JPH0754048A - 自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置 - Google Patents
自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置Info
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- JPH0754048A JPH0754048A JP19616893A JP19616893A JPH0754048A JP H0754048 A JPH0754048 A JP H0754048A JP 19616893 A JP19616893 A JP 19616893A JP 19616893 A JP19616893 A JP 19616893A JP H0754048 A JPH0754048 A JP H0754048A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インパクトバー等の自動車ドア補強部材とし
て使用される高強度焼入れ鋼管を高生産性で製造する。 【構成】 高周波焼入れされる鋼管10,11の搬送経
路に沿って、高周波誘導加熱コイル30,筒状冷却管4
0及び切断・面取り装置60を上流側から順次配列して
いる。筒状冷却管30は、通過する鋼管11の周面に向
けて冷却水を噴出する複数の噴射孔が内側に設けられて
いる。筒状冷却管40の下流側に、矯正装置50を設け
ても良い。 【効果】 長尺鋼管から連続的に焼入れされた短尺鋼管
15が得られるため、生産性が大幅に向上する。また、
短尺鋼管15の品質も安定化する。
て使用される高強度焼入れ鋼管を高生産性で製造する。 【構成】 高周波焼入れされる鋼管10,11の搬送経
路に沿って、高周波誘導加熱コイル30,筒状冷却管4
0及び切断・面取り装置60を上流側から順次配列して
いる。筒状冷却管30は、通過する鋼管11の周面に向
けて冷却水を噴出する複数の噴射孔が内側に設けられて
いる。筒状冷却管40の下流側に、矯正装置50を設け
ても良い。 【効果】 長尺鋼管から連続的に焼入れされた短尺鋼管
15が得られるため、生産性が大幅に向上する。また、
短尺鋼管15の品質も安定化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ドアの補強部
材として使用される高強度焼入れ鋼管を連続的に製造す
る装置に関する。
材として使用される高強度焼入れ鋼管を連続的に製造す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、なかでも乗用車の安全対策をよ
り確実にする要求が強くなってきている。その一環とし
て、側面から衝突された際の衝撃を吸収する補強部品と
して、インパクトバーをサイドドアに装着することが薦
められている。インパクトバーとしては、980N/m
m2 級程度の高張力冷延鋼板をプレス成形したものが従
来から使用されている。しかし、一方では燃費の向上を
図るため、軽量化の要求も強い。従来の高張力冷延鋼板
をプレス成形したインパクトバーは、大きな重量とな
り、軽量化が要求される部品としては問題がある。安全
対策の強化及び軽量化の双方を満足するものとして、1
270N/mm2以上、好ましくは1470N/mm2
以上の引張り強さをもつ高強度鋼管が有望な材料として
注目されている。この関連において、特願平2−163
132号では、高周波焼入れした自動車ドア補強部材用
焼入れ鋼管が提案されている。また、特開平1−205
032号公報では、高強度電縫鋼管に使用する熱延板に
対する熱処理を開示している。
り確実にする要求が強くなってきている。その一環とし
て、側面から衝突された際の衝撃を吸収する補強部品と
して、インパクトバーをサイドドアに装着することが薦
められている。インパクトバーとしては、980N/m
m2 級程度の高張力冷延鋼板をプレス成形したものが従
