JP4279237B2 - ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法に関するものである。
一般にKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極端紫外光)、EB(電子線)等を光源(放射線源)に用いる化学増幅型のホトレジスト組成物は、例えば、特開2003−167347号公報(特許文献1)に記載されている様に、樹脂成分(A)と、放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)を、有機溶剤(C)に溶解してなるものである。
そして、このようなホトレジスト組成物には、リソグラフィー特性(解像性、焦点深度幅特性、レジストパターン形状等)が良好であることが要求される。
さらには、近年のように高解像性のレジストパターンが要求されるようになってくると、これらの特性に加えて、従来以上に現像後のレジストパターンのディフェクト(表面欠陥)の改善がいっそう必要となってくる。
このディフェクトとは、例えば、KLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジストパターンを真上から観察した際に検知される不具合全般のことである。この不具合とは、例えば現像後のスカム、泡、ゴミ、レジストパターン間のブリッジ、色むら、析出物等である。
さらに近年、現象後のレジストパターンのディフェクトの中でも、特にArFエキシマレーザー以降、すなわちArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV、EB等を光源とした130nm以下のレジストパターンのような微細なレジストパターンを形成する場合には、ディフェクトの解決の問題がいっそう厳しくなってきている。
特開2003−167347号公報
しかしながら、従来のポジ型レジスト組成物では、充分にディフェクトを低減することができない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、ディフェクトを低減することができるポジ型レジスト組成物及びこれを用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
第1の態様は、(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、及び(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物であって、
前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)、ラクトン環を有するα−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)、及び極性基含有多環式基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)からなる共重合体(A1)であり、前記構成単位(a1)が下記一般式(I)で表され、前記構成単位(a2)が下記一般式(IV)で表され、前記構成単位(a3)が下記一般式(VIII)で表され、かつ
支持体上に、前記ポジ型レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に、23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(アルカリ現像液)を30秒間滴下した後、回転数1500rpmで20秒間スピンして乾燥させた後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下であるポジ型レジスト組成物である。
Figure 0004279237
[式(I)中、R炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(IV)中、R’は炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(VIII)中、Rは水素原子あるいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。]
4の態様は、前記本発明のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
なお、本発明において、「(α−低級アルキル)アクリル酸エステル」とは、メタクリル酸エステル等のα−低級アルキルアクリル酸エステルと、アクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。ここで、「α−低級アルキルアクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルのα炭素原子に結合した水素原子が低級アルキル基で置換されたものを意味する。
「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「α−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、α−低級アルキルアクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
そして、「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明においては、ディフェクトを低減することができるポジ型レジスト組成物及びこれを用いたレジストパターン形成方法を提供することができる。
[ポジ型レジスト組成物]
<第1の態様>
第1の態様のポジ型レジスト組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、及び(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物であって、
前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)、ラクトン環を有するα−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)、及び極性基含有多環式基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する共重合体(A1)であって、
支持体上に、前記ポジ型レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に現像液を塗布した後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下であることを特徴とする。
第1の態様においては、構成単位(a1)と、構成単位(a2)と、構成単位(a3)において、エステル基が結合するα位の炭素原子に、さらに結合する水素原子あるいは低級アルキル基を、各構成単位毎に選択して組み合わせた共重合体(A1)を用いることにより、ディフェクトを低減することができる。また必要なリソグラフィー特性も得られる。
共重合体(A1)[以下、(A1)成分という場合がある。]
・構成単位(a1)
構成単位(a1)において、α炭素原子に結合しているのは、水素原子である。
構成単位(a1)の酸解離性溶解抑制基は、露光前の(A1)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有すると同時に、露光後に酸発生剤(B)から発生した酸の作用により解離し、この(A1)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
酸解離性溶解抑制基としては、例えばArFエキシマレーザーのレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。一般的には、アクリル酸のカルボキシル基と環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、及び環状又は鎖状のアルコキシアルキル基を形成する基が広く知られている。
環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルとは、カルボキシル基の水素原子がアルコキシアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O―)の末端の酸素原子に前記アルコキシアルキル基が結合している構造を示し、このアルコキシアルキルエステル基は酸が作用すると酸素原子とアルコキシアルキル基との間で結合が切断される。このような環状または鎖状のアルコキシアルキル基としては、1−メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−イソプロポキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基等が挙げられる。
鎖状の第3級アルキルエステルを形成する酸解離性溶解抑制基としては、例えばt−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
なお、構成単位(a1)としては、環状、特に、脂環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を含む構成単位が好ましい。脂環式基としては、単環、または多環のいずれでもよく、例えばArFレジスト等において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができるが、エッチング耐性の点からは多環の脂環式基が好ましい。また、脂環式基は炭化水素基が好ましく、飽和であることが好ましい。
単環の脂環式基としては、例えば、シクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。多環の脂環式基としては、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
具体的には、単環のものとしては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。多環のものとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でもアダマンタンから1個の水素原子を除いたアダマンチル基、ノルボルナンから1個の水素原子を除いたノルボルニル基、トリシクロデカンからの1個の水素原子を除いたトリシクロデカニル基、テトラシクロドデカンから1個の水素原子を除いたテトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
より具体的には、構成単位(a1)は、下記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
Figure 0004279237
[式(I)中、Rは低級アルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に低級アルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(III)中、Rは第3級アルキル基である。]
前記Rとしては、炭素数1〜5の低級の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。その中でも、メチル基、エチル基であることが工業的に入手が容易であることから好ましい。
前記R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜5の直鎖または分岐の低級アルキル基である。中でも、R、Rが共にメチル基である場合が工業的に好ましく、具体的には、2−(1−アダマンチル)−2−プロピルアクリレートから誘導される構成単位を挙げることができる。
前記Rが鎖状の第3級アルキル基または環状の第3級アルキル基であることが好ましい。鎖状の第3級アルキル基としては、例えばtert−ブチル基やtert−アミル基であり、tert−ブチル基である場合が工業的に好ましい。なお、第3級アルキル基とは、第3級炭素原子を有するアルキル基である。
環状の第3級アルキル基としては、前述の「脂環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示したものと同じであり、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基等を挙げることができる。
また、基−COORは、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。また、アクリレート構成単位のカルボキシル基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。
構成単位(a1)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
構成単位(a1)は、(A1)成分中の全構成単位の合計に対して、20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であり、35〜45モル%であることが最も好ましい。下限値以上とすることによってパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)において、α炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基である。
構成単位(a2)としては、α−低級アルキルアクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環の環式基が結合した構成単位が挙げられる。なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
そして、構成単位(a2)としては、具体的には例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ビシクロアルカンから水素原子を1つを除いた多環式基を有するもの等が挙げられる。
構成単位(a2)において、α炭素原子に結合している低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
具体的には、例えば以下の一般式(IV)〜(VII)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0004279237
[式(IV)中、R’は低級アルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または低級アルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(V)中、R’は低級アルキル基であり、mは0又は1である。]
Figure 0004279237
[式(VI)中、R’は低級アルキル基である。]
Figure 0004279237
[式(VII)中、R’は低級アルキル基である。]
R’の低級アルキル基の説明は、上述のα炭素原子に結合している低級アルキル基の説明と同様である。
式(IV)中において、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または低級アルキル基であり、好ましくは水素原子である。R、Rにおいて、低級アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
また、一般式(IV)〜(VII)で表される構成単位の中でも、(IV)で表される構成単位がディフェクト低減の点から好ましく、(IV)で表される構成単位の中でもR’がメチル基、R、Rが水素原子であり、メタクリル酸エステルとγ−ブチロラクトンとのエステル結合の位置が、そのラクトン環状のα位であるα−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンであることが最も好ましい。
構成単位(a2)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
構成単位(a2)は、(A1)成分中の全構成単位の合計に対して、20〜60モル%、好ましくは20〜50モル%含まれていると好ましく、30〜45モル%であることが最も好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
構成単位(a3)により、(A1)成分全体の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
構成単位(a3)において、α炭素原子に結合するのは、低級アルキル基、水素原子のうち、いずれでもよいが、水素原子が好ましい。低級アルキル基については、前記R’と同様である。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
多環式基としては、多環式の脂環式炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、構成単位(a1)において例示したものと同様の多数の多環式基から適宜選択して用いることができる。
構成単位(a3)としては、下記一般式(VIII)〜(IX)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0004279237
[式(VIII)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、nは1〜3の整数である。]
Rにおいて、低級アルキル基については、前記R’と同様である。
これらの中でも、nが1であり、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
Figure 0004279237
[式(IX)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、kは1〜3の整数である。]
Rは上記α炭素原子に結合する低級アルキル基、水素原子の説明と同様である。
これらの中でも、kが1であるものが好ましい。また、シアノ基がノルボルナニル基の5位又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
構成単位(a3)は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%、好ましくは15〜40モル%含まれていると好ましく、20〜30モル%が最も好ましい。
下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・その他の構成単位
(A1)成分は、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の構成単位を含んでいてもよいが、好適にはこれらの構成単位の合計が全構成単位中70モル%以上、好ましくは80モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)としては、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
