JP4278403B2 - 金属置換ゼオライトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属置換ゼオライトの製造方法に関するものであり、詳しくは、高価な原料を大量に使用することなく、余剰な廃液を出すことなく、難イオン交換性イオンであるリチウムイオン、ルビジウムイオンまたはマグネシウムイオンを効率よくゼオライトに導入できる方法に関するものである。これらイオンでイオン交換した金属置換ゼオライトは、窒素の選択特性に優れ、圧力揺動吸着法(PSA法:Pressure SwingAdsorption法)によって濃縮酸素を得るための吸着剤として好適に用いられ得る。また、高純度希ガスの精製においても、金属置換ゼオライトの応用が検討されている。
【0002】
【従来の技術】
窒素含有ガスから窒素を選択的に吸着分離する方法のひとつとして、圧力揺動吸着法(以下、PSA法という)がある。このPSA法は、ゼオライト等の吸着剤を使用し、例えば空気のような窒素と酸素の混合ガスから、極性の強い窒素を、加圧下で選択的に吸着させて酸素を取り出し、減圧によって吸着した窒素ガスを放出させて吸着剤を再生するという操作を、サイクル的に繰り返すことによって窒素と酸素の吸着分離を行うものである。
【0003】
前記PSA法に用いられるゼオライトにおいて、極性成分に対する吸着能は、ゼオライト中に会合されているカチオンの種類によって異なり、電荷密度の高いカチオンほど吸着量が増加することが知られている(下記非特許文献1参照)。そして、ゼオライト中のカチオンの数は、(AlO4)四面体単位からなる骨格中のAlに対応しており、前記骨格中のAlの数の多い方が吸着サイトとなるカチオンの数も多くなるので吸着剤としてより好ましい。また、ゼオライト結晶構造中の細孔径および細孔容積が大きいものほど吸着量が大きく、吸・脱着の際の拡散速度が速いといわれている。このような観点から、最近、Li+イオンでイオン交換されたX型ゼオライト、特に低シリカX型ゼオライト(LSX)が、著しく高い吸着性能を示すとして、注目され、実用化が試みられている(下記特許文献1および2参照)。また、例えば下記特許文献3においてリチウムカチオンでイオン交換したリチウムフォージャサイト型ゼオライトXが空気分離特性に優れていることが示されている。
【0004】
一方、PSA法に使用される吸着剤としては、高い吸着性能とともにより低価格であること、すなわちコストパフォーマンスのよい吸着剤が要求される。また、PSA法において、吸着剤使用量、ポンプ能力等の装置仕様や、圧力、サイクル時間等の運転条件は、静的な吸着性能および酸素と窒素の分離性能等の、使用する吸着剤の基本性能に基づいて、酸素回収量や酸素生成量等が最大になるように最適化される。したがって、PSA法に使用される吸着剤、特にリチウムX型ゼオライトとしては、高価なリチウム原料の使用量を低減化し、コストパフォーマンスの高い適切なリチウムイオン交換率にイオン交換されたリチウムX型ゼオライトが要求され、さらに吸着剤の基本性能にバラツキがないように、リチウムイオン交換率にバラツキがない、高度にイオン交換率を制御されたリチウムX型ゼオライトが要求されている。
【0005】
リチウムゼオライトの製造法としては、従来、ナトリウムゼオライトもしくはナトリウム・カリウムゼオライトに塩化リチウム水溶液等を接触させる方法が挙げられる。接触の方法としては、イオン交換カラムに結晶性ゼオライトを充填し、イオン交換カラムにイオン交換液を流通させる固定床流通法や、ゼオライトとイオン交換液をイオン交換槽内で回分的に接触させる回分法等がある。
ゼオライトはリチウムカチオンでイオン交換され難く、またリチウム原料は非常に高価であるため、高度にリチウムイオン交換されたリチウムゼオライトは極めて高価なものとなっていた。とくにフォージャサイト型ゼオライトをリチウムで高度にイオン交換しようとした場合、リチウムカチオンが大量に必要である。フォージャサイト型ゼオライト中に存在するナトリウムやカリウムをリチウムにイオン交換する場合、リチウムカチオンよりもナトリウムカチオンやカリウムカチオンの方がフォージャサイト型ゼオライトにイオン交換しやすく、リチウムイオンの交換率は高くならない。
