JP2000026920A - 小径金属円柱材熱処理装置 - Google Patents

小径金属円柱材熱処理装置

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JP2000026920A
JP2000026920A JP10207074A JP20707498A JP2000026920A JP 2000026920 A JP2000026920 A JP 2000026920A JP 10207074 A JP10207074 A JP 10207074A JP 20707498 A JP20707498 A JP 20707498A JP 2000026920 A JP2000026920 A JP 2000026920A
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Japan
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heat treatment
skew
roller
zone
small
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JP10207074A
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English (en)
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Yukimitsu Hanamoto
本 幸 満 花
Shigeki Kishihara
原 重 樹 岸
Takayuki Ishii
井 孝 幸 石
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 細長い高速度鋼丸棒などを回転させなが
ら走行させて焼入れなどの熱処理を行なうための、熱処
理済製品に曲がりの生じにくい回転走行型熱処理装置を
提供すること。 【解決手段】 熱処理ゾーンHTZの入出側のスキューロ
ーラセットP1,P2、P8,P9の構造あるいは配置スパンを
好適化して、曲りの原因になる走行時のワークWの振れ
回りを極小化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中実あるいは中空
の細長い金属円柱材を、座屈や曲りを生じることなく高
能率で熱処理するための回転走行型の熱処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ドリルのビットや精密機械用のシャフト
には、優れた耐摩耗性を付与するために焼入れなどの熱
処理が施されるが、高速度鋼などの特殊鋼が多用される
ことから、たとえば、1200℃に及ぶ高温に加熱し、この
温度に10秒程度保持してから急冷するといった難度の高
い熱処理が行われることが多い。上記熱処理は、通常、
外径がmmオーダー,長さがmオーダーの細長い丸鋼素材
(以下「ワーク」と略称する)の段階で行われるので、
前記高温加熱による軟化と相俟って座屈,曲り等の不都
合な変形が極めて生じ易い。従来は、上記熱処理がバッ
チ方式で行われ、上記変形を避けるために能率の低い作
業を余儀なくされてコスト高となっていた。
【0003】本出願人は、上記状況を改善すべく、特開
平9−71819号公報に記載の発明(以下「前発明」
という)に基づく回転走行方式の熱処理を提案した。前
発明の熱処理装置は、ワークをその軸線を中心に回転さ
せながら長手方向に走行させるための複数基のピンチス
キューローラセットと該ローラセットの間に適宜配した
熱処理手段とを有するものである。ここでスキューロー
ラとは、鋼管などを定位置で回転させる装置であるター
ニングローラの、ローラの回転軸をワークの軸線から傾
けた方位に配向させた構成により、ワークに上記回転走
行を行わせる機構であり、図4,図5に示すように1対
(2体)の受けスキューローラPBに載せたワークを1
体の押えスキューローラPAで挟みつけるようにしたも
のが通常のピンチスキューローラセットである。
【0004】上記前発明熱処理装置により、細長いワー
クの熱処理が、走行方式で、しかも、座屈や曲りを生じ
ないで行えるようになり、歩留りを含めた生産性が大巾
に向上した。そこで、生産性を更に向上させるべく増速
を試みたところ熱処理済製品に曲りが生じる不具合が多
発した。これは、上記増速に際して前記温度保持時間確
保のために熱処理ゾーンを長くしたためにワークにおけ
る加熱軟化領域の長さが増して、軟化領域長さ対ワーク
外径比が大になったことに起因するものと考えられる。
ついては、従来レベルを超えた極細のワークについても
同様の曲りが懸念される。即ち、前記前発明のレベルを
