JP4280338B2 - Yagレーザ加工機のティーチング方法およびその装置 - Google Patents
Yagレーザ加工機のティーチング方法およびその装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はYAGレーザ加工機のティーチング方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のYAGレーザ加工機のティーチング装置では、レーザ加工ヘッドの内部にYAGレーザ光軸と同軸上にCCDカメラを設けたものが一般的である。このCCDカメラでワークを撮像してモニタに映し出し、ティーチングを行うものである。
【0003】
この場合、予めYAGレーザ光軸とCCDカメラのクロスターゲットを一致させるように調整しておく。モニタ上に映し出された溶接線と、クロスターゲットが重なるようにレーザ加工ヘッドを移動させて、ティーチングポイントを決定する。
【0004】
レーザ加工ヘッドが取り付けられたロボットの操作はプログラミングペンダントにより行われ、高さ方向はCCDカメラのピントが合う位置で調整する。なお、YAGレーザは人の目に対して非常に危険なため、パーティション等で覆われ、加工を行う場合には作業者がパーティションの中にいないことを確認してから行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の技術にあっては、ティーチング時には作業者はパーティション内で作業し、加工を行う場合には毎回パーティションの外に出なければならないので煩わしいのみならず、作業効率が悪いという問題がある。
【0006】
また、モニタ上でクロスターゲットと溶接線の位置調整を作業者が判断して行わねばならないため経験が要求され、高さ方向はCCDカメラのピントで合わせるため正確さに欠けるという問題がある。
【0007】
さらに、作業者は、プログラミングペンダントを持って操作しながらモニタを見て確認しなければならないため、熟練を要するという問題がある。
【0008】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、一つの入出力装置を用いて且つ溶接線とクロスターゲットの一致および高さ方向の補正を自動化させて容易にティーチングを行うことのできるYAGレーザ加工機のティーチング方法およびその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1による発明のYAGレーザ加工機のティーチング方法は、三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング方法において、前記レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段により前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影し、前記ワークの三次元図形を作成し、この三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力し、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成し、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成すること、を特徴とするものである。
【0010】
従って、三次元レーザ加工に先立って、レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段によりワークを撮影して三次元図形を作り、この図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力してマスタJOBを作成した後、詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成してティーチングを行う。
【0011】
請求項2による発明のYAGレーザ加工機のティーチング方法は、三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング方法において、固定的に設けられている複数の撮像手段により前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影し、前記ワークの三次元図形を作成し、この三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力し、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成し、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成すること、を特徴とするものである。
【0012】
従って、三次元レーザ加工に先立って、所定位置に設置された複数の撮像手段によりワークを撮影して三次元図形を作り、この図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力してマスタJOBを作成した後、詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成してティーチングを行う。
【0019】
請求項3による発明のYAGレーザ加工機のティーチング装置は、三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング装置であって、前記レーザ加工ヘッドに設けられて前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影する撮像手段と、前記ワークの三次元図形を作成して表示する表示手段と、この表示手段により表示された三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力する入力手段と、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成すると共に前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成する画像処理装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0020】
