。
本発明の方法において使用されるフェノール化合物の混合物の好ましい例としては、
・o−ヒドロキシメチルグアヤコール、p−ヒドロキシメチルグアヤコール、および4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール、
・o−ホルミルグアヤコール、p−ホルミルグアヤコール、および4,6−ジホルミルグアヤコール、
・o−ヒドロキシメチルグエトール、p−ヒドロキシメチルグエトール、および4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グエトール、
・o−ホルミルグエトール、p−ホルミルグエトール、および4,6−ジホルミルグエトール、
が挙げられる。
本発明の方法では、好ましくは式(II)を有するフェノール化合物の出発混合物を使用する。
混合物中の各フェノール化合物の比率は、その製造方法に依存する。
好ましい混合物は、
・30重量%〜70重量%、好ましくは50%〜70%のフェノール化合物(A)と、
・30重量%〜70重量%、好ましくは50%〜70%のフェノール化合物の混合物(B+C)と、
を含む。
目安として、異性体BおよびCの量は、混合物中においてほぼ等モルである。
本発明の開示内容の理解を容易にするため、反応の概要を以下に示すが、本発明の範囲がこの概要によりあらゆる点で制限を受けるものではない。
式(I)から(VI)において、
・Y1およびY2は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・−CHO基、
・−CH2OH基、
のうちの一つを表し、
・Mは、水素原子および/または周期表の(Ia)または(IIa)族の金属陽イオン、またはアンモニウムイオンを表し、
・Z1、Z2およびZ3は、前述の意味をもつ。
本明細書では、”Bulletin de la Societe Chimique de France”,no1(1966)に記載されている周期表を参照している。
本発明による方法によれば、好ましくは式(IIA)および(IIC)を有するフェノール化合物(A)および(C)の2位の官能基Y1は、選択的に酸化されてカルボキシル基となり、ヒドロキシメチル基は、好ましくは式(IIA)および(IIB)を有するフェノール化合物(A)および(B)の4位に存在するのであれば、選択的に酸化されてホルミル基となる。
酸化は、分子状酸素や、分子状酸素を含む気体を使用して、一般に触媒の存在下で行われる。
好ましい酸化方法は、式(II)のフェノール化合物の混合物を、液相で分子状酸素または分子状酸素を含む気体を用い、塩基性試薬を含む水性媒体中で、周期律における元素の分類の1bおよび8族の金属から選択される金属M1を主成分とし、場合によって活性化剤としてカドミウム、セリウム、ビスマス、鉛、銀、テルル、スズなどの金属を含むことができる触媒の存在下で酸化することからなる。
我々が発見した意外なことは、温度を高くして好ましくは反応が加圧下で行われるか、または酸化の間に存在する塩基量を増加すれば、好ましくは式(IIA)および(IIC)を有するフェノール化合物(A)および(C)の2位の官能基Y1が選択的に酸化されてカルボキシル基となり、好ましくは式(IIA)および(IIB)を有するフェノール化合物(A)および(B)の4位にある官能基がせいぜい酸化されてホルミル基となる、ということである。
本発明の方法において使用される触媒は、周期律分類の1bおよび8族の金属を主成分とする。
周期律分類の8族の金属を主成分とする触媒の例として、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、およびこれらの混合物が挙げられる。1b族の金属に関しては、銅が好ましい。
好ましくは、白金および/またはパラジウム触媒が、白金黒、パラジウム黒、酸化白金、酸化パラジウム、または貴金属自身をカーボンブラック、炭酸カルシウム、アルミナ、または活性化シリカや同等材料などの異種担体上に付着させたもの、などあらゆる利用可能な形態で使用される。カーボンブラックを主成分とする触媒塊が特に適している。
使用される触媒量は、式(II)のフェノール化合物の重量を基準とした金属M1の重量として表せば、0.01%〜10%、好ましくは0.04%〜2%まで変化させることができる。
触媒のさらなる詳細については、米国特許US−A−3 673 257号、およびフランス特許FR−A−2 305 420号、FR−A−2 350 323号より得ることができる。
活性化剤は、上記特許に記載のものすべてより選択することができる。好ましくは、ビスマス、鉛、カドミウムが、遊離金属または陽イオンとして利用される。後者の場合、結合する陰イオンは重要ではなく、これら金属のあらゆる誘導体を使用することができる。ビスマス金属、またはその誘導体の使用が特に望ましい。
無機または有機ビスマス誘導体は、ビスマス原子が0より大きい酸化数、例えば2、3、4または5を有するものを使用することができる。この条件を満たすのであれば、ビスマスと結合する残りの部分は重要ではない。活性化剤は、反応媒体中に可溶または不溶のものを使用することができる。
本発明の方法に使用することができる活性化剤の実例として、酸化ビスマス類、水酸化ビスマス類、ビスマスの塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫化物、セレン化物、テルル化物などの無機水素酸塩、ビスマスの亜硫酸塩、硫酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、炭酸塩、過塩素酸塩、アンチモン酸塩、ヒ酸塩、亜セレン酸塩、セレン酸塩などの無機酸素酸塩、ビスマスのバナジン酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、クロム酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、過マンガン酸塩などの遷移金属より誘導される酸素酸塩、が挙げられる。
他の適当な化合物には、ビスマスの酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩などの脂肪族または芳香族の有機酸塩、およびビスマスの没食子酸塩、焦性没食子酸塩などのフェノール塩がある。これらの塩およびフェノール塩は、ビスムチル塩であってもよい。
他の無機または有機化合物には、ビスマスとリンやヒ素などの元素との二元化合物、ビスマスを含むヘテロポリ酸およびその塩、さらに脂肪族および芳香族ビスムチンがある。
具体例としては、
・酸化物として、BiO、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5、
・水酸化物として、Bi(OH)3、
