JP2732230B2 - レーザ光加工における同軸観測装置 - Google Patents

レーザ光加工における同軸観測装置

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JP2732230B2
JP2732230B2 JP6282839A JP28283994A JP2732230B2 JP 2732230 B2 JP2732230 B2 JP 2732230B2 JP 6282839 A JP6282839 A JP 6282839A JP 28283994 A JP28283994 A JP 28283994A JP 2732230 B2 JP2732230 B2 JP 2732230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光により加工を
行うレーザ加工装置に設けられて、レーザ光の加工対象
物への照射位置を観測する観測装置に関する。
【0002】
【従釆の技術】近年、レーザ技術はいろいろな産業分野
に利用されている。レーザの種類にもレーザ発振の仕組
みから、ガスレーザ、固体レーザ、半導体レーザなど種
々のものがある。利用される産業分野にも、金属などの
材料に切断や穴開けなどを行う加工一熱プロセスを利用
する分野、光化学反応プロセスを利用する分野など種々
のものがある。特に、ガスレーザの一つであるCO
ーザなどは、大出力で効率も高く、レーザ加工分野で重
用されている。
【0003】このCOレーザ加工装置の一例を図4に
示す。レーザ発振器1から出力されたレーザ光3は、し
かるべく光路を経て、マスク5に至り、マスク5でパタ
ーンを得て、全反射ミラー7で光路を屈曲させ、加工用
レンズ9を経て、加工対象物11の表面に結像する。加
工対象物11はXYテーブル13上に置かれ、加工が行
われる。
【0004】そして、従来は、このCOレーザは、微
細加工には不適とされていた。例えば、数百ミクロンメ
ータ以下のフィルム状のプラスチックに対する加工は、
焼け、焦げ、だれ、歪みなどが障害となってうまく行か
なかった。しかし、近年は開発が進んだ結果、レーザ光
自体はこのような微細加工も行われうるものになってき
た。
【0005】しかし、このようなレーザ光は一般には非
可視光であるため、また加工が微細であるため、加工対
象物への照射位置を肉眼で直接に観測する事はできな
い。観測できないと、照射位置のズレの補正ができな
い。そこで、従来の非可視レーザ光の加工対象物への照
射位置を観測する装置としては、試しに照射した非可視
レーザ光の照射痕を、図4に示すように、ライト10を
備えたCCDカメラ12へ取り込み、取り込んだ画像を
モニタ14に拡大して写し観測する装置がある。このC
CDカメラ12は、加工対象物11近くに位置する加工
用レンズ9が設けられるステーションヘッドと干渉しな
いように、相互に移動できるオフセット方式がとられ
る。あるいは、CCDカメラ12とステーションヘッド
は移動せず、加工対象物11を載置するXYテーフル1
3をCCDカメラ12の下まで移動するオフセット方式
がとられる。そして、照射痕を観測した後、逆方向の移
動により位置を戻し、照射位置のズレの補正を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
オフセット方式の観測装置は、CCDカメラ12とステ
ーションヘッドの移動、または加工対象物11を載置す
るXYテーブル13の移動に時間がかかり、また、これ
らの移動に伴う検出や数値データ処理に時間がかかるも
のであった。これにより生じるロスタイムは、例えばコ
ンマ数秒であるが、多数の加工対象物を連続して加工す
る場合などには、大きなロスになる。
【0007】さらに、移動に必要となる移動機構の例え
ば歯車のバックラッシュによる誤差など、機械動作に伴
つ誤差も生じてしまうものであった。このような問題
は、COレーザによる加工の場合のみならす、他の非