従って、三次元レーザ加工に先立って、レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段によりX軸、Y軸、Z軸方向からワークを撮影して三次元図形を作り、入力手段からこの図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力して、画像処理装置によりマスタJOBを作成した後、詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成してティーチングを行う。
【0021】
請求項4による発明のYAGレーザ加工機のティーチング装置は、三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング装置であって、前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影すべく固定的に設けられた複数の撮像手段と、前記ワークの三次元図形を作成して表示する表示手段と、この表示手段により表示された三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力する入力手段と、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成すると共に前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成する画像処理装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0022】
従って、三次元レーザ加工に先立って、所定位置に固定されて設置されている複数の撮像手段によりX軸、Y軸、Z軸方向からワークを撮影して三次元図形を作り、入力手段からこの図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力して、画像処理装置によりマスタJOBを作成した後、詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成してティーチングを行う。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1には、この発明に係るYAGレーザ加工機のティーチング装置1を備えたレーザ加工機3の全体が示されている。このレーザ加工機3では、レーザ加工時の安全性確保のためのパーティション5で仕切られた内部にロボット7が設けられており、このロボット7のアーム9の先端にレーザ加工ヘッド11が三次元方向に移動且つ姿勢自在に設けられている。また、パーティション5の外側には、ロボット7の制御を行うロボットコントローラ13およびティーチングに用いられる画像処理装置15が設けられている。
【0031】
画像処理装置15は、パソコンのように表示する表示手段としてのディスプレイ17および本体19を有し、この本体19には入出力手段であるキーボード21や図示省略のマウス等が接続されている。
【0032】
また、図3を参照するに、前記レーザ加工ヘッド11の側面には、撮像手段の一例としてのCCDカメラ23が取り付けられており、定盤25の上に載置されたワークWの撮像を行うようになっている。従って、ディスプレイ17には、CCDカメラ23により撮像された像と、クロスターゲット27(図24参照)が映し出される。
【0033】
次に、YAGレーザ加工機のティーチング方法について説明する。
【0034】
このティーチング方法では、レーザ加工ヘッド11に搭載されたCCDカメラ23の映像をディスプレイ17に映し出し、このディスプレイ17で映像とクロスターゲット27を確認しながら、作業者が図示省略のプログラミングペンダントによりティーチングを行うものである。また、YAGレーザ用システム内で行っている作業を、システム外部で画像処理装置15を用いてティーチングJOBを作成して確認するものである。
【0035】
まず、図2を参照して、作業者によるワークWのセッティングについて説明する。作業者は、定盤25の上にワークWをセッティングする。例えば、ワークWの最大サイズを500mm×500mm×500mm(この大きさは解像度により任意に設定することができる)とする。定盤25の上面中央部には、500mm×500mmのマーキング29が施されており、このマーキング29の内部にワークWをセッティングする。
【0036】
次に、図3〜図5を参照して、ワークWの上方からのデータ取得について説明する。ロボット7を一定の位置に固定して、ロボット7のアーム9をワークWの上方へ移動させてレーザ加工ヘッド11を下向きにセットし(図3、図4参照)、レーザ加工ヘッド11に搭載されたCCDカメラ23によりワークWを撮像する。図5を参照するに、この時のディスプレイ17には、ワークWを上方から見た形状が映し出される。なお、ロボット7の繰り返し位置決め精度は±0.1mm程度とする。
【0037】
図6〜図8を参照して、ワークWの正面のデータ取得について説明する。ロボット7のアーム9をワークWの正面(図6中下側)へ移動させてレーザ加工ヘッド11を水平にセットし(図7参照)、CCDカメラ23によりワークWを撮像する。図8を参照するに、この時のディスプレイ17には、ワークWを正面から見た形状が映し出される。
【0038】
図9〜図11を参照して、ワークWの左側面のデータ取得について説明する。ロボット7のアーム9をワークWの左側面(図9中左側)へ移動させてレーザ加工ヘッド11をセットし(図10参照)、CCDカメラ23によりワークWを撮像する。図11を参照するに、この時のディスプレイ17には、ワークWを左側から見た形状が映し出される。
