JP6461261B2 - 表面保護フィルム用剥離フィルム - Google Patents

表面保護フィルム用剥離フィルム Download PDF

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本発明は、偏光板、位相差板、ディスプレイ用のレンズフィルムなどの光学部品(以下、光学用フィルムと称する場合もある。)の表面に貼合される、表面保護フィルムに関する。さらに詳細には、断裁時にも粘着剤に起因する異物(糊玉)が出にくく、表面に凹凸がある光学用フィルムに対してもなじみ性(濡れ性)が良く、かつ、被着体への汚染が少なく、経時しても被着体に対する低汚染性が変わらない表面保護フィルムで、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する表面保護フィルム、及びそれが貼合された光学部品を提供するものである。
偏光板、位相差板、ディスプレイ用のレンズフィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用透明導電性フィルム、等の光学用フィルム、及びそれを用いたディスプレイなどの光学製品を、製造、搬送する際には、該光学用フィルムの表面に表面保護フィルムを貼合して、後工程における表面の汚れや傷付きを防止することがなされている。製品である光学用フィルムの外観検査は、表面保護フィルムを剥がして、再び、貼合する手間を省いて作業効率を高めるため、表面保護フィルムを光学用フィルムに貼合したまま行うこともある。
従来から、基材フィルムの片面に、粘着剤層を設けた表面保護フィルムが、光学製品の製造工程において、傷や汚れの付着を防止するために、一般的に使用されている。表面保護フィルムは、微粘着力の粘着剤層を介して光学用フィルムに貼合される。粘着剤層を微粘着力とするのは、使用済みの表面保護フィルムを光学用フィルムの表面から剥離して取り除くときに、容易に剥離でき、且つ、粘着剤が、被着体である製品の光学用フィルムに付着して残留しないようにする(いわゆる、糊残りの発生を防ぐ)ためである。
微粘着力の粘着剤としては、アクリル系粘着剤が多く使用されているが、光学用フィルムをディスプレイの大きさに合わせて所定のサイズに断裁する時に、粘着剤が断裁刃によりちぎれ、小片状の異物(糊玉ともいう)が発生しやすい問題がある。こうした異物が発生すると工程汚染や光学用フィルムに押され跡が発生するなど問題となる。そのため、表面保護フィルムが貼合された光学用フィルムをスリットしたり断裁したりする時に異物発生の少ない表面保護フィルムが求められている。また、プリズムシートやアンチグレア処理した偏光板など、表面に凹凸形状を有する光学用フィルムに対してもなじみ性(濡れ性)が良く、表面保護フィルムを光学用フィルムに貼合する際に気泡が入りにくい表面保護フィルムが求められている。
このように、スリットや断裁時の糊玉の発生しにくく、各種光学用フィルムに対してなじみ性が良い表面保護フィルムの要望に対して、ポリウレタン系粘着剤を使用した表面保護フィルムが使用されている。
また、近年、液晶ディスプレイパネルの生産工程において、光学用フィルムの上に貼合された表面保護フィルムを、剥離して取り除くときに発生する剥離帯電圧により、液晶ディスプレイの表示画面を制御するための、ドライバーIC等の回路部品が破壊される現象や、液晶分子の配向が損傷する現象が、発生件数は少ないながらも起きている。
また、液晶ディスプレイパネルの消費電力を低減させるため、液晶材料の駆動電圧が低くなってきており、これに伴って、ドライバーICの破壊電圧も低くなっている。最近では、剥離帯電圧を+0.7kV〜−0.7kVの範囲内にすることが求められてきている。
表面保護フィルムを、被着体である光学用フィルムから剥離する時に、剥離帯電圧が高いことによる不具合を防止するため、剥離帯電圧を低く抑えるための、帯電防止剤を含む粘着剤層を用いた表面保護フィルムが、提案されている。
例えば、特許文献1には、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタン、イオン性化合物及び3官能のイソシアネート化合物からなる帯電防止粘着剤が開示されている。また、特許文献2には、超強酸のアルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類の少なくとも一種の塩を含有することを特徴とする表面保護フィルム用ポリウレタン粘着剤組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、フルオロ有機アニオンを含有するイオン性液体、及び数平均分子量5,000以上のポリウレタンからなる粘着剤組成物および当該粘着剤組成物を用いた表面保護フィルムが開示されている。
特開2005−154491号公報 特開2006−182794号公報 特開2007−277484号公報
上記の特許文献1〜3では、粘着剤層の内部に帯電防止剤が添加されている。しかし、粘着剤層の厚みが厚くなる程、また、被着体に貼り合せた後の経過時間が経つにつれて、表面保護フィルムの貼合された被着体に対して、粘着剤層から被着体へ移行する帯電防止剤の量が多くなる懸念がある。被着体へ移行する帯電防止剤の量が多くなると、被着体である光学用フィルムの外観品位が低下したり、表面保護フィルムの粘着特性が経時で変化する懸念がある。