来から使用されている。しかし、一方では燃費の向上を
図るため、軽量化の要求も強い。従来の高張力冷延鋼板
をプレス成形したインパクトバーは、大きな重量とな
り、軽量化が要求される部品としては問題がある。安全
対策の強化及び軽量化の双方を満足するものとして、1
270N/mm2以上、好ましくは1470N/mm2
以上の引張り強さをもつ高強度鋼管が有望な材料として
注目されている。この関連において、特願平2−163
132号では、高周波焼入れした自動車ドア補強部材用
焼入れ鋼管が提案されている。また、特開平1−205
032号公報では、高強度電縫鋼管に使用する熱延板に
対する熱処理を開示している。
【0003】鋼材の最も一般的な焼入れ方法として、ガ
ス燃焼炉や電気炉中で材料を加熱した後、水等の冷却媒
体に投入する方法がある。しかし、この方法によって鋼
管を焼入れすると、鋼管の真円度や真直度が損なわれ易
く、その手直しに大きな手間が必要となる。これに対
し、短時間加熱された部分を順次冷却して焼き入れる高
周波焼入れでは、形状特性を損なうことなく焼入れ鋼管
が得られる。この点で、インパクトバー用焼入れ鋼管の
製造に高周波焼入れが好適である。本発明者等は、この
高周波焼入れを採用したインパクトバー用焼入れ鋼管の
製造方法を開発し、その一部を特開平4−52254号
公報として紹介した。
ス燃焼炉や電気炉中で材料を加熱した後、水等の冷却媒
体に投入する方法がある。しかし、この方法によって鋼
管を焼入れすると、鋼管の真円度や真直度が損なわれ易
く、その手直しに大きな手間が必要となる。これに対
し、短時間加熱された部分を順次冷却して焼き入れる高
周波焼入れでは、形状特性を損なうことなく焼入れ鋼管
が得られる。この点で、インパクトバー用焼入れ鋼管の
製造に高周波焼入れが好適である。本発明者等は、この
高周波焼入れを採用したインパクトバー用焼入れ鋼管の
製造方法を開発し、その一部を特開平4−52254号
公報として紹介した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インパクトバーは、短
尺鋼管を高周波焼入れした後、所定長さに切断すること
により製造される。従来の高周波焼入れ装置では、治具
により短尺鋼管を保持し、高周波誘導加熱コイル及び水
冷管を移動させながら焼入れしている。或いは、保持治
具を介し短尺鋼管を移動させながら焼入れする方式も採
用されている。何れの場合も、バッチ式であり、保持治
具に対する短尺鋼管のセット,加熱コイルの往復移動等
に時間を要し、生産性に問題があった。時間短縮を図る
ため、並列的に並べた複数の短尺鋼管をそれぞれ保持
し、複数の加熱コイル及び水冷管によって複数の短尺鋼
管を同時に焼入れする装置,製品寸法の数倍以上の長さ
をもつ長尺鋼管を焼入れする装置等が提案されている。
しかし、設備構成が複雑になり、或いは占有面積が大き
くなった割りには生産性が上がらず、実用化されていな
い現状である。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、被焼入れ鋼管の搬送ラインに沿
って高周波加熱コイル,水冷管,仕上げ機器等を固定配
置し、焼入れされた鋼管を所定寸法に連続的に切断する
ことにより、良好な形状特性及び品質安定性に優れた自
動車ドア補強部材用焼入れ鋼管を高生産性で製造するこ
とを目的とする。
尺鋼管を高周波焼入れした後、所定長さに切断すること
により製造される。従来の高周波焼入れ装置では、治具
により短尺鋼管を保持し、高周波誘導加熱コイル及び水
冷管を移動させながら焼入れしている。或いは、保持治
具を介し短尺鋼管を移動させながら焼入れする方式も採
用されている。何れの場合も、バッチ式であり、保持治
具に対する短尺鋼管のセット,加熱コイルの往復移動等
に時間を要し、生産性に問題があった。時間短縮を図る
ため、並列的に並べた複数の短尺鋼管をそれぞれ保持
し、複数の加熱コイル及び水冷管によって複数の短尺鋼
