JP4275443B2 - 試験紙を保持および分配するためのカセット、試験紙を貯蔵および分配するためのバイアル、および試験紙の分配方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、診断装置用に試験紙を保持および分配するためのバイアルに関する。その試験紙は、例えば、限定を意図するものではないがブドウ糖のような検体からなる体液中の検体を検査するために用いられる。より詳しくは、本発明はブドウ糖メータ用の試験紙を貯蔵および分配するためのバイアルに関する。本発明は、そのようなバイアルで用いるためのカセットにも関する。
【０００２】
【従来の技術】
ブドウ糖の監視は、糖尿病患者には毎日の生命に関する事柄であり、そのような監視の正確さは文字通り生死の区別を意味する。一般的に、糖尿病患者は一日の間に数回に亘って血液のブドウ糖のレベルを測定して血糖値を監視および制御する。血液中のブドウ糖のレベルの正確かつ規則正しい検査に失敗すると、心臓血管疾患、腎臓疾患、神経損傷、および失明を含む重篤な糖尿病関連の合併症がもたらされることがある。多くのブドウ糖メータが現在では利用でき、それらのメータは個々の患者が血液の少量の試料からブドウ糖のレベルを検査できるようにしている。
【０００３】
血液のブドウ糖のレベルを監視するプロセスは、いくつかのステップを必要とし、切開器具、ランセット、ある供給量の使い捨ての電気化学的試験紙または測光試験紙、およびブドウ糖メータを含むいくつかの異なる補助器具を必要とする。
【０００４】
現在利用できる多くのブドウ糖メータのデザインは、電極システムを備えた使い捨ての試験紙を使用し、電極システムはブドウ糖メータと組み合わせて血液試料中のブドウ糖の量を電気化学的に測定する。これらのメータを用いるために、使用者は、はじめに切開器具を用いて指またはその他の体の部分をチクリと刺して血液または間質液の試料を少量だけ発生させる。次に、使用者は試験紙のバイアルを開けて試験紙を取りだし取り出した試験紙をブドウ糖メータに挿入する。次に、使用者はバイアルを再び閉じた状態にし、ブドウ糖メータの正しい校正コードをチェックする。次に、使用者は試料を試験紙に移す。一般的に、使用者は特定の体積の試料を小さな試験紙の特定の位置に移さなければならず、これは多くの使用者にとって困難な作業である。試験紙の電極システムは血液の試料中のブドウ糖の量を示す信号を発生し、その信号をブドウ糖メータに伝達し、ブドウ糖メータは読取値（血糖値）を表示および記憶する。
【０００５】
現在の試験紙および試験紙を貯蔵するためのバイアルには重大な制約がある。現在の試験紙は一般におよそ２ｃｍの長さを有する。この長さは、使用者が容易に試験紙を取り扱うことができるための実用上の最小の長さであると考えられる。一般には試験紙の必要とされる長さを最小にして、試験紙を製造するために要する資源を最小にし、その結果コストを低減しながら試験紙の生産量を増加することが望ましい。しかし、通常の２ｃｍの長さよりも短い試験紙は一般的に取り扱いがより困難で、試験紙を取り落とすことなくまたは使用者を血液で汚染することなくブドウ糖メータに対して試験紙を配置および除去することの難しさを増大する。試験紙の制約は、糖尿病患者が視力が弱く既に試験片を取り扱うのが困難な状態であることが多いことによってさらに厳しいものになっている。
【０００６】
さらに、現在の試験紙は通常バイアル内に緩く貯蔵されているので、スペースが非効率的に使用されている。使用者はバイアルを開かなければならず、バイアル内に（試験紙をつかむために）指を伸ばさなければならず、バイアルの内部から試験紙のひとつをつかんで取り出さなければならない。次に、使用者はその後忘れずにバイアルを再び密閉した状態にしなければならず、さもないと、試験紙は湿気に曝されて悪変して使用できなくなる。次に、使用者は手動で試験紙を取り扱い、ブドウ糖メータに試験紙を挿入し、皮膚を切開し、一滴の血液を得て、血液の試料を試験紙に移さなければならない。最後に、使用者は、分析が終了した後に、試験紙を取り除かなければならない。
【０００７】
本発明の目的は、小さい試験紙を取り扱う場合の上記の課題の少なくとも一部を解決することである。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は以上のように構成されているので、試験紙の取り扱いの容易さを確保するために試験紙の長さを２ｃｍよりも短くできず、試験紙の製造コストおよび生産性の向上が制約されるという課題、試験紙は通常バイアル内に緩く貯蔵されているので、スペースが非効率的に使用されているという課題があった。
【０００９】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、汚染、試験紙の劣化、コスト、および浪費を低減しながら、ブドウ糖のレベルを測定するための試験紙を効率よく貯蔵および分配するカセットを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記の観点においておよび本発明に基づいて、第１の側面では、体液の試料を分析するための試験紙を保持および分配するためのカセットが提供され、そのカセットは分配開口を有すると共にある供給量の試験紙を保持するための形状を有し、そのカセットは、
カセットに保持された試験紙を分配開口に向けて付勢するための付勢手段と、
付勢手段の付勢力に対抗して試験紙をカセットに保持するための保持手段と、
試験紙を一度に１枚ずつ分配開口を通してカセットの外に移動するための移動手段とをさらに含む。
【００１１】
本発明のカセットは、コンパクトな様式で複数の試験紙を貯蔵でき、かつ使用者が必要なときに１枚ずつ小さな試験紙でさえも分配するように動作できる。
【００１２】
好ましくは、付勢手段はカセットに取り付けられている。
【００１３】
好ましくは、付勢手段はらせん状のばねからなる。
【００１４】
好ましくは、付勢手段はある供給量の試験紙に接触するための試験紙リテーナに結合されている。
【００１５】
好ましくは、保持手段はカセットの端部の分配開口が形成された閉鎖面からなる。
【００１６】
好ましくは、閉鎖面は分配開口と連通していると共にある供給量の試験紙からの一枚の試験紙を保持するように構成されたチャネルを含む。
【００１７】
好ましくは、移動手段はスライダーからなり、閉鎖面はスライダーを保持するための長寸のスロットを含んでいて、スライダーはチャネルと連通していて、スライダーが分配開口に向けて動くことにより、チャネルに保持された１枚の試験紙が分配開口を通って分配される。
【００１８】
スライダーを用いることは、簡単で、しかも１回に唯１枚の試験紙を信頼性高く送達するので、有益である。
【００１９】
好ましくは、スライダーは試験紙が分配開口を通して分配された後に開始位置に戻るように付勢されている。
【００２０】