可視レーザ光による加工の場合にも生じる。本発明は、
以上の問題点を解決するためになされたもので、ロスタ
イムや機械動作に伴う誤差のない観測装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、レーザ
発振器から発せられた非可視レーザ光を、加工用レンズ
を経て加工対象物へ導き加工を行うレーザ加工装置に設
けられ、前記非可視レーザ光の加工対象物への照射位置
を観測するレーザ加工における同軸観測装置であって、
前記非可視レーザ光にパターンを付与するマスクと、可
視レーザ光を出力する可視レーザ発振器と、出力した可
視レーザ光を前記非可視レーザ光の光路軸と同軸上にし
て加工対象物へ送るために、非可視レーザ光の光路軸に
斜めに設けられた、非可視レーザ光を透過させ可視レー
ザ光を反射する性質のピームコンパィラーと、前記加工
用レンズ付近に設けられ加工対象物を照らすライトと、
可視レーザ光による加工対象物の照射位置からの反射光
及びライトに照らされた加工対象物からの反射光を、前
記ビームコンパイラーを介して取り込むCCDカメラ
と、CCDカメラへ向かう像の光路と前記可視レーザ発
振器からの可視レーザ光の光路を分岐させるためのハー
フミラーと、CCDカメラで取り込んだ画像を拡大して
写すモニタと、前記CCDカメラで取り込まれた画像
を、画像処理技術により処理して目標照射位置とのズレ
を演算し、ズレ補正信号を出力するパソコンと、ズレ補
正信号を基に加工対象物を載置するXYテーブルを制御
し、ズレを補正する制御手段とを備えてなり、前記レー
ザ加工装置が微細加工用の高輝度パルスCOレーザ装
置であり、かつ前記画像処理におけるズレ量の限界値の
設定は、前記マスクごとに設定されることを特徴とする
レーザ加工における同軸観測装置である。そして、加工
対象物は、加工位置精度が要求されるFPC(フレキシ
フレブリント基板)、成形品などが好適に使用される。
【0009】
【作用】本発明は、加工用の非可視レーザ光と同軸上に
可視レーザ光を導くと共に、加工対象物周りの画像をC
CDカメラで捉えてモニタ上に拡大表示できるため、非
可視の高輝度パルスレーザ光の照射位置を間接的に観測
することが可能となり、加工原点を正確に設定すること
も可能となる。しかも、取り込まれた画像をパソコン上
で画像処理して目標位置とのズレを演算すると共に、そ
の結果生成されたズレ補正信号をもとに加工対象物を載
置するXYテーブルを制御し、自動的にズレを補正でき
るので、正確な位置精度を伴った微細加工が実現できる
のである。また、上記のように可現レーザ光をモニタ上
の拡大映像で観察しながらパソコン上で画像処理をして
ズレ補正信号を生成するよう構成したため、このズレ補
正信号生成の基準となるズレ量の限界値をマスクごと
に、即ち加工条件毎に柔軟に設定することが可能となる
のである。
【0010】即ち、加工を行なう非可視レーザ光の光路
軸と同軸上に、可視レーザ光を加工対象物へ送り、加工
対象物からの前記可視レーザ光の反射光をCCDカメラ
へ取り込み、取り込んだ画像をモニタに写す。可視レー
ザ発振器から出力された可視レーザ光を、ビームコンバ
イラーを介して、加工を行う非可視レーザ光の光路軸と
同軸上にして加工対象物へ送る。この可視レーザ光が加
工対象物の照射位置からの反射する。また、加工用レン
ズ付近に設けられたライトが加工対象物を照らす。そし
て、可視レーザ光の照射位置からの反射光およびライト
に照らされた加工対象物からの反射光を、前記ビームコ
ンバイラーを介して、CCDカメラに取り込む。取り込
んだ画像はモニタに写す。
【0011】更に、取り込まれた画像を画像処理技術に
より処理して目標照射位置とのズレを演算する。このズ
レ補正信号をもとに加工対象物を載眉するXYテーブル
を制御し、ズレを補正する。レーザ加工装置が微細加工
用高輝度パルスCOレーザ装置であり、照射位置の観
測により正確な微細加工ができる。
【0012】加工対象物は、加工位置精度が要求される
