JP4277981B2 - 注出栓付き容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は注出栓付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
注出栓付き容器として、容器体の口頸部内に特殊構成の栓部材を嵌着して内容物を切れ良く滴下できるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記容器は、容器体の口頸部に筒状の栓本体を嵌着し、この栓本体内に球状の弁体を上下動可能に遊嵌している。栓本体内周下部には弁座となる突条を突周設するとともに、栓本体内周上部には上昇を抑制する突条を突周設し、更に上部の突条部分に縦溝を形成している。そして、容器体胴部を圧搾することにより弁体を上部の突条に圧接し、縦溝を介して少量の液を外部に注出する如く構成している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−39409号公報(第2−3頁,図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記容器は誤って倒したり或いはチューブ容器の様に寝かせて保管する場合に玉状弁体が下方の突条と離れて上部の突条との中間位置に移行し、その際に収納液が弁体周囲から注出口に漏出する可能性がある。特に収納液の粘度が低く容器体内に液が充満した使用開始当初はその傾向が顕著である。また、液注出に当たって玉状弁体が下方の突条から上方の突条に至る間にその周囲を通り液が注出口に至る余地があり、同じ胴部圧搾操作により注出量が安定しなくなる余地がある。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、容器を誤って倒したり、或いは寝かせて保管する際に液が注出口部分に移行する虞がなく、また、液注出の際には安定して少量の液の注出を行える優れた注出栓付き容器を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は、上記課題を解決するため、圧搾可能な胴部4を有するとともに、口頸部5上に筒状ノズル6を延設した容器体2と、板バネ10を介して上記ノズル6の注出口8側へ棒状栓体9を付勢させることによりその外周部を上記ノズル6の内周部に密接した栓部材3とを備え、上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部との密接部分に上記棒状栓体9の上下を連通する液流路aを設けたことを特徴とする注出栓付き容器として構成した。
【0008】
また、請求項2発明の容器は、上記容器体2が、下端を扁平にシールした圧搾可能な筒状胴部4上端より肩部7を介して上記口頸部5を起立するとともに、上記口頸部5上端より上記筒状ノズル6を一体に立設してなる容器体であり、上記栓部材3が、上記口頸部5内周に嵌着させた嵌合筒11と、該嵌合筒11より一体に立設した上記板バネ10と、該板バネ10の上端部に連結した上記棒状栓体9とからなり、全体を合成樹脂により形成してなる栓部材である請求項1記載の注出栓付き容器として構成した。
【0009】
また、請求項3発明の容器は、上記液流路aが上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部との密接部分のいずれか一方又は両方に穿設した縦溝12である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の注出栓付き容器として構成した。
【0010】
また、請求項4発明の容器は、上記液流路aが、上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部とのいずれか一方又は両方に突設した縦突条13により上記外周部と内周部との間に形成された隙間である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の注出栓付き容器として構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図面に示す如く本発明の注出栓付き容器1は、容器体2と、栓部材3とを備えている。
【0013】
容器体2は合成樹脂等により形成されたもので、圧搾可能な胴部4を備え、且つ、口頸部5上に筒状のノズル6を立設したものが採用される。具体的に容器体2は、図1に示す如き下端を扁平にシールした圧搾可能な筒状胴部4の上端より肩部7を介して上記口頸部5を起立したチューブ容器形態のもの、或いは図4に示す如き圧搾可能な筒状胴部4上端より肩部7を介して口頸部5を起立したボトル形態のもの等が挙げられる。
【0014】
上記ノズル6も合成樹脂等により形成され、先端部に注出口8を開口した筒状をなすもので、図示例の如く上方に行くに従って順次縮径する逆ラッパ筒状形態のものが好ましく採用できる。また、ノズル6は図1の実施例の如く口頸部5と一体に形成したものであっても、図4の実施例の如く、口頸部と別体に形成して口頸部上端に液密に且つ抜け出しを防止して嵌着したものであっても良い。
