JP4278816B2 - 揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法 - Google Patents

揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内歯歯車の内側で該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車を有し、この外歯歯車が偏心体と嵌合して揺動回転すると共に、前記内歯歯車の中心が、外歯歯車の周囲の内側にある歯車機構(国際分類F16H 1/32に該当する伝動機構)が広く知られている。
【0003】
この種の揺動内接噛合遊星歯車伝動機構は、例えば、第1軸と、該第1軸の回転によって回転する偏心体と、該偏心体にベアリングを介して取り付けられ偏心回転が可能とされた複数の外歯歯車と、該外歯歯車が、外ピンで構成される内歯を介して内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車に、該外歯歯車の自転成分のみを取り出す内ピンを介して連結された第2軸と、を備える。
【0004】
この構造の従来例を図12及び図13に示す。この従来例は、前記第1軸を入力軸とすると共に、第2軸を出力軸とし、且つ内歯歯車を固定することによって上記構造を「減速機」に適用したものである。
【0005】
入力軸1には所定位相差(この例では180°)をもって偏心体3a、3bが嵌合されている。この偏心体3a、3bは、それぞれ入力軸1(中心O1)に対して偏心量eだけ偏心している(中心O2)。それぞれの偏心体3a、3bには複数の軸受用ローラ4a、4bを介して2枚の外歯歯車5a、5bが複列に取り付けられている。つまり、外歯歯車5a、5bの中心には軸受孔14a、14bが形成されており、この軸受孔14a、14bと偏心体3a、3bとの隙間に軸受用ローラ4a、4bが収容(挿入)されている。なお、外歯歯車を2枚(複列)にしているのは、主に伝達容量の増大、強度の維持、回転バランスの保持を図るためである。
【0006】
外歯歯車5a、5bには内ローラ孔6a、6bが複数設けられ、内ピン7及び内ローラ8が嵌入されており、この外歯歯車5a、5bの外周にはトロコイド歯形や円弧歯形の外歯9が設けられ、この外歯9がケーシング12に固定された内歯歯車20と内接噛合している。又、前記外歯歯車5a、5bを貫通する内ピン7は、出力軸2付近のフランジ部に固着又は嵌入されている。
【0007】
内歯歯車20は、内周に軸線方向に沿った複数の半円状のピン保持孔13が形成されるピン保持リング10と、前記ピン保持孔13に回転しやすく遊嵌され且つピン保持孔13から露出した(半円状の)部分で円弧状歯形を形成する外ピン11とから構成されている。
【0008】
入力軸1が1回転すると偏心体3a、3bが1回転する。この偏心体3a,3bの1回転により、外歯歯車5a、5bは入力軸1の周りで揺動回転を行おうとするが、内歯歯車20によってその自転が拘束されるため、外歯歯車5a、5bは、この内歯歯車20に内接しながらほとんど揺動のみを行うことになる。
【0009】
今、例えば外歯歯車5a、5bの歯数をN、内歯歯車20の歯数をN+1とした場合、その歯数差Nは1である。そのため、入力軸1の1回転毎に外歯歯車5a、5bは、ケーシング12に固定された内歯歯車20に対して1歯分だけずれる(自転する)。これは入力軸1の1回転が外歯歯車5a、5bの−1/Nの回転(マイナスは逆回転を表す)に減速されたことを意味する。
【0010】
この外歯歯車5a、5bの回転は内ローラ孔6a、6b及び内ピン7(内ローラ8)の隙間によってその揺動成分が吸収され、自転成分のみが該内ピン7を介して出力軸2へと伝達される。
【0011】
この結果、入力軸1から出力軸2の間で減速比−1/Nの減速が達成される。
【0012】
なお、この内接噛合遊星歯車伝動機構は、現在種々の減速機あるいは増速機に適用されている。例えば、上記構造においては、第1軸を入力軸、第2軸を出力軸とすると共に、内歯歯車を固定するようにしていたが、第1軸を入力軸、内歯歯車を出力軸とすると共に、第2軸を固定することによっても、減速機を構成することが可能である。更に、これらの構造において、入、出力軸を逆転させることにより、「増速機」を構成することもできる。
