JP2004245322A - 雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造、およびそのための雄ねじ部構造 - Google Patents

雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造、およびそのための雄ねじ部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】雌ねじと雄ねじの組合せによって緩み止を行なう、雌ねじと雄ねじのねじ部構造を提供する。
【解決手段】雌ねじのねじ部の入口側端部と出口側端部のうちの出口側端部の内径を、中間部より小さくなるように全周にわたりテーパ状に縮径してねじ部を形成し、その縮径雌ねじ部のねじ山は周方向に繰り返し連続する凹凸部を形成する。一方、雌ねじと螺合する雄ねじのねじ部の谷底には、周方向に繰り返し連続する凹凸を形成する。この雄ねじと雌ねじが螺合したときには、縮径雌ねじ部のねじ山の複数の凸部のうち少なくとも一つが、雄ねじの雄ねじ部の谷底における凹部のうちの少なくとも一つと嵌り合って、縮径雌ねじ部の凸部は雄ねじ部の谷底又はねじ山側面に食い込んで締付けられ、雄ねじと雌ねじとの緩みが防止できる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットとボルト等の緩みを防止する雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造とそのための雄ねじ部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボルトとナットを組み合わせて使用する際の緩み止め効果を図ったナットやボルトが知られている。例えば、特許文献1にはナットの雌ねじ部におけるねじ山に周方向に繰り返し連続する凹凸を設けてその雌ねじ部分を縮径したものや、また特許文献2には、ボルトの雄ねじ部の山を形成する傾斜部分に凹凸を形成したもの等が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−37129号公報
【特許文献2】
特開2001−227524号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、長期間の使用中には振動等の外力によって、緩み(滑り)が生じてしまい、十分な緩み止め効果が得られないでいた。
【0005】
したがって、本発明の課題はナット等の雌ねじ部構造とボルト等の雄ねじ部構造とを組み合わせて、さらなる緩み止め効果を図った雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造とそのための雄ねじ部構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明に係る雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造は、雄ねじ部材に対する雌ねじ部の螺合の入口側端部と出口側端部のうちの出口側端部を、そこの雌ねじ内径が中間部より小さくなるように全周にわたりテーパ状に縮径して円錐状断面の縮径雌ねじ部を形成するとともに、
その縮径雌ねじ部のねじ山の周方向に繰り返し連続する雌ねじ側凹凸として、それらの雌ねじ側凸部の群が雌ねじ部の中心側に突出し、それらの雌ねじ側凹部の群れが雌ねじ部の中心側から後退する形態で形成し、
その雌ねじ部材と螺合する前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底を周方向に繰り返し連続する雄ねじ側凹凸として、それらの雄ねじ側凸部の群が雄ねじ部の中心から径方向外側に突出し、それらの雄ねじ側凹部の群が雄ねじ部の中心へ向けてから後退する形態で形成し、
前記雄ねじ部に前記雌ねじ部が螺合された状態で、前記縮径雌ねじ部のねじ山における凹凸の複数の雌ねじ側凸部のうち少なくとも一つが、前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底における凹凸の複数の雄ねじ側凹部のうちの少なくとも一つと嵌り合い、
前記縮径雌ねじ部の凸部の群が前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底又はねじ山側面に食い込んで締付けるとともに、前記雌ねじ側凸部と雄ねじ側凹部の一つまたは複数の嵌り合いによって前記雌ねじ部と雄ねじ部との回転を抑制することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、雌ねじ側凹凸が形成される雌ねじ内径は中間部より小さくなるように全周にわたってテーパ状に縮径されているため、全周の一部に押圧力を加えて変形させた場合のような雌ねじ部の変形のばらつきが生じにくい。さらに本発明に係る雌ねじ部材と雄ねじ部材の組み合わせによれば、雌ねじ部のねじ山に形成された雌ねじ側凹凸と、雄ねじ部の雄ねじの谷底に形成された雄ねじ側凹凸とが、一箇所もしくは複数箇所で嵌り合うことによって、雌ねじ部と雄ねじ部を係止させる。