超えた曲り防止技術が要請される事情にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、回転走行方式による小径金
属円柱材の熱処理を僅少な曲り発生に留めて行うことの
できる熱処理装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく提
供された本発明の第一発明の要旨は、小径の金属円柱材
をその軸線を中心に回転させながら長手方向に走行させ
るための複数基のピンチスキューローラセットと、該ロ
ーラセットの間の遊走区間に配した熱処理手段とを有す
る回転走行型の熱処理装置において、熱処理手段を配し
た熱処理ゾーンに入る前の入側ゾーン及び熱処理ゾーン
を出た後の出側ゾーンに配したピンチスキューローラセ
ットを、少なくとも熱処理ゾーンの直前の1基及び直後
の1基について、1体の押えスキューローラに対して3
〜6体の受けスキューローラを対向させる構造としたこ
とを特徴とする小径金属円柱材熱処理装置である。又、
同様の目的でなされた第二発明の要旨は、小径の金属円
柱材をその軸線を中心に回転させながら長手方向に走行
させるための複数基のピンチスキューローラセットと、
該ローラセットの間の遊走区間に配した熱処理手段とを
有する回転走行型の熱処理装置において、熱処理手段を
配した熱処理ゾーンに入る前の入側ゾーン及び熱処理ゾ
ーンを出た後の出側ゾーンに配したピンチキューローラ
セットの配置スパンを、少なくとも熱処理ゾーンの直前
の2基及び直後の2基について、走行させる小径金属円
柱材の外径の10〜100倍に設定したことを特徴とする小
径金属円柱材熱処理装置である。
【0007】図1に、本発明装置の構成例を示す。図1
においてP1〜P9はいずれもピンチスキューローラセット
であって、P1,P2はワークWを熱処理ゾーンHTZに送り
込む為の入側ローラセット、P3〜P7は熱処理ゾーンHTZ
内でワークWを案内するためのガイドローラセット、
P8,P9はワークを熱処理ゾーンHTZから引き取るための
出側ローラセットである。各ローラセットのうちP1
P2,P8,P9又はP2,P8は、ワークWを走向させるための
駆動機構を備えている。T1は未処理ワークWを搬入する
ための、又、T2は熱処理済ワークWを払い出すためのテ
ーブルローラである。CはワークWを誘導加熱するため
の誘導コイルであって、ガスバーナ等の他の加熱手段に
よって代替することもできる。Jはスキュローラセット
P7の先に設けた冷却ジャケットである。図1においてH
Zは加熱ゾーン、CZは冷却ゾーンである。
【0008】上記第一発明の構成により、ワークWの通
り芯(走行経路の真直度)が熱処理ゾーンHTZの入出側
において確保されて、ワークWが変形しやすい熱処理ゾ
ーン内でのワークの振れ回り振巾が小さくなり、熱処理
済製品の曲りが減少するものである。即ち、図4,図5
に示したような1体の押さえローラPAに1対(2体)
の受けローラPBを対向させた通常のピンチスキューロ
ーラセットの構造では、ローラセット1基単位ではワー
クが1点を通るように拘束することはできても、ワーク
の方位が装置軸線方向から振れないようにする拘束機能
を有していない(梁モデルにおける自由端支持に相
当)。これに対して第一発明の装置に用いたピンチスキ
ューローラセットは、図2に示すように、1体の押さえ
ローラPAに3体以上の受けローラPBを対向させた構
造としたことにより、ローラセット1基単位でもワーク
の方位が装置軸線方向から振れないようにする拘束機能
を持つこととなったものである(梁モデルにおける固定
端支持に相当)。上記拘束機能は受けスキューローラの
数を3体としただけで生じるが、数を増やすほど拘束力
が増し、更には、入側ゾーンの搬入ローラセットから出
側ゾーンの搬出ローラセットへのワークの受け渡し動作
が、より薄型の受けローラをより密に配した構造とする
ほど、より円滑化される。受けスキューローラ数が6体
程度迄は上記効果が有意に増大するので、1体の押えロ
ーラに3〜6体の受けローラを対向させた構造が推奨さ
れる。なお、複数の受けローラの内の一部のローラが押
さえローラからはみ出す位置関係となっても、上記効果
は生じる。
【0009】次に、本発明の第二発明の構成によっても
熱処理ゾーンHTZの入出側でワークの通り芯が確保され
て第一発明と同様の曲り減少効果がもたらされる。即
ち、図1にSで示した入出側ローラセットの配置スパン
(P1,P2間あるいはP8,P9間の芯−芯距離)は、本件の
ような飛石搬送に係る通常の設計方針に則れば搬送され
る小径金属円柱材の長さの1倍より小さく、更に好まし
くは、2基のローラセットで常時支持されるよう0.5倍
より小さければよいことになるが、第二発明の装置で
は、上記スパンSを円柱材の外径を基準とした上限値以