好ましくは、カセットは使用者が試験紙の表面の数を目視できるように閉鎖面に形成された窓をさらに有する。
【００２１】
本発明のある実施の形態では、カセットは試験紙を湿気から防ぐためのカセット内に配置された乾燥材料を有する。
【００２２】
本発明の他の実施の形態では、カセットは乾燥材料から作られている。
【００２３】
好ましくは、試験紙は１ｃｍ以下の長さを有する。
【００２４】
本発明の別の実施の形態では、カセットは使い捨て式である。
【００２５】
好ましくは、体液は血液であり、試験紙は血液中のブドウ糖のレベルを測定するために用いられる。
【００２６】
本発明の他の側面に基づけば、上述されたカセットと、カセットを収容する外側ハウジングとを有するバイアルが提供される。
【００２７】
本発明のある実施の形態では、付勢手段は、外側ハウジングに取り付けられていて、カセットのスロットを通してカセット内の試験紙と連通している。
【００２８】
好ましくは、外側ハウジングは乾燥材料から作られている。
【００２９】
好ましくは、外側ハウジングは楕円形の断面形状を有する。
【００３０】
好ましくは、外側ハウジングは使用者がバイアルを保持するのを容易にするための凹部を含む。
【００３１】
好ましくは、カセットは、カセットが外側ハウジング内に挿入されたときに外側ハウジングから突出する突出部を含み、カセットが外側ハウジング内に挿入されたときに密閉シールが突出部の上に配置される。
【００３２】
好ましくは、外側ハウジングは蓋を有する。
【００３３】
好ましくは、外側ハウジングは上側リムに隣接した凹部を含み、蓋は凹部に対応する突出部を含んでいて、蓋を開いたり取り外したりするのが容易にされている。
【００３４】
本発明のある実施の形態では、バイアルは、バイアルに保持された情報を記憶するためのデータ記憶手段をさらに有する。これによって、使用者が試験紙に関連したデータを手動でメータに入力する必要がなくなる。
【００３５】
好ましくは、データ記憶手段は電子回路チップからなる。
【００３６】
好ましくは、電子回路チップはＥＰＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭからなる。
【００３７】
本発明のある実施の形態では、データ記憶手段によって記憶された情報はバイアル内に貯蔵されているある供給量の試験紙に関する情報に関連している。
【００３８】
本発明の他の実施の形態では、情報は、ある供給量の試験紙の校正コード、その供給量の試験紙の有効期限、その供給量の試験紙のバッチコード、その供給量の試験紙のロット数、およびその供給量の試験紙に含まれる試験紙の枚数のうちの少なくとも一つ含む。
【００３９】
本発明の別の実施の形態では、データ記憶手段は検査装置によって得られた検体の測定値を記憶するように適合されている。
【００４０】
本発明の別の実施の形態では、データ記憶手段は検査装置に伝達されるソフトウェアを収容している。
【００４１】
好ましくはソフトウェアは、バイアル内に貯蔵されたある供給量の試験紙に対する複数の動作パラメータに検査装置を適応して動作させるための命令を含む。
【００４２】
本発明のある実施の形態では、バイアルは、検査装置の接触部と接続されるように構成されたアダプターをさらに有する。これによって、バイアルが検査装置と共により容易に用いられるようになる。
【００４３】
本発明の別の実施の形態に基づけば、試験紙に関連する情報を記憶するためのハウジングに取り付けられたデータ記憶手段を有する体液の試料を分析するための試験紙を貯蔵および分配するバイアルが提供される。
【００４４】
好ましくは、データ記憶手段は電子回路チップからなる。
【００４５】
好ましくは、電子回路チップはＥＰＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭからなる。
【００４６】
本発明のある実施の形態では、データ記憶手段は、バイアル内に貯蔵された試験紙を用いた分析を実行する検査装置によって得られた体液に関する読取値を記憶するように適合されている。
【００４７】
本発明の他の実施の形態では、データ記憶手段は、バイアル内に貯蔵された試験紙のタイプに応じて検査装置の動作パラメータを変更するための命令を記憶するように適合されている。
【００４８】
本発明の別の実施の形態では、データ記憶手段は、検査装置に表示するための試験紙についての広告情報を記憶する。
【００４９】
本発明の別の実施の形態では、データ記憶手段は、バイアルの使用者についての個人的な情報を記憶する。
【００５０】
本発明の別の側面に基づけば、体液の試料中の検体のレベルを測定するための試験紙の分配方法が提供され、その方法は、
分配機構を用いてある供給量の試験紙を収容したカセットから一枚の試験紙を分配する過程を有し、
一枚の試験紙を分配した後に、カセット内のある供給量の試験紙に加えられた付勢手段が次の試験紙が分配されるようにする。
【００５１】
好ましくは、カセットは試験紙を分配する前に外側ハウジング内に挿入される。
【００５２】
本発明のある実施の形態では、その方法は、検査装置内に試験紙を挿入する過程をさらに有する。
【００５３】
好ましくは、試験紙は血液中のブドウ糖のレベルを測定するために用いられ検査装置はブドウ糖メータからなる。
【００５４】
本発明の他の実施の形態では、その方法は、ある供給量の試験紙が空になったときにカセットを廃棄する過程をさらに有する。
【００５５】
したがって、本発明は、限定を意図するものではないが例えばブドウ糖メータのような診断用の検査装置に用いるための試験紙を貯蔵および分配するための試験紙バイアルを提供する。試験紙バイアルは、積層体をなす試験紙を貯蔵し一回に一枚ずつ試験紙を分配するように構成された密閉されたカセットを有する。試験紙バイアルは、血液の試料中のブドウ糖のレベルを測定するためのブドウ糖メータ内への試験紙の簡単化された配置を提供してもよい。試験紙バイアルは、ベースコンテナと、ベースコンテナを閉じるための部分的に取り付けられた蓋とを有する外側ハウジングを有してよい。試験紙バイアルは、ベースコンテナ内に挿入された、ある供給量の試験紙を保持して分配機構を用いて個々の基準に基づいてバイアルから試験紙を分配するためのカセットをさらに含む。一枚ずつ分配するのを容易にするために分配機構に向けて積層体をなす試験紙を付勢するための付勢手段も設けられていてよい。試験紙バイアルは、バイアルに記憶の読み出しおよび書き込み機能を提供するめの情報チップをさらに含んでいてよい。この情報は、試験紙バイアルとメータとの間の電気的な接触を備えた整合特徴部を介してメータによって読み出されてよい。
【００５６】
【発明の実施の形態】
ある例として、添付の図面を参照しながら特定の実施の形態が説明される。
【００５７】
