図2は本発明の後述する実施形態に関連する画像形成装置Aの概略を示す。自動原稿送り装置(以下ADFという)1においては、原稿台2に原稿がその画像面を上にして置かれてなる原稿束は、操作部40(図3参照)上のスタートキー44(図3参照)が押下されると、一番下の原稿が給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラスからなる原稿台5上の所定の位置に給送される。このコンタクトガラス5上の原稿は、スキャナ機能からなる画像入力手段としての読み取りユニット6によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト4、排送ローラ7によって排紙台8上に排出される。
原稿セット検知器9にて原稿台2上に次の原稿が有ることが検知された場合には、同様にその原稿が給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス5上の所定の位置に給送される。このコンタクトガラス5上の原稿は、読み取りユニット6によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト4、排送ローラ7によって排紙台8上に排出される。ここに、給送ローラ3、給送ベルト4及び排送ローラ7は搬送モータ51(図5参照)によって駆動される。
第1給紙装置10、第2給紙装置11、第3給紙装置12は、選択された時に各々第1トレイ13、第2トレイ14、第3トレイ15に積載された転写紙からなる転写材を給紙し、この転写紙は縦搬送ユニット16によって像担持体としての感光体17に当接する位置まで搬送される。感光体17は、例えば感光体ドラムが用いられてメインモータ52(図5参照)により回転駆動され、図示しない帯電器により一様に帯電される。
読み取りユニット6にて原稿から読み込まれた画像信号又は外部からの画像信号は後述する画像処理手段を介して書き込み手段としての書き込みユニット22によって光情報に変換され、感光体ドラム17は帯電器により一様に帯電された後に書き込みユニット22からの光情報で露光されて画像(静電潜像)が書き込まれる。この感光体ドラム17上の静電潜像は現像装置18により現像されてトナー像となる。
搬送ベルト19は、転写手段を兼ねていて転写電源から転写バイアスが印加され、縦搬送ユニット16からの転写紙を感光体ドラム17と等速で搬送しながら感光体ドラム17上のトナー像を転写紙に転写させる。この転写紙は、定着装置20によりトナー像が定着されてコピーとして排紙ユニット21により後処理装置としてのフィニッシャ100に排出される。また、感光体ドラム17はトナー像転写後に図示しないクリーニング装置によりクリーニングされる。
ここに、感光体ドラム17、帯電器、書き込みユニット22、現像装置18、第1給紙装置10、第2給紙装置11、第3給紙装置12、縦搬送ユニット16、搬送ベルト19、定着装置20、排紙ユニット21、クリーニング装置は画像信号を転写紙の記録面上に顕像化して出力する作像手段を構成している。
フィニッシャ100は、作像手段及び読み取りユニット6からなる本体の排紙ユニット21によって排出された転写紙を切り替え板101により通常排紙方向とステープル処理方向とのいずれかに切り替えて導くことができる。切り替え板101を上側に切り替えると、本体の排紙ユニット21によって排出された転写紙は、切り替え板101により通常排紙方向に切り替えられて排紙ローラ102、103により搬送され、通常排紙トレイ104へ排出される。この通常排紙トレイ104は、前後に移動可能な排紙トレイであり、図示しない駆動手段による駆動で、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に本体からのコピーを仕分ける。
また、切り替え板101を下側に切り替えると、本体の排紙ユニット21によって排出された転写紙は、切り替え板101によりステープル処理方向に切り替えられて搬送ローラ105、106により搬送され、ステープル台107へ排出されて積層される。ステープル台107上に積層された転写紙は、ステープル台107に1枚排出される毎に紙揃え手段としてのジョガー108によって端面が揃えられ、原稿の1部のコピー完了と共にステープラ109によって綴じられる。ステープラ109によって綴じられられた転写紙群は自重によってステープル完了排紙トレイ110に収納される。
転写紙の両面に画像を作像する場合には、経路切り替えのための分岐爪23が通常の下側位置から上側位置に切り替えられてセットされる。各給紙トレイ13〜15のいずれかより給紙されて表面に上述のように画像が作像された転写紙は、分岐爪23により経路がフィニッシャ100側から両面給紙ユニット24側に切り替えられ、一旦両面給紙ユニット24に搬送されて表裏が反転した状態でストックされる。
その後、両面給紙ユニット24にストックされた転写紙は、再び給紙されて縦搬送ユニット16によって感光体ドラム17に当接する位置まで搬送され、感光体ドラム17上に上述と同様に作像されたトナー像が裏面に転写されて定着装置20でトナー像が定着されることにより両面コピーとなる。そして、分岐爪23が通常の下側位置にセットされ、定着装置20からの両面コピーは排紙ユニット21によりフィニッシャ100に排出される。このように、転写紙の両面に画像を作成する場合には、両面給紙ユニット24が使用される。
ここに、感光体ドラム17、搬送ベルト19、定着装置20、排紙ユニット21、現像装置18はメインモータ52により駆動され、各給紙装置10〜12はメインモータ52の駆動力が各々給紙クラッチ53〜55(図5参照)によって伝達されることにより駆動される。縦搬送ユニット16はメインモータ52の駆動力が中間クラッチ56(図5参照)によって伝達されることにより駆動される。
