JP4274960B2 - ねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法 - Google Patents

ねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、一般的には、ねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法に関し、たとえば、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、電池パック、簡易充電器などのリサイクル品に適用され、これらリサイクル品の解体時に有効であるねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法に関する。
エアコン、洗濯機、冷蔵庫などの電化製品は、資源再利用および環境問題への配慮から、リサイクルが積極的に行なわれるようになってきている。しかしながら、ねじなどの取り外しに時間が掛かり、解体作業性に優れたリサイクル処理方法が十分に確立されていないのが実情である。そこで、従来において、このような問題に対処するための技術がさまざま考えられており、たとえば、実開平2−36616号公報(特許文献1「p.4〜6、第5図」)、特開平7−4407号公報(特許文献2「p.5、図12」)および特開昭62−110013号公報(特許文献3「p.2、第1図」)に開示がされている。
図11は、特許文献1に開示された、ねじの弛み止めと弛めとの両機能を有する座金を示す断面図である。図11を参照して、特許文献1には、簡易な方法で、締結部材としてのボルト60の弛みを防止することができ、また、必要に応じてボルト60を弛ませることができる手段が開示されている。ボルト60の頭部61と締結対象物68との間に挟まれた座金62は、形状記憶合金からなる第1の環状部材63と、同じく形状記憶合金からなる第2の環状部材64と、第1の環状部材63と第2の環状部材64との間に介挿される電気絶縁体65と、第2の環状部材64の上面および下面にそれぞれ接触するように設けられた環状の電気絶縁体66および67とから構成されている。これらの部材は、それぞれが同心状に並ぶように配置されている。
第1および第2の環状部材63および64には、それぞれ所定の形状記憶処理が施されている。これにより、第1および第2の環状部材63および64を、これらの部材を形成する形状記憶合金の逆変態開始温度以上まで加熱することによって、第1の環状部材63は、図面上で上下方向に膨張変形し、第2の環状部材64は、上下方向に収縮変形する。
つまり、第1の環状部材63を上述の逆変態開始温度以上まで加熱すると、第1の環状部材63の膨張変形によって、ボルト60の座面61aが押圧力を受ける。これにより、ボルト60のねじ山の接触面圧が高くなった状態でボルト60が締結対象物68に締結固定され、ボルト60の弛みが防止される。また、第2の環状部材64を上述の逆変態開始温度以上まで加熱すると、第2の環状部材64の収縮変形によって、ボルト60の座面61aに対する押圧力が消滅する。これにより、ボルト60のねじ山の接触面圧が小さくなり、ボルト60が弛んだ状態となる。
図12は、特許文献2に開示された内容を説明するための図であり、図12(A)は、記憶形状を有するビスを示す側面図であり、図12(B)は、図12(A)中のビスの使用状態を示す断面図である。図12(A)および(B)を参照して、特許文献2には、廃棄される電化製品を容易に解体することができる結合保持部品としてのビス70が開示されている。ビス70は、形状記憶材料を構成材料としている。ビス70は、一方端に軸部71を有し、他方端に軸部71に連なる頭部72を有する。軸部71の先端側は、スリット71aによって二又に分割されている。その先端側の外周面は、ねじ部71bが形成されたテーパ面に仕上がっている。
図12(A)に示すように、ビス70は、軸部71の先端側が閉じた状態の記憶形状を有する。図12(B)に示すように、ビス70は、第1の被締結部材73の貫通孔73aから挿通され、第2の被締結部材74の雌ねじ部74aに螺合される。この際、ビス70は、軸部71の先端側がV字状に開いた形状に成形される。ビス70の座面72aと第1の被締結部材73との間には、スプリング75が設けられている。スプリング75は、ビス70が図12(A)に示す記憶形状に復元したときに、スプリング75のばね力によってビス70が外側に抜けるように機能する。
図13は、特許文献3に開示されたスプリングワッシャを示す斜視図である。図13を参照して、特許文献3には、ボルト、ナット、締結対象物および座金の間に熱膨張率の差が存在する場合であっても、ボルトの締結力が低下することのないスプリングワッシャ80が開示されている。スプリングワッシャ80は、形状回復終了温度(変態温度)が5℃から10℃になるような形状記憶合金から形成されている。図13に示すように、スプリングワッシャ80は、切欠部81により分離された一対の腕部82および83を有し、これらが互い違いになるように形状記憶処理が施されている。