下に設定することにより、熱処理済製品の曲りを大巾に
低減できたものである。上記改善は、入出側ゾーンにお
けるワークの弾性変形的な振れ回りの振巾の大小がスパ
ンSの大小に高次に影響され、この効果が熱処理ゾーン
内の塑性変形的な振れ回りの振巾の大小にも波及したこ
とによるものと推定される。しかして、上記スパンSを
円柱材の外径の100倍以下とすることにより、製品の曲
りを通常許容されるレベルに抑えることができる。スパ
ンSが小さいほど製品の曲りは小さくなるが、外径の10
倍程度でこの効果は飽和する。よって、取合上の限界も
考慮して外径の10倍以上に設定するものである。
【0010】上例では、入出側に夫々2基ずつのローラ
セットを配した例を示したが、ローラセットの基数が多
いほど製品の曲りをより確実に低減できるので、上記基
数は、ワークの外径あるいは品質要求に応じて適宜選定
してよい。また、第一発明の構成と第二発明の構成は併
用されてよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明装置に用いるピンチスキュ
ーローラセットP1〜P9のローラ寸法などの諸元は、前記
第一発明の構成に係る点を除けば、常法に従い、ワーク
Wの外径等を考慮して適宜設定されてよいが、熱処理の
ための加熱手段として誘導加熱を利用する場合には、ロ
ーラ等が誘導加熱されないよう、又、ワークWからの漏
洩電流が生じないよう、ローラ等の材質を選定し、ある
いは、ローラ等にセラミックス溶射などの絶縁被覆を施
すことが望ましい。
【0012】熱処理ゾーンHTZ内に配するローラセットP
3〜P7については、誘導コイルなどの加熱手段との取合
の点でローラセットP3〜P7の配置スパンを随意には小さ
くとりにくいが、前記熱処理ゾーン内でのワークWの振
れ回り振巾には、熱処理ゾーン内のローラセットP3〜P7
の配置スパンも影響するので、可能な限り配置基数を多
くして、ローラセット間のスパンを小さくすることが望
ましい。
【0013】熱処理済製品の曲りには、上述のように、
入出側ゾーンにおけるワークの挙動が影響する他、熱処
理ゾーン内におけるワークの次のような挙動も影響す
る。その1は、ワークの熱膨張に伴う外径の増大によっ
てローラセットとワークの間のクリアランスが適正値を
下回り、ワークに対してローラセットによるブレーキ作
用が働くことである。その2は、同じくワークの熱膨張
に伴う外径の増大によってワークの走行径路が上下方向
に変位することである。又、その3はワークの加熱軟化
に伴う自重湾曲傾向によってワークの走行径路が上下方
向に湾曲することである。
【0014】上記のその1に起因する曲りについては、
ワークの熱膨張に合わせて押さえローラと受けローラの
間隔を補正することで対策でき、その2,その3に起因
する曲りについては、ワークの熱膨張や湾曲傾向に合わ
せてローラセットによるワークの上下方向の支持位置を
補正することで対策できる。しかして、上記補正は、各
ローラセットの押さえローラ位置(高さ)と受けローラ
によるワーク支持位置(接触点の高さ乃至は巾)を調整
して行うことができる。更に云えば、ワークの温度が各
ローラセット位置で異なることから、必要な補正しろが
ローラセット毎に異なるので、これらの位置調整を各ロ
ーラセット毎に独立に行うことにより、前記クリアラン
スや走行径路の通り芯の狂いを補正することができて製
品の曲りを更に低減できることになる。よって、本発明
装置は、熱処理ゾーン内のローラセット群について、上
記ローラセット毎の調整を容易に行えるようにしておく
ことが望ましい。なお、上述の本発明固有の装置構成以
外の事項は、前記前発明に準じて適宜設定されてよい。
【0015】(実施例)図1に示した装置の諸元を、表
1記載のように種々変更した各種構成の装置によって、
高速度鋼小径丸棒の焼入れ実験を行い、本発明装置の優
位性を検証した。 <実験条件> ・丸棒の材質:JIS SKH 51 ・丸棒の寸法:直径6mm×長さ2000mm ・入出側ゾーンのローラセット間スパン(図1における
S):60〜840mm(丸棒外径の10〜140倍) ・入出側ゾーンのローラセットの構造:1体の押えロー
ラに2体又は5体の受けローラを対向配置 ・走行速度:20mm/s ・加熱温度:1200℃
【0016】<実験結果> 表1に併記
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果に見られるように本発明構成の
装置により焼入れを行った製品では、曲りの発生が通常
の許容レベルに納まっており、本発明装置の優位性が確
認された。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上記のように、高速度鋼など
の、外径がmmオーダーの細長い円柱材を、複数基のピン