次に、読み取りユニット6及び書き込みユニット22について説明する。書き込みユニット22は感光体ドラム17の一様帯電面を露光して静電潜像を形成するが、この静電潜像は画像信号を書き込みユニット22で光情報に変換して感光体ドラム17に照射することにより感光体ドラム17上に生ずる電位分布である。
読み取りユニット6は、原稿を載置するコンタクトガラス5と光学走査系で構成されており、この光学走査系は露光ランプ25、第1ミラー26、第2ミラー27、第3ミラー28、レンズ29、CCDからなるイメージセンサ30等で構成されている。露光ランプ25及び第1ミラー26は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー27及び第3ミラー28は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。
原稿画像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。コンタクトガラス5上の原稿は露光ランプ25により照明され、その反射光が第1ミラー26、第2ミラー27、第3ミラー28、レンズ29を経由してイメージセンサ30で電気信号に変換されて読み取られる。レンズ29及びイメージセンサ30を図2において左右方向に移動させると、読み取り画像の倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ29及びイメージセンサ30の左右方向位置が設定される。
書き込みユニット22はレーザ出力ユニット31、結像レンズ32、ミラー33等で構成され、レーザ出力ユニット31の内部にはレーザ光源であるレーザダイオード、モータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が備わっている。レーザ出力ユニット31内のレーザダイオードは画像信号により変調駆動され、レーザダイオードから画像信号で変調されたレーザ光が照射される。レーザダイオードから照射されるレーザ光は、定速回転する回転多面鏡により偏向走査され、結像レンズ32を通ってミラー33で折り返され、感光体ドラム17上に集光結像される。
感光体ドラム17上に集光結像されるレーザ光は、感光体ドラム17の回転方向と直交する方向(主走査方向)へ回転多面鏡により走査され、感光体ドラム17上に画像信号をライン単位で書き込んで静電潜像を形成する。感光体ドラム17の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査が繰り返されることによって、感光体ドラム17上に画像(静電潜像)が形成される。
上述のように、書き込みユニット22から出力されるレーザ光が作像手段の感光体ドラム17に照射され、感光体ドラム17の一端近傍のレーザ光が照射される位置にビームセンサが配置され、書き込みユニット22からのレーザ光がビームセンサで検知されてビームセンサが主走査同期信号を発生する。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御及び後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成が図示しない回路で行われる。
図3は操作部40を示す。操作部40には、液晶タッチパネル41、テンキー42、クリア/ストップキー43、プリントキー(スタートキー)44、モードクリアキー45があり、液晶タッチパネル41には、機能キー46、部数、及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
図4は液晶タッチパネル41の表示例を示す。オペレータが液晶タッチパネル41に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細(例えば変倍であれば変倍値等)を指定しなければならない場合は、オペレータが液晶タッチパネル41に表示されたキーにタッチすることで、液晶タッチパネル41に詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネル41は、ドット表示器を使用しているため、その時々の最適な表示をグラフィカルに行うことが可能である。
図5は制御手段としてのメインコントローラを中心とする制御装置を示す。この画像形成装置Aは、ディジタル複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能等を備えた画像形成装置であり、ディジタル複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の画像入出力手段(画像入出力機能)を有する。メインコントローラ57はディジタル複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の画像入出力手段(画像入出力機能)を有する画像形成装置の全体を制御する。メインコントローラ57には、オペレータに対する液晶タッチパネル41を含む液晶ディスプレイ58による表示、オペレータからのキー42〜45を含むキー入力部59による機能設定入力を制御する操作部40や読み取りユニット6の制御、画像信号を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの画像信号による作像の制御等を行う画像処理手段としての画像処理ユニット(以下IPUという)60、ADF1等の分散制御装置が接続されている。各分散制御装置とメインコントローラ57は必要に応じて機械の状態、動作指令のやりとりを行う。また、メインコントローラ57には、搬送モータ51、紙搬送等に必要なメインモータ52、各種クラッチ53〜56が接続されている。