スプリングワッシャ80の使用に際しては、変態温度より十分低い温度において、平形形状(一対の腕部82および83が同一平面となる形状)に成形されたものを用いる。変態温度以上にならないようにして、ボルトと締結対象物との間またはナットと締結対象物との間に、密着状態にスプリングワッシャ80を位置決めする。締結作業が済み、締結部分が変態温度以上になると、スプリングワッシャ80が記憶されていた図13に示す形状に復元する。これにより、ボルトの軸方向に引張力が作用して、ねじ面の接触面圧が高まり、ボルトの締結力が維持される。
特許文献3では、形状回復するスプリングワッシャ80の変形量が、熱膨張によるボルトの伸びを上回るように形成されている。このため、ボルトとスプリングワッシャ80との熱膨張率の差に起因して、ボルトの弛みが発生することを防止できる。
また別に、実開平4−113320号公報(特許文献4)には、形状記憶合金により形成され、ボルトとナットとの間に装着する着脱容易な座金が開示されている。特許文献4に開示された座金は、常温において、一部に切れ目が形成された環状の形状を有し、一定の変態温度以上において、その切れ目を中心に開脚状に開く形状を有する。
さらに、特開2001−59512号公報(特許文献5)には、雄ねじの雌ねじに対する弛みを確実に防止することを目的したスプリングワッシャが開示されている。特許文献5に開示されたスプリングワッシャは、略C字状の形状を有し、その両端には、ねじ軸の直交方向に傾斜する傾斜面が形成された重なり部が設けられている。このスプリングワッシャを用いてねじを締めると、その重なり部同士が食い込んだ状態となる。これによって、ねじが弛む方向に回転することを防止できる。
実開平2−36616号公報 特開平7−4407号公報 特開昭62−110013号公報 実開平4−113320号公報 特開2001−59512号公報
しかしながら、以上に説明した従来技術では、以下の解決すべき問題点がある。
特許文献1では、座金62を構成する部品点数が多いため、構造が複雑化するという問題がある。また、座金62を小型化するのが困難であり、ボルト60が比較的小さいねじである場合には、座金62を適用することができないという問題がある。また、電化製品の組み立て工程においては、ロボットなどの自動機械が用いられており、この自動機械によって、決められた締め付けトルクでねじの締め付けが行なわれる。このため、特許文献1に開示されているように、ボルト60を締め付けた後に第1の環状部材63を加熱する工程を実施する組み立て方法では、締め付けトルクを管理することが容易でなく、組み立て作業性も低下する。このため、歩留まりが生じ、生産性が低下するおそれが生じる。
さらに、この座金62は、座面61aがボルト60の軸方向に対して直交するボルト60やねじにしか適用することができない。このため、電化製品などの組み立てに汎用され、皿状の座面を有する皿ねじには、座金62を適用することができないという問題がある。
特許文献2では、ビス70の軸部71の先端側が二又に分割されて形成されているため、ビス70の剛性が低い。このため、所定の締め付け力を得ることができず、振動などによりビス70が弛んでしまうという問題が発生する。また、ねじ加工を実施する必要があるため、転造ダイスの工具寿命が短くなり、加工コストが高くなるという問題もある。転造ダイスの工具寿命を長くするため、ビス70のねじ山を浅く形成した場合には、ねじ山の掛かり代が減少する。これにより、締結保持力が不十分となり、ビス70が緩みやすくなるという心配もある。
特許文献3は、ボルトの締結力を高めるための座金を提供するものであり、電化製品などのプラスチックシャーシを確実に組み立てる場合に利用することができる。しかし、ボルトを強く締め付けた場合、ボルトを外すのが容易ではなく、解体作業性が低下するという問題が生じる。
特許文献4では、座面がボルトの軸方向に対して直交しているため、ボルトが強く締め付けられると、座面に対する接触面圧が高くなってしまう。このため、座金が加熱されても、切れ目を中心に開脚状に開かないおそれがある。また、座金が簡単に外れたとしても、作業者がボルトを外さなければならず、電化製品などを容易に解体することができないという問題がある。また、特許文献5でも同様に、ねじを外しづらく、電化製品などを容易に解体することができないという問題がある。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、被締結部材を作業性良く確実に固定することができるとともに、被締結部材を容易に分離(解体)することができる、ねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法を提供することである。
この発明のひとつの局面に従ったねじは、一方に雄ねじ部を、他方に頭部を有するねじである。ねじは、雄ねじ部と頭部との間に介在されるねじ用付属品と、ねじ用付属品が雄ねじ部側から抜けることを防止する抜止め部材と、雄ねじ部と頭部との間の首元部分に位置し、雄ねじ部の軸方向に対して傾斜し、ねじ用付属品が接触する皿状座面とを備える。ねじ用付属品は、一部または全てが形状記憶材料で形成され、雄ねじ部の軸方向に段差を有する一対の腕部を有し、一対の腕部が加熱されることまたは外力を受けることにより、形状記憶材料が記憶していた元の形状に復元して、一対の腕部が雄ねじ部の半径方向に開き、頭部から抜けることを特徴とする。