こうした、粘着剤層から被着体へ移行する帯電防止剤の経時変化を少なくするために、粘着剤の厚さを薄くすると、別の問題が生じる。例えば、ギラツキ防止のためアンチグレア処理した偏光板など、表面に凹凸のある光学用フィルムに使用した場合に、光学用フィルム表面の凹凸に粘着剤が追従できずに気泡が混入したり、光学用フィルムと粘着剤の接着面積が減ることにより粘着力が低下し、使用中に表面保護フィルムが浮いたり剥がれたりする問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、断裁時にも粘着剤に起因する異物(糊玉)が出にくく、表面に凹凸がある光学用フィルムに対してもなじみ性(濡れ性)が良く、かつ、被着体への汚染が少なく、経時しても被着体に対する低汚染性が変わらない表面保護フィルムで、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する表面保護フィルム、及びそれが貼合された光学部品を提供することを課題とする。
本発明者らは、この課題について鋭意検討を行なった。
被着体に対する汚染が少なく、かつ汚染性の経時変化も少なくするためには、被着体を汚染していると推測される帯電防止剤を減量する必要がある。しかし、帯電防止剤を減量した場合には、表面保護フィルムを被着体から剥離する時の、剥離帯電圧が高くなってしまう。本発明者らは、帯電防止剤の絶対量を増加しないで、表面保護フィルムを被着体から剥離する時の、剥離帯電圧を低く抑える方法について検討した。
その結果、粘着剤の中に、帯電防止剤を添加し混ぜて粘着剤層を形成するのではなく、帯電防止剤を含まない粘着剤組成物を塗工・乾燥して粘着剤層を積層した後に、帯電防止剤を含有した剥離剤層を有する剥離フィルムを、粘着剤層と剥離剤層が接触するように貼り合わせ、粘着剤層の表面に、適量の帯電防止剤を剥離フィルム側から転写、付与することにより、剥離時の帯電量を抑えることができる表面保護フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透明性を有する樹脂からなる基材フィルムの片面にポリウレタン系粘着剤層が形成された表面保護フィルムの、前記粘着剤層の表面に、帯電防止剤を転写することができる表面保護フィルム用剥離フィルムであって、前記表面保護フィルム用剥離フィルム、樹脂フィルムの片面に、剥離剤と、該剥離剤と反応しない帯電防止剤とを含有する剥離剤層(但し、帯電防止成分として、一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン化合物を含有する剥離剤層を除く)を積層してなり、前記帯電防止剤が、イオン性化合物であり、前記表面保護フィルム用剥離フィルムを、前記剥離剤層を介して前記粘着剤層の表面に貼り合せたときに、前記剥離剤層の前記帯電防止剤の成分を、前記粘着剤層の表面に転写できることを特徴とする表面保護フィルム用剥離フィルムを提供する。
Figure 0006461261
〔R 11 は、1価の有機基を示す。X AB は、モノマーユニットAの0〜100個とモノマーユニットBの1〜100個が、互いに任意の配列順序でシロキサン結合により結合してなる構成部分である。モノマーユニットAは一般式(1−1)で示され、モノマーユニットBは一般式(1−2)で示される;
Figure 0006461261
(一般式(1−1)(1−2)中、R 11 は、1価の有機基を示す。R 12 はアルキレン基を示す。R 15 は水素原子又は1価の有機基を示す。Y CD は、モノマーユニットCの0〜100個とモノマーユニットDの0〜100個とが、互いに任意の配列順序でエーテル結合により結合してなる構成部分である。モノマーユニットCは[−R 13 O−](但し、R 13 はアルキレン基を示す。)で示され、モノマーユニットDは[−R 14 O−](但し、R 14 はアルキレン基を示す。)で示される。モノマーユニットC及びモノマーユニットDは互いに異なり、両者が同時に0個になることはない。)〕
また、前記帯電防止剤が、アルカリ金属をカチオンとするイオン性化合物であることが好ましい。
前記粘着剤層が、ポリウレタン系粘着剤を架橋させてなることが好ましい。
前記表面保護フィルム用剥離フィルムの、前記粘着剤層からの剥離力が、0.005〜0.3N/50mmであることが好ましい。
また、本発明は、上記の表面保護フィルム用剥離フィルム貼合されてなる光学フィルム用の表面保護フィルムを提供する。
本発明の表面保護フィルムは、断裁時にも粘着剤に起因する異物(糊玉)が出にくく、表面に凹凸がある光学用フィルムに対してもなじみ性(濡れ性)が良く、かつ、被着体への汚染が少なく、経時しても被着体に対する低汚染性が変わらない表面保護フィルムで、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する表面保護フィルム、及びそれが貼合された光学部品を提供できる。