管を同時に焼入れする装置,製品寸法の数倍以上の長さ
をもつ長尺鋼管を焼入れする装置等が提案されている。
しかし、設備構成が複雑になり、或いは占有面積が大き
くなった割りには生産性が上がらず、実用化されていな
い現状である。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、被焼入れ鋼管の搬送ラインに沿
って高周波加熱コイル,水冷管,仕上げ機器等を固定配
置し、焼入れされた鋼管を所定寸法に連続的に切断する
ことにより、良好な形状特性及び品質安定性に優れた自
動車ドア補強部材用焼入れ鋼管を高生産性で製造するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の製造装置は、そ
の目的を達成するため、高周波焼入れされる鋼管の搬送
経路に沿って、鋼管を加熱する高周波誘導加熱コイル,
加熱後の鋼管を強制冷却する筒状冷却管及び焼入れされ
た鋼管を所定寸法に切断し面取りする機構を上流側から
順次配列している。筒状冷却管は、通過する鋼管の周面
に向けて冷却水を噴出する複数の噴射孔が筒状冷却水室
の内側に設けている。筒状冷却管の下流側には、焼入れ
された鋼管の形状を矯正する機構を設けても良い。ま
た、筒状冷却管は、焼入れされる鋼管を同心円状に取り
囲む筒状の冷却水室を備え、鋼管の周面に対向する冷却
水室の壁面に複数の冷却水噴射孔が形成されている。冷
却水噴射孔は、鋼管の円周方向に関し等間隔で、鋼管の
軸方向に関し下流側に向かって粗になる分布密度で設け
られていることが好ましい。
の目的を達成するため、高周波焼入れされる鋼管の搬送
経路に沿って、鋼管を加熱する高周波誘導加熱コイル,
加熱後の鋼管を強制冷却する筒状冷却管及び焼入れされ
た鋼管を所定寸法に切断し面取りする機構を上流側から
順次配列している。筒状冷却管は、通過する鋼管の周面
に向けて冷却水を噴出する複数の噴射孔が筒状冷却水室
の内側に設けている。筒状冷却管の下流側には、焼入れ
された鋼管の形状を矯正する機構を設けても良い。ま
た、筒状冷却管は、焼入れされる鋼管を同心円状に取り
囲む筒状の冷却水室を備え、鋼管の周面に対向する冷却
水室の壁面に複数の冷却水噴射孔が形成されている。冷
却水噴射孔は、鋼管の円周方向に関し等間隔で、鋼管の
軸方向に関し下流側に向かって粗になる分布密度で設け
られていることが好ましい。
【0006】
【実施例】焼入れ前の素管として電縫鋼管を使用した実
施例により、本発明を具体的に説明する。しかし、本発
明は電縫鋼管の使用に拘束されるものではなく、他の溶
接法で製造した鋼管やシームレスパイプに対しても同様
に適用されることは勿論である。たとえば、シームレス
パイプは、製造コストが高くなるものの、均質な特性を
もった高品質の製品となる。電縫鋼管を素管として使用
するとき、製造コストを考慮すると、焼鈍鋼板を高周波
誘導加熱によって溶接し電縫鋼管とすることが好まし
い。しかし、熱延条件の調整によって、熱延したままの
鋼板を電縫鋼管用素材として使用することも可能であ
る。電縫鋼管では、溶接部が焼入れ作用を受けて硬質に
なっており、内部応力も残留している。局部的な硬質化
や残留応力は、焼入れや矯正等の工程で真円度及び真直
度を低下させる原因となる。そこで、溶接部を軟化させ
残留応力を除去して成形加工性を確保するために、鋼管
全体の焼鈍や溶接部のシームアニール等を造管後に行う
ことが好ましい。
施例により、本発明を具体的に説明する。しかし、本発
明は電縫鋼管の使用に拘束されるものではなく、他の溶
接法で製造した鋼管やシームレスパイプに対しても同様
に適用されることは勿論である。たとえば、シームレス
パイプは、製造コストが高くなるものの、均質な特性を
もった高品質の製品となる。電縫鋼管を素管として使用
するとき、製造コストを考慮すると、焼鈍鋼板を高周波
誘導加熱によって溶接し電縫鋼管とすることが好まし
い。しかし、熱延条件の調整によって、熱延したままの
鋼板を電縫鋼管用素材として使用することも可能であ