次に、IPU60の構成について図7を用いて説明する。露光ランプ25から照射された光はコンタクトガラス5上の原稿を照射し、その反射光は第1ミラー26、第2ミラー27、第3ミラー28、レンズ29を経由してCCD30上に結像される。CCD30は、原稿からの反射光を受光して光電変換し、画像信号として出力する。CCD30からの画像信号は、A/Dコンバータ71にてデジタル信号に変換され、シェーディング補正部72によりシェーディング補正がなされて画像処理部73によりMTF補正、γ補正等がなされる。
セレクタ74は、画像処理部73からの画像信号の送り先を変倍部75と画像メモリコントローラ76とのいずれかに切り替える。セレクタ74から変倍部75への画像信号は、変倍部75にて変倍率に合わせて拡大縮小され、書き込みユニット22へ送られる。書き込みユニット22は、変倍部75からの画像信号によりライン単位で上記ビームセンサからの主走査同期信号に基づく主走査方向の画像記録開始タイミングに合わせてレーザダイオードを変調し、レーザダイオードから画像信号により変調されたレーザ光を出射する。
画像メモリコントローラ76とセレクタ74との間は、双方向に画像信号を入出力できる構成となっている。図7には特に明示していないが、IPU60は、読み取りユニット6から入力される画像信号以外に、外部から供給される画像信号(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力される画像信号)も処理できるように、複数の画像信号の入出力の選択を行う機能を有している。
また、IPU60は、画像メモリコントローラ76等への設定や、読み取りユニット6、書き込みユニット22の制御を行うCPU77と、そのプログラムやデータを格納するROM78,RAM79と、I/Oポート80とを備えている。CPU77は、画像メモリコントローラ76を介して画像メモリ81に対する画像信号の書き込み、読み出しが行える。ここに、画像メモリコントローラ76と画像メモリ81は、画像信号を記憶する記憶手段を構成する。
次に、図6を用いて1頁分の画像信号に対するセレクタ74の動作について説明する。フレームゲート信号/FGATEは、1頁の画像信号の副走査方向の有効期間を表わす信号である。主走査同期信号/LSYNCは、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号/LSYNCが立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号がラインゲート信号/LGATEである。
これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、画素クロックVCLKの1周期に対して1画素のデータが送られてくる。IPU60は、画像信号の入力、画像信号の出力それぞれに対して別個のフレームゲート信号/FGATE、主走査同期信号/LSYNC、ラインゲート信号/LGATE、画素クロックVCLを発生する発生機構を有しており、読み取った画像の直接出力を行う場合などの位相調整等を行うことにより、様々な画像信号の入出力の組み合わせが実現可能になる。
次に、図8を用いて図7におけるメモリコントローラ76、画像メモリ81の内部の詳細を説明する。ただし、図8は、画像形成装置Aにおける記憶手段の個々の記憶装置の詳細を示し、画像メモリも個々に記憶装置に接続されている。各記憶装置と、各記憶装置への画像信号の入出力を制御する手段については、後述する。また、以下に述べる画像信号の入力、出力の動作例も個々の記憶装置に対するものである。
データ入出力制御部82は、入力データセレクタ83、画像合成部84、1次圧縮/伸長部85、出力データセレクタ86、2次圧縮/伸長部87を有している。各部83〜87への制御データの設定はCPU77により行われる。図8におけるアドレス、データは画像信号に対するものを示しており、図8ではCPU77に対して入出力されるデータ、アドレスは図示していない。
画像メモリ88は、1次記憶部としての1次記憶装置89及び2次記憶部としての2次記憶装置90からなる。1次記憶装置89は、メモリの指定した領域への画像信号書き込み、または画像信号読み出し時のメモリの指定した領域からの画像信号読み出しが画像信号の入出力時に要求される画像信号転送速度に略同期して行えるように、例えばDRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用する。また、1次記憶装置89は、処理を行う画像信号の大きさにより複数のエリアに分割して複数の画像信号の入出力を同時に実行できる構成(メインコントローラ76とのインターフェース部)を有している。
2次記憶装置90は、入力された画像信号の合成、ソーティングを行うために画像信号を保存しておく大容量のメモリである。1次記憶装置89が、画像信号の処理を行うために十分な容量を有していれば、2次記憶装置90への画像信号の入出力は行われない。2次記憶装置90が、画像信号入出力時に要求される画像信号転送速度に略同期して画像信号の書き込み/読み出しが可能であれば、入出力画像信号を直接、2次記憶装置90へ書き込み、又は2次記憶装置90から読み出すことが可能である。また、1次記憶装置89、2次記憶装置90の区別なく画像信号の処理を行うことが可能となる。
2次記憶装置90が、画像信号入出力時に要求される画像信号転送速度に略同期して画像信号の書き込み/読み出しを行うことが可能でない場合、例えば2次記憶装置90にハードディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体を使用するような場合でも、2次記憶装置90への画像信号の入出力に1次記憶装置89を介在させることにより、2次記憶装置90の画像信号転送能力に応じて画像信号処理が可能である構成となっている。
このような構成により、画像形成装置の画像信号処理速度に応じて記憶素子を選択でき、また、圧縮率、伸長率が画像信号によって異なる(画像信号の種類によってメモリへの画像信号アクセス速度が異なる)ような方式を採用しても、対応が可能となる。圧縮率、伸長率が可変であると、記憶装置89,90の容量を節約できる場合も考えられる。