本発明の表面保護フィルムによれば、光学用フィルムの表面を確実に保護することができることから、生産性の向上と歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の表面保護フィルムの、概念を示した断面図である。 本発明の表面保護フィルムから、剥離フィルムを剥がした状態を示す断面図である。 本発明の光学部品の、実施例の1つを示した断面図である。
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の表面保護フィルムの、概念を示した断面図である。この表面保護フィルム10は、透明な基材フィルム1の片面の表面に、粘着剤層2が形成されている。この粘着剤層2の表面には、樹脂フィルム3の表面に剥離剤層4が形成された剥離フィルム5が、貼合されている。
本発明に係わる表面保護フィルム10に使用される基材フィルム1としては、透明性及び可撓性を有する樹脂からなる基材フィルムが用いられる。これにより、表面保護フィルムを、被着体である光学部品に貼合した状態で、光学部品の外観検査を行うことができる。基材フィルム1として用いる透明性を有する樹脂からなるフィルムは、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムが用いられる。ポリエステルフィルムのほか、必要な強度を有し、かつ光学適性を有するものであれば、他の樹脂からなるフィルムも使用可能である。基材フィルム1は、無延伸フィルムであっても、一軸または二軸延伸されたフィルムであってもよい。また、延伸フィルムの延伸倍率や、延伸フィルムの結晶化に伴い形成される軸方法の配向角度を、特定の値に制御してもよい。
本発明に係わる表面保護フィルム10に使用される基材フィルム1の厚みは、特に限定はないが、例えば、12〜100μm程度の厚みが好ましく、20〜50μm程度の厚みであれば取り扱い易く、より好ましい。
また、必要に応じて、基材フィルム1の粘着剤層2が形成された面の反対側の面に、表面の汚れを防止する防汚層、帯電防止層、傷つき防止のハードコート層などを設けることができる。また、基材フィルム1の表面に、コロナ放電による表面改質、アンカーコート剤の塗付などの易接着処理を施してもよい。
また、本発明に係わる表面保護フィルム10に使用される粘着剤層2は、被着体の表面に接着し、用済み後に簡単に剥がせ、かつ、被着体を汚染しにくい粘着剤である。また、断裁時の糊玉の発生が少ないこと、光学用フィルムなどの被着体に対して濡れ性が良好であることから、ポリウレタン系粘着剤が好適である。
ポリウレタン系粘着剤としてはポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン系樹脂で、粘着性や濡れ性、被着体汚染性等を考慮して選べばよく、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分は特に制限されない。ポリウレタン系樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ポリオール成分としては、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどがあげられる。これらのポリオール成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリイソシアネート成分としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、ジイソシアネートの多量体などが用いられる。これらのポリイソシアネート成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ポリウレタン系粘着剤の市販品としては、サイアバイン(登録商標)SH−101、SH−101M、SP−205、SP−220(トーヨーケム(株)製)、アラコート(登録商標)FT100、FT200(荒川化学工業(株)製)、UN1175、UN1176(大同化成工業(株)製)などが挙げられる。粘着剤層が、ポリウレタン系粘着剤を架橋または硬化させてなるものでもよい。
本発明に係わる表面保護フィルム10に使用される粘着剤層2の厚みは、特に限定はないものの、例えば、5〜40μm程度の厚みが好ましく、10〜30μm程度の厚みがより好ましい。表面保護フィルムの被着体の表面に対する剥離強度(粘着力)が、0.03〜0.3N/25mm程度の、微粘着力を有する粘着剤層2であることが、被着体から表面保護フィルムを剥がす時の操作性に優れることから好ましい。また、表面保護フィルム10から剥離フィルム5を剥がす時の操作性に優れることから、剥離フィルム5の粘着剤層2からの剥離力が、剥離速度0.3m/min、剥離角度180°の条件で測定した時に、0.005〜0.3N/50mmであることが好ましい。
また、本発明に係わる表面保護フィルム10に使用される剥離フィルム5は、樹脂フィルム3の片面に、剥離剤と、該剥離剤と反応しない帯電防止剤とを含有する剥離剤層4が積層されている。
樹脂フィルム3としては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられるが、透明性に優れていることや価格が比較的に安価であることから、ポリエステルフィルムが特に好ましい。樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、一軸または二軸延伸されたフィルムであってもよい。また、延伸フィルムの延伸倍率や、延伸フィルムの結晶化に伴い形成される軸方法の配向角度を、特定の値に制御してもよい。
