JP4279411B2 - 棚板と棚受ブラケットとの結合構造 - Google Patents

棚板と棚受ブラケットとの結合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、棚受ブラケットに棚板を架設し固定するための棚板と棚受ブラケットとの結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば机の天板の後端角部に立設した支柱に棚受ブラケットを係止し、この棚受ブラケットに棚板を架設するには、棚板ブラケットの水平受片に棚板を載置し、水平受片と棚板底面とをねじ止めしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、棚板と棚受ブラケットとをねじ止めしたり、棚受を棚板ブラケットから取り外したりする作業は面倒である。
【0004】
また、棚受ブラケットに穿設される止めねじ挿通用の通孔の径は、止めねじのねじ部の径より大きめとされているので、棚板の棚受ブラケットへの取付位置がずれたままの状態で、棚板を棚受ブラケットに固定したり、棚板を棚受ブラケットに固定した後に、棚受ブラケットが棚板に対してがたついたりすることがある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑みてなされたもので、棚板を棚受ブラケットに正確かつ確実に取り付けうるようにするとともに、簡単に着脱しうるようにし、かつ取付後に、棚受ブラケットが棚板に対してがたつかないようにした、棚板と棚受ブラケットとの結合構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 前後方向を向く棚受ブラケットにおける水平受片、又はその上に載置される棚板の下面のいずれか一方の前後に係合孔を穿設し、かつ他方の前後に、前記係合孔に係合するとともに、互いに同方向を向く係止部を形成して、前記係止部を係合孔に係合し、かつ水平受片と棚板の下面とに穿設した互いに整合する孔にクリップを嵌着することにより、前記棚板と棚受ブラケットとを結合する。
【0007】
(2) 上記(1)項において、クリップを、軸部の一端に拡径頭部を、かつ他端に弾性係合爪を備えるものとする。
【0008】
(3) 上記(1)項または(2)項において、少なくとも前後いずれかの係止部の幅と、係合孔における前記係止部が係合する辺の幅とほぼ同一とする。
【0009】
(4) 上記(1)項〜(3)項のいずれかにおいて、少なくとも前後いずれかの係合孔の幅を、先端に向かうにつれて漸次狭くして、その先端部の幅を前記係止部の幅とほぼ同一とする。
【0010】
(5) 上記(1)項〜(4)項のいずれかにおいて、前部の係止部と係合孔、及び後部の係止部と係合孔を、正面視において左右方向に離間した位置で係合させる。
【0011】
(6) 上記(1)項〜(5)項のいずれかにおいて、棚板の底面または水平受片のいずれか一方の前部と後部のそれぞれに、少なくとも2個以上の係合孔を、互いの前後位置をずらして設ける。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示すように、机(1)の天板(2)の左右の後端部に立設された支柱(3)(3)の上下方向の中間部間と上端部間とにまたがって、断面縦長方形をなす角管状の2本の水平の支持杆(4)(5)が固着されている。
(6)は、左右の支柱(3)(3)の後端部間に取り付けられたバックボードである。
【0014】
中間部の支持杆(4)には、左右幅が支持杆(4)の左右幅よりも短かい棚板(後述)を支持するための左右1対の棚受ブラケット(7)が、支持杆(4)に対して側方移動可能として取付けられている。
【0015】
棚受ブラケット(7)は、図2〜図5に示すように、上縁に水平受片(8)を備え、かつ下縁が前方へ向って上向傾斜する垂直片(9)の後端に、支持杆(4)(5)へ上方から嵌合しうる下向コ形の切込み(10)を設けて形成されている。
水平受片(8)の後端部には、前後方向に長い楕円形の通孔(11)が穿設され、同じく前端部には、前向きの係止爪(12)が切り起こして形成され、水平受片(8)の内側縁部の後端部には、側面視倒立L字形をなす前向係止片(13)が形成されている。
【0016】
棚板(14)の下面の前端部における左右両側部には、前後方向を向く2個の方形孔(15)(16)が、内側の方形孔(15)が若干前方に位置するようにして穿設されており、この方形孔(15)(16)の左右幅は、上述した係止爪(12)のそれとほぼ同一となっている。
【0017】
