JP4274428B2 - 小径円柱材の回転走行処理装置および熱処理方法 - Google Patents

小径円柱材の回転走行処理装置および熱処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、太さが10mm前後で長さが1mを超えるような小径円柱材を被処理材として、それを回転走行させながら熱処理や熱間矯正あるいは研磨処理などの処理を施すための装置および方法に関する。
上記処理の典型例としては、鋼製円柱材の焼入れや、セラミックス製円柱材の研磨処理が、挙げられる。
スキューローラは、円柱状のワーク(円柱材、被処理材)を軸心回転させながら軸線方向に走行させるために、ローラの回転軸線をワークの走行軸線に対して傾き角θ(「スキュー角θ」とする)を付けて配置したローラである。そして、2体のスキューローラを配した受けローラと1体のスキューローラを配した押えローラとを構成要素とするピンチローラの形で用いるのが、ワークの高速回転を伴うケースでの従来の通例である(例えば特許文献1参照)。上記ピンチローラでは、通常は、押えローラに回転駆動機構が接続されて、押えローラが駆動ローラとなり、ワークの回転周長と走行距離との比率が概ねcosθ:sinθとなり、ワークに加わる回転力と推進力との比率は概ねsinθ:cosθとなっている。
スキューローラをピンチローラの形で用いて金属製の小径円柱材を回転走行させ、その途上で熱処理(焼入れ等)を施す技術が、特許文献1(特開平09−071819号公報)に開示されている。
スキューローラとワーク(小径円柱材)の接触は、原理的にはローラやワークの寸法・形状とは無関係な点接触(実際には両者のコンプライアンスに応じた斑点接触であり、これはスキュー角θが小となるに従って軸線方向に長径化する)であるため、本来、動作に不安定性が伴っており、上記熱処理等においてワークに走行むらによる軸線方向の処理むら(硬度むら等)や、回転むらによる曲り歪等を生じさせないための注力を要していた。即ち、製品品質確保のために低生産性を余儀なくされるなど、近年の品質・コスト両立ニーズにそぐわないものとなっていた。
そこで、上記事態の改善策として提案されたのが、特許文献2(特開2000−26920号公報)に開示されている、受けローラ即ち受けスキューローラの複数配備である。この構成によって、受けスキューローラとワークの接触点が3点以上となったことで、ワークの走行の左右方向通り芯が改善されて走行安定性が多少改善されたが、前記スキューローラとワークの点接触(斑点接触)の問題は未だ残されているためか、十分満足な良品歩留を得るには至らなかった。
小径円柱材を回転走行させながらそれに熱処理を施すに際しては、上記回転走行の問題に加えて、走行軸線方向(即ち上記軸線方向)に係る入熱配分が重要な技術要素となる。特許文献3(特開平11−209865号公報)には、金属円柱材の回転走行加熱を、2ステージに分けて配した誘導子と1基の高周波電源とによる誘導加熱で行い、この際、上記入熱分布を所望通りに得る技術が開示されている。この技術は、小径円柱材の熱処理にも利用されるが、上記文献開示の入熱配分は、2ステージに分けた誘導子として、巻数比やインピーダンスを予め適正化したものを用いて行うものであり、小径円柱材の熱処理に際して、昇温時間や温度保持時間を最適化するための入熱配分の随時調整は行えない。
これらの従来技術のうち本発明の説明に役立つ部分を、図面を引用しながら、かい摘んで説明する。図8は、従来の回転走行処理装置10について、(a)が要部構造を示す平面配置図、(b)が小径円柱材8の軸線方向温度分布の例、(c)が小径円柱材8の外周面を示す側面図である。また、図9は、(a)〜(c)いずれもピンチローラユニット20の要部構造を示す平面図であり、(a)が押えローラ23及び小径円柱材8を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材8を加えた状態、(c)が更に押えローラ23も加えた状態である。
この回転走行処理装置10は(図8(a)参照)、図では左から右に走行する小径円柱材8の回転走行経路上すなわち小径円柱材走行軸線上に以下の入側ピンチローラユニット20,20(図では左方)と処理手段30+13(図では中央頃)と出側ピンチローラユニット20,20(図では右方)とを配設したものである。すなわち、処理手段30+13は、小径円柱材8に加熱処理と急冷処理を施すものであり、入側ピンチローラユニット20,20及び出側ピンチローラユニット20,20は、図示しない回転駆動機構を接続されて、小径円柱材8を回転走行経路上で回転させながら走行させる小径円柱材回転走行手段を構成するものである。
ピンチローラユニット20は(図8(a),図9参照)、入側・出側いずれも、小径円柱材8を支持してスキュー回転させる受けローラ部材21+22と、これに載置された小径円柱材8に押接される押えローラ23とを備えたものであり、図示しない回転駆動機構は、押えローラ23に接続されてそれを軸心中心で回転させるようになっている。さらに、受けローラ部材21+22は、受けローラ群22Aを構成する5個のスキューローラ22を小径円柱材走行軸線の両脇に交互に振分けてベース21上に配置したものであり、押えローラ23は、受けローラ部材21+22の有効区間長(即ち受けローラ群22Aの配置区間長)と同等の胴長さを有するものである。受けローラ群22Aの各スキューローラ22と押えローラ23のローラ回転軸線は何れも小径円柱材8の走行軸線に対してスキュー角θを付けて配向されている。スキュー角θは、2゜程度であり、各スキューローラ22と押えローラ23とでは平面図上では互いに逆向きになっているが、小径円柱材8の軸線から見れば同じ方向に傾いている。