【0013】
ところで、この種の内接噛合遊星歯車伝動機構を小型化、高負荷能力化するためには、噛み合い部や摺動部を持つ部品のうち、内歯歯車20は高力特性を有し、外歯歯車5a、5b、外ピン11、内ローラ8、内ピン7、軸受用ローラ4a、4b、偏心体3a、3bは高力特性と高硬度特性を有するように作らなければならない。そこで、通常は、そのような特性を持つ金属材料で上記の部品を製作している。
【0014】
しかし、高力特性、高硬度特性を有する金属材料は、通常比較的高い摩擦係数を持つため、これらの金属材料を使用した摺動接触面は、油やグリースで潤滑しておく必要がある。ここで、一般的に潤滑は接触面に油膜を形成して行うことから、そのための隙間を伝動機構の接触面同士の間に作っておく必要がある。
【0015】
一方、このような隙間は機構全体の遊びやガタを作ることになり、一方側の回転がすぐに他方側の回転となって現れなくなってしまう。このような応答の遅れを以下、角度バックラッシュと呼ぶことにする。
【0016】
この角度バックラッシュは、伝動機構が例えば産業用ロボットの関節のような正逆回転を伴う位置制御機構として使用されたときには、その制御精度を低下させる要因となる。従って、該角度バックラッシュを無くすためには前記隙間を小さくしなければならないが、この隙間を小さくすることは潤滑油保持の面から見ると好ましいとは言えず、結局、角度バックラッシュの低減と潤滑性能向上とは相反するものとなっている。
【0017】
ところで、摺動部分に燐酸塩皮膜等の化成処理皮膜を形成し、摺動部分の摩擦係数を低下させることも公知である。この化成処理皮膜はそれ自体が低摩擦係数ではなく、微小な凹凸に多量の潤滑油を保持しているために低摩擦係数となるものである。
【0018】
そこで、伝動機構の摺動接触面(噛み合い部分を含む)に上記公知の化成処理皮膜を形成することも考えられるが、化成処理皮膜はそれ自体摩耗しやすく、皮膜が短時間ではがれてしまう欠点がある。
【0019】
特願昭60−271649号(特公平2−36825号公報、特許1623717号)では、伝動機構の接触面の隙間を小さくし、且つ潤滑油の保持を長期に亘って維持できるようにすることを目的として、歯形の研削目の歯筋方向及び該研削目の歯筋方向と交差する方向(歯形方向)に凹凸面を形成し、且つ、この凹凸の高さよりも低い膜厚で化成処理皮膜を施した接触面等の構造及び製造方法を提案している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、公知のこれらの方法はいずれも、外歯歯車と内歯歯車との歯形の接触面の摩擦係数を潤滑油の存在(保持)によって小さくして、高効率、長寿命を達成しようとするものであり、接触面を滑らかにするという発想を持つものではなかった。特に化成処理被膜は、それ自体が低摩擦なのではなく、凹凸のある被膜の間に潤滑油を保持して低摩擦を得るものであるから、潤滑油を十分に保持するという意義からも接触面の表面粗さは必ずしも良好ではなかった。
【0021】
このように従来の伝動機構では、潤滑油の保持によって摩擦係数を低減することを主目的としていたため、歯車の歯面(接触面)や軸受孔の表面粗さを、積極的に高めることは行っていなかった。このため、外歯歯車と内歯歯車の外ピンの噛み合い部が滑りを伴いながら転がり接触する際に、接触面の粗さによって滑り騒音及び転がり騒音が発生するという問題があった。また、このような理由によって滑り騒音が大きくなることから、外歯歯車と内歯歯車の隙間をいま以上に小さくすることは難しく、それが前述した角度バックラッシュの増大の原因ともなっていた。
【0022】
これに対して、発明者は、特願平11−008021(現時点では未公開)により歯面の面粗度を格段に向上させる方法を提案し、これにより上記の問題点を十分に解決している。
【0023】
しかしながら、本発明者は、上記課題を十分に解決した一方で、そこには新たな可能性(課題)が秘められていることを知得した。
【0024】