【0006】
そこで例えば、下記特許文献4には、ナトリウムゼオライトをイオン交換カラムに充填し、水酸化リチウムでpHを調整した塩化リチウム水溶液をリサイクルさせずにワンパス通液させる方法が記載されている。しかし、70〜100%のリチウムイオン交換率を得るために、塩化リチウム水溶液としてイオン交換リチウム量の4〜12倍の化学量論的過剰量と接触させる必要があることが記載されている。
また、下記特許文献5には、リチウムカチオンを含む循環溶液を70℃に昇温して、イオン交換カラムを平均して14回循環するまで循環通液を実施し、平均リチウムイオン交換率90%のリチウムフォージャサイト型ゼオライトを3倍当量の塩化リチウム水溶液で得る方法が記載されている。しかし、この方法は、イオン交換カラムにイオン交換液を流通させる固定床流通法を採用し効率よくイオン交換を行っているものの、それでも再使用できないLi、Na、Kの混合廃液が多量に排出されるし、粉末状ではカラムの通液がしにくいため一旦造粒乾燥したゼオライトを再度水に浸けてしまうという不合理な工程になる。
また、下記特許文献6には、ゼオライトにアンモニウム塩溶液を接触させることにより金属カチオンを全てNH4 +イオンに置換し、ついで前記ゼオライトにリチウム塩溶液を接触させることにより前記NH4 +イオンの一部もしくは全部をLi+イオンに置換してリチウムゼオライトを得る方法が記載されている。しかし、この方法は、明細書には明示されていないが、常識的には金属カチオンの3倍以上のNH4 +イオンを使用することになる。また下記特許文献7ではアンモニアを抜気回収することになっているが、これには多大なエネルギーと、高価な設備が必要になる。アンモニアを抜気回収する際にLi2CO3を添加してLiClを回収し再利用することも記載されているが、イオン交換に使った塩化アンモニウム廃液にはNaやKも混在し、LiClとして再利用するのは難しい。同文献では、加熱等によりゼオライトからアンモニアガス(NH3)を脱離させてプロトン(H+)型にしたのち、Li+イオンでイオン交換する方法にも言及しているが、ゼオライトからアンモニアを脱離させるには、400℃程度の加熱が必要であるとともに、一旦焼成したゼオライトを再度水に浸けてしまうというエネルギー的に不合理な工程になる。
【0007】
なお、ゼオライトの酸処理については触媒用途で多くの文献があり、例えば高シリカのY型ゼオライトやモルデナイト型ゼオライトのAl成分の溶出に適用されている。下記特許文献8および9に記載のように、A型ゼオライトや低シリカX型ゼオライト(LSX)等の骨格中のAl数が多いゼオライトは、酸処理によって非晶質化し、ゼオライトではなくなる。非晶質体は樹脂用フィラーとして好適な特性を持つ。X線回折や吸着特性等からこの非晶質体はゼオライトの特性を備えていないため、「酸処理」を「プロトン交換」とは呼ばない。pH6程度の軽度に酸処理した非晶質体を大過剰の水酸化アルカリ金属水溶液で加熱処理して、元のアルカリ金属を導入すると、酸処理前のゼオライトに似たゼオライトに戻ることは知られているが、これをイオン交換法に適用した例はない。Alが溶出するほどのpHで酸処理したものが、水酸化アルカリ金属水溶液で加熱処理して、酸処理前のゼオライトに似たゼオライトに戻るかどうかは知られていない。
【0008】
【非特許文献1】
ミナトおよびワタナベ(H.Minato and M.Watanabe)、Sci.Pap.Coll.Gen.Educ;東京大学(Univ.Tokyo) 28、p.215〜220〔1978〕
【特許文献1】
米国特許第4859217号明細書
【特許文献2】
特公平5−25527号公報
【特許文献3】
米国特許第3140933号明細書
【特許文献4】
特公平5−25527号公報
【特許文献5】
特開平11−226429号公報
【特許文献6】
特開2001−122617号公報
【特許文献7】
特開2001−122617号公報
【特許文献8】
特公昭61−36866号公報
【特許文献9】