樹脂フィルム3の厚みは、特に限定はないが、例えば、12〜100μm程度の厚みが好ましく、20〜50μm程度の厚みであれば取り扱い易く、より好ましい。
また、必要に応じて、樹脂フィルム3の表面に、コロナ放電による表面改質、アンカーコート剤の塗付などの易接着処理を施してもよい。
剥離剤層4を構成する剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル基含有剥離剤、フッ素系剥離剤などが挙げられる。
シリコーン系剥離剤は、付加反応型、縮合反応型、カチオン重合型、ラジカル重合型などの、公知のシリコーン系剥離剤が挙げられる。付加反応型シリコーン系剥離剤として市販されている製品には、例えば、KS−776A、KS−847T、KS−779H、KS−837、KS−778、KS−830(信越化学工業(株)製)、SRX−211、SRX−345、SRX−357、SD7333、SD7220、SD7223、LTC−300B、LTC−350G、LTC−310(東レダウコーニング(株)製)などが挙げられる。縮合反応型として市販されている製品には、例えば、SRX−290、SYLOFF−23(東レダウコーニング(株)製)などが挙げられる。カチオン重合型として市販されている製品には、例えば、TPR−6501、TPR−6500、UV9300、VU9315、UV9430(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製)、X62−7622(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。ラジカル重合型として市販されている製品には、例えば、X62−7205(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
長鎖アルキル基含有樹脂を主成分とする剥離剤には、長鎖アルキル基含有アミノアルキッド樹脂、長鎖アルキル基含有アクリル樹脂、長鎖脂肪族ペンダント型樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合物、ポリエチレンイミン、および水酸基含有セルロース誘導体の中から選ばれる少なくとも1種の活性水素含有ポリマーと、長鎖アルキル基含有イソシアネートとの反応生成物)などの、公知の長鎖アルキル基含有剥離剤が挙げられる。硬化剤、紫外線開始剤を添加して硬化反応を行う剥離剤でもよいし、溶剤を揮発させて固化する剥離剤でもよい。
「長鎖アルキル基」としては、炭素数が8〜30のアルキル基が好ましく、炭素数が10以上、12以上、18以下、24以下等でもよく、中でも直鎖状のアルキル基が好ましい。具体例としては、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ドデシル基、トリデシル基、ミリスチル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、セチル基、パルミチル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ドコシル基等から選択される、1種又は2種以上のアルキル基が挙げられる。
長鎖アルキル基含有樹脂系剥離剤として市販されている製品には、例えば、アシオ産業株式会社製アシオレジン(登録商標)RA−30、一方社油脂工業株式会社製ピーロイル(登録商標)1010、ピーロイル1010S、ピーロイル1050、ピーロイルHT、中京油脂株式会社製レゼムN−137、花王株式会社製エキセパール(登録商標)PS−MA、日立化成株式会社製テスファイン(登録商標)303等が挙げられる。
フッ素系剥離剤としては、パーフルオロアルキル基含有ビニルエーテルポリマーや、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂をバインダー樹脂中に分散させたコーティーング剤などが挙げられる。
剥離剤層4を構成する帯電防止剤としては、剥離剤溶液に対して分散性の良いもので、かつ、剥離剤の硬化を阻害しないものが好ましい。また、剥離剤層4から粘着剤層2の表面に移行して粘着剤層に帯電防止効果を付与するため、剥離剤と反応しない帯電防止剤が良い。こうした帯電防止剤としてはイオン性化合物が好適である。