【0039】
図12〜図14を参照して、ワークWの右側面のデータ取得について説明する。ロボット7のアーム9をワークWの右側面(図12中右側)へ移動させてレーザ加工ヘッド11をセットし(図13参照)、CCDカメラ23によりワークWを撮像する。図14を参照するに、この時のディスプレイ17には、ワークWを右側から見た形状が映し出される。
【0040】
図15を参照して、以上のようにして得られた上面データ、正面データ、左側面データおよび右側面データに基づいて行われる三次元データの作成について説明する。なお、予めロボット座標とCCDカメラ23で取得する各面の座標はキャリブレーションされて、例えば±1〜2mm程度の精度で一致している。
【0041】
図16および図17を参照するに、以上のようにしてCCDカメラ23により得た各面データから三次元データを作成した場合の精度は、各面データの精度を±1〜2mmで設定しているので、±2〜4mmを目標値とする。
【0042】
続いて、図18〜図22を参照して、以上のようにして得られた三次元データに基づく作業者による溶接線指示について説明する。作業者は溶接線を指示すると同時に溶接方向も指示する。さらに、傾斜角度も指示できる。
【0043】
図18を参照するに、作業者は溶接開始点PASから溶接終了点PAEまでの溶接線上の各点Piをマウスでボックス31で指示する。PAS〜PA1〜PA2〜PA3〜PAEまでを指示すると、直線や円弧の線分の端点がティーチングポイントとされる。また、点PA2のように円弧の途中の場合には、ボックス31のセンターと円弧の交点をティーチングポイントとする。
【0044】
また、図19を参照するに、図18で示されたティーチングポイントPiにおける溶接姿勢を指示する。すなわち、例えば、溶接開始点PASにおいて矢印Aをマウスでクリックすると矢印Bが消えて矢印Aが選択される。
【0045】
以降、溶接姿勢をティーチングラインの法線方向として良いか質問してくるので、法線方向で良い場合にはその旨の入力をする。法線方向ではなく指示したい場合には矢印を選択して指示する。また、図20(A)を参照するに、さらに矢印をクリックすると傾斜角度を質問してくるので、例えば30度と入力すると矢印が傾いて溶接姿勢を示す(図20(B)参照)。
【0046】
図21を参照するに、前述の図18に示されているのと同様に反対側の面についても溶接開始点PBS〜PB1〜PB2〜PB3〜溶接終了点PBEまでをボックス31で指示する。
【0047】
また、図22を参照するに、前述の図19に示されているのと同様に反対側の面のPBS〜PB1〜PB2〜PB3〜PBEについて溶接姿勢を選択し、PASとPBSを溶接開始点として指示し、また、PAEとPBEを溶接終了点として指示する。
【0048】
次に、ティーチングJOBの作成について説明する。ここで作成されるティーチングJOBはラフなデータであり、補正JOBを作成するためのマスターJOBである。またティーチングJOBは、レーザ加工ヘッド11の中心とCCDカメラ23はオフセットして取り付けられていることから、このオフセット分を考慮して作成される。
【0049】
図23を参照するに、マスターJOBでは、まずリファレンス点P0から開始点PASの位置近辺へアプローチし(MOVJ)、開始点PASの位置へ溶接姿勢を維持しながらアプローチして(MOVJ)、溶接を開始する。開始点PASから点PA1の位置へ溶接姿勢を変化させながら直線補間し(MOVL)、点PA1→点PA2→点PA3と溶接姿勢を変化させながら円弧補間する(MOVC)。点PA3から終了点PAEへ溶接姿勢を変化させながら直線補間して(MOVL)、終了点PAEの位置で溶接終了となる。
【0050】
その後、点PAEの位置から退避し(MOVJ)、反対側の開始点PBSの位置近辺へアプローチし(MOVJ)、開始点PBSの位置へ溶接姿勢を維持しながらアプローチして(MOVJ)、溶接を開始する。開始点PBSから点PB1の位置へ溶接姿勢を変化させながら直線補間し(MOVL)、点PB1→点PB2→点PB3と溶接姿勢を変化させながら円弧補間する(MOVC)。点PB3から終了点PBEへ溶接姿勢を変化させながら直線補間して(MOVL)、終了点PBEの位置で溶接終了となり、終了点PBEから退避して(MOVJ)、リファレンス点P0へ移動する(MOVJ)。なお、ワークWとの干渉チェックを行う必要がある。
【0051】
次に、図24および図25を参照して、補正JOB作成のための補正データの取得について説明する。レーザ加工ヘッド11にはYAGレーザによる加工点と同軸上にCCDカメラ23が設けられているが、YAGレーザの光軸がCCDカメラ23の中心にあるとは限らないため、予めYAGレーザの図示省略の集光点にクロスターゲット27を合わせておく。また、半導体レーザのスリット光33を外部から角度を持って一定の幅で照射し、最適焦点位置でラインが中心にくるように位置を調整しておく。
【0052】
先に作成されたマスターJOBに従って図23中開始点PASへ移動して、この位置でCCDカメラ23によりワークWを撮像する(図24参照)。ディスプレイ17には、加工ノズル35の内径、クロスターゲット27、半導体レーザのスリット光33が映し出されている。
【0053】
この時、図25に示されているように、ワークWがずれて映るので、X方向補正量δX、Y方向補正量δY、Z方向補正量δZが明らかになる。あるいは、Z方向補正量δZについては、ディスプレイ17に表示されているスリット光33の幅からZ方向の距離等のデータを取り出すことも可能である。
【0054】
次いで、座標の補正を行う。まず、図26を参照するに、X方向の補正を行うために、レーザ加工ヘッド11を図26中右方向へδXだけ移動させる。また、図27を参照するに、Y方向の補正を行うために、レーザ加工ヘッド11を図27中下方向へδYだけ移動させる。さらに、図28を参照するに、Z方向の補正を行うために、レーザ加工ヘッド11をワークW方向へδZだけ近づける。
