JP2724099B2 - 締結部材およびその製造方法 - Google Patents

締結部材およびその製造方法

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JP2724099B2
JP2724099B2 JP29104493A JP29104493A JP2724099B2 JP 2724099 B2 JP2724099 B2 JP 2724099B2 JP 29104493 A JP29104493 A JP 29104493A JP 29104493 A JP29104493 A JP 29104493A JP 2724099 B2 JP2724099 B2 JP 2724099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は雄ねじと雌ねじとを有す
る締結部材およびそれを製造する技術に関し、特に、雄
ねじと雌ねじとの締結力を向上させるようにした締結部
材およびそれを製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の被締結部品を相互に締結するため
にボルトとナットからなるねじ部材が使用されており、
ボルトとナットとの緩みを防止するために、スプリング
ワッシャ等の部品を付加的に用いるのが通常である。
【0003】このような付加的な部品を用いることな
く、ボルトとナット相互の緩みを防止するために、ボル
トのねじ山にねじ山の先端部から径方向に延びるスリッ
トを形成するようにしたものが、たとえば特公平3−4
6686号公報に記載されている。
【0004】この公報に記載されたねじ部材は、一方の
ねじ部材のねじ山をスリットを介して軸心方向に2つの
部分に区分するようにしたものであり、ねじ山の側面の
径方向中央部分で他方のねじ部材の側面に圧接させるよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者
は、2つのねじ部材を相互に強い締結力でねじ結合させ
る技術について検討した。以下は、本発明者によって検
討された技術であり、その概要は次のとおりである。
【0006】すなわち、雄ねじ側つまりボルト側のねじ
山にスリットを形成した場合には、ボルトとナット相互
の緩みを防止するには、ボルトの軸心からできるだけ離
れた部分でナットに対して強い圧接力を付勢するように
した方が、より大きな抵抗力を発生させて大きなトルク
に対しても締め付け力を確保することができると考えら
れる。
【0007】また、ボルトのねじ山の側面のうち、ねじ
山の先端部側と根元側とでナットのねじ山に圧接させる
ことにより、両方の部分が相互にナットのねじ山の側面
に圧接力を影響し合うようにすることができ、良好な締
め付け力のバランスを達成することができると考えられ
る。
【0008】本発明の目的は、締結力を強固にし得る雄
ねじと雌ねじとからなりこれら相互を強固な締結力で締
結し得る締結部材を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、セルフロックねじ部
材を効率良く製造し得る締結部材の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0012】すなわち、締結部材は先端部と側面とを有
しねじ本体部から螺旋状に突出して形成された第1ねじ
山を有する第1ねじ部材と、先端部と側面とを有しねじ
本体部から螺旋状に突出して形成された第2ねじ山を有
し前記第1ねじ部材に対して軸心を中心とした相対回転
によりねじ結合される第2ねじ部材とを備えている。前
記第1ねじ山にはその第1ねじ山の前記先端部から径方
向に延びるスリットが形成され、前記第1ねじ山の前記
先端部には前記第2ねじ山の側面に圧接する先端側圧接
部が形成され、前記第1ねじ山の前記側面には前記第2
ねじ山の側面に圧接する根元側圧接部が形成されてい
る。そして、前記第1ねじ部材と前記第2ねじ部材とを
ねじ結合させたときに、前記先端側圧接部と前記根元側
圧接部との一方の前記軸心に平行な弾性変形を他方の第
2ねじ山に向かう圧接力に変換させる凹部が、前記第2
ねじ山の側面に前記先端側圧接部と前記根元側圧接部と
の間に位置させて形成されている。
【0013】また、スリットに対応するスリット用ねじ