このように構成されたねじによれば、ねじ用付属品を介して、被締結部材がねじ頭部の締め付け力で固定される。一方、被締結部材を外す際に、一対の腕部が加熱され、または外力を受けると、形状記憶材料が記憶していた元の形状に復元し、ねじ頭部の締め付け力に抗して一対の腕部がねじの半径方向に開く。このとき、ねじ用付属品がねじ頭部から抜け出す。
なお、ねじとは、ねじ山を有し、個体を形成する締結用のねじやボルトなどのねじ部品をいうものとする。ねじ用付属品とは、ねじ山を有しないが、ねじ部品とともに使用される機械部品をいうものとする。形状記憶材料とは、加熱されることにより元の形状に復元する性質を有する金属材料または合成樹脂材料をいうものとし、たとえば、Ti−Ni合金、Cu−Zn−Al合金、Ti−Ni−Fe合金、ポリウレタン系ポリマーなどをいうものとする。
また、本発明は、前述のねじにおいて、頭部と抜止め部材との間に、雄ねじ部のねじ径よりも太い係止段部を形成し、係止段部にねじ用付属品を介在することを特徴とする。このように構成されたねじによれば、ねじに対するねじ用付属品の位置が安定し、ねじ用付属品を介した被締結部材の固定が確実に行なわれる。
また、この発明の別の局面に従ったねじは、一方に雄ねじ部を、他方に頭部を有するねじである。ねじは、雄ねじ部と頭部との間の首元部分に位置し、雄ねじ部のねじ径よりも太い係止段部と、係止段部と雄ねじ部との間に位置し、その内径が雄ねじ部のねじ径よりも小さく、外径が係止段部の外径よりも大きい抜止め部材と、係止段部に位置し、一部または全てが形状記憶材料で形成され、雄ねじ部の軸方向に段差を有する一対の腕部を有するねじ用付属品と、雄ねじ部と頭部との間の首元部分に位置し、雄ねじ部の軸方向に対して傾斜し、ねじ用付属品が接触する皿状座面とを備える。ねじ用付属品は、元の状態に復元したときの内径が頭部の外径よりも大きくなるよう形成されるとともに、元の状態に復元する前の内径が頭部および抜止め部材の外径よりも小さく、係止段部の外径よりも大きく形成されることを特徴とする。
このように構成されたねじによれば、ねじに対するねじ用付属品の位置が安定し、ねじ用付属品を介した被締結部材の固定が確実に行なわれる。一方、被締結部材を外す際に、一対の腕部が加熱され、または外力を受けると、形状記憶材料が記憶していた元の形状に復元し、ねじ頭部の締め付け力に抗して一対の腕部がねじの半径方向に開く。このとき、ねじ用付属品がねじ頭部から抜け出す。
この発明に従った締結体構造は、上述のいずれかに記載のねじを用いた締結体構造である。締結体構造は、開口部を有する本体と、挿通孔を有し、開口部に宛がわれる被締結部材とを備え、雄ねじ部が挿通孔を挿通して本体の雌ねじに螺合し、ねじ用付属品が頭部と被締結部材との間に挟まれ、ねじの締め付け力により被締結部材が締結固定されることを特徴とする。
このように構成された締結体構造によれば、本体と被締結部材とを対向させた状態で、雄ねじ部を被締結部材の挿通孔に挿通させる。さらに、雄ねじ部を本体の雌ねじ部に螺合させると、ねじ頭部の締め付け力によりねじ用付属品が被締結部材を本体側に押圧し、被締結部材が固定される。一方、ねじ用付属品が加熱されると、ねじ頭部の締め付け力に抗して一対の腕部が形状復元して、ねじの半径方向に開き、ねじ用付属品がねじ頭部から抜け出し、被締結部材が本体から外れる。
また、本発明は、前述の締結体構造において、本体に、締結部材の軸方向に形成された縦溝と、その縦溝に交差する横溝とが連通して形成され、横溝に雌ねじ部に代えてねじと螺合するナットが着脱自在にスライド挿入されたことを特徴とする。
このように構成された締結体構造によれば、被締結部材が本体から外された後に、締結部材とナットとを螺合させたまま横にずらすことで、締結部材とナットとを本体から容易に外すことができる。
また、本発明は、上述のいずれかに記載の締結体構造において、被締結部材と本体との間に、被締結部材と本体とを付勢する圧縮ばねが設けられたことを特徴とする。このように構成された締結体構造によれば、ねじ用付属品が、締結部材から抜けた際に、本体と被締結部材とが圧縮ばねの弾性力により自動で分離する。
この発明に従ったねじの製造方法は、上述のいずれかに記載のねじの製造方法である。ねじの製造方法は、線材をヘッダ加工し、一端側に頭部を形成する工程と、頭部を段付き加工し、首元部分に係止段部を形成する工程と、線材の他端側からねじ用付属品を挿入し、係止段部に位置させる工程と、線材の他端側から抜止め部材を挿入し、係止段部の下部に位置させる工程と、線材の他端側をねじ切り加工し、雄ねじ部を形成する工程とを備えることを特徴とする。
このように構成されたねじの製造方法によれば、ねじ用付属品を有するねじが容易に製造される。
以上に説明したように、この発明に従えば、電化製品などの組み立ての際には、ねじの締め付け力を低下させずに被締結部材を固定することができ、電化製品などの解体の際には、ねじを取り外す手間が省かれて、解体を容易に行なうことができるねじおよびそれを用いた締結体構造ならびにねじの製造方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1において、易解体用のスペーサを有するねじが用いられた締結体構造を備える液晶テレビの一部を示す断面図である。図2は、図1中の2点鎖線IIで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。図3は、図1中に示す締結体構造の解体状態を示す断面図である。図4は、図1中に示すねじの製造方法を説明するための図であり、図4(A)から(E)は、その各工程を示す側面図である。図5は、図1中に示すねじを拡大して示し、図5(A)は、側面図であり、図5(B)は、一部を断面形状として表した断面図である。