本発明の例示的な実施の形態に基づけば、ブドウ糖メータで用いるための試験紙を貯蔵および分配するための改良された試験紙バイアルが提供される。例示的な実施の形態の試験紙バイアルは、使用するのが容易で、血液の試料中のブドウ糖のレベルを測定するための試験紙の取扱いを容易にする。試験紙バイアルは試験紙を一枚ずつ分配し、より短い試験紙の使用を可能にするので、コストを低減し、試験紙の生産の効率を増加する。本発明の技術に基づく例示的な試験紙バイアルは、分析を実行するために使用者が手で試験紙を取り扱う必要をなくしたので、汚染を大きく低減する。試験紙バイアルは、大量の試験紙を効率よく貯蔵すること、および試験紙が適切に分配および密閉されることを確実にすることにより、浪費を低減してもいる。
【００５８】
図１は、ブドウ糖のレベルを測定するための試験紙を貯蔵するために用いられる従来の試験紙バイアル１０を示している図である。図示されているように、従来の試験紙バイアル１０は、円筒形の本体１１と、バイアルを閉じるための取り外された蓋１２とを有する。ある供給量の試験紙１３は、本体１１内に緩く貯蔵されている。従来の試験紙バイアル１０から一枚の試験紙を取り出して取り扱うことは、特に糖尿病患者にとっては、一般的に煩雑な作業である。従来の試験紙バイアル１０は、スペースを効率よく使用しておらず、かなり少量の試験紙を貯蔵している。
【００５９】
図２は、本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアル１００の分解図である。試験紙バイアル１００は、試験紙バイアル１００から一枚ずつ試験紙を分配するのを容易にするための複数のコンポーネントを含む。図示されているように、試験紙バイアル１００は、積層体をなす試験紙１３０を受容するように構成されたカセット１１０と、カセット１１０を保持するための内側キャビティ１１８を画定する密閉シールされた外側シェル（またはハウジング）１０１と、内側キャビティ１１８内のカセット１１０の下に配置されたカセット１１０の上部に向けてカセット１１０内に貯蔵された試験紙を付勢するための付勢手段１４０とを有する。スライダー１２０または他の適切な分配機構が、試験紙を試験紙バイアル１００から分配するために設けられている。カセット１１０の上面１２５は長寸のスロット１１１を含み、スロット１１１は上面１２５の両端間に亘って延在していて、スライダー１２０がカセット１１０の上部の両端に亘って摺動して試験紙を分配するようになっている。図示されているように、カセット１１０は、上面１２５に形成されてスロット１１１と交差してカセット１１０内に貯蔵された試験紙を見ることができるようにする窓１１７をさらに含む。試験紙に番号が付けられている場合、使用者は試験紙バイアル１００内の残りの試験紙の数を判定することができる。このようにして、使用者は新しい試験紙バイアルを利用できずかつ現在の試験紙バイアル内には不十分な数の試験紙しか残っていないという事態に遭遇せずに済む。使用者は、新しい試験紙バイアルを確保するために現在の試験紙バイアル内の残りの試験紙の数がいつ不十分になるかを判定することができる。試験紙の数の視覚的な読み出しが、検査装置によるバイアルに設けられたデータ記憶手段の電子的な読み出しに置き換えられてもよい。例えば、データ記憶手段はバイアルの外側に設けられたＥＥＰＲＯＭであってもよい。
【００６０】
試験紙バイアル１００は、貯蔵されている試験紙に関連する情報を表示するためのステッカー（またはラベル）１８０をさらに含んでいてよい。例えば、ラベル１８０は試験紙の供給元を特定する商業的な情報および／またはバーコードの形態の符号化された情報を表示してよい。バーコードは、試験紙のバッチコード、試験紙の有効期限、校正コード、十分に充填されたバイアル内に貯蔵された試験紙の最初の数、などの試験紙の性質を特定する情報を含んでいてよい。
【００６１】
試験紙バイアル１００の外側シェル１０１は、ある供給量の試験紙を収容したカセット１１０を保持するためのベースコンテナ１０２と、ベースコンテナ１０２を閉じて密閉するための部分的に取り外すことができるバイアルの蓋１０３とを有する。例示的な実施の形態に基づけば、バイアルの蓋１０３は、ヒンジ１０５によってベースコンテナ１０２に部分的に取り付けられていて、バイアルの蓋１０３を全部取り外さずにカセット１１０内に貯蔵されたある供給量の試験紙にアクセスするのを容易にしている。ベースコンテナ１０２は、ベースコンテナ１０２の上側エッジに形成されたリム１０９を含む。リム１０９は、カセット１１０がベースコンテナ１０２に挿入されたときにカセット１１０の上部を受容して保持するように構成されている。外側シェル１０１は、耐久性のある、防湿の、保持が容易で、頑健な、成形可能なプラスチック材料などの材料から形成される。ハウジング（外側シェル）１０１を形成するために任意の適切な材料が用いられてよいことは当業者には認識される。
【００６２】
図示されているように、積層体をなす試験紙１３０は垂直に配列された約５０枚の試験紙を含む。しかし、本発明の試験紙バイアル１００は、積層体をなす５０枚の試験紙に限定されず、任意の適切な枚数の試験紙を含んでよい。例示的な試験紙バイアル１００は従来の試験紙よりも小さい寸法の試験紙に適応して構成されている。例示的な実施の形態に基づけば、試験紙１３０は、実質的に０．５ｃｍから実質的に２ｃｍまでの長さを有する。好ましくは、試験紙バイアル１００は、実質的に１ｃｍ以下の長さの、したがって現在の試験紙よりも短い試験紙を貯蔵し分配する。
【００６３】
図３（ａ）および図３（ｂ）は、バイアルの蓋１０３が開いた位置にあるときの組立てられた状態の試験紙バイアル１００を示している図である。図３（ａ）は、試験紙バイアル１００の斜視図であり、試験紙バイアル１００から積層体をなす試験紙１３０のうちの一番上の試験紙１３０ａを分配する様子を例示している。図３（ｂ）は開いた位置にある試験紙バイアル１００の側面図である。例示的な実施の形態に基づけば、カセット１１０はベースコンテナ１０２に挿入されていて積層体をなす試験紙１３０を収容している。カセット１１０がベースコンテナ１０２に挿入されているとき、カセット１１０の上部はベースコンテナ１０２のリム１０９の上に配置されていて、かつベースコンテナ１０２から突出している。カセット１１０の上部は、ベースコンテナ１０２から突出したカセット１１０の上部の周縁部を取り囲んだ試験紙バイアル１００を密閉するための密閉シール要素１０８を含む。バイアルの蓋１０３は、密閉シール要素１０８に対応するリム１０３ａを含む。バイアルの蓋１０３が閉じられたとき、密閉シール要素１０８とリム１０３ａが協働して、試験紙バイアル１００を密閉し、試験紙に損傷を与えて検査結果の信用を落とすことになる湿気およびその他の有害な効果から試験紙バイアル１００内に貯蔵された試験紙を保護する。密閉シール要素１０８は、さらに、試験紙が試験紙バイアル１００から分配されるときに湿気がベースコンテナ１０２のキャビティ１１８内に侵入することおよび積層体をなす残りの試験紙１３０に損傷を与えることを防止することを確実にする。