特開昭59−213616号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、交換し難い金属イオンをゼオライトに導入する方法として、高価な原料を大量に使用することなく、余剰な廃液を出すことなく、効率よく金属置換ゼオライトを得る製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、A型ゼオライトまたはX型ゼオライトを酸処理し、A型ゼオライトまたはX型ゼオライトの酸処理品を得る酸処理工程と、前記ゼオライトの酸処理品を塩基性金属塩溶液(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)と接触させ、前記ゼオライトの酸処理品中のプロトン(H+)およびその他のイオンの一部もしくは全部を金属イオン(ただし、前記金属イオンとはLi+、Rb+またはMg 2 +を意味する)に置換する金属イオン置換工程とを有する金属置換ゼオライトの製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記酸処理工程が、0℃以上100℃以下の温度のA型ゼオライトまたはX型ゼオライトの水性スラリーに酸を添加して酸性域のpHを維持した後、濾過水洗し余剰の酸および溶出したイオン等を除去し、A型ゼオライトまたはX型ゼオライトの酸処理品を得る工程であり、かつ金属イオン置換工程が、前記ゼオライトの酸処理品を水に再分散して水性スラリーとし、続いて前記再分散水性スラリーに、常温ないし100℃以下の温度で塩基性金属塩溶液を混合または塩基性の金属塩(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)の粉末を溶解して、前記ゼオライトの酸処理品中のプロトン(H+)とその他のイオンの一部もしくは全部を金属イオン(ただし、前記金属イオンとはLi+、Rb+またはMg 2 +を意味する)に置換し、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、金属置換ゼオライトを得る工程である前記の製造方法を提供するものである。
また本発明は、X型ゼオライトが、SiO2/Al2O3モル比1.9〜2.5のフォージャサイト型ゼオライトであることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
また本発明は、塩基性金属塩溶液として、金属の水酸化物溶液および/または金属の炭酸塩溶液(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)を用いることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
また本発明は、塩基性の金属塩として、金属の水酸化物および/または金属の炭酸塩(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)を用いることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
【0011】
なお、前記ゼオライトの酸処理品は、酸処理前のゼオライトに比べて結晶構造が歪んでおり、X線回折的には非晶質化が顕著で、吸着特性等からも「ゼオライト」と称するのは難がある。酸処理の強さ程度によって非晶質化度も異なるが、ゼオライトの酸処理品はいわば「非晶質体」と呼ぶ方が適切である。酸処理工程の途中でゼオライト構造が転変しているので、本明細書では、本発明における酸処理を「プロトン交換」と表現せず、塩基性金属塩溶液との接触を「交換」と表現せず、したがって全工程で「イオン交換」という表現を使用していない。