【0008】
さらに本発明の具体的な形態として、前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸と前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸とは、互いに嵌合可能に対応させた同様な凹凸形状とすることができる。また、その数においても対応させて同数とすることができる。
【0009】
このようにすれば、雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸と雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸がそれぞれの各山で個々に嵌り合う(かみ合う)ため、雌ねじ部材と雄ねじ部材がロックされた状態となり緩み止めの効果が得られる。
【0010】
またここで、縮径雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凸部が、雄ねじ部材の谷底又はねじ山側面との間で互いに押圧力を及ぼし合う際に、ねじ山の雌ねじ側凸部が弾性的に圧縮された肉部が両側に凹部があるため両側に逃げ易く、これが螺合時のトルクの激増を抑える。同様に、雄ねじ部材の谷底の雄ねじ側凸部が、雌ねじ部材のねじ山又は雌ねじの谷側面との間で押圧力を受け、谷底の雄ねじ側凸部が弾性的に圧縮された肉部が両側に逃げて、螺合完了後には前述の雌ねじ側凸部が弾性的に圧縮された肉部と圧接状態となり、良好な緩み止め機能が果たされる。
【0011】
また、本発明の別な具体的な形態として、前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の数は、前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸の数の整数倍であるとすることもできる。
【0012】
このようにすれば、前述した凹凸の数が同数の場合と違って、例えば1つの雌ねじ側凹部に対して2つの雄ねじ側凸部が嵌り込む。整数倍に設定しておけば雌ねじ側凹部には必ず雄ねじ側凸部が嵌り込み、かつ雄ねじ部側の凹凸が雌ねじ部側の凹凸より数が多いために、締め付け時の雄ねじ部側凸部と雌ねじ側凹部との嵌合が容易になる。
【0013】
またさらに、前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の数は、前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸の数よりも多くかつ整数倍でないように構成することもできる。
【0014】
このようにすれば、嵌り合う箇所は1ヶ所であるが、締め付け時に雄ねじ側凹部が(又は雌ねじ側凸部が)少しだけ回転することによって任意の雌ねじ側凸部と(又は雄ねじ側凹部と)1ヶ所で嵌り合うことができる。つまり、雄ねじ側凹凸の数と雌ねじ側凹凸の数とをあえて異なる数に設定することによって、任意の一ヶ所ではそれぞれの凹凸が嵌り合い、嵌り合わない部分においては例えば雌ねじ側凸部と雄ねじ側凸部又は雄ねじのねじ山側面とが圧接されて押圧し合うこととなる。
【0015】
また、前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の具体的な形状は、例えば円弧状に波打つ形態や、平面視で雄ねじ側凸部がその先端側から基端側に幅広となる山(三角等)形状又は台形状、雄ねじ側凹部がその反対の逆三角形状又は逆台形状等とすることもできる。いずれの形状においても、雄ねじ側凸部の先端部分の断面積は基端側の断面積より小さくなっているため弾性変形し易く、したがって締付け時のトルクを小さくすることができる。また、この形状は雌ねじ側凹凸にも同様に適用でき、凹凸の形状を必要に応じて雌ねじ部材と雄ねじ部材において対応させておけば、より適当な圧接状態が得られ、緩み止めの効果も奏する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例である緩み止めナット及び緩み止めボルトを示す正面図である。図に示す1は緩み止めナット本体(以下、ただ単にナットとも言う)であり、平面視において、螺合するボルトの入口側である入口側端部2から中間部5までが六角形状とされ、出口側端部3が裁頭円錐台形状の外観を呈し、そこがテーパ外周面9となっている。
【0018】
