JP4277145B2 - 製紙用サイズ剤及び当該サイズ剤を用いた抄造紙 - Google Patents

製紙用サイズ剤及び当該サイズ剤を用いた抄造紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱カルボキシル化ロジン類を反応物とする製紙用サイズ剤、並びに当該サイズ剤を用いて抄造した紙に関し、特に、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を使用しない中性抄造条件でも良好なサイズ効果を発揮できる新規のロジン系サイズ剤を提供する。
【0002】
【発明の背景】
紙へのサイジングとしては、従来からロジン系サイズ剤が汎用されているが、この方式は基本的に硫酸バンドを定着剤とした酸性抄造サイジング法である。
しかし、酸性抄造サイジング方式では、紙が黄ばんだり、保存性に問題があるうえ、安価な填料である炭酸カルシウムが使用できなかったり、或は、紙原料に炭酸カルシウムを含んだ古紙、損紙が混ざる場合にも問題が発生することから、抄造条件の中性化が進んだ。
そのため、酸性物質である硫酸バンドの使用量が制限され、また、定着剤としての効果も中性領域では薄れることから、従来のロジン系サイズ剤では対応が難しくなっている。
そこで、カチオン性高分子系サイズ剤や、アルキルケテンダイマー(AKD)系、アルケニルコハク酸無水物(ASA)系のような反応性サイズが中性抄造では使用されるようになった。しかし、これらの反応性サイズ剤は、分散状態での安定性が悪くて抄造機械を汚損したり、AKDにいたってはサイジングのコントロールが難しく、紙への滑りが生じて、操業性、製品の品質面などに問題がある。
【0003】
そのため、これらの問題点を解消し、中性抄造条件でも使用できるサイズ剤として、各種ロジンエステルを用いたロジン系中性サイズ剤が開発されている。
【0004】
【従来の技術】
中性抄造を目的としたロジン系サイズ剤の従来技術を列挙すると、次の通りである。
(1)従来技術1(米国特許第3044890号公報)
サイズ剤として、ロジン類をグリセロール、プロピレングリコール、或はペンタエリスリトールなどの多価アルコール類でエステル化した強化ロジン分散液が開示されている。
(2)従来技術2(英国特許第859787号公報)
サイズ剤として、強化ロジンとロジンのアミノアルコールエステルとの混合物が開示されている。
【0005】
(3)従来技術3(特公平2−36629号公報)
フマル酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸で強化され、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの第三級アミノアルコールでエステル化された強化ロジンエステルを含む水性分散液が、サイズ剤として有効であることが開示されている。
(4)従来技術4(特公平6−4954号公報)
ロジン類に、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸誘導体と、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとを反応させた強化ロジンエステルを含む水性分散液が、サイズ剤として有効であることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術4の強化ロジンエステルの水性分散液は中性抄造サイジングに有効であることが記載されているが、実際には、7以上のpH領域ではサイズ効果の低下が大きく、中性抄造用サイズ剤として充分な実用度を具備していないという問題がある(後述の試験例中の比較例4参照)。
【0007】
また、上記従来技術3の強化ロジンエステルでは、ロジンの部分アミノアルコールエステルをα,β−不飽和ジカルボン酸で変性することにより、中性付近のサイジングを良好に改善できることが述べられている。
ちなみに、前記従来技術2のサイズ剤は強化ロジンとロジンのアミノアルコールエステルとの混合物であり、このサイズ剤においては、強化ロジンだけがサイズ性に寄与し、ロジンのアミノアルコールエステルはサイズ性に寄与していないのであるが、上記従来技術3では、ロジンアミノアルコールエステル中にα,β−不飽和ジカルボン酸を導入することがサイズ効果の発現に寄与するものと理解される。
しかしながら、この従来技術3のサイズ剤は、前記従来技術4に比べると中性付近のサイズ性に優れる反面、実施例に示されたサイズ剤の各種具体例では良好な乳化物を実際に得ることができず、やはり充分なサイズ剤とは言えない。