例えば多環の脂環式炭化水素基を含み、かつ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位等が好ましい。該多環の脂環式炭化水素基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、イソボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易い等の点で好ましい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記(X)〜(XII)の構造のものを例示することができる。
Figure 0004279237
(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基である)
この構成単位は、通常、5位又は6位の結合位置の異性体の混合物として得られる。
Figure 0004279237
(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基である)
Figure 0004279237
(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基である)
構成単位(a4)を有する場合、構成単位(a4)は、(A1)成分中、全構成単位の合計に対して1〜25モル%、好ましくは5〜20モル%の範囲で含まれていると好ましい。
また、(A1)成分は、下記化学式で表される構成単位を少なくとも含む共重合体であることが好ましく、これらの構成単位からなる共重合体であることが特に好ましい。
Figure 0004279237
(A1)成分は1種または2種以上の樹脂から構成することができる。
そして、(A1)成分は、例えば各構成単位に係るモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
(A1)成分の質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量、以下同様。)は、例えば30000以下であり、20000以下であることが好ましく、12000以下であることがさらに好ましく、最も好ましくは10000以下とされる。
下限値は特に限定するものではないが、パターン倒れの抑制、解像性向上等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
(B)成分
(B)成分は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物A)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(化合物B)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物C)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物D)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(化合物E)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物F、)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物G)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物H)などを挙げることができる。
Figure 0004279237
本発明においては、中でも、(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
また、(B)成分としては、下記一般式(b−1)または(b−2)
Figure 0004279237
[式中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y、Zは、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表し;R11〜R13は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し、R11〜R13のうち少なくとも1つはアリール基を表す]で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種のスルホニウム化合物も好ましい。
式(b−1)、(b−2)中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は例えば2〜6であり、好ましくは3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y、Zは、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は例えば1〜10であり、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜3である。
Xのアルキレン基の炭素数またはY、Zのアルキル基の炭素数が小さいほどレジスト溶媒への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xのアルキレン基またはY、Zのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
11〜R13はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。
11〜R13のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R11〜R13のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R11〜R13のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
11〜R13のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられる。安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
11〜R13のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R11〜R13はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
これらのスルホニウム化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分としては、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲より少ないとパターン形成が十分に行われないおそれがあり、上記範囲を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
(D)含窒素有機化合物
(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
(E)成分
(E)成分において、有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
(E)成分において、リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
有機溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤に溶解させて製造することができる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは3:7〜7:3であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
その他の任意成分
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
また、第1の態様においては、支持体の上に、レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に現像液を塗布した後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下であることが好ましい。すなわち、第1の態様においても、第2の態様、第3の態様における特定の接触角の値を満足することが好ましい。そして、特に限定するものではないが、実質的には接触角25度以上、好ましくは30度以上である。この範囲を満足することによって、さらにディフェクトを低減することができる。また、リソグラフィー特性が向上する。好ましくは30〜40度である、さらに好ましくは32〜40度であり、より好ましくは35〜40度であり、最も好ましくは36〜39度である。
接触角は、(A1)成分の構成単位の種類や配合量、あるいは詳細には後述する(B)成分等の他の成分の種類、配合量を調整することによって変更することができる。
接触角の測定方法については、第2の態様の説明において詳述する。
第1の態様のポジ型レジスト組成物を用いることにより、ディフェクトを低減することができる。また、必要なリソグラフィー特性も得られる。さらには感度が向上する。
また、後述するシュリンクプロセスにおいても、必要なリソグラフィー特性が得られる。
さらにシュリンクプロセスでは、シュリンク工程の温度を従来よりも低く設定しても、狭小させることができ、装置、ハンドリングの点から好適である。