【００６４】
密閉シール要素１０８は、その他の部分と接して柔軟な特性による圧力に適応するように締まりばめされるバイアルの蓋１０３またはベースコンテナ１０２の箇所にさらに配置されてもよい。このような配置によって、試験紙バイアル１００内に貯蔵された未使用の試験紙が湿気から保護される。
【００６５】
ある実施の形態に基づけば、外側シェル１０１および／またはカセット１１０を形成する材料は乾燥特性を有し、および／または、乾燥剤が外側シェル１０１および／またはカセット１１０の内側の空間に配置される。試験紙バイアル１００内に侵入するおそれのある任意の湿気は、これらの乾燥材料によって吸収されて、効力を消され、したがってさらに試験紙が損傷から保護される。
【００６６】
図示されているように、カセット１１０の上部は、カセット１１０がベースコンテナ１０２内に挿入されたときベースコンテナ１０２から突出し、積層体をなす試験紙１３０の一番上の試験紙１３０ａを保持し一番上の試験紙１３０ａをバイアル１００の外へ導くためのチャネル１１５がカセット１１０の上部に形成されている。チャネル１１５は、一度に一枚だけの試験紙（すなわち、積層体をなす試験紙１３０の一番上の試験紙）のみを保持するような寸法および形状を有する。図３（ａ）に示されているように、蓋１０３が開けられたとき、バイアルは一番上の試験紙１３０ａを露出させる。スライダー１２０が、カセット１１０の上面１２５に形成されたスロット１１１内に配置されている。カセット１１０に形成されたスロット１１１は、チャネル１１５と連通している。使用者は、スライダー１２０をスロット１１１を通して動かして、一番上の試験紙１３０ａをチャネル１１５を通してバイアル１００の外に押出すことによって、一番上の試験紙１３０ａを分配する。
【００６７】
再び図２を参照すると、手動式のスライダー１２０は、好ましくは成形されたプラスチック材料から形成され、使用者によって押されるような寸法および形状のボタン部分１２１と、試験紙を押出すためのランナー１２２と、ボタン部分１２１およびランナー１２２を結合するためのコネクター１２３とを有する。図示されているように、ランナー１２２はチャネル１１５に適合してチャネル１１５内を摺動するような寸法および形状を有し、コネクター１２３はスロット１１１に適合してスロット１１１内を摺動するような寸法および形状を有し、ボタン部分１２１はカセット１１０の上面の両端に亘って摺動する。これらの３つの要素（ボタン部分１２１、ランナー１２２、およびコネクター１２３）は協働して、図３（ａ）に示されているようにチャネル１１５内に配置された試験紙の少なくとも一部をチャネル１１５の外に押出す。ある実施の形態に基づけば、スライダー１２０は付勢手段に固着されていてよく、その付勢手段はスライダー１２０を休止位置に向けて付勢するばねを有していてよい。このようにして、スライダー１２０は一枚の試験紙を分配した後に自動的に休止位置に戻り、積層体をなす試験紙のうちの次の試験紙をチャネル１１５内に配置して次の試験紙を続いて分配することを可能にする。
【００６８】
図４（ａ）および図４（ｂ）は、バイアル１００の長手方向に沿った断面図であり、付勢手段１４０の動作を示している。図４（ａ）は約５０枚の試験紙１３０からなる積層体を貯蔵した十分に充填されたバイアル１００を示している。図４（ｂ）では、バイアル１００は空に近い状態で、積層体には一枚の試験紙１３０が残っている。付勢手段１４０は、ベースコンテナ１０２内に配置されていて、積層体をなす試験紙１３０をバイアルの蓋１０３に向けて付勢して、積層体の一番上の試験紙が常にチャネル１１５内に配置されるようになっている。一番上の試験紙１３０ａが積層体から取り除かれると、残りの積層体の試験紙が一枚分前進する。付勢手段は、積層体の最後の試験紙を押し上げるリテーナ１４１と、ばね１４２として例示されている弾性付勢要素とを含む。例示的な実施の形態に基づけば、ばねは一定の力を生ずる時計ばねからなる。バイアル１００が組立てられたとき、ばね１４２は積層体をなす試験紙１３０によって圧縮されて積層体に一定の圧力を加える。一番上の試験紙１３０ａが積層体から取り除かれた後、付勢手段１４０は試験紙一枚分だけ積層体をカセット１１０の上部に向けて前進させ、積層体の次の試験紙をチャネル１１５内に配置する。次の試験紙は、スライダー１２０を駆動することによって次の分析のために分配できる。
【００６９】
図４（ｂ）に示されているように、外側ハウジング１０１の内側キャビティ１１８は、カセット１１０を保持するための寸法および形状の第１の中空空間１１８ａと、ばね１４２を保持するための寸法および形状の第１の中空空間１１８ａの下の第２の中空空間１１８ｂとを含む。カセット１１０が十分に試験紙を充填されているとき、ばね１４２は十分に圧縮されて、ばね１４２およびリテーナ１４１の基部は、第２の中空空間１１８ｂ内に配置されている。試験紙が分配されるとき、ばね１４２の基部が第２の中空空間１１８ｂ内に保持されたまま、ばね１４２の復元力はばね１４２を伸長させてリテーナ１４１を第１の中空空間１１８ａを通してバイアルの蓋１０３に向けて押し上げる。例示的な実施の形態に基づけば、ばね１４２は圧縮時の長さは約２０ｍｍで、自由長は約６０ｍｍであるが、ばね１４２の長さおよびばね定数は変更されてもよいことが当業者には認識される。時計ばねが十分に積層体が充填された状態と積層体が空の状態との間を移動させるための付勢手段として用いられてもよい。そのような時計ばねは、最も短い「デッド体積スペース」に対して最も長い。さらに、そのような時計ばねは、十分に積層体が充填された位置と積層体が空の位置との間で上向きのより一貫した力を供給する。
【００７０】
図４（ｃ）に示されているように、例示的な実施の形態のリテーナ１４１は、試験紙に圧力を加えるためのプラットホーム１４３を備えたＴ形のプラスチック要素からなる。プラットホーム１４３は試験紙と実質的に同じ寸法および形状を有し、積層体の最後の試験紙の全体に一定の圧力を加えるようになっている。リテーナ１４１は、ばね１４２をリテーナに取り付けるためのプラットホーム１４３に結合された基部１４４をさらに含む。リテーナ１４１および付勢要素１４２は例示された構成に限定されないこと、および積層体をなす試験紙を付勢するための任意の適切な装置が用いられてよいことは当業者には認識される。
【００７１】