図6は、図1中に示すスペーサの成形状態を拡大して示し、図6(A)は、平面図であり、図6(B)は、側面図であり、図6(C)は、図6(A)中のC−C線上に沿った断面図である。図7は、図1中に示すスペーサの復元した状態を示し、図7(A)は、平面図であり、図7(B)は、側面図であり、図7(C)は、図7(A)中のC−C線上に沿った断面図である。
図1から図7を参照して、液晶テレビ20は、筐体としてのプラスチックシャーシ21、液晶パネル本体23、ランプ類(図示せず)およびシート類など(図示せず)から構成されている。プラスチックシャーシ21は、開口部を有するパネルケース25(本体)と、開口部を覆うパネルカバー22(被締結部材)とから構成されている。液晶パネル本体23は、前後一対の板ガラス、液晶、偏向板、反射板および電子回路ユニットなどから構成されている。液晶パネル本体23は、プラスチックシャーシ21の内側に収容され、パネルケース25とパネルカバー22とに挟まれる格好で固定されている。
液晶テレビ20は、締結体構造を備え、その締結体構造には、形状記憶合金からなるスペーサ10(ねじ用付属品)が用いられている。ここで、形状記憶合金とは、たとえば、Ti−Ni合金、Cu−Zn−Al合金などをいい、個体が加熱されることで記憶された形状に復元する性質(形状記憶特性)を有するとともに、超弾性、振動吸収性および高耐食性などの性質を有する合金をいうものとする。なお、ばね性を有する超弾性合金は、形状記憶合金に含まれるものとする。
形状記憶合金に形状を記憶させるための形状記憶処理は、合金組成や用途などにより異なるものであるが、大気中、真空中および不活性ガス中のいずれかの雰囲気において、たとえば、400℃から800℃の処理温度で、5分間から60分間保持することにより行われている。本実施の形態におけるスペーサ10は、大気中において、750℃の処理温度で、10分間保持することにより、記憶処理が行われている。
成形された形状記憶合金が、相変態により記憶形状に復元する逆変態開始温度は、合金元素や合金組成により大きく異なるものであり、一例として、Ti−50Ni合金の逆変態開始温度は、78℃である。本実施の形態において、液晶テレビ20に用いられるスペーサ10の逆変態開始温度は、約100℃である。
スペーサ10は、液晶テレビなどの電化製品の組み立てに使用されるねじ17の締め付け力を低下させることなく、電化製品を組み立てることができ、その一方で、電化製品などを容易に解体することができる易解体手段を提供するものである。
スペーサ10は、形状記憶材料からなる線材が成形加工により螺旋状に湾曲されて、一対の腕部12および13が、ねじ17の締結方向に対して段差を持って形成されている。スペーサ10は、ねじ17の周囲においてねじ17の頭部17bとパネルカバー22との間に挟まれるものである。スペーサ10とねじ17との相互作用によりパネルカバー22が締結固定される。スペーサ10は、一方、加熱されることにより、形状記憶合金が記憶していた元の形状に復元して係止状態が解除され、一対の腕部12および13がその形状復元性でねじ17の半径方向に開いて、ねじ17の頭部17bから抜けることを特徴とするものである。
また、本発明は、一対の腕部12および13を形状記憶合金で形成することに制約するものではなく、たとえば、ポリウレタン系ポリマーで形成することもできる。また、ばね鋼線材(SUP6)、硬鋼線材(SWB,SWC)およびピアノ線材(SWPA,SWPB)などの金属材料や、ポリカーボネイト、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)およびCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの合成樹脂材料や複合材料を構成材料とするばね材料で、一対の腕部12および13を形成してもよい。
一対の腕部12および13が、Ti−Ni合金などの形状記憶合金で形成された場合は、一対の腕部12および13が加熱されることで、マルテンサイト相からオーステナイト相に相変態し、オーステナイト相で記憶されていた元の形状に復元する。一対の腕部12および13が高分子材料で形成された場合は、ガラス転移温度以上に加熱された際に、記憶されていた元の形状に復元する。一対の腕部12および13がばね材料で形成された場合は、環状に連結された一対の腕部12および13の弾性復元力で元の形状に復元する。なお、一対の腕部12および13が、Ti−Ni合金などの超弾性合金で形成された場合は、一対の腕部12および13が外力を受けることで、マルテンサイト相からオーステナイト相に相変態し、オーステナイト相で記憶されていた元の形状に復元する。