具体的には、上記特願平11−008021によって提案された「歯面」の面粗度を向上させる技術によれば、伝動機構が従来よりも飛躍的に低騒音、低バックラッシュになることが明らかとなったが、その技術には軸受孔の面粗度が全く考慮されていなかった。これは、上記技術が提案される以前は、一般的に軸受孔の面粗度は歯面と比較して十分良好だったので、歯面の潤滑状態のみに主眼を置いて対策を講じれば良いと考えられていたからである。
【0025】
しかし、上記提案により歯面の面粗度が格段に向上した結果、予測以上に軸受孔の面粗度の影響が顕在化した。つまり、(従来、全く注目されることがなかった)軸受孔を改良すれば、騒音、バックラッシュの低減効果等が更に高いレベルで得られる可能性が期待された。
【0026】
本発明は、上記事情を考慮し、外歯歯車の歯の噛み合い及び回転に伴う騒音発生低減させながら回転時の角度バックラッシュを低減し、併せて、軸受孔部分の実質的な許容荷重を増大して、コンパクトな状態で外歯歯車の高負荷容量化を可能にする揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内歯歯車と、偏心体の外周に自身の軸受孔を介して組み込まれることにより前記内歯歯車に内接噛合する外歯歯車と、を備えた揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法において、前記外歯歯車に形成された貫通孔をクランプすることにより該外歯歯車を支持する外歯歯車支持工程と、該外歯歯車支持工程において前記貫通孔のクランプによって前記外歯歯車を支持した状態で、前記軸受孔の内周面に対し、押圧部材でバックアップすることによりフィルム研磨材を押し付け、その状態で前記内周面と前記フィルム研磨材とを周方向に相対的に摺動させる軸受孔研磨工程と、前記軸受孔の前記内周面に直接接触する複数の軸受用ローラを介して前記外歯歯車を前記偏心体の外周に組み込む工程と、を含むことにより、上記課題を解決したものである。
【0028】
本発明によれば、外歯歯車の軸受孔のうねりや粗さが減少されて、内周面が平滑度を増大すると共に、真円度、円筒度を向上させることができる。従って、これにより、軸受孔の内部に直接軸受用ローラが挿入されて、このローラが転がり接触をした際に、滑り騒音や転がり騒音が発生するのを抑制することができる。この特性は、この外歯歯車が揺動内接噛合構造に使用される際に要求される特性として非常に大きな意義を有する(詳細は後述する)。
【0029】
また、表面粗さが小さくなることにより、接触面間の流体潤滑が可能となる。このため、軸受孔部分の焼き付きのおそれが少なく、軸受用ローラと軸受孔の隙間を小さくすることができ、がたつき音が減少する。このことは、外歯歯車と噛合する相手側歯車(内歯歯車)との隙間精度を高めることにもつながり、更に高いレベルで角度バックラッシュを低減できることになる。
【0030】
なお、前記軸受孔の前記内周面を成形砥石で研磨した後又はCBN刃物で切削した後に、該内周面に対して前記フィルム研磨材を用いた押圧研磨を実行するようにしてもよい。そうすれば、より効率的な切削と研磨による複合加工を行なうことができる。
【0031】
また、前記フィルム研磨材を用いた周方向の押圧研磨を実行する際に、更に、前記動力伝達部材の前記軸受孔をフィルム研磨材に対して軸方向に相対的に振動させるようにしてもよい。そうすれば、一層表面粗さの向上を図ることができる。
【0032】
なお、本発明では、更に、前記外歯歯車の歯面に対し、歯面用の押圧部材でバックアップすることにより歯面用フィルム研磨材を押し付け、その状態で外歯歯車の歯と歯面用フィルム研磨材とを歯形方向に相対的に摺動させることにより、前記歯面と前記内周面とを同時に押圧研磨しても良い。
【0033】
このようにすれば、1度の作業で歯面と軸受孔とが同時に研磨可能となるので、製造工程及び時間が短縮されてコストが低減する。
【0034】
又、上記研磨方法を採用する際には、前記外歯歯車の歯を歯筋方向に成形砥石で研磨した後に、前記フィルム研磨材を用いた前記歯面及び前記内周面の押圧研磨を実行することが好ましく、更に効率的な歯面加工が達成される。
【0035】