棚板(14)の下面の後端部における左右両側部には、前後方向を向く2本のスリット(17)(18)が、内側のスリット(17)が若干前方に位置するようにして穿設されている。図2に示すように、スリット(17)(18)の前部は先細りとなるように横幅が狭まっており、その先端部(17a)(18a)の横幅は、上述した前向係止片(13)の横幅とほぼ同一としてある。
【0018】
各スリット(17)(18)の前端部の外側方には、小径の円形孔(19)(20)がそれぞれ穿設されている。
棚板(14)の左右両側面には、側板(21)が固着されている。
【0019】
図2及び図8に示すように、左右の棚受ブラケット(7)は、係止爪(12)を外側の方形孔(16)に挿入するとともに、前向係止片(13)を外側のスリット(18)に挿入し、棚受ブラケット(7)全体を前方に移動させて、係止爪(12)を方形孔(16)の前縁部に係合させ、かつ、前向係止片(13)をスリット(18)の先端部(18a)に係合させて、通孔(11)と外側の円形孔(20)とを整合させ、通孔(11)と円形孔(20)とに、合成樹脂製のクリップ(22)を下方から嵌着することにより、棚板(14)の下面に取り付けられる。
【0020】
クリップ(22)は、上下方向を向く軸部(22a)の下端に拡径頭部(22b)が、また同じく上端部外周に弾性係合爪(22c)が形成され、かつ上端中央から下端近くまですり割り(23)が形成されたものよりなり、弾性係合爪(22c)が棚板(14)における円形孔(20)の上縁に係合するまで、軸部(22a)を通孔(11)と円形孔(20)とに嵌合することにより、棚板ブラケット(7)と棚板(14)とに取り付けられる。
【0021】
このように、棚受ブラケット(7)の係止爪(12)と前向係止片(13)とを、棚板(14)における外側の方形孔(16)とスリット(18)とに係合させると、棚受ブラケット(7)の後端が棚板(14)の後端とほぼ一致するようになり、図8に示すように、棚受ブラケット(7)の切込み(10)を中間部の支持杆(4)に取り付けた際に、棚板(14)及び側板(21)の後端部がバックボード(6)に接触することがない。
【0022】
一方、図9に示すように、棚受ブラケット(7)の係止爪(12)と前向係止片(13)を、棚板(14)における内側の方形孔(15)とスリット(17)に係合させ、かつクリップ(23)を内側の円形孔(19)に弾性係合させて、棚受ブラケット(7)を棚板(14)の底面に取り付けると、棚板(14)の後端部が棚受ブラケット(7)の後端よりも後方に若干出っ張るので、棚受ブラケット(7)の切込み(10)を上部の支持杆(5)に取り付けると、棚板(14)と側板(21)の後端部がバックボード(6)の直上に位置するようになる。
【0023】
以上説明した本実施形態によれば、棚受ブラケット(7)の係止爪(12)と前向係止片(13)とを、棚板(14)の方形孔(15)(16)とスリット(17)(18)とに係合した後、クリップ(23)を通孔(11)と円形孔(19)(20)に挿入するだけで、棚受ブラケット(7)を棚板(14)に簡単かつ強固に固定することができ、また、クリップ(23)を通孔(11)と円形孔(19)(20)とから抜き出せば、棚受ブラケット(7)を棚板(14)から簡単に取り外すことができる。
【0024】
また、前向係止片(13)とスリット(17)(18)の先端部(17a)(18a)の横幅がほぼ同一で、かつ係止爪(12)と方形孔(15)(16)の横幅がほぼ同一であるので、棚受ブラケット(7)を棚板(14)に取り付けた後に、棚板(14)が棚受ブラケット(7)に対して左右方向にがたつくことがない。
【0025】
さらに、係止爪(12)と方形孔(15)(16)、及び前向係止片(13)とスリット(17)(18)が、正面視において左右方向に離間した位置で係合しているので(図2参照)、係止爪(12)と方形孔(15)(16)、及び前向係止片(13)とスリット(17)(18)が、正面視において同一線上で係合している場合に比べて、棚板(14)に側方から力が掛かった場合に、棚受ブラケット(7)が棚板(14)に対して左右方向にがたつき難くなり、その結果、棚板(14)ががたつくのが防止される。
【0026】
本実施形態では、左右の支柱(3)の間に架設された支持杆(4)(5)に棚受ブラケット(7)を取り付けているが、支柱(3)の前面に図示を省略した係止孔を穿設し、かつ棚受ブラケット(7)の後面に係止片(図示略)を突設して、この係止片を支柱(3)の係止孔に係合し、この左右の棚受ブラケット(7)の間に、左右幅が左右の支柱(3)間の距離とほぼ等しいかまたは長い棚板(図示略)を架設することもある。
【0027】
また、水平受片(8)に係合孔(15)(16)とスリット(17)(18)を穿設し、棚板(14)の底面に係止爪(12)と前向係止片(13)を突設してもよい。
【0028】
【発明の効果】