FPC、成形品などであり、正確な位置で加工が行え、
要求が満たされる。
【0013】
【実施例】この発明の一実施例を、図1乃至図3に示
す。この実施例のレーザ加工装置は、紫外線領域であり
非可視レーザ光で、いわゆるマスクイメージ法による微
細加工を行う代表的なインパクト型TEACOレーザ
装置である。即ち、高輝度パルスレーザ装置である。
【0014】レーザ発振器1から出力されたレーザ光3
は、しかるべく光路を経て、マスク5に至る。マスク5
でパターンを得たレーザ光3は、銅がベースとなって作
られた全反射ミラー7で90度に光路を屈曲させ、加工
用レンズ9を経て、加工対象物11の表面に結像する。
加工対象物11はXYテーブル13上に置かれ、X方向
またはY方向に移動され、所定の発振時間、周波数、シ
ョット数でレーザ光照射が行われ、所望の穴開けや様作
成などの加工が行われる。
【0015】このレーザ加工装置に、レーザ光の照射位
置を観測する同軸観測装置15が設けられる。前記レー
ザ発振器1とは別に、可視レーザ光(例えばHeNeレ
ーザ光など)を出力する可視レーザ発振器17が設けら
れる。出力した可視レーザ光を前記非可視レーザ光の光
路19軸と同軸上にして加工対象物11へ送るために、
全反射ミラー21、ハーフミラー23が設けられ、更に
ビームコンバイラー25が非可視レーザ光の光路19軸
に斜め45度に設けられる。このビームコンバイラー2
5は、非可視レーザ光を透過させ可視レーザ光を反射す
る性質を有する。
【0016】また、前記加工用レンズ9の下端周囲に加
工対象物11を照らすリングライト27が設けられる。
さらに、可視レーザ光による加工対象物11の照射位置
からの反射光、およびリングライト27に照らされた加
工対象物11からの反射光を、前記ビームコンバイラー
25に反射させハーフミラー23を透過させて取り込む
CCDカメラ29が設けられる。このハーフミラー23
は、CCDカメラ29へ向かう反射光の光路31と前記
可視レーザ発振器からの可視レーザ光の光路33を分岐
させるためのものである。CCDカメラ29には、取り
込んだ画像を写すモニタ35が接続されている。
【0017】モニタ35には、パソコン37が接続され
る。パソコン37は、取り込まれた照射位置の画像を画
像処理技術により処理して、目標照射位置とのズレを演
算しズレ補正信号を出力する演算処理手段となる。パソ
コン37には、ズレ補正信号をもとに加工対象物11を
載層するXYテーブル13を制御してズレを補正する制
御手段としてのNC制御装置39が接続される。NC制
御装置39にはXYテーブル13が接続され、加工対象
物11が載置された状態のXYテーブル13を、X方向
またはY方向に移動する。
【0018】以下、この実施例の作用を図1〜図3によ
り説明する。可視レーザ発振器17から出力された可視
レーザ光は、全反射ミラー21で90度に光路を屈曲さ
せ、さらにハーフミラー23で反対側に光路を90度屈
曲させ、その後にビームコンバイラー25を介して光路
を90度屈曲させ、加工を行う非可視レーザ光の光路1
9軸と光路33を同軸上にする。そして、加工用レンズ
9を介して加工対象物11へ送られ、照射がされる。こ
の可視レーザ光が加工対象物11の照射位置から反射す
る。また、加工用レンズ9付近に設けられたりングライ
ト27が加工対象物11全体を照らす。
【0019】そして、可視レーザ光の照射位置からの反
射光、およびリングライト27に照らされた加工対象物
11からの反射光は、前記ビームコンバイラー25を介
して光路を90度屈曲させ、CCDカメラに取り込まれ
る。取り込まれた画像は、モニタ35に写される。
【0020】更に、取り込まれた画像を、パソコン37
が画像処理技術により処理して、可視レーザ光の照射位
置と目標照射位置とのズレを演算する。このズレ補正信
号をもとに、NC制御装置35が、加工対象物11を我
遣するXYテーブル13を制御してX方向およひY方向
に移動し、ズレを補正する。