なお、フィルム研磨材としては、ポリエステルフィルムに酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイヤモンド等の微粒子研磨剤をコーティングしたものを用いるのがよい。
【0037】
所定圧力でフィルム研磨材を軸受孔の内周面に押し付ける手段としては、例えば空圧シリンダ機構を使用することができる。
【0038】
また、研磨駆動機構としては、長尺のフィルム研磨材を長さ方向に送り(引張り)移動するフィルム送り装置や、ワークである動力伝達部材を支持して回転させるワーク回転装置等を使用することができる。ワーク側を駆動する場合は、軸受孔の周方向、軸方向ともに細かく往復回転駆動することが簡単にできるため、往復摺動による研磨効果を更に上げることもできる。
【0039】
なお、動力伝達部材をフィルム研磨材に対して軸方向に相対的に振動させるオシレーション機構を備えると、一層の研磨効果を上げることができる。
【0043】
本発明によれば、軸受用ローラの転接時の騒音、ガタが低減され、結果として、外歯歯車と内歯歯車との角度バックラッシュも大幅に減少する。又、騒音が小さいことから軸受用ローラの数を増加させることができ、大きな荷重にも十分耐え得ると共に軸受部の長寿命化が図られる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0046】
図1は本発明に係る揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法を実施するのに使用する研磨装置の概略構成を示し、図2はその主要部の関係を拡大して示している。
【0047】
ここで、研磨する対象のワークは、図12、図13で示した内接噛合遊星外歯歯車機構の外歯歯車5a、5bと同類の外歯歯車Wである。
【0048】
この外歯歯車Wは、外周にトロコイド歯形を有するもので、内ローラ孔6部分が、チャック104によりクランプされて水平な駆動軸101によって支持されている。駆動軸101は、外歯歯車Wを支持した状態で、その歯形方向(外歯歯車W及びその軸受孔14の円周方向:図2参照)に往復回転駆動されると共に、歯筋方向(外歯歯車W及びその軸受孔14の軸方向:図1参照)に微小振動(オシレーション)させられるようになっている。図1において、102は駆動軸101を回転駆動させるための回転駆動装置(研磨駆動機構)、103は微小振動させるためのオシレーション装置である。
【0049】
駆動軸101によって支持された外歯歯車Wの軸受孔14の内周面には、外歯歯車Wの歯面を研磨するためのフィルム研磨材110が内側より押し付けられている。具体的に、フィルム研磨材110は、外歯歯車Wの軸受孔14を一方から他方へ(押付け状態で)通過し、その通過先で折り返して軸受孔14を戻るようにして(非押付け状態で)再度通過している。
【0050】
フィルム研磨材110は、図3にその断面を示すように、ポリエステルフィルム110aの表面に、熱硬化性接着剤110b、110cを用いて酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイヤモンド等の研磨粒子(微粒子研磨剤)110dをコーティングしたものであり、研磨粒子110dの一部が露出している方が研磨側である。
【0051】
図1に戻って、外歯歯車W軸受孔14の内部には、フィルム研磨材110をこの軸受孔14の内周面に押し付けるための(押付機構における押圧部材としての)シュー120が配されている。このシュー120は、空気圧シリンダ機構等を内蔵した定圧押付装置130のアーム131に支持されており、一定圧力Pでフィルム研磨材110を内周面に押し付けるバックアップ部材としての役目を果たす。
【0052】
シュー120の押圧面は、軸受孔14の凹曲面(内周面)よりも小さな(又は同等の)曲率の凸曲面に形成されており、この凸曲面でフィルム研磨材110を内周面に押し付けることで、確実に効率良く研磨できるようになっている。
【0053】
その他の装置としては、回転駆動装置102やオシレーション装置103を制御するための研磨制御装置や、フィルム研磨材110を送り(引張り)移動するためのフィルム送り装置、定圧押付装置130の制御装置(いずれも図示せず)等が装備されている。