(A) 請求項1記載の発明によると、棚受ブラケットまたは棚板のいずれか一方に設けられた係止部を、他方に穿設された係合孔に係合し、水平受片と棚板の下面とに穿設された互いに整合する孔にクリップを嵌着するだけで、棚受ブラケットへ棚板を簡単かつ強固に取り付けることができる。また、取り付け後に、棚板は、棚板ブラケットに対して上下、左右、前後への移動が阻止されるので、がたつくことがなく、強固に支持される。
【0029】
(B) 請求項2記載の発明によると、クリップを棚板と棚受ブラケットの孔に容易に着脱することができ、棚板と棚受ブラケットとを簡単に組み付けたり分離したりすることができる。
【0030】
(C) 請求項3及び4記載の発明によると、棚受ブラケットを棚板の下面の所定の位置に正確に取り付けることができるとともに、棚受ブラケットを棚板に取り付けた後に、棚板と棚受ブラケットが、左右方向にがたつくのを防止することができる。
【0031】
(D) 請求項4記載の発明によると、係合孔の先端部を除く部分の幅は係止部の幅より広いので、係止部は係合孔に挿入しやすく、また、係止部を係合孔の先端側に移動させれば、係止部は係合孔の先端部に案内されるので、係止部と係合孔とを簡単に係合させることができる。
【0032】
(E) 請求項5記載の発明によると、前部の係止部と係合孔、及び後部の係止部と係合孔が、正面視において左右方向にずれた位置で係合しているので、前部の係止部と係合孔、及び後部の係止部と係合孔が、前後方向に整合する位置で係合している場合に比べて、棚板に側方から力が掛かった場合に、棚板が棚受ブラケットに対して左右方向にがたつき難くなる。
【0033】
(F) 請求項6記載の発明によると、係止部を、係合孔のうち前後いずれかのものに選択して係合することにより、棚板の棚受ブラケットへの前後方向の取付位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の外観斜視図である。
【図2】同じく棚受ブラケット及び側板が取り付けられた棚板を、支持杆から取り外した状態を示す拡大底面図である。
【図3】同じく前下方から見た、棚板と棚受ブラケットとの分解斜視図である。
【図4】同じく、棚受ブラケットの平面図である。
【図5】同じく図4のV−V線より見た背面図である。
【図6】同じく図2のVI−VI線に沿う拡大縦断側面図である。
【図7】同じくクリップの斜視図である。
【図8】同じく図1のVIII−VIII線に沿う拡大縦断側面図である。
【図9】同じく棚板を上端部の支持杆に取り付けた状態における図8と同様の拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)机
(2)天板
(3)支柱
(4)(5)支持杆
(6)バックボード
(7)棚受ブラケット
(8)水平受片
(9)垂直片
(10)切込み
(11)通孔
(12)係止爪(係止部)
(13)前向係止片(係止部)
(14)棚板
(15)(16)方形孔(係合孔)
(17)(18)スリット(係合孔)
(17a)(18a)スリットの先端部
(19)(20)円形孔
(21)側板
(22)クリップ
(22a)軸部
(22b)拡径頭部
(22c)弾性係合爪
(23)すり割り

Claims (6)

  1. 前後方向を向く棚受ブラケットにおける水平受片、又はその上に載置される棚板の下面のいずれか一方の前後に係合孔を穿設し、かつ他方の前後に、前記係合孔に係合するとともに、互いに同方向を向く係止部を形成して、前記係止部を係合孔に係合し、かつ水平受片と棚板の下面とに穿設した互いに整合する孔にクリップを嵌着することにより、前記棚板と棚受ブラケットとを結合したことを特徴とする棚板と棚受ブラケットとの結合構造。
  2. クリップを、軸部の一端に拡径頭部を、かつ他端に弾性係合爪を備えるものとした、請求項1記載の棚板と棚受ブラケットとの結合構造。
  3. 少なくとも前後いずれかの係止部の幅と、係合孔における前記係止部が係合する辺の幅とほぼ同一とした、請求項1または2記載の棚板と棚受ブラケットとの結合構造。
  4. 少なくとも前後いずれかの係合孔の幅を、先端に向かうにつれて漸次狭くして、その先端部の幅を、前記係止部の幅とほぼ同一とした、請求項1〜3のいずれかに記載の棚板と棚受ブラケットとの結合構造。
  5. 前部の係止部と係合孔、及び後部の係止部と係合孔を、正面視において左右方向に離間した位置で係合させた、請求項1〜4のいずれかに記載の棚板と棚受ブラケットと結合構造。
  6. 棚板の底面または水平受片のいずれか一方の前部と後部のそれぞれに、少なくとも2個以上の係合孔を、互いの前後位置をずらして設けた、請求項1〜5のいずれかに記載の棚板と棚受ブラケットとの結合構造。
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