小径円柱材回転走行手段には、その他に、回転走行経路の両端に1ユニットずつ配置された端部ローラユニット11と、回転走行経路の中頃に4ユニット配置された中間ローラユニット12も、含まれている。端部ローラユニット11には、小径円柱材8を支持する受けスキューローラ(受けローラ)が少なくても1対設けられているが、押えローラは設けられていない。中間ローラユニット12には、小径円柱材8を支持する1対の受けローラと、これに載置された小径円柱材8に押接される押えローラとが設けられているが、ピンチローラユニット20とは異なり中間ローラユニット12の押えローラには回転駆動機構が接続されていない。
処理手段30+13は、加熱処理を担う誘導加熱装置30と、急冷処理を担う水冷ジャケット13とからなる。そのうち誘導加熱装置30は、5個の誘導子31〜35と高周波電力出力部36と図示しない通電制御用コントローラとを具えており、コントローラに設定された通電条件に従って高周波電力出力部36から誘導子31〜35に高周波交流を通電するものである。誘導子31〜35は、何れも水冷可能な銅チューブ製のコイル等からなり、回転走行経路上に中間ローラユニット12と交互に配設されている。
そのうち入側の昇温ステージには誘導子31が配され、後続の温度保持ステージには残りの4個の誘導子32〜35が配されている。そして、温度保持ステージの誘導子32〜35は直列接続され、それらと誘導子31とが並列接続されて纏められ、これが高周波電力出力部36に接続されている。最後尾の誘導子35と出側ピンチローラユニット20との間は冷却ステージとなっており、水冷ジャケット13(冷却作用部)が配置されている。
特開平09−071819号公報 特開2000−26920号公報 特開平11−209865号公報
このように2ステージに分けた誘導子群に対する高周波通電を1基の高周波電力出力部で行う場合、入熱配分の調整は、コイル巻数比やインピーダンスを予め適正化したおくことが必要であり、随時調整は行えない。また、小径円柱材8の回転走行に変動があると、その影響が小径円柱材8の加熱状態にも及ぶ。例えば、小径円柱材8の走行速度が変化すると誘導子31〜35の通過時間が変化して加熱時間も変化するので入熱量が変化して長手方向の焼きむらが生じる。また、小径円柱材8が横振れすると誘導子31〜35との間のクリアランスが周方向で不均等になって周方向の入熱量が不均等になり、曲り歪の原因となる。そのため、理想の保持温度を例えば1160℃としたとき(図8(b)の二点鎖線を参照)、それより5℃以上は高くならないよう昇温させるとともに、その1160℃より低くならないよう温度保持することが、難しかった(図8(b)の二点鎖線を参照)。
また、小径円柱材8を回転走行させながら誘導加熱装置30で加熱した後に水冷ジャケット13で急冷することで焼入れ等の連続施工が行えるが、そうして処理した小径円柱材8の外周面を観察すると、いわゆるバーバスマーク8aが生じることがある(図8(c)参照)。これは、螺旋状の縞模様であり、そのピッチが小径円柱材8の回転走行を回転させながら走行させるスキュー走行についてのピッチとほぼ一致するので、急冷処理の痕跡と思われるが、その発現は、硬度むらが許容限度内に収まっていても、商品価値上好ましいものとは云えない。
因に、小径円柱材8の走行を担うピンチローラユニット20において、駆動ローラである押えローラ23が小径円柱材8の軸線方向に対してスキュー角θを付けられていることから、押えローラ23と小径円柱材8との回転伝動を担う両者の接触が点接触ないし斑点接触なので、走行に伴って小径円柱材8が僅かでも暴れたりすると接触状態ひいては回転伝動状態が変動するため、走行速度を上げると回転むらや進行むらを十分に押さえ込むことが難しかった。従来は、走行速度を抑えることで、回転走行を安定させて、硬度むらや曲り歪などを生じさせないようにしていたため、走行速度は10mm/s以下、回転速度は2000rpm以下に設定されていた。
而して、本発明が解決しようとする技術課題は、金属製等の小径円柱材に対する、回転走行させながらの熱処理等が、十分満足な走行安定性を以て行える回転走行処理装置を提供することである。
また、小径円柱材に対する誘導加熱後の冷却処理が、バーバスマークを抑制して行える回転走行処理装置を提供することである。
さらに、小径円柱材に対する誘導加熱方式の熱処理が、入熱配分を随時調整して行える回転走行処理装置を提供することである。
また、上記熱処理が曲り歪を低く抑えて行える熱処理方法を提供することである。