・無機水素酸塩として、塩化ビスマスBiCl3、臭化ビスマスBiBr3、ヨウ化ビスマスBiI3、硫化ビスマスBi2S3、セレン化ビスマスBi2Se3、テルル化ビスマスBi2Te3、
・無機酸素酸塩として、塩基性亜硫酸ビスマスBi2(SO3)3,Bi2O3,5H2O、中性硫酸ビスマスBi2(SO4)3、硫酸ビスムチル(BiO)HSO4、亜硝酸ビスムチル(BiO)NO2,0.5H2O、中性硝酸ビスマスBi(NO3)3,5H2O、ビスマスとマンガンの複硝酸塩2Bi(NO3)3,3Mg(NO3)2,24H2O、硝酸ビスムチル(BiO)NO3、亜リン酸ビスマスBi2(PO3H)3,3H2O、中性リン酸ビスマスBiPO4、ピロリン酸ビスマスBi4(P2O7)3、炭酸ビスムチル(BiO)2CO3;0.5H2O、中性過塩素酸ビスマスBi(ClO4)3,5H2O、過塩素酸ビスムチル(BiO)ClO4、アンチモン酸ビスマスBiSbO4、中性ヒ酸ビスマスBi(AsO4)3、ヒ酸ビスムチル(BiO)AsO4,5H2O、亜セレン酸ビスマスBi2(SeO3)3、
・遷移金属より誘導される酸素酸塩として、バナジン酸ビスマスBiVO4、ニオブ酸ビスマスBiNbO4、タンタル酸ビスマスBiTaO4、中性クロム酸ビスマスBi2(CrO4)、二クロム酸ビスムチル([BiO]2Cr2O7、酸性クロム酸ビスムチルH(BiO)CrO4、ビスムチルとカリウムの複クロム酸塩K(BiO)CrO4、モリブデン酸ビスマスBi2(MoO4)3、タングステン酸ビスマスBi2(WO4)3、ビスマスとナトリウムの複モリブデン酸塩NaBi(MoO4)2、塩基性過マンガン酸ビスマスBi2O2(OH)MnO4、
・脂肪族または芳香族の有機酸塩として、酢酸ビスマスBi(C2H3O2)3、プロピオン酸ビスムチル(BiO)C3H5O2、塩基性安息香酸ビスマスC6H5CO2Bi(OH)2、サリチル酸ビスマスC6H4CO2(BiO)(OH)、シュウ酸ビスマス(C2O4)3Bi2、酒石酸ビスマスBi2(C4H4O6)3,6H2O、乳酸ビスマス(C6H9O5)OBi,7H2O、クエン酸ビスマスC6H5O7Bi、
・フェノール塩として、塩基性没食子酸ビスマスC7H7O7Bi、塩基性焦性没食子酸ビスマスC6H3(OH)2(OBi)(OH)、
が挙げられる。
他の無機または有機化合物もまた適当であり、リン化ビスマスBiP、ヒ化ビスマスBi3As4、ビスマス酸ナトリウムNaBiO3、ビスマスチオシアン酸H2[Bi(BNS)5],H3[Bi(CNS)6]およびこれらのナトリウム塩とカリウム塩、トリメチルビスムチンBi(CH3)3、トリフェニルビスムチンBi(C6H5)3、が挙げられる。
本発明の方法での使用に好ましいビスマス誘導体は、酸化ビスマス類、水酸化ビスマス類、無機水素酸のビスマスまたはビスムチル塩、塩無機酸素酸のビスマスまたはビスムチル塩、脂肪族または芳香族有機酸のビスマスまたはビスムチル塩、ビスマスまたはビスムチルのフェノール塩、である。
本発明の方法を実施するために特に適した活性化剤のグループを構成するものは、酸化ビスマスBi2O3およびBi2O4、水酸化ビスマスBi(OH)3、中性硫酸ビスマスBi(SO4)3、塩化ビスマスBiCl3、臭化ビスマスBiBr3、ヨウ化ビスマスBiI3、中性硝酸ビスマスBi(NO3)3,5H2O、硝酸ビスムチルBiO(NO3)、炭酸ビスムチル(BiO)2CO3,0.5H2O、酢酸ビスムチルBi(C2H3O2)3、サリチル酸ビスムチルC6H4CO2(BiO)(OH)である。
使用される活性化剤の量は、使用される金属M1の重量に対する活性化剤に含まれる金属量で表すと、広い範囲にわたって変化させることができる。例を挙げると、この量は0.1%まで低くてもよく、何も問題がなく、使用される金属M1の重量にまで到達したり、これを超過することもできる。
さらに詳細には、この量は、式(II)のフェノール化合物に対する活性化剤金属の重量で10ppm〜900ppmを酸化媒体に添加されるように選択される。
この点において、900ppm〜1500ppm程度に高い量の活性化剤量を当然使用することができるが、このことによるあまり大きな利点はない。
本発明の方法では、酸化は、溶液中に塩基性物質を含む水性媒体中で行なわれ、特に、水酸化アンモニウム、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、およびバライトの水酸化物などのアルカリおよびアルカリ土類金属塩基、ナトリウムまたはカリウムのメチラート、エチラート、イソプロピラート、t−ブチラートなどのアルカリ金属アルカノラート、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭酸水素塩、および一般には、アルカリまたはアルカリ土類金属塩基および弱酸の塩が使用される。
従って、式(III)から(V)の化合物は、使用する塩基性物質の量に依存して、全部または一部が塩の形態となり得る。これらの式において、Mは塩基の残りの部分であり、通常は水素原子および/または(Ia)族か(IIa)族の金属陽イオンまたはアンモニウム陽イオンを表すことになる。
水酸化ナトリウムまたはカリウムが経済的理由により使用される。使用されるべき無機塩基の比率は、式(II)を有するフェノール化合物1モル当りの無機塩基量で、0.5〜10モルの範囲、好ましくは1〜4モルの範囲、より好ましくは2〜4モルの範囲とすることができる。
液相中の式(II)を有するフェノール化合物の混合物の重量濃度は、通常は1%〜60%の範囲、好ましくは2%〜30%の範囲である。
実際の、本方法の実施法の一つは、式(II)を有するフェノール化合物の混合物と、塩基性物質と、金属M1を主成分とする触媒と、任意の活性化剤と、を含む溶液を、分子状酸素または分子状酸素を含む気体と前述の比率で接触させることからなる。
大気圧を使用することができるが、1〜20barの圧力で操作を行うことが好ましい。
次に、化合物(A)および(C)のヒドロキシメチル基またはホルミル基がカルボキシル基へ、また、化合物(A)および(B)に存在するのであれば、ヒドロキシメチル基がホルミル基へ転化するために必要な量に対応する量の酸素が消費されるまで、混合物を所望の温度で攪拌する。
使用する反応温度は、製造される生成物の熱安定性に依存する。
本発明に従って、温度は30℃〜200℃の範囲、好ましくは40℃〜160℃の範囲におさまるように選択されることが好ましい。
温度は、熟練者によって反応条件に適応させることができる(特に塩基量、金属M1の性質、圧力、攪拌)。特に、温度を低下させると、使用する塩基物質量を増加させなければならないことが分かっている。
以下に、好ましい金属である白金およびパラジウムの場合における好ましい条件の例を示す。白金の場合は、温度を60℃〜160℃の間とすることができ、使用する塩基の量は、式(II)のフェノール化合物1モル当り1〜3モルとすると好都合である。パラジウムの場合は、温度を30℃〜200℃の間、好ましくは30℃〜150℃の間とすることができ、後者の間隔の場合は、塩基量は、フェノール化合物1モル当り2〜4モルが好ましい。
塩基の量は、オルト位に位置する官能基Y1を酸化してカルボキシル基とするのに十分であることが必要である。これは熟練者によって決定することができ、温度および選択した金属に依存するものである。
反応の終りでは、好ましくは30分間から6時間かかるが、好ましくは式(III)の3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドと、好ましくは式(V)の4−ヒドロキシベンズアルデヒドと、好ましくは式(IV)の2−ヒドロキシ安息香酸と、を含む混合物が回収され、化合物は部分または全部が塩の形態となることができる。
任意の必要な冷却の後に、例えばろ過により、触媒塊および反応塊を分離する。
本発明の方法の第二段階では、反応媒体の脱炭酸反応を行う。
これは、得られた媒体に、好ましくは塩酸または硫酸のプロトニック無機酸、またはトリフルオロメタンスルホン酸やメタンスルホン酸などの有機酸、を加えて酸性化し、pHを3以下にすることにより行なう。
酸の濃度は重要ではないが、好ましくは商業的に利用可能な濃度が使用される。
反応媒体は、120℃〜350℃の間、好ましくは150℃〜220℃の間の温度に加熱する。
この方法は、好ましくは反応物質の自己圧力で行う。
反応が終わると、反応媒体を20℃〜80℃の間まで冷却する。
好ましくは式(VI)の4−ヒドロキシベンズアルデヒドと式(I)の出発フェノール化合物を含む有機相と、また塩類水相と、より構成される二相媒体が得られる。
有機および水相は分離され、従来の分離技術、例えば適当な溶媒(例えば、メチルイソブチルケトンやイソプロピルエーテル)を用いた抽出や蒸留、によって有機相から4−ヒドロキシベンズアルデヒドを回収する。
本発明の改良された方法は、二種類のフェノール化合物の混合物より出発し、その一方は2位および4位にホルミル基またはヒドロキシメチル基を有し、他の二つは2位または4位にホルミル基またはヒドロキシメチル基を有する化合物である。
さらに詳細には、出発混合物は、以下の式を有する。
式中、
・Mは、水素原子および/または(Ia)または(IIa)族の金属陽イオン、またはアンモニウム陽イオンを表し、
・Z1、Z2、Z3は、前述のものと同義である。
フェノール化合物の混合物は、本発明の方法に利用できるものは、本発明のさらなる態様を構成する方法によって製造される。
従って、式(IIa1)から(IIc1)のフェノール化合物の混合物は、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質を加えた水相中、アルカリまたはアルカリ土類金属塩基の存在下でフェノールを縮合させることによるフェノールのヒドロキシメチル化法によって得ることができ、フェノールの転化率は最高95%であり、後に任意に酸化段階が加えられる。
さらに正確には、フェノールは、オルト位およびパラ位が水酸基に置換していないものが使用され、これは一般式(I)を有し、
式中、Z1、Z2、Z3は前述のものと同義である。
式(II)を有する化合物の合成の出発点として作用することができる式(I)を有するフェノールの例としては、グアヤコール、グエトール、3−メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3−イソプロポキシフェノール、3−t−ブトキシフェノール、m−クレゾール、p−クレゾールが挙げられる。
このヒドロキシメチル化段階を実施するために選択される条件は、以下に挙げられる従来技術で推奨されるものがある。特に参考にするものとして、H.G.PEER,Rec.Trav.Chim.Netherlands 79,825−835(1960)、英国特許GB−A−774 696号、GB−A−751 845号、欧州特許EP−A−165号、J.H.FREEMAN,J.Am.Chem.Soc.74,6 257−6 260(1952)および76 2080−2087(1954)、H.G.PEER,Rec.Trav.Chim.Netherlands 78 851−863(1959)、H.EULER et al.,Arkiv fur Chem.13,1−7(1939)、P.CLAIS et al.,Monath.Chem.103,1178−11293(1972)、が挙げられる。
ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質を使用することができ、トリオキサンやパラホルムアルデヒドなどは任意の重合度、好ましくは8〜100の(CH2O)単位を有する、線状パラホルムアルデヒドとして使用される。
ホルムアルデヒドは、水溶液として使用することができ、その濃度は重要ではない。濃度は20重量%〜50重量%の範囲をとることができ、好ましくは約30重量%〜40重量%の濃度を有する市販の溶液が使用される。
ホルムアルデヒドの量は、フェノール1モル当りのホルムアルデヒドのモル数で表せば、広い範囲の間で変化させることができる。ホルムアルデヒド/フェノールのモル比は、1.0〜4.0の間、好ましくは1.0〜2.5の間とすることができる。
ヒドロキシメチル化の媒体中に存在する塩基の量は、塩基のモル数/ヒドロキシメチル化されるフェノールのフェノール性水酸基で表せば、広い範囲の間で変化させることができる。一般的には、この比は、塩基に依存して変化し、1.0〜4.0の間、好ましくは0.9〜2.0の間となることができる。使用される塩基は、酸化段階について前述したもののうちの一つであってもよい。アルカリ金属水酸化物の水溶液が、特に適している。
通常は、ヒドロキシメチル化段階は、温度が0℃〜100℃の範囲内、好ましくは20℃〜70℃の範囲内で行われる。
この工程は、好ましくは反応物の自己発生圧力で行なうことで、使用される温度で気体となりうるあらゆるパラホルムアルデヒドの損失を防ぐことができる。
好ましくは、反応は、窒素や希ガス(例えばアルゴン)などの不活性気体による制御雰囲気下で行われる。
反応時間は、出発フェノールの所望の添加率に依存し、ビス−アリールメタンなどの副産物を最少化する必要性を考慮して、熟練者により容易に決定することができる。通常は、15分〜4時間の間、好ましくは1時間〜3時間の間である。
フェノールの転化率は、いろいろなパラメータ(温度、時間、反応物の量)により調節される。60%〜95%の範囲、好ましくは80%〜95%の範囲であれば好都合である。
実際には、反応は、フェノールおよびホルムアルデヒド、そして任意の塩基を装置に投入し、次いで反応を完了するまでに必要な時間の間に反応混合物の攪拌と所望の温度への加熱を行なうことで容易に行うことができる。
