JP4279118B2 - 表面保護フィルムおよびこれが貼着された光学部品 - Google Patents

表面保護フィルムおよびこれが貼着された光学部品 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板や位相差板、レンズフィルムなどの光学用フィルムの表面に貼着される表面保護フィルムに関する。
偏光板や位相差板、レンズフィルム等の光学用フィルムを用いた製品を製造する際には、該光学用フィルムの表面に表面保護フィルムを貼着して、後工程における表面の汚れや傷付きを防止することがなされている。光学用フィルムの外観検査を、表面保護フィルムを貼着したまま行うこともある。
従来の表面保護フィルムは、典型的には、基材フィルムの片面に、微粘着性の粘着剤層を設けた構成を有する。粘着剤層は、表面保護フィルムを光学用フィルムに貼着するための層である。粘着剤層を微粘着性とするのは、用済みの表面保護フィルムを光学用フィルムの表面から剥離除去するときに、円滑に剥離でき、かつ糊残りがないようにするためである。
しかしながら、表面保護フィルムの表面抵抗値が大きいと、工程中で発生する静電気によって、光学用フィルムに異物が吸着されたり、表面保護フィルムを剥離除去する際に著しい剥離帯電を生じて回路が破壊したりするおそれがある。このため、表面保護フィルムに帯電防止層を付加して、表面抵抗値を低くし、帯電防止を図る試みがなされている。
帯電防止層としては、各種の界面活性剤(カチオン性、アニオン性、両性の界面活性剤)や官能基含有ポリマーなどを配合した層、あるいは金属または金属酸化物の蒸着層が用いられている。
例えば、特許文献1には、透明な基材フィルムと粘着剤層の間に、透明導電性ポリマーを含有する帯電防止層が設けられた表面保護フィルムが開示されている。前記透明導電性ポリマーとしては、第四級アンモニウム塩の基を有するアクリレート系モノマーが記載されている。
また、特許文献2には、透明な基材フィルムと粘着剤層の間に、第四級アンモニウム塩を含む帯電防止層が設けられた表面保護フィルムが開示されている。
上記公報に記載された基材フィルムでは、いずれも基材フィルムと粘着剤層の間に第四級アンモニウム塩を含む層が設けられていることを特徴としている。
特開2000−85068号公報 特開2000−273417号公報
現在、液晶パネルの生産工程において、光学用フィルム上に貼着された表面保護フィルムを剥離除去する際、剥離帯電により液晶用のドライバーIC等の回路部品が破壊されるケースが、少ないながらも見られる。
また、消費電力の低減のため、液晶パネルに使用される液晶材料の駆動電圧が低くなってきており、これに伴って、ドライバーICの破壊電圧も低くなってきていて、最近では+0.7kV〜−0.7kVの範囲内の剥離帯電が求められてきている。
しかしながら、従来の表面保護フィルムでは、帯電防止層が基材フィルムと粘着剤の間に設けられているため、被着体である光学用フィルムや、該光学用フィルムが貼着された液晶セル、及びそれに接続されたドライバーICに対する静電気障害の防止までは不可能である。また、帯電防止層を設けるために塗布・乾燥工程が1回多く必要となり、コスト的に不利である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、剥離時に発生する静電気の量を低くできる表面保護フィルムおよびこれが貼着された光学部品を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、アルキルトリメチルアンモニウム塩と、水酸基を有するアクリル系ポリマーと、ポリイソシアネートとを含む粘着剤からなる粘着剤層が、透明な基材フィルムの片面に設けられ、前記ポリイソシアネートは、水に分散されたときに少なくとも一部のイソシアネート基が疎水基により立体構造的に保護されたものであることを特徴とする表面保護フィルムを提供する。
前記アルキルトリメチルアンモニウム塩は、そのアルキル基の炭素数が8〜18の範囲内であるものが好ましい。
前記ポリイソシアネートは、自己乳化型ポリイソシアネートが好ましい
さらに本発明は、上述の表面保護フィルムが貼着された光学部品を提供する。
本発明の表面保護フィルムは、偏光板、位相差板、レンズフィルム等の光学用フィルムの表面に直接接する粘着剤層にアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれているので、表面保護フィルム自体のみならず、光学部品の帯電を低く抑制することができる。水酸基を有するアクリル系ポリマーとポリイソシアネートとが反応することによってポリマーが架橋されるので、アルキルトリメチルアンモニウム塩を粘着剤中に適度に混合することができる。本発明の表面保護フィルムは、剥離帯電量が小さく、表面汚染性も低いので、光学部品の表面を確実に保護し、生産の歩留まりを向上させることができる。