本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項1)は、このような課題を解決すべく創案されたものであり、小径円柱材を処理対象として、その軸線を中心に前記小径円柱材を回転させながら、前記小径円柱材をその軸線方向に走行させるとともに、その走行途上で前記小径円柱材に処理を施すために、前記小径円柱材の回転走行経路上に以下の入側ピンチローラユニットと処理手段と出側ピンチローラユニットとをこの順に配設したものである。すなわち、前記処理手段は、前記小径円柱材に処理を施すものであり、前記入側ピンチローラユニット及び前記出側ピンチローラユニットは、回転駆動機構を接続されて、前記小径円柱材を前記回転走行経路上で回転させながら走行させる小径円柱材回転走行手段を構成するものである。
ここで、前記ピンチローラユニットは、入側・出側いずれも、前記小径円柱材を支持してスキュー回転させる受けローラ部材と、これに載置された前記小径円柱材に押接される押えローラとを備えたものであり、前記回転駆動機構は、前記押えローラに接続されている。さらに、前記受けローラ部材は、複数体のスキューローラ(受けスキューローラ群)を小径円柱材走行軸線(すなわち前記回転走行経路)の両脇に千鳥状に振分けて密集配置したものであり、前記押えローラは、前記受けローラ部材の有効区間長(即ち上記スキューローラ群の配置区間長さ)と同等の胴長さを有するものであり且つ前記走行軸線(すなわち前記回転走行経路)に軸線を沿わせて(即ちスキュー角を付けずに)設置されている。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項2)は、上記の当初請求項1に記載された小径円柱材の回転走行処理装置であって更に、前記処理手段が、前記小径円柱材に熱処理を施すための誘導加熱用誘導子と冷却装置である、ことを特徴とする。
ここで云う、冷却装置としては、水噴射による急冷装置や、風冷による緩冷装置を例示できる。
さらに、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項3)は、上記の当初請求項2に記載された小径円柱材の回転走行処理装置であって更に、前記冷却装置は急冷装置であって、少なくともこの急冷装置が前記小径円柱材回転走行手段に対して前記走行軸線方向に相対振動可能となっている、ことを特徴とする。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項4)は、上記の当初請求項1に記載された小径円柱材の回転走行処理装置であって更に、前記処理手段が、前記小径円柱材に熱処理を施すための誘導加熱用誘導子と急冷装置とを具えたものであり、その誘導子は、前記走行軸線方向(すなわち前記回転走行経路の方向すなわち前記軸線方向)に複数ステージに分けて配設されており、各ステージの誘導子には、通電条件を各ステージ毎に独立に設定し通電制御することのできる複数の高周波電力出力部が接続されている、ことを特徴とする。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置および熱処理方法(当初請求項5)は、上記の当初請求項4に記載された小径円柱材の回転走行処理装置であって更に、前記複数の高周波電力出力部は、直流電力供給部と通電条件制御部とを共有して構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明の小径円柱材の熱処理方法(当初請求項6)は、上記の当初請求項2〜5の何れかに記載された小径円柱材の回転走行処理装置を用いる熱処理方法であって更に、その回転走行処理装置に前記小径円柱材として金属製小径円柱材を供給して前記小径円柱材に熱処理を施すに際して、前記回転走行処理装置において前記小径円柱材を回転させながら走行させるスキュー走行に関してそのピッチを前記小径円柱材の直径の100分の1から10分の1までの何れかに設定しておく、ことを特徴とする。
また、本発明の小径円柱材の熱処理方法(当初請求項7)は、上記の当初請求項6に記載された小径円柱材の熱処理方法であって更に、前記スキュー走行における前記小径円柱材の回転速度を1000〜10000rpmとすることを特徴とする。
このような本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項1)にあっては、押えローラとワーク(小径円柱材)との接触を受けローラ部材のスキューローラ群(受けローラ群)配置領域と同等長さに亘る線接触としたことで、先ずはワーク(小径円柱材)の回転駆動が従来の点接触ないし斑点接触とは比べものにならない安定したものとなる。一方、ワーク(小径円柱材)の推進駆動の方は、従来装置と同様、ワーク(小径円柱材)による受けローラ部材のスキューローラ群(受けローラ群)の回転駆動の反作用として、受けローラ部材のスキューローラ群(受けローラ群)からワーク(小径円柱材)に対して適用されるが、ワーク(小径円柱材)の回転が、上記のようにスキュー角を付けていない押えローラによる回転駆動によって、安定化される結果、ワーク(小径円柱材)の回転の反作用動作である推進駆動の方も安定したものとなって、安定した回転走行が実現されるのである。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項2)にあっては、小径円柱材を安定に回転走行させながら軸線方向へ順に加熱および冷却が行われるので、焼入れや焼戻し等の熱処理が安定して適切になされる。