次に、メモリコントローラ76の動作例を説明する。ここでは、2次記憶装置90が、画像信号入出力時に要求される画像信号転送速度に略同期して画像信号の書き込み/読み出しを行うことが可能でない場合の例について説明する。
〈1〉画像信号入力(画像信号の画像メモリへの保存)
入力データセレクタ83は入力された複数の画像信号のうちから画像メモリ88(1次記憶装置89)への書き込みを行う画像信号を選択する。入力データセレクタ83によって選択された画像信号は、画像合成部84に供給され、既に画像メモリ88に保存されている画像信号との合成が必要に応じて行われる。画像合成部84にて処理された画像信号は、1次圧縮/伸長部85により圧縮され、1次記憶装置89に書き込まれる。1次記憶装置89に書き込まれた画像信号は、必要に応じて2次圧縮/伸長部87で更に圧縮された後に2次記憶装置90に保存される。
〈2〉画像信号出力(画像信号の画像メモリ88からの読み出し)
画像信号出力時には、1次記憶装置89に記憶されている画像信号が読み出される。出力対象となる画像信号が1次記憶装置89に格納されている場合には、出力対象となる画像信号が1次記憶装置89から読み出されて1次圧縮/伸長部85で伸長され、この伸長された画像信号、もしくはこの伸長された画像信号と入力データセレクタ83によって選択された画像信号とが画像合成部84で合成されたものが出力データセレクタ86で選択されて出力される。
画像合成部84は、1次記憶装置89から読み出されて1次圧縮/伸長部85で伸長された画像信号と、入力データセレクタ83からの入力画像信号との合成(画像合成部84は画像信号の位相調整を行う機能を有する)、合成後の画像信号の出力先の選択(画像信号出力、1次記憶装置89へのライトバック、これら両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。
出力対象となる画像信号が1次記憶装置89に格納されていない場合には、2次記憶装置90に格納されている出力対象の画像信号が2次記憶装置90から読み出されて2次圧縮/伸長部87で伸長され、1次記憶装置89に書き込まれてから、上述と同様な画像信号出力動作が行われる。
図1は、この画像形成装置Aにおける記憶手段の構成を示し、図9及び図10は画像信号を記憶手段に入力する動作例の動作タイミングを示す。記憶手段は、2個以上の記憶装置、例えば2個の記憶装置91、92、入力データセレクタ93、出力データセレクタ94を有し、記憶装置91は上述したデータ入出力制御部82、画像メモリ88からなり、記憶装置92は上述したデータ入出力制御部82、画像メモリ88と同様なデータ入出力制御部95、画像メモリ96からなる。入力データセレクタ93、出力データセレクタ94への制御データの設定はCPU77により行われる。
入力データセレクタ93は、セレクタ74から画像信号が入力されるとともに、CPU77により画像信号が入力され、さらに記憶装置91、92から画像信号が入力され、これらの入力された画像信号を選択して記憶装置91、92へ出力する4入力2出力セレクタである。記憶装置91、92からの画像信号が入力データセレクタ93に入力されることにより、記憶装置91からの画像信号を記憶装置92へ出力するなど記憶装置91、92の間の画像信号入出力が可能な構成になっている。出力データセレクタ94は、記憶装置91、92から画像信号が入力され、これらの入力された画像信号を選択してセレクタ74やCPU77へ出力する2入力2出力セレクタである。記憶手段に複数の記憶装置を設けたことで、複数の画像信号の入出力を同時に行うことができる。
図9は複数の画像信号を記憶手段に入力する場合に記憶手段が有する記憶装置が1個のときの動作を示し、図10は複数の画像信号を記憶手段に入力する場合に記憶手段が有する記憶装置が2個のときの動作を示す。記憶手段が有する記憶装置が1個のときには、図9に示すように画像信号1(データ入力1)の1番目のデータ入力と、画像信号2(データ入力2)の1番目のデータ入力の要求が同時に発生しても、記憶装置が1個であるから、2個のデータ入力要求に対していずれか一方のデータ入力(図9ではデータ入力1、データ入力2のうちのデータ入力1)しか行えないため、同時に発生したデータ入力2の要求に対して実際に入力動作を実行するタイミングは図9に示すタイミング1になってしまう。
以下、続けてデータ入力1の2番目のデータ入力の要求に対してもデータ入力2の動作(1番目のデータ入力)が終了するまではデータ入力1のデータ入力動作を開始できない。
画像形成装置Aの記憶手段のように記憶装置を複数設ければ、図10に示すようにデータ入力1は記憶装置91へ入力し、データ入力2は記憶装置92へ入力することで、同時に2個の画像信号を入力し、動作終了までの時間も大幅に短縮できる。
次に、図11及び図12を用いて画像形成装置Aにおける記憶装置の2次記憶装置の画像信号データ管理について説明する。画像形成装置Aでは、2次記憶装置としてハードディスク(HDD)や光磁気ディスク、CD−RWのような大容量の書き換え可能な記憶媒体を使用するものとする。
一般的にHDDなどの記憶媒体は、セクタと呼ばれる記憶単位を有し、セクタ単位でデータの読み出し/書き込みを行う。よって、この記憶媒体は、セクタ単位で使用/未使用の状態を保存し、画像信号の入力に必要な容量分の複数の未使用(データが保存されていない)セクタを確保して画像信号の入力を行い、確保したセクタの位置(アドレス)と数量の情報を管理することで、画像信号の管理が可能になる。
しかしながら、記憶媒体のセクタ数は記憶媒体の記憶容量の増大によって非常に多くなり、セクタ単位でその状態を管理するためには必要なデータ量(メモリの容量)は膨大になってしまう。画像形成装置においては、記憶装置へのデータ入出力に要する時間が画像形成装置の生産性(画像形成物の生産性)に直接関係するため、管理データを最小限に留め、処理時間を短縮することが画像形成装置の生産性を向上させるための課題になる。