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の表面保護フィルムの一例を示す断面図である。この表面保護フィルムAは、透明な基材フィルム1の片面に、粘着剤層2が設けられている。粘着剤層2の基材フィルム1側には、粘着面を保護するための剥離フィルム3が重ねあわされている。
基材フィルム1としては、透明性を有するプラスチックフィルムが用いられる。これにより、表面保護フィルムを貼着したまま、光学部品の外観検査を行うことができるようになる。基材フィルム1用のプラスチックフィルムとしては、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルフィルムが用いられる。ポリエステルフィルムのほか、必要な強度を有しかつ光学適性を有するものであれば、他のプラスチックフィルムも使用可能である。基材フィルム1は、無延伸フィルムであっても、一軸または二軸延伸されていてもよく、また、延伸倍率や延伸の結晶化に伴い形成される軸方法の角度を制御したプラスチックフィルムでもよい。
基材フィルム1の厚みは、特に限定はないものの、例えば12〜100μm程度であり、殊に20〜50μm程度とすることが多い。
基材フィルム1には、必要に応じて、粘着剤層2の反対側に、表面の汚れを防止する目的の防汚層や、帯電防止層や、傷つき防止のハードコート層を設けたり、コロナ放電処理やアンカーコート処理などの易接着処理を施してもよい。
粘着剤層2は、アルキルトリメチルアンモニウム塩と、水酸基を有するアクリル系ポリマーと、ポリイソシアネートと、を含む粘着剤からなる。
水酸基を有するアクリル系ポリマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのモノマーとともに、ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を有するモノマー成分を共重合してなるポリマーを用いることができる。
本発明においては、カチオン系帯電防止剤として、粘着剤層にアルキルトリメチルアンモニウム塩が混合されている。アルキルトリメチルアンモニウム塩は、低分子型第四級アンモニウム塩の中でも、窒素原子に1個のアルキル基と3個のメチル基とが結合したものである。アルキルトリメチルアンモニウム塩のアニオンは、例えば塩化物イオン(塩化アルキルトリメチルアンモニウム)である。
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、特に限定されるものではないが、特に、アルキル基の炭素数が8から18の範囲内であるものが好ましい。
アルキル基としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基(ラウリル基)、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、オレイル基等など、直鎖の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
より好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウム塩のアルキル基の炭素数は、8から12の範囲内であり、具体例としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられる。
アルキルトリメチルアンモニウム塩を用いた場合、粘着剤に含まれるアルキルトリメチルアンモニウム塩を被着体にブリードアウトさせることができる。さらに、アルキル基の炭素数が前記の条件を満たすことにより、粘着剤の粘着力と、アルキルトリメチルアンモニウム塩の適度なブリードアウトによって光学部品に付与される帯電防止性能とが最適化される。アルキル基の炭素数が7個以下の場合、アルキルトリメチルアンモニウム塩が粘着剤層から過度にブリードして粘着力の制御が困難になるおそれがある。また、アルキル基の炭素数が19個以上の場合、アルキルトリメチルアンモニウム塩がブリードしにくくなり、求める性能がでにくくなるおそれがある。
上記アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、特に限定されるものではないが、天然の油脂(植物性油脂や動物性油脂など)に含まれる脂肪酸から誘導される脂肪族アミンを四級化したものを用いることができる。天然油脂に由来するアルキルトリメチルアンモニウム塩では、アルキル基の長さが異なるアルキルトリメチルアンモニウム分子を複数種類含有することが通常である。
アルキルトリメチルアンモニウム塩の総含有量を少なく抑制するためには、一つの由来によるアルキルトリメチルアンモニウム塩を用いることが好ましい。これにより、アルキルトリメチルアンモニウム塩の分子量分布を小さくして、アルキルトリメチルアンモニウム塩がブリードアウトする時間を制御しやすくなり、その結果、アルキルトリメチルアンモニウム塩の総含有量をより少なくすることができる。表面保護フィルムが、光学部品の製造工程など、短期的な表面保護に用いられる場合、光学部品の表面に貼着してから、表面保護フィルムを剥離除去するまでの間に、被着体表面の帯電防止に十分な量のアルキルトリメチルアンモニウム塩がブリードアウトしていることが好ましいので、ブリード速度が比較的速いアルキルトリメチルアンモニウム塩を選択して用いることが好ましい。