本実施の形態におけるねじを用いた締結体構造は、スペーサ10が加熱された際に、一対の腕部12および13が、ねじ17の半径方向に開いて、スペーサ10がねじ17の頭部17bから抜け出す締結体構造である。締結体構造は、開口部を有するパネルケース25と、挿通孔22aを有し、開口部に宛がわれるパネルカバー22と、挿通孔22aを挿通し、パネルケース25に螺合するねじ17とを備える。締結体構造は、ねじ17が、パネルケース25の雌ねじ部25cに螺合し、スペーサ10が、ねじ17の頭部17bとパネルカバー22との間に挟まれ、ねじ17の締め付け力によりパネルカバー22が締結固定されることを特徴とするものである。
続いて、本実施の形態におけるスペーサ10を有するねじ17およびそれを用いた締結体構造の構成および作用について詳細に説明する。図1に示されるように、液晶テレビ20のプラスチックシャーシ21を構成するパネルケース25とパネルカバー22とは、前後に相対向して配置されている。パネルケース25およびパネルカバー22は、ともに合成樹脂材料を構成材料とし、射出成形により成形されたものである。なお、本発明は、パネルケース25およびパネルカバー22を合成樹脂材料で成形することに制約されるものではなく、パネルケース25またはパネルカバー22のいずれか一方を金属で形成してもよく、またはパネルケース25およびパネルカバー22の両方を金属で形成してもよい。
パネルケース25は、開口部を有する箱形に形成されている。内部には、液晶パネル本体23を収容する収容空間24が形成されている。また、パネルケース25には、パネルカバー22側に突出する複数の取り付け部25a(図1中には、一つの取り付け部のみが示されている)が一体的に形成されている。取り付け部25aの先端側には、取り付け部25aよりも小さい直径で形成された小径部25bが設けられており、その小径部25bには、パネルカバー22の挿通孔22aが嵌合されている。取り付け部25aの突出長さは、液晶パネル本体23の幅寸法に対応する寸法に形成されている。また、取り付け部25aの先端側には、ねじ17の雄ねじ部17aに螺合する雌ねじ部25cが形成されている。
取り付け部25aの周囲には、圧縮コイルばね(圧縮ばね)27が外挿されている。この圧縮コイルばね27は、取り付け部25aの全長より長いばね長に形成されている。このため、圧縮コイルばね27の先端側は、取り付け部25aの先端より突出する状態となっている。圧縮コイルばね27の突出部分は、パネルケース25にパネルカバー22が取り付けられた際に押し縮められ、パネルケース25およびパネルカバー22の双方がばね力で付勢された状態となる。
本発明は、圧縮コイルばね27を設けることに制約されるものではない。しかし、圧縮コイルばね27を設けた場合には、スペーサ10が、ねじ17から抜けると同時に、パネルケース25とパネルカバー22とが圧縮コイルばね27の弾性力により自動的に分離する効果がある。
なお、取り付け部25aは、パネルケース25に一体形成されたものであれば、本実施の形態のように長く突出していなくてもよく、パネルケース25の厚肉の壁部に形成されたものであってもよい。
パネルカバー22は、プレート状をなし、パネルケース25の開口部に宛がわれるようになっている。パネルカバー22には、パネルケース25の取り付け部25aに対向し、ねじ17を挿通させる複数の挿通孔22aが形成されている(図1中には、一つの挿通孔22aが示されている)。挿通孔22aは、取り付け部25aの小径部25bに嵌合する寸法に形成されており、内側(裏側)の孔縁に小径部25bが嵌合し、外側(表側)の孔縁にスペーサ10が圧設される。
ここで、本明細書の説明の都合上、便宜的に前後方向の概念を以下のように定めることとする。前後方向は、図面上の左右方向に一致する方向と定めることとし、前側をパネルケース25の位置する側、後側をパネルカバー22の位置する側とする。
スペーサ10を有するねじ17は、図4に示すような工程によって製造される。具体的には、図4(A)に示されるように、線材をヘッダ加工し、図4(B)に示されるように、一端側に頭部17b’を形成し、その後、頭部17b’を段付き加工することによって、図4(C)に示されるように、首元部分に皿状座面17cおよび係止段部17dを形成し、その後、線材の他端側からスペーサ10および抜止めワッシャ15(抜止め部材)を挿入し、図4(D)に示されるように、スペーサ10を係止段部17dに位置させるとともに、抜止めワッシャ15を係止段部17dの下部に位置させ、その後、図4(E)に示されるように、線材の他端側をねじ切り加工し、雄ねじ部17aを形成することで製造される。
このようにして製造されるねじ17と抜止めワッシャ15との関係は、図4および図5に示されるように、抜止めワッシャ15の内径R4が、ねじ切り加工する前の線材の太さR0より大きく、ねじ切り加工した後の雄ねじ部17aの外径R1よりも小さくなっている(R0<R4<R1)。
スペーサ10は、図6および図7に示されるように、形状記憶材料からなる線材が螺旋状に湾曲するように成形加工されている。このため、一対の腕部12および13が、ねじ17の締結方向に対して段差を持って形成されている。