第1の態様において、ディフェクトの低減効果が得られる理由は定かではないが、上記構成により、レジスト膜の表面の接触角が小さくなる傾向があることに起因するのではないかと推測される。
すなわち、ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべーク(PAB)し、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを得ることができるが、アルカリ現像工程においては、アルカリ現像液で露光部を溶解し、除去した後、さらに残留する現像液等を除去するために純水によるリンスを行うのが通常である。
このとき、第1の態様のポジ型レジスト組成物においては、レジスト膜の表面の接触角が小さく、濡れやすい(親水性が高い)ため、ディフェクトの原因となる樹脂成分を含む析出物や、アルカリ現像液に対して溶け残った残留物等の、比較的疎水性の固形分(リンス時に再析出するものを含む)との親和性が低くなり、これら析出物や残留物が、アルカリ現像時、リンス時等に、レジスト膜表面から速やかに除去され、これによりディフェクトが低減するのではないかと推測される。
<第2の態様および第3の態様>
(第2の態様)
第2の態様は、(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、及び(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物であって、支持体の上に、レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に現像液を塗布した後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下であることを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
接触角の測定値が40度以下であることにより、ディフェクトを低減することができる。
下限値は例えば25度以上、好ましくは30度以上である。
さらに好ましくは接触角の測定値が30〜40度であり、より好ましくは32〜40度であり、特に好ましくは35〜40度であり、最も好ましくは36〜39度である。
35度以上にすることにより、ディフェクトの低減とともに、DOF(焦点深度幅)などの良好なリソグラフィー特性が実現できる。
接触角の測定値のより好ましい範囲は36〜39度である。
接触角は以下の様にして測定するものである。
1)直径6インチのシリコン基板の上に、固形分濃度8質量%のレジスト組成物溶液1mlを回転数1500rpmでスピンコートした後、90℃の温度条件で90秒間加熱する。2)上記レジスト膜の上に、現像装置[製品名 TD6133U(タツモ株式会社製)]を用いて、23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(アルカリ現像液)を30秒間滴下した後、回転数1500rpmで20秒間スピンして乾燥させる。
3)乾燥後のレジスト膜に対して、FACE接触角計CA−X150型(製品名 協和界面科学株式会社製)を用い、装置に備え付けられている注射器に前記レジスト膜を接触させ(注射器とレジスト膜とが接触した際に、2μLの純水が滴下される)、その際の接触角を測定する。
(A)成分
また、第2の態様においては、(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)と、ラクトン環を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2’)とを有することが好ましい。
・構成単位(a1’)
後述する第3の態様と同様である。構成単位(a1’)の(A)成分中の好ましい割合は、後述する第3の態様における共重合体(A1’)中の割合と同様である。
・構成単位(a2’)
後述する第3の態様と同様である。構成単位(a2’)の(A)成分中の好ましい割合は、後述する第3の態様における共重合体(A1’)中の割合と同様である。
構成単位(a1’)、構成単位(a2’)は特に限定するものではないが、共重合体として含まれていると好ましい。
また、(A)成分が、構成単位(a1’)、構成単位(a2’)、及び極性基含有多環式基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3’)を有する共重合体(A1’)であると好ましい。
・共重合体(A1’)
第3の態様と同様である。
(B)成分
第1の態様と同様である。
(D)成分
第1の態様と同様である。
(E)成分
第1の態様と同様である。
有機溶剤
第1の態様と同様である。
その他の任意成分
第1の態様と同様である。
第2の態様において、接触角の値は例えば以下の様な手段によって好ましい範囲に調整することができる。
(方法1)
第1の態様の様に、構成単位(a1’)として、構成単位(a1)を用い、構成単位(a2’)として、構成単位(a2)を用いた共重合体を用いると接触角の値を40度以下に調整することが容易である。さらに、構成単位(a1)、構成単位(a2)とともに構成単位(a3)を用いた共重合体を(A)成分に用いると好ましい。
(方法2)
同じ種類の構成単位を用いた複数の共重合体を混合することによって、レジスト組成物の接触角の値を40度以下に調整する。
同じ種類の構成単位からなる共重合体どうしであっても、(i)構成単位の割合が異なっていると、通常、それぞれの共重合体のみをベース樹脂として用いたレジスト組成物の接触角の測定値が異なる。
ここで、「同じ種類の構成単位」とは、化学構造が一致していることを示す。
また、(ii)構成単位の種類も、割合も同じ共重合体どうしであっても、製造するロットによって、それぞれの共重合体のみをベース樹脂として用いたレジスト組成物の接触角の測定値が相互に異なることがある。これは、温度、圧力などの製造条件がわずかに異なること等によって、共重合体を構成する構成単位の分布の偏りなどが生じるためではないかと推測される。
そこで、レジスト組成物としたときに大きい接触角の値を示す共重合体と、小さい接触角の値を示す共重合体を混合した混合樹脂をベース樹脂とすると、接触角40度以下のレジスト組成物を得ることができる。
以下に具体例を示して説明する。
この例においては、第1の共重合体と、第2の共重合体とを用いる。
これらは同じ種類の複数の構成単位からなり、構成単位同士の割合も同じであり、製造ロットが異なるものとする。
まず、予め目的とするレジスト組成物について、第1の共重合体と第2の共重合体の混合割合以外の組成を決定する。
ついで、目的とするレジスト組成物の組成において、ベース樹脂である(A)成分を、第1の共重合体100質量%とした第1のレジスト組成物を製造する。
そして、この第1のレジスト組成物について、上記の様にして接触角を測定する。この測定値をX1とする。
第2の共重合体についても、同様に、ベース樹脂である(A)成分を、第2の共重合体100質量%とした第2のレジスト組成物を製造する。
そして、この第2のレジスト組成物について、上記の様にして接触角を測定する。この測定値をX2とする。
そして、これらの共重合体を混合した(A)成分を用いたレジスト組成物において、その接触角の測定値が40度以下となる様に、第1の共重合体と、第2の共重合体の混合割合を算出する。
すなわち、以下の式を満足する様に、Y1、Y2の割合を決定する。
[X1(°)×Y1(質量%)+X2(°)×Y2(質量%)]/100≦40(°)
なお、Y1は第1の共重合体の(A)成分中の割合(質量%)、Y2は第2の共重合体の(A)成分中の割合(質量%)であり、Y1+Y2=100である。
そして、この割合にしたがって第1の共重合体と第2の共重合体を混合して(A)成分としてレジスト組成物を製造すると、接触角の測定値が40度以下のレジスト組成物を得ることができる。
混合する複数の共重合体は、同じ種類の構成単位からなるものが好ましい。
複数の共重合体間において、構成単位の割合は異なっていてもよいが、同じであると接触角の制御が容易であり好ましい。
また、混合する共重合体の数は2種以上であれば特に限定することはなく、好ましくは2〜3種、特に2種とすることが好ましい。
混合する複数の共重合体の接触角は、少なくとも1種の共重合体の接触角の測定値が40度以上であり、もう1種の共重合体の接触角は40度未満であることが望ましい。前者の接触角はより好ましくは40度超であり、さらには42〜50度である。後者の接触角は、より好ましくは30〜34度である。
なお、上述の様に共重合体の混合割合を決定するために接触角を測定する際に、(A)成分の種類以外の組成を、後述する実施例1と同様の組成に設計して、レジスト組成物の接触角を測定すると好ましい。
実施例1と同様の組成を適用して接触角の測定値を求めて(A)成分における共重合体の混合割合を設定すると、例えばArFエキシマレーザー用として好ましい組成において、(A)成分の種類以外の組成が多少変更になっても、本発明の効果を得ることができる。そのため、簡便に(A)成分における共重合体の混合割合を求めることができる。
(方法3)
接触角は、(A1’)成分の構成単位の種類や配合量、あるいは(B)成分等の他の成分の種類、配合量を調整することによって変更することができる。例えば、構成単位(a2’)、構成単位(a3’)の様な、親水性の部位を有する構成単位の配合量を増加させる;(B)成分において、親水性基をもつ酸発生剤を選択する;添加剤として親水性基をもつ化合物を添加するの方法がある。
第2の態様においてはディフェクトの低減効果が得られる。