しかし、由来の異なるアルキルトリメチルアンモニウム塩を複数種配合して用いることもできる。複数種類のアルキルトリメチルアンモニウム塩を配合して、アルキルトリメチルアンモニウム塩の分子量分布を大きくすることにより、アルキルトリメチルアンモニウム塩が経時で徐々にブリードアウトしてくるようになり、ブリードアウトをより長い期間継続させることができる。アルキルトリメチルアンモニウム塩の種類や配合比などは、粘着剤との混合性等によって選択することができる。
ポリイソシアネートは、分子中にイソシアネート基(NCO基)を複数有する化合物である。特に、自己乳化性を有する自己乳化型ポリイソシアネートが好ましい。また、イソシアネート基が疎水基で立体構造的に保護されるポリイソシアネートが好ましい。より詳しくは、ポリイソシアネートを重量比で約5〜9倍の水と混合して、室温でNCO基が消失するまでの時間(NCO基残存時間)が5〜7時間であるものが好ましい。
このようなポリイソシアネートは、例えば、特許第3089623号公報に記載の方法で製造することができる。上記ポリイソシアネートの具体例としては、日本ポリウレタン工業株式会社製のアクアネートシリーズ(日本ポリウレタン株式会社の登録商標)が挙げられる。
粘着剤の全量に対する前記アルキルトリメチルアンモニウム塩の割合は、該粘着剤100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲内が好ましい。殊に0.1〜1.5重量部が望ましく、なかんずく0.3〜1.2重量部に設定することが望ましい。アルキルトリメチルアンモニウム塩の含有量が余りに少ないときは、剥離帯電量を充分には小さくすることができず、一方、アルキルトリメチルアンモニウム塩の割合が過度に多いときは、剥離帯電量は小さくすることができても、被着体となる光学用フィルムの表面を過度に汚染してしまったり、粘着力のコントロールがしにくくなる等の弊害が発生してしまうためである。
表面保護フィルムAは、基材フィルム1の片面に、上述の粘着剤からなる粘着剤層2を設けることにより製造することができる。すなわち、本発明は、帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩を用い、さらに、粘着剤として、水酸基を有するアクリル系ポリマーを用い、この粘着剤をポリイソシアネートによって硬化させることにより、帯電防止剤を含む粘着剤層を形成したとしても、表面汚染性が悪化することなく、優れた帯電防止性能を発揮する表面保護フィルムを製造することができるという、驚くべき知見に基づいて完成されたものである。
帯電防止剤を含む粘着剤層2の形成は、上記アクリル系ポリマー、上記アルキルトリメチルアンモニウム塩、ポリイソシアナートを含む粘着剤成分に、必要に応じて有機溶媒を混合した組成物を調製し、その組成物を基材フィルム1上に、グラビアコーティング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティング、ドクターナイフコーティング、リバースコーティングなどの塗工手段により塗工してから乾燥すればよい。
粘着剤層2は、被着体の表面に対する剥離強度が、0.03〜0.3N/25mm程度の軽度な粘着性を有する微粘着剤層であることが好ましい。
粘着剤層2の厚みは、特に限定はないものの、例えば5〜40μm程度、殊に10〜30μm程度とすることが多い。
上記粘着剤層2の粘着面には、必要に応じて、剥離フィルム3を被覆することができる。剥離フィルム3は、特に限定されるものではないが、ポリエステルフィルムなどのフィルムの表面に、シリコーン系剥離剤などの剥離剤を用いて剥離処理を施したものが例示される。
上記の構成を有する表面保護フィルムAは、帯電防止剤を含む粘着剤層2を設けたことにより、被着体である光学用フィルムから剥離する際の表面電位が+0.7kV〜−0.7kV、より望ましくは+0.5kV〜−0.5kV、なかんずく+0.1kV〜−0.1kVであるようにすることが特に好ましい。
この表面電位は、粘着剤層に含有される帯電防止剤の種類や含有量等によって調整することができる。
上述の表面保護フィルムでは、粘着剤として、水酸基を有するアクリル系ポリマーを用い、この粘着剤をポリイソシアネートによって硬化させることに加えて、粘着剤に帯電防止剤としてアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれているという特別の工夫を講じてあるので、該表面保護フィルムを光学用フィルムから剥離する際の剥離帯電量が充分に低く、かつ被着体表面の汚染性が少ないという優れた効果が奏される。このような効果は、アルキルトリメチルアンモニウム塩以外の帯電防止剤では期待しえないものである。