さらに、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項3)にあっては、小径円柱材を安定に回転走行させながら軸線方向へ順に加熱および急冷が行われるが、その急冷に際して、小径円柱材の急冷部位が軸線方向に振動する。そのため、小径円柱材の外周面における急冷部位の軌跡が、軸線方向へジグザグに広がって、ぼやけ、明確な螺旋状のものではなくなる。急冷部位の軌跡が十分に広がれば他の軌跡たとえば前後の回転時の軌跡と重なるようにもなる。
これにより、不所望なバーバスマークの発現が抑制される。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項4)にあっては、小径円柱材を安定に回転走行させながら軸線方向へ順に加熱および急冷が行われるが、その加熱は複数ステージに分けて行われるうえ、各ステージでの加熱状態が誘導子ごとの独立通電制御によって夫々自在に随時調整しうることから、入熱配分の随時調整が行えるので、昇温時間や温度保持時間を最適化することができる。
また、本発明の小径円柱材の回転走行処理装置(当初請求項5)にあっては、直流電力供給部と通電条件制御部とが複数の高周波電力出力部で共有されるようにしたことにより、上記各ステージにおける入熱調整が、直流電力部や通電条件制御部複数配備することなく低コストで行える。
また、本発明の小径円柱材の熱処理方法(当初請求項6)にあっては、安定した回転走行の下で小径円柱材が軸線方向へ順に加熱され更に冷却され、その小径円柱材が金属製なので焼入れ等の熱処理が連続して能率良く行われるが、その際、スキュー走行のピッチを小径円柱材の直径の(1/100)〜(1/10)に設定することにより、推進力が更に安定化されて、例えば、20mm/s送り速度で±0.1%以下の速度変動で送ることができ、また、バーバースマークのピッチがワーク径(小径円柱材の直径)10mm当り0.1〜1mmまで低減されてバーバースマーク内で螺旋条相互間の均熱が奏功してバーバースマークが薄らぐという効果が得られる。
また、本発明の小径円柱材の熱処理方法(当初請求項7)にあっては、スキュー走行における小径円柱材の回転速度を1000〜10000rpmという超高速に設定することにより、曲り歪の要因となるワーク周方向不均等な塑性変形(塑性変形の緩速性に由来して緩速に進行)が発現の遑(いとま)を得ないまま抑制される結果、曲り歪を0.2mm/1000mm以下といった低位に収めることができる。
本発明の小径円柱材の回転走行処理装置の一実施形態について、その構成を、図面を引用して説明する。図1(a)は、回転走行処理装置50の要部構造を示す平面配置図であり、図2は、回転走行処理装置50の要部構造を示す一部透視の斜視図であり、図3は、(a)〜(c)いずれも回転走行処理装置50の要部構造を示す斜視図であり、(a)が押えローラ63及び小径円柱材8を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材8を加えた状態、(c)が更に押えローラ63も加えた状態である。
さらに、図4は、(a)〜(c)いずれもピンチローラユニット60の要部構造を示す平面図であり、(a)が押えローラ63及び小径円柱材8を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材8を加えた状態、(c)が更に押えローラ63も加えた状態である。また、図5は、急冷装置70の要部構造を示し、(a)が縦断正面図、(b)が側面図である。図6は、誘導加熱装置80の構造を示し、(a)が全体の記号図、(b)が直流電力供給部86と高周波電力出力部81,82のインバータINVに関する回路図である。
なお、それらの図示に際し従来例の回転走行処理装置10のものと同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
この回転走行処理装置50が既述の回転走行処理装置10(図8参照)と相違するのは、小径円柱材回転走行手段においてピンチローラユニット20が入側も出側もピンチローラユニット60になった点と(図1(a),図2,図3,図4参照)、水冷ジャケット13に振動手段が付加されて急冷装置70になった点と(図1(a),図2,図3,図5参照)、誘導加熱装置30が複数の高周波電力出力部81〜85を持つ誘導加熱装置80になった点である(図1(a),図6参照)。
ピンチローラユニット60は(図1(a),図2,図3,図4参照)、入側・出側いずれも、小径円柱材8を支持してスキュー回転させる受けローラ部材61+62と、これに載置された小径円柱材8に押接される押えローラ63と、これに接続された図示しない回転駆動機構とを具えていて、小径円柱材8を回転走行させるようになっている点で、ピンチローラユニット20と同様であるが、受けローラ部材61+62において受けローラ群62Aを構成している受けスキューローラ62(以下、スキューローラ62という)の個数と、押えローラ63の長さと、押えローラ63にスキュー角θが付けられていない点とが、ピンチローラユニット20(図8参照)のそれと異なっている。