そこで、画像信号の大きさ(データ量)とほぼ同じ大きさの記憶領域を最小記憶単位(通常クラスタと呼ばれる)としてデータ入出力の管理を行うことで、管理データを必要最小限にすることが可能になり、画像信号の容量に応じて処理時間を低減できる。また、管理データ量が少なくて済めば、その管理データを記憶媒体に書き込んで保存することをせずに、記憶装置を制御するCPU77に直結されたメモリ(RAM等)に保存することにより、さらにデータ参照のための時間を大幅に短縮することが可能になる。
図12は上述の最小記憶単位(クラスタ)の状態を管理するデータテーブル(最小記憶単位管理データテーブル302)の構成を示している。
最小記憶単位管理データテーブル302は、1個の最小記憶単位に対して1ビットのデータ(最小記憶単位管理データ303)を有し、全記憶領域を最小記憶単位で除した数のデータから構成される。最小記憶単位管理データ303は対象となる最小記憶単位が未使用もしくは使用不可(使用中、もしくは不良)の状態が保存される。
図11は画像信号の管理を行うためのデータテーブル(画像信号管理データテーブル300)の構成を示している。この画像信号管理データテーブル300は、画像信号の管理に必要なデータ群(画像信号管理データ301)で構成され、入力される画像信号の数の画像信号管理データ301を入力できる配列構造を有している。
画像信号管理データ301は、以下のデータを有する。
・画像信号ID:画像信号の識別に必要な固有番号。
・記憶開始アドレス:画像信号が保存された記憶領域の先頭アドレス。アドレスは図12における最小記憶単位のアドレスである。
・記憶終了アドレス:画像信号が保存された記憶領域の末尾アドレス。アドレスは図12における最小記憶単位のアドレスである。
・画像サイズ:入力された画像の大きさ。通常記憶領域には、画像信号は1次元のデータとして保存されるため、2次元のデータとして2次記憶装置から1次記憶装置に読み出すときに必要な2次元(縦、横)のサイズデータが格納される。
・画像属性データ:入力された画像データを出力する際に必要な画像の属性データ。例えば記録密度、画像の量子化数など。
次に、上記管理データと、実際の画像信号の入出力動作の関連を説明する。
[画像信号入力時]
CPU77は、画像入力要求に基づき、画像メモリの画像入力に必要な記憶領域の確保を行う。CPU77は、最小記憶単位管理データテーブル302の内容を検索し、未使用の画像入力に必要な容量分の複数の最少記憶単位を確保し、確保した各最少記憶単位の管理データ303を使用不可に設定する。次に、CPU77は、確保した複数の最少記憶単位の先頭アドレス(記憶開始アドレス)、末尾アドレス(記憶終了アドレス)を画像信号管理データ301に保存し、その他の構成データ(画像信号ID、画像サイズ、画像属性データ)を設定した後に記憶媒体への画像信号入出力動作を開始させる。
[画像信号出力時]
CPU77は、画像出力要求に基づき、画像メモリに入力済みの画像信号の検索を行い、2次記憶装置の記憶媒体から1次記憶装置への画像信号読み出しを行わせた後に1次記憶装置から画像信号の出力を実行させる。CPU77は、最小記憶単位管理データテーブル302を検索し、画像信号管理データ301に格納された画像信号IDと、出力要求の画像信号IDを比較してこれらが一致した画像信号管理データから記憶領域のアドレス、および画像サイズ、画像属性データを読み出して2次記憶装置の記憶媒体から1次記憶装置へのデータ読み出しを行わせる。CPU77は、画像信号出力時には画像信号管理データ301、最小記憶単位管理データ303の更新を行わない。
[画像信号削除時]
CPU77は、画像信号削除時には画像信号管理データテーブル300に対して削除対象の画像信号IDの画像信号管理データを削除し、最小記憶単位管理データテーブル302に対して最小記憶単位管理データに未使用のデータを設定する。CPU77は、必要であれば記憶媒体内のデータを初期化して画像信号削除の動作を終了する。
この画像形成装置Aは、画像を入力する少なくとも1つ以上の画像入力手段としての読み取りユニット6、外部装置(画像形成装置からみて外部の装置)と、この画像入力手段から入力された少なくとも1つ以上の画像信号を記憶する1次記憶部としての1次記憶装置89及び、この1次記憶部89に入力された画像信号を保存するための2次記憶部としての2次記憶装置90とから構成される記憶装置91、92を少なくとも2組以上有する記憶手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を記録面上に顕像化し出力する作像手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を外部装置(記憶手段からみて外部の装置)へ出力することが可能な少なくとも1つ以上の画像出力手段とを有する画像形成装置において、前記記憶装置の2次記憶部を単一の記憶領域として入力された画像信号の管理を行うので、画像信号の管理に必要なデータを少なくすることが可能になる。よって、管理データを2次記憶部の外部(例えば2次記憶部の信号の入出力制御を行うCPU77に接続されたメモリ(RAM))に保存して入力済みの画像信号の保存領域や空き領域の検索を高速化することが比較的容易に実現できる。結果的に記憶手段が接続された画像形成装置の構成を大きく変更することなく、画像形成装置の生産性を向上させることが可能になる。
