JP2006090348A - 易解体用ねじ部品 - Google Patents

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Yoshio Shindo
芳男 進藤
Masanobu Tanigawa
雅信 谷川
Kazuo Sugiyama
一雄 杉山
Tadashi Tajima
唯志 田島
Kazuya Yoshida
一也 吉田
Hideo Takaara
秀男 高荒
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Abstract

【課題】サイズが異なることを外部から一見して見分けることができ、種類の間違いを防止して締結信頼性を向上することができる易解体用ねじ部品を提供する。
【解決手段】頭部12と、頭部12より小径の段付き部14と、段付き部14より小径のねじ部16とを順次軸方向に有し、段付き部14の周囲に組み込まれ、加熱されることにより元形状に復元して頭部12の外径より大きく開くスペーサ22を介して、パネルベース30にパネルカバー33を固定する易解体用ねじ部品であって、段付き部14の下端から上端までの軸長L1を、パネルカバー33の板厚S1とスペーサ22の厚みtとを加えた寸法に略対応して定め、頭部12及び/又は段付き部14に、段付き部14の軸長L1の違いを区別できるように識別マークを形成する。識別マークを、ディンプル及び/又はローレット目19とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えばエアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、電池パック、簡易充電器等の電化製品の組み立てに適用される易解体用ねじ部品に関するものである。
一般的に、資源再利用及び環境問題への配慮などからリサイクルが積極的に行われているエアコン、洗濯機、冷蔵庫等の電化製品は、多数のねじ部品を用いて組み立てられているため、ねじ部品の取り外しに時間が掛かかっているのが実際の状況である。そこで、電化製品を容易に解体することができる易解体用ねじ部品が、各方面で提案されている。図9は、この種の易解体用ねじ部品の一例を示すものである(特許文献1)。
図9(a)には、記憶処理されたねじ部品70の元形状が示され、図9(b)は、ねじ部品70の成形加工された形状が示されている。このねじ部品70は、形状記憶材料を構成材料とし、一方に頭部72を有し、他方にねじ部71bが形成された軸部71を有している。ねじ部71bの先端側は、スリット71aにより二叉に分割されている。
ねじ部品70で被締結部材73と本体74とを重ねた状態に組み立てる際は、ねじ部71bを、被締結部材73の取付孔73aに挿通させ、本体74のねじ孔74aに螺合させ、ねじ部品70の座面72aと被締結部材73との間に組み込まれたスプリング75のばね力で被締結部材73を本体74に固定する。被締結部材73と本体74とを解体する際は、ねじ部品70を加熱することにより、ねじ部品70を元形状に復元させる。そうすると、スプリング75のばね力でねじ部品70が本体74から抜け出し、被締結部材73と本体74とが自動で分離されるようになっている。
特開平7−4407号公報(第5頁、第12図)
しかしながら、スプリング75が組み込まれた前記ねじ部品70による組み立てでは、スプリング75の端部と本体74との間の隙間がスプリング75の伸縮により変わることで、板厚の異なる被締結部材73が固定されるようになっているが、被締結部材73の板厚が異なるとスプリング75のばね力が一定せず、被締結部材73を常に一定の力で固定することができないという問題があった。
被締結部材73の板厚に応じたサイズのスプリング75やねじ部品70を用いることも考えられるが、スプリング75やねじ部品70の種類を間違う心配があった。殊に、小さいスプリング75や小さいねじ部品70を用いた場合に、このような間違いが懸念されていた。間違ったスプリング75やねじ部品70を用いた場合は、締結力が強くなったり、弱くなったりしたり、解体性が損なわれる心配があった。
本発明は、上記した点に鑑み、サイズが異なることを外部から一見して見分けることができ、種類の間違いを防止して締結信頼性を向上することができる易解体用ねじ部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、頭部と、該頭部より小径の段付き部と、該段付き部より小径のねじ部とを順次軸方向に有し、本体に被締結部材を固定するねじ部品であって、前記頭部又は前記段付き部に、サイズの違いが区別されるように識別マークを形成したことを特徴とする。