第2の態様において、ディフェクトの低減効果が得られる理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
すなわち、ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを得ることができるが、アルカリ現像工程においては、現像液で露光部を溶解し、除去した後、さらに残留する現像液等を除去するために純水によるリンスを行うのが通常である。
このとき、第2の態様のポジ型レジスト組成物においては、レジスト膜の表面の接触角が小さく、濡れやすい(親水性が高い)ため、ディフェクトの原因となる樹脂成分を含む析出物や、アルカリ現像液に対して溶け残った残留物等の比較的疎水性の固形分(リンス時に再析出するものを含む)との親和性が低くなり、これら析出物や残留物が、アルカリ現像時、リンス時等に、レジスト膜表面から速やかに除去され、これによりディフェクトが低減されるのではないかと推測される。
(第3の態様)
第3の態様のポジ型レジスト組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、及び(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物であって、下記(1)、(2)の条件を満足することを特徴とする。
(1)前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)、ラクトン環を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2’)、及び極性基含有多環式基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3’)を有する共重合体(A1’)である。
(2)支持体の上に、レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に現像液を塗布した後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下である。
共重合体(A1’)[以下、(A1’)成分という場合がある]
・構成単位(a1’)
構成単位(a1’)は、前記(A1)成分において説明した構成単位(a1)に対応する。ただし、構成単位(a1’)においては、α炭素原子に結合するものは水素原子に限定されておらず、水素原子または低級アルキル基である点が、構成単位(a1)と異なる。
よって、α炭素原子に結合するもの以外の構成[好ましい態様、共重合体(A1’)中の配合量等]は、構成単位(a1)と同様とすることができる。
そして、α炭素原子に結合し得る低級アルキル基は、前記構成単位(a2)のα炭素原子に結合している低級アルキル基と同様とすることができる。
構成単位(a1’)においては、α炭素原子に水素原子が結合しているものがより好ましい。
また、構成単位(a1’)は、下記一般式(I’)〜(III’)から選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
Figure 0004279237
[式(I’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rは低級アルキル基である。]
R、Rは前記と同じである。
Figure 0004279237
[式(II’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立に低級アルキル基である。]
R、R及びRは前記と同じである。
Figure 0004279237
[式(III’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rは第3級アルキル基である。]
R、Rは前記と同じである。
・構成単位(a2’)
構成単位(a2’)は、前記(A1)成分において説明した構成単位(a2)に対応する。ただし、構成単位(a2’)においては、α炭素原子に結合するものは低級アルキル基に限定されておらず、水素原子または低級アルキル基である点が、構成単位(a2)と異なる。
よって、α炭素原子に結合するもの以外の構成[好ましい態様、共重合体(A1’)中の配合量等]は、構成単位(a2)と同様とすることができる。
そして、α炭素原子に結合し得る低級アルキル基は、構成単位(a2)のα炭素原子に結合している低級アルキル基と同様とすることができる。
構成単位(a2’)においては、α炭素原子に結合する低級アルキル基が結合しているものがより好ましい。
また、構成単位(a2’)は下記一般式(IV’)〜(VII’)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0004279237
[式(IV’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または低級アルキル基である。]
R、R、Rは前記と同じである。
Figure 0004279237
[式(V’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、mは0又は1である。]
R、mは前記と同じである。
Figure 0004279237
[式(VI’)中、Rは水素原子または低級アルキル基である。]
Rは前記と同じである。
Figure 0004279237
[式(VII’)中、Rは水素原子または低級アルキル基である。]
Rの説明は前記と同じである。
・構成単位(a3’)
構成単位(a3’)は、構成単位(a3)と同様である。
よって、好ましい態様、共重合体(A1’)中の配合量等は、構成単位(a3)と同様とすることができる。
前記構成単位(a3’)は、構成単位(a3)と同様、下記一般式(VIII’)〜(IX’)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0004279237
[式(VIII’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、nは1〜3の整数である。]
式(VIII’)の説明は、式(VIII)と同様である。
Figure 0004279237
[式(IX’)中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、kは1〜3の整数である。]
式(IX’)の説明は、式(IX)と同様である。
・その他の構成単位
(A1’)成分は、前記構成単位(a1’)〜(a3’)以外の構成単位を含んでいてもよいが、好適にはこれらの構成単位の合計が全構成単位中70モル%以上、好ましくは80モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
構成単位(a1’)〜(a3’)以外の他の構成単位(a4’)としては、上述の構成単位(a1’)〜(a3’)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
構成単位(a4’)は、前記(A1)成分において説明した構成単位(a4)に対応し、これと同様のものを用いることができる。
また、(A1’)成分は、下記化学式で表される構成単位を少なくとも含む共重合体であることが好ましく、これらの構成単位からなる共重合体であることが特に好ましい。
Figure 0004279237
また、第3の態様においても、第1の態様を満足することがより好ましい。
すなわち、構成単位(a1’)がアクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、構成単位(a2’)がα−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位であると、より望ましい。これにより、接触角の調整が容易となるとともに、ディフェクト抑制の効果が向上する。
(A1’)成分は1種または2種以上の樹脂から構成することができる。
そして、(A1’)成分は、例えば各構成単位に係るモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
(A1’)成分の質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量、以下同様。)は、例えば30000以下であり、20000以下であることが好ましく、12000以下であることがさらに好ましく、最も好ましくは10000以下とされる。
下限値は特に限定するものではないが、パターン倒れの抑制、解像性向上等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
成分の質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量、以下同様。)は、例えば約12000以下、好ましくは10000以下とされる。
下限値は特に限定するものではないが、パターン倒れの抑制、解像性等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
(B)成分
第1の態様と同様である。
(D)成分
第1の態様と同様である。
(E)成分
第1の態様と同様である。
有機溶剤
第1の態様と同様である。
その他の任意成分
第1の態様と同様である。