次に、本発明に関連する画像形成装置Bについて説明する。上記画像形成装置Aは、2次記憶装置を単一の記憶領域として制御することで、画像信号の入出力に必要なデータ検索の処理を単純化することを目的としているが、複数の画像入力手段、例えばプリンタ(作像手段)のデータ入力とコピー機能の入力手段(読み取りユニット6)の画像信号を管理する場合、プリンタのデータ入力で記憶領域の全てを使用してしまうと、複写動作において記憶手段が利用できなくなってしまうことが考えられる。
画像形成装置Bは、この課題を解決し、記憶装置の2次記憶装置の記憶領域を複数に分割して画像信号の管理を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
複数の記憶領域を管理するためには、図13に示す記憶領域の管理データテーブルが必要になる。
図13は2次記憶装置の分割された各記憶領域の管理を行うためのデータテーブル(記憶領域管理データテーブル304)の構成を示している。この記憶領域管理データテーブル304は、記憶領域の管理に必要なデータ群(記憶信号管理データ305)で構成され、記憶領域の個数の記憶領域管理データを入力できる配列構造を要している。
この記憶信号管理データ305は、以下のようなデータを有する。
・記憶領域ID:記憶領域の識別に必要な固有番号。。
・記憶領域先頭アドレス:記憶領域の先頭アドレス。アドレスは図12における最小記憶単位のアドレスである。
・記憶終了アドレス:記憶領域の終了(末尾)アドレス。アドレスは図12における最小記憶単位のアドレスである。
・最小記憶単位サイズ:記憶領域の最小記憶単位サイズ。
・記憶領域管理データ:上記データ以外の記憶領域の管理に必要な属性データ。例えば、対象記憶領域の不良領域(最小記憶単位)の個数、アドレスや利用可能領域データなど。
また、特に図示はしないが、画像信号管理データテーブルを各記憶領域ごとに作成することで、画像信号管理データの検索を個別に行えるので、データの処理効率が向上する。
以下に、画像信号管理データテーブルを各記憶領域ごとに作成した場合の、管理データと、実際の画像信号の入出力動作との関連を説明する。この画像形成装置Bの説明では、主に図13に示す記憶領域管理データテーブル304に関連する部分のみを説明し、上記画像形成装置Aと重複する部分の説明巣は省略する。
[画像信号入力時]
CPU77は、画像入力要求に基づき、画像メモリの画像入力に必要な記憶領域の確保を行う。まず、CPU77は、画像入力要求の内容から記憶領域の指定を行い、その指定した記憶領域の記憶信号管理データ305における記憶領域先頭アドレスおよび記憶終了アドレスを元に最小記憶単位管理データテーブル302の内容を検索して記憶領域の未使用の画像入力に必要な容量分の複数の最少記憶単位を確保し、確保した各最少記憶単位管理の管理データ303を使用不可に設定する。
次に、CPU77は、確保した複数の最少記憶単位の先頭アドレス(記憶開始アドレス)、末尾アドレス(記憶終了アドレス)を、指定した記憶領域の画像信号管理データ301に保存し、その他の構成データを設定した後に記憶媒体への画像信号入出力動作を開始させる。
[画像信号出力時]
CPU77は、画像出力要求に基づき、画像メモリに入力済みの画像信号が保存されている記憶領域内の画像信号管理データの検索を行う。CPU77は、画像信号管理データテーブル300を検索し、画像信号管理データ301に格納された画像信号IDと、画像出力要求の画像信号IDとを比較してこれらが一致した画像信号管理データから記憶領域のアドレス、および画像サイズ、画像属性データを読み出して2次記憶装置の記憶媒体から1次記憶装置へのデータ読み出しを行わせる。CPU77は、画像信号出力時には画像信号管理データ301、最小記憶単位管理データ303の更新を行わない。
記憶領域は画像信号出力要求により指定されるため、CPU77は、画像信号出力時には記憶信号管理データ305の参照を行わない。CPU77は、検索が終了したら、2次記憶装置の記憶媒体から1次記憶装置への画像信号読み出し後に1次記憶装置から画像信号の出力を実行する。
[画像信号削除時]
CPU77は、画像信号の削除時には画像信号管理データテーブル300に対して、削除対象の画像信号IDの画像信号管理データを削除し、削除対象の画像信号IDの最小記憶単位管理データに未使用のデータを設定する。CPU77は、必要であれば記憶媒体内のデータを初期化して画像信号削除の動作を終了する。
この画像形成装置Bは、画像形成装置Aにおいて、前記記憶装置91、92の2次記憶部90を複数の記憶領域に分割し、この複数の記憶領域に選択的に画像信号の入出力を行う手段としてのCPU77を有し、前記分割した各記憶領域へ入力された画像信号の管理を行うので、分割した各記憶領域を各画像入力手段に割り当てることで特定の画像入力手段に対して占有して使用可能な記憶領域を確保することができ、他の画像入力手段によって記憶領域がなくなることによる画像形成装置の利用効率の低下(例えばプリンタが記憶領域を全て使用してコピーのソート動作ができなくなってしう等の現象)を回避することが可能になる。
本発明に関連する画像形成装置Cでは、上記画像形成装置Bにおいて、2次記憶装置の記憶領域を各画像入力手段毎に分割し、この分割した記憶領域を自由に各画像入力手段に配置する手段を設けたものであり、この手段の機能をCPU77に持たせている。
そこで、画像形成装置Cは、2次記憶装置の記憶領域を各画像入力手段毎に分割し、この分割した記憶領域を自由に各画像入力手段に配置する手段を設けたものであり、この記憶領域の蓄積保証枚数を確保しつつCPMも仕様通り達成することが可能となる。ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なるが、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