上記構成によれば、頭部又は段付き部に識別マークが形成されているから、サイズ違いのねじ部品を外部から一見して区別することができ、本体に固定される被締結部材に応じて選択されるねじ部品を間違えることが防止される。なお、識別マークは、例えばディンプルや突起、又は平目や綾目などのローレット目であって、頭部の頂面や側面、段付き部の側面などの見やすい所に鍛造などにより表示される。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の易解体用ねじ部品において、前記段付き部の周囲に、本体側へ被締結部材を押圧する座部材を設け、前記段付き部の下端から上端までの軸長を、前記被締結部材の板厚と前記座部材の厚みとを加えた寸法に略対応して定め、前記軸長の違いを前記識別マークにより区別することを特徴とする。
上記構成によれば、ねじ部品の段付き部に座部材を組み込み、座部材と本体との間に被締結部材を挟んだ状態で、ねじ部品のねじ部を本体に螺合させると、ねじ部品の締結力で座部材が被締結部材の板面を押圧し、被締結部材が本体に固定される。座部材の寸法を変えずに、段付き部の軸長を変えることで、板厚の異なる被締結部材を本体に固定することが可能となる。
段付き部の軸長が異なるねじ部品には、頭部又は段付き部に識別マークが形成されているから、段付き部の軸長の違いを一見して見分けることができ、板厚寸法が異なる被締結部材を固定する場合に、段付き部の軸長が異なるねじ部品を間違えることなく用いることができ、被締結部材を常に一定の力で固定することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の易解体用ねじ部品において、前記識別マークがディンプル及び/又はローレット目であることを特徴とする。
上記構成によれば、ねじ部品の製造工程において、鍛造などにより、頭部の頂面や側面、段付き部の側面等に識別マークを容易に形成することができる。例えば、段付き部の軸長が異なる複数のねじ部品に対して、種類毎に頭部の頂面に数の異なるディンプルを形成したり、種類毎にディンプルの大きさを変えたり、頭部の側面や段付き部の側面にローレット目を形成したり、ディンプルとローレット目を組み合わせて形成したりして、様々なバリエーションで識別マークを形成することができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の易解体用ねじ部品において、前記座部材が、加熱されることにより元形状に復元して前記頭部の外径より大きく開く形状復元材料で形成された一対の腕部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、ねじ部品にこの座部材が組み込まれることによって、ねじ部品の頭部と被締結部材との間に位置する座部材が一定の力で軸方向から圧縮されることとなり、座部材が常に一定の加熱条件で記憶されていた元形状に復元する。なお、形状復元材料とは、加熱されることにより元の形状に復元する性質を有する金属材料又は合成樹脂材料をいうものとし、例えば、Ti−Ni合金、Cu−Zn−Al合金、Ti−Ni−Fe合金、ポリウレタン系ポリマーなどをいうものとする。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、サイズ違いのねじ部品を外部から一見して区別することができ、被締結部材に応じて選択されるねじ部品を間違えることを防止でき、締結信頼性を向上することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、段付き部の軸長が異なるねじ部品は、頭部又は段付き部に形成された識別マークによって区別されているから、一見して軸長の違いを見分けることができる。したがって、段付き部の軸長が異なるねじ部品を間違うことなく用いることができ、被締結部材を常に一定の力で固定することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、ねじ部品の製造工程において、識別マークを容易に形成することができる。このため、ねじ部品に余計な製造コストを掛けることなく、識別マークを比較的簡単に形成することができる。また、ディンプルとローレット目をそれぞれ単独で、又はそれらを組み合わせることにより、様々なバリエーションで識別マークを形成することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、ねじ部品に座部材が組み込まれることによって、ねじ部品の締結時に座部材が一定の力で圧縮されることとなり、座部材が常に一定の加熱条件で元形状に復元する。したがって、解体信頼性を向上することができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を説明する。図1〜3には、本発明に係る易解体用ねじ部品の一実施形態を示す。
このねじ部品10は、皿状の頭部12と、頭部12より小径の段付き部14と、段付き部14より小径のねじ部16とを順次軸方向に一体に有し、段付き部14の周囲に組み込まれた環状のスペーサ(座部材)22を介して、電化製品のパネルベース(本体)30にパネルカバー(被締結部材)33を固定する締結部品である。パネルベース30にパネルカバー33が固定されることで、図示しない電化製品のプラスチックシャーシが組み立てられるようになっている。
