JP4276324B2 - 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法 - Google Patents

靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4276324B2
JP4276324B2 JP05139399A JP5139399A JP4276324B2 JP 4276324 B2 JP4276324 B2 JP 4276324B2 JP 05139399 A JP05139399 A JP 05139399A JP 5139399 A JP5139399 A JP 5139399A JP 4276324 B2 JP4276324 B2 JP 4276324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yield ratio
mass
low yield
steel pipe
toughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05139399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000248335A (ja
Inventor
正芳 末廣
学 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP05139399A priority Critical patent/JP4276324B2/ja
Publication of JP2000248335A publication Critical patent/JP2000248335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4276324B2 publication Critical patent/JP4276324B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築分野で使用される、常温で低降伏比を持ち、高温強度特性、靭性に優れた、低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昭和62年の建築基準法の改正により、建築用鋼材に対し、高温において十分な強度が確保できれば、構造部表面に温度上昇を抑える被覆を必ずしも施す必要がなくなった。
【0003】
このような状況に対応して、成分を調整することにより高温強度を確保する発明が提案されてきた。例えば、特開平2−282419号公報に開示されている発明では、高温強度を確保するために炭化物形成元素であるNb,Mo等を添加し、これら元素の高温における微細炭化物の析出による析出強化を利用している。
【0004】
ところが、最近になって、耐震性の観点から、常温での降伏比を下げることが強く望まれるようになってきた。降伏比を上昇させることなしに耐火性を得ることのできる発明としては、特開平2−205625号公報にみられるように、IF鋼に高温でのみ析出するCuを添加する発明が提案されている。
【0005】
この他、耐火性に優れた建築用低降伏比熱延鋼帯及びその製造方法として、特開平5−222484号公報に、NbCやTiCの析出物を高温強度が確保できる程度に微細に析出させる発明も提案されている。
【0006】
また、耐震性の観点では靭性を向上させることも必要である。特開平7−300618号公報では靭性向上を狙い比較的炭素含有量の低い鋼での製造法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
耐震性の観点からの常温での低降伏比化の要請に対しては、前記特開平2−282419号公報記載の発明では、Nb,Mo等の添加元素が熱間圧延後の巻取段階で析出して、常温での降伏強度が、ひいては降伏比が上昇し、低降伏比の鋼板を得ることが困難であった。特に、建築構造部材として使用される、円形や角形などの閉断面に成形加工された鋼管では、造管時に鋼材にひずみが加わるため、熱延後の鋼板より降伏強度が高くなり、降伏比をより上昇させることになる。このため、建築構造部材用鋼管の素材となる鋼板には、より一層の低降伏比化が望まれる。
【0008】
また、前記特開平2−205625号公報記載の発明では、高価なNiも同時に添加する必要があり、安価な建築構造部材用鋼管及びその素材となる鋼板を提供することはできない。
【0009】
さらに、前記特開平5−222484号公報記載の発明による鋼板でも、造管時に降伏強度の上昇が大きく、造管後に十分な低降伏比が得られないという欠点があった。
【0010】
また、靭性の観点では、前記特開平7−300618号公報記載の発明ではスラブの均熱・保熱温度を制限しオーステナイト粒の粗大化を防ぐことで靭性を改善させている。しかしながら、高温強度の確保に微細析出物を利用しており一般的には降伏比が上昇し易い傾向にあると推定される。
【0011】
このような事情に鑑み、本発明は、常温で低降伏比を持ち、高温強度特性、靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の実験、研究を重ねた結果、鋼材に含有されるCを低減し、Nb及びSnを多く添加することにより、常温での降伏比が低く、かつ高温での強度特性に優れる鋼材が得られることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明の要旨とするところは下記の通りである。
(1)質量%で、
C ≦0.02%、 Si≦1.0%、
Mn:0.05〜2.0%、 S ≦0.02%、
Al:0.01〜0.1%、 Nb:0.08〜0.25
含み、かつ
Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
かつ0.3%以下
含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
+0.000035/(B+0.0004)
を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が70%以下であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
(2)質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする前記(1)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
(3)質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
【0014】
(4)質量%で、
C ≦0.02%、 Si≦1.0%、
Mn:0.05〜2.0%、 S ≦0.02%、
Al:0.01〜0.1%、 Nb:0.08〜0.25%
を含み、かつ
Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
かつ0.3%以下
含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
+0.000035/(B+0.0004)
を満足する鋼片を、Ar3 変態点以上の温度で熱間圧延を終了し、0.1℃/sec以上、30℃/sec以下の平均冷却速度で700℃以下まで冷却し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が70%以下であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法。