また、上記従来技術1〜4のロジン系サイズ剤は、共に硫酸バンドを使用することを基本前提として開発されているため、硫酸バンドの使用が最小限に制限されたり、効果が落ちる中性条件での抄造では、期待以上に性能を発揮し得ないのが実情である。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決すべく、硫酸バンドの存在の影響を受けず、実用度の高い中性抄造用のロジン系サイズ剤を新規に開発することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
例えば、米国特許第3663523号公報には、脱カルボキシル化ロジンと無水マレイン酸又はフマル酸とを反応させた生成物をグリース、印刷インキなどに利用することが開示されている。また、特公平3−39555号公報には、ジフェニルスルフィド、硫化ナトリウムなどの特定の脱カルボキシル化促進剤を使用して天然ロジン、樹脂酸を脱カルボキシル化して、ゴム配合に適したサーマルオイルを得ることが開示され、特公平5−17929号公報には、天然ゴム又は共役ジオレフィン系重合体ゴムに、加工助剤として脱カルボキシル化ロジン酸を配合することが開示されている。
【0010】
本発明者らは、ロジン類に脱カルボキシル化反応を施した上記脱カルボキシル化ロジン類に着目し、当該脱カルボキシル化ロジン類をα,β−不飽和カルボン酸で強化した場合には、従来の強化ロジン類などに比べてロジン環にカルボキシル基が存在しないことに由来して特異な立体効果などが類推されることから、硫酸バンドを使用しない中性抄造条件でも、優れたサイズ効果を発現することを見い出して、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明1は、(A)ロジン類に脱カルボキシル化反応を施した脱カルボキシル化ロジン類、
(B)α,β−不飽和カルボン酸類
を反応させてなる強化脱カルボキシル化ロジン類を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤である。
【0012】
本発明2は、上記本発明1の強化脱カルボキシル化ロジン類と、
ロジン類に多価アルコール類を反応させたロジンエステル類、ロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させた強化ロジン類、及び、ロジン類に多価アルコール類とα,β−不飽和カルボン酸類を反応させた強化ロジンエステル類からなる群より選ばれたロジン系樹脂の少なくとも一種
との混合物を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤である。
【0013】
本発明3は、上記本発明2において、強化脱カルボキシル化ロジン類とロジンエステル類との混合物を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤である。
【0014】
本発明4は、上記本発明2において、強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジン類との混合物を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤である。
【0015】
本発明5は、上記本発明2において、強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジンエステル類との混合物を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤である。
【0016】
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかの製紙用サイズ剤が、樹脂成分を水中に分散させた水性エマルションから成ることを特徴とする製紙用エマルション型サイズ剤である。
【0017】
本発明7は、上記本発明1〜6のいずれかの製紙用サイズ剤の存在下で、パルプスラリーを湿式抄造して得られる紙である。
【0018】
本発明8は、上記本発明6の製紙用エマルション型サイズ剤の存在下で、硫酸アルミニウムを含有させないで、パルプスラリーを湿式中性抄造して得られる中性紙である。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記ロジン類は、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンを単用又は併用できる。
上記ロジン類の脱カルボキシル化反応は、ロジン類に触媒を用いて120〜280℃の蒸留、乾留等で製造する方式を初め、任意の公知の方式で実施されるが、反応の生成物中にはカルボキシル基を有するロジン環が一部に残存しても差し支えない。
