JP4274553B2 - 異物等の排出機構を具えた連続式伝導伝熱乾燥機 - Google Patents
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Description
なお前記溢出口102′が本体シェル10′の高所に形成されるのは、連続式伝導伝熱乾燥機1′では、より多くの被処理物Hが伝熱面たるチューブ束116′に接触した方が伝熱面を有効に使用できるため、ホールドアップ(滞留高)を高くした方が乾燥を効率的に行えるからである。
まず被処理物Hである汚泥等にボルト等の異物が混入していた場合、このものは高所に形成された溢出口102′に至ることなく底部に留まってしまい、本体シェル10′や多管式加熱管11′の損傷を招いてしまう恐れがあった。
また不良品が発生した場合や、装置の停止にともなって被処理物Hを全量排出したいような場合であっても、堰板108′を乗り越えさせなければ排出することができず、全量を排出するのに長時間を要してしまっていた。
この発明によれば、シェル本体内に混入した異物や不良製品を、製品とは別ルートで排出することができる。またシェル本体内の被処理物全量を迅速に排出することができる。
また通常運転時には緊急排出口を完全に封鎖することができる。
更にまた異物等の排出装置を製品排出用の排出装置として兼用することができるため、イニシャルコストを低減することができる。
この発明によれば、異物等を製品から確実に分離することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
前記直接加圧型ヒートポンプ式処理装置Sは、連続式伝導伝熱乾燥機1と、投入装置2と、バグフィルタ3と、加圧装置5とを構成要素として成るものであり、以下これらの構成要素について詳しく説明する。
まず前記連続式伝導伝熱乾燥機1について説明すると、このものは図2、3に示すように、機枠F上に具えられた本体シェル10内に多管式加熱管11が具えられ、この多管式加熱管11を、その内部に加熱媒体たる蒸気(以下、加熱蒸気と称する)を流すとともに回転させ、被処理物Hを多管式加熱管11に接触させて乾燥を行う乾燥機である。
また前記本体シェル10及び多管式加熱管11は、水平または投入口101側が溢出口102側よりもいくぶんか高くなるように傾斜して機枠Fに設置される。
更にまた前記本体シェル10は二重ジャケット構造とし、蒸気供給口105からドレン口106に至る蒸気の通過経路が形成され、本体シェル10内を昇温することができるような構成が採られているが、このような二重ジャケット構造に替えてトレース配管を設置することもできる。
更にこれら溢出口102及び堰板108の外側にはシュート12が具えられ、このシュート12に形成される製品排出口121にロータリーバルブ122が具えられる。なお前記ロータリーバルブ122の代わりに二重ダンパ式排出装置を具えるようにしてもよい。
更に前記スクリューコンベヤ13には、搬送端付近に形成される製品排出口132よりも上流側に異物排出口133が形成され、これら製品排出口132及び異物排出口133にそれぞれバルブ134、135が具えられる。
そして前記軸体113の両端にはロータリージョイント115が取り付けられ、チューブ束116と接続される。また軸体113と本体シェル10との間には、外気との遮断のためのシール機構が設けられている。
またチューブ束116の側周部には、複数のリフタ117及び適宜の角度を持たせた送り羽根118が取り付けられたアングル111が多数(この実施例では12本)具えられるものであり、これらによって被処理物Hは掻き上げられて前記チューブ束116の各チューブに接触するとともに投入口101側から溢出口102側に進むこととなる。
なお前記ホッパ20は真空脱気可能な構造とされ、連続式伝導伝熱乾燥機1における本体シェル10内への空気の混入防止が図られる。
なお圧縮機51としては、ルーツブロワや他の構造のものが採用され、この圧縮機は、仕様に応じて二段以上の複数段で具えることも可能である。すなわち直接加圧型ヒートポンプ式処理装置Sにあっては、装置の大きさは加熱蒸気S1の温度と被処理物Hの温度差にほぼ反比例するので、圧縮機を複数段に具えた場合には装置全体をより小規模に構成することができ、一方、圧縮機を単独で具えた場合にはイニシャルコストの低減を図ることができるものである。
(1)乾燥機の準備
まず被処理物Hの投入に先立って、連続式伝導伝熱乾燥機1における多管式加熱管11及び本体シェル10を昇温しておくものであり、モータMを起動して多管式加熱管11を回転させた状態で、ロータリージョイント115、キャリヤガス口103及び蒸気供給口105に補助蒸気(一例として0.5MPa(約160℃))を供給する。そしてロータリージョイント115に供給された補助蒸気はチューブ束116を通過しながら多管式加熱管11を昇温し、やがてドレンDとなって他端側のロータリージョイント115から外部に排出される。また蒸気供給口105に供給された補助蒸気は本体シェル10を昇温し、やがてドレンDとなってドレン口106から外部に排出される。
次いで投入装置2におけるホッパ20に供給された被処理物H(一例として有機系汚泥)を脱気処理しておく。
次いで投入装置2から投入口101に被処理物Hを投入するものであり、このものは送り羽根118の作用によって投入口101側から溢出口102側に移動し、更にリフタ117によって掻き上げられてチューブ束116等と接触し、この際、熱を受けて乾燥が進行するものである。このとき投入口101は多管式加熱管11の長手方向に沿って複数個所に形成されているため、凝縮器たる多管式加熱管11の熱伝導面を有効に使用することができ、乾燥効率が高められる。