溝と、ねじ山相互間のねじ溝に対応する製品用ねじ溝と
からなる二条ねじを有するねじ粗材を成形する粗材成形
工程と、平形転造ダイスを用いてスリット用ねじ溝の間
隔を狭くするとともに、製品用ねじ溝の間隔を押し広げ
て一条ねじを形成する一条ねじ成形工程と、平形転造ダ
イスを用いて前記一条ねじのねじ山の側面に凹部を形成
するとともに、一条ねじの製品用ねじ溝を深くしなが
ら、根元側圧接部と凹部とを形成してねじを成形する仕
上げ工程とを有する。
【0014】
【作用】第1ねじ部材と第2ねじ部材とをねじ結合させ
ると、第1ねじ部材に形成された先端側圧接部と根元側
圧接部とのいずれか一方がねじ部材の軸心に沿う方向に
弾性変形し、その弾性変形が凹部を介して他方の弾性変
形に変換されて、両方の圧接部が第2ねじ部材に強く圧
接することになる。これにより、締結力が強くなり、ね
じ結合された状態でのねじ部材の緩みが防止される。
【0015】一方、スリット用ねじ溝と製品用ねじ溝と
からなる二条ねじを有するねじ粗材を成形した後に、ス
リット用ねじ溝の幅を狭くして一条ねじを成形し、さら
に仕上げ工程で第1ねじ部材の最終形状を成形すること
により、簡単な工程で第1ねじ部材を製造することがで
きる。
【0016】
【実施例】以下、図示する本発明の実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。
【0017】(実施例1)図1は通常のボルト1とナッ
ト2とをねじ結合させた状態を示す断面図であり、この
ボルト1は第1ねじ部材となり、第2ねじ部材としての
ナット2に対して軸心3を中心としてボルト1を相対的
に回転させることにより、これらを相互にねじ結合させ
たり、ねじ結合を解くことができる。ボルト1は断面円
形の棒状の本体部4と、これに一体となり本体部4から
外方に向けて螺旋状に突出して形成されたねじ山5とか
ら形成され、ナット2は環状の本体部6とこれに一体と
なり本体部の内面から軸心3に向けて内方に螺旋状に突
出して形成されたねじ山とから形成されている。
【0018】図2(a),(b)は本発明の一実施例で
ある締結部材の一部を示す拡大断面図であり、図2
(a)はナットにねじ結合される前のボルト1を示し、
図2(b)はボルト1とナット2とがねじ結合された状
態を示す。ボルト1は棒状の本体部4とこの本体部4か
ら螺旋状に外方に向けて突出して形成されたねじ山5と
を有している。一方、ナット2は環状の本体部6とこの
本体部6から螺旋状に内方に向けて突出して形成された
ねじ山7とを有している。
【0019】ナット2のねじ山7は、内周面が軸心3と
平行に真っ直ぐとなった先端部11と、この先端部11
からねじ底面12に向けて傾斜した側面13とにより形
成されている。図示するナット2はメートル並目ねじで
あり、軸心3に沿う方向の断面において相互に隣り合う
ねじ山7の側面13相互のフランク角θは、60°とな
っている。
【0020】ボルト1のねじ山5は、外周面が軸心3と
平行となった真っ直ぐな先端部21と、この先端部21
からねじ底面22に向けて傾斜した側面23とにより形
成されており、ねじ山5の両側面23のなすフランク角
は、ナット2のフランク角θと同様となっている。
【0021】ボルト1のねじ山5には、その先端部21
から径方向に延びるスリット24が形成されており、こ
のスリット24はねじ山5の軸心3の方向の中心部に位
置しており、螺旋状に連なっている。したがって、ねじ
山5の先端部21は軸心方向にスリット24を介して2
分割されることになり、先端部21の軸心方向の両側に
は、先端側圧接部25が形成される。図示する場合に
は、この先端側圧接部25のうち軸方向最外側部は、図
2(a)に二点鎖線で示すように、ねじ結合される前の
状態におけるナット2のねじ山7の側面13とほぼ同一
の位置か、あるいはそれよりも内側となっている。
【0022】ねじ山5の側面23にはそれぞれ軸心方向
に外方に向けて突出する根元側圧接部26が、ねじ山5
の高さ方向の寸法の中間部よりもやや根元側に位置させ
て、形成されている。この根元側圧接部26は、図示す
る場合には、ねじ結合される前の状態におけるナット2
のねじ山6の側面13に交叉するように軸方向に突出し
ている。
【0023】そして、先端側圧接部25と根元側圧接部
26との間の側面23は凹面となっており、この凹面に
よりねじ山5には、凹部27が形成されている。この凹