【0021】このとき使用されうる画像処理技術には種
々のものがあり、可能であればいずれのものでもよい。
この実施例では、一例として窓枠内画素係数法とよばれ
るものを採用して説明する。即ち、図2に示すように、
加工対象物11およびレーザ光の断面画像41が表され
る画面には、目標照射位置43を示す十字を有する枠4
5が設けられる。レーザ光の断面画像41が目標照射位
置43の近傍にいるときには、断面画像41と十字を有
する枠45とで、AからHの8つの領域が形成される。
これらの領域の内、B、C、F、Gはレーザ光を受け白
くなり、A、D、E、H、は黒く見える。その結果、8
つの領域A(黒)、B(白)、C(白)、D(黒)、E
(黒)、F(白)、G(白)、H(累)が形成される。
【0022】そして、図3に示すように8つの領域内の
画素数a、b、c、d、e、f、g、hを計算する(S
1)。断面画像41が目標照射位置43に例えば水平方
向で一致すればaとd、bとcは同数である。または、
eとh、fとgは同数である。同様に、垂直方向で一致
すればaとe、bとfは同数である。または、dとh、
cとgは同数である。従つて、これらが同数となるよう
に制御し補正を行えばよい。そこで、次の式によりF1
またはF2、F3またはF4を計算する(S2)。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】これらF1またはF2、F3またはF4に
基づく信号を、ズレ補正信号として出力する。このズレ
補正信号をもとに、NC制御装置39が働く。まず、F
1またはF2が0に近づく方向へ、XYテーブル13を
用いて、図2の画面の水平方向(例えばX軸方向)への
補正を行う(S6)。F1またはF2が十分に0に近く
なれば(S7)、水平方向の補正を終了する(S8)。
次に、F3またはF4が0に近づく方向へ、XYテーブ
ル13を用いて、図2の画面の垂直方向(例えばY軸方
向)への補正を行う(S9)。F1またはF2が十分に
0に近くなれば(S10)、垂直方向の補正を終了する
(S11)。このようにしてズレを補正する。
【0028】また、レーザ光の断面画像41が目標照射
位置43の近傍にいないときには、断面画像41と十字
を有する枠45とで、8つの領域が形成されないので、
補助的に別の方法を用意する。即ち、8つの領域が形成
されない時は、領域B、C、F、Gの少なくともいづれ
かの画素数が0になる(S3)。そのときは、次の式の
ベクトルVを考え、ベクトルVの大きさを計算する(S
4)。
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】そして、Vの大きさが0となる方向、即ち
小さくなる方向へ補正を行う(S5)。この補助的な方
法により、断面画像45が目標照射位置47の近傍に位
置するようになつた後に、前記方法(S6)〜(S1
1)により補正を行い、ズレを補正する。
【0032】このようにしてズレが補正され、可視レー
ザ光の断面画像41の中心が目標照射位置43に一致す
ると、可視レーザ発振器17からの可視レーザ光の出力
が停止され、次に直ちに、レーザ発振器1から出力され
た非可視レーザ光3が、所定の光路を通り、加工用レン
ズ9を経て、加工対象物11の表面に結像する。加工対
象物11は、XYテーブル13によりX方向またはY方
向に移動され、所望の穴開けや溝作成などの加工が行わ
れる。
【0033】以上のように、この実施例によれば、可視
レーザ光と非可視レーザ光との切り替えは直ちに行える
ので、従来のようなCCDカメラ29の移動、加工用レ
ンズ9やりングライト27を備えたステーションヘッド
の移動、または加工対象物を載置するXYテーブルの移
動は、全く必要ない。従つて、これらの移動に伴う検出
や数値データ処理に時間がかかるということもない。ま
た、移動に必要となる移動機構も設ける必要がなく、機
械動作に伴う誤差も生じない。
【0034】また、モニタ35でレーザ光の断面画像を