すなわち本発明は、ゼオライトを酸処理する酸処理工程と、得られたゼオライトの酸処理品を塩基性金属塩溶液と接触させる金属イオン置換工程とを有するものであり、さらに具体的には、例えばNa+イオンやK+イオンが会合したゼオライトを、水分散の状態で一旦酸処理してH+イオンに置換してゼオライトを非晶質化し、濾過水洗等により余剰のH+イオンとNa+イオンやK+イオンを除去し、再度水分散した非晶質体に塩基性リチウム塩溶液を添加し、そのまま、あるいはさらに加熱等により非晶質体中のH+イオンとNa+イオンやK+イオンの一部もしくは全部をLi+、Rb+またはMg 2 +にイオンに置換して非晶質体をゼオライトに再生し、濾過水洗等により余剰の金属イオンとNa+イオンやK+イオンを除去し、金属置換ゼオライトを得る製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明において、出発物となるゼオライトは、骨格中のAlの数の多い方が吸着サイトとなるカチオンの数も多くなるので吸着剤としてより好ましい。また、ゼオライト結晶構造中の細孔径および細孔容積が大きいものほど吸着量が大きく、吸・脱着の際の拡散速度が速いといわれている。PSA法の観点からはゼオライトとしては、フォージャサイト型ゼオライトのX型ゼオライト、Y型ゼオライト、SAPO−37等が好ましいが、高純度ガス精製等の他の用途ではLTA型ゼオライトの通称A型ゼオライト、SAPO−42、ZK−4等や、RHO型ゼオライトのLZ−214等や、チャバサイト型ゼオライト、ジスモンダイト型ゼオライトのP型ゼオライト等や、グメリナイト型ゼオライト、KFI型ゼオライト、エリオナイト型ゼオライト、オフレタイト型ゼオライト等が使用できる。特に限定するものではないが、フォージャサイト構造をもつX型ゼオライトやLTA型ゼオライトの通称A型ゼオライトが好ましい。
【0013】
なお前記ではNa+イオンやK+イオンが会合したゼオライトを例示したが、その他の金属カチオンとしては、例えば1価のカチオンとしてRb+、Cs+、2価のカチオンとしてMg2 +、Ca2 +、Sr2 +、Ba2 +、3価のカチオンとしてSc3 +、Y3 +、La3 +、Ce3 +等のランタノイド、B3 +、Al3 +、Ga3 +等、各種のものが挙げられる。しかし、Na+イオンやK+イオンが会合したゼオライトが安価であるが故に好適である。
【0014】
前記ゼオライトのSiO2/Al2O3比は、特に限定するものではないが、好ましくは3.0未満、さらに好ましくは2.5以下、特に1.9〜2.5であるのがよい。そしてPSA用には、なかでも、Si/Al原子比が1.0程度に設定された、SiO2/Al2O3比が2.0程度となる低シリカX型ゼオライト(LSX)を用いることが、選択的窒素吸着性能を備えた吸着剤を得る上で、好適である。
【0015】
次に、本発明における酸処理工程について説明する。まず、水を分散媒とするゼオライトの水性スラリーを調製する。酸処理時のゼオライトの濃度は、水性スラリーを均一に攪拌することができ、かつ添加した酸が瞬時に均一に拡散していくような濃度であればよいが、例えばゼオライト濃度は5〜40重量%が好ましい。
【0016】
続いて、水性スラリーを0℃以上100℃以下の温度に調整し、酸を添加し、酸性域のpHを維持して処理する。
酸処理工程で使用する酸は、特に限定するものでなく任意の選択が可能であるが、例えば硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、炭酸等の無機酸や、硫酸水素リチウム、リン酸2水素カリウム、塩化アルミニウム等の酸性塩や、酢酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸や、有機酸の酸性塩や、これらの混合物等が挙げられる。使用する酸の量は酸の種類によっては酸解離定数を基にして決定することができ、例えば強酸の場合にはゼオライト中の金属イオンの当量数を基準にして算出する。当量数は単位量ゼオライト当たりの金属イオンのモル数と金属イオンの電荷数の積である。例えば、通常のA型ゼオライトでは、Na2O含有量17重量%程度であるからNaは5.5ミリ当量/gゼオライトとなる。使用する強酸の量は当量数の0.5〜1.5倍当量が好ましい。原料ゼオライト中の金属イオンの一部を残して、例えばカリウムゼオライトのカリウムの一部を残してリチウム・カリウムゼオライトを得る場合には、当量数の0.5〜1.0倍当量の酸を使用し、原料ゼオライト中の金属イオンの極力全量をリチウムに置換するときには1.0〜1.5倍当量の酸を使用する。また弱酸を使用する場合は酸解離定数を基にして前記強酸の場合と同様に酸の使用量を決定すればよい。
