JP4278822B2 - セルフフォーミングボルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセルフフォーミングボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミダイキャスト製品に部材を固定する治具としてセルフタッピングボルトが知られている。このセルフタッピングボルトは図9に示すように、アルミダイキャスト製品100に形成した鋳抜き穴101にセルフタッピングボルト102で他の部材Wを結合する際に、自らがタップとして作用し、鋳抜き穴101内周面に雌ネジ部を転造によって刻設しながら螺合するものである。
【0003】
従来のセルフタッピングボルト102は、セルフタッピングボルトを先端側から見た拡大図である図10、先端のネジ山部の展開図である図11に示すように、先端部のネジ山部を高いネジ山103と低いネジ山104とが交互に連続する形状になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のセルフタッピングボルトにあっては、鋳抜き穴に螺合する際に完全な転造を行うことはできず切粉が発生する。このため、セルフタッピングボルトを使用できる箇所に制限が課せられる。
【0005】
また、従来のセルフタッピングボルトにあっては、鋳抜き穴内周面に雌ネジ部を形成するための成形トルクが大きくなり別管理しなければならず、更に専用の締め付け工具が必要になる。
【0006】
また、セルフタッピング機能を持たない標準ボルトに比較して、締め付け速度が遅く、作業性が悪いという問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、アルミ等の軟質材からなる基材に形成した穴に、自ら雌ネジ部を刻設しながら締め付けられるセルフフォーミングボルトにおいて、このボルトの軸方向先端部に近い部分のネジ山部、例えば軸方向に沿って2〜4のネジ山部に、周方向に離間して複数箇所に逃げ部を形成した。
【0008】
従来のようにボルト先端部に、高いネジ山と低いネジ山を設けず、塑性変形させてネジを形成して行くので、切粉の発生がなく、しかも逃げ部があることでセルフフォーミングボルトを締め込む際に必要な成形トルクが小さくて済む。
【0009】
前記逃げ部の形状としては、例えば、その始点と終点とを結ぶネジ山部の稜線が、第1の円曲線、第2の円曲線及びこれら第1の円曲線と第2の円曲線とを連続する第3の線にて構成されたものとする。ここで、第1の円曲線は前記始点を通り逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有し、第2の円曲線は前記終点を通り逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有し、また第3の線としては、逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する円曲線が考えられ、また第1の円曲線と第2の円曲線の曲率半径は同一である必要はなく、異なっていてもよい。
【0010】
尚、逃げ部の形状としては上記に限らず、2本の円曲線を合成したもの、4本以上の円曲線を合成したもの、あるいは一部に直線が含まれるものも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るセルフフォーミングボルトの全体図、図2は同セルフフォーミングボルトの先端面を軸方向から見た図、図3は同セルフフォーミングボルトの先端部の斜視図、図4は同セルフフォーミングボルトの逃げ部の稜線を示す図、図5は図4のA−A線断面図である。
【0012】
本発明に係るセルフフォーミングボルト1は、冷間鍛造及び転造にて成形され、その軸部には雄ネジ部2が成形されている。雄ネジ部2はネジ山部2aとネジ谷部2bとからなり、特に軸方向先端部のいくつかのネジ山部2a(図示例では3段)には周方向に離間して複数箇所に逃げ部3…が形成されている。
【0013】
逃げ部3の形状を図4及び図5に基づいて説明すると、各逃げ部3は約102°の範囲に亘って形成され、逃げ部3の始点P1と終点P2とを結ぶネジ山部の稜線Lは、一端が始点P1に連続する第1の円曲線L1、一端が終点P2に連続する第2の円曲線L2、これら第1の円曲線L1と第2の円曲線L2とを連続する第3の線(円曲線)L3を合成して形成されている。尚、第3の線L3は必ずしも円曲線でなくともよい。
【0014】
ここで、逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径をR0、第1の円曲線L1の曲率半径をR1、第2の円曲線L2の曲率半径をR2、第3の線L3の曲率半径をR3とすると、本実施例の場合には、R0=2.93mm、R1=2.35mm、R2=2.27mm、R3=3.8mmとし、更に逃し量は0.15mmとなるようにしている。