第3の態様においては、支持体の上に、レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に現像液を塗布した後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下である。そして、特に限定するものではないが、実質的には接触角は25度以上、好ましくは30度以上である。40度以下とすることによりディフェクトを低減することができる。さらに好ましくは接触角の測定値が30〜40度であり、より好ましくは32〜40度であり、特に好ましくは35〜40度であり、最も好ましくは36〜39度である。
接触角は、(A1’)成分の構成単位の種類や配合量、あるいは(B)成分等の他の成分の種類、配合量を調整することによって変更することができる。例えば、構成単位(a2’)、構成単位(a3’)の様な、親水性の部位を有する構成単位の配合量を増加させる;(B)成分において、親水性基をもつ酸発生剤を選択する;添加剤として 親水性基をもつ化合物を添加するの方法がある。特に第1の態様を更に満足する様にすると、接触角の調整が容易である。
接触角測定条件
接触角は以下の様にして測定するものである。
1)直径6インチのシリコン基板の上に、固形分濃度8質量%のレジスト組成物溶液1mlを回転数1500rpmでスピンコートした後、90℃の温度条件で90秒間加熱する。2)上記レジスト膜の上に、現像装置[製品名 TD6133U(タツモ株式会社製)]を用いて、23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(アルカリ現像液)を30秒間滴下した後、回転数1500rpmで20秒間スピンして乾燥させる。
3)乾燥後のレジスト膜に対して、FACE接触角計CA−X150型(製品名 協和界面科学株式会社製)を用い、装置に備え付けられている注射器に前記レジスト膜を接触させ(注射器とレジスト膜とが接触した際に、2μLの純水が滴下される)、その際の接触角を測定する。
第3の態様のポジ型レジスト組成物を用いることにより、ディフェクトを低減することができる。また、必要なリソグラフィー特性も得られる。さらには 感度が向上する。また、後述するシュリンクプロセスにおいても、必要なリソグラフィー特性が得られる。
第3の態様において、ディフェクトの低減効果が得られる理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
すなわち、ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを得ることができるが、アルカリ現像工程においては、現像液で露光部を溶解し、除去した後、さらに残留する現像液等を除去するために純水によるリンスを行うのが通常である。
このとき、第3の態様のポジ型レジスト組成物においては、レジスト膜の表面の接触角が小さく、濡れやすい(親水性が高い)ため、ディフェクトの原因となる樹脂成分を含む析出物や、アルカリ現像液に対して溶け残った残留物等の比較的疎水性の固形分(リンス時に再析出するものを含む)との親和性が低くなり、これら析出物や残留物が、アルカリ現像時、リンス時等に、レジスト膜表面から速やかに除去され、これによりディフェクトが低減されるのではないかと推測される。
[レジストパターン形成方法(第4の態様)]
<一般的な方法>
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような支持体上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光(放射線を照射)した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、支持体(基板)とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。
基板としては、例えばシリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板や、ガラス基板などが挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが使用可能である。
露光(放射線の照射)に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に、本発明にかかるレジスト組成物は、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
<シュリンクプロセスへの適用>
本発明のポジ型レジスト組成物は、以下に詳述するシュリンクプロセスに好適に用いられる。すなわち、シュリンクプロセスに適用しても、好ましいリソグラフィー特性が実現できる。
本出願人は、支持体上にレジストパターンを形成した後、該レジストパターン上に水溶性被覆を形成し、該水溶性被覆を加熱処理することによって収縮(シュリンク)させ、その熱収縮作用を利用してレジストパターンのサイズを狭小せしめるシュリンクプロセスを提案している(特開2003−107752号公報、特開2003−202679号公開公報等)。
シュリンクプロセスは、レジストパターンを水溶性被覆で被覆した後、加熱処理により該水溶性被覆を熱収縮させ、その熱収縮作用によりレジストパターン間の間隔を狭小させる方法である。
シュリンクプロセスを行うレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
まず、上述の一般的な方法にしたがってレジストパターンを形成する。
次いで、レジストパターンの現像後に、レジストパターンのパターンサイズを狭小するシュリンクプロセスを行う。
シュリンクプロセスでは、まず、支持体上に形成されたレジストパターン上に、水溶性ポリマー等を含む水溶性被覆形成剤を塗布し、好ましくはレジストパターン全体の表面上に水溶性被覆を形成して積層体を形成する。
なお、水溶性被覆形成剤を塗布した後に、80〜100℃の温度で30〜90秒間、支持体にプリベークを施してもよい。
塗布方法は、レジスト層等を形成するために従来用いられている公知の方法に従って行うことができる。すなわち、例えばスピンナー等により、上記被覆形成剤の水溶液をレジストパターン上に塗布する。
水溶性被覆の厚さとしては、ホトレジストパターンの高さと同程度あるいはそれを覆う程度の高さが好ましく、通常、0.1〜0.5μm程度が適当である。
次いで、得られた積層体に対して熱処理を行って、水溶性被覆を熱収縮させる。この水溶性被覆の熱収縮作用により、該水溶性被覆に接するレジストパターンの側壁同士が互いに引き寄せられ、レジストパターン中のレジストのない部分(パターン間)の間隔が狭められる。その結果、パターンの微小化を行うことができる。
シュリンクプロセスにおいて、加熱処理は、水溶性被覆が収縮する温度であって、レジストが熱流動を起さない加熱温度及び加熱時間で行う。
加熱温度は、支持体上に形成したレジストパターンが、加熱処理により自発的に流動(フロー)し始める温度(流動化温度)よりも3〜50℃、好ましくは5〜30℃程度低い温度の範囲で加熱するのが好ましい。さらに、水溶性被覆のシュリンク力も考慮すると、好ましい加熱処理は、通常、好ましくは80〜160℃程度、より好ましくは130〜160℃程度の温度範囲である。なお、第1の態様のポジ型レジスト組成物においては、当該加熱温度を低く設定してもパターンを狭小させることができる。好適な温度条件は例えば70〜150℃である。
なお、レジストパターンの流動化温度は、レジスト組成物に含まれる成分の種類や配合量によってそれぞれ異なる。
加熱時間は、加熱温度によっても変わるが、通常、30〜90秒間程度である。
この後、パターン上に残留する水溶性被覆は、水系溶剤、好ましくは純水により10〜60秒間洗浄することにより除去する。水溶性被覆は、水での洗浄除去が容易であり、支持体及びレジストパターン上から完全に除去することができる。
以下、当該プロセスに好適な水溶性被覆形成剤について説明する。
水溶性被覆形成剤は、水溶性ポリマーを含有するものである。
このような水溶性ポリマーを含有する水溶性被覆形成剤は、シュリンクプロセス用として好適に用いられる。
水溶性ポリマーとしては、特に、工業上の点から、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体から選択して用いることが好ましい。
なお、アクリル系重合体とは、アクリル系モノマーを含有する重合体を意味し、ビニル系重合体とは、ビニル系モノマーを含有する重合体を意味し、セルロース系重合体とは、セルロース系モノマーを含有する重合体を意味し、アルキレングリコール系重合体とは、アルキレングリコール系モノマーを含有する重合体を意味し、尿素系重合体とは、尿素系モノマーを含有する重合体を意味し、メラミン系重合体とは、メラミン系モノマーを含有する重合体を意味し、エポキシ系重合体とは、エポキシ系モノマーを含有する重合体を意味し、アミド系重合体とは、アミド系モノマーを含有する重合体を意味する。
これらの重合体は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル系重合体としては、例えば、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン等のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体または共重合体が挙げられる。
ビニル系重合体としては、例えば、モルフォリン、N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾリジノン、酢酸ビニル等のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体または共重合体が挙げられる。