チスキューローラセットにより回転させながら走行させ
て熱処理する熱処理装置において、入出側ゾーンに配す
るローラセットの構造を改良し、あるいは配置スパンを
好適化し、更には、熱処理ゾーン内に配するローラセッ
トの調整形態を好適化する構成により、高い生産速度の
下で熱処理製品に生じる曲りを通常許容レベルに抑える
ことを可能にしたものである。
【0020】高速度鋼などの小径丸棒の熱処理材の代表
的な用途としてドリルのビットが挙げられるが、本発明
により、これを量産材並みの低価格で提供できるように
なったことから、部品加工工場には、ビットの寿命増に
よって工具コストの低減及び交換頻度の低減による操業
コスト低減がもたらされる。この例のように本発明の産
業界への貢献は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明熱処理装置の構成例を示す斜視図。
【図2】本発明熱処理装置における押えスキューローラ
と受けスキューローラの関係を例示した平面図。
【図3】図2の押えスキューローラと受けスキューロー
ラの間に支持されるワークの状態を示す斜視図。
【図4】1体の押えローラと1対(2体)の受けローラ
により成る通常のピンチスキューローラセットの構造例
を示す平面図。
【図5】図4のピンチスキューローラセットの斜視図。
【符号の説明】
P1〜P9 ピンチスキューローラセット T1 未処理ワークを搬入するテーブルローラ T2 熱処理済みワークを払出すテーブルローラ S 配置スパン PA 押さえスキューローラ PB 受けスキューローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石 井 孝 幸 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目17番8号 第一高周波工業株式会社内 Fターム(参考) 4K038 AA03 AA04 BA01 CA01 FA02 4K042 AA06 AA14 BA10 BA13 DA01 DB01 DF01 DF02 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小径の金属円柱材をその軸線を中心に回
    転させながら長手方向に走行させるための複数基のピン
    チスキューローラセットと、該ローラセットの間の遊走
    区間に配した熱処理手段とを有する回転走行型の熱処理
    装置において、熱処理手段を配した熱処理ゾーンに入る
    前の入側ゾーン及び熱処理ゾーンを出た後の出側ゾーン
    に配したピンチスキューローラセットを、少なくとも熱
    処理ゾーンの直前の1基及び直後の1基について、1体
    の押えスキューローラに対して3〜6体の受けスキュー
    ローラを対向させる構造としたことを特徴とする小径金
    属円柱材熱処理装置。
  2. 【請求項2】 小径の金属円柱材をその軸線を中心に回
    転させながら長手方向に走行させるための複数基のピン
    チスキューローラセットと、該ローラセットの間の遊走
    区間に配した熱処理手段とを有する回転走行型の熱処理
    装置において、熱処理手段を配した熱処理ゾーンに入る
    前の入側ゾーン及び熱処理ゾーンを出た後の出側ゾーン
    に配したピンチスキューローラセットの配置スパンを、
    少なくとも熱処理ゾーンの直前の2基及び直後の2基に
    ついて、走行させる小径金属円柱材の外径の10〜100倍
    に設定したことを特徴とする小径金属円柱材熱処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記熱処理ゾーンに配したピンチスキュ
    ーローラセット群について、各ローラセット毎の押えス
    キューローラの位置と受けスキューローラによる小径金
    属円柱材支持位置とを、走行方向と直行する面内でそれ
    ぞれ独立に調整して、走行させる小径金属円柱材の熱膨
    張に伴う外径の増大あるいは加熱軟化に伴う円柱材の自
    重湾曲傾向に応じて接触部のクリアランス及び円柱材の
    通り芯を補正できるようにした請求項1又は2に記載の
    小径金属円柱材熱処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114231720A (zh) * 2021-11-04 2022-03-25 徐州锐尔五金工具制造有限公司 一种五金工具的热处理设备
CN115125384A (zh) * 2022-05-31 2022-09-30 山西北方机械制造有限责任公司 一种高精度变截面管类零件热处理自校正方法

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