図1〜3に示すように、頭部12の頂面12aには、図示しないドライバーなどのねじ回しの先端を係合させる工具係合部12bと、段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Cを種類分け(区別)するための識別マークであるディンプル18が形成されている。図示される工具係合部12bは十字状に凹設され、プラスのねじ回しが係合されるようになっている。ディンプル18については後述するが、段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Cに一つ又は複数形成されている。
頂面12aには幅狭の円周面である側面12cが直交して続き、側面12cには幅狭のテーマ面12dが続いている。このテーパ面12dは、図5に示されるように、段付き部14の周囲に組み込まれるスペーサ22の内面を押圧する当接面であり、解体の際にスペーサ22が頭部12から抜け出すときの摺接面でもある。
このテーパ面12dのテーパ角度θ(図1)が小さすぎると、ねじ部品10A〜10Cを締結した際に、ねじ部品10A〜10Cの頭部12がスペーサ22の内側に沈み込んでしまい、ねじ部品10A〜10Cの軸方向の締結力が弱くなる。他方、テーパ角度θが大きすぎると、ねじ部品10A〜10Cの軸方向の締結力が強くなるものの、解体の際にスペーサ22が頭部12から抜け難くなるため、テーパ角度θは、締結力が弱くなりすぎず、解体の際に一定の加熱条件でスペーサ22が頭部12から確実に抜け出すテーパ角度θに形成されている。
頭部12の根本部分である段付き部14は、円柱状をなし、その周囲にスペーサ22が組み込まれるようになっている。段付き部14の直径は、図5などに示されるパネルベース30の上面に突設されたボス31のねじ孔31bの直径より大きく、パネルカバー33の取付孔33aの直径より小さい寸法に形成されている。このため、ねじ部品10A〜10Cが締め付けられて、段付き部14の下端面14bがパネルベース30のボス面31aに当接すると、それ以上ねじ部品10A〜10Cが締まらず、これによって、パネルカバー33が一定の締付力でパネルベース30に固定されるようになっている。
段付き部14の下端から上端までの長さである軸長L1〜L3は、パネルカバー33の板厚S1〜S3に応じて任意の長さに形成されている。この軸長L1〜L3は、共通使用されるスペーサ22の厚みtと、パネルカバー33の板厚S1〜S3と加えた寸法に応じて形成されている。すなわち、軸長L1〜L3は、パネルカバー33の板厚S1〜S3が厚い場合には長く形成され、パネルカバーの板厚S1〜S3が薄い場合は短く形成され、板厚S1〜S3の異なるパネルカバー33が常に一定の力でパネルベース30に固定されるようになっている。
段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Cは、頭部12の頂面12aに鍛造などにより形成されたディンプル18の数などによって種類分けされるようになっている。図1〜図3に示すように、軸長L1のねじ部品10Aには1つのディンプル18が形成され(図1)、軸長L2のねじ部品10Bには2つのディンプル18が形成され(図2)、軸長L3のねじ部品10Cには3つのディンプル18が形成されている(図3)。これにより、ディンプル18の数によって、段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Cが外部から一見して区別されるようになっている。
さらに、図2のねじ部品10Bには、頭部12の側面12Cに識別マークの他の形態である平目状のローレット目19が形成され、図3のねじ部品10Cには、段付き部14の側面14cに平目状のローレット目20が形成されている。このため、図1〜図3に図示されるねじ部品10A〜10Cは、ディンプル18の数と、頭部12の側面12c又は段付き部14の側面14cに形成されたローレット目19,20の有無とにより、段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Cの種類分けがより確実に行われるようになっている。
ねじ部16は、完全ねじ部16aと不完全ねじ部16bとからなり、パネルベース30の上面に突設されたボス31のねじ孔31bに螺合されるようになっている。ねじ部16の一端から他端までの軸長L1〜L3は、ねじ孔31bの深さより浅い長さに形成されていて、段付き部14の下端面14bがボス面31aに当接するようになっている。
次に、段付き部14に組み込まれるスペーサ22について説明する。図4に示されるように、円形断面のスペーサ22は、パネルカバー33の板厚S1〜S3が変わった場合でも共通使用されるものであり、形状記憶合金からなる線材が成形加工により形成された一対の腕部22a,22aを有している。一対の腕部22a,22aの先端側は自由端となっており、一定温度に加熱された際に、形状復元力によってねじ部品10A〜10Cの頭部12の外径より半径方向に大きく開くようになっている。スペーサ22の上下面は平坦に形成され、コーナ部は円弧状に形成されており、ねじ部品10A〜10Cの締結時、スペーサ22の着座が安定するようになっている。なお、一対の腕部22a,22aの先端を係止手段により連結し、加熱された際に係止が解除されて半径方向に開くようにすることも可能である。