る。電縫鋼管では、溶接部が焼入れ作用を受けて硬質に
なっており、内部応力も残留している。局部的な硬質化
や残留応力は、焼入れや矯正等の工程で真円度及び真直
度を低下させる原因となる。そこで、溶接部を軟化させ
残留応力を除去して成形加工性を確保するために、鋼管
全体の焼鈍や溶接部のシームアニール等を造管後に行う
ことが好ましい。
【0007】素管である電縫鋼管10は、図1に示すよ
うに入側パイプラック20にストックされており、1本
づつローラコンベア21上に払い出される。払い出され
た電縫鋼管11は、送りロールの回転によりローラコン
ベア21に沿って搬送され、トンネル状の高周波誘導加
熱コイル30に送り込まれる。電縫鋼管11は、高周波
誘導加熱コイル30の中心を通過する間にオーステナイ
ト領域まで加熱昇温される。高周波誘導加熱コイル30
の出側には、筒状冷却管40が配置されている。筒状冷
却管40は、冷却水槽41に送水ポンプ42を介して接
続されている。筒状冷却管40は、図2に示すように、
高周波加熱された電縫鋼管12を同心円状に取り囲む筒
状の冷却水室43を備えている。電縫鋼管12の周面に
対向する冷却水室43の側壁には、複数の噴射孔44が
開口している。
うに入側パイプラック20にストックされており、1本
づつローラコンベア21上に払い出される。払い出され
た電縫鋼管11は、送りロールの回転によりローラコン
ベア21に沿って搬送され、トンネル状の高周波誘導加
熱コイル30に送り込まれる。電縫鋼管11は、高周波
誘導加熱コイル30の中心を通過する間にオーステナイ
ト領域まで加熱昇温される。高周波誘導加熱コイル30
の出側には、筒状冷却管40が配置されている。筒状冷
却管40は、冷却水槽41に送水ポンプ42を介して接
続されている。筒状冷却管40は、図2に示すように、
高周波加熱された電縫鋼管12を同心円状に取り囲む筒
状の冷却水室43を備えている。電縫鋼管12の周面に
対向する冷却水室43の側壁には、複数の噴射孔44が
開口している。
【0008】噴射孔44は、電縫鋼管12の軸方向に関
しては、図2(a)に示すように上流側から下流側に向
けて分布密度を低下させている。また、電縫鋼管12の
円周方向に関しては、図2(b)に示すように等間隔で
形成されている。この分布密度によって、電縫鋼管12
は、噴射孔44から噴出された冷却水45で効率よく冷
却される。すなわち、高周波誘導加熱コイル30から出
た直後の鋼管12は、非常に高温になっている。高温状
態の鋼管12に冷却水を吹き付けると、断熱層として働
く蒸気膜が鋼管12の表面に形成され、冷却効果が低減
する。その結果、所定の冷却効果を得るために、蒸気膜
を破る圧力で水流を噴射することが要求される。
しては、図2(a)に示すように上流側から下流側に向
けて分布密度を低下させている。また、電縫鋼管12の
円周方向に関しては、図2(b)に示すように等間隔で
形成されている。この分布密度によって、電縫鋼管12
は、噴射孔44から噴出された冷却水45で効率よく冷
却される。すなわち、高周波誘導加熱コイル30から出
た直後の鋼管12は、非常に高温になっている。高温状
態の鋼管12に冷却水を吹き付けると、断熱層として働
く蒸気膜が鋼管12の表面に形成され、冷却効果が低減
する。その結果、所定の冷却効果を得るために、蒸気膜
を破る圧力で水流を噴射することが要求される。
【0009】鋼管12の搬送方向に沿って噴射孔12が
等間隔で設けられていると搬送方向に関して一定の冷却
能が得られるものの、冷却水の水圧は、冷却初期におい
て蒸気膜を破るに足る高い圧力に設定される。その結
果、多量の高圧水が必要になることは勿論、後続する工
程で多量の冷却水が吹き付けられることから鋼管12が
過剰冷却される。この点、冷却初期には密で、冷却後期
には粗の分布密度で噴射孔44が配置されているので、
冷却水の効率的な使用により、冷却能力が過剰になるこ
となく、鋼管12の焼入れが可能になる。また、送水ポ
ンプ42として、能力の小さなものが使用される。鋼管