反応物の投入の順番は重要ではなく、従って順番を変えることができる。
式(IIa1)から(IIc1)のフェノール化合物の混合物が得られる。
式(IIa2)から(IIc2)の化合物は、式(IIa1)から(IIc1)のヒドロキシメチル化フェノール化合物の酸化を、分子状酸素または分子状酸素を含む気体を使用して、水性アルカリ相中で、周期表の第8族の金属、好ましくは白金またはパラジウム、を主成分とし、場合によってカドミウム、セリウム、ビスマス、鉛、銀、テルルまたはスズを活性化剤として含む触媒の存在下で行うことにより得ることができる。このような方法は、米国特許US−A−3 673 257号、フランス特許FR−A−2 305 420号およびFR−A−2 350 323号に記載されている。
必要であれば、溶液のpH値を、場合によってアルカリまたはアルカリ土類金属塩基を加えることで、8〜13の範囲まで上昇させることができる。pH値の選択は、ヒドロキシメチル化フェノールの性質に依存する。
酸化反応の温度は、10℃〜100℃の間、好ましくは20℃〜60℃の間である。
再度、より具体的に述べれば、本発明の方法は、式(IIa2)から(IIc2)の化合物を式(IIa1)から(IIc1)のフェノール化合物より合成するのに適しており、そのための第一段階は、周期表第8族の金属を主成分とする触媒と場合によって活性化剤として使用されるような金属との存在下で、分子状酸素または分子状酸素を含む気体を使用し、ヒドロキシメチル化フェノール化合物の中間生成物の分離は行わない。
工業的見地から、本発明の方法を実施する場合に、
・一種は2および4位がヒドロキシメチル化され他の二種は2または4位がヒドロキシメチル化されたヒドロキシルメチル化フェノール化合物の混合物が得られる、アルカリまたはアルカリ土類塩基の存在下でホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質を使用した水性媒体中のフェノールのヒドロキシメチル化、および
・中間生成物の分離を行わず、分子状酸素または分子状酸素を含む気体を使用して、水性アルカリ相中で、周期表第8族の金属を主成分とする触媒と任意に活性化剤として作用する前述のような金属との存在下における得られたフェノール化合物の酸化、
を含む二段階工程より得られる式(IIa2)から(IIc2)の化合物を使用することは、特に好都合である。
本発明の方法のさらなる利点は、フェノール化合物の混合物を前述のヒドロキシメチル化および場合によって酸化段階を使用することで直接得られることである。
前述したように、本発明の方法は、グアヤコールやグエトールのヒドロキシメチル化により得られるフェノール化合物の混合物からのバニリンおよびエチルバニリンの製造に特に適している。
従って、フェノール化合物4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(A)、p−ヒドロキシメチルグアヤコール(B)、およびo−ヒドロキシメチルグアヤコール(C)の混合物について、化合物(A)および(C)は2位のヒドロキシメチル基をカルボキシル基へと、また化合物(A)および(B)の4位のヒドロキシメチル基をホルミル基へと、選択的に酸化して、その結果得られる3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、および2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸の混合物を脱炭酸すれば、バニリンおよび再利用可能なグアヤコールが生成することでバニリンを製造することができる。
一つの変形は、フェノール化合物4,6−ジ(ホルミル)グアヤコール(A)、p−ホルミルグアヤコール(B)、およびo−ホルミルグアヤコール(C)の混合物について、化合物(A)および(C)は2位のホルミル基をカルボキシル基へと選択的に酸化することで、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、および2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸の混合物が得られ、これを脱炭酸すればバニリンおよび再利用可能なグアヤコールが生成することからなる。
フェノール化合物4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グエトール(A)、p−ヒドロキシメチルグエトール(B)、およびo−ヒドロキシメチルグエトール(C)の混合物について、化合物(A)および(C)の2位のヒドロキシメチル基をカルボキシル基へと、化合物(A)および(B)の4位のヒドロキシメチル基をホルミル基へと、選択的に酸化し、その結果得られる3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−エトキシベンズアルデヒド、エチルバニリン、および2−ヒドロキシ−3−エトキシ安息香酸の混合物を脱炭酸することで、エチルバニリンおよび再利用可能なグエトールが生成する、という本発明の方法によってエチルバニリンが製造される。
さらなる変形は、フェノール化合物4,6−ジ(ホルミル)グエトール(A)、p−ホルミルグエトール(B)、およびo−ホルミルグエトール(C)の混合物について、化合物(A)および(C)の2位のホルミル基をカルボキシル基へと選択的に酸化して、その結果得られる3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−エトキシベンズアルデヒド、エチルバニリン、および2−ヒドロキシ−3−エトキシ安息香酸の混合物を脱炭酸することで、バニリンおよび再利用可能なグアヤコールが生成することからなる。
本発明の実行の実施例について、以下に述べる。これらの実施例は、指標として提供するものであって、決して制限するためのものではない。
得られる転化率および収率を、実施例において定義する。
転化率(TT)は、転化した物質のモル数と使用した物質のモル数の間の比に対応する。
収率(RR)は、生成物のモル数と使用した物質のモル数の間の比に対応する。
収率(RTバニリン)は、生成したバニリンのモル数と一連の反応で転化したグアヤコールのモル数の間の比に対応する。
実施例においては、以下の略語を使用した。
・o−ヒドロキシメチルグアヤコール=OMG
・p−ヒドロキシメチルグアヤコール=PMG
・o−バニリン=3−メトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド=OVA
・p−バニリン=3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド=PVA
・o−バニリン酸=2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸=AOV