(5)質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする前記(4)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法
(6)質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする前記(4)又は(5)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法
【0015】
(7)質量%で、
C ≦0.02%、 Si≦1.0%、
Mn:0.05〜2.0%、 S ≦0.02%、
Al:0.01〜0.1%、 Nb:0.08〜0.25%
を含み、かつ
Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
かつ0.3%以下
含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
+0.000035/(B+0.0004)
を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管。
(8)質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする前記(7)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
(9)質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする前記(7)又は(8)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
【0016】
(10)質量%で、
C ≦0.02%、 Si≦1.0%、
Mn:0.05〜2.0%、 S ≦0.02%、
Al:0.01〜0.1%、 Nb:0.08〜0.25%
を含み、かつ
Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
かつ0.3%以下
含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
+0.000035/(B+0.0004)
を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、角形鋼管の平坦部の常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管。
(11)質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする前記(10)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
(12)質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする前記(10)又は(11)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
【0017】
(13)質量%で、
C ≦0.02%、 Si≦1.0%、
Mn:0.05〜2.0%、 S ≦0.02%、
Al:0.01〜0.1%、 Nb:0.08〜0.25%
を含み、かつ
Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
かつ0.3%以下
含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
+0.000035/(B+0.0004)
を満足する鋼片を、Ar3 変態点以上の温度で熱間圧延を終了し、0.1℃/sec以上、30℃/sec以下の平均冷却速度で700℃以下まで冷却して得られた、金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下である熱延鋼板を、常法により円形断面へ成形し、溶接してなり、常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法。
(14)質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする前記(13)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法
(15)質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする前記(13)又は(14)記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法
【0018】
(16)円形断面へ成形し、溶接した後、さらに角形断面に成形し、角形鋼管の平坦部の常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする前記(13)〜(15)のいずれか1項に記載の低降伏比型耐火用鋼管の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、鋼成分を限定した理由について述べる。
Cは、他の添加元素と結合して析出物となったり、セメンタイトとして析出することで、常温での降伏比を上昇させる。C添加量が0.02%を超えると、常温での降伏比が増加して70%を超える。0.02%以下のC量であれば、常温での降伏比は70%以下となるため、C量の上限を0.02%とする。造管時の降伏比上昇をより低く抑えるためには、C量を0.015%以下とすることが好ましい。
【0020】
Siは固溶強化元素であり、比較的安価に鋼板の強度を上昇させることができるため、本発明では強度の調整を行う意味で添加するが、添加量が多くなると強度が高くなりすぎることから、1.0%以下とする。他の元素で強度調整できる場合は、Siは無添加とすることもできる。
【0021】
Mnは、Siと同様に比較的安価な固溶強化元素で、強度調整に有効であり、本発明では強度の調整を行うために添加するが、0.05%未満では熱間加工性が確保できないため、0.05%以上添加する必要がある。一方、むやみな添加は建築用鋼材としては強度が高くなり過ぎ、成形性を低下させるので2.0%以下とする。
【0022】
Sは不可避的に含まれる元素であり、加工性劣化の要因となるため、極力低減する必要があるが、0.02%以下とすることで加工性に対する問題は解消されることから、その範囲を0.02%以下とする。なお、難加工性用途の場合には、0.01%以下とするのが望ましい。
【0023】
Alは脱酸剤として使用されるが、この効果を発揮させるためには鋼中に0.01%以上含有させることが必要である。一方、0.1%を超えると、酸化物系介在物の増加を招くため、その上限を0.1%とする。
【0024】
Nbは、固溶強化元素であり、かつ高温強度を著しく上昇させる元素である。これは、高温で変形する際に固溶Nbと移動している転位が相互作用し、転位の動きやすさを低下させるためである。しかも、この効果はBと複合添加することでより顕著となる。しかしながら、その添加量をむやみに増加させると熱間での加工性を損なうため、その添加量は0.08%以上かつ0.25%以下とする。なお、600℃での降伏強度をより高くするという観点から、その添加量は0.10%以上とすることが望ましい。