図５（ａ）から図５（ｄ）は、外側ハウジング１０１の詳細を示している図である。外側ハウジング１０１は、使用者がバイアル１００を保持するのを容易にするための人間工学的な形状を有する。図５（ａ）は、ハウジングの上面図であり、バイアル１００の長さ（Ｌ）方向を通した楕円形の断面形状を示している。図５（ｂ）は、バイアル１００の正面図であり、バイアル１００の高さ（Ｈ）方向を通したバイアル１００の形状を示している。図５（ｃ）は、バイアル１００の側面図であり、バイアル１００の幅（Ｗ）方向を通したバイアル１００の形状を示している。バイアル１００の長さ方向を通した楕円形の断面形状、高さ、および幅、およびわずかに傾斜した底部は、使用者が掌でバイアル１００を保持するのを容易にする。図５（ｄ）に示されているように、例示的な外側ハウジング１０１は、使用者が取り扱うのを容易にするために背面に形成された凹部１５１をさらに含む。
【００７２】
図５（ｂ）および図５（ｃ）に示されているように、例示的なベースコンテナ１０２は、ベースコンテナ１０２の上側エッジ（リム）１０９の前側に形成された凹部１０６を含む。蓋１０３は、部分的に取り付けられたベースコンテナ１０２の凹部１０６に対応する蓋１０３の下側エッジに形成された突出するリップ１０７を含む。凹部１０６およびリップ１０７によって、使用者はリップ１０７を上向きに押し上げることによってバイアル１００を開くことができるようになり、リップ１０７は図２（ｂ）に示すようにヒンジ１０５を軸に回動して開いた位置に達する。
【００７３】
図６（ａ）から図６（ｄ）は、本発明の技術に基づく試験紙バイアル１００を組み立てる過程を示している図である。図６（ａ）は、積層体をなす試験紙１３０をカセット１１０内に配置する過程を示している。本発明の例示的な実施の形態のカセット１１０は、好ましくは、積層体をなす試験紙１３０に適応してカセット１１０の側面に形成された第１の開口１５２を含む。積層体をなす試験紙１３０は、第１の開口１５２を通して押されてカセット１１０内に挟まれる。次に図６（ｂ）に示されているように、付勢手段１４０が、カセット１１０の底部に形成された第２の開口１５３を通してカセット１１０内に挟まれる。第２の開口１５３は、付勢手段１４０のリテーナ１４１に適応した寸法および形状を有する。付勢手段１４０は積層体をなす試験紙が配置されたカセットに挿入され、リテーナ１４１が積層体の最後の試験紙に当接する。次に、図６（ｃ）に示されているように、外側ハウジング１０１がカセット１１０に嵌め合わされて、付勢手段１４０およびカセット１１０が外側ハウジング１０１のキャビティ１１８内に挿入される。カセット１１０を外側ハウジング１０１のキャビティ１１８内に挿入することによって、ばね１４２が圧縮される。圧縮されたばね１４２は、積層体をなす試験紙１３０に一定の圧力を加え、積層体をチャネル１１５に向けて付勢する。最後に、図６（ｄ）に示すように、スライダー１２０がカセット１１０内に挟まれて、ランナー１２２が、一番上の試験紙を分配するための位置にあるチャネル１１５内の一番上の試験紙１３０ａの後ろに配置される。
【００７４】
例示的な試験紙バイアル１００は、血液の試料中のブドウ糖のレベルを測定するための通常のブドウ糖メータに用いるための試験紙を分配する。ブドウ糖のレベルを測定する時刻になると、使用者はチャネル１１５を通してスライダー１２０を摺動させて、図３（ａ）に示すように一番上の試験紙１３０ａを少なくとも部分的にバイアル１００から押し出して試験紙１３０ａの電極を露出させる。使用者は一方の手でバイアル１００を保持しもう一方の手でブドウ糖メータを保持して露出された試験紙１３０ａをブドウ糖メータの接触ポートに整合させる。使用者は試験紙１３０ａの電極をブドウ糖メータに挿入し、バイアル１００を取り外す。バイアル１００が取り外されるとき、ブドウ糖メータとの接触による摩擦および／または圧力が試験紙１３０ａを所定の位置に保つ。こうして試験紙１３０ａはブドウ糖メータ内に位置決めされて、試料を受け入れる準備が整った状態になる。使用者は皮膚を切開して少量の試料の一滴を生み出し、試料を試験紙１３０ａの塗布領域に移す。次に、ブドウ糖メータは試料の電気化学的分析を実行して、試料中のブドウ糖の量を求めて、ブドウ糖の読取値をスクリーンに表示する。次に使用者は試験紙１３０ａを取り外して廃棄する。
【００７５】
もちろん、使用者はスライダー１２０をスロット１１１を通して十分に摺動させることによって一番上の試験紙１３０ａの全体をバイアル１００から分配させて、手で試験紙１３０ａを取り扱って分析を実行することもできることが理解される。
【００７６】
通常のブドウ糖メータは、分析が終了した後にブドウ糖メータから試験紙を排出するための試験紙イジェクトボタンを含んでいない。一旦試験紙がブドウ糖メータの接触ポートに配置されると、使用者は試験紙を接触ポートから手作業で取り外さなければならない。しかし、手作業による取り外しは使用者の手が試験紙に付着した血液で汚染される可能性を導き、かえって本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアル１００によって可能になる短い試験紙を用いた場合、特にそうなる。本発明の試験紙バイアル１００は、２００１年８月１６日に出願された米国仮特許出願第６０／３１３，０５９号「ブドウ糖メータ用の現場でのアダプター（In Situ Adapter for a Glucose Meter）」（この特許出願の全体の内容は引用文献として参照される。）に記載されたアダプターと共に用いられてよく、それによって本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアル１００に貯蔵された試験紙を用いた検査が容易になる。そのアダプターは試験紙を挿入するための接触部分と、使用された試験紙を容易に排出するためのイジェクトボタンとを含んでいてよい。
【００７７】
大まかには、米国仮特許出願第６０／３１３，０５９号に記載されたアダプターは、標準的なブドウ糖メータに用いられてそのブドウ糖メータを一体化された単一ユニットの検査装置に変換するためのクリップで留められるアダプターからなる。そのアダプターは、切開器具、切開部位の直ぐ近くに試験紙を保持するための試験紙ポート、試験紙とブドウ糖メータ内の電子回路との間の電気的な接続を提供するための試験紙コネクター、および、アダプターをブドウ糖メータに結合するためのコネクターを有する。アダプターは、切開器具を直立させるコッキング機構、ランセットの穿通深さを変更するための深さ制御機構、およびランセットを駆動するためのトリガーを含む。アダプターは、切開部位からの血液の圧出を容易にするための圧力リングを含むアダプターキャップをさらに含んでもよい。
【００７８】