【0017】
また、前記の酸性域のpHにおいて、好ましい範囲は2〜7である。pHが2より低くなるとゼオライト骨格中のAlが溶け出て好ましくなく、pHが7より高いと原料中の金属イオンが多く残り、目的とする金属イオンの置換の割合が低くなり好ましくない。なお、2〜4のpHを選択した場合は、水性スラリーに例えばアルミニウム塩を溶解して、ゼオライトからのAlの溶出を防ぐのが好ましい。更に好ましいpHは3〜6である。
なお、水性スラリーの温度とpHは相互に関係し、水性スラリーのpHが4未満である場合、加温を行うとゼオライト骨格中のAl溶出が加速され好ましくない。したがって、水性スラリーのpHが4未満である場合は、0℃以上常温以下に冷却することが好ましい。また水性スラリーのpHが4以上である場合、常温ではH+置換の進行が遅く、pHが平衡値を示すまでに数時間かかることがあるので、適宜100℃以下の加温を行うことが好ましい。
【0018】
水性スラリーの温度および酸性域のpHを維持してゼオライトを処理する時間は、採用される温度を考慮して適宜決定する。なお、水性スラリーに添加予定の全量の酸を瞬時に添加してしまうと、ゼオライト粒子表面だけが局所的に酸処理され、表面部位のAl溶出の危険がある。したがって、酸処理工程終了時の予想される平衡pHをおおむね0.3単位越えないように添加を行うことが好ましい。
以上のようにして酸処理を行った後、濾過、デカンテーション、リパルプ等の常法により余剰の酸および溶出したイオン等を除去し、ゼオライトの酸処理品を得る。
【0019】
次に、金属イオン置換工程について説明する。
まず、前記ゼオライトの酸処理品を水に再分散し、再分散水性スラリーを調製する。このときのゼオライトの酸処理品の濃度は、再分散水性スラリーを均一に攪拌することができ、かつ添加した塩基性金属塩溶液が瞬時に均一に拡散していくような濃度であればよいが、例えばゼオライトの酸処理品の濃度は5〜40重量%が好ましい。
【0020】
続いて再分散水性スラリーを常温ないし100℃以下の温度に調整し、再分散水性スラリーに塩基性金属塩溶液または塩基性の金属塩の粉末を混合し処理する。
使用する塩基性金属塩としては、水酸化物および炭酸塩が好ましい。例えばリチウム置換ゼオライトを得る場合は、塩基性リチウム塩としては水酸化リチウムおよび炭酸リチウムが最も好ましい。両者を併用することもできる。後述のようにA型ゼオライトは高pHで他の結晶に転化しやすいため、炭酸リチウムと水酸化リチウムを順次添加する併用型がよい。また、リチウム・カリウムゼオライトのように、ゼオライトにリチウム以外のイオンも導入したいときは、該イオンを提供し得る金属水酸化物、炭酸塩を併用することができる。
なお前記のように、再分散水性スラリー中のゼオライトの酸処理品と塩基性金属塩溶液との接触は、再分散水性スラリーに塩基性金属塩の水溶液を添加したり、あるいは再分散水性スラリーに塩基性金属塩の結晶粉末を添加し溶解することにより達成される。例えば炭酸リチウムは再分散水性スラリーに対する溶解度が低いので、粉末結晶のまま添加するのが好ましい。溶解度以上の炭酸リチウムの粉末結晶を投入しても、順次イオン化したリチウムがゼオライトに固定されるので、炭酸リチウム固体が再分散水性スラリーに残ることはない。
金属イオン置換工程に使用する金属の量は、酸処理工程によってゼオライトから取り除かれた金属イオンの当量数を基準にして算出する。当量数は酸処理工程の欄で説明した量である。例えば使用するリチウムの量は取り除かれた金属イオンの当量数の0.5〜1.5倍当量が好ましい。例えば、通常のA型ゼオライトでは、Na含有量5.5ミリ当量/gゼオライトであるから、酸処理工程によって80%のNaが抜けたときには、使用するリチウムの量は4.4ミリ当量/gゼオライトが1.0倍当量になる。ゼオライトの酸処理品のH+イオンの一部を残して、リチウム・プロトンゼオライトを得る場合には、当量数の0.5〜1.0倍当量のリチウムを使用し、H+イオンの極力全量をリチウムに置換するときには1.0〜1.5倍当量を使用する。