【0025】
Tiは、Nbと結合する可能性のあるC、Nを固定し、添加したNbを有効に固溶Nbとして活用するために添加するが、その添加量をむやみに増加させると加工性劣化を招くため、上限を0.2%とする。
【0026】
Bは、Nb及びSnと複合添加することで固溶Nbの作用を助長する。この理由は現在のところ明確とはなっていないが、顕著な効果があることから、必要に応じ添加する。しかしながら、むやみに添加するとその効果は飽和するため、その上限を0.0020%とする。
【0027】
Ni,Cr,Sn,Cuは、Nbを添加した前記鋼材に対し適度に添加すると、ベイナイトやマルテンサイト等の低温生成相の形成を抑え、冷却後の金属組織の多くをフェライト相とし、しかも、そのフェライト相の粒径を微細にすることが容易となり、常温での強度が400Mpa以上でありながら、降伏比が70%以下で靭性の良好な鋼材とすることができる。しかも、このようにして得られた鋼材は、通常の鋼材より加工後の降伏比も低くなる。このメカニズムは現状では明確とはなっていないが、各種元素の複合作用によるものと推定される。
【0028】
このような効果を得るためには、Ni,Cr,Sn,Cuは、その1種または2種以上を総量で0.02%以上添加する必要がある。しかしながら、その添加量をむやみに増加させると鋼材表面の品質が悪くなりやすいため、その添加量は0.3%以下とする。なお、低い降伏比を得るという観点及び良表面品質という観点から、その添加量を0.05%以上0.2%以下とすることが望ましい。
【0029】
また、製造条件によっては、フェライト相の量及びフェライト粒径が変化し、フェライト相が減少しフェライト粒径が微細となることがあるが、その場合には降伏比が上昇し、靭性が低下する傾向があるため、本発明では鋼材の金属組織のフェライト相の体積率を70%以上とし、フェライト粒度番号の上限を15番とした。なお、降伏比をなるべく低く抑えるという観点から、望ましくは、フェライト相の体積分率は85%以上で粒度番号の範囲は10.5番〜13番である。
【0030】
C,Nを比較的多く含有する際には、添加したNbの一部が固溶状態ではなくなり、十分な高温強度が得られなくなることがある。このような状況を避けるため、添加Nb量は前述の条件に加え、
Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N+0.000035/(B+0.0004) (1)
を満足させる。
【0031】
このような成分の鋼を鋳造し、得られた熱片スラブを直接または加熱した後、あるいは冷片を再加熱して熱間圧延を施す。その際、熱片スラブを直接圧延することと再加熱後に圧延することでの特性変化はほとんど認められない。また、再加熱温度は特に限定しないが、生産性を考慮して1000℃から1300℃の範囲とすることが好ましい。
【0032】
熱間圧延は通常の熱延工程、あるいは仕上圧延においてスラブを接合し圧延する連続化熱延工程のどちらでも可能である。熱間圧延の際の圧延終了温度はAr3 変態点温度以上とする。これは、Ar3 変態点未満の温度で仕上げ圧延を施した場合、加工組織が残り、常温での降伏比が上昇する恐れがあるためである。圧延終了温度の上限は特に限定していないが、生産性の観点から1000℃以下とすることが望ましい。
【0033】
熱間圧延後の平均冷却速度は、30℃/secより速い場合、冷却後のフェライト相の体積分率が減少して降伏比が上昇するため、30℃/sec以下とする。また、冷却速度が0.1℃/sec未満の場合には、冷却中に粒界に不要な相が析出し、靭性が劣化する可能性があるため、冷却速度は0.1℃/sec以上とする。
巻取温度は、熱延鋼板の鋼管あるいは角形鋼管への造管性の観点から700℃以下であればよい。望ましくは650℃以下とする。
【0034】
このようにして製造された熱延鋼板は、常温での降伏比が70%以下であり、また、鋼管に造管される際にはひずみが導入され降伏比が上昇するが、この造管後の降伏比は90%以下である。
【0035】
本発明は、前述のような連続熱延工程以外に、通常の厚板圧延工程にも適用可能である。
また、熱延鋼板だけでなく、これを素材とした表面処理鋼板に対しても本発明は適用可能である。この場合には表面処理性の観点から、Si添加量を0.5%以下とすることが望ましい。
また、造管方法も、本発明では特に限定するものではなく、プレス成形法、ロール成形法などが適用できる。
【0036】
【実施例】
表1に示す種々の化学成分の鋼を鋳造し、1050℃〜1250℃の温度に再加熱後、表2に示す条件にて熱延鋼板を製造し、常温での引張特性及び600℃での引張特性を測定した。表2にはその結果を示す。
【0037】
鋼種番号1〜13は、本発明の範囲内にある成分系であり、表2に示すように、フェライト相の体積分率が80%以上、フェライト相粒径が粒度番号で10.5〜15番の範囲にあり、常温での降伏比が70%以下であり、かつ角形鋼管に造管後の平坦部から採取して測定した結果では全て降伏比が90%以下である。また、角形鋼管に造管後の600℃での降伏強度YSが全て197MPa以上となる高温での強度の高い鋼板が製造できている。また、角型鋼管に造管後の靭性は0℃での吸収エネルギーが非常に高い値となり、この値はこの種の鋼材に求められる27以上となっている。
一方、鋼種番号7の冷却速度が50℃/secの材料は、冷却速度が速すぎるため、フェライトの体積分率が減少し、結晶粒度番号が大きく、降伏比が本発明範囲外となっている。
【0038】
鋼種番号22〜24は、本発明の範囲外の成分系であり、鋼種番号22はNb量が式(1)を満足しないため、600℃での降伏強度を確保できない。
鋼種番号23は、Nb量は式(1)を満足するものの、Ni,Cr,Sn,Cu添加量が少なく、フェライト体積率が減少し、靭性が他の材料より低い。
また、鋼種番号24は、C添加量が多過ぎるため、常温での降伏比が熱延まま材では70%を超え、角形鋼管に造管後では90%を超えている。
【0039】
なお、本実施例における試験は、常温引張試験はJIS5号試験片を用いJIS Z 2241に従って行い、600℃での引張試験はJIS G 0567に従って行い、靭性に関しては0℃での吸収エネルギーの測定を造管後平坦部の熱延時の表面に相当する面にノッチをいれJIS Z 2202に従って行った。
【0040】
【表1】
Figure 0004276324
【0041】
【表2】
Figure 0004276324
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、常温での造管の前と後の降伏比が低く、靭性に優れ高温での強度が高い鋼板及び鋼管の製造が可能となり、工業的に価値の大きなものである。

Claims (16)

  1. 質量%で、
    C ≦0.02%、
    Si≦1.0%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    S ≦0.02%、
    Al:0.01〜0.1%、
    Nb:0.08〜0.25%
    を含み、かつ
    Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
    かつ0.3%以下
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
    Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
    +0.000035/(B+0.0004)