ナット1の中心には、雌ねじ部4が入口側端部2から出口側端部3まで貫通して設けられている。雌ねじ部4は、入口側端部2から中間部5までの内径が同一とされた主雌ねじ部6と、その主雌ねじ部6から出口側端部3にかけて内径が縮径されている縮径雌ねじ部7とからなる。縮径雌ねじ部7は、その雌ねじ内径が主雌ねじ部6の内径より小さくなるように全周にわたってテーパ状に縮径され、円錐断面形状を有するものである。
【0019】
また、縮径雌ねじ部7における雌ねじのねじ山8には図2に示すように、その周方向に繰り返し連続する波状の凹凸20が形成されている。凹凸20が形成されるのは縮径雌ねじ部7の、3条弱のねじ山であり、これらのねじ山にわたって連続的に形成され、隣接するねじ山同士間でその凹凸の並びがねじ山を横断する直線上に揃うように互いに対応する位置に形成されている。また、凹凸20の雌ねじ側凸部22は縮径雌ねじ部7の1周で例えば12箇所形成されている。
【0020】
さらに、図5は縮径雌ねじ部7の凹凸部20部分の径および凹凸20のピッチSを説明する図である。凹凸20の雌ねじ側凸部22は、図に示すように縮径雌ねじ部7の中心側に突出する形で形成され、雌ねじ側凸部22の先端は縮径雌ねじ部7のねじ山先端に、雌ねじ側凹部24の基端側は縮径雌ねじ部7の谷底にほぼ一致している。凹凸20が形成される縮径雌ねじ部7は上述のように主雌ねじ部6の内径より小さくなっているため、周方向に連続的に繰り返す雌ねじ側凸部22の先端を結ぶ内接円26の直径d1は、螺合されるボルトの谷径よりも小さくされている。また、雌ねじ側凹部22の基端側をつなぐ内接円の直径d2は、ボルトの谷径より大きいか等しい程度となっている。
【0021】
図1に戻って、10は緩み止めボルト本体であり、先端には頭部15を備え、頭部15を除いたボルト本体10の側面には全体にわたって雄ねじ部11が形成される。この雄ねじ部11の谷底13には、上述のナット1と同様に雄ねじ部11の周方向に連続した凹凸部が形成される。図3に、ボルト10の平面図を示す。36は軸部であり、雄ねじ部の周方向に波形状の凹凸34が形成される。ここでの雄ねじ側凹凸34はナット1における雌ねじ側凹凸20と嵌り合うように対応させており、同形状、同数として形成している。つまり、雄ねじ側凸部32は、径方向外側へ突出する形で例えばねじの1周に12個形成されるものである。逆に雄ねじ側凹部34は軸の中心側へ向けて突出するような形態で凹部として形成される。
【0022】
また、螺合するナット1に形成される雌ねじ側凹凸20と同数とするなら、この波状の雄ねじ側凹凸30は、螺合する3条弱のねじ山部分に同数形成することができる。同数形成とすれば、雄ねじ側凸部32、雄ねじ側凹部34はそれぞれ、雌ねじ側凹部24、雌ねじ側凸部22と嵌り合って、ボルトとナットの係止効果を生む。
【0023】
次に、このような構造の緩み止めナット1と緩み止めボルト10を螺合した時の作用について述べる。図4はその作用を説明する図である。(a)に示すように、緩み止めナット1をその入口側端部2の雌ねじ部4へボルト10を螺合していくと(ボルト10をナット1に螺合させる場合も同様)、そのボルト10とナット1の螺合の後半ないしは終端近傍において、(b)に示すように、ボルト10の先端部がナット1の縮径雌ねじ部7に達する。
【0024】
その後は、縮径雌ねじ部7に形成された雌ねじ側凸部22の内接円の直径d1がボルト10の谷径より小さいため、雌ねじ側凸部22がボルト10の雄ねじ部11(螺合する雄ねじ部分)のねじ山やねじの谷底又はねじ山を挟む傾斜面を押圧する。同様にその雌ねじ側凸部22が圧接する雄ねじ部11は弾性的に圧縮され、雄ねじ部と雌ねじ部とが互いに押圧力を及ぼし合うこととなる。ここで第1の緩み止め効果が生まれ、さらに続いて、ボルト10に形成された雄ねじ側凹凸30がナット1に形成された雌ねじ側凹凸20部分に係合していく(嵌合しつつ押圧される)。これらが第2の緩み止め効果として作用する。
【0025】
ここで(c)に示すように、最終的にボルトが奥まで進入し終わるまでには、雄ねじの谷底13に形成される雄ねじ側凹部34(又は雄ねじ側凸部32)と、雌ねじのねじ山8に形成される雌ねじ側凸部22(又は雌ねじ側凹部24)とが、それぞれ嵌り合っては外れ、再び隣の凹凸部の嵌め合いへと進み、その作用を繰り返す。この時、いったん嵌り合った凹凸が外れて次の隣接する凹凸部の嵌め合いへと進むということは、ボルト10の進行に伴って雌ねじ側凸部22と雄ねじ側凸部32が互いにぶつかり合って、圧接状態で擦れ合う滑りの状態が発生する。ともすればこの滑りによって発生する周方向への応力によって凸部が削られる恐れがあるが、それぞれの凸部22および32は、上述の如く凸部の先端から基端辺にかけて幅広の形態を採っており、凸部の先端がそれぞれ弾性的に変形しやすく、またこの凹凸のピッチをあらかじめ考慮して適度に設定しておけば、凸部の摩耗等の問題を回避できる。好適な凹凸数については、縮径雌ねじ部の平均内径dや縮径雌ねじ部のねじ山のピッチによって相違する場合があるので一概には言えないが、例えば図5に示すように縮径雌ねじ部7の平均内径dを基準とした場合、凹凸20のピッチSが0.1〜0.5dの範囲になるように雌ねじ側凹凸20の大きさや数を定めることが望ましい。雄ねじ側凹凸30も、これと同様に形成することができる。