イオン性化合物としては、カチオンとアニオンを有するイオン性化合物であって、カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、アンモニウムカチオン等の含窒素オニウムカチオンや、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。含窒素オニウムカチオンは、アルキル基等の有機基や置換基を有してもよい。好ましくは4級含窒素オニウムカチオンであり、1−アルキルピリジニウム(2〜6位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級ピリジニウムカチオンや、1,3−ジアルキルイミダゾリウム(2,4,5位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級イミダゾリウムカチオン、N−アルキルピリミジニウム(2位及び4〜6位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級ピリミジニウムカチオン、1,2−ジアルキルピラゾリウム(3〜5位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級ピラゾリウムカチオン、1,1−ジアルキルピロリジニウム(2〜5位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級ピロリジニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウム等の4級アンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンとしては、テトラアルキルホスホニウム等の、有機基を有するホスホニウムカチオンが挙げられる。スルホニウムカチオンとしては、トリアルキルスルホニウム等の、有機基を有するスルホニウムカチオンが挙げられる。
また、アニオンとしては、C2n+1COO、C2n+1COO、NO 、C2n+1SO 、(C2n+1SO、(C2n+1SO、RCSO 、PO 3−、AlCl 、AlCl 、ClO 、BF 、PF 、AsF 、SbF 、SCN等が挙げられる。これらのイオン性化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。イオン性物質の安定化のため、ポリオキシアルキレン構造を含有する化合物を添加しても良い。
中でも、カチオンとしてアルカリ金属カチオンを持ったイオン性化合物(アルカリ金属塩)が好適である。アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩が挙げられ、具体的には、たとえば、Li、Na、Kよりなるカチオンと、Cl、Br、I、BF 、PF 、SCN、ClO 、CFSO 、(FSO、(CFSO、(CSO、(CFSOよりなるアニオンから構成される金属塩が好適に用いられる。なかでも特に、LiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiClO、LiCFSO、Li(FSON、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOCなどのリチウム塩が好ましく用いられる。これらのアルカリ金属塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。イオン性物質の安定化のため、ポリオキシアルキレン構造を含有する化合物を添加しても良い。
剥離剤に対する帯電防止剤の添加量は、帯電防止剤の種類や剥離剤との親和性の度合いにより異なるが、表面保護フィルムを被着体から剥離する時の、望まれる剥離帯電圧、被着体に対する汚染性、粘着特性などを考慮して設定すればよい。
剥離剤と、帯電防止剤との混合方法には、特に限定はない。剥離剤に、帯電防止剤を添加して、混合した後に剥離剤硬化用の触媒を添加・混合する方法、剥離剤を、あらかじめ有機溶剤で希釈したのちに帯電防止剤と剥離剤硬化用の触媒を添加、混合する方法、剥離剤をあらかじめ有機溶剤に希釈後、触媒を添加・混合し、その後帯電防止剤を添加、混合する方法など、いずれの方法でも良い。また、必要に応じて、シランカップリング剤などの密着向上剤やポリオキシアルキレン基を含有する化合物などの帯電防止効果を補助する材料、を添加しても良い。
剥離剤と、帯電防止剤との混合比率は、特に限定はないが、剥離剤の固形分100に対して、帯電防止剤を固形分として5〜100程度の割合が好ましい。帯電防止剤の固形分換算の添加量が、剥離剤の固形分100に対して5の割合より少ないと、粘着剤層の表面への帯電防止剤の転写量も少なくなり、粘着剤に帯電防止の機能が発揮され難くなる。また、帯電防止剤の固形分換算の添加量が、剥離剤の固形分100に対して100の割合を越えると、帯電防止剤とともに剥離剤も、粘着剤層の表面に転写されてしまうため、粘着剤の粘着特性を低下させる可能性がある。
本発明に係わる表面保護フィルム10の基材フィルム1に、粘着剤層2を形成する方法、及び剥離フィルム5を貼合する方法は、公知の方法で行えばよく、特に限定されない。具体的には、(1)基材フィルム1の片面に、粘着剤層2を形成するための樹脂組成物を塗布、乾燥し粘着剤層を形成した後に、剥離フィルム5を貼合する方法、(2)剥離フィルム5の表面に、粘着剤層2を形成するための樹脂組成物を塗布・乾燥し粘着剤層を形成した後に、基材フィルム1を貼合する方法などが挙げられるが、いずれの方法を用いても良い。
また、基材フィルム1の表面に、粘着剤層2を形成するのは、公知の方法で行えばよい。具体的には、リバースコーティング、コンマコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティングなどの、公知の塗工方法を使用することができる。