観測しつつ補正作業が行われるので、ズレ量の限界値の
設定、即ちF1またはF2、F3またはF4がどれだけ
0に近付けば十分に「0」に近いと判断させるのかなど
の設定は、マスク5ごとに、つまり加工条件ごとに設定
できる。
【0035】また、この実施例の同軸観測装置15は、
レーザ加工装置の運転が行われている間も、連続して機
能させることができ、ズレ補正を連続して続けられる。
【0036】また、この実施例のレーザ加工装置は微細
加工用COレーザ装置であり、照射位置の観測によ
り、さらに用途を広げて正確な微細加工ができるように
なる。即ち、従来はCOレーザによる微細加工、例え
ば数百ミクロンメータ以下のフィルム状のプラスチック
に対する微細加工は、焼け、焦げ、だれ、歪みなどが障
害となってうまく行かなかった。しかし、近年は開発が
進んだ結果、このような微細加工も行われうるものにな
ってきていた。ところが非可視レーザ光であることなど
から照射位置の観測がうまくいかず、特に加工開始の照
射位置である加工原点を自動的に百分台、千分台の位置
の精度で設定することができなかった。従って、加工対
象物が、加工位置精度の要求されるFPC、カメラや時
計などの精密工業製品を構成する成形品、プリンタや複
写機などに用いられ表面がグレービング加工されるゴム
ローラなどである場合には、微細加工ができず、結局、
微細加工の用途が限定されていた。しかし、この実施例
によれば、モニタ35で可視レーザ光の断面画像を自在
に拡大して観測して、前記加工原点設定が容易に行わ
れ、加工位置精度の要求を十分に満たすことができる。
【0037】なお、以上の実施例では、図2に示すよう
に、画面にはレーザ光の断面画像41のみならす加工対
象物11の輪郭も写つている。そこで、この輪郭をもと
に目標照射位置43を示す十字を有する枠45が容易に
設けられうる。しかし、画面に加工対象物11の輪郭な
どが写らない場合には、加工対象物11や治工具などに
認識マークなどの基準となるものを複数箇所に付けてお
くとよい。
【0038】また、より高度な加工位置精度が要求され
る加工対象物11を加工する場合には、XYテーブル1
3に角度補正機能を備えたものを使用すると、加工が容
易である。
【0039】また、以上の実施例では、マスク5を用い
てXYテーブル13上の加工対象物を加工するマスクイ
メージ法による2次元加工であったが、他の実施例で
は、レーザマーキングにも、3次元ロボットにも応用で
きる。
【0040】また、以上の実施例では、反射した可視レ
ーザ光は前記ビームコンバイラー25を介して光路を9
0度屈曲させCCDカメラ29に取り込まれるが、他の
実施例では90度ではなく他の角度で屈曲させてもよ
い。これにより、CCDカメラ29を加工対象物11に
対し斜めに取り付けることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、加
工を行なう非可視レーザ光の光路軸と同軸上に、可視レ
ーザ光を加工対象物へ送り、加工対象物からの前記可視
レーザ光の反射光をCCDカメラへ取り込み、取り込ん
だ画像をモニタに写すことで、可視レーザ光の照射位
置、ひいては間接的に非可視レーザ光の照射位置が観測
できる。そして、可視レーザ光と非可視レーザ光との切
り替えは直ちに行えるので、あるいは切り替えを行わな
いまま加工を行いながら観測を続けられるので、従来の
ようなCCDカメラの移動などは、全く必要ない。従つ
て、これらの移動に伴う検出や数値データ処理に時間が
かかりロスタイムが発生するということもない。また、
移動に必要となる移動機構も設ける必要がなく、機械動
作に伴う誤差も生じない。
【0042】また、加工用レンズ付近に設けられたライ
トが加工対象物を照らすことで、加工対象物の像を鮮明
に取り込む事ができ、観測が容易となる。そして、従来
のようなCCDカメラの移動、加工用レンズやライトを
備えたステーションヘッドの移動、または加工対象物を