尚、R1及びR2については1.0mm〜2.8mmが好ましく、Hについては0.04mm〜0.28mmが好ましい。
【0015】
また、図5に示すように逃げ部3の表面は、軸方向先端に向けて小径となるように傾斜し、しかも幅方向中央部には凹部4が転造時に周方向に沿って形成されている。このように逃げ部3を傾斜せしめることで成形トルクを更に小さくすることが可能になる。
【0016】
尚、前述の実施の形態では図6のAに示すように、第1の円曲線L1の曲率半径R1、第2の円曲線L2の曲率半径R2、第3の線L3の曲率半径R3が同方向の曲率を有しているが、図6のBに示すように、曲率半径R3が曲率半径R1、R2とは逆の位置にくるようにしても良い。
【0017】
【発明の効果】
図7は本発明に係るセルフフォーミングボルト(NSTねじ)と従来のセルフタッピングボルト(CTねじ)を用いた場合の切粉の発生を比較して示した写真、図8は図7に示した写真に基づいて作成した図面である。これら図において、本発明に係るセルフフォーミングボルトは締め付け回数を1回とした場合において、No.1およびNo.2とも従来ねじと比較して発生する切粉の量が格段に少ないことが分る。
【0018】
また、締め付けを20回繰り返した場合にはその効果の差は顕著であり、本発明に係るセルフフォーミングボルトの場合には締め付けを20回繰り返しても、1回の締め付けによって発生する切粉の量と殆ど変わらないが、従来のセルフタッピングボルトの場合には、切粉の量が大幅に増加することが分る。
【0019】
上記の結果からも明らかなように、本発明によれば、セルフフォーミングボルトの軸方向先端部に近い部分のネジ山部に、周方向に離間して複数箇所に逃げ部を形成したことで切粉の発生を極めて少なくすることができ、適用可能箇所が拡大する。
【0020】
また、本発明のセルフフォーミングボルトによれば、締め込む際に必要な成形トルクが小さくて済み、特別な締め付け治具が不要になり、しかも締め付けに要する時間も通常のボルトと殆ど変わらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセルフフォーミングボルトの全体図
【図2】同セルフフォーミングボルトの先端面を軸方向から見た図
【図3】同セルフフォーミングボルトの先端部の斜視図
【図4】同セルフフォーミングボルトの逃げ部の稜線を示す図
【図5】図4のA−A線断面図
【図6】(A)は実施の形態で説明した逃げ部形状を示す図、(B)は逃げ部形状の別案を示す図
【図7】本発明に係るセルフフォーミングボルト(NSTねじ)と従来のセルフタッピングボルト(CTねじ)を用いた場合の切粉の発生を比較して示した写真
【図8】図7に示した写真に基づいて作成した図面
【図9】従来のセルフタッピングボルトをアルミダイキャスト製品に螺着した状態を示す断面図
【図10】従来のセルフタッピングボルトを先端側から見た拡大図
【図11】従来のセルフタッピングボルトを先端のネジ山部の展開図
【符号の説明】
1…セルフフォーミングボルト、2…雄ネジ部、2a…ネジ山部、2b…ネジ谷部、3…逃げ部、4…凹部、L1…第1の円曲線、L2…第2の円曲線、L3…第3の線、R0…逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径、R1…第1の円曲線の曲率半径、R2…第2の円曲線の曲率半径、R3…第3の線の曲率半径、P1…逃げ部の始点、P2…逃げ部の終点。
Claims (3)
- アルミ等の軟質材からなる基材に形成した穴に、自ら雌ネジ部を刻設しながら締め付けられるセルフフォーミングボルトにおいて、このボルトの軸方向先端部に近い部分のネジ山部には、周方向に離間して複数箇所に逃げ部が形成され、前記逃げ部の始点と終点とを結ぶネジ山部の稜線は、前記始点を通り逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する第1の円曲線と、前記終点を通り逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する第2の円曲線と、これら第1の円曲線と第2の円曲線とを連続する第3の線とからなることを特徴とするセルフフォーミングボルト。
- 請求項1に記載のセルフフォーミングボルトにおいて、前記第3の線は逃げ部を形成しないネジ山部の稜線の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する円曲線であることを特徴とするセルフフォーミングボルト。
- 請求項1に記載のセルフフォーミングボルトにおいて、前記第1の円曲線と第2の円曲線の曲率半径が異なることを特徴とするセルフフォーミングボルト。
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