【0055】
以上のような各軸方向への移動は、作業者が補正量をキーで入力して変更し、さらに微調整が可能となっている。あるいは、コマンドスイッチで調整可能としても良い。実際には、Z方向を補正後、XYを同時に補正してもよい。
【0056】
図29を参照するに、上述のようにしてδX、δY、δZの補正を行うことにより、開始点PAS位置における補正が完了するので、以後各点Piについて同様にして補正を行う。
【0057】
続いて、以上のようにして各点について得られた補正座標を利用して、マスターJOBに対して補正JOBを作成する。このようにして作成された補正JOBは、ロボット7の繰り返し位置決め精度が例えば±0.1mmであるため、ワークWが動かなければこの精度内に入るはずである。
【0058】
この補正JOBを使用して、YAGレーザを出射せずにドライ運転を行い、溶接線が適正であるか、最適焦点位置であるか等について作業者が確認することができる。作業者が適正であることを確認できたら、YAGレーザを出射して、本溶接を開始する。
【0059】
以上のようにしてティーチングを行った後にレーザ加工を実行するが、図30に示されているように、形状が同一で大きさが異なる製品がある場合、元の形状についての三次元データを伸ばしたり、縮めたりしてマスタJOBを作成することができる。例えば、長手方向(X方向)に1.5倍の長さがある場合にはX方向に150%にする。また、半分の長さの場合にはX方向に50%とする。
【0060】
以上の結果から、パーティション5の外側において一つの入出力装置で操作が可能になるので、安全性が確保されると共に作業者の負担を軽減して作業効率を改善することができる。
【0061】
また、溶接線とクロスターゲット27の一致を画像処理装置15で行うので作業者の負担を軽減できるし、熟練者でなくても操作することができる。
【0062】
なお、この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、前述の発明の実施の形態においては、ロボット7に取り付けられているレーザ加工ヘッド11に一台のCCDカメラ23を取り付けてティーチングを行ったが、例えばパーティション等の固定の装置に取り付けられて全体を撮影するCCDカメラを設けるようにしても良い。但し、この場合にはいろいろな角度から撮影するために複数台のCCDカメラを設ける必要がある。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によるYAGレーザ加工機のティーチング方法では、三次元レーザ加工に先立って、レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段によりワークを撮影して三次元図形を作り、この図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力してマスタJOBを作成した後、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成するので、パーティションの外側において一つの入出力装置でティーチング操作が可能になり、安全性が確保されると共に作業者の負担を軽減して作業効率を改善することができる。
【0064】
請求項2の発明によるYAGレーザ加工機のティーチング方法では、三次元レーザ加工に先立って、所定位置に設置された複数の撮像手段によりワークを撮影して三次元図形を作り、この図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力してマスタJOBを作成した後、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成するので、パーティションの外側において一つの入出力装置でティーチング操作が可能になり、安全性が確保されると共に作業者の負担を軽減して作業効率を改善することができる。
【0068】
請求項3の発明によるYAGレーザ加工機のティーチング装置では、三次元レーザ加工に先立って、レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段によりX軸、Y軸、Z軸方向からワークを撮影して三次元図形を作り、入力手段からこの図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力して、画像処理装置によりマスタJOBを作成した後、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成するので、パーティションの外側において一つの入出力装置でティーチング操作が可能になり、安全性が確保されると共に作業者の負担を軽減して作業効率を改善することができる。
【0069】
請求項4の発明によるYAGレーザ加工機のティーチング装置では、三次元レーザ加工に先立って、所定位置に固定されて設置されている複数の撮像手段によりX軸、Y軸、Z軸方向からワークを撮影して三次元図形を作り、入力手段からこの図形に大まかなティーチングポイントと溶接姿勢を入力して、画像処理装置によりマスタJOBを作成した後、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの詳細なデータを検出してマスタJOBを補正する補正JOBを作成するので、パーティションの外側において一つの入出力装置でティーチング操作が可能になり、安全性が確保されると共に作業者の負担を軽減して作業効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るティーチング装置を装備したYAGレーザ加工機を示す斜視図である。
【図2】ワークをセットする定盤を示す平面図である。
【図3】CCDカメラにより上方から撮像している状態を示す正面図である。
【図4】図3中IV方向から見た平面図である。