また、基材フィルムに対する塗膜の形成回数を1回で済ますことができるという利点もある。
図2は、本発明の光学部品Cの一例を示す概略構成図である。
この光学部品Cは、上記の表面保護フィルムAを、その粘着剤層2を利用して、光学用フィルムBの表面に貼着したものである。光学用フィルムBとしては、偏光板、位相差板、レンズフィルム、位相差板兼用の偏光板、レンズフィルム兼用の偏光板などが挙げられる。このような光学部品Cは、液晶表示パネルなどの液晶表示装置、各種計器類の、光学系装置等の製造に利用することができる。
本発明の光学部品Cによれば、表面保護フィルムAが用済みになって剥離除去するときの光学用フィルムBの剥離帯電が充分に小さく抑制されるので、ドライバーIC、TFT素子、ゲート線駆動回路などの回路部品を破壊するおそれもなく、液晶表示パネル等の装置の信頼性を保つことができる。
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
(実施例1の表面保護フィルムの作製)
帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩である塩化アルキルトリメチルアンモニウム(花王株式会社製、商品名:エレクトロストリッパーQN)とアクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製、商品名:SZ−2242開発品)とポリイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:アクアネートAQ−200)とを、帯電防止剤と粘着剤と硬化剤との固形分の重量比が1:100:3となるように配合し、有機溶剤(トルエン)にて希釈溶解して、粘着剤希釈液を調製した。上記ポリイソシアネート(AQ−200)のNCO基残存時間は、約7時間である。
基材フィルムとしての厚み38μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に、前記粘着剤希釈液を乾燥基準で厚さ15μmとなるように塗布、乾燥して帯電防止剤を含む粘着剤層を形成した。さらに、この粘着剤層の上に、シリコーン処理を施してあるポリエステルフィルム製の剥離フィルムを被覆した。以上により、「基材フィルム/粘着剤層/剥離フィルム」の層構成を有する実施例1の表面保護フィルムを得た。
比較例1の表面保護フィルムの作製)
ポリイソシアネート系硬化剤として、上記アクアネートAQ−200に変えて、イソシアネート基を疎水基で保護しないタイプのイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートHX)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
(比較例の表面保護フィルムの作製)
粘着剤希釈液にアルキルトリメチルアンモニウム塩を入れなかった以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
(比較例の表面保護フィルムの作製)
帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩に代えて、アニオン系帯電防止剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(日本乳化剤株式会社製、商品名:New col−210)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
(比較例の表面保護フィルムの作製)
帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩に代えて、リチウムイオン系の帯電防止剤(日本カーリット株式会社製、商品名:PEL−20)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
(比較例の表面保護フィルムの作製)
帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩に代えて、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム(花王株式会社製、商品名:サニゾールB−50)を用い、帯電防止剤と粘着剤と硬化剤との固形分の重量比が3:100:3となるように配合して粘着剤を調製したこと以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
(比較例の表面保護フィルムの作製)
帯電防止剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩に代えて、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(花王株式会社製、商品名:コータミンD2345P)を用い、帯電防止剤と粘着剤と硬化剤との固形分の重量比が3:100:3となるように配合して粘着剤を調製したこと以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の表面保護フィルムを得た。