形状記憶合金は、一般的に、個体が加熱されることで記憶された形状に復元する性質(形状記憶特性)を有する合金であり、一例としてTi−Ni合金、Cu−Zn−Al合金等を挙げることができる。ばね性を有する超弾性合金も、本実施形態の形状記憶合金に含まれるものとする。形状記憶合金に形状を記憶させるための形状記憶処理は、用途などにより異なるものであるが、大気中において、750℃の処理温度で、10分間保持することにより行われている。
形状記憶合金が、相変態により記憶されていた元形状に復元する逆変態開始温度は、合金元素、合金組成により大きく異なるものであり、Ti−50Ni合金を構成材料とするスペーサ22の逆変態開始温度は、約100℃である。したがって、スペーサ22を100℃以上に加熱することで、電化製品のプラスチックシャーシを構成するパネルベース30とパネルカバー33とが短時間で分離されるようになっている。
図5〜図7に示されるように、スペーサ22を段付き部14の周囲に組み込んで、パネルベース30にパネルカバー33を固定した状態において、スペーサ22は頭部12のテーパ面12dと、パネルカバー33の上面に当接するようになっている。図5〜図7では、長円形断面のスペーサ22が用いられている。パネルカバー33を押圧する軸方向の力は、ねじ部品10A〜10Cの締結力に比例して大きくなるものであるが、段付き部14の下端面14bがパネルベース30のボス面31aに当接することで締結力が制限され、それ以上の力で固定されないようになっている。このため、パネルカバー33が一定の押圧力で固定されるとともに、スペーサ22に過度の力が作用せず、解体の際に熱せられたスペーサ22が締結力に抗して半径方向に開き、頭部12から確実に抜け出すようになっている。
図5〜図7に示されるスペーサ22の厚みtは約1mmに形成されていて、このスペーサ22を軸長L1=1.47mm〜L3=2.47mmのねじ部品10A〜10Cに適用することで、図5〜7に示されるように、板厚S1=0.5mm〜S3=1.5mmのパネルカバー33が挟まれて固定されるようになっている。
次に、プラスチックシャーシを構成するパネルベース30とパネルカバー33の組み立てとプラスチックシャーシの解体について、順に説明する。プラスチックシャーシを組み立てる場合は、図5〜7に示されように、パネルカバー33をパネルベース30の板面に突設された複数のボス面31a(図では、一例として一つを図示する)に載せ、スペーサ22が組み込まれたねじ部品10A〜10Cのねじ部16をパネルカバー33の取付孔33aに挿通させ、ねじ部16をボス31のねじ孔31bに位置合わせした状態で、ねじ部品10A〜10Cを締結することにより、パネルカバー33がスペーサ22に押されてパネルベース30に固定され、プラスチックシャーシが組み立てられるようになっている。ねじ部品10A〜10Cは、パネルカバー33の板厚S1〜S3に応じたものが用いられるため、ねじ部品10A〜10Cの段付き部14の下端面14bが、パネルベース30のボス面31aに当接して締結力が制限され、パネルカバー33が一定の押圧力で固定されるとともに、スペーサ22に過度の力が作用せず、プラスチックシャーシの解体性が損なわれないようになっている。
プラスチックシャーシを解体する場合は、図8に示すように、電化製品のリサイクル工程において、約100℃に加熱された炉中又はオイル中に、プラスチックシャーシを数秒間漬けることで、スペーサ22が加熱されて元形状に復元し、ねじ部品10A〜10Cの締付力に抗して一対の腕部22a,2aが開き、パネルベース30からパネルカバー33が外れ、プラスチックシャーシが極めて簡単に解体されるようになっている。なお、パネルベース30とパネルカバー33との間に一つ以上の圧縮コイルばね35を配設することもでき、スペーサ22が元形状に復元した際に圧縮コイルばね35のばね力でパネルベース30とパネルカバー33を自動的で分離することも可能である。
解体時の加熱温度は、電化製品によっては異なるものであるが、通常は、電化製品の使用温度(保証温度)の20〜30℃高めの温度に加熱される。スペーサ22の材質を変更して逆変態開始温度が100℃より低くなった場合は、炉中又はオイル中に代えて温水中で加熱することもできる。また、スペーサ22だけを外部熱源により誘導加熱し解体することも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、段付き部14の下端から上端までの軸長L1〜L3が、パネルカバー30の板厚S1〜S3とスペーサ22の厚みtとを加えた寸法に略対応するように定められていて、個々のねじ部品10A〜10Cには、頭部12又は段付き部14に軸長L1〜L3が異なることを示すディンプル18やローレット目19,20が形成されているから、組立作業者が段付き部14の軸長L1〜L3の違いを外部から一見して見分けることができ、板厚S1〜S3が異なるパネルカバー33を固定する場合に、段付き部14の軸長L1〜L3が異なるねじ部品10A〜10Bを間違えることが防止され、パネルカバー33を常に一定の力で固定することができる。また、スペーサ22に過度の力が作用せず、解体の際に熱せられたスペーサ22の開きが阻止されず、パネルベース30とパネルカバー33の分離が確実に行われるようになっている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。請求項1記載の識別マークをディンプル18やローレット目19,20とすることに代えて、突起や図柄、文字や記号とすることもできる。