12の円周方向に関しては等間隔で噴射孔44が配置さ
れているので、鋼管12の円周方向に冷却ムラが生じる
ことも防止される。また、高速搬送されている鋼管12
に対する冷却ゾーンを、短くすることもできる。個々の
噴射孔44は、鋼管12の搬送方向下流側に傾斜してい
る。この傾斜により、高周波誘導加熱コイル30側に冷
却水45が逆流することが防止され、焼入れ作業が安全
に行われる。
等間隔で設けられていると搬送方向に関して一定の冷却
能が得られるものの、冷却水の水圧は、冷却初期におい
て蒸気膜を破るに足る高い圧力に設定される。その結
果、多量の高圧水が必要になることは勿論、後続する工
程で多量の冷却水が吹き付けられることから鋼管12が
過剰冷却される。この点、冷却初期には密で、冷却後期
には粗の分布密度で噴射孔44が配置されているので、
冷却水の効率的な使用により、冷却能力が過剰になるこ
となく、鋼管12の焼入れが可能になる。また、送水ポ
ンプ42として、能力の小さなものが使用される。鋼管
12の円周方向に関しては等間隔で噴射孔44が配置さ
れているので、鋼管12の円周方向に冷却ムラが生じる
ことも防止される。また、高速搬送されている鋼管12
に対する冷却ゾーンを、短くすることもできる。個々の
噴射孔44は、鋼管12の搬送方向下流側に傾斜してい
る。この傾斜により、高周波誘導加熱コイル30側に冷
却水45が逆流することが防止され、焼入れ作業が安全
に行われる。
【0010】焼入れに使用された冷却水45は、適宜の
回収機構を介して冷却水槽41に返送され、鋼管12の
冷却に繰返し使用される。冷却水45は、長期間にわた
って設備を連続稼動すると、水温が上昇し、冷却能が低
下することがある。このような場合には、冷却水循環系
炉の途中に冷却器(図示せず)を組み込み、冷却水槽4
1に収容されている冷却水を一定の温度範囲に維持する
ことが好ましい。焼入れされた鋼管13は、ローラコン
ベヤ22に沿って矯正装置50に送られる。矯正装置5
0は、複数のカリバーロール51を多段に備えている。
鋼管13は、各段を回転しながら通過する間にカリバー
ロール51によって圧縮又は曲げ変形が加えられ、真直
度及び真円度が向上する。なお、焼入れ機構の下流側に
出側パイプラック23を設け、焼入れされた鋼管13を
一旦ストックすることも可能である。
回収機構を介して冷却水槽41に返送され、鋼管12の
冷却に繰返し使用される。冷却水45は、長期間にわた
って設備を連続稼動すると、水温が上昇し、冷却能が低
下することがある。このような場合には、冷却水循環系
炉の途中に冷却器(図示せず)を組み込み、冷却水槽4
1に収容されている冷却水を一定の温度範囲に維持する
ことが好ましい。焼入れされた鋼管13は、ローラコン
ベヤ22に沿って矯正装置50に送られる。矯正装置5
0は、複数のカリバーロール51を多段に備えている。
鋼管13は、各段を回転しながら通過する間にカリバー
ロール51によって圧縮又は曲げ変形が加えられ、真直
度及び真円度が向上する。なお、焼入れ機構の下流側に
出側パイプラック23を設け、焼入れされた鋼管13を
一旦ストックすることも可能である。
【0011】矯正された鋼管14は、矯正装置50から
送り出された後、ローラコンベア24を経て入側パイプ
ラック25に連続的に送り込まれる。なお、矯正装置5
0から送り出された鋼管14は、必要に応じて出側パイ
プラック26に払い出すこともできる。入側パイプラッ
ク25に収容された鋼管14は、所定の本数を集めてロ
ーラコンベア27に送り出され、切断・面取り装置60
に搬入される。矯正装置50と切断・面取り装置60と
の処理能力如何によっては、パイプラック25,26を
経ることなく、矯正装置50から切断・面取り装置60
に鋼管14を直接送り込む方式も採用できる。
送り出された後、ローラコンベア24を経て入側パイプ
ラック25に連続的に送り込まれる。なお、矯正装置5
0から送り出された鋼管14は、必要に応じて出側パイ
プラック26に払い出すこともできる。入側パイプラッ