【0026】
このようにして、図4(c)および螺合完了後のナット1とボルト10の平面図として図6に示すように完全にナット1とボルト10が螺合し終わった際には、複数の凹凸のそれぞれの嵌合によって良好な緩み止め効果が果たされる。
【0027】
次に、本発明の別の実施例を述べる。これまでは雌ねじ部における雌ねじ側凹凸と雄ねじ部における雄ねじ側凹凸の数を同数とした場合について述べてきたが、この凹凸の数は必ずしも同数に限られるものではない。図7はその例として雄ねじ側凹凸の数を雌ねじ側凹凸の数の2倍に設定した実施を示す図である。比較のため、図6に示すナット1と図7に示すナット1とは、同形状、同寸法のものとして以下述べる。よって、ナット1に形成される雌ねじ側凹凸20は先ほどと同様な形状、個数として例えば波状にねじ山の1周に12個形成される。それに対して、ボルトの雄ねじ側凹凸30の個数は雌ねじ側凹凸20の2倍の24個、その凹凸の1つの凸部面積は雌ねじ側凹部の1つの面積よりも小さく、雌ねじ側凹部24内に雄ねじ側凸部42が入り込むように形成される。
【0028】
この場合、2つの雄ねじ側凸部42が1つの雌ねじ側凹部24に嵌合することになり、嵌り合わない雄ねじ側凸部42(又は凹部)が発生する。しかし、雌ねじ側凸部22の先端部分にはその各々で雄ねじ側凹部44が嵌り合い、また、ボルトとの螺合の際に凸部42の1ピッチ分だけ動けば、その位置で再び嵌り合うことができる。当然その1ピッチ分の長さは上記の実施例図5におけるピッチS(言い換えれば、雌ねじ側凹凸20における1ピッチ)よりも小さいために、嵌り合う可能性が高くなる。つまり、嵌り合うことができる雄ねじ側凹凸30の形成間隔が狭いために、嵌り合い易くなるのである。
【0029】
また、雄ねじ側凹凸と雌ねじ側凹凸の数が同数ではなく、また一方の凹凸の数がもう一方の凹凸の数の整数倍でもない場合については特に図示しないが、上記と同様なことが言える。つまり、この場合それぞれの凹凸が嵌り合うのは一ヶ所であるが、雄ねじ側凹凸の形成間隔を狭くしておけば、上記と同様に嵌り合うことができる雄ねじ側凹凸が多数となり、いわばボルトとナットの螺合時のどの位置の状態でも1ヶ所においては嵌合して、緩み止め効果を図ることができる。嵌り合わない部分においては例えば雌ねじ側凸部と雄ねじ側凸部又は雄ねじのねじ山側面とが圧接されて押圧し合うこととなる。
【0030】
なお、ナット1の縮径雌ねじ部7とボルト10が螺合することに伴い、縮径雌ねじ部7の内径は弾性的にある程度拡径された状態となるのが普通である。その際、縮径雌ねじ部7の内径テーパ角は図4のα2からα3へ所定量小さくなる場合がある。この状態で、螺合してきたボルト10は縮径雌ねじ部7を押し広げるように進入して、縮径雌ねじ部7は周方向へ弾性的に変形する。この周方向の引張力がボルトの雄ねじの凹凸(又はねじ山側面)の押圧力となって作用することで、より効果的な圧接状態を生み出し、十分な緩み止め効果が発揮される。
【0031】
次に、これまで説明してきた緩み止めボルト10の製造方法について簡潔に述べる。図8は、緩み止めボルト10の製造方法を説明する図である。まず、公知の技術の通りにボルト素材である丸棒51を板ダイス50間で転がして雄ねじを切るのであるが、この際、図9に示すように板ダイス50のねじ山53部分には複数の突起52が設けられて、この突起52が丸棒51に刻まれる雄ねじの谷となる部分を所定の凹凸形状に形成していく。
【0032】
なお、ここでは板ダイスに三角形状の凸部を設けた構成としたが、逆に板ダイスに凹部を形成する構成としてもよい。緩み止めボルトの凹凸形状はこれまで述べてきた波状形状の他に、例えば、図10(a)に示すような台形状の凹凸62や、(b)に示すような三角形状の凹凸72とすることもできる。いずれにせよ、雄ねじのねじ山に刻みたい所望の形状に望ませた凹凸を、その条数分にわたって板ダイスに形成しておくことによって、この緩み止めボルト10を製造することができる。
また、本発明はナットおよびボルトに限定されるものではなく、雌ねじおよび雄ねじ構造をとる締結部材に広く適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である緩み止めナット及びボルトの正面図。
【図2】緩み止めナットの平面図。
【図3】緩み止めボルトの平面図。
【図4】緩み止めナットと緩み止めボルトを螺合した際の作用説明図。
【図5】縮径雌ねじ部の内径および凹凸のピッチを示す図。
【図6】緩み止めナットと緩み止めボルトの凹凸部の螺合を説明する図。
【図7】別の実施例の緩み止めナットおよび緩み止めボルトの凹凸部の螺合を説明する図。