部27が形成されていることから、図2(b)に示すよ
うに、ボルト1をナット2にねじ結合すると、根元側圧
接部26が軸心3に平行な方向にねじ山5側に弾性変形
し、この弾性変形によって先端側圧接部25がナット2
のねじ山7の側面13に向かう圧接力に変換されること
になる。つまり、根元側圧接部26が弾性変形すると、
スリット24が広げられるように先端側圧接部25が弾
性変形することになる。
【0024】この結果、図2(b)に示すように、ボル
ト1のねじ山5とナット2のねじ山7は、ねじ山5の先
端部およびねじ山7の根元側の側面の部分と、ねじ山5
の根元側の側面およびねじ山7の先端部とにおいて相互
に圧接つまり圧力を受けた状態で接触することになり、
ねじ山5,7の相互には強い摩擦力が作用することにな
る。したがって、このようなボルト1を用いてナット2
にねじ結合すると、緩みに対して強い抵抗力が得られ、
スプリングワッシャ等を用いることなく、ボルト1の緩
みを防止することができる。
【0025】(実施例2)図3(a),(b)は、本発
明の他の実施例の締結部材を示す図であり、前記実施例
におけるねじ部材と共通する部分には同一の符号が付さ
れている。
【0026】この締結部材にあっては、図3(a)に示
すようにボルト1をナット2にねじ結合する前の状態で
は、ボルト1の先端側圧接部25がナット2のねじ山7
の側面13に交叉するように、軸心3の方向に突出して
いる。一方、根元側圧接部26の先端はナット2のねじ
山7の側面13にほぼ接触するか、あるいはそれよりも
内側となっている。
【0027】したがって、このボルト1をナット2にね
じ結合すると、図3(b)に示すように、先端側圧接部
25が内方に向くように弾性変形してスリット24の幅
が狭くなるように変形することになる。凹部27の作用
によって、この弾性変形が根元側圧接部26を軸方向外
方に突出させてナット2のねじ山7に根元側圧接部26
を圧接させる圧接力に変換されることになる。
【0028】この場合にも、前述した実施例と同様に、
ボトル1とナット2とを相互にねじ結合させると、ねじ
山5,7は相互に強い摩擦力が作用して、両方の間には
強い抵抗が発生することになり、ボルト1とナット2の
相互の緩みが防止される。
【0029】前述したボルト1およびナット2は、炭素
鋼によって製造されているが、ねじ部材の用途に応じて
合金鋼や合成樹脂等の非鉄金属を用いて製造するように
しても良い。
【0030】図2(a)および図3(a)は、いずれも
ボルト1全体のねじ山のうち一部のねじ山5の部分を拡
大して示しており、図1に符号1aで示すように、ボル
ト1の先端の部分の1ピッチあるいは2〜3ピッチ程度
の部分だけ、通常のボルトと同様なフラットな側面とす
るとともに、ナット側のねじ溝よりも小さい寸法に設定
してある。これにより、ボルト1をナット2にねじ結合
する際には、締め付けの開始時には、軽く相対回転させ
るだけで、ボルト1をねじ結合させることができる。引
き続いて相対回転させると、抵抗力が強くなるが、数ピ
ッチ分のねじ山は既にねじ結合を完了しているので、抵
抗力が強くとも、比較的容易にねじの締結を行うことが
できる。
【0031】(他の実施例)図2および図3に示す実施
例は、第1ねじ部材をいずれもボルト1つまり雄ねじと
した場合であるが、第1ねじ部材をナット2つまり雌ね
じとすることも可能である。つまり、ナット2のねじ山
7にスリット24を形成し、さらに先端側圧接部25、
根元側圧接部26、および凹部27をねじ山7に形成す
るようにしても良い。
【0032】図示する場合は、メートル並目ねじに本発
明を適用した場合を示すが、ウイットねじ、ユニファイ
ねじ、台形ねじ、管用ねじ等のように種々のタイプのね
じ部材に対して本発明を適用することが可能である。な
お、ボルト1の種類としては、図1に示すようなボルト
以外に、六角孔付きボルト等に対して適用することがで
きる。
【0033】また、図示するねじ部材にあっては、スリ
ット24の深さつまり径方向の寸法をねじ山5の高さの
半分程度の寸法としており、スリット24の底面を根元
側圧接部26の位置のあたりにしているが、これよりも
深いスリット24としても良い。このように、スリット
24の深さを変化させることにより、ねじ結合された際
における抵抗力を変化させることができ、緩み防止の程