上記脱カルボキシル化反応の触媒としては、リン酸、水酸化石灰、生石灰、炭酸石灰、塩化カルシウム、鉄粉、酸化鉄、珪素タングステン酸、ほう酸、パラトルエンスルホン酸、塩化亜鉛、塩化鉄、木炭などが挙げられる。また、各種の酸性白土、その他のルイス酸が奏効する。
例えば、米国特許第1852244号公報には、白土触媒の存在下にロジンを加熱することで脱カルボキシル化ロジンであるロジン油を製造する方法が開示されている。また、仏特許第57253号、仏特許第980300号公報、或は米国特許第2517690号公報には、連続的に脱カルボキシル化ロジンを得る方法が開示されている。他に、特開平5-51487号公報、特開平5-59216号公報、特開平6-192479号公報などにも、脱カルボキシル化ロジンの事例が開示されている。
【0020】
上記α,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物などであり、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
また、上記脱カルボキシル化ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類との強化反応は既知の方式により行われる。
例えば、この場合の反応温度は150〜300℃程度、反応時間は1〜24時間程度である。α,β−不飽和カルボン酸類の仕込み量は、ロジン類1モル部に対しα,β−不飽和カルボン酸類1モル部程度以下である。
【0021】
上記本発明1が強化脱カルボキシル化ロジン類を単独の有効樹脂成分とするサイズ剤であるのに対して、本発明2は、この強化脱カルボキシル化ロジン類と、ロジンエステル類、強化ロジン類、及び強化ロジンエステル類からなる群より選ばれた公知のロジン系樹脂(ロジン系サイズ成分)の少なくとも一種とを併用したサイズ剤であり、本発明3〜5は、この本発明2に包含されるサイズ剤のうち、強化脱カルボキシル化ロジン類と公知のロジン系樹脂の一種との2成分系の混合物を有効樹脂成分として限定したサイズ剤である。
従って、本発明2のサイズ剤には、この外に、強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジン類とロジンエステル類、強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジン類と強化ロジンエステル類、強化脱カルボキシル化ロジン類とロジンエステル類と強化ロジンエステル類などの3成分系の混合物、或は、強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジン類とロジンエステル類と強化ロジンエステル類よりなる4成分系の混合物を有効樹脂成分とするサイズ剤も包含される。
上記混合割合は、強化脱カルボキシル化ロジン類の100重量部に対して、ロジンエステル類、強化ロジン類、或は強化ロジンエステル類は10〜100重量部が好ましい。
本発明2〜5では、強化ロジン類などの公知のロジン系サイズ成分に本発明1の強化脱カルボキシル化ロジン類を混合することにより、硫酸バンドの必要量を緩和した(弱酸性領域、又はこれに近い領域での)酸性抄造サイジングが可能になる。また、硫酸バンドの使用を最小限に抑制し、或は全く使用しない中性抄造サイジングも当然ながら可能である。
この意味で、強化ロジン類などの公知のロジン系サイズ成分の混合割合が100部を越えると、サイズ効果は低減する。
【0022】
上記ロジンエステル類は、ロジン類と多価アルコールを公知のエステル化法により製造したものをいう。エステル化反応の条件としては、ロジンと多価アルコールの仕込み比率はロジンのカルボキシル基当量に対してアルコールの水酸基当量比換算でCOOH/OH=1/0.2〜1.2程度、反応温度は150〜300℃程度、反応時間は2〜30時間程度が夫々適当である。
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の4価アルコール、或は、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−ノルマルブチルジエタノールアミン等のアミノアルコールなどを単用又は併用できる。
【0023】
上記強化ロジン類は、既知の方法によりロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させることにより得られる。使用するα,β−不飽和カルボン酸類、仕込量、反応条件などは前記本発明1の場合と同様である。
【0024】