【0021】
また、金属イオン置換工程における好ましいpHは7〜13である。pHが7未満では液中のH+濃度が高くなりゼオライトの酸処理品のH+イオンの置換が充分に行われず、好ましくない。pHが13より高いと例えば高価なリチウム原料を多量に使用していることになり、本発明の目的を達成することができない。特に、A型ゼオライトはpHが12より高い条件に高温下長時間晒されるとヒドロキシソーダライト結晶に転化するため、A型ゼオライトを使用する場合は9〜12のpHを採用するのが好ましい。またX型ゼオライトは比較的安定なので9〜13のpHを採用するのが好ましい。
なお、再分散水性スラリーの温度とpHは相互に関係し、pHが7〜10では90〜100℃に加熱することで金属置換が促進され、pHが10〜13では室温でも金属置換は進むが、非晶質化した構造の歪みの復元が遅く、原料ゼオライトと同程度の結晶化度を得るためには70〜100℃の加熱が好ましい。前記のようにA型、X型等のゼオライトの種類に応じてその安定性を配慮し、温度を決めるのがよい。
【0022】
再分散水性スラリーの処理時間(塩基性の金属塩とゼオライトの酸処理品との接触時間)は、採用されるpH、温度等を考慮して適宜決定する。例えば原料ゼオライトと同程度の結晶化度を得るためには、pH11で、95℃加熱して4時間以下の処理が必要である。
【0023】
以上の工程を経て水分散した金属置換ゼオライトが得られ、これは常法にしたがって濾過、水洗、乾燥、粉砕の処理をして、余剰の成分を除去し、粉末の金属置換ゼオライトとする。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0025】
実施例および比較例で使用した化学品は以下の通りである。
ナトリウムA型ゼオライトとしては日本化学工業(株)「ゼオスターNA100P」を使用し、ナトリウムX型ゼオライトとしては市販の工業グレード品を使用した。
酸処理用の硫酸としては、試薬の純度96%の硫酸を使用した。
水酸化リチウム、炭酸リチウムおよび塩化リチウムは、それぞれ日本化学工業(株)製の「水酸化リチウム」、「高純度炭酸リチウム」および「塩化リチウム」を使用した。炭酸カリウムには純度99.5%の試薬を使用した。硫酸アルミニウムは試薬の16〜18水塩[Al2(SO4)3・16〜18H2O]を使用した。酸化ルビジウムおよび水酸化マグネシウムは、1級試薬を使用した。
【0026】
実施例および比較例における各測定方法は、以下の通りである。
(1)化学組成の測定方法:試料を硝酸−フッ酸を用い溶解した後、ICP発光分光分析装置(VARIAN社製、LIBERTY RL型)を用いて測定した。
(2)結晶構造の測定方法:X線回折装置(RIGAKU社製 RINT−2400型)を用い測定した。
【0027】
実施例および参考例のリチウムゼオライトの作成方法は以下の通りである。
(酸処理工程)
ゼオライト20gを純水80gに添加し、攪拌して分散させ、このスラリーを所定の温度に維持しつつ、かつこのスラリーにpH電極を浸けた状態でpHを測定しつつ、攪拌下に所定量の8%硫酸を約1.5時間かけて滴下し、滴下終了0.5時間後に最終pHを測定した。滴下中のpHが最終pHより0.3単位以上低くないことを確認した。次いでスラリーは濾過・水洗・リパルプを3回行い、電気伝導度を200μS以下にし、ゼオライトの酸処理品を得た。
(リチウムイオン置換工程)
次いで得られたゼオライトの酸処理品を水に再分散させ、スラリー濃度を10%に調節し、スラリーを所定の温度に維持しつつ、かつ所定量の水酸化リチウムまたは/および炭酸リチウムを攪拌下に添加した。このスラリーは所定の温度・時間で処理され、常温において処理終了pHを測定した。次いで、濾過・水洗し、110℃で16時間乾燥して、粉末のゼオライト試料を得た。
【0028】
比較例のイオン交換法によるリチウムゼオライトの作成方法は以下の通りである。
ゼオライト20gを純水80gに添加し、攪拌して分散させ、このスラリーを所定の温度に維持しつつ、かつ所定量の塩化リチウムの15%水溶液をスラリーに添加した後、70℃まで加熱して20時間攪拌して処理を続けた。放冷後、スラリーは濾過・水洗・リパルプを3回行い、電気伝導度を200μS以下にした。次いで、濾過・水洗し、110℃で16時間乾燥して、粉末のゼオライト試料を得た。
【0029】
実施例1〜4、参考例1および比較例1〜2:
ナトリウムX型ゼオライトのナトリウムをリチウムに置換した例を表1に示した。実施例1〜4および参考例1では、前記「実施例および参考例のリチウムゼオライトの作成方法」に記載した手順で、表1記載の各条件でリチウム置換ゼオライトを作成した。
比較例1では、前記「比較例のイオン交換法によるリチウムゼオライトの作成方法」に記載した手順で、表1記載の各条件でリチウムゼオライトを作成した。比較例2では「比較例のイオン交換法によるリチウムゼオライトの作成方法」を2回繰り返してリチウムゼオライトを作成した。
このようにして作成したリチウムゼオライトのX線回析、化学分析結果を表1に記載した。また、分析結果よりリチウム置換率とリチウム使用効率を算出し表1に記載した。表1の結果から、実施例1〜4は参考例1、比較例1および2と比較して、リチウム置換率が高く、リチウム使用効率も高いことが分かる。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例5〜9および比較例3〜4:
ナトリウムA型ゼオライトのナトリウムをリチウムに置換した例を表2に示した。実施例5〜9では、前記「実施例および参考例のリチウムゼオライトの作成方法」に記載した手順で、表2記載の各条件でリチウム置換ゼオライトを作成した。たたし、実施例9では表2に記載した量の炭酸カリウムをリチウムに次いで添加した。
比較例3〜4では、前記「比較例のイオン交換法によるリチウムゼオライトの作成方法」に記載した手順で、表2記載の各条件で、リチウムゼオライトを作成した。比較例4では「比較例のイオン交換法によるリチウムゼオライトの作成方法」を2回繰り返して行ってリチウムゼオライトを作成した。
このようにして作成したリチウムゼオライトのX線回析、化学分析結果を表2に記載した。また、分析結果よりリチウム置換率とリチウム使用効率を算出し表2に記載した。表2の結果から、実施例5〜9は比較例3および4と比較して、リチウム置換率が高く、リチウム使用効率も高いことが分かる。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例10〜12
本実施例のリチウムゼオライトの作成方法は以下の通りである。本実施例ではX型およびA型ゼオライトからF型ゼオライトが得られることを示した。
ゼオライト20gを純水80gに添加し、攪拌して分散させ、このスラリーにpH電極を浸けた状態でpHを測定しつつ、攪拌下に所定量の8%硫酸を約1.5時間かけて滴下し、滴下途中pHが5になった時点で硫酸アルミニウム粉末を所定量添加し、硫酸滴下終了0.5時間後に最終pHを測定した。滴下中のpHが最終pHより0.3単位以上低くないことを確認した。次いでスラリーは濾過・水洗・リパルプを2回行い、リパルプ液には水酸化リチウムを10ミリモル添加した液を使用した。さらに濾過・リパルプ(純水)を行いスラリー濃度を10%に調節し、所定量の水酸化リチウムを攪拌下に添加した。このスラリーは所定の温度・時間で処理を行い、常温において処理終了pHを測定した。次いで、濾過・水洗し、110℃で16時間乾燥して、粉末のゼオライト試料を得た。ただし、実施例11は乾燥温度を50℃とした。処理条件および生成したリチウムゼオライトの性状については表3に記載した。表中の水酸化リチウム使用量はリパルプ水で使用した分も合算している。
実施例10および12では、それぞれX型ゼオライトとA型ゼオライトからF型ゼオライトが得られている。実施例11では処理温度と乾燥温度を50℃としたのでX型ゼオライトが得られている。F型ゼオライトは従来アルカリ源に水酸化カリウムを使用して合成する方法が一般的で、水酸化ナトリウムと水酸化リチウム混合アルカリでも得られるという報告はあるが、カチオンの90%以上がリチウムのF型ゼオライトの合成例は知られていない。
【0034】
【表3】
【0035】
実施例13
ナトリウムX型ゼオライトのナトリウムをルビジウムに置換した例を表4に示した。実施例13では、前記「実施例および参考例のリチウムゼオライトの作成方法」に記載した手順に準じて、表4記載の各条件でルビジウム置換ゼオライトを作成した。なお、実施例13において、水酸化リチウムまたは/および炭酸リチウムの代わりに酸化ルビジウムを使用した。また、酸処理工程における濾過・水洗・リパルプ後の電気伝導度は400μSに調整した。
このようにして作成したルビジウムゼオライトのX線回析、化学分析結果を表4に記載した。また、分析結果よりルビジウム置換率とルビジウム使用効率を算出し表4に記載した。表4の結果から、リチウム置換の場合と同様に、実施例13はルビジウム置換率が高く、ルビジウム使用効率も高いことが分かる。
【0036】
実施例14
実施例13において、水酸化ルビジウムの代わりに、水酸化マグネシウムを用いたこと以外は、実施例13を繰り返した。結果を表4に示す。表4の結果から、リチウム置換の場合と同様に、実施例14はマグネシウム置換率が高く、マグネシウム使用効率も高いことが分かる。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、高価な原料を大量に使用することなく、余剰な廃液を出すことなく、難イオン交換性イオンであるリチウムイオン、ルビジウムイオンまたはマグネシウムイオンを効率よくゼオライトに導入できる製造方法が提供される。
Claims (5)
- A型ゼオライトまたはX型ゼオライトを酸処理し、A型ゼオライトまたはX型ゼオライトの酸処理品を得る酸処理工程と、前記ゼオライトの酸処理品を塩基性金属塩溶液(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)と接触させ、前記ゼオライトの酸処理品中のプロトン(H+)およびその他のイオンの一部もしくは全部を金属イオン(ただし、前記金属イオンとはLi+、Rb+またはMg 2 +を意味する)に置換する金属イオン置換工程とを有する金属置換ゼオライトの製造方法。
- 前記酸処理工程が、0℃以上100℃以下の温度のA型ゼオライトまたはX型ゼオライトの水性スラリーに酸を添加して酸性域のpHを維持した後、濾過水洗し余剰の酸および溶出したイオン等を除去し、A型ゼオライトまたはX型ゼオライトの酸処理品を得る工程であり、かつ金属イオン置換工程が、前記ゼオライトの酸処理品を水に再分散して水性スラリーとし、続いて前記再分散水性スラリーに、常温ないし100℃以下の温度で塩基性金属塩溶液を混合または塩基性の金属塩(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)の粉末を溶解して、前記ゼオライトの酸処理品中のプロトン(H+)とその他のイオンの一部もしくは全部を金属イオン(ただし、前記金属イオンとはLi+、Rb+またはMg 2 +を意味する)に置換し、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、金属置換ゼオライトを得る工程である請求項1に記載の製造方法。
- X型ゼオライトが、SiO2/Al2O3モル比1.9〜2.5のフォージャサイト型ゼオライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 塩基性金属塩溶液として、金属の水酸化物溶液および/または金属の炭酸塩溶液(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 塩基性の金属塩として、金属の水酸化物および/または金属の炭酸塩(ただし、前記金属とはLi、RbまたはMgを意味する)を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法。
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