度をねじ部材の用途に応じて調整することができる。
【0034】(製造方法)図4(a)〜図4(c)は塑
性加工によって前述したナット1を製造する手順を示す
図であり、いずれもナット1のねじ山5の部分を拡大し
て示している。
【0035】ナット1の製造工程は、基本的には、粗材
成形工程と、この工程で成形された粗材を一条ねじに成
形する一条ねじ成形工程と、この工程で成形された一条
ねじを製品に仕上げる仕上げ工程とを有している。
【0036】図4(a)は粗材成形工程が完了した後の
ボルト粗材31を示す図であり、ねじ粗材つまりボルト
粗材31は、スリット用ねじ溝32と製品用ねじ溝33
とを有する二条ねじとなっている。したがって、スリッ
ト用ねじ溝32は螺旋状に連なり、製品用ねじ溝33は
スリット用ねじ溝32の間に螺旋状に連なっており、ね
じ山の部分も二条ねじとなっている。それぞれのねじ溝
32,33の深さは、ボルト1に形成されるスリット2
4の深さに対応した深さよりも浅くなるように粗材成形
時に設定される。図示する場合には、スリット用ねじ溝
32の深さと、製品用ねじ溝33の深さを同一に設定し
ているが、製品用ねじ溝33の深さをスリット用ねじ溝
32の深さよりも深く成形するようにしても良い。
【0037】このようなボルト粗材31を成形するに
は、まず、炭素鋼製の丸棒を用いて切削加工等により所
定の直径にし、それをねじ転造盤を用いて図4(a)に
示すように塑性加工するか、焼結による粉体成形、ある
いは切削により図示する形状に成形する。転造加工する
場合のねじ転造盤としては、平形ダイス式ねじ転造盤や
丸形ダイス式ねじ転造盤があるが、図示する場合には平
形ダイス式ねじ転造盤を用いてボルト粗材31を塑性加
工した。
【0038】図4(a)に示すように、粗材成形工程に
おいて二条ねじとなって成形されたボルト粗材31を、
二条ねじ成形用の転造盤にセットし、図4(b)に示す
ように、スリット用ねじ溝32の間隔つまり幅を狭くす
るとともに、製品用ねじ溝33の間隔を押し広げて一条
ねじ41を形成する。つまり、スリット用ねじ溝32を
中心としてそれの両側に位置するねじ山の部分が相互に
接近するように塑性変形し、同時に製品用ねじ溝33の
深さが大きくなる。
【0039】次いで、一条ねじ成形工程を終了した一条
ねじ41は、仕上げ加工用の平形ダイス式ねじ転造盤に
セットされ、図4(c)に示すように最終製品に仕上げ
成形される。このときの、仕上げ用転造盤のダイスの表
面は、ボルト1のねじ溝の断面形状に対応した断面形状
となっており、図2および図3に示された根元側圧接部
26に対応した凹溝および凹部27に対応した凸部が転
造ダイスに形成されている。
【0040】仕上げ加工により、ボルト粗材31のスリ
ット用ねじ溝32は狭められてスリット24となり、同
時にボルト粗材31の製品用ねじ溝33を深く絞るよう
に塑性加工される。これにより、ねじ溝33の仕上げ時
にボルトの根元側圧接部26に対応する部分は、転造ダ
イスに形成された凹溝内に入り込み、根元側圧接部26
が成形されるとともに、凹部27が形成されて、一条ね
じのボルト1が得られる。
【0041】前述のように、一条ねじ成形工程と仕上げ
工程において、平形ダイス式ねじ転造盤を使用したの
は、丸形ダイス式ねじ転造盤では根元側圧接部26のよ
うに突起部分を有するねじを成形することが困難なため
であり、平形ダイスを用いることにより、図示する形状
のねじ部材を成形することができる。また、図4(a)
〜図4(c)の各工程を前述したように、別々の転造盤
を用いることなく、一台の転造盤によって連続的に塑性
加工するようにしても良い。
【0042】一方、焼結金属を用いて粉体成形によって
ねじ部材を成形するようにしても良く、さらに合成樹脂
のねじ部材を成形する際には、射出成形等の樹脂成形装
置により成形しても良く、さらにアルミ等の軽金属のね
じ部材を成形する際には、ダイキャスト等によって金型
を用いて成形するようにしても良い。
【0043】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0045】(1).第1ねじ部材と第2ねじ部材とをねじ
結合させると、第1ねじ部材の先端側圧接部と根元側圧
接部とのいずれか一方が軸心に平行な方向に弾性変形
し、他方が第2ねじ部材のねじ山の側面に圧接すること
になり、両方のねじ部材は相互に強固な抵抗力をもって