上記強化ロジンエステル類は、ロジン類に多価アルコール類とα,β−不飽和カルボン酸類を順次、又は同時に反応させることにより得られる。順次反応させる場合は、最初にロジン類と多価アルコール、次にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させるか、ロジンにα,β−不飽和カルボン酸類を反応させ、次に多価アルコールを反応させる。多価アルコールとのエステル化反応、α,β−不飽和カルボン酸類との変性反応は前記本発明1及び3と同様な条件で行えば良い。
【0025】
本発明の製紙用サイズ剤は、本発明1〜5の各種有効樹脂成分を分散剤を用いて水中に分散させたエマルション型サイズ剤を初め、従来の強化ロジン系サイズ剤のように、アルカリ金属のケン化剤などでケン化したケン化型サイズ剤などの様々な形態を含む広義の概念であるが、本発明6のエマルション型サイズ剤とするのが好ましい。
【0026】
サイズ剤をエマルション化する際に用いる分散剤としては、基本的には疎水性基、非イオン性親水基及び/又はイオン性親水基を持つ合成高分子系、或は、一般の天然高分子系の乳化剤が使用できる。上記合成高分子系乳化物としては、スチレンメタクリル酸系モノマーの共重合体部分ケン化物又は完全ケン化物が挙げられ、天然高分子系乳化剤としてはカゼイン、カチオン澱粉などが挙げられる。
【0027】
上記エマルション型サイズ剤は任意の方式で製造され、特に限定はされない。例えば、本発明1〜5に示すサイズ剤の各種ロジン系有効樹脂成分と乳化剤を充分に混練した後、撹拌しながら徐々に水を加えて、油中水型エマルションを水中油型エマルションに相反転させる転相乳化方式、或は、溶融した各種ロジン系有効樹脂成分と乳化剤と水を予備混合し、粗い粒子の水性エマルションを調製した後、各種ミキサー、ホモジナイザー、高圧乳化機などを用いて微細分散させる無溶剤型乳化方式などにより製造される。また、各種ロジン系有効樹脂成分をメチレンクロライド、トルエン、ベンゼンなどの有機溶剤に溶解させ、乳化剤と水を予備混合して粗い粒子の水性エマルションを調製した後に、各種乳化機を用いて同様に微細乳化し、上記有機溶剤を除去する溶剤型乳化方式などで製造しても差し支えない。
【0028】
さらに、本発明の製紙用サイズ剤は、公知の(製品としての)サイズ剤、例えば、ロジンエマルションサイズ剤、ロジン系中性サイズ剤などの従来のロジン系サイズ剤、或は、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物(ASA)系サイズ剤、カチオン性高分子系サイズ剤などと併用できることはいうまでもない。
【0029】
本発明7〜8は、上記本発明1〜6の各種製紙用サイズ剤を各種のパルプスラリーに添加し、湿式抄造して得られる紙である。紙は、印刷・筆記・図画用紙、包装用紙、薄葉紙、新聞巻取紙、雑種紙などの各種品種、或は板紙などを含む広い概念である。
本発明7〜8では、強化脱カルボキシル化ロジン類をサイズ成分として単用し又は強化ロジン類などの公知のサイズ成分と併用するため、pH6以上の弱酸性領域〜中性領域での中性抄造サイジング、或は酸性抄造サイジングの両方が可能となる。特に、本発明6のエマルション型サイズ剤は、硫酸バンドを使用しない中性抄造サイジングに好適であり、本発明8の中性紙を製造する場合にも、良好なサイズ効果を発現できる。
また、本発明のサイズ剤は、製紙工程においてウエットエンドに添加される内添サイズ剤を基本としているが、予め抄造された紙に浸漬、塗布、噴霧などにより塗工される表面サイズ剤としても適用できる。
【0030】
【作用】
本発明の強化脱カルボキシル化ロジン類は、ロジン環にカルボキシル基を具備しないことから、付加した不飽和カルボン酸とロジン環との両方にカルボキシル基を有する従来の強化ロジン類などとは、紙の繊維に対する立体効果が異なる。
従って、この特異な立体構造によって、詳細はなお明らかではないが、例えば、強化脱カルボキシル化ロジン類における不飽和カルボン酸の付加部分が、公知のASA系サイズ剤に類するように、セルロースのOH基に接近し易くなってなんらかの反応性を示し、もって硫酸バンドの存在しない中性抄造サイジングに際しても、繊維に細かく均一に定着が進行するものと一応推測することができる。
【0031】
【発明の効果】
(1)後述の試験例に示すように、本発明の製紙用サイズ剤は、脱カルボキシル化ロジン類を反応物とする強化脱カルボキシル化ロジン類を有効成分とするために、硫酸バンドを用いる酸性抄造サイジング方式に限定される従来の強化ロジン系サイズ剤などとは異なり、pH6以上の弱酸性領域〜中性領域でも優れたサイズ効果を発揮し、硫酸バンドを用いない中性抄造サイジングが可能となる。
従って、紙の黄ばみや保存性の問題が解消できるうえ、安価な填料である炭酸カルシウムが使用でき、また、紙原料に炭酸カルシウムを含んだ古紙、損紙などが混ざっても円滑に抄造できる。但し、本発明の製紙用サイズ剤は、前述したように、酸性抄造サイジングを排除するものではない。