ク25に収容された鋼管14は、所定の本数を集めてロ
ーラコンベア27に送り出され、切断・面取り装置60
に搬入される。矯正装置50と切断・面取り装置60と
の処理能力如何によっては、パイプラック25,26を
経ることなく、矯正装置50から切断・面取り装置60
に鋼管14を直接送り込む方式も採用できる。
【0012】切断・面取り装置60は、切断砥石61を
回転可能に設けた切断機62の下流側に、搬送方向に関
して移動可能な一対のワイヤブラシ63を配置してい
る。所定本数の鋼管14は、切断砥石61によって同時
に定寸切断され、短尺管15となる。短尺管15の両端
にある切断面は、ワイヤブラシ63によって面取りされ
る。このとき、ワイヤブラシ63の相間距離は、短尺管
15の長さに応じて調整される。このようにして、両端
面が面取りされた製品が能率良く得られる。このとき、
鋼管10〜15が常に一方向に移動し、高周波誘導加熱
コイル30の往復動作や鋼管保持具の着脱作業等を必要
としない。そのため、従来のバッチ的な高周波屋喜連方
法に比較して、生産性が飛躍的に向上する。また、得ら
れた製品も、品質が安定する。
回転可能に設けた切断機62の下流側に、搬送方向に関
して移動可能な一対のワイヤブラシ63を配置してい
る。所定本数の鋼管14は、切断砥石61によって同時
に定寸切断され、短尺管15となる。短尺管15の両端
にある切断面は、ワイヤブラシ63によって面取りされ
る。このとき、ワイヤブラシ63の相間距離は、短尺管
15の長さに応じて調整される。このようにして、両端
面が面取りされた製品が能率良く得られる。このとき、
鋼管10〜15が常に一方向に移動し、高周波誘導加熱
コイル30の往復動作や鋼管保持具の着脱作業等を必要
としない。そのため、従来のバッチ的な高周波屋喜連方
法に比較して、生産性が飛躍的に向上する。また、得ら
れた製品も、品質が安定する。
【0013】図1の設備構成では、数mの長さに切断し
た長尺鋼管を熱処理の対象としている。しかし、この設
備構成でも、各ローラコンベア21,22,24,27
における送りロールのピッチ等を考慮するとき、インパ
クトバーの製品長さに相当する1m程度の短尺鋼管を焼
入れ対象とすることも可能である。この点で、本発明に
従った製造装置は、操業柔軟性が高い。この設備構成を
造管ラインに連結し、電縫鋼管を連続的に搬送しながら
焼入れ処理することも、原理的に可能である。高周波誘
導加熱コイル30の上流側及び筒状冷却管40の下流側
には、それぞれ入側ピンチロール28及び出側ピンチロ
ール29を設けることが好ましい。ピンチロール28,
29は、焼入れされる電縫鋼管12の搬送速度を高精度
で制御することを可能とし、一定した焼入れ効果によっ
て焼入れ鋼管13の材質を安定化させる上で有効であ
る。更に、加熱及び冷却を円周方向に均一化させるた
め、ローラコンベア21により鋼管12を回転させなが
ら送ることも有効である。
た長尺鋼管を熱処理の対象としている。しかし、この設
備構成でも、各ローラコンベア21,22,24,27
における送りロールのピッチ等を考慮するとき、インパ
クトバーの製品長さに相当する1m程度の短尺鋼管を焼
入れ対象とすることも可能である。この点で、本発明に
従った製造装置は、操業柔軟性が高い。この設備構成を
造管ラインに連結し、電縫鋼管を連続的に搬送しながら
焼入れ処理することも、原理的に可能である。高周波誘
導加熱コイル30の上流側及び筒状冷却管40の下流側
には、それぞれ入側ピンチロール28及び出側ピンチロ
ール29を設けることが好ましい。ピンチロール28,
29は、焼入れされる電縫鋼管12の搬送速度を高精度
で制御することを可能とし、一定した焼入れ効果によっ
て焼入れ鋼管13の材質を安定化させる上で有効であ
る。更に、加熱及び冷却を円周方向に均一化させるた
め、ローラコンベア21により鋼管12を回転させなが
ら送ることも有効である。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の製造装
