JP3942243B2 - 転造ねじとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、木造建築における木材相互の締結に用いる転造ねじとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、木材相互の締結に用いるタッピングねじ21は、軸部22が一方に頭部23と他方に先端24を有し、軸部22の頭部23側にブランク部25を残して先端側にタッピングねじ部26を設けた構造になっており、重ね合わせた木材AとBに対してねじ込むことにより、タッピングねじ部26の螺締めにより両木材AとBを締結するようになっている。
【0003】
ところで、上記タッピングねじ21は、転造により製造するのが量産できてコスト的にも有利である。
【0004】
従来のタッピングねじの転造による製造方法は、軸部22の素材にストレートな線材を用い、この軸部22の一方端部に頭部23を加工した後、転造ダイスを用いて軸部22にタッピングねじ部26と先端24を転造することにより製造される。
【0005】
しかしながら、軸部22に転造で形成されるタッピングねじ部26は、図5で示したように、軸部22の素材からねじ山26aを得るためには、ねじ部26の谷部26bに該当する部分を絞り込んで素材の一部をねじ山26aに移行させなければならず、このため、タッピングねじ部26の谷部26bの直径は頭部23側のブランク部25の外径よりも小径になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、タッピングねじ部26の谷径が頭部側のブランク部25の外径よりも小径になっていると、木材AとBの締結時において、木材に先行してねじ込まれていくタッピングねじ部26は、その谷径に等しい孔を穿孔しつつ周囲にねじ山が食い込み、従って、後続のブランク部25は、該ブランク部25よりも小径の孔に進入していかなければならず、このため、ブランク部25の進入時に大きな摩擦抵抗が発生し、ねじ込み操作が行い難いと共に、過大なトルクが掛かると、頭部23に設けたドライバー係合溝が破損するという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、タッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上とし、ブランク部の進入時に摩擦抵抗の発生がなく、円滑なねじ込み操作が行える転造ねじとその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、軸部が一方に頭部と他方に先端を有し、軸部の頭部側にブランク部を残して先端側にタッピングねじ部を転造によって形成した転造ねじにおいて、タッピングねじ部にこのタッピングねじ部のねじ山と交差し、かつ、軸部の軸線に対して傾斜するように、タッピングねじ部の谷部よりも深い溝部をタッピングねじ部の全長にわたって転造することにより、この転造によって軸部素材の一部をタッピングねじ部の谷部に移行させることで、タッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上とした構成を採用したものである。
【0009】
上記溝部の幅をこの溝部で分断されたタッピングねじ部の溝部間の周長よりも短く設定したり、ブランク部の頭部寄りの位置にタッピングねじ部を設けた構造とすることができる。
【0011】
請求項2の発明は、軸部が一方に頭部と他方に先端を有し、軸部の頭部側にブランク部を残して先端側にタッピングねじ部を転造によって形成した転造ねじの製造方法において、ストレートな線材を用いた軸部へのタッピングねじ部の転造時に、軸部のタッピングねじ部を転造する部分に、このタッピングねじ部のねじ山と交差し、かつ、軸部の軸線に対して傾斜するように、タッピングねじ部の谷部よりも深い溝部をタッピングねじ部の全長にわたって転造することにより、軸部素材の一部を移行させることでタッピングねじ部を転造する部分の軸部径を拡大し、前記軸部径を拡大した部分に、この軸部径を拡大した部分を絞った谷部と、谷部の形成で軸部径を拡大した部分の一部を移行させて形成したねじ山とからなるタッピングねじ部を転造し、前記タッピングねじ部の転造時にこのタッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上にする構成を採用したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1乃至図3に示す第1の実施の形態において、転造ねじ1は、軸部2が一方に頭部3と他方に先端4を有し、軸部2の頭部3側にブランク部5を残して先端4側にタッピングねじ部6を転造によって形成し、上記タッピングねじ部6の部分にこのねじと交差するように、タッピングねじ部6の谷部D2 よりも深い溝部7を転造することにより、タッピングねじ部6の谷径D2 をブランク部5の直径D1 に対して同等もしくはそれ以上とした構造になっている。
【0013】
図3は、転造ねじ1の製造工程を示し、図3(A)の如く、軸部2の素材にストレートな線材を用い、この線材の一方端部に頭部3を加工すると共に、図3(B)の如く、タッピングねじ部6を転造する部分にこのねじ部6のねじ山6aと交差するように、タッピングねじ部6の谷部6bよりも深い溝部7を転造することにより軸部径を拡大し、更に、軸部径を拡大した部分にタッピングねじ部6を転造すると共に、線材の他方端部に先端4を形成する。
【0014】
上記軸部径の拡大とタッピングねじ部6の転造は、別々のダイスを用いて二工程で行っても、また、溝部7とタッピングねじ部6の形成部分を複合して設けたダイスを用いて一工程で行うこともできる。
【0015】