このようにして形成されるスペーサ10と抜止めワッシャ15およびねじ17との関係は、図4から図7に示されるように、形状記憶した後に成形されたスペーサ10の内径R6が、係止段部17dの外径R3より少しだけ大きく、かつ頭部17bおよび抜止めワッシャ15の外径R2およびR5より小さくなっている(R3<R6<R2<R5)。また、元の状態に復元(形状記憶)したスペーサ10の内径R7が、頭部17bの外径R2よりも大きくなっている(R2<R7)。
スペーサ10の一対の腕部12および13は、略円形断面に形成されているため、矩形断面に形成されている場合と比較して、断面性能(断面係数)が低下する。これにより、スペーサ10のばね定数が小さくなり、小さい力で一対の腕部12および13を大きく変形させることができる。このため、スペーサ10を環状に湾曲形成する際の成形性が向上し、スペーサ10の製作が容易になる。また、ねじ17の皿状座面17cとスペーサ10とが線接触するため、接触部における摩擦力が低下する。このため、スペーサ10がねじ17から外れやすくなり、液晶テレビ20の解体作業性が向上する。さらに、一対の腕部12および13は、連結されずに自由端となっているため、解体の際に復元力に抗する力が腕部12および13に作用しない。このため、スペーサ10の一対の腕部12および13が容易に開き、解体作業性が向上する効果がある。
次に、プラスチックシャーシ21(液晶テレビ20)の組み立ておよび解体について、順に説明する。パネルケース25の取り付け部25aに圧縮コイルばね27を外挿させ、パネルケース25とパネルカバー22とを対向させるとともに、液晶パネル本体23をパネルケース25の収容空間24に収める。圧縮コイルばね27を縮めながらパネルカバー22をパネルケース25の開口部に宛がい、取り付け部25aの小径部25bをパネルケース25の挿通孔22aに嵌合させる。スペーサ10を有するねじ17の雄ねじ部17aをパネルケース25の取り付け部25aに形成された雌ねじ部25cに螺合させて、所定のトルクでねじ17を締め付ける。ねじ17は、実際の組み立て工程において管理されている所定のトルクで締め付けられるようになっている。これにより得られる締め付け力は、スペーサ10を介してパネルカバー22を押圧して、プラスチックシャーシ21が組み立てられるようになっている。
なお、抜止めワッシャ15の端面が、取り付け部25bの端面(端部)に当接されるように構成しても良い。この場合、段付きねじ17が挿入方向に係止されるから、ねじ17のトルク管理をしなくても、常に首長を一定の長さとすることができる。言い換えると、スペーサ10を備えた締結体構造において、より強い締め付けトルクでねじ17を締め付けても、スペーサ10の内側に頭部17bが陥没することを防止できるとともに、スペーサ10のばね性を、締結部材の弛み防止に確実に寄与させることができる。
これにより、スペーサ10に一定以上の力が作用することが回避される。このため、スペーサ10が開くなどしてねじ17から抜け出すことが防止され、組み立て作業性や締結信頼性が向上する。また、スペーサ10を、一定の加熱条件で確実に形状復元させることができ、解体信頼性を向上することができる。
プラスチックシャーシ21を解体する場合は、電化製品のリサイクル工程において、約110℃に加熱された炉中またはオイル中に、プラスチックシャーシ21を数秒間入れる。これにより、スペーサ10が加熱されて記憶形状に復元し、ねじ17の締め付け力に抗して一対の腕部12および13が開く。このとき、一対の腕部12および13の段差によってねじ17に対して締結方向への付勢力が発生し、ねじ17の皿状座面17cの斜面に沿ってスペーサ10がねじ17から飛び出す。また、圧縮コイルばね27のばね力で、パネルケース25がパネルカバー22から自動で外れ、プラスチックシャーシ21が極めて簡単に解体される(図3を参照)。
なお、加熱温度は、液晶テレビ20のプラスチックシャーシ21を解体する場合の温度であり、電化製品によっては、110℃より低くなったり、高くなったりすることもある。通常は、電化製品の使用温度(保証温度)の20℃から30℃ほど高めの温度に加熱される。加熱温度が100℃より低い場合は、炉中またはオイル中に代えて温水中で加熱することができる。また、スペーサ10だけを外部熱源により誘導加熱し、解体することも可能である。
このように、実施の形態1によれば、プラスチックシャーシ21の組み立てを作業性良く行なうことができ、プラスチックシャーシ21を実際の組み立て工程で管理されている締め付けトルクで締結固定することができる。しかも、プラスチックシャーシ21を温水中などに数秒間漬けるだけで容易に解体することができる。さらに、ねじ17からスペーサ10を抜き取る作業をも軽減することができる。また、スペーサ10が常温状態で抜けないようにねじ17に取り付けられていることから、部品管理を容易に行なうことができるとともに、プラスチックシャーシ21の組み立て作業をより効率良く行なうことができる。