・p−バニリン酸=4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸=APV
・4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール=DMG
・4,3−(ジホルミル)グアヤコール=DFG
・o−カルボキシバニリン=OCVA
・4,6−(ジカルボキシ)グアヤコール=DCG
実施例1
1.縮合段階
以下のものを、機械的攪拌装置および温度調節手段を備えた2リットル反応器に投入した。
・グアヤコール152g
・30%ホルムアルデヒド水溶液249g
・カセイソーダ49.2g
・水872g
反応媒体は45℃で1時間維持し、次に冷却して、高速液体クロマトグラフィーを使用して分析を行った。
反応の結果は、以下の通りであった。
・グアヤコール転化率=90%
・o−ヒドロキシメチルグアヤコール(OMG)収率=15%
・p−ヒドロキシメチルグアヤコール(PMG)収率=18%
・4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(DMG)収率=83%
次の反応で転化可能な生成物の合計は93%であった。
2.酸化段階
次に反応媒体に、水1500gとカセイソーダ148gを加えて希釈した。
次いで、反応媒体を、自己排気タービンを備えた3.9リットルのオートクレーブに投入した。
三酸化ビスマス0.54gと、金属重量3%の比率でカーボンブラック上に設けたパラジウム触媒22gとを次に加えた。
1500rpmの速度で攪拌を開始し、次に窒素雰囲気下で反応媒体の温度を45℃まで上昇させた。次に、圧力を3barとした後に、空気を反応媒体中に300g/時の速度で送り込んだ。反応媒体を、この条件で6時間維持した。
反応媒体を冷却し、圧力を減じて大気圧として、次に触媒をろ過した。
次に、反応媒体を、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
収率は、以下の通りであった(一連の反応における結果)。
・TTグアヤコール=92%
・オルト系列
・RRo−ヒドロキシメチルグアヤコール(OMG)=0%
・RRo−バニリン(OVA)=1%
・RRo−バニリン酸(AOV)=14%
・パラ系列
・RRp−ヒドロキシメチルグアヤコール(PMG)=0%
・RRバニリン(PVA)=16%
・RRp−バニリン酸(APV)=1%
・二置換体系列
・RR4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(DMG)=0%
・RR4,6−ジ(ジホルミル)グアヤコール(DFG)=1%
・RRo−カルボキシバニリン(OCVA)=47%
・RR4,6−(ジカルボキシ)グアヤコール(DCG)=10%
次の反応で転化可能な生成物(グアヤコール+OAV+PVA+APV+OCVA+DCG)の合計は87%であった。
3.反応混合物の脱炭酸
反応混合物199.91gを、92%硫酸16.69gを加えて中和し、タービンと温度制御装置を備えた300mlのオートクレーブに投入した。
反応媒体を、自己発生圧力下で175℃で3時間加熱し、次に冷却して液体クロマトグラフィーを使用して測定した。
バニリンの収率とグアヤコールの転化率は、以下の通りとなった。
・TTグアヤコール=76%/初期のグアヤコール
・RRバニリン=61%/初期のグアヤコール、すなわちRTバニリン=80%
実施例2
1.縮合段階
以下のものを、機械的攪拌装置および温度調節手段を備えた2リットル反応器に投入した。
・グアヤコール133g
・30%ホルムアルデヒド水溶液202g
・30%カセイソーダ水溶液145g
・水480g
反応媒体は47℃で0時間50分維持し、次に冷却して30%カセイソーダ水溶液290gを加えた。これを高速液体クロマトグラフィーを使用して分析した。
反応の結果は、以下の通りであった。
・グアヤコール転化率=97%
・o−ヒドロキシメチルグアヤコール(OMG)収率=10%
・p−ヒドロキシメチルグアヤコール(PMG)収率=12%
・4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(DMG)収率=70%
・(OMG+DMG+PMG)収率=92%
次の反応で転化可能な生成物のRT収率の合計は95%であった。
2.酸化段階
次に反応媒体に、水1230gを加えて希釈した。
次いで、反応媒体を、自己排気タービンを備えた3.9リットルのオートクレーブに投入した。
三酸化ビスマス0.54gと、金属重量2%の比率でカーボンブラック上に設けたパラジウム触媒34.5gとを次に加えた。
950rpmの速度で攪拌を開始し、次に窒素雰囲気下で反応媒体の温度を70℃まで上昇させた。次に、圧力を4barとした後に、空気を反応媒体中に200g/時の速度で送り込んだ。反応媒体を、この条件で5時間維持した。
反応媒体を冷却し、圧力を減じて大気圧として、次に触媒をろ過した。
次に、反応媒体を、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
収率は、以下の通りであった(一連の反応における結果)。
・TTグアヤコール=97%
・オルト系列
・RRo−ヒドロキシメチルグアヤコール(OMG)=0%
・RRo−バニリン(OVA)=1%
・RRo−バニリン酸(AOV)=6%
・パラ系列
・RRp−ヒドロキシメチルグアヤコール(PMG)=0%
・RRバニリン(PVA)=9%
・RRp−バニリン酸(APV)=2%
・二置換体系列
・RR4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(DMG)=0%
・RR4,6−ジ(ジホルミル)グアヤコール(DFG)=1%
・RRo−カルボキシバニリン(OCVA)=54%
・RR4,6−(ジカルボキシ)グアヤコール(DCG)=6%
次の反応で転化可能な生成物(グアヤコール+OAV+PVA+APV+OCVA+DCG)の合計は80%であった。
3.反応混合物の脱炭酸
反応混合物150gを、10mol/lの%硫酸15mlを加えて中和し、タービンと温度制御装置を備えた300mlのオートクレーブに投入した。
反応媒体を、自己発生圧力下で175℃で2時間加熱し、次に冷却して液体クロマトグラフィーを使用して測定した。
バニリンの収率とグアヤコールの転化率は、以下の通りとなった。
・TTグアヤコール=91%/初期のグアヤコール
・RRバニリン=52%/初期のグアヤコール、すなわちRTバニリン=57%
Claims (58)
- 少なくとも、
・ホルミル基および/またはヒドロキシメチル基を式(IIA1)の2および4位に有するフェノール化合物(A)と、
・ホルミル基またはヒドロキシメチル基を4位に有する式(IIB1)のフェノール化合物(B)と、