また、図1では頭部12の頂面12aに1つのディンプル18が形成され、図2では頭部12の頂面12aに2つのディンプル18が、頭部12の側面12cにローレット目19がそれぞれ形成され、図3では頭部12の頂面12aに3つのディンプル18が、段付き部14の側面14cにローレット目20がそれぞれ形成されているが、頭部12の頂面12aにローレット目を形成したり、頭部12の側面12c又は段付き部14の側面14cにディンプルを形成したり、ディンプルとローレット目とを組み合わせて形成したりすることも可能である。また、ローレット目を綾目にしたり、ディンプルを円形以外の他の形状にしたりすることも可能である。
また、本実施形態では、段付き部14の下端から上端までの軸長L1,L2,L3が区別されるように、ディンプル18やローレット目19,20が形成されたものであるが、ねじ部16の外径や軸長が区別されるように、ディンプル18やローレット目19,20を形成することも可能である。
また、本体と被締結部材は、本発明に係るねじ部品10A〜10Cが適用されて締結固定されるものであれば、パネルベース30とパネルカバー33に限定されるものではない。ねじ部品10A〜10Cの軸長L1〜L3は、本実施形態に限定されるものではなく、パネルカバー33の板厚S1〜S3に応じて任意に設定することができる。
また、本実施形態のスペーサ22は形状記憶合金を構成材料としているが、ポリウレタン系ポリマーなどのいわゆる形状記憶樹脂を構成材料とすることもできる。
本発明に係る易解体用ねじ部品の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 頭部側面にローレット目が形成された易解体用ねじ部品の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 段付き部側面にローレット目が形成された易解体用ねじ部品の他の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 易解体用ねじ部品に組み込まれるスペーサを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿って切断した断面図である。 図1に示される易解体用ねじ部品でパネルカバーがパネルベースに固定された状態を示す断面図である。 図2に示される易解体用ねじ部品でパネルカバーがパネルベースに固定された状態を示す断面図である。 図3に示される易解体用ねじ部品でパネルカバーがパネルベースに固定された状態を示す断面図である。 図5に示されるパネルカバーがパネルベースから分離した状態を示す断面図である。 従来の形状記憶合金からなるねじ部品の一例を示し、(a)はねじ部品の元形状を示す平面図、(b)は成形加工された形状を示す一部断面図である。
符号の説明
10A,10B,10C ねじ部品(易解体用ねじ部品)
12 頭部
14 段付き部
16 ねじ部
18 ディンプル(識別マーク)
19,20 ローレット目(識別マーク)
22 スペーサ(座部材)
30 パネルベース(本体)
33 パネルカバー(被締結部材)
L1,L2,L3 段付き部の軸長
S1,S2,S3 パネルカバーの板厚
t スペーサの厚み

Claims (4)

  1. 頭部と、該頭部より小径の段付き部と、該段付き部より小径のねじ部とを順次軸方向に有し、本体に被締結部材を固定する易解体用ねじ部品であって、
    前記頭部又は前記段付き部に、サイズの違いが区別されるように識別マークを形成したことを特徴とする易解体用ねじ部品。
  2. 前記段付き部の周囲に、本体に被締結部材を押圧する座部材を設け、前記段付き部の下端から上端までの軸長を、前記被締結部材の板厚と前記座部材の厚みとを加えた寸法に略対応して定め、前記軸長の違いを前記識別マークにより区別することを特徴とする請求項1記載の易解体用ねじ部品。
  3. 前記識別マークが、ディンプル及び/又はローレット目であることを特徴とする請求項1又は2記載の易解体用ねじ部品。
  4. 前記座部材が、加熱されることにより元形状に復元して前記頭部の外径より大きく開く形状復元材料で形成された一対の腕部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の易解体用ねじ部品。
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