【0055】
次に、外歯歯車Wの軸受孔14の仕上げ方法について説明する。
【0056】
歯の仕上げ工程では、第1工程で砥石による研削加工を施し、第2工程で前述の研磨装置を用いた研磨工程を施す。なお、第1工程の研削加工の代わりに、CBN(立方晶窒化ほう素)チップによる切削加工を施してもよく、又、これらを組合わせても構わない。
【0057】
第1工程では、図4に示すように、軸受孔14よりも小径の円筒形状に成形された砥石201を、この軸受孔14の内周面に合わせて回転させ、外歯歯車Wも同時に回転させることにより歯を研削する。この工程は加工のベースとなるもので、外歯歯車Wのピッチ円との同軸度や、歯車の側面に対する軸受孔14の軸心線の直角度等がこの工程である程度確保される。このとき、内周面の軸方向には、図5に示すように「粗さ(微小な変位)」と「うねり(微小な変位を無視した際の全体的な変位)」が残る。
【0058】
そこで、次に第2工程(軸受孔研磨工程)の研磨を行う。
【0059】
この工程では、まず、図1に示すように、フィルム研磨材110を外歯歯車Wの軸受孔14内に配置し、定圧押付装置130を作動させて、シュー120によりフィルム研磨材110を内周面に一定圧力Pで押し付ける。
【0060】
次いで、その状態で外歯歯車Wを間欠的に又は連続的に時計方向及び反時計方向に回転させる(相対的に摺動させる)。これにより、フィルム研磨材110によって内周面が周方向に研磨される。このとき、外歯歯車Wを軸方向に微振動(オシレーション)させることで、歯面の研磨効果を高める。
【0061】
図6は第2工程後のデータを示す。第2工程により、第1工程での軸方向のうねりと粗さが大幅に除去される。
【0062】
フィルム研磨材110は、所定時間研磨した段階で、あるいは軸受孔14を所定角度(所定回転)研磨した段階で所定量だけ送り(引張り)、新たな面で研磨できるようにする。
【0063】
なお、外歯歯車W及びフィルム研磨材110は、研磨に当って要するに相対的に摺動すればよいため、例えば外歯歯車Wが軸方向のみに振動している間に、フィルム研磨材110(シュー120)を内周面に沿って周方向に回転させるような構成としてもよい。又、フィルム研磨材110の送り方向は軸方向に限られず、周方向あるいは斜め方向(ヘリカル方向)に送っても構わない。
【0064】
このようにして、外歯歯車Wの軸受孔の周方向及び軸方向の粗さとうねりが除去され、表面粗さが向上するので、周方向に移動しながら転がり接触する軸受用ローラ4a、4bとの間を流体潤滑できるようになる。その結果、適正な油膜が確保されやすくなり、これにより軸受孔14a、14b、軸受用ローラ4a、4b及び偏心体3a、3bとの隙間を詰めても焼き付きが生じにくくなり、径方向のガタ付きも低減できる。
【0065】
また、表面粗さが向上するので、軸受用ローラ4a、4bの転がりによる騒音が低下する。その結果として、従来は騒音を防止するために軸受用ローラ4a、4bの数をできるだけ少なくしていたが、本発明によれば、軸受用ローラ4a、4bの数を多くしても騒音が増大することがないので、各ローラの荷重分担が軽減し、高荷重化及び長寿命化が達成される。
【0066】
次に、外歯歯車Wの歯面の研磨について説明する。
【0067】
図7は外歯歯車の歯面の研磨を実施するのに使用する研磨装置の概略構成を示し、図8はその主要部の関係を拡大して示している。
【0068】
ここで、研磨する対象のワークは、図12、図13で示した内接噛合遊星外歯歯車機構の外歯歯車5a、5bと同類の外歯歯車Wである。又、この研磨装置は外歯歯車Wの軸受孔14及び歯面を同時に研磨するものであるが、軸受孔14の研磨については第1実施形態で示したものとほぼ同様であるので、同一部分には下2桁を同一符号を付して説明・図示は省略する。
【0069】
この外歯歯車Wは、外周にトロコイド歯形を有するもので、水平な駆動軸201によって支持されている。駆動軸201は、既に第1実施形態で示したように、外歯歯車Wを支持した状態で、その歯形方向(外歯歯車Wの円周方向:図参照)に往復回転駆動されると共に、歯筋方向(外歯歯車Wの軸方向:図参照)に微小振動(オシレーション)させられるようになっている。図7において、202は回転駆動させるための回転駆動装置(研磨駆動機構)、203は微小振動させるためのオシレーション装置であり、実際には図1の回転駆動装置102、オシレーション装置103が兼用されている。