図７を参照すると、試験紙バイアル１００は、データ記憶手段を含む。例示的な実施の形態に基づけば、データ記憶手段は情報チップ２００からなり、情報チップ２００はバイアル１００に読み出し・書き込み機能を提供するためのＥＰＲＯＭメモリーを有する。例示的な実施の形態に基づけば、情報チップ２００はラベル１８０内に組込まれているが、情報チップ２００は任意の適切な位置でハウジング１０１に直接取り付けられてもよいことは当業者には認識される。情報チップ２００は、有効期限、バッチコード、校正情報、ロット数、試験紙の数、およびその他の情報のような試験紙に関する情報を電子的に記憶する。ある実施の形態に基づけば、情報チップ２００は、バイアル２００に貯蔵された試験紙を用いてブドウ糖のレベルを測定する関連するブドウ糖メータによって得られたブドウ糖の測定値を記憶してもよい。試験紙バイアル１００にブドウ糖の測定値を記憶できることにより、ブドウ糖メータに記憶されるブドウ糖の読取値のコピーの他に、ブドウ糖の読取値の余分のコピーが提供される。ブドウ糖の読取値を余分に記憶することにより、使用者は誤った結果が生じたときに現場からのクレームに対するサポートを受けるために、ブドウ糖メータ全体を送り返すのではなく、バイアル１００のみを製造業者に送り返すことができるようになる。
【００７９】
例示的な実施の形態に基づけば、情報チップ２００は、関連する試験紙に対する適切な動作パラメータをブドウ糖メータが読み取るための命令を格納した組込まれたプログラム済みのソフトウェアをさらに含む。組込まれたプログラム済みのソフトウェアはブドウ糖メータに転送されブドウ糖メータによって読み取られて、バイアル１００内の試験紙の任意の変化を反映するためにブドウ糖メータの動作パラメータを更新またはアップグレードするのに用いられる。例えば、ソフトウェアは、バイアル１００に貯蔵された試験紙の必要条件およびパラメータに適合させるために、測定に要する時間、測定曲線の積分される部分、ポテンシオスタットによってバランスをとられる電位、およびその他の変更などを調節するようにブドウ糖メータに命令してよい。
【００８０】
さらに、情報チップ２００は、ブドウ糖メータを適切に校正するためにブドウ糖メータによって読み取られる試験紙に関連した校正情報を記憶してよい。
【００８１】
さらに、情報チップ２００は、（貯蔵されている）現在の試験紙に関する広告情報を記憶し、その情報をブドウ糖メータに表示する。情報チップ２００は、販売を促進するための提案、異なる試験紙の新しいリリースなどに関連した情報をさらに含んでもよい。例えば、小売店は、情報チップ２００を用いて試験紙バイアル１００を介して糖尿病患者に糖尿病に関連する製品、情報、および広告を提供してもよい。
【００８２】
情報チップ２００は、ブドウ糖メータを効率よく個人化するために使用者の個人的な情報をさらに記憶してもよい。例えば、情報チップ２００は、使用者の氏名、住所、緊急時の連絡先の情報、治療歴、およびその他の個人的な情報を表示するようにプログラムされていてよい。
【００８３】
情報チップ２００（に記憶されている情報）は、試験紙１３０ａおよびバイアル１００をブドウ糖メータに整合させる間に読み出される。この整合の間に、ブドウ糖メータとバイアル１００の情報チップ２００の間は電気的に接続される。ブドウ糖メータとバイアル１００の両方の手段はブドウ糖メータとバイアル１００との容易なかつ信頼性の高い接続を確立する。
【００８４】
本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアル１００は、現在の試験紙バイアルのデザインに大きな利益をもたらす。例示的な試験紙バイアルは、汚染、試験紙の劣化、コスト、および浪費を低減しながら、ブドウ糖のレベルを測定するための試験紙を効率よく貯蔵および分配する。試験紙バイアルを「スマートなバイアル」に変換するために情報チップを使用することで、ブドウ糖の測定値を記憶するための余裕のある記憶スペースが提供される。情報チップは、新しい試験紙を旧モデルのブドウ糖メータに使用できるようにし、また、個々の使用者に対してバイアルを個人化できるようにする。
【００８５】
本発明は、純粋にある例示について記載され、細部の変更が本発明の範囲内で行なえることが理解される。
【００８６】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
（Ａ）分配開口を備えると共にある供給量の試験紙を保持するように構成された、体液の試料を分析するための試験紙を保持および分配するためのカセットであって、上記カセット内に保持された試験紙を上記分配開口に向けて付勢するための付勢手段と、上記付勢手段の付勢力に対抗して上記カセット内に上記試験紙を保持するための保持手段と、上記分配開口を通して一度に一枚ずつ上記試験紙を上記カセットの外に移動するための移動手段とを有する、試験紙を保持および分配するためのカセット。
（Ｂ）実施態様（Ａ）記載のカセットと、上記カセットを収容する外側ハウジングとを備えたバイアル。
（Ｃ）ハウジングに取り付けられた、体液の試料を分析するための試験紙に関連する情報を記憶するためのデータ記憶手段を有する、上記試験紙を貯蔵および分配するためのバイアル。
（Ｄ）体液の試料中の検体のレベルを測定するための試験紙の分配方法であって、分配機構を用いてある供給量の上記試験紙を収容したカセットから一枚の上記試験紙を分配する過程を有し、一枚の試験紙を分配した後に、カセット内のある供給量の試験紙に加えられた付勢手段が次の試験紙が分配されるようにする、試験紙の分配方法。
（１）付勢手段がカセットに取り付けられている、実施態様（Ａ）記載のカセット。
（２）付勢手段がらせん状のばねからなる、実施態様（１）記載のカセット。
（３）付勢手段がある供給量の試験紙に接触するための試験紙リテーナに結合されている、請求項１、実施態様（１）、および実施態様（２）のいずれかに記載のカセット。
（４）保持手段が、カセットの端部の分配開口が形成された閉鎖面からなる、請求項１、実施態様（１）乃至実施態様（３）のいずれかに記載のカセット。
（５）閉鎖面が、分配開口に連通すると共にある供給量の試験紙から一枚の試験紙を保持するように構成されたチャネルを含む、実施態様（４）記載のカセット。
【００８７】
（６）移動手段がスライダーからなり、閉鎖面が上記スライダーを保持するための長寸のスロットを含み、上記スライダーが、上記チャネルと連通していて、上記スライダーが上記分配開口に向かって動くことにより、チャネル内に保持された一枚の試験紙が上記分配開口を通して分配される、実施態様（５）記載のカセット。
（７）スライダーが、一枚の試験紙が分配開口を通して分配された後に、開始位置に戻るように付勢されている、実施態様（６）記載のカセット。
（８）閉鎖面に形成された、試験紙の表面の番号を目視できるようにするための窓をさらに有する、実施態様（４）乃至実施態様（７）のいずれかに記載のカセット。
（９）カセット内に配置された、試験紙を湿気から防ぐための乾燥材料をさらに有する、請求項１、実施態様（１）乃至実施態様（８）のいずれかに記載のカセット。
（１０）乾燥材料から作られた、実施態様（Ａ）、実施態様（１）乃至実施態様（９）のいずれかに記載のカセット。
【００８８】
（１１）試験紙が、１ｃｍ以下の長さを有する、実施態様（Ａ）、実施態様（１）乃至実施態様（１０）のいずれかに記載のカセット。