・ホルミル基またはヒドロキシメチル基を式(IIC1)の2位に有するフェノール化合物(C)と、
を含む一般式(II):
式(IIA1)から(IIC1)中、
・Y1およびY2は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・−CHO基
・−CH2OH基
のうちの一つを表し、
・Z1、Z2、およびZ3は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルケニル、アルコキシ、またはフェニルのラジカル、水酸基、ハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を表し、
・Mは水素原子および/または(Ia)または(IIa)族の金属陽イオン、またはアンモニウム陽イオンを表す
で表される混合物中のフェノール化合物に存在する水酸基に関して2位にある官能基を、塩基並びに周期律における元素の分類のIbおよび8族の金属から選択される金属M1を主成分とする触媒の存在下で、選択的に酸化してカルボキシル基にして、その結果得られる混合物中には3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、および2−ヒドロキシ安息香酸であって、完全にまたは部分的に塩の形態にあるものが含まれ、さらに脱炭酸操作を行うことで4−ヒドロキシベンズアルデヒドと場合によって再利用可能なフェノールとを生成することを特徴とする4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよびその誘導体の製造方法。 - 式(IIA1)から(IIC1)において、Z1、Z2およびZ3は、同じでも異なっていてもよく、以下の官能基、
・水素原子、
・1〜12個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキルラジカル、
・2〜12個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルケニルラジカル、
・1〜12個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルコキシラジカル、
・フェニルラジカル、
・ハロゲン原子、
のうちの一つを表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 式(IIA1)から(IIC1)において、
・直鎖または分岐アルキルラジカルが1〜4個の炭素原子を含み、
・直鎖または分岐アルケニルラジカルが2〜4個の炭素原子を含み、
・直鎖または分岐アルコキシラジカルが1〜4個の炭素原子を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - 式(IIA1)から(IIC1)において、
・直鎖または分岐アルキルラジカルがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルから成る群から選択され、
・直鎖または分岐アルケニルラジカルがビニルまたはアリルであり、
・直鎖または分岐アルコキシラジカルがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシラジカルからなる群から選択され、
・ハロゲン原子がフッ素、塩素、または臭素原子である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。 - 式(IIA1)から(IIC1)において、Z1が水素原子または1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルまたはアルコキシラジカルを表し、Z2およびZ3は水素原子を表し、Y1およびY2は同じものでありホルミル基またはヒドロキシメチル基を表すこと特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 式(IIA1)から(IIC1)において、直鎖または分岐のアルキルまたはアルコキシラジカルが1〜4個の炭素原子を含むものであること特徴とする請求項5に記載の方法。
- 式(II)を有するフェノール化合物の混合物が、
・o−ヒドロキシメチルグアヤコール、p−ヒドロキシメチルグアヤコール、および4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール、
・o−ホルミルグアヤコール、p−ホルミルグアヤコール、および4,6−ジホルミルグアヤコール、
・o−ヒドロキシメチルグエトール、p−ヒドロキシメチルグエトール、および4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グエトール、
・o−ホルミルグエトール、p−ホルミルグエトール、および4,6−ジホルミルグエトール、であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。 - 式(II)を有するフェノール化合物の混合物を、液相で分子状酸素または分子状酸素を含む気体を用い、塩基性試薬を含む水性媒体中で、周期律における元素の分類の1bおよび8族の金属から選択される金属M1を主成分とする触媒の存在下で酸化することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 触媒がビスマスを含有する活性化剤を含むものであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 触媒の主成分が銅、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 触媒の主成分が白金および/またはパラジウムであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 白金および/またはパラジウムを主成分とする触媒が、白金黒、パラジウム黒、酸化白金、酸化パラジウム、または貴金属自身をカーボンブラック、炭酸カルシウム、アルミナ、または活性化シリカや同等材料からなる群から選択される異種担体上に付着させた形態で提供されることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の方法。
- 担体がカーボンブラックであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 使用される触媒量を、式(II)を有するフェノール化合物の重量に対する金属M1の重量で表せば、0.01%〜10%まで変化させることができることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