【0070】
駆動軸201によって支持された外歯歯車Wの外周には、外歯歯車Wの歯面を研磨するためのフィルム研磨材210(軸受孔14の研磨に用いるのと同様なもの)が被せられ、外歯歯車Wのほぼ半周を覆っている。
【0071】
図7に戻って、外歯歯車Wの上方及び下方には、フィルム研磨材210を外歯歯車Wの歯面に押し付けるための歯面用(押付機構の押圧部材としての)シュー250が配されている。これらのシュー250は、空気圧シリンダ機構等を内蔵した定圧押付装置260のアーム261に支持されており、一定圧力Pでフィルム研磨材210を外歯歯車Wの歯面に押し付けるバックアップ部材としての役目を果たす。
【0072】
各シュー250の押圧面は、トロコイド歯形の凹曲面よりも小さな曲率の凸曲面(外歯歯車Wの回転に伴って歯面に追従する程度の曲率Rの曲面)に形成されており、この凸曲面でフィルム研磨材210を歯面に押し付けることにより、歯形の谷部を確実に効率良く研磨できるようになっている。
【0073】
その他の装置としては、回転駆動装置202やオシレーション装置203を制御するための研磨制御装置(図1と同等装置)や、フィルム研磨材210を送り(引張り)移動するためのフィルム送り装置、定圧押付装置の制御装置(いずれも図示せず)等が装備されている。
【0074】
次に、外歯歯車Wの歯及び軸受孔14の仕上げ方法について説明する。
【0075】
仕上げ工程では、第1工程で歯及び軸受孔14の砥石による研削加工を施し、第2工程で前述の研磨装置を用いた研磨工程を施す。なお、軸受孔14の加工については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0076】
(歯面についての)第1工程では、図9に示すように、歯形形状に成形された砥石280を外歯歯車Wの歯形に合わせて回転させ、外歯歯車Wを歯筋方向(図面と垂直な方向)に動かすことにより歯を研削する。この工程は加工のベースとなるもので、歯のピッチ精度や歯形精度はこの工程で確保する。このとき、歯面の歯形方向には、図10に示すように粗さとうねりが残る。
【0077】
そこで、次に第2工程(歯面研磨工程)の研磨を行う。
【0078】
この工程では、まず、図7に示すように、フィルム研磨材210を外歯歯車Wの外形を囲むように配置し、定圧押付装置230を作動させて、シュー250によりフィルム研磨材210を外歯歯車Wの歯面に一定圧力Pで押し付ける。その際、軸受孔14の内周面にもシュー250を用いてフィルム研磨材210を押し付ける。
【0079】
次いで、その状態で外歯歯車Wを間欠的に又は連続的に時計方向及び反時計方向に回転させる(相対的に摺動させる)。これにより、フィルム研磨材210によって歯面が歯形方向(周方向)に、又、軸受孔14が周方向に同時に研磨される。このとき、外歯歯車Wを歯筋方向に微振動(オシレーション)させることで、歯面及び内周面の研磨効果を高める。
【0080】
図11は歯面に関する第2工程後のデータを示す。第2工程により、第1工程での歯形方向のうねりと粗さが除去される。
【0081】
フィルム研磨材210は、所定時間研磨した段階で、あるいは外歯歯車Wを所定角度、あるいは所定歯数研磨した段階で所定量だけ送り(引張り)、新たな面で研磨できるようにする。
【0082】
なお、外歯歯車W及びフィルム研磨材210は、研磨に当って要するに相対的に摺動すればよいため、例えば外歯歯車Wが歯筋方向のみに振動している間に、フィルム研磨材210を送る(引張る)ような構成としてもよい。
【0083】
このようにして、歯面及び内周面の粗さとうねりが同時に除去され、表面粗さが向上するので、歯形方向に移動しながら滑りを伴って転がり接触する外ピン11(内歯外歯歯車の歯に相当するもので、図12、図13を参照のこと)との間を流体潤滑できるようになる。その結果、適正な油膜が確保されやすくなり、これにより歯と歯の隙間を詰めても焼き付きが生じにくくなり、角度バックラッシュも低減できる。又、軸受孔14における径方向のガタも改善されているので、この軸受孔14と相乗効果により、(特に本発明のように揺動回転するような外歯歯車Wの場合は)正転・逆転を切り換える際の角度バックラッシュが大幅に低減される。