そして図4(a)に示すように、被処理物Hは乾燥品となった状態で堰板108を乗り越えて溢出口102から排出され、シュート12及びスクリューコンベヤ13を経由して次工程に移送される。
なおこのとき、スライドダンパ131及びバルブ135は閉鎖され、ロータリーバルブ122及び異物排出口133は通過状態とされている。
このような一連の乾燥処理にともなって有機系汚泥から生じた蒸気S0は、排気口104から本体シェル10の外部に排気されるものであり、排気口104は本体シェル10内において最も蒸気S0の多い投入口101付近に形成されているため、被処理物Hが乾燥する際に生じる微粉の含有量が少ない蒸気S0を排気することができる。
更に排気口104から排出される蒸気S0に含まれる少量の微粉は、バグフィルタ3において蒸気S0と分離されるため加圧装置5に対して蒸気S0のみを供給することができる。なおバグフィルタ3の目詰まりが進行したときには適宜シェーキング機構を作動させて微粉の除去を行うようにするものであり、逆洗用空気を用いないで微粉を払い落とすことができるため、バグフィルタ3の圧力損失の増大を回避することができる。
そして主管路50内を通って圧縮機51に到達した蒸気S0(温度60〜100℃、圧力20〜101kPa−abs)は、圧縮・昇温されて(温度80〜120℃、圧力47〜199kPa−abs)加熱蒸気S1となってロータリージョイント115に供給される。
このとき加熱蒸気S1の加熱度が高すぎる場合には、バルブV1を適宜開放して冷却水管路53から主管路50に冷却水を供給し、圧縮機51から排出された加熱蒸気S1の加熱度を制御して、熱伝導係数の小さなガス状(過熱蒸気)での熱交換を防ぎ、飽和蒸気による熱伝導係数の大きい凝縮熱伝導を行わせることができる。
なおロータリージョイント115に供給される補助蒸気は、被処理物Hの水分濃度、投入量、加熱蒸気S1の量や温度に応じて適宜追加投入されるものである。
また本発明の連続式伝導伝熱乾燥機1にあっては、被処理物H中に大きな石や金属片が混入する等して本体シェル10内に異物が混入した場合、この異物を迅速に排出することができるものである。具体的には図4(a)に示した状態から、ロータリーバルブ122及びバルブ134を非通過状態とし、図4(b)に示すようにスライドダンパ131及びバルブ135を通過状態とするものであり、異物は緊急排出口107から流出し、スクリューコンベヤ13における異物排出口133から排出されるため、製品とは別の個所に排出することができる。
なお前記緊急排出口107はスライドダンパ131を介在させて排出装置たるスクリューコンベヤ13に接続されているため、通常運転時には緊急排出口107を完全に封鎖した状態とすることができる。
また異物等の排出装置として、製品排出用のスクリューコンベヤ13を兼用しているため、イニシャルコストを低減することができる。
更にまた本発明の連続式伝導伝熱乾燥機1にあっては、未乾燥品等の不良品が発生した場合や、装置の緊急停止の際、あるいは異なる被処理物Hを連続して処理する際などに、本体シェル10内の被処理物Hを迅速に全量排出することができるものである。具体的には図4(a)に示した状態から、図4(c)に示すようにスライドダンパ131を開放すると、被処理物Hは溢出口102と緊急排出口107との双方から流出し、やがて全体の嵩が減少して溢出口102からの排出が停止する。そしてその後も緊急排出口107からの流出は持続するものであり、やがて全量の被処理物Hが排出されることとなる。
なお不良製品を排出する場合には、バルブ134を閉鎖し、バルブ135を開放することにより、不良製品を製品とは別の個所に排出することができる。
1 連続式伝導伝熱乾燥機
10 本体シェル
101 投入口
102 溢出口
103 キャリヤガス口
104 排気口
105 蒸気供給口
106 ドレン口
107 緊急排出口
108 堰板
11 多管式加熱管
111 アングル
112 鏡板
113 軸体
114 軸受ブロック
115 ロータリージョイント
116 チューブ束
117 リフタ
118 送り羽根
12 シュート
121 製品排出口
122 ロータリーバルブ
13 スクリューコンベヤ
131 スライドダンパ
132 製品排出口
133 異物排出口
134 バルブ
135 バルブ
2 投入装置
20 ホッパ
3 バグフィルタ
30 フィルタエレメント
5 加圧装置
50 主管路
51 圧縮機
53 冷却水管路
D ドレン
F 機枠
H 被処理物
M モータ
S0 蒸気
S1 加熱蒸気
V1 バルブ
Claims (2)
- 機枠上に具えられた本体シェル内に多管式加熱管が具えられ、この多管式加熱管を、その内部に加熱蒸気を流すとともに回転させ、前記本体シェル内に投入された被処理物を、多管式加熱管に接触させてその水分を蒸発させながら滞留させ、前記本体シェルの高所に形成された溢出口から順次排出して乾燥品を得る装置において、前記本体シェルの底部には緊急排出口が形成されており、この緊急排出口は、スライドダンパまたはバタフライ弁を介在させて排出装置に接続されており、更に緊急排出口と溢出口とは、本体シェルの同一横断面上に形成されるとともに、前記溢出口を被覆するように具えられたシュートに形成された製品排出口は、前記排出装置に接続されていることを特徴とする異物等の排出機構を具えた連続式伝導伝熱乾燥機。
- 前記排出装置には、異物排出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載の異物等の排出機構を具えた連続式伝導伝熱乾燥機。
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