【0032】
(2)上記(1)に示すように、本発明では、強化脱カルボキシル化ロジン類を有効樹脂成分として単用する場合に限らず、この強化脱カルボキシル化ロジン類を強化ロジン類、ロジンエステル類、或は強化ロジンエステル類などの公知のロジン系サイズ成分の少なくとも一種と併用しても、硫酸バンドの必要量を低減した酸性抄造サイジングが可能となり、或は、硫酸バンドの使用量を最小限に抑制し、又は全く使用しない中性抄造サイジングが可能になる。これにより、従来の酸性抄造サイジングの各種問題点を円滑に解消でき、又は軽減できる。
また、本発明の脱カルボキシル化ロジン系サイズ剤は、製品としてのロジンエマルションサイズ剤、ロジン中性サイズ剤などのロジン系サイズ剤、或は、AKD、ASA、高分子系サイズ剤などの中性抄造用の反応性サイズ剤などの公知のサイズ剤とも共用が可能である。
【0033】
【実施例】
以下、脱カルボキシル化ロジン類の製造実施例、当該脱カルボキシル化ロジン類を用いた強化脱カルボキシル化ロジン類などの製造実施例、エマルション型サイズ剤の製造実施例、並びに当該サイズ剤を用いて中性抄造した場合のサイズ試験例などを順次説明する。
また、以下の実施例、試験例などの「部」、「%」は特に指定しない限り「重量部」、「重量%」を夫々示す。
尚、本発明は下記の製造例、実施例、或は試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0034】
《脱カルボキシル化ロジン類の製造例》
(1)製造例1A
撹拌機、温度計を具備した3000ml四つ口フラスコに、トール油ロジン(酸価170)2500部を160℃に加熱溶融する。この温度にて85%リン酸50部を仕込む。仕込み終了後、ポンプにて40mmHgまで吸引減圧し、6時間かけて280℃まで昇温、蒸留し、留分を集めた。この蒸留により、酸価1で1550部の脱カルボキシル化ロジンを得た。
【0035】
(2)製造例1B
上記製造例1と同様の条件で、原料仕込み終了後、ポンプにて40mmHgまで吸引減圧し、6時間かけて260℃まで昇温、蒸留し、留分を集めた。この蒸留により、酸価1で1500部の脱カルボキシル化ロジンを得た。
【0036】
《強化脱カルボキシル化ロジン類、強化ロジン類などの製造例》
本製造例にあっては、上記脱カルボキシル化ロジンとα,β−不飽和カルボン酸を反応させて強化脱カルボキシル化ロジンを合成する場合を製造例2A〜2Bとし、公知のロジン系サイズ成分である強化ロジン類、ロジンエステル類、強化ロジンエステル類を合成する場合を製造例3A〜3Eとして、製造グループの番号(即ち、製造例のグループ2と3)で区別した。
【0037】
(1)無水マレイン酸強化脱カルボキシル化ロジンの製造例2A
前記脱カルボキシル化ロジンの製造例1Aと同じ器具を具備した3000ml四つ口フラスコに、上記製造例1Aで得られた脱カルボキシル化ロジン1550部を仕込み160℃まで昇温した。その後、無水マレイン酸295部を仕込み、200℃まで1時間かけて昇温し、その温度で2時間保持した。そして、1時間かけて275℃に昇温、2時間保持して反応させた。次いで、反応物の精製のため、200℃まで温度を下げ、40mmHgに減圧し、再び1時間半かけて260℃まで昇温、未反応の無水マレイン酸、脱カルボキシル化ロジンを蒸留除去した。得られた樹脂のケン化価は195、粘度41,000mPa・s(25℃)であった。
【0038】
(2)無水マレイン酸強化脱カルボキシル化ロジンの製造例2B
前記製造例1Aと同じ器具を具備した3000ml四つ口フラスコに、前記製造例1Bで得られた脱カルボキシル化ロジン1500部を仕込み160℃まで昇温した。その後、無水マレイン酸285部を仕込み、200℃まで1時間かけて昇温し、その温度で2時間保持した。そして、1時間かけて275℃に昇温、2時間保持して反応させた。次いで、反応物の精製のため、200℃まで温度を下げ、40mmHgに減圧し、再び1時間半かけて260℃まで昇温、未反応の無水マレイン酸、脱カルボキシル化ロジンを蒸留除去した。得られた樹脂のケン化価は254、粘度47,000mPa・s(70℃)であった。
当該製造例2Bで得られた強化脱カルボキシル化ロジンは、前記製造例2Aの生成物に比べてケン化価が大きく、純度が高いことに注目すべきである。このことは、脱カルボキシル化ロジンの製造例1Aと製造例1Bにおいて、原料を仕込み、減圧した後の昇温温度の条件の差別化が、大きく寄与しているものと思われる。
【0039】
(3)無水マレイン酸強化ロジンの製造例3A
撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した1000ml用四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトール油ロジン(酸価170)600部を160℃に加熱溶融した。次に、無水マレイン酸115部を仕込み、30分かけ200℃まで昇温し、2時間保持して反応させた。得られた樹脂のケン化価は320、軟化点105℃であった。
【0040】
(4)グリセリンロジンエステルの製造例3B
撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した1000ml用四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトール油ロジン(酸価170)600部を160℃に加熱溶融した。次に、グリセリン62部を仕込み(COOH:OH=0.9:1)、2時間かけて250℃まで昇温し、5時間反応させて酸価30、軟化点90℃の樹脂を得た。
【0041】
(5)無水マレイン酸強化ロジンエステルの製造例3C
撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した1000ml用四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導入下で上記製造例3Bで得られたグリセリンロジンエステル500部を160℃に加熱溶融した。次に、無水マレイン酸40部を仕込み、30分かけて200℃まで昇温し、2時間保持して反応させた。得られた樹脂のケン化価は110、軟化点107℃であった。
【0042】
(6)無水マレイン酸強化ロジンの製造例3D
撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した1000ml用四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトール油ロジン(酸価170)600部を160℃に加熱溶融した。次に、無水マレイン酸60部を仕込み、30分かけて200℃まで昇温し、2時間保持して反応させた。得られた樹脂のケン化価は255、軟化点94℃であった。
尚、本製造例3Dは無水マレイン酸の仕込み量を少なくした点以外は、前記製造例3Aと同様の条件で製造した。後述するように、本製造例3Dの強化ロジンはサイズ剤の比較例中で単用するサイズ成分であるのに対して、前記製造例3Aの強化ロジンはサイズ剤の実施例中で本発明の強化脱カルボキシル化ロジンと併用するサイズ成分であるため、本製造例3Dでは、サイズ剤のエマルションをより安定にする目的で、製造例3Aよりマレイン酸量を低減したものである。
【0043】
《エマルション型サイズ剤の製造実施例》
下記の実施例1〜3及び7は強化脱カルボキシル化ロジン類を単用した例、実施例4〜6はこの強化脱カルボキシル化ロジン類と、公知の強化ロジン類、ロジンエステル類、或は強化ロジンエステル類とを夫々併用した例である。具体的には、実施例1及び2はアニオン性高分子乳化剤を使用し、ミキサーによる無溶剤型の乳化方式で製造した例、実施例3は乳化剤の種類を変え、転相乳化方式で製造した例、実施例7はやはり乳化剤の種類を変え、ホモジナイザーによる乳化方式で製造した例である。
一方、比較例1〜4は、公知の中性抄造用のロジン系サイズ剤、或は、冒述の従来技術1〜4に類した例である。具体的には、比較例1及び3は強化ロジンとロジンエステルの混合物を有効サイズ成分とする公知の中性抄造用のエマルション型ロジン系サイズ剤の例であり、このエマルション型サイズ剤は本来、硫酸バンドの使用を前提とするものである。比較例2は公知の強化ロジンを単独サイズ成分としたエマルション型サイズ剤の例であり、本発明の強化脱カルボキシル化ロジン類との対比において、ロジン環にカルボキシル基が存在する場合のサイズ効果の変化を明確にするための例である。また、比較例4は、強化ロジンエステルを単独サイズ成分としたもので、特に、冒述の従来技術4に類した例である。
【0044】
(1)実施例1
前記製造例2Aの樹脂25部とアニオン性高分子乳化剤(スチレンメタクリル酸系の共重合物のナトリウム塩)15部(有効成分3部)を室温で充分に混練し、水100部にミキサーで撹拌しながら樹脂乳化剤混合物を分散させ、水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分20%を有していた。
【0045】
(2)実施例2
前記製造例2Aの樹脂を製造例2Bの樹脂に代替し、それ以外は上記実施例1と同様の条件にて乳化物を得た。樹脂は70℃に保ち乳化剤と充分に混練した。得られた乳化物は、固形分20%を有していた。
【0046】
(3)実施例3