【0084】
また、歯形方向の表面粗さが向上するので、主に滑りや転がりによる騒音が低下すると共に、外ピン11と外歯外歯歯車5a、5b(外歯歯車W)の動荷重が減少することで、実質的な噛合率が大きくなり、一層の低騒音化が達成できる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外歯歯車等の歯面や軸受の焼き付きを抑えながら、歯と歯の隙間又は軸受孔のガタを詰めることができ、騒音の低減及び角度バックラッシュの低減に寄与することができる。更には、径の小さな軸受用ローラを数多く軸受孔に挿入できるので、外歯歯車のコンパクト化、高耐荷重化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する際に用いる研磨装置の一例を示す概略構成図
【図2】 図1の主要部の拡大図
【図3】 前記研磨装置で使用するフィルム研磨材の拡大断面図
【図4】 軸受孔の研磨を実施する前の工程で行う研削加工の説明図
【図5】 同研磨を行う前の内周面の粗さデータを示す特性図
【図6】 同研磨を行った後の内周面の粗さデータを示す特性図
【図7】 本発明を実施する際に用いる研磨装置の他の例を示す概略構成図
【図8】 図7の主要部の拡大図
【図9】 外歯歯車の歯面の研磨を実施する前の工程で行う研削加工の説明図
【図10】 同研磨を行う前の歯面の粗さデータを示す特性図
【図11】 同研磨を行った後の歯面の粗さデータを示す特性図
【図12】 研磨対象のワークを含む内接噛合遊星外歯歯車機構の断面図
【図13】 図12のXIII−XIII矢視断面図
【符号の説明】
W…ワーク
110…フィルム研磨材
120…シュー(押圧部材)
130…定圧押付装置
110a…ポリエステルフィルム
110d…微粒子研磨剤

Claims (3)

  1. 内歯歯車と、偏心体の外周に自身の軸受孔を介して組み込まれることにより前記内歯歯車に内接噛合する外歯歯車と、を備えた揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法において、
    前記外歯歯車に形成された貫通孔をクランプすることにより該外歯歯車を支持する外歯歯車支持工程と、
    該外歯歯車支持工程において前記貫通孔のクランプによって前記外歯歯車を支持した状態で、前記軸受孔の内周面に対し、押圧部材でバックアップすることによりフィルム研磨材を押し付け、その状態で前記内周面と前記フィルム研磨材とを周方向に相対的に摺動させる軸受孔研磨工程と、
    前記軸受孔の内周面に直接接触する複数の軸受用ローラを介して前記外歯歯車を前記偏心体の外周に組み込む工程と、を含む
    ことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法。
  2. 請求項において、更に、
    前記外歯歯車の歯面に対し、歯面用の押圧部材でバックアップすることにより歯面用フィルム研磨材を押し付け、その状態で外歯歯車の歯面と歯面用フィルム研磨材とを歯形方向に相対的に摺動させる歯面研磨工程を含み、且つ
    前記外歯歯車支持工程において前記貫通孔のクランプによって前記外歯歯車を支持した状態で、前記軸受孔研磨工程と前記歯面研磨工程とを同時に実行することにより、前記歯面と前記軸受孔の内周面とを同時に押圧研磨する
    ことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法。
  3. 請求項において、
    前記外歯歯車の歯を歯筋方向に成形砥石で研磨した後に、前記歯面及び前記内周面の押圧研磨を実行する
    ことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車伝動機構の角度バックラッシュの低減方法。
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