銭道するXYテーブルの移動は、全く必要なく、取り込
まれた照射位置の画像を画像処理技術により処理して目
標照射位置とのズレを演算し、このズレ補正信号をもと
に加工対象物を載遣するXYテーブルを制御し、自動的
にズレを補正できるので、正確な位置精度を伴つた微細
加工ができる。
【0043】ズレを生じているか否かの判断基準となる
限界値を、マスク毎に、即ち加工条件毎に設定すること
が本発明の特徴である。この効果により、従来不可能と
されていた微細加工用COレーザ装置に於いて、加工
開始の照射位置である加工原点を高い位置精度で設定す
る事が可能となり、微細加工用COレーザ装置の微細
加工の用途を広げることができる。
【0044】更に、加工対象物は、加工位置精度が要求
されるFPC、成形品などであり、この発明による効果
を十分に発揮でき、正確な位置で加工が行え、要求が満
たされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る装置の全体ブロック図
である。
【図2】図1の制御方法を説明するための図である。
【図3】図1の制御フロー図である。
【図4】従来例に係る装置の全体ブロック図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 3 レーザ光 5 マスク5 7 全反射ミラー 9 加工用レンズ 11 加工対象物 13 XYテーブル 15 同軸観測装置 17 可視レーザ発振器 19 非可視レーザ光の光路 21 全反射ミラー 23 ハーフミラー 25 ビームコンパイラー 27 リングライト(ライト) 29 CCDカメラ 31 反射光の光路 33 可視レーザ光の光賂 35 モニタ 37 パソコン(演算処理手段) 39 NC制御装置(制御手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ発振器から発せられた非可視レーザ
    光を、加工用レンズを経て加工対象物へ導き加工を行う
    レーザ加工装置に設けられ、前記非可視レーザ光の加工
    対象物への照射位置を観測するレーザ加工における同軸
    観測装置であって、前記非可視レーザ光にパターンを付
    与するマスクと、可視レーザ光を出力する可視レーザ発
    振器と、出力した可視レーザ光を前記非可視レーザ光の
    光路軸と同軸上にして加工対象物へ送るために、非可視
    レーザ光の光路軸に斜めに設けられた、非可視レーザ光
    を透過させ可視レーザ光を反射する性質のピームコンパ
    ィラーと、前記加工用レンズ付近に設けられ加工対象物
    を照らすライトと、可視レーザ光による加工対象物の照
    射位置からの反射光及びライトに照らされた加工対象物
    からの反射光を、前記ビームコンパイラーを介して取り
    込むCCDカメラと、CCDカメラへ向かう像の光路と
    前記可視レーザ発振器からの可視レーザ光の光路を分岐
    させるためのハーフミラーと、CCDカメラで取り込ん
    だ画像を拡大して写すモニタと、前記CCDカメラで取
    り込まれた画像を、画像処理技術により処理して目標照
    射位置とのズレを演算し、ズレ補正信号を出力するパソ
    コンと、ズレ補正信号を基に加工対象物を載置するXY
    テーブルを制御し、ズレを補正する制御手段とを備えて
    なり、前記レーザ加工装置が微細加工用の高輝度パルス
    COレーザ装置であり、かつ前記画像処理におけるズ
    レ量の限界値の設定は、前記マスクごとに設定されるこ
    とを特徴とするレーザ加工における同軸観測装置。
  2. 【請求項2】加工対象物が、加工位置精度が要求される
    FPC(フレキシフレブリント基板)、成形品などであ
    ることを特徴とする、請求項1記載のレーザ加工におけ
    る同軸観測装置。
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