（１２）使い捨て式である、実施態様（Ａ）、実施態様（１）乃至実施態様（１１）のいずれかに記載のカセット。
（１３）体液が血液からなり、試験紙が血液中のブドウ糖のレベルを測定するのに用いられる、実施態様（Ａ）、実施態様（１）乃至実施態様（１２）のいずれかに記載のカセット。
（１４）実施態様（１）乃至実施態様（１３）のいずれかに記載のカセットと、外側ハウジングとを有するバイアル。
（１５）付勢手段が、外側ハウジングに取り付けられていて、カセットのスロットを通して上記カセット内の試験紙と連通している、実施態様（Ｂ）、または実施態様（１４）記載のバイアル。
【００８９】
（１６）外側ハウジングが乾燥材料で作られている、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）、および実施態様（１５）のいずれかに記載のバイアル。
（１７）外側ハウジングが楕円形の断面形状を有する、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（１６）のいずれかに記載のバイアル。
（１８）外側ハウジンがバイアルを保持し易くするための凹部を含む、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（１７）のいずれかに記載のバイアル。
（１９）カセットが、上記カセットが外側ハウジング内に挿入されたときに上記外側ハウジングから突出する突出部分を含み、上記カセットが上記外側ハウジング内に挿入されたときに密閉シールが上記突出部の上に配置される、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（１８）のいずれかに記載のバイアル。
（２０）外側ハウジングが蓋を有する、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（１９）のいずれかに記載のバイアル。
【００９０】
（２１）外側ハウジングが上側リムに隣接した凹部を含み、蓋が上記凹部に対応する上記蓋を開くことまたは取り外すことを容易にするための突出部を含む、実施態様（２０）記載のバイアル。
（２２）バイアルによって保持された、情報を記憶するためのデータ記憶手段をさらに有する、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（２１）のいずれかに記載のバイアル。
（２３）データ記憶手段が、電子回路チップからなる、実施態様（２２）記載のバイアル。
（２４）電子回路チップがＥＰＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭからなる、実施態様（２３）記載のバイアル。
（２５）データ記憶手段によって記憶された情報が、バイアル内に貯蔵されたある供給量の試験紙に関する情報に関連する、実施態様（２２）乃至実施態様（２４）のいずれかに記載のバイアル。
【００９１】
（２６）情報が、ある供給量の試験紙用の校正コード、上記ある供給量の試験紙の有効期限、上記ある供給量の試験紙のバッチコード、上記ある供給量の試験紙のロット数、および上記ある供給量の試験紙中の試験紙の枚数のうちの少なくともひとつからなる、実施態様（２５）記載のバイアル。
（２７）データ記憶手段が検査装置によって得られた検体の測定値を記憶するように適合されている、実施態様（２２）乃至実施態様（２６）のいずれかに記載のバイアル。
（２８）データ記憶手段が検査装置に転送されるソフトウェアを含む、実施態様（２２）乃至実施態様（２７）のいずれかに記載のバイアル。
（２９）ソフトウェアが、バイアル内に貯蔵されたある供給量の試験紙に対する複数の動作パラメータに適応するように検査装置を動作させるための命令を含む、実施態様（２８）記載のバイアル。
（３０）検査装置の接触部と結合されるように構成されたアダプターをさらに有する、実施態様（Ｂ）、実施態様（１４）乃至実施態様（２９）のいずれかに記載のバイアル。
【００９２】
（３１）データ記憶手段が、電子回路チップからなる、実施態様（Ｃ）記載のバイアル。
（３２）電子回路チップがＥＰＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭからなる、実施態様（３１）記載のバイアル。
（３３）データ記憶手段が、バイアル内に貯蔵された試験紙を用いて分析を実行する検査装置によって得られた体液の読取値を記憶するように適合されている、実施態様（Ｃ）、実施態様（３１）、および実施態様（３２）のいずれかに記載のバイアル。
（３４）データ記憶手段が、バイアル内に貯蔵された試験紙のタイプに応じて検査装置の動作パラメータを変更するための命令を記憶する、実施態様（Ｃ）、実施態様（３１）乃至実施態様（３３）のいずれかに記載のバイアル。
（３５）データ記憶手段が、検査装置に表示するための試験紙に関する広告情報を記憶する、請求項３、実施態様（３１）乃至実施態様（３４）のいずれかに記載のバイアル。
【００９３】
（３６）データ記憶手段が、バイアルの使用者の個人的な情報を記憶する、実施態様（Ｃ）、実施態様（３１）乃至実施態様（３５）のいずれかに記載のバイアル。
（３７）カセットが、一枚の試験紙を分配する前に外側ハウジング内に挿入される、実施態様（Ｄ）記載の方法。
（３８）検査装置内に試験紙を挿入する過程をさらに有する、実施態様（Ｄ）、または実施態様（３７）記載の方法。
（３９）試験紙が血液中のブドウ糖のレベルを測定するのに用いられ、検査装置がブドウ糖メータからなる、実施態様（Ｄ）、実施態様（３７）、および実施態様（３８）のいずれかに記載の方法。
（４０）ある供給量の試験紙が空になったときにカセットを廃棄する過程をさらに有する、実施態様（Ｄ）、実施態様（３７）乃至実施態様（３９）のいずれかに記載の方法。
【００９４】
（４１）添付の図面を参照して実質的にこれまで記載されたカセット。
（４２）添付の図面を参照して実質的にこれまで記載されたバイアル。
（４３）添付の図面を参照して実質的にこれまで記載された方法。
【００９５】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、汚染、試験紙の劣化、コスト、および浪費を低減しながら、ブドウ糖のレベルを測定するための試験紙を効率よく貯蔵および分配する効果がある。
【００９６】
本発明によれば、情報チップを使用することで、ブドウ糖の測定値を記憶するための余裕のある記憶スペースが提供される効果がある。
【００９７】
本発明によれば、情報チップを使用することで、新しい試験紙を旧モデルのブドウ糖メータに使用できるようにし、また、個々の使用者に対してバイアルを個人化できるようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】ある供給量の試験紙を貯蔵するための従来の試験紙バイアルを示す図である。