セルロース系誘導体としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、セルロールアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
アルキレングリコール系重合体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のモノマーの付加重合体または付加共重合体などが挙げられる。
尿素系重合体としては、例えば、メチロール化尿素、ジメチロール化尿素、エチレン尿素等のモノマーから誘導される構成単位を有するものが挙げられる。
メラミン系重合体としては、例えば、メトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、メトキシエチル化メラミン等のモノマーから誘導される構成単位を有するものが挙げられる。
さらに、エポキシ系重合体、ナイロン系重合体などの中で水溶性のものも用いることができる。
中でも、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、ビニル系重合体、アクリル系重合体の中から選ばれる少なくとも1種を含む構成とするのが好ましく、特には、pH調整が容易であるという点からアクリル系重合体が最も好ましい。さらには、アクリル系モノマーと、アクリル系モノマー以外のモノマーとの共重合体とすることが、加熱処理時にホトレジストパターンの形状を維持しつつ、ホトレジストパターンサイズを効率よく狭小させることができるという点から好ましい。
そして、特に、加熱時の収縮の割合が大きいことから、プロトン供与性を有するモノマーとしてN−ビニルピロリドン、プロトン受容性を有するモノマーとしてアクリル酸を含む水溶性ポリマーが好ましい。すなわち、水溶性ポリマーが、アクリル酸から誘導される構成単位とビニルピロリドンから誘導される構成単位とを有するものであることが好ましい。
水溶性ポリマーは、共重合体として用いる場合、構成成分の配合比は特に限定されるものでないが、混合物として用いる場合、特に経時安定性を重視するなら、アクリル系重合体の配合比を、それ以外の他の構成重合体よりも多くすることが好ましい。なお、経時安定性の向上は、アクリル系重合体を上記のように過多に配合する以外に、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の酸性化合物を添加することにより解決することも可能である。
水溶性被覆形成剤としては、さらに、界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、ディフェクトの発生を効果的に防止することができる。
また、水溶性被覆形成剤には、不純物発生防止、pH調整等の点から、所望により、さらに水溶性アミンを配合してもよい。
また水溶性被覆形成剤には、ホトレジストパターンサイズの微細化、ディフェクトの発生抑制などの点から、所望により、さらに非アミン系水溶性有機溶媒を配合してもよい。
水溶性被覆形成剤は、3〜50質量%濃度の水または、水とアルコール系溶媒(アルコール濃度は水に対して30質量%程度を上限とする)の溶液として用いるのが好ましく、5〜20質量%濃度の溶液として用いるのが特に好ましい。
[実施例1]
下記共重合体、(B)成分、(D)成分、有機溶剤を混合して溶液とし、固形分濃度8質量%のポジ型レジスト組成物を製造した。
当該レジスト組成物からなるレジスト膜の現像液塗布後の接触角は、37.7度(37.7°)であった。また、共重合体のTgは120℃であった。なお、Tg(ガラス転移点)は、熱分析装置TG/DTA6200(製品名Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定を行った。
共重合体 100質量部
下記化学式(1)で表される構成単位からなり、l/m/nのモル比が40モル%/40モル%/20モル%、質量平均分子量が10000、分散度[Mw(質量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]2.0の共重合体
Figure 0004279237
(B)成分 3.5質量部
下記化学式で表される化合物
Figure 0004279237
(D)成分 0.1質量部
トリエタノールアミン
有機溶剤
PGMEA/EL=6:4(質量比)の混合溶媒
[比較例1]
下記共重合体、(B)成分、(D)成分、有機溶剤を混合して溶液とし、固形分濃度8質量%のポジ型レジスト組成物を製造した。当該レジスト組成物からなるレジスト膜の現像液塗布後の接触角は、51.18度(51.18°)であった。また、共重合体のTgは138℃であった。
共重合体 100質量部
下記化学式(2)で表される構成単位からなり、l’/m’/n’のモル比が40モル%/40モル%/20モル%、質量平均分子量が10000、分散度[Mw(質量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]2.0の共重合体
Figure 0004279237
(B)成分:実施例1と同様
(D)成分:実施例1と同様
有機溶剤:実施例1と同様
[試験方法]
実施例1、比較例1のレジスト組成物について、以下の様にして評価した。
(1) 通常のプロセス
(解像性評価)
有機系反射防止膜組成物「ARC−29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、ポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で110℃、90秒間プレベーク(PAB)し、乾燥することにより、膜厚225nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S306(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,2/3輪帯)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、100℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥してレジストパターンを形成した。
パターンは、以下の4通りをそれぞれ形成した。
(1−1)直径100nmのアイソレートホールパターン
(1−2)直径130nmのアイソレートホールパターン
(2−1)ホールの直径が100nmのデンスホールパターン(直径100nmのホールパターンを100nm間隔で配置したパターン)
(2−2)ホールの直径が130nmのデンスホールパターン(直径130nmのホールパターンを130nm間隔で配置したパターン)
それぞれのパターンが形成される際の感度は、(1−1)23.0mJ/cm、(1−2)30.5mJ/cm、(2−1)32.0mJ/cm、(2−2)42.5mJ/cmであり、実施例のレジスト組成物の方か感度が高かった。
(ディフェクト評価)
実施例1及び比較例1のポジ型レジスト組成物について、それぞれスピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に直接塗布し、ホットプレート上で105℃、90秒間プレベーク(PAB)し、乾燥することにより、膜厚220nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S306(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,2/3輪帯)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(バイナリー)を介して選択的に照射した。
そして、100℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、1000回転で1秒間、次に500回転で15秒間の条件(ディフェクトがより発生しやすいような強制条件)でリンス液を滴下して、乾燥してレジストパターンを形成した。尚、前述の「解像性評価」においては、2000回転で10秒間、1000回転で50秒間の順序でリンス液を滴下する通常のリンスのプロセスを行った。
また、パターンは、ホールの直径が300nmのデンスホールパターン(直径300nmのホールパターンを、300nm間隔で配置したパターン)を形成した。
次に、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2351(製品名)を用いて測定し、ウェーハ内の欠陥数を評価したところ、実施例1では257個/8インチウェーハ、比較例1では22535個/8インチウェーハであった。
(焦点深度幅特性)
前記「解像性評価」と同様にしてレジストパターンを形成し、焦点深度幅(DOF)を測定した。
実施例1においては、以下の測定値が得られた。
(1−1)直径100nmのアイソレートホールパターン:0.25μm
(1−2)直径130nmのアイソレートホールパターン:0.30μm
(2−1)ホールの直径が100nmのデンスホールパターン:0.35μm
(2−2)ホールの直径が130nmのデンスホールパターン:0.50μm
比較例1においては、以下の測定値が得られた。
(1−1)直径100nmのアイソレートホールパターン:0.25μm(1−2)直径130nmのアイソレートホールパターン:0.25μm(2−1)ホールの直径が100nmのデンスホールパターン:0.25μm(2−2)ホールの直径が130nmのデンスホールパターン:0.25μm
(2) シュリンクプロセス