すなわち、受けローラ部材61+62は、受けローラ群62Aを構成する18個のスキューローラ62を小径円柱材走行軸線の両脇に千鳥状に振分けてベース21上に密集配置したものであり、押えローラ63は、受けローラ群62Aの配置区間長と同等の胴長さを有した長いものとなっている。また、スキューローラ62のローラ回転軸線は、小径円柱材8の走行軸線に対してスキュー角θが付けられた方位に配向されているが、押えローラ63のローラ回転軸線は、スキュー角θを付けずに配向されており、小径円柱材8の走行軸線と平行になっている。これにより、押えローラ63は小径円柱材8と線接触するものとなる。
このようなピンチローラユニット60では、押えローラ63による小径円柱材8の回転駆動が、小径円柱材8との間に軸線方向の常時スリップを生じながら行われる点が懸念されたが、この常時スリップによって小径円柱材8にブレーキ力が作用して受けスキューローラ62による小径円柱材8の推進が妨げられたり不安定になったりするという支障は何ら生じなかった。その理由としては2つほど考えられる。
先ず、ブレーキ現象について考察する。上記常時スリップによって小径円柱材8には押えローラ63との間のすべり摩擦力fkによるブレーキ力fb(=fk)が軸線方向に作用し、この状況下で押えローラ63の回転が小径円柱材8との間の転がり摩擦力frに媒介されて小径円柱材8に伝えられ、小径円柱材8は周方向駆動力fcで駆動されて回転する。そして、小径円柱材8の回転は、受けローラ群62A(スキューローラ62,…,62)との間の転がり摩擦力frに媒介されて受けローラ群62Aに伝えられ、受けローラ群62Aが周方向駆動力fcで駆動されて回転する。更には、受けローラ群62Aが回転駆動されると、その反作用として、小径円柱材8に推進駆動力flが作用し、小径円柱材8は軸線方向に推進駆動されて前進する(この前進により常時スリップが生じる)。なお、上記諸動作は実際には同時進行している。
ここで、上記諸力間の釣合を整理すると、上下ローラによる挟圧力をFとし、すべり摩擦係数をμkとして、
すべり摩擦力fk=μk×F ・・・(1)
転がり摩擦力は、fr=fr≡frと見なし(何故なら挟圧力Fが共通)、転がり摩擦係数をμrとして、
転がり摩擦力fr=μr×F ・・・(2)
μk<μrであるとしても大差はないものとしてμk=μr≡μとすると、
fk=fr ∴fb=fr ・・・(3)
起動力が要らない定常回転下では、周方向駆動力はfc=fc≡fcと見なせる。また、周方向駆動力fcへの挟圧力Fの影響は、転がり摩擦力frへの影響と比べて十分に小さいと見なして周方向駆動力fcを定数とすると下式のように表される。なお、Fは周方向スリップの生じない最小挟圧力であり、ΔFは挟圧力余裕である。
fr−fc=μ×F−μ×F=μ×ΔF ・・・(4)
これに上記(3)式を代入して、
fb−fc=μ×F−μ×F=μ×ΔF ・・・(5)
スキュー角がθのとき、
fl/fc=cosθ/sinθ=1/tanθ ・・・(6)
(5),(6)式から、
fl−fb=(fc/tanθ)−fc−μ×ΔF ・・・(7)
よって、 ΔF<(fc/μ)×(1−tanθ)/tanθ であれば、(7)式の両辺が正、即ちfl>fbとなって、小径円柱材8は前進する。
F(fb=fl)≡Fとして、即ちfbがflに等しくなるときの挟圧力FをFとして、上記の関係を図示すると、図7のようになる。
上述のように、fl>fc、即ち(6)式にてtanθ<1(即ちθ<45゜)でさえあれば、押えローラ63と受けローラ群62A(スキューローラ62,…,62)とによる挟圧力Fの選定により、周方向スリップや推進駆動のブレーキ停止の生じない走行が可能であることが判る。なお、この推論は一次近似的なものではあるが、副次的な要因を考慮した補正を加えることで上記推論が根本的に崩れるという理由は見当らない。
以上が、押えローラ63と小径円柱材8との接触が点から線になっても小径円柱材8の回転走行が安定に行われる第1の理由である。
次に、常時スリップのすべり摩擦力fk(軸線方向摩擦力)は定常的に生じているから、受けスキューローラ62による小径円柱材8の推進駆動力flよりも安定している。このような安定した力が推進駆動力flに対してブレーキ力として作用することで、前進動作に対する推進力変動の影響が希釈されて、推進駆動はむしろ安定化される。即ち、上記効果が、押えローラ63に係る前記線接触駆動による回転駆動等の小径円柱材8の安定化効果に上乗せされることが、回転走行が安定に行われる第2の理由である。
急冷装置70は(図1(a),図2,図3,図5参照)、従来は固定されていた水冷ジャケット13が軸線方向へ少なくとも数mm程度は往復移動可能な状態で支持されるとともに、振動手段が付加されていて、それを作動させれば水冷ジャケット13が小径円柱材回転走行手段に対して走行軸線方向に相対振動するようになっている。
水冷ジャケット13は、端部の連結された内筒と外筒とからなる2重管を主体とするものであり、内筒に穿孔形成された多数の噴出口から水等の冷媒を遊挿状態の小径円柱材8に吹き付けるようになっている。