また、同様に、樹脂フィルム3に、剥離剤層4を形成するのは、公知の方法で行えばよい。具体的には、グラビアコーティング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティングなどの、公知の塗工方法を使用することができる。
上記の構成を有する本発明に係わる表面保護フィルム10は、被着体である光学用フィルムから剥離する際の表面電位が、+0.7kV〜−0.7kVであることが好ましい。さらに、表面電位が、+0.5kV〜−0.5kVであることがより好ましく、表面電位が、+0.3kV〜−0.3kVであることが特に好ましい。この表面電位は、剥離剤層に含有される帯電防止剤の種類、添加量等を加減することによって調整できる。
図2は、本発明の表面保護フィルムから、剥離フィルムを剥がした状態を示す断面図である。
図1に示した表面保護フィルム10から、剥離フィルム5を剥がすことにより、剥離フィルム5の剥離剤層4に含まれる帯電防止剤(符号7)の一部が、表面保護フィルム10の粘着剤層2の表面に、転写される(付着する)。そのため、図2においては、表面保護フィルムの粘着剤層2の表面に付着した帯電防止剤を、符号7の斑点で模式的に示している。帯電防止剤7の成分が、剥離フィルム5から粘着剤層2の表面に転写されることにより、転写する前の粘着剤層2に比べて、粘着剤層2の被着体から剥離する際の剥離帯電圧が低減される。なお、粘着剤層を被着体から剥離する際の剥離帯電圧は、公知の方法で測定可能である。例えば、表面保護フィルムを偏光板などの被着体に貼り合せた後、高速剥離試験機(テスター産業株式会社製)を用いて毎分40mの剥離速度で表面保護フィルムを剥離しながら、被着体表面の表面電位を、表面電位計(株式会社キーエンス製)を用いて10ms毎に測定したときの、表面電位の絶対値の最大値を、剥離帯電圧(kV)として測定する。
本発明に係わる表面保護フィルムでは、図2に示した剥離フィルムを剥がした状態の表面保護フィルム11を、被着体に貼合するに当たり、この粘着剤層2の表面に転写された、帯電防止剤が、被着体の表面に接触する。そのことにより、再度、被着体から表面保護フィルムを剥がす時の剥離帯電圧を低く抑えることができる。
図3は、本発明の光学部品の、実施例を示した断面図である。
本発明の表面保護フィルム10から、剥離フィルム5が剥がされて、粘着剤層2が表出した状態で、その粘着剤層2を介して被着体である光学部品8に貼合される。
すなわち、図3には、本発明の表面保護フィルム10が貼合された、光学部品20を示している。光学部品としては、偏光板、位相差板、レンズフィルム、位相差板兼用の偏光板、レンズフィルム兼用の偏光板などの、光学用フィルムが挙げられる。このような光学部品は、液晶表示パネルなどの液晶表示装置、各種計器類の光学系装置、等の構成部材として使用される。また、光学部品としては、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用透明導電性フィルムなどの、光学用フィルムも挙げられる。
本発明の光学部品によれば、表面保護フィルム10を、被着体である光学部品(光学用フィルム)から剥離除去するとき、剥離帯電圧を充分に低く抑制することができる。そのため、ドライバーIC、TFT素子、ゲート線駆動回路などの回路部品を破壊する恐れがなく、液晶表示パネル等を製造する工程での生産効率を高め、生産工程の信頼性を保つことができる。
次に、実施例により、本発明をさらに説明する。
(表面保護フィルムの作製)
(実施例1)
付加反応型のシリコーン系剥離剤(東レダウコーニング(株)製、品名:SRX−211、剥離剤不揮発分の含有率は30重量%)5重量部、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの20重量%酢酸エチル溶液5重量部、トルエンと酢酸エチルの1:1の混合溶媒90重量部、及び白金触媒(東レダウコーニング(株)製、品名:SRX−212キャタリスト)0.05重量部を混ぜ合わせて撹拌・混合して、実施例1の剥離剤層を形成する塗料を調整した。厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、実施例1の剥離剤層を形成する塗料を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにメイヤバーにて塗布し、120℃の熱風循環式オーブンにて1分間乾燥し、実施例1の剥離フィルムを得た。一方、ポリウレタン系粘着剤(荒川化学工業(株)製、品名:アラコートFT200、粘着剤不揮発分の含有率は40重量%)100重量部、硬化剤(荒川化学工業(株)製、品名:アラコートCL2503、硬化剤不揮発分の含有率は40重量%)5.7重量部を添加、混合した塗付液を、厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように、塗布した後、100℃の熱風循環式オーブンにて2分間乾燥させて粘着剤層を形成した。その後、この粘着剤層の表面に、上記にて作製した、実施例1の剥離フィルムの剥離剤層(シリコーン処理面)を貼合した。得られた粘着フィルムを40℃の環境下で5日間保温し、粘着剤を硬化させて、実施例1の帯電防止表面保護フィルムを得た。
(実施例2)