前記製造例2Bの樹脂50部を70℃に保ち、界面活性剤(スルホコハク酸モノエステル)4.4部(有効成分1.5部)を撹拌しながらゆっくり加え、次いで10%カゼイン溶液(カゼイン2部、25%アンモニア水1部、水で全量35部に希釈)35部を徐々に滴下した。追加の温水(40℃)20部を徐々に滴下し、O/W型のエマルションに反転させた。その後65部の水を加えて水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分31%を有していた。
【0047】
(4)実施例4
前記製造例2Aの樹脂35部、製造例3Aの樹脂15部を140℃で溶融し、その後冷却して70℃に保ったものを用いた以外は、上記実施例3と同様の条件に設定して水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分30%を有していた。
【0048】
(5)実施例5
前記製造例2Aの樹脂25部と製造例3Bの樹脂25部を160℃にて溶融混合し、その後冷却して85℃に保ったものを用いた以外は、上記実施例4と同様の条件に設定して水性エマルションを得た。得られた乳化物は32%を有していた。
【0049】
(6)実施例6
前記製造例2Aの樹脂25部と製造例3Cの樹脂25部を160℃にて溶融混合し、その後冷却して85℃に保ったものを用いた以外は、上記実施例4と同様の条件に設定して水性エマルションを得た。得られた乳化物は30%を有していた。
【0050】
(7)実施例7
70℃に保った前記製造例2Bの樹脂25部を、同じく70℃に保ったカチオン澱粉水溶液200部(このうち、乳化剤としての有効成分は10部、残部は水)中でホモジナイザーにて30秒分散させて水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分15.5%を有していた。
【0051】
(8)比較例1
前記製造例3Aの樹脂100部と前記製造例3Bの樹脂100部をトルエン200部に溶融し、前記実施例1で使用したアニオン性ポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、水350部を添加し、40℃にてホモミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。その後、減圧蒸留によりトルエン及び若干の水を溜去して、水性エマルションを得た。得られた乳化物は固形分37%を有していた。
【0052】
(9)比較例2
前記製造例3Dの樹脂50部を160℃にて溶融混合、冷却して100℃に設定したものを用いた以外は、上記実施例3と同様の条件に設定して水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分30%を有していた。
【0053】
(10)比較例3
前記製造例3Aの樹脂25部と製造例3Bの樹脂25部を混合したものを用いた以外は、上記実施例3と同様の条件に設定して水性エマルションを得た。得られた乳化物は、固形分32%部を有していた。
【0054】
(11)比較例4
前記製造例3Cの樹脂50部を用いた以外は、上記実施例3と同様にして水性エマルションを得た。得られた乳化物は固形分32%を有していた。
【0055】
そこで、上記実施例及び比較例で得られた各エマルション型サイズ剤を硫酸バンドの存在しない中性抄造条件で使用して、得られた抄造紙のサイズ度を試験した。
《エマルション型サイズ剤の試験例》
パルプ:LBKP CSF420ml
上記パルプの2.5%分散スラリーに、対パルプ10%になるように軽質炭酸カルシウムを所定量加えて撹拌した。撹拌下で両性澱粉を加え、2分後に前記実施例1〜7並びに比較例1〜4で得られた各エマルション型サイズ剤を添加量0.4%、0.6%の割合で夫々添加した。次いで、パルプスラリーpHが7.3付近になっていることを確認した後、30秒してポリアクリルアマイド系歩留まり剤を添加した。その30秒後に、定法に従い、手抄き試験機を用いて手抄紙(坪量63〜67g/m2)を調製した。その際、パルプスラリーpHは7.5に調整された。
得られた手抄紙は、温度20℃、湿度65%の恒温・恒湿室にて1日放置後、ステキヒト法(JIS P8122)により、サイズ剤の各添加量ごとにサイズ度(秒)を測定した。
【0056】
図1はその結果を示す。
硫酸バンドの存在しないpH7.5付近の中性抄造条件において、実施例1〜7の各サイズ剤は、共に優れたサイズ効果を発揮した。強化脱カルボキシル化ロジンを単用した実施例1〜3及び7では、無溶剤型乳化法、転相乳化法などの製法、或は乳化剤の種類を問わず、得られたエマルション型サイズ剤の効果は良好であった。また、強化脱カルボキシル化ロジンと、強化ロジン、ロジンエステル、或は強化ロジンエステルとを併用した実施例4〜6であっても、中性抄造サイジングが可能であることが確認できた。