実施例1、比較例1のポジ型レジスト組成物を用いて、上記(1−2)(2−2)のレジストパターンに対して、シュリンクプロセスを行ったところ、それぞれホールの直径が100nmになるまでシュリンクした。そして、このときそれぞれ以下の5項目について試験を行ったところ、いずれも結果に差はなかった。
(i)アイソレートホールパターンの焦点深度幅特性、(ii)デンスホールパターンの焦点深度幅特性、(iii)シュリンク量の露光量に対する依存性、(iv)プロキシミティ エフェクト(デンスホールパターンにおいて、ホールの直径は100nm一定とし、ホールとホールとの距離を変化させたときの、実際に形成されるホールのサイズとの関係)、(v)パターン形状。
なお、水溶性被覆形成剤は以下のものを使用し、シュリンクプロセスの加熱温度は、実施例1において140℃、比較例1において150℃とした。すなわち、実施例においては、シュリンクプロセスの温度を低くしてもパターンを狭小させることができた。これは実施例1の樹脂のTgが比較例1の樹脂のTgより低い為と考えられる。
水溶性被覆形成剤:FSC5000EX(製品名 東京応化工業株式会社製)
実施例の結果より、本発明に係る実施例1のポジ型レジスト組成物を用いることにより、ディフェクトが大幅に低減できることが確認できた。
そして、このとき焦点深度幅特性については、(1−1)及び(2−1)のレジストパターンにおいて比較例1より向上していた。パターン形状については比較例1と差がなく、従来と同様の特性を維持できた。また、比較例1に比べて感度が高い為、スループットの向上が期待できる。また、シュリンクプロセスを行った場合も、比較例1と差がなく、従来と同様の特性を維持できることが確認できた。
[実施例2〜3、比較例2]
(レジスト組成物1、2、3の製造)
(1)下記共重合体2−1を(A)成分とした以外は実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造した。これをレジスト組成物1とする。
当該レジスト組成物1の接触角の測定値は、44.45度(44.45°)であった(比較例2)。
共重合体2−1 100質量部
前記化学式(1)で表される構成単位からなり、l/m/nのモル比が40モル%/40モル%/20モル%、質量平均分子量が10000、分散度[Mw(質量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]2.0の共重合体
(2)ついで、以下の様にして、共重合体2−2を(A)成分としたレジスト組成物を製造した。
すなわち、共重合体2−1にかえて、下記共重合体2−2を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造した。これをレジスト組成物2とする。
共重合体2−2 100質量部
共重合体2−1と同じ構成単位、同じ構成単位の割合からなり、質量平均分子量、分度も同じ共重合体であって、共重合体2−1と製造ロットのみが異なる共重合体2−2
当該レジスト組成物2の接触角の測定値は、33.72度(33.72°)であった(実施例2)。
(3)(1)、(2)の接触角の測定値から、共重合体2−1、共重合体2−2を混合してレジスト組成物を製造したときに接触角の測定値が40度以下になる混合比を計算した。
そして、共重合体2−1にかえて、共重合体2−1と共重合体2−2を1:1(質量比)で混合してベース樹脂とした以外は、(1)と同様にしてレジスト組成物を製造した。これをレジスト組成物3とする。
当該レジスト組成物3の接触角の測定値は、38.87度(38.87°)であった(実施例3)。
(評価)
(1)レジスト組成物1、2、3について、上記「ディフェクト評価」にしたがってディフェクトを測定したところ、レジスト組成物1は27598個/8インチウェーハであった。レジスト組成物2は69個/8インチウェーハであった。レジスト組成物3は354個/8インチウェーハであった。
この様に、接触角の測定値が40度以下のレジスト組成物2、3(実施例2、3)のディフェクト評価は良好であった。そして、接触角の測定値が40度を超えるレジスト組成物1(比較例2)についてはディフェクト評価は不良であった。 これらの結果より、同じ種類、同じ割合の構成単位からなる共重合体を用いた場合であっても、製造ロットの違いなどによって接触角の測定値が異なることが明らかである。
また、接触角が大きいものはディフェクト特性が不良であることが明らかである。
そして、接触角の測定値からレジスト組成物の組成を設計することにより、接触角の測定値が40度以下のレジスト組成物を得ることができ、これによりディフェクトを低減できることが明らかとなった。
[比較例3〜6]
さらに、接触角の測定値の影響を調べるために、以下の様にして比較例3〜6のレジスト組成物を製造し、ディフェクト評価を行った。
(比較例3)
以下の化学式(3)からなる共重合体(p:q:r=40モル%:40モル%:20モル%、質量平均分子量10000、分散度2.1)を用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造し、ディフェクト評価を行った。
Figure 0004279237
(比較例4)
以下の化学式(4)からなる共重合体(p’:q’:r’=40モル%:40モル%:20モル%、質量平均分子量7000、分散度1.5)を用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造し、ディフェクト評価を行った。
Figure 0004279237
(比較例5)
以下の化学式(5)からなる共重合体のポリマー末端にポリマー末端に−S−CH−CH−CH−C(CF−OHがポリマー100モル%に対して2モル%導入されている共重合体(p”:q”:r”=40モル%:40モル%:20モル%、質量平均分子量6500、分散度1.6)を用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造し、ディフェクト評価を行った。
Figure 0004279237
(比較例6)
以下の化学式(6)からなる共重合体(p’’’:q’’’:r’’’=50モル%:40モル%:10モル%、質量平均分子量10000、分散度2.0)を用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト組成物を製造し、ディフェクト評価を行った。
Figure 0004279237
結果を、実施例1〜3、比較例1〜2のディフェクト評価をあわせて表1に示した。
表1に示した結果より、構成単位の種類や組み合わせが異なるレジスト組成物において、レジスト組成物の接触角の測定値が40度以下である場合にはディフェクト評価が良好であり、40度を超えるとディフェクト評価が不良となることがわかった。
Figure 0004279237

Claims (4)

  1. (A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、及び(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物であって、
    前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)、ラクトン環を有するα−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)、及び極性基含有多環式基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)からなる共重合体(A1)であり、前記構成単位(a1)が下記一般式(I)で表され、前記構成単位(a2)が下記一般式(IV)で表され、前記構成単位(a3)が下記一般式(VIII)で表され、かつ
    支持体上に、前記ポジ型レジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜の表面に、23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(アルカリ現像液)を30秒間滴下した後、回転数1500rpmで20秒間スピンして乾燥させた後の当該レジスト膜の表面の接触角の測定値が40度以下であるポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004279237
    [式(I)中、R炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基である。]
    Figure 0004279237
    [式(IV)中、R’は炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基である。]
    Figure 0004279237
    [式(VIII)中、Rは水素原子あるいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。]
  2. 請求項に記載のポジ型レジスト組成物において、前記共重合体(A1)が、下記化学式で表される構成単位を少なくとも含む共重合体であるポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004279237
  3. 請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物において、さらに含窒素有機化合物を含有するポジ型レジスト組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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