【0015】
栓部材3は、板バネを介して上記ノズル6の注出口8側へ棒状栓体を付勢させることによりその外周部を上記ノズル6の内周部に密接して装着したものである。棒状栓体9外周部のノズル内周部への密接は全体的であっても一部であっても良い。また、栓部材3は、図示例の如く、口頸部5内周に嵌合させた嵌合筒11より上方へ一体に延設するとともに、その上端を上記棒状栓体9と一体に連結し、全体を合成樹脂にて一体に形成したものが好ましく採用できる。尚、板バネ10の基端部は図示例の如き口頸部に嵌着させたものに限らず、例えば、口頸部上方のノズル6内に嵌着しても、また、口頸部下方の容器体内に嵌着する如く構成することも可能である。
【0016】
また、板バネの形態も種々の形態が採用でき、図1の実施例の如き複数の螺旋状のもの、或いは図4及び図7に示す如き複数の弯曲板状のもの、或いは図10及び図11に示す如き一枚の屈折板状のもの、或いは、図12に示す如きリング部を備えたもの等種々の形態を採用でき、容器体胴部を圧搾した際に加圧液が棒状栓体9を加圧する状態を維持することが出来ればこれらに限られない。
【0017】
本発明では、上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部との密接部分に液流路aを設けている。この液流路aは容器体胴部4の圧搾により加圧した液を通過させて注出口8より注出するためのものであり、その結果ノズル6内径に比較して極めて少量の液の注出に適したものとなる。
【0018】
この液通路1は、図1に示す如く棒状栓体9の外周部或いは図4に示す如くノズル内周部に縦溝12を設けることにより形成しても良いし、また、両方に縦溝を設けることにより形成しても良い。また、図7に示す如く棒状栓体9の外周部に縦突条13を設けることにより、或いはノズル6の内周部に縦突条13を設けることにより上記外周部と上記内周部との間に形成された隙間として構成しても良く、或いは双方に縦突条を設けることにより形成しても良い。更に、上記縦溝と縦突条を適宜組み合わせて形成しても良い。また、上記縦溝12或いは縦突条13の数或いはその横断面積の大きさ等は収納液の粘度,密閉部分の長さ,注出液の必要量等を考慮して適宜選択することができる。また、密接部分に於ける棒状栓体9の外周部或いはノズル6の内周部或いは両方に、液の流通が可能な微細凹凸面所謂梨子地を形成することにより液流路とすることも可能である。
【0019】
図1は本発明の一例を示すもので、容器体2は、下端を扁平にシールした圧搾可能な筒状胴部4を有し、該胴部4上端より肩部7を介して口頸部5を起立している。更に口頸部5上端縁より上方へ行くに従って窄み、先端に注出口8を開口した逆ラッパ筒状のノズル6を一体に立設している。
【0020】
栓部材3は、上記口頸部5内周に突周設した係止突条14下面に上面を当接係止させて口頸部5内周に嵌合させた嵌合筒11と、該嵌合筒11の上端より上方へ螺旋状に立設した複数の板バネ10を介して延設した下端開口の中空円錐台形状をなす棒状栓体9とから構成している。また、棒状栓体9の外面所定位置には一対の縦溝12を凹設して液流路aを形成している。
【0021】
上記の如く構成した容器1は、容器体胴部4を圧搾することにより収納液を加圧して液流路aを介して注出口8より注出する。胴部4の圧搾を解除するとその弾性復元力により容器体2内が負圧化し、棒状栓体9が各板バネ10の弾発力に抗して容器体内方へ引き込まれ、その外周に形成された隙間より置換空気が導入される。
【0022】
図4は本発明の他の一例を示すもので、容器体2は、圧搾可能な筒状胴部4上端より肩部7を介して口頸部5を起立している。口頸部5の上端には別体として形成したノズル6を嵌着させている。該ノズル6は、口頸部5上端部より上方へ行くに従って窄み、先端に注出口8を開口した逆ラッパ筒状をなし、下端部よりフランジ15を介して延設した装着筒16を口頸部5外周上部に嵌合させており、装着筒16の内周より突設した係合突起を口頸部外周の係止突起に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図っている。また、フランジ15内周縁より垂設したシール筒17を口頸部5内周上部に密嵌させてこの部分での液密性を図っている。
【0023】
栓部材3は、上記シール筒17下面に上面を当接係止させて口頸部5内周に嵌合させた嵌合筒11と、該嵌合筒11の上端より上方へ立設した弯曲板状をなす複数の板バネ10を介して延設した下端開口の中空砲弾状をなす棒状栓体9とから構成している。本実施例では上記ノズル6の内周部所定位置に一対の縦溝12を凹設して液流路aを形成している。
【0024】
図7は本発明の更に他の一例を示すもので、図1の実施例に於いて、別形態の栓部材3を設けた例を示す。栓部材3は、上記口頸部5内周に突周設した係止突条14下面に上面を当接係止させて口頸部5内周に嵌合させた嵌合筒11と、該嵌合筒11の上端より内方へ弯曲上昇した後上方へ延びる周方向複数の板バネ10を介して延設するとともに、下端開口の中空砲弾形状をなす棒状栓体9とで構成している。また、本実施例に於いて液流路aは、棒状栓体9外周部に突設した縦突条13により、上記外周部と上記内周部との間に形成された隙間として構成している。