締結され、両ねじ部材の緩みが確実に防止される。
【0046】(2).二条ねじのねじ粗材を用いてまず一条
ねじを形成しその後に仕上げ工程によりねじ部材の最終
製品を成形することにより、簡単な製造工程で複雑な形
状のねじ部材を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボルトとナットがねじ結合された状態を示す断
面図である。
【図2】本発明の一実施例の締結部材の要部を示す拡大
断面図であり、(a)はナットにねじ結合される前のボ
ルトを示し、(b)はボルトとナットがねじ結合された
状態を示す。
【図3】本発明の他の実施例の締結部材の要部を示す拡
大断面図であり、(a)はナットにねじ結合される前の
ボルトを示し、(b)はボルトとナットがねじ結合され
た状態を示す。
【図4】締結部材の製造方法を示す拡大断面図であり、
(a)は粗材成形工程を示し、(b)は一条ねじ成形工
程を示し、(c)は仕上げ工程を示す。
【符号の説明】
1 ボルト(第1ねじ部材) 2 ナット(第2ねじ部材) 3 軸心 4 本体部 5 ねじ山 6 本体部 7 ねじ山 11 先端部 12 ねじ底面 13 側面 21 先端部 22 ねじ底面 23 側面 24 スリット 25 先端側圧接部 26 根元側圧接部 27 凹部 31 ボルト粗材(ねじ粗材) 32 スリット用ねじ溝 33 製品用ねじ溝 41 一条ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−46686(JP,A) 特開 昭62−241613(JP,A) 特開 平3−149128(JP,A) 特開 平7−42724(JP,A) 実開 平2−101119(JP,U) 特公 昭47−39387(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部と側面とを有しねじ本体部から螺
    旋状に突出して形成された第1ねじ山を有する第1ねじ
    部材と、先端部と側面とを有しねじ本体部から螺旋状に
    突出して形成された第2ねじ山を有し前記第1ねじ部材
    に対して軸心を中心とした相対回転によりねじ結合され
    る第2ねじ部材とを備え、 前記第1ねじ山にその第1ねじ山の前記先端部から径方
    向に延びるスリットを形成し、 前記第1ねじ山の前記先端部に前記第2ねじ山の側面に
    圧接する先端側圧接部を形成し、 前記第1ねじ山の前記側面に前記第2ねじ山の前記側面
    に圧接する根元側圧接部を形成し、 前記第1ねじ部材と前記第2ねじ部材とをねじ結合させ
    たときに、前記先端側圧接部と前記根元側圧接部との一
    方の前記軸心に平行な弾性変形を他方の第2ねじ山に向
    かう圧接力に変換させる凹部を、前記第2ねじ山の側面
    に前記先端側圧接部と前記根元側圧接部との間に位置さ
    せて形成したことを特徴とする締結部材。
  2. 【請求項2】 前記第1ねじ部材を雄ねじと雌ねじの一
    方のねじとし、前記第2ねじ部材を雄ねじと雌ねじの他
    方のねじとしたことを特徴とする請求項1記載の締結部
    材。
  3. 【請求項3】 ねじ山にその先端部から径方向に延びる
    スリットが形成され、前記ねじ山の側面に先端側圧接部
    と根元側圧接部とが形成され、これらの圧接部の間に凹
    部が形成されたねじ部材を製造する締結部材の製造方法
    であって、 前記スリットに対応するスリット用ねじ溝と、前記ねじ
    山相互間のねじ溝に対応する製品用ねじ溝とからなる二
    条ねじを有するねじ粗材を成形する粗材成形工程と、 平形転造ダイスを用いて前記スリット用ねじ溝の間隔を
    狭くするとともに、前記製品用ねじ溝の間隔を押し広げ
    て一条ねじを形成する一条ねじ成形工程と、 平形転造ダイスを用いて前記一条ねじのねじ山の側面に
    凹部を形成するとともに、前記一条ねじの前記製品用ね
    じ溝を深くしながら、前記根元側圧接部と前記凹部とを
    形成してねじを成形する仕上げ工程とを有する締結部材
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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