【図5】上方から撮像したワークが表示されたディスプレイである。
【図6】CCDカメラにより前方から撮像している状態を示す正面図である。
【図7】図6中VII方向から見た平面図である。
【図8】前方から撮像したワークが表示されたディスプレイである。
【図9】CCDカメラにより左側方から撮像している状態を示す正面図である。
【図10】図9中X方向から見た平面図である。
【図11】左側方から撮像したワークが表示されたディスプレイである。
【図12】CCDカメラにより右側方から撮像している状態を示す正面図である。
【図13】図12中XIII方向から見た平面図である。
【図14】右側方から撮像したワークが表示されたディスプレイである。
【図15】得られた情報から三次元図形を描く処理の説明図である。
【図16】得られた三次元図形を前方から見た図を示すディスプレイである。
【図17】得られた三次元図形を後方から見た図を示すディスプレイである。
【図18】作業者による溶接線指示のための図である。
【図19】作業者による溶接姿勢指示のための図である。
【図20】(A)、(B)は、溶接姿勢の変更を行う状態を示す斜視図である。
【図21】作業者による溶接線指示のための図である。
【図22】作業者による溶接姿勢指示のための図である。
【図23】マスタJOBの作成を示すディスプレイである。
【図24】補正データの取得のための表示である。
【図25】補正データの取得のための表示である。
【図26】加工ヘッドをX方向へずらしたときのディスプレイ表示である。
【図27】加工ヘッドをY方向へずらしたときのディスプレイ表示である。
【図28】加工ヘッドをZ方向へずらしたときのディスプレイ表示である。
【図29】各点について補正を行っている状態を示す説明図である。
【図30】ワークの長さのみが変化する場合を示すディスプレイ表示である。
【符号の説明】
1 ティーチング装置
11 レーザ加工ヘッド
15 画像処理装置
17 ディスプレイ(表示手段)
21 キーボード(入力手段)
23 CCDカメラ(撮像手段)
27 クロスターゲット
33 スリット光
W ワーク
Claims (4)
- 三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング方法において、前記レーザ加工ヘッドに設けられた撮像手段により前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影し、前記ワークの三次元図形を作成し、この三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力し、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成し、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成すること、を特徴とするYAGレーザ加工機のティーチング方法。
- 三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング方法において、固定的に設けられている複数の撮像手段により前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影し、前記ワークの三次元図形を作成し、この三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力し、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成し、前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成すること、を特徴とするYAGレーザ加工機のティーチング方法。
- 三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング装置であって、前記レーザ加工ヘッドに設けられて前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影する撮像手段と、前記ワークの三次元図形を作成して表示する表示手段と、この表示手段により表示された三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力する入力手段と、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成すると共に前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成する画像処理装置と、を備えてなることを特徴とするYAGレーザ加工機のティーチング装置。
- 三次元方向に相対的に移動自在且つ所望の溶接姿勢が可能なレーザ加工ヘッドによりワークに三次元レーザ加工を行うに先立って行われるYAGレーザ加工機のティーチング装置であって、前記ワークを少なくともX軸、Y軸、Z軸方向から撮影すべく固定的に設けられた複数の撮像手段と、前記ワークの三次元図形を作成して表示する表示手段と、この表示手段により表示された三次元図形に大まかなティーチングポイントおよび溶接姿勢を入力する入力手段と、前記三次元図形および前記溶接姿勢からマスタJOBを作成すると共に前記マスタJOBに従い前記撮像手段によって前記ワークを撮像したときにディスプレイに映し出される加工ノズルの内径、予めYAGレーザの集光点に合せられたクロスターゲット及び最適焦点位置でラインが前記加工ノズルの内径の中心にくるように予め位置調整された半導体レーザのスリット光を前記ディスプレイに映し出し、前記加工ノズルのX方向、Y方向及びZ方向の補正を行ったときの前記各ティーチングポイントにおける詳細データにより前記マスタJOBを補正する補正JOBを作成する画像処理装置と、を備えてなることを特徴とするYAGレーザ加工機のティーチング装置。
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