水冷ジャケット13の外筒には数個の転動輪71が取り付けられ、それらが平板72上を転動することで、水冷ジャケット13が軸線方向へ移動しうるようになっている。
振動手段は、例えばリニアバイブレータからなり小径円柱材回転走行手段における固定部材であるベース51に対して固設された振動ユニット74と、振動ユニット74の振動部と水冷ジャケット13の外筒とを連結する振動伝達用のロッド73とを具えており、これによって水冷ジャケット13が例えば振動数50Hz〜1000Hzで振幅0.5mm〜5mmで振動しうるようになっている。水冷ジャケット13を振動させる処置により、バーバースマークは生じなくなるが、上記振動処置は製品ニーズに応じて省略されてよい。
誘導加熱装置80は(図1(a),図6参照)、誘導加熱装置30と同様に昇温ステージの誘導子31と温度保持ステージの誘導子32〜35とを具えているが、誘導加熱装置30(図8参照)と異なり、誘導子31は高周波電力出力部81の出力に接続され、誘導子32は高周波電力出力部82の出力に接続され、誘導子33は高周波電力出力部83の出力に接続され、誘導子34は高周波電力出力部84の出力に接続され、誘導子35は高周波電力出力部85の出力に接続されている。
高周波電力出力部81は、直流電力DCから高周波電力OUT1を生成するインバータINVと、その高周波電力OUT1を誘導子31に送出する給電ラインに介挿されたトランスTRとを具えたものであり、高周波電力出力部82〜85も、それぞれ、同様のインバータINVとトランスTRとを具えている。違いは、高周波電力出力部81が昇温用なので例えば30kWの大出力なのに対し、高周波電力出力部82〜85は温度保持用なので例えば10kWの小出力になっていることである。
誘導加熱装置80には(図6(a)参照)、更に、高周波電力出力部81〜85によって共有される直流電力供給部86とコントローラ87も設けられている。直流電力供給部86は、例えば、全波整流回路等からなり、商用電力AC200Vから280Vの直流電力DCを生成し、それを高周波電力出力部81〜85全てに共通の給電線経由で供給するようになっている。コントローラ87は、プログラマブルなコンピュータやシーケンサ等からなり、誘導子31〜35の通電制御の内容すなわち通電条件を定めるために高周波電力出力部81〜85のスイッチング条件を設定するパラメータが幾つか設けられており、その値がメニュー画面等で確認しながら何時でも変更しうるようになっている。
上記パラメータとして、先ず、誘導子31〜35に通電される高周波交流の周波数fを指定する周波数パラメータがある。この周波数パラメータは、高周波電力出力部81〜85に共通としても良いし、高周波電力出力部81には比較的低周波数の通電を行い、高周波電力出力部82〜85には比較的高周波数の通電を行うといった個別設定としてもよい。誘導子31〜35毎に独立に設定し通電制御しうるよう高周波電力出力部81〜85それぞれに対応して個別のパラメータが設けられており、そのような個別パラメータとしては、高周波電力出力部81〜85それぞれの出力電力を例えばkW単位で指定する出力電力パラメータがある。この実施形態では、出力電力の調整がPDM方式(Pulse Density Modulation=パルス密度調整)で行われるようになっており、出力電力パラメータはプログラムの自動処理にて時間割合(パルス実行率)パラメータに変換されるようになっている。
時間割合パラメータも高周波電力出力部81〜85毎に設けられており、各時間割合パラメータには、出力電力パラメータで指定された出力電力を、最大出力すなわちインバータINVが休まず出力し続けたときの出力電力で、割った値がセットされるようになっている。
これらのパラメータに基づいて、コントローラ87は、高周波電力出力部81〜85のインバータINVのスイッチング制御を行うことにより、誘導子31〜35を独立に通電制御するものとなっている。
すなわち(図6(b)参照)、高周波電力OUT1を出力する高周波電力出力部81のインバータINVは、例えば、トランジスタGA1〜GA4のブリッジ回路からなり、直流電力DCの高電位端子DC+から低電位端子DC−に至る通電を、トランジスタGA1→高周波電力OUT1→トランジスタGA2という経路で行う通電モード(高周波電力OUT1には右向きに電流が流れる)と、トランジスタGA3→高周波電力OUT1→トランジスタGA4という経路で行う通電モード(高周波電力OUT1には左向きに電流が流れる)とを、共通パラメータ指定の周波数fで交互に行うが、そのスイッチング動作を該当する時間割合パラメータ指定の時間割合だけ行うようになっている。
高周波電力OUT2を出力する高周波電力出力部82のインバータINVや、他のインバータINVについても、同様である。
この実施形態の回転走行処理装置50について、それを使用した熱処理方法及び動作を、図面を引用して説明する。図1(b)は、小径円柱材8の軸線方向温度分布の例であり、図1(c)は、小径円柱材8の外周面を示す側面図である。