前記溝部7は、一条以上、複数条でもよいが、この溝部7の幅d2 は、溝部7によって分断されたねじ山6aの溝部7間の周長d1 よりも短く設定され、ねじ山6aの強度低下の発生を防いでいる。
【0016】
ここで、軸部径を拡大した部分に対するタッピングねじ部6の転造は、軸径を絞って素材の一部をねじ山6aに移行させることによって行われ、このため、転造によって形成されたタッピングねじ部6の谷径D2 は、元の軸部径を拡大した部分よりも小径に絞られることになり、この谷径D2 が線材そのままのブランク部5の直径に対して同等もしくはそれ以上となるよう、溝部7の幅d2 と深さ及び条数が設定されている。
【0017】
図4(A)と(B)は、転造ねじ1の第2と第3の実施の形態を示し、図4(A)の第2の実施の形態は、ブランク部5の頭部3寄りの位置に、谷径D2 がブランク部5よりも小径となるタッピングねじ部6を設けたものである。また、図4(B)の第3の実施の形態は、ブランク部5の頭部3寄りの位置に、先端側のタッピングねじ部6と同様、溝部7によって谷部6bの直径がブランク部5と略同径となるタッピングねじ部6を設けたものを示している。
【0018】
なお、各実施の形態において、頭部3は、図示の皿形だけでなく、被締結物の素材に合わせて、平形やナベ形の他、ワッシャを組み合わせ使用したもの等を採用することができ、何れもドライバー係合溝が設けられている。
【0019】
この発明の転造ねじは上記のような構成であり、重ね合わせた木材等の締結時において、タッピングねじ部6の谷径D2 をブランク部5の直径D1 に対して同等もしくはそれ以上となるように設定したので、木材に先行してねじ込まれていくタッピングねじ部6は、その谷径D2 に等しい孔を穿孔しつつ周囲にねじ山6aが食い込み、従って、後続のブランク部5は、該ブランク部5と同等かそれよりも大径の孔に進入すればよく、このため、ブランク部5の進入時に摩擦抵抗の発生がなく、ねじ込み操作が円滑に行え、確実な締結が得られると共に、頭部3のドライバー係合溝に過大なトルクが掛かることがない。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、タッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上としたので、木材等の締結時において、木材等に先行してねじ込まれていくタッピングねじ部は、その谷径に等しい孔を穿孔しつつ周囲にねじ山が食い込み、後続のブランク部は、該ブランク部と同等かそれよりも大径の孔に進入すればよく、このため、ブランク部の進入時に摩擦抵抗の発生がなく、ねじ込み操作が円滑に行え、転造ねじによって確実な締結が得られる。
【0021】
また、ねじ込みが円滑に行え、頭部のドライバー係合溝に過大なトルクを掛けることがないので、ドライバー係合溝の損傷発生がない。
【0022】
更に、タッピングねじ部の部分にこのねじと交差するように、タッピングねじ部の谷部よりも深い溝部を転造したので、タッピングねじ部はねじ込み時に木に食い込み易く、木の繊維を安易に切りながら進入するので、ねじ込み操作が円滑に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は転造ねじの第1の実施の形態を示す正面図、(B)は同上要部を拡大した正面図
【図2】図1(B)の矢印IIーIIに沿う拡大横断面
【図3】(A)乃至(C)は第1の実施の形態における転造ねじの加工工程を示す説明図
【図4】(A)は転造ねじの第2の実施の形態を示す正面図、(B)は転造ねじの第3の実施の形態を示す正面図
【図5】従来の転造ねじの使用状態を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 転造ねじ
2 軸部
3 頭部
4 先端
5 ブランク部
6 タッピングねじ部
7 溝部
Claims (2)
- 軸部が一方に頭部と他方に先端を有し、軸部の頭部側にブランク部を残して先端側にタッピングねじ部を転造によって形成した転造ねじにおいて、
タッピングねじ部にこのタッピングねじ部のねじ山と交差し、かつ、軸部の軸線に対して傾斜するように、タッピングねじ部の谷部よりも深い溝部をタッピングねじ部の全長にわたって転造することにより、この転造によって軸部素材の一部をタッピングねじ部の谷部に移行させることで、タッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上としたことを特徴とする転造ねじ。 - 軸部が一方に頭部と他方に先端を有し、軸部の頭部側にブランク部を残して先端側にタッピングねじ部を転造によって形成した転造ねじの製造方法において、
ストレートな線材を用いた軸部へのタッピングねじ部の転造時に、軸部のタッピングねじ部を転造する部分に、このタッピングねじ部のねじ山と交差し、かつ、軸部の軸線に対して傾斜するように、タッピングねじ部の谷部よりも深い溝部をタッピングねじ部の全長にわたって転造することにより、軸部素材の一部を移行させることでタッピングねじ部を転造する部分の軸部径を拡大し、前記軸部径を拡大した部分に、この軸部径を拡大した部分を絞った谷部と、谷部の形成で軸部径を拡大した部分の一部を移行させて形成したねじ山とからなるタッピングねじ部を転造し、前記タッピングねじ部の転造時にこのタッピングねじ部の谷径をブランク部の直径に対して同等もしくはそれ以上にすることを特徴とする転造ねじの製造方法。
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- 1997-08-18 JP JP22154997A patent/JP3942243B2/ja not_active Expired - Fee Related
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