〈光学部品の作製〉
上記の実施例および比較例1〜で得られた表面保護フィルムAから剥離フィルムを剥離除去して、光学用フィルムの表面に貼着して、表面保護フィルム付き光学部品を作製した。
以下、評価試験の方法および結果について示す。
〈表面保護フィルムの剥離帯電量〉
表面保護フィルム付き光学部品から表面保護フィルムを剥離する際の剥離帯電量を下記のようにして測定した。
表面保護フィルムを25mm巾にカットしたものを光学用フィルムに貼着した後、高速剥離試験機(テスター産業製)を用いて毎分40mの速さで表面保護フィルムを剥離しながら、前記光学用フィルム表面の表面電位を表面電位計(キーエンス株式会社製)を用いて10ms毎に測定したときの表面電位の絶対値の最大値を、剥離帯電量とした。
〈表面保護フィルムの表面汚染性〉
クリーンルームにて、6インチのSiウエハーに表面保護フィルムを気泡や異物が入らないように貼着し、23℃、50%RHの恒温室に24±2時間放置した。その後、レーザー表面検査装置(日立製作所製)にてSiウエハー表面の0.2〜0.5μmのパーティクル数をカウントし、この測定値を以って表1に示す表面汚染性とした。
(表面保護フィルムの粘着力)
JIS Z 0237に記載の試験板および試験板の洗浄方法に従って用意したSUSを被着体として用い、2kgのローラを用いて気泡が入らないように1往復させることにより、表面保護フィルムを前記SUSに貼付した後、70℃1時間加熱する。加熱後の試験体を常温に放置し、約0.5〜1時間程度放冷した後、引張試験機を用いて300mm/分の剥離速度で180°の方向に表面保護フィルムを剥離したときの強度を測定し、これを粘着力とした。
(表面保護フィルムの粘着剤透明性)
表面保護フィルムの粘着剤層を目視にて観察し、該粘着剤層の白濁の有無を調べた。
上記試験の結果を表1に示す。表1において、配合比は、帯電防止剤と粘着剤と硬化剤との固形分の重量比を表す。
Figure 0004279118
表1から、以下のことが判る。
・帯電防止剤としてアルキルトリメチルアンモニウム塩を用いた実施例1にあっては、剥離帯電量が小さく、かつ被着体の表面汚染性も少なかった。
・硬化剤としてイソシアネート基を疎水基で保護しないタイプの硬化剤を用いた比較例1では、剥離帯電量が小さく、かつ被着体の表面汚染性も少なかった。しかし、第四級アンモニウム塩に含まれる水分とイソシアネート基が反応してしまい、アクリル系粘着剤との相溶性が悪くなり白濁してしまった。
・粘着剤層に帯電防止剤として特に何も含まない比較例にあっては、表面汚染性には優れるが剥離帯電量が大きかった。
・帯電防止剤としてアニオン系の帯電防止剤を用いた比較例にあっては、剥離帯電量が大きく、表面汚染性もよくなかった。
・帯電防止剤としてリチウムイオン系を用いた比較例にあっては、剥離帯電量は小さいが、表面汚染性が著しく悪くなった。
・帯電防止剤としてベンジルトリメチルアンモニウム塩を用いた比較例にあっては、剥離帯電量が小さいが、表面汚染性が著しく悪くなった。また、帯電防止剤の配合比が多かったためか、粘着剤が白濁してしまった。
・帯電防止剤としてジアルキルジメチルアンモニウム塩を用いた比較例にあっては、剥離帯電量が小さいが、表面汚染性が著しく悪くなった。また、帯電防止剤の配合比が多かったためか、粘着剤が白濁してしまった。
本発明は、例えば、偏光板や位相差板、レンズフィルムなどの光学用フィルム、光学部品等の生産工程などにおいて、該光学部品等の表面に貼着して表面を保護するために用いることができる。
本発明の表面保護フィルムの概略構成例を示す断面図である。 本発明の光学部品の一実施の形態例を示す断面図である。
符号の説明
1…基材フィルム、2…粘着剤層、A…表面保護フィルム、C…光学部品。

Claims (4)

  1. アルキルトリメチルアンモニウム塩と、水酸基を有するアクリル系ポリマーと、ポリイソシアネートと、を含む粘着剤からなる粘着剤層が、透明な基材フィルムの片面に設けられ、前記ポリイソシアネートは、水に分散されたときに少なくとも一部のイソシアネート基が疎水基により立体構造的に保護されたものであることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 前記アルキルトリメチルアンモニウム塩は、アルキル基の炭素数が8〜18の範囲内であるものを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 前記ポリイソシアネートは、自己乳化型ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の表面保護フィルムが貼着されたことを特徴とする光学部品。
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