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2において、形状記憶合金からなる易解体用のスペーサが用いられた締結体構造を備える液晶テレビの一部を示す断面図である。図8には、実施の形態1において図2に示す範囲と同様の範囲が示されている。図9は、図8中に示すパネルケースの取り付け部の詳細を示し、図9(A)は、平面図であり、図9(B)は、正面図である。図10は、図8中に示す締結体構造の解体前後の状態を示す。図10(A)は、加熱されたスペーサが形状復元して開いた状態を示す断面図であり、図10(B)は、スペーサがねじの頭部から外れ、パネルカバーが圧縮コイルばねによって押された状態を示す断面図であり、図10(C)は、ねじがナットとともにパネルケースの取り付け部から外された状態を示す断面図である。なお、本実施の形態と実施の形態1との共通する構成部分については、同一符号を付して説明する。
図8から図10を参照して、本実施の形態では、パネルケース25(図1および図2を参照)の取り付け部25aにナット35が着脱自在にスライド挿入される点が、実施の形態1における締結体構造と相違している。
取り付け部25aの先端側には、ねじ17の軸方向に形成され、ねじ17が挿通される縦溝36aと、縦溝36aに直交し、ねじ17の雄ねじ部17aに螺合するナット35が挿入される横溝36bとが連通して形成されている。縦溝36aは、取り付け部25aの半径方向に切り込まれた格好で、外周側から中心に向かって形成されている。縦溝36aの溝幅は、ねじ17の雄ねじ部17aの外径より僅かに大きい寸法に形成されている。縦溝36aの溝深さは、雄ねじ部17aの長さより長く形成されている。
横溝36bは、縦溝36aの下側寄りに、ナット35の二面幅より僅かに大きい幅寸法に形成されている。横溝36bの深さは、ナット35の高さより僅かに大きい寸法に形成されている。ナット35は、取り付け部25aの中心位置に挿入され、雄ねじ部17aと螺合されるようになっている。
パネルケース25にパネルカバー22を取り付ける場合は、実施の形態1と同様にして、ねじ17を縦溝36aに挿通させ、ナット35に螺合させることにより、パネルカバー22がスペーサ10を介してねじ17の座面17cに押圧されて固定される。
パネルカバー22を外す場合は、液晶テレビ20を炉中、オイル中または温水中に入れると、図10(A)に示されるように、スペーサ10がねじ17の半径方向に開いて、ねじ17の頭部17bから抜け出す。そして、図10(B)に示されるように、パネルカバー22が圧縮コイルばね27の弾性力によりパネルケース25から外れる。図10(C)に示されるように、ナット35とともにねじ17を横にずらすことで、ねじ17がパネルケース25から外される。なお、図8において、ねじ17およびナット35の抜け出る方向は、紙面に対して垂直の方向である。
このように本実施の形態によれば、パネルカバー22がパネルケース25から外された後に、ねじ17とナット35を螺合させたまま横にずらすことで、ねじ17およびナット35をパネルケース25から容易に外すことができる。これにより、ねじ17を外す手間がかからず、解体作業性が向上する。
なお、締結体構造の実施の形態1および2では、パネルケース25とパネルカバー22とを自動で分離するために、圧縮コイルばね27が用いられている。しかし、本発明はこれに限定されず、圧縮コイルばね27を用いなくても、プラスチックシャーシ21の解体を容易に行なうことができる。
さらに、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形して実施することも可能である。たとえば、段付きねじ17をさら状のねじに変形して構成したり、スペーサ10を腕部12および13が段差を持たないように変形して構成しても良い。
また言い換えれば、本発明は、所定の方向に延びる軸部(雄ねじ部17a)と、軸部(雄ねじ部17a)の先端に設けられた頭部(頭部17b)とを有する締結部材(ねじ17)である。締結部材(ねじ17)は、軸部(雄ねじ部17a)に挿通され、形状記憶材料を含む締結部材用付属品(スペーサ10)と、軸部(雄ねじ部17a)に設けられ、締結部材用付属品(スペーサ10)が軸部(雄ねじ部17a)に挿通された状態を保持する抜止め部材(抜止めワッシャ15)とを備える。
被締結部材(パネルカバー22)を締結する場合、締結部材用付属品(スペーサ10)は、軸部(雄ねじ部17a)の周囲に沿って延在する形状を有し、頭部(頭部17b)と被締結部材(パネルカバー22)との間に位置決めされる。被締結部材(パネルカバー22)の締結を解除する場合、締結部材用付属品(スペーサ10)は、形状記憶材料が記憶する元の形状に復元され、締結部材用付属品(スペーサ10)が、軸部(雄ねじ部17a)の半径方向に拡径することによって頭部(頭部17b)と被締結部材(パネルカバー22)との間から開放される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1において、易解体用のスペーサを有するねじが用いられた締結体構造を備える液晶テレビの一部を示す断面図である。 図1中の2点鎖線IIで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。 図1中に示す締結体構造の解体状態を示す断面図である。 図1中に示すねじの製造方法を説明するための図であり、図4(A)から(E)は、その各工程を示す側面図である。 図1中に示すねじを拡大して示し、図5(A)は、側面図であり、図5(B)は、一部を断面形状として表した断面図である。 