例えば、図14及び図15に示すように最小アクセス単位400を複数個まとめたクラスタ単位401を512キロバイトとし、画像入力手段から転送された画像信号の2次圧縮/伸長部による2次圧縮後のデータサイズが2メガバイトであったとすると、この2次圧縮後の画像信号を記憶する記憶領域402は使用クラスタ数が4個となる。よって、分割された記憶領域の蓄積保証枚数では該記憶領域内に確保可能なクラスタ数が最大となるため、分割された記憶領域は大きい程クラスタ数が多くなって蓄積枚数も増える。
しかし、各画像入力手段毎に記憶領域の画像蓄積枚数を保証するために2次記憶装置の記憶領域を各画像入力手段分の記憶領域に分割した場合、その分割を単純に行うと、2次記憶装置の特性によっては記憶領域の蓄積保証枚数は保証されても画像形成速度、所謂CPMを仕様通り満足できない場合もある。例えば、2次記憶装置としてハードディスク装置があるが、ハードディスクは外周と内周とではアクセス速度が異なり、指定された記憶領域によってはアクセス速度が遅くなって仕様通りのCPMを達成することができない場合もある。
そこで、本発明の第6実施形態は、2次記憶装置の記憶領域を各画像入力手段毎に分割し、この分割した記憶領域を自由に各画像入力手段に配置する手段を設けたものであり、この記憶領域の蓄積保証枚数を確保しつつCPMも仕様通り達成することが可能となる。ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なるが、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
この画像形成装置Cは、画像を入力する少なくとも1つ以上の画像入力手段としての読み取りユニット6、外部装置(画像形成装置からみて外部の装置)と、この画像入力手段から入力された少なくとも1つ以上の画像信号を記憶する1次記憶部としての1次記憶装置89及び、この1次記憶部に入力された画像信号を保存するための2次記憶部としての2次記憶装置90とから構成される記憶装置91、92を少なくとも2組以上有する記憶手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を記録面上に顕像化し出力する作像手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を外部装置へ出力することが可能な少なくとも1つ以上の画像出力手段とを有する画像形成装置において、前記記憶装置の前記2次記憶部を複数の記憶領域に分割し、この分割した複数の記憶領域に対して選択的に画像信号を入出力する手段と、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に自由に配置可能な手段とを備えたので、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
ところで、複数の画像入出力手段を有する上記各画像形成装置においては、その使用状況に応じて、それぞれの画像入出力手段に対して優先度を設定できることが望ましい。例えば、主に複写機能を利用する場合には、他の画像入出力手段によって、その動作効率の低下を招かないように、複写機能で使用する記憶領域を十分に確保し、さらに記録領域への画像信号の入出力の処理速度が速くなるようにする工夫が必要になる。
そこで、本発明に関連する画像形成装置Dは、上記画像形成装置Cにおいて、2次記憶装置の記憶領域を分割する際に各画像入力手段毎に優先順位を持たせて各記憶領域を配置する手段を設けたものであり、この手段の機能はCPU77に持たせている。従って、各記憶領域を割り振る際に各画像入力手段が同じ記憶領域で競合してしまった場合には優先順位を参照して記憶領域を割り振ることで、記憶手段の割り振りで各画像入力手段が競合することを回避することができる。このため、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
この画像形成装置Dは、上記画像形成装置Cにおいて、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する手段を有するので、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
本発明の第1の各実施形態は、上記画像形成装置C、Dにおいて、それぞれ、2次記憶部の分割した複数の記憶領域を各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する際に、この優先順位の条件として使用頻度の高い画像入力手段に対して2次記憶部のアクセス速度の速い記憶領域を配置する(画像入出力手段には使用頻度が高いほどアクセス速度が速い記憶領域を配置する)という条件を設けたものであり、ハードディスクのような外周と内周とでアクセス速度が異なる記憶媒体を有する2次記憶装置では、オペレータが記憶装置の特性を意識することなく常に最適な記憶領域分割設定をすることが可能となる。このため、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
この第1の実施形態は、上記画像形成装置Dにおいて、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する際に、該優先順位の条件として使用頻度の高い画像入力手段に対して前記2次記憶部のアクセス速度の速い記憶領域を配置するので、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
上述のように例えば図14及び図15に示す如く最小アクセス単位400を複数個まとめたクラスタ単位401を512キロバイトとし、画像入力手段から転送された画像信号の2次圧縮/伸長部による2次圧縮後のデータサイズが2メガバイトであったとすると、この2次圧縮後の画像信号を記憶する記憶領域402は使用クラスタ数が4個となる。よって、分割された記憶領域の蓄積保証枚数では該記憶領域内に確保可能なクラスタ数が最大となるため、分割された記憶領域は大きい程クラスタ数が多くなって蓄積枚数も増える。