置においては、焼入れされた短尺鋼管が長尺鋼管から高
生産性で連続的に製造される。高周波誘導加熱コイルの
往復動や保持具による鋼管の着脱がないため、設備構成
も簡略化される。得られた短尺鋼管は、品質安定性に優
れ、インパクトバー等の自動車ドア補強部材用焼入れ鋼
管として好適に使用される。
置においては、焼入れされた短尺鋼管が長尺鋼管から高
生産性で連続的に製造される。高周波誘導加熱コイルの
往復動や保持具による鋼管の着脱がないため、設備構成
も簡略化される。得られた短尺鋼管は、品質安定性に優
れ、インパクトバー等の自動車ドア補強部材用焼入れ鋼
管として好適に使用される。
【図1】 本発明に従った焼入れ鋼管製造装置の設備構
成
成
【図2】 焼入れ用筒状冷却管の側断面(a)及び正断
面(b)
面(b)
10〜14:鋼管 15:短尺鋼管(製品) 3
0:高周波誘導加熱コイル 40:筒状冷却管 43:筒状の冷却水室 44:
噴射孔 45:冷却水 50:矯正装置 60:
切断・面取り装置
0:高周波誘導加熱コイル 40:筒状冷却管 43:筒状の冷却水室 44:
噴射孔 45:冷却水 50:矯正装置 60:
切断・面取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 昭正 愛知県蒲郡市浜町34番地 日新鋼管株式会 社蒲郡工場内
Claims (3)
- 【請求項1】 高周波焼入れされる鋼管の搬送経路に沿
って、前記鋼管を加熱する高周波誘導加熱コイル,加熱
後の前記鋼管を強制冷却する筒状冷却管及び焼入れされ
た前記鋼管を所定寸法に切断し面取りする機構を上流側
から順次配列し、前記筒状冷却管は、通過する前記鋼管
の周面に向けて冷却水を噴出する複数の噴射孔が内側に
設けられている自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管
の製造装置。 - 【請求項2】 焼入れされた鋼管の形状を矯正する機構
を筒状冷却管の下流側に設けた請求項1記載の製造装
置。 - 【請求項3】 請求項1記載の筒状冷却管は、焼入れさ
れる鋼管を同心円状に取り囲む筒状の冷却水室を備え、
前記鋼管の周面に対向する前記冷却水室の壁面に複数の
冷却水噴射孔が形成され、該冷却水噴射孔は、前記鋼管
の円周方向に関し等間隔で、前記鋼管の軸方向に関し下
流側に向かって粗になる分布密度で設けられている自動
車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19616893A JPH0754048A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19616893A JPH0754048A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754048A true JPH0754048A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16353344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19616893A Pending JPH0754048A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 自動車ドア補強部材用高強度焼入れ鋼管の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754048A (ja) |
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1993
- 1993-08-06 JP JP19616893A patent/JPH0754048A/ja active Pending
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