帯電防止剤をリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに変えた以外は実施例1と同様にして、実施例2の保護フィルムを得た。
(比較例1)
付加反応型のシリコーン系剥離剤(東レダウコーニング(株)製、品名:SRX−211、剥離剤不揮発分の含有率は30重量%)5重量部、トルエンと酢酸エチルの1:1の混合溶媒95重量部、及び白金触媒(東レダウコーニング(株)製、品名:SRX−212キャタリスト)0.05重量部を混ぜ合わせて撹拌・混合して、比較例1の剥離剤層を形成する塗料を調整した。厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、比較例1の剥離剤層を形成する塗料を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにメイヤバーにて塗布し、120℃の熱風循環式オーブンにて1分間乾燥し、比較例1の剥離フィルムを得た。一方、ポリウレタン系粘着剤(荒川化学工業(株)製、品名:アラコートFT200、粘着剤不揮発分の含有率は40重量%)100重量部、硬化剤(荒川化学工業(株)製、品名:アラコートCL2503、硬化剤不揮発分の含有率は40重量%)5.7重量部を添加、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの20重量%酢酸エチル溶液10重量部を混合した塗付液を、厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように、塗布した後、100℃の熱風循環式オーブンにて2分間乾燥させて粘着剤層を形成した。その後、この粘着剤層の表面に、上記にて作製した、比較例1の剥離フィルムの剥離剤層(シリコーン処理面)を貼合した。得られた粘着フィルムを40℃の環境下で5日間保温し、粘着剤を硬化させて、比較例1の帯電防止表面保護フィルムを得た。
(比較例2)
剥離剤層にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを添加しない他は実施例1と同様にして、比較例2の表面保護フィルムを得た。
以下、評価試験の方法および結果について示す。
(剥離剤層および粘着剤層の表面抵抗率の測定方法)
剥離フィルムの剥離剤層の表面抵抗率、及び表面保護フィルムの粘着剤層の表面抵抗率を、三菱化学(株)製ハイレスタ(登録商標)−UPにて、印画電圧100V、測定時間30秒の条件にて測定した。測定は、剥離フィルム単体で40℃の環境下で5日間保温エージングしたサンプルの剥離剤層の表面抵抗率と、粘着剤層と剥離剤層を貼合した粘着フィルムを40℃の環境下で5日間保温し、その後粘着フィルムから剥離フィルムを剥離し、粘着フィルムの粘着剤層と剥離フィルムの剥離剤層の表面抵抗率を、それぞれ測定する。
〈剥離フィルムの剥離力の測定方法〉
表面保護フィルムのサンプルを、幅50mm、長さ150mmに裁断する。23℃×50%RHの試験環境下、引張試験機を用いて300mm/分の剥離速度で180°の方向に、剥離フィルムを剥離したときの強度を測定し、これを剥離フィルムの剥離力(N/50mm)とした。
〈表面保護フィルムの粘着力の測定方法〉
ガラス板の表面に、アンチグレア低反射処理した偏光板(AG−LR偏光板)を、貼合機を用いて貼合した。その後、偏光板の表面に、幅25mmに裁断した表面保護フィルムを貼合した後、23℃×50%RHの試験環境下に1日間保管した。その後、引張試験機を用いて300mm/分の剥離速度で180°の方向に、表面保護フィルムを剥離したときの強度を測定し、これを粘着力(N/25mm)とした。
〈表面保護フィルムの剥離帯電圧の測定方法〉
ガラス板の表面に、アンチグレア低反射処理した偏光板(AG−LR偏光板)を、貼合機を用いて貼合した。その後、偏光板の表面に、幅25mmに裁断した表面保護フィルムを貼合した後、23℃×50%RHの試験環境下に1日間保管した。その後、高速剥離試験機(テスター産業株式会社製)を用いて毎分40mの剥離速度で表面保護フィルムを剥離しながら、前記偏光板表面の表面電位を、表面電位計(株式会社キーエンス製)を用いて10ms毎に測定したときの、表面電位の絶対値の最大値を、剥離帯電圧(kV)とした。
〈表面保護フィルムの表面汚染性の確認方法〉
ガラス板の表面に、アンチグレア低反射処理した偏光板(AG−LR偏光板)を、貼合機を用いて貼合した。その後、偏光板の表面に、幅25mmに裁断した表面保護フィルムを貼合した後、23℃×50%RHの試験環境下に3日および30日保管した。その後、表面保護フィルムを剥がし、偏光板の表面における汚染の有無を目視にて観察し、表面汚染性を確認した。表面汚染性の判定基準として、偏光板に汚染の移行が無かった場合を(○)とし、偏光板に汚染の移行が確認された場合を(×)とした。
得られた実施例1〜2及び比較例1〜2の表面保護フィルムについて、測定した測定結果を表1に示した。「FT200」は、アラコートFT200に含まれる粘着剤不揮発分を、「CL2503」は、アラコートCL2503に含まれる硬化剤不揮発分を、「LiFSI」は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを、「LiTFSI」は、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、「211」はSRX−211に含まれる剥離剤不揮発分を、「212」はSRX−212を、それぞれ意味する。