ちなみに、実施例1〜7の各サイズ剤は0.4%の使用量で明確なサイズ効果を示したが、0.6%の増量例の併記は、より鮮明なサイズ効果を確認するためである。通常、サイズ度は紙の品種によってその要求値が異なり、例えば、筆記を主目的とした上質紙などでは概ね10以上のサイズ度が要求されるが、筆記を主目的としない加工紙などでは、低いサイズ度でも充分に対応できる。従って、0.4%の使用量にあっては、強化脱カルボキシル化ロジンを単用した実施例2〜3では上質紙などに適用可能であるうえ、公知のロジン系サイズ成分を併用した他の実施例においても加工紙などへの適用には充分である。また、使用量を0.6%に増量すると、強化脱カルボキシル化ロジンを単用した実施例2〜3及び7では際立ったサイズ度を示したほか、各実施例共に上質紙などに充分に適用できる。
【0057】
これに対して、強化脱カルボキシル化ロジン類を使用しなかった比較例1〜4では、各比較例共にサイズ効果は実施例より劣り、特に、比較例2〜4では中性抄造サイジングへの適用は明らかに不可であった。即ち、比較例1は強化ロジンとロジンエステルを併用した通常の中性ロジン系サイズ剤であるため、若干のサイズ効果を発現したが、このタイプは硫酸バンドの使用を前提とするため、本試験例のように硫酸バンドの存在しない中性抄造条件では、やはり実用的なサイジングには不充分であり、同タイプの別例である比較例3では、サイズ効果は発現しなかった。
また、比較例2は、カルボキシル基を有する通常のロジンと無水マレイン酸を反応させた強化ロジンを単用したサイズ剤であるが、サイズ効果は全く発現しなかった。ちなみに、無水マレイン酸強化脱カルボキシル化ロジンを単用した実施例1〜3が顕著なサイズ効果を発現していることに鑑みれば、ロジン環のカルボキシル基の有無が強化ロジン系サイズ剤のサイズ効果に大きく影響し、硫酸バンドが存在しない中性抄造条件では、脱カルボキシル化処理したロジンを用いることの重要性が確認できた。
さらに、比較例4は、前述したように、冒述の従来技術4に類した例であるが、硫酸バンドが存在しない中性抄造条件では、サイズ剤の使用量を0.6%に増量しても、サイズ効果は発現しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各エマルション型サイズ剤を用いて中性抄造した際のサイズ試験結果を示す図表である。

Claims (8)

  1. (A)ロジン類に脱カルボキシル化反応を施した脱カルボキシル化ロジン類、
    (B)α,β−不飽和カルボン酸類
    を反応させてなる強化脱カルボキシル化ロジン類を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤。
  2. 請求項1に記載の強化脱カルボキシル化ロジン類と、
    ロジン類に多価アルコール類を反応させたロジンエステル類、ロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させた強化ロジン類、及び、ロジン類に多価アルコール類とα,β−不飽和カルボン酸類を反応させた強化ロジンエステル類からなる群より選ばれたロジン系樹脂の少なくとも一種
    との混合物を含有することを特徴とする製紙用サイズ剤。
  3. 強化脱カルボキシル化ロジン類とロジンエステル類との混合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の製紙用サイズ剤。
  4. 強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジン類との混合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の製紙用サイズ剤。
  5. 強化脱カルボキシル化ロジン類と強化ロジンエステル類との混合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の製紙用サイズ剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製紙用サイズ剤が、樹脂成分を水中に分散させた水性エマルションから成ることを特徴とする製紙用エマルション型サイズ剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製紙用サイズ剤の存在下で、パルプスラリーを湿式抄造して得られる紙。
  8. 請求項6に記載の製紙用エマルション型サイズ剤の存在下で、硫酸アルミニウムを含有させないで、パルプスラリーを湿式中性抄造して得られる中性紙。
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