【図8】緩み止めボルト製造方法を説明する図。
【図9】その板ダイス部分の拡大図。
【図10】緩み止めボルトの別の凹凸形状の例を示す図。
【符号の説明】
1 緩み止めナット
2 入口側端部
3 出口側端部
4 雌ねじ部
6 主雌ねじ部
7 縮径雌ねじ部
8 雌ねじ部のねじ山
10 緩み止めボルト
11 雄ねじ部
12 雄ねじ部のねじ山
13 雄ねじ部の谷底
15 頭部
20 雌ねじ側凹凸
22 雌ねじ側凸部
24 雌ねじ側凹部
30 雄ねじ側凹凸
32,42 雄ねじ側凸部
34,44 雄ねじ側凹部
50 板ダイス
51 丸棒
52 ダイスの突起
53 板ダイスのねじ山

Claims (7)

  1. 雄ねじ部材に対する雌ねじ部の螺合の入口側端部と出口側端部のうちの出口側端部を、そこの雌ねじ内径が中間部より小さくなるように全周にわたりテーパ状に縮径して円錐状断面の縮径雌ねじ部を形成するとともに、
    その縮径雌ねじ部のねじ山の周方向に繰り返し連続する雌ねじ側凹凸として、それらの雌ねじ側凸部の群が雌ねじ部の中心側に突出し、それらの雌ねじ側凹部の群が雌ねじ部の中心側から後退する形態で形成し、
    その雌ねじ部材と螺合する前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底を周方向に繰り返し連続する雄ねじ側凹凸として、それらの雄ねじ側凸部の群が雄ねじ部の中心から径方向外側に突出し、それらの雄ねじ側凹部の群が雄ねじ部の中心へ向けて後退する形態で形成し、
    前記雄ねじ部に前記雌ねじ部が螺合された状態で、前記縮径雌ねじ部のねじ山における凹凸の複数の雌ねじ側凸部のうち少なくとも一つが、前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底における凹凸の複数の雄ねじ側凹部のうちの少なくとも一つと嵌り合い、
    前記縮径雌ねじ部の凸部の群が前記雄ねじ部材の雄ねじ部の谷底又はねじ山側面に食い込んで締付けるとともに、前記雌ねじ側凸部と雄ねじ側凹部の一つまたは複数の嵌り合いによって前記雌ねじ部と雄ねじ部との回転を拘束することを特徴とする雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造。
  2. 前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸と前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸とは、互いに嵌合可能に対応させた同様な凹凸形状であることを特徴とする請求項1に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造。
  3. 前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の数は、前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸の数と同数である請求項1又は2に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造。
  4. 前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の数は、前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸の数の整数倍である請求項1に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造。
  5. 前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸の数は、前記雌ねじ部のねじ山の雌ねじ側凹凸の数よりも多くかつ整数倍でない請求項1に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造における雄ねじ部の構造であって、
    前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸は、平面視で凸部がその先端側から基端側に幅広となる山形に形成されていることを特徴とする雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造のための雄ねじ部構造。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造における雄ねじ部の構造であって、
    前記雄ねじ部の谷底の雄ねじ側凹凸は、円弧状に波打つ形態で形成されていることを特徴とする雌ねじ部と雄ねじ部の組合せ緩み止め構造のための雄ねじ部構造。
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