図1中に示すスペーサの成形状態を拡大して示し、図6(A)は、平面図であり、図6(B)は、側面図であり、図6(C)は、図6(A)中のC−C線上に沿った断面図である。 図1中に示すスペーサの復元した状態を示し、図7(A)は、平面図であり、図7(B)は、側面図であり、図7(C)は、図7(A)中のC−C線上に沿った断面図である。 この発明の実施の形態2において、易解体用のスペーサを有するねじが用いられた締結体構造を備える液晶テレビの一部を示す断面図である。 図8中に示すパネルケースの取り付け部の詳細を示し、図9(A)は、平面図であり、図9(B)は、正面図である。 図8中に示す締結体構造の解体前後の状態を示し、図10(A)は、加熱されたスペーサが形状復元して開いた状態を示す断面図であり、図10(B)は、スペーサがねじの頭部から外れ、パネルカバーが圧縮コイルばねによって押された状態を示す断面図であり、図10(C)は、ねじがナットとともにパネルケースの取り付け部から外された状態を示す断面図である。 特許文献1に開示された、ねじの弛み止めと弛めとの両機能を有する座金を示す断面図である。 特許文献2に開示された内容を説明するための図であり、図12(A)は、記憶形状を有するビスを示す側面図であり、図12(B)は、図12(A)中のビスの使用状態を示す断面図である。 特許文献3に開示されたスプリングワッシャを示す斜視図である。
符号の説明
10 スペーサ、12,13 腕部、15 抜止めワッシャ(抜止め部材)、17 ねじ(締結部材)、17a 雄ねじ部、17b 頭部、17d 係止段部、22 パネルカバー(被締結部材)、22a 挿通孔、25 パネルケース(本体)、25c 雌ねじ部、27 圧縮コイルばね(圧縮ばね)、35 ナット、36a 縦溝、36b 横溝。

Claims (7)

  1. 一方に雄ねじ部を、他方に頭部を有するねじであって、
    前記雄ねじ部と前記頭部との間に介在されるねじ用付属品と、
    前記ねじ用付属品が前記雄ねじ部側から抜けることを防止する抜止め部材と
    前記雄ねじ部と前記頭部との間の首元部分に位置し、前記雄ねじ部の軸方向に対して傾斜し、前記ねじ用付属品が接触する皿状座面とを備え、
    前記ねじ用付属品は、一部または全てが形状記憶材料で形成され、前記雄ねじ部の軸方向に段差を有する一対の腕部を有し、該一対の腕部が加熱されることまたは外力を受けることにより、該形状記憶材料が記憶していた元の形状に復元して、該一対の腕部が前記雄ねじ部の半径方向に開き、前記頭部から抜けることを特徴とする、ねじ。
  2. 前記頭部と前記抜止め部材との間に、前記雄ねじ部のねじ径よりも太い係止段部を形成し、該係止段部に前記ねじ用付属品を介在することを特徴とする、請求項1に記載のねじ。
  3. 一方に雄ねじ部を、他方に頭部を有するねじであって、
    前記雄ねじ部と前記頭部との間の首元部分に位置し、前記雄ねじ部のねじ径よりも太い係止段部と、
    前記係止段部と前記雄ねじ部との間に位置し、その内径が前記雄ねじ部のねじ径よりも小さく、外径が前記係止段部の外径よりも大きい抜止め部材と、
    前記係止段部に位置し、一部または全てが形状記憶材料で形成され、前記雄ねじ部の軸方向に段差を有する一対の腕部を有するねじ用付属品と
    前記雄ねじ部と前記頭部との間の首元部分に位置し、前記雄ねじ部の軸方向に対して傾斜し、前記ねじ用付属品が接触する皿状座面とを備え、
    前記ねじ用付属品は、元の状態に復元したときの内径が前記頭部の外径よりも大きくなるよう形成されるとともに、元の状態に復元する前の内径が前記頭部及び前記抜止め部材の外径よりも小さく、前記係止段部の外径よりも大きく形成されることを特徴とする、ねじ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のねじを用いた締結体構造であって、
    開口部を有する本体と、
    挿通孔を有し、該開口部に宛がわれる被締結部材とを備え、
    前記雄ねじ部が前記挿通孔を挿通して前記本体の雌ねじに螺合し、前記ねじ用付属品が前記頭部と前記被締結部材との間に挟まれ、前記ねじの締め付け力により前記被締結部材が締結固定されることを特徴とする、締結体構造。
  5. 前記本体に、前記締結部材の軸方向に形成された縦溝と、該縦溝に交差する横溝とが連通して形成され、該横溝に前記雌ねじ部に代えて前記ねじと螺合するナットが着脱自在にスライド挿入されたことを特徴とする、請求項4に記載の締結体構造。
  6. 前記被締結部材と前記本体との間に、該被締結部材と該本体とを付勢する圧縮ばねが設けられたことを特徴とする、請求項4または5に記載の締結体構造。
  7. 請求項2または3に記載のねじの製造方法であって、
    線材をヘッダ加工し、一端側に前記頭部を形成する工程と、
    前記頭部を段付き加工し、首元部分に前記係止段部を形成する工程と、
    前記線材の他端側から前記ねじ用付属品を挿入し、前記係止段部に位置させる工程と、
    前記線材の他端側から前記抜止め部材を挿入し、前記係止段部の下部に位置させる工程と、
    前記線材の他端側をねじ切り加工し、前記雄ねじ部を形成する工程とを備えることを特徴とする、ねじの製造方法。
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