小径円柱材8が高速度工具鋼などの金属からなり、それを焼入れするときには例えば1160℃に加熱して一定時間温度保持してから水冷することが求められるような場合、温度保持時間が材質に応じて決まっており、それが誘導子31から水冷ジャケット13までの距離Lと小径円柱材8の走行速度Vとの積になることと、その速度Vが従来より例えば5割増しの1.5倍に設定されることから、回転走行処理装置50では距離Lが回転走行処理装置10のそれに比べて1.5倍にされる。
一方、コントローラ87に対する最初のパラメータ設定では、誘導子31にて小径円柱材8の外周面を目標温度より少しだけ高い1165℃に昇温させられるであろうと推定される電力値が、高周波電力出力部81の出力電力パラメータに設定される。また、高周波電力出力部82〜85の出力電力パラメータには、それぞれ、該当ステージにおいては誘導子32〜35にて小径円柱材8の温度を目標温度の1160℃に維持できるであろうと推定される電力値が設定される。ここで、昇温ステージでの1165℃と後続の温度保持ステージでの1160℃との差5℃は、昇温ステージにおいて小径円柱材8の外周面から内部への大きい熱流に見合った急速入熱を進めるためのものである。
入側および出側のピンチローラユニット60を含む小径円柱材回転走行手段と、誘導子31〜35を含む誘導加熱装置80と、水冷ジャケット13を含む急冷装置70を作動させて、入側の端部ローラユニット11(図1(a),図2,図3では左端)から小径円柱材8を供給すると、その小径円柱材8は、入側ピンチローラユニット60に先端を挟まれて軸線方向に回転走行する。具体的には、小径円柱材8がスキューローラ62にて下から支承されるとともに押えローラ63にて上から押接され、その状態で、押えローラ63によって軸線を中心に回転させられるとともに、スキューローラ62によって軸線方向に走行させられる。
走行する小径円柱材8は、順に、誘導子31,中間ローラユニット12,誘導子32,中間ローラユニット12,誘導子33,中間ローラユニット12,誘導子34,中間ローラユニット12,誘導子35,水冷ジャケット13を貫いて、出側のピンチローラユニット60にも突入し、これによっても回転走行させられ、出側の端部ローラユニット11(図1(a),図2,図3では右端)から出て行く。そして、その走行速度Vを測定して、それと設計速度とに差があるときは、ピンチローラユニット60に接続された図示しない回転駆動機構の調整等を行って走行速度Vを設計速度に一致させておく。
それから、誘導子31の出口で温度測定を行ってその温度が1165℃になるよう高周波電力出力部81の出力電力パラメータを微調整し、次に誘導子33の入口で温度測定を行ってその温度が1160℃になるよう高周波電力出力部82の出力電力パラメータを微調整し、誘導子34の入口で温度測定を行ってその温度が1160℃になるよう高周波電力出力部83の出力電力パラメータを微調整し、誘導子35の入口で温度測定を行ってその温度が1160℃になるよう高周波電力出力部84の出力電力パラメータを微調整し、水冷ジャケット13の入口で温度測定を行ってその温度が1160℃になるよう高周波電力出力部85の出力電力パラメータを微調整する。
こうして、走行速度Vも各ステージの温度も簡単に設定および調整されて設計値通りになる。そして、調整後は、小径円柱材8が回転走行処理装置50へ次々に供給され、それら小径円柱材8は、一定の速度Vで回転走行するとともに、その途上で誘導子31〜35による加熱処理が施され更に水冷ジャケット13による急冷処理が施され、これによって昇温ステージでは一旦1165℃に昇温させられ、その後の温度保持ステージでは僅かな変動は別として1160℃の直上に保持され、冷却ステージで急速に常温近くまで降温させられる(図1(b)参照)。
また、そのような小径円柱材8の回転走行は、入側も出側も、線接触の押えローラ63を具えたピンチローラユニット60にて駆動されるので、走行速度Vが例えば20〜40mm/s程度と従来より速くなっていても軸線方向変動および横振れの両観点で従来より安定性が増している。しかも、回転速度についてそれを1000rpm〜10000rpmにしても、スキュー走行のピッチについてそれを小径円柱材8の直径の1/100〜1/10に設定しても、小径円柱材8の走行状態は安定している。
さらに、急冷装置70では水冷ジャケット13が軸線方向に振動しているので、その中を通って回転走行する小径円柱材8の外周面にあっては、水冷ジャケット13から水等を吹き付けられて冷却される部位の軌跡が、回転走行に伴う螺旋状のものに、軸線方向の振動に伴う周波数の高い揺れを、重ねたものとなり、ぼやけるため、バーバスマーク8aがハッキリしなくなる(図1(c)参照)。
[その他]
なお、上記の実施形態や背景技術で挙げた数値は一例であり、それれは本発明の実施に際し応用目的に応じて適宜変更されうるものである。
また、上記実施形態では、水冷ジャケット13を軸線方向へ移動可能に支持する手段として転動輪71を挙げたが、他の手段でも良く、例えば、ゴムやバネを用いた可撓性の支持部材による4点支持といった形態で台座上に支持するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では誘導子31〜35を5系統の出力部で夫々独立に駆動する形態を示したが、例えば、誘導子31を第1の出力部で駆動し誘導子32〜35を直列接続した誘導子群を第2の出力部で駆動するといった2系列独立駆動形態としてもよい。