しかし、ハードディスクはディスク上の傷や磁性層の不完全個所に起因してディスク上に画像信号の読み出しや書き込みができない欠陥領域が存在することがある。ハードディスクは、この欠陥領域が多くなると、確保可能なクラスタ数も減り、蓄積保証枚数低下を招いてしまう。
そこで、本発明の第2実施形態は、上記画像形成装置Dにおいて、上記2次記憶装置がハードディスク装置からなり、2次記憶装置のアクセス中に発生した欠陥領域を内部で保存し、2次記憶装置の記憶領域を分割する際の条件として、欠陥領域の少ない記憶領域から配置する手段を設け、この手段の機能をCPU77に持たせたものであり、欠陥領域による確保可能なクラスタ数の低下を回避することが可能となる。従って、画像入力手段にはその使用頻度が高いほど欠陥領域の少ない記憶領域を割り振ることが可能となり、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
この第2実施形態は、画像を入力する少なくとも1つ以上の画像入力手段としての読み取りユニット6、外部装置(画像形成装置からみて外部の装置)と、この画像入力手段から入力された少なくとも1つ以上の画像信号を記憶する1次記憶部としての1次記憶装置89及び、この1次記憶部に入力された画像信号を保存するための2次記憶部としての2次記憶装置90とから構成される記憶装置91、92を少なくとも2組以上有する記憶手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を記録面上に顕像化し出力する作像手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を外部装置へ出力することが可能な少なくとも1つ以上の画像出力手段とを有する画像形成装置において、前記記憶装置の前記2次記憶部を複数の記憶領域に分割し、この分割した複数の記憶領域に対して選択的に画像信号を入出力する手段と、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に自由に配置可能な手段と、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する手段とを有し、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する際に、該優先順位の条件として記憶領域内に書き込み不可能な不良記憶領域の少ない記憶領域から配置するので、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
画像入力手段の画像属性として量子化数があるが、多値の画像信号と2値の画像信号とではデータ量が異なる。例えば多値の画像信号の場合、ハードディスクの外周と内周とではハードディスクの特性上アクセス速度が異なるため、蓄積保証枚数はハードディスクの外周側、内周側とも問題ないが、CPM面から考えるとアクセス速度の遅いハードディスク内周側の記憶領域を多値画像信号を扱う画像入力手段に配置してしまうと仕様を満足できない可能性がある。
そこで、本発明に関連する画像形成装置Eは、上記画像形成装置Dにおいて、上記2次記憶装置がハードディスク装置からなり、2次記憶部の分割した複数の記憶領域を各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する際に、この優先順位の条件として、画像信号の量子化数が多い画像入力手段に優先的にハードディスク外周側の記憶領域を配置する(画像入力手段には扱え画像信号の量子化数が多いほどハードディスク外周側の記憶領域を配置する)手段を設け、この手段の機能をCPU77に持たせたものであり、CPM面から仕様を満足できなくなることを回避することが可能となる。従って、画像入力手段には画像信号の量子化数が高いほど外周側の記憶領域を割り振ることが可能となり、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
この画像形成装置Eは、画像を入力する少なくとも1つ以上の画像入力手段としての読み取りユニット6、外部装置(画像形成装置からみて外部の装置)と、この画像入力手段から入力された少なくとも1つ以上の画像信号を記憶する1次記憶部としての1次記憶装置89及び、この1次記憶部に入力された画像信号を保存するための2次記憶部としての2次記憶装置90とから構成される記憶装置91、92を少なくとも2組以上有する記憶手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を記録面上に顕像化し出力する作像手段と、前記画像入力手段により入力された画像信号、もしくは前記記憶装置に保存された画像信号を外部装置へ出力することが可能な少なくとも1つ以上の画像出力手段とを有する画像形成装置において、前記記憶装置の前記2次記憶部を複数の記憶領域に分割し、この分割した複数の記憶領域に対して選択的に画像信号を入出力する手段と、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に自由に配置可能な手段と、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する手段とを有し、前記2次記憶部の分割した複数の記憶領域を前記各画像入力手段毎に優先順位を持たせて配置する際に、該優先順位の条件として画像信号の量子化数の多い画像入力手段から順にアクセス速度の速い記憶領域を配置するので、ユーザによって画像入力手段の使用頻度が異なっても、使用頻度が高い画像入力手段に一番パフォーマンスの高い記憶領域を配置することで、より最適なシステムを提供することが可能となる。
なお、上記第2実施形態及び画像形成装置Eにおいては、2次記憶装置は内周と外周とでアクセス速度の異なる光ディスク等の記憶媒体を有する記憶装置を用いてもよい。