    を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が70%以下であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
  2. 質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする請求項1記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
  3. 質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板。
  4. 質量%で、
    C ≦0.02%、
    Si≦1.0%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    S ≦0.02%、
    Al:0.01〜0.1%、
    Nb:0.08〜0.25%
    を含み、かつ
    Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
    かつ0.3%以下
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
    Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
    +0.000035/(B+0.0004)
    を満足する鋼片を、Ar3 変態点以上の温度で熱間圧延を終了し、0.1℃/sec以上、30℃/sec以下の平均冷却速度で700℃以下まで冷却し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が70%以下であることを特徴とする低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法。
  5. 質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする請求項4記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法
  6. 質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板の製造方法
  7. 質量%で、
    C ≦0.02%、
    Si≦1.0%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    S ≦0.02%、
    Al:0.01〜0.1%、
    Nb:0.08〜0.25%
    を含み、かつ
    Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
    かつ0.3%以下
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
    Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
    +0.000035/(B+0.0004)
    を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管。
  8. 質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする請求項7記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
  9. 質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする請求項7又は8記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
  10. 質量%で、
    C ≦0.02%、
    Si≦1.0%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    S ≦0.02%、
    Al:0.01〜0.1%、
    Nb:0.08〜0.25%
    を含み、かつ
    Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
    かつ0.3%以下
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
    Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
    +0.000035/(B+0.0004)
    を満足し、その金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下であり、角形鋼管の平坦部の常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管。
  11. 質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする請求項10記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
  12. 質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする請求項10又は11記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管
  13. 質量%で、
    C ≦0.02%、
    Si≦1.0%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    S ≦0.02%、
    Al:0.01〜0.1%、
    Nb:0.08〜0.25%
    を含み、かつ
    Ni,Cr,Sn,Cuの1種または2種以上を総量で0.02%以上
    かつ0.3%以下
    含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつNb量が
    Nb≧0.05+7.75C−1.98Ti+6.64N
    +0.000035/(B+0.0004)
    を満足する鋼片を、Ar3 変態点以上の温度で熱間圧延を終了し、0.1℃/sec以上、30℃/sec以下の平均冷却速度で700℃以下まで冷却して得られた、金属組織がフェライト相が体積率70%以上で、かつフェライト粒径が粒度番号で10.5番以上15番以下である熱延鋼板を、常法により円形断面へ成形し、溶接してなり、常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた降伏比型耐火用鋼管の製造方法。
  14. 質量%で、Ti≦0.2%を含むことを特徴とする請求項13記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法
  15. 質量%で、B≦0.0020%を含むことを特徴とする請求項13又は14記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法
  16. 円形断面へ成形し、溶接した後、さらに多角断面に成形し、角形鋼管の平坦部の常温での降伏比が90%以下で600℃での降伏強度が197MPa以上であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の靭性に優れた低降伏比型耐火用鋼管の製造方法。