本発明の一実施形態について、(a)が回転走行処理装置の要部構造を示す平面配置図、(b)が小径円柱材の軸線方向温度分布の例、(c)が小径円柱材の外周面を示す側面図である。 回転走行処理装置の要部構造を示す一部透視の斜視図である。 (a)〜(c)いずれも回転走行処理装置の要部構造を示す斜視図であり、(a)が押えローラ及び小径円柱材を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材を加えた状態、(c)が更に押えローラも加えた状態である。 (a)〜(c)いずれもピンチローラユニットの要部構造を示す平面図であり、(a)が押えローラ及び小径円柱材を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材を加えた状態、(c)が更に押えローラも加えた状態である。 急冷装置の要部構造を示し、(a)が縦断正面図、(b)が側面図である。 誘導加熱装置の構造を示し、(a)が全体の記号図、(b)が直流電力供給部と高周波電力出力部のインバータとの回路図である。 ピンチローラユニット60における挟圧力Fと他の力fとの関係を示すグラフである。 従来の回転走行処理装置について、(a)が要部構造を示す平面配置図、(b)が小径円柱材の軸線方向温度分布の例、(c)が小径円柱材の外周面を示す側面図である。 (a)〜(c)いずれもピンチローラユニットの要部構造を示す平面図であり、(a)が押えローラ及び小径円柱材を省いた状態、(b)がそれに小径円柱材を加えた状態、(c)が更に押えローラも加えた状態である。
符号の説明
8…小径円柱材、8a…バーバスマーク、
10…回転走行処理装置、
11…端部ローラユニット、12…中間ローラユニット、
13…水冷ジャケット(冷却作用部)、20…ピンチローラユニット、
21…ベース、22…スキューローラ(受けローラ)、
23…押えローラ(回転駆動機構付きスキューローラ)、
30…誘導加熱装置(処理手段)、31〜35…誘導子、36…高周波電力出力部、
50…回転走行処理装置、
60…ピンチローラユニット、
61…ベース(受けローラ部材)、62…スキューローラ(受けローラ部材)、
63…押えローラ(回転駆動機構付き非スキューローラ)、
70…急冷装置(処理手段)、
71…転動輪、72…平板、73…ロッド、74…振動ユニット、
80…誘導加熱装置(処理手段)、81〜85…高周波電力出力部、
86…直流電力供給部、87…コントローラ(通電条件制御部)

Claims (7)

  1. 小径円柱材をその軸線を中心に回転させながら軸線方向に走行させ、その途上で前記小径円柱材に処理を施す小径円柱材の回転走行処理装置であって、前記小径円柱材を支持してスキュー回転させるための、複数体のスキューローラを小径円柱材走行軸線の両脇に千鳥状に振分けて密集配置した受けローラ部材と、これに載置された前記小径円柱材に押接される、前記受けローラ部材の有効区間長と同等の胴長さを有し且つ前記走行軸線に軸線を沿わせて配設された押えローラとを備えるピンチローラユニットを前記走行軸線上の少なくとも入側と出側に設置し、更に前記押えローラに回転駆動機構を接続して小径円柱材回転走行手段を構成するとともに、前記小径円柱材の回転走行経路上に前記小径円柱材に処理を施すための処理手段を配設した、ことを特徴とする小径円柱材の回転走行処理装置。
  2. 前記処理手段は、前記小径円柱材に熱処理を施すための誘導加熱用誘導子と冷却装置とである、ことを特徴とする請求項1に記載された小径円柱材の回転走行処理装置。
  3. 前記冷却装置は急冷装置であって、少なくともこの急冷装置が前記小径円柱材回転走行手段に対して前記走行軸線方向に相対振動可能となっている、ことを特徴とする請求項2に記載された小径円柱材の回転走行処理装置。
  4. 前記処理手段は、前記小径円柱材に熱処理を施すための誘導加熱用誘導子と急冷装置とであって、その誘導子は、前記走行軸線方向に複数ステージに分けて配設されており、各ステージの誘導子には、通電条件を各ステージ毎に独立に設定し通電制御することのできる複数の高周波電力出力部が接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載された小径円柱材の回転走行処理装置。
  5. 前記複数の高周波電力出力部は、直流電力供給部と通電条件制御部とを共有して構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載された小径円柱材の回転走行処理装置。
  6. 金属製の小径円柱材を請求項2乃至請求項5の何れかに記載された小径円柱材の回転走行処理装置に供し、前記回転させながら走行させるスキュー走行のピッチを前記小径円柱材の直径の(1/100)〜(1/10)に設定して前記小径円柱材に熱処理を施す、ことを特徴とする小径円柱材の熱処理方法。
  7. 前記スキュー走行における前記小径円柱材の回転速度を1000〜10000rpmとすることを特徴とする請求項6に記載された小径円柱材の熱処理方法。
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