【0025】
図10乃至図12は本発明に使用される栓部材3の他の例を示すもので、図10に示したものは、嵌合筒11の上端より上方に延びた後傾斜上昇し再び上方に延びる一枚の屈折板状の板バネ10を立設しその先端に上記棒状栓体9を延設した例を示す。また、図11に示すものは、嵌合筒11の上端より蛇行状に延びた一枚の屈折板状の板バネ10を立設しその先端に上記棒状栓体9を延設した例を示す。図12に示すものは、容器体口頸部5内周に周縁部を嵌着させるとともに、周縁部に通液用の複数の窓孔18を穿設した嵌合板19の上面より中間部に弾性リング部20を設けた板バネ10を立設し、その先端に中実の棒状栓体9を延設した例を示す。これらは例えば図1の実施例の栓部材に代えて採用することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明の注出栓付き容器は、既述構成としたことにより、ノズル内径と比較して極めて小さい液流路を介しての単位時間当たり少量の液の注出が可能であり、液の暴出の虞がない。また、胴部の圧搾を解除するとその弾性復元力により容器体内が負圧化し、棒状栓体が板バネの弾発力に抗して容器体内方へ引き込まれ、その外周に形成された隙間より円滑に置換空気が導入される。更に、容器を誤って倒したり或いは寝かせて保管する際に液が注出口部分に移行する虞がなく、上記状態からキャップを外した際に液がたれ落ちる等の不都合を生じる虞のないものである。また、液流路は常時一定の開口面積を保っているため、常時安定して少量の液の注出を行えるものである。
【0027】
また、請求項2発明の容器では、上記効果に加え、全体の組み付け操作が容易であり、また、金属玉弁等を使用しないため収納液への制限(例えば、金属との接触に不都合な液の収納が不可等)が少ない等の効果を併せて発揮するものである。
【0028】
また、請求項3発明及び請求項4発明の容器では、上記効果に加え、より確実に液流路を確保でき、単位時間当たり極めて少量の液の注出に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部切欠要部側面図である。
【図2】同実施例の栓部材を示す拡大斜視図である。
【図3】同実施例の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す一部切欠要部側面図である。
【図5】同実施例の栓部材を示す拡大斜視図である。
【図6】同実施例の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す一部切欠要部側面図である。
【図8】同実施例の栓部材を示す拡大斜視図である。
【図9】同実施例の要部拡大断面図である。
【図10】本発明に於ける栓部材の他の例を示す拡大斜視図である。
【図11】本発明に於ける栓部材の更に他の例を示す拡大斜視図である。
【図12】本発明に於ける栓部材の更に他の例を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…栓部材,4…胴部、5…口頸部,6…筒状ノズル,
8…注出口,9…棒状栓体,10…板バネ,11…嵌合筒,12…縦溝,
13…縦突条,a…液流路
Claims (4)
- 圧搾可能な胴部4を有するとともに、口頸部5上に筒状ノズル6を延設した容器体2と、板バネ10を介して上記ノズル6の注出口8側へ棒状栓体9を付勢させることによりその外周部を上記ノズル6の内周部に密接した栓部材3とを備え、上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部との密接部分に上記棒状栓体9の上下を連通する液流路aを設けたことを特徴とする注出栓付き容器。
- 上記容器体2が、下端を扁平にシールした圧搾可能な筒状胴部4上端より肩部7を介して上記口頸部5を起立するとともに、上記口頸部5上端より上記筒状ノズル6を一体に立設してなる容器体であり、上記栓部材3が、上記口頸部5内周に嵌着させた嵌合筒11と、該嵌合筒11より一体に立設した上記板バネ10と、該板バネ10の上端部に連結した上記棒状栓体9とからなり、全体を合成樹脂により形成してなる栓部材である請求項1記載の注出栓付き容器。
- 上記液流路aが上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部との密接部分のいずれか一方又は両方に穿設した縦溝12である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の注出栓付き容器。
- 上記液流路aが、上記棒状栓体9外周部と上記ノズル6内周部とのいずれか一方又は両方に突設した縦突条13により上記外周部と内周部との間に形成された隙間である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の注出栓付き容器。
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