- 使用される触媒量を、式(II)を有するフェノール化合物の重量に対する金属M1の重量で表せば、0.04%〜2%まで変化させることができることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 活性化剤が、酸化ビスマス類、水酸化ビスマス類、無機水素酸のビスマスまたはビスムチル塩、無機酸素酸のビスマスまたはビスムチル塩、脂肪族または芳香族有機酸のビスマスまたはビスムチル塩、ビスマスまたはビスムチルのフェノール塩、からなる群より選択される有機または無機ビスマス誘導体であることを特徴とする請求項8から15のいずれか1項に記載の方法。
- 無機水素酸塩が塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫化物、セレン化物またはテルル化物であり、無機酸素酸塩が亜硫酸塩、硫酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、炭酸塩、過塩素酸塩、アンチモン酸塩、ヒ酸塩、亜セレン酸塩またはセレン酸塩であり、脂肪族または芳香族有機酸塩が酢酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、乳酸塩またはクエン酸塩であり、フェノール塩が没食子酸塩または焦性没食子酸塩であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- ビスマス誘導体が、酸化ビスマスBi2O3およびBi2O4、水酸化ビスマスBi(OH)3、塩化ビスマスBiCl3、臭化ビスマスBiBr3、ヨウ化ビスマスBiI3、中性硫酸ビスマスBi2(SO4)3、中性硝酸ビスマスBi(NO3)3,5H2O、硝酸ビスムチルBiO(NO3)、炭酸ビスムチル(BiO)2CO3、0.5H2O、酢酸ビスマスBi(C2H3O2)3、サリチル酸ビスマスC6H4CO2(BiO)OH、からなる群より選択されることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
- 活性化剤の量が、使用される金属M1の重量に対する金属活性化剤の重量で少なくとも0.1%を、さらに式(II)を有するフェノール化合物の混合物に対する金属M1の重量で10〜900ppmを媒体に含むように選択されることを特徴とする請求項8から18のいずれか1項記載の方法。
- 酸化反応が、温度範囲30℃〜200℃で行われることを特徴とする請求項8から19のいずれか1項に記載の方法。
- 酸化反応が、温度範囲40℃〜160℃で行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
- 1〜20barの圧力が使用されることを特徴とする請求項8から21のいずれか1項に記載の方法。
- 酸化が、溶液中に塩基性試薬を、式(II)を有するフェノール化合物1モル当たりの無機塩基量で0.5〜10モルを含む水性媒体中で行われることを特徴とする請求項8から22のいずれか1項に記載の方法。
- 塩基性試薬が、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物であり、その量が式(II)を有するフェノール化合物1モル当たりの無機塩基量で1〜4モルであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
- 塩基性試薬の量が式(II)を有するフェノール化合物1モル当たりの無機塩基量で2〜4モルであることを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
- 白金触媒を使用する場合に、温度が60℃〜160℃の間であり、使用する塩基の量が、式(II)のフェノール化合物1モル当り1〜3モルの範囲内であることを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
- パラジウム触媒を使用する場合に、温度が30℃〜200℃の間であり、使用する塩基量が、式(II)のフェノール化合物1モル当り2〜4モルの範囲内であることを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
- 温度が30℃〜150℃の間であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
- 得られる反応媒体が、3−カルボキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ安息香酸、および4−ヒドロキシベンズアルデヒド、をその完全にまたは部分的に塩の形態で含み、脱炭酸が行われることを特徴とする請求項1から28のいずれか1項に記載の方法。
- 前記酸が、無機酸起源のプロトニック酸または有機酸を添加して、pH3未満となるようにすることで脱炭酸されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 無機酸が塩酸または硫酸であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
- 前記反応媒体を、120℃〜350℃の間の温度まで加熱して、冷却後に4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよびその誘導体を分離することを特徴とする請求項29から32のいずれか1項に記載の方法。
- 前記反応媒体を、150℃〜220℃の間の温度まで加熱することを特徴とする請求項33または34に記載の方法。
- フェノール化合物の混合物が、
・30重量%〜70重量%のフェノール化合物(A)と、
・30%〜70重量%のフェノール化合物の混合物(B+C)
を含むことを特徴とする請求項36又は37に記載の方法。 - フェノール化合物の混合物が、
・50%〜70%のフェノール化合物(A)と、
・50%から70%のフェノール化合物の混合物(B+C)
を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。 - 式(II)のフェノール化合物の混合物が、水相中でアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基の存在下でホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質と縮合することによるフェノールのヒドロキシメチル化により、フェノールの転化率が高くても95%となることで得られることを特徴とする請求項36に記載の方法。
- 式(II’)のフェノール化合物の混合物が、水相中でアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基の存在下でホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質と縮合することによるフェノールのヒドロキシメチル化により、フェノールの転化率が高くても95%となり、その後に酸化段階が続くことで得られることを特徴とする請求項37に記載の方法。