【図２】本発明の例示的な実施の形態に基づく試験紙バイアルの分解図である。
【図３】図３（ａ）は開いた位置の組立てられた状態の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの斜視図である。図３（ｂ）は開いた位置の組立てられた状態の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの側面図である。
【図４】図４（ａ）は本発明の例示的な実施の形態の十分に試験紙が充填され組立てられた状態の試験紙バイアルの長手方向に沿った断面図である。図４（ｂ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙が空に近い組立てられた状態の試験紙バイアルの長手方向に沿った断面図である。図４（ｃ）は図４（ａ）および図４（ｂ）の試験紙リテーナの詳細側面図である。
【図５】図５（ａ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの上面図である。図５（ｂ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの正面図である。図５（ｃ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの側面図である。図５（ｄ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルの背面図である。
【図６】図６（ａ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルを組立てる過程を示す図である。図６（ｂ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルを組立てる過程を示す図である。図６（ｃ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルを組立てる過程を示す図である。図６（ｄ）は本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルを組立てる過程を示す図である。
【図７】読み出しおよび書き込み機能を提供するための情報チップを含む本発明の例示的な実施の形態の試験紙バイアルを示す図である。
【符号の説明】
１０ 試験紙バイアル
１１ 円筒形の本体
１２ 蓋
１３ 試験紙
１００ 試験紙バイアル
１０１ 外側シェル
１０２ ベースコンテナ
１０３ バイアルの蓋
１０３ａ リム
１０５ ヒンジ
１０６ 凹部
１０７ リップ
１０８ 密閉シール要素
１０９ リム
１１０ カセット
１１１ スロット
１１５ チャネル
１１７ 窓
１１８ 内側キャビティ
１１８ａ 第１の中空空間
１１８ｂ 第２の中空空間
１２０ スライダー
１２１ ボタン部分
１２２ ランナー
１２３ コネクター
１２５ 上面
１３０ 試験紙
１３０ａ 一番上の試験紙
１４０ 付勢手段
１４１ リテーナ
１４２ ばね
１４３ プラットホーム
１４４ 基部
１５１ 凹部
１５２ 第１の開口
１５３ 第２の開口
１８０ ステッカー
２００ 情報チップ

Claims (11)

1. 分配開口を備えると共にある供給量の試験紙を保持するように構成された、体液の試料を分析するための試験紙を保持および分配するためのカセットであって、
   上記カセット内に保持された試験紙を上記分配開口に向けて付勢するための付勢手段と、
   上記付勢手段の付勢力に対抗して上記カセット内に上記試験紙を保持するための保持手段と、
   上記分配開口を通して一度に一枚ずつ上記試験紙を上記カセットの外に移動するための移動手段と、
   を有し、
   上記保持手段が、上記カセットの端部の分配開口が形成された閉鎖面からなり、
   上記閉鎖面が、分配開口に連通すると共に、ある供給量の試験紙から一枚の試験紙を保持するように構成されたチャネルを含み、
   上記移動手段がスライダーからなり、上記閉鎖面が上記スライダーを保持するための長寸のスロットを含み、上記スライダーが、上記チャネルと連通していて、上記スライダーが上記分配開口に向かって動くことにより、上記チャネル内に保持された一枚の試験紙が上記分配開口を通して分配され、
   上記スライダーが、一枚の試験紙が上記分配開口を通して分配された後に、開始位置に戻るように付勢され、
   上記スライダーが、上記試験紙を押出すためのランナーを備えている、
   試験紙を保持および分配するためのカセット。
2. 上記付勢手段が、ある供給量の試験紙に接触するための試験紙リテーナに結合されている、請求項１に記載のカセット。
3. 上記閉鎖面に形成された、試験紙の表面の番号を目視できるようにするための窓をさらに有する、請求項１又は請求項２に記載のカセット。
4. 上記カセット内に配置された、試験紙を湿気から防ぐための乾燥材料をさらに有する、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のカセット。
5. 請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のカセットと、上記カセットを収容する外側ハウジングとを備えたバイアル。
6. 上記外側ハウジングに取り付けられた、体液の試料を分析するための試験紙に関連する情報を記憶するためのデータ記憶手段を有する、上記試験紙を貯蔵および分配するための請求項５に記載のバイアル。
7. 上記外側ハウジングがバイアルを保持し易くするための凹部を含む、請求項５又は請求項６に記載のバイアル。
8. 上記カセットは、上記カセットが外側ハウジング内に挿入されたときに上記外側ハウジングから突出する突出部分を含み、上記カセットが上記外側ハウジング内に挿入されたときに密閉シールが上記突出部の上に配置される、請求項５乃至請求項７のいずれかに記載のバイアル。
9. 上記外側ハウジングが蓋を有する、請求項５乃至請求項８のいずれかに記載のバイアル。
10. 上記外側ハウジングが上側リムに隣接した凹部を含み、蓋が上記凹部に対応する上記蓋を開くことまたは取り外すことを容易にするための突出部を含む、請求項９記載のバイアル。
11. 体液の試料中の検体のレベルを測定するための試験紙の分配方法であって、
    分配機構を用いてある供給量の上記試験紙を収容した請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のカセットから一枚の上記試験紙を分配する過程を有し、
    一枚の試験紙を分配した後に、カセット内のある供給量の試験紙に加えられた付勢手段が次の試験紙が分配されるようにする、試験紙の分配方法。

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