また、表面抵抗率Aは、剥離フィルム単体でエージングした後の剥離フィルムの剥離面の表面抵抗率(Ω/□)を、表面抵抗率Bは、表面保護フィルムの粘着剤面の表面抵抗率(Ω/□)を、表面抵抗率Cは、粘着剤面から剥離した後の剥離フィルムの剥離面の表面抵抗率(Ω/□)をそれぞれ意味する。表中のORはオーバーレンジの略であり、表面抵抗計(ハイレスタ−UP)の測定範囲オーバーを意味し、表面抵抗率が1E+13Ω/□以上であることを意味する。また、表面抵抗率は、JIS X 0210に規定する指数表現により表記した。例えば、4.9E+8は4.9×10の8乗を意味する。
Figure 0006461261
表1に示した測定結果から、以下のことが分かる。
本発明に係わる実施例1〜2の表面保護フィルムは、適度な粘着力があり、被着体の表面に対する汚染がなく、かつ、表面保護フィルムを被着体から剥離した時の剥離帯電圧が低い。また、剥離フィルムの剥離剤層の表面抵抗率が、剥離フィルム単体では4.9E+8〜6.4E+8Ω/□であったものが、粘着剤面に貼合し、剥離した後の剥離フィルムの剥離剤層の表面抵抗率がオーバーレンジ(1.0E+13以上)となり、その一方で粘着剤面の表面抵抗率が7.8E+9〜1.2E+10Ω/□と低下していることから、帯電防止剤が剥離剤面から粘着剤面に移行したことがわかる。
一方、帯電防止剤を粘着剤層に添加した比較例1の表面保護フィルムは、表面保護フィルムを被着体から剥離した時の剥離帯電圧が低く良好であるが、剥離した後の、被着体に対する汚染が多くなった。また、帯電防止剤を用いなかった比較例2では、被着体に対する汚染性は改善したが、表面保護フィルムを被着体から剥離した時の剥離帯電圧が高くなった。
本発明の表面保護フィルムは、例えば、偏光板、位相差板、レンズフィルム、などの光学用フィルム、その他、各種の光学部品等の生産工程などにおいて、該光学部品等に貼合して表面を保護するために用いることができる。また、本発明の表面保護フィルムは、被着体から剥離する時に発生する静電気の量を低くでき、かつ、剥離帯電防止性能の経時変化および被着体に対する汚染が少なく、生産工程の歩留まりを向上させることができ、産業上の利用価値が大である。
1…基材フィルム、2…粘着剤層、3…樹脂フィルム、4…剥離剤層、5…剥離フィルム、7…帯電防止剤、8…被着体(光学部品)、10…表面保護フィルム、11…剥離フィルムを剥がした表面保護フィルム、20…表面保護フィルムを貼合した光学部品。

Claims (3)

  1. 透明性を有する樹脂からなる基材フィルムの片面にポリウレタン系粘着剤層が形成された表面保護フィルムの、前記粘着剤層の表面に、帯電防止剤を転写することができる表面保護フィルム用剥離フィルムであって、
    前記表面保護フィルム用剥離フィルムは、樹脂フィルムの片面に、剥離剤と、該剥離剤と反応しない帯電防止剤とを含有する剥離剤層(但し、帯電防止成分として、一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン化合物を含有する剥離剤層を除く)を積層してなり、前記帯電防止剤が、イオン性化合物であり、
    前記表面保護フィルム用剥離フィルムを、前記剥離剤層を介して前記粘着剤層の表面に貼り合せたときに、前記剥離剤層の前記帯電防止剤の成分を、前記粘着剤層の表面に転写できることを特徴とする表面保護フィルム用剥離フィルム。
    Figure 0006461261
    〔R 11 は、1価の有機基を示す。X AB は、モノマーユニットAの0〜100個とモノマーユニットBの1〜100個が、互いに任意の配列順序でシロキサン結合により結合してなる構成部分である。モノマーユニットAは一般式(1−1)で示され、モノマーユニットBは一般式(1−2)で示される;
    Figure 0006461261
    (一般式(1−1)(1−2)中、R 11 は、1価の有機基を示す。R 12 はアルキレン基を示す。R 15 は水素原子又は1価の有機基を示す。Y CD は、モノマーユニットCの0〜100個とモノマーユニットDの0〜100個とが、互いに任意の配列順序でエーテル結合により結合してなる構成部分である。モノマーユニットCは[−R 13 O−](但し、R 13 はアルキレン基を示す。)で示され、モノマーユニットDは[−R 14 O−](但し、R 14 はアルキレン基を示す。)で示される。モノマーユニットC及びモノマーユニットDは互いに異なり、両者が同時に0個になることはない。)〕
  2. 前記表面保護フィルム用剥離フィルムの、前記粘着剤層からの剥離力が、0.005〜0.3N/50mmであることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム用剥離フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の表面保護フィルム用剥離フィルムが、貼合されてなる光学フィルム用の表面保護フィルム。
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