- フェノールの転化率が60%〜95%であることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
- 式(I)を有するフェノールがグアヤコール、グエトール、3−メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3−イソプロポキシフェノール、3−t−ブトキシフェノール、m−クレゾール、またはo−クレゾールであることを特徴とする請求項43に記載の方法。
- ホルムアルデヒドまたは任意のホルムアルデヒド生成物質が使用されることを特徴とする請求項40から44のいずれか1項に記載の方法。
- ホルムアルデヒド/フェノールのモル比が1.0〜4.0の間であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- ヒドロキシメチル化の媒体中に存在する塩基の量を、塩基のモル数/ヒドロキシメチル化されるフェノールのフェノール性水酸基で表せば、1.0〜4.0の間とすることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
- ヒドロキシメチル化の温度が0℃〜100℃の範囲内であることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
- ヒドロキシメチル化反応の所要時間が15分〜4時間の間であることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
- フェノールとホルムアルデヒドを装置内に投入し、次いで反応混合物を攪拌しながら所望の温度まで上昇させ、式(IIa1)から(IIc1)を有するフェノール化合物の混合物が得られるまでの反応を行うために必要な時間これを持続させることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
- 式(IIa2)から(IIc2)の化合物を、分子状酸素または分子状酸素を含む気体を使用して、水性アルカリ相中で、周期表の第8族の金属を主成分とする触媒の存在下で酸化することで、式(IIa1)から(IIc1)を有するヒドロキシメチル化フェノール化合物を酸化することにより得ることを特徴とする請求項41に記載の方法。
- 溶液のpH値を、8〜13の範囲内にすることを特徴とする請求項51に記載の方法。
- 酸化反応の温度が10℃〜100℃の範囲内であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
- 式(IIa2)から(IIc2)を有するフェノール化合物の混合物が、
・一種は2および4位がヒドロキシメチル化され他の二種は2または4位がヒドロキシメチル化されたヒドロキシルメチル化フェノール化合物の混合物が得られる、アルカリまたはアルカリ土類塩基の存在下でホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成物質を使用した水性媒体中のフェノールのヒドロキシメチル化と、
・中間生成物の分離を行わず、分子状酸素または分子状酸素を含む気体を使用して、水性アルカリ相中で、周期表第8族の金属を主成分とする触媒の存在下におけるフェノール化合物の酸化と、
を含む二段階工程より得られることを特徴とする請求項41に記載の方法。 - 4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グアヤコール(A)、p−ヒドロキシメチルグアヤコール(B)、およびo−ヒドロキシメチルグアヤコール(C)のフェノール化合物の混合物について、化合物(A)および(C)は2位のヒドロキシメチル基をカルボキシル基へと、また化合物(A)および(B)の4位のヒドロキシメチル基をホルミル基へと、選択的に酸化することで、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、および2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸の混合物が得られ、これを脱炭酸すれば、バニリンおよび再利用可能なグアヤコールが生成することを特徴とする請求項1から50のいずれか1項に記載のバニリンの製造方法。
- 4,6−ジ(ホルミル)グアヤコール(A)、p−ホルミルグアヤコール(B)、およびo−ホルミルグアヤコール(C)のフェノール化合物の混合物について、化合物(A)および(C)は2位のホルミル基をカルボキシル基へと選択的に酸化することで、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、および2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸の混合物が得られ、これを脱炭酸すれば、バニリンおよび再利用可能なグアヤコールが生成することを特徴とする請求項1から54のいずれか1項に記載のバニリンの製造方法。
- 4,6−ジ(ヒドロキシメチル)グエトール(A)、p−ヒドロキシメチルグエトール(B)、およびo−ヒドロキシメチルグエトール(C)の混合物について、フェノール化合物の化合物(A)および(C)の2位のヒドロキシメチル基をカルボキシル基へと、化合物(A)および(B)の4位のヒドロキシメチル基をホルミル基へと、選択的に酸化し、その結果得られる3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−エトキシベンズアルデヒド、エチルバニリン、および2−ヒドロキシ−3−エトキシ安息香酸の混合物を脱炭酸すれば、エチルバニリンおよび再利用可能なグエトールが生成することを特徴とする請求項1から50のいずれか1項に記載のエチルバニリンの製造方法。
- 4,6−ジ(ホルミル)グエトール(A)、p−ホルミルグエトール(B)、およびo−ホルミルグエトール(C)のフェノール化合物の混合物について、化合物(A)および(C)の2位のホルミル基をカルボキシル基へと選択的に酸化して、その結果得られる3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−エトキシベンズアルデヒド、エチルバニリン、および2−ヒドロキシ−3−エトキシ安息香酸の混合物を脱炭酸すれば、エチルバニリンおよび再利用可能なグエトールが生成することを特徴とする請求項1から54のいずれか1項に記載のエチルバニリンの製造方法。
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