JP05139399A 1999-02-26 1999-02-26 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP4276324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05139399A JP4276324B2 (ja) 1999-02-26 1999-02-26 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05139399A JP4276324B2 (ja) 1999-02-26 1999-02-26 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000248335A JP2000248335A (ja) 2000-09-12
JP4276324B2 true JP4276324B2 (ja) 2009-06-10

Family

ID=12885704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05139399A Expired - Fee Related JP4276324B2 (ja) 1999-02-26 1999-02-26 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4276324B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210032497A (ko) 2018-08-23 2021-03-24 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 열연 강판 및 그 제조 방법

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105439A (ja) * 2001-10-01 2003-04-09 Kawasaki Steel Corp 低温用低降伏比鋼材およびその製造方法
US20090020190A1 (en) * 2006-02-08 2009-01-22 Teruhisa Okumura Fire Resistant High Strength Rolled Steel Material and Method of Production of The Same
JP4072191B1 (ja) 2006-09-04 2008-04-09 新日本製鐵株式会社 高温強度、靭性及び耐再熱脆化特性に優れた耐火鋼材並びにその製造方法
CN101652495B (zh) 2007-04-06 2011-06-08 新日本制铁株式会社 高温特性和韧性优良的钢材及其制造方法
WO2019026739A1 (ja) * 2017-07-31 2019-02-07 Jfeスチール株式会社 王冠用鋼板、王冠、および王冠用鋼板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210032497A (ko) 2018-08-23 2021-03-24 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 열연 강판 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000248335A (ja) 2000-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014114041A1 (zh) 一种780MPa级冷轧双相带钢及其制造方法
WO2009056055A1 (fr) Tôle d'acier à limite d'élasticité de grade 800 mpa et faible sensibilité à la fissuration de soudure, et son procédé de fabrication
JP3233743B2 (ja) 伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板
WO2001023624A1 (en) Sheet steel and method for producing sheet steel
EP2623625B1 (en) Steel plate for pipe line, having excellent hydrogen induced crack resistance, and preparation method thereof
JPS5927370B2 (ja) プレス加工用高強度冷延鋼板
JP4065579B2 (ja) 面内異方性が小さく耐リジング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP2019196508A (ja) 熱延鋼板、角形鋼管、およびその製造方法
JP4276324B2 (ja) 靭性に優れた低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法
JP3915460B2 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JPH11279693A (ja) 焼付硬化性に優れた良加工性高強度熱延鋼板とその製造方法
JP3635208B2 (ja) 靱性に優れた低降伏比型耐火用鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法
JP3232120B2 (ja) 耐火性と靱性に優れた建築用低降伏比熱延鋼帯およびその製造方法
JP3559455B2 (ja) 低降伏比型耐火用鋼材及び鋼管並びにそれらの製造方法
JPS5952687B2 (ja) 低温靭性のすぐれた調質型高張力鋼板の製造法
JP2828303B2 (ja) 強靭な厚鋼板の製造方法
KR102095509B1 (ko) 고강도 열연 도금강판 및 그의 제조방법
JP3817064B2 (ja) 低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法
JP3307164B2 (ja) 耐水素遅れ割れ特性に優れた超高張力電縫鋼管の製造方法
JP3251506B2 (ja) 圧壊特性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP3780956B2 (ja) 耐sr特性に優れた高強度鋼板及びその製造方法
JPH07224351A (ja) 冷間加工後の一様伸びの優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JPS5831026A (ja) 高強度高靭性熱延鋼板の製造法
JP3462968B2 (ja) 低降伏比型耐火用熱延鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法
JP4201310B2 (ja) 耐sr特性に優れた高強度鋼板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090306

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees