JP6569534B2 - ねじり部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ねじり部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管を熱間加工して鋼管からねじり部材を製造するねじり部材の製造方法及び製造装置に関する。
鋼管を任意の形状に曲げ、鋼管の任意の箇所を焼入れにより高強度化する3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ: 3Dimensional Hot Bending and Quench)技術を本発明者達は研究開発している。3DQは自動車の構造材等の製造に好適に用いられる技術である。3DQにより製造される構造材には軽量かつ高強度という特長がある。3DQによる構造材等の製造には金型が不要であるという特長がある。
3DQ装置では、加熱装置と冷却装置が近接して配置される。3DQ装置を使用した鋼管の加工では、鋼管を加熱装置と冷却装置の順に通過させながら、加熱装置と冷却装置の間の鋼管に生じる鋼管の局所的に加熱された部分(高温部)に任意の方向の曲げモーメントを与える。3DQによって、鋼管の任意の箇所が任意の形状に曲げられ、焼入れされた部材に加工できる。
鋼管に曲げモーメントを付与する装置は、特に限定されない。鋼管に曲げモーメントを付与する装置としては、特許文献1のように鋼管の送り方向における冷却装置の下流側に配置された可動ローラダイス、特許文献2のように鋼管の送り方向下流側において鋼管の端部に取り付けられたチャックとマニピュレータ、特許文献3のように鋼管の送り方向上流側において鋼管の端部に取り付けられたチャックとマニピュレータが例示される。
3DQでは、曲げ加工のみならず、ねじり加工も可能である。特許文献1と特許文献3には3DQでねじり加工が可能であることが開示されている。特許文献4には3DQによるねじり部材が開示されている。
国際公開第2006/093006号パンフレット 国際公開第2010/050460号パンフレット 国際公開第2011/007810号パンフレット 国際公開第2010/084898号パンフレット
本発明は、一つの例として、3DQで熱間加工したねじり部材のねじり部に生じる機械特性の不均一を解消できるようにすることを目的とする。
本発明の一の態様に係るねじり部材の製造方法は、断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を加熱装置及び冷却装置に対して前記鋼管の長手方向に相対的に送りながら、前記加熱装置により前記鋼管を局所的に加熱すると共に前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する熱間加工ステップと、前記鋼管を前記加熱装置及び前記冷却装置に対して相対的に送りながら、前記冷却装置から噴射した冷却水により前記ねじり部を冷却して焼入れすると共に、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度に応じて前記鋼管の相対的な送り速度を調節する冷却ステップと、を備える。
本発明の他の態様に係るねじり部材の製造装置は、断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を局所的に加熱する加熱装置と、前記加熱装置によって前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する外力付与装置と、前記ねじり部に冷却水を噴射して前記ねじり部を冷却して焼入れする冷却装置と、前記加熱装置及び前記冷却装置が作動している状態で、前記鋼管を前記加熱装置及び前記冷却装置に対して前記鋼管の長手方向に相対的に送る送り装置と、前記鋼管が前記加熱装置及び前記冷却装置に対して相対的に送られながら、前記冷却装置から噴射した冷却水により前記ねじり部が冷却される際に、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度に応じて前記送り装置を制御して前記鋼管の相対的な送り速度を調節する制御装置と、を備える。
本発明の上記態様によれば、3DQで熱間加工したねじり部材のねじり部に生じる機械特性の不均一を解消できる。
3DQ装置の斜視図である。 加熱装置及び冷却装置の側断面図である。 冷却装置の正面図である。 ねじり部材の一例を示す斜視図である。 ねじり加工しない場合の冷却水が当たる各位置での鋼管の角部の温度測定結果を表わすグラフである。 ねじり加工しない場合の鋼管の三面図である。 ねじり加工した場合の冷却水が当たる各位置での鋼管の角部の温度測定結果を表わすグラフである。 ねじり加工条件1でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件2でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件3でねじり加工された鋼管の三面図である。 ねじり加工条件4でねじり加工された鋼管の三面図である。 図3の角部Lの拡大図である。 図3の角部Uの拡大図である。 ねじり加工される鋼管の送り速度を変化させた場合の冷却水が当たる各位置での鋼管の角部の温度測定結果を表わすグラフである。 制御装置に記憶されるテーブルの一例を表わす表である。 ねじり加工及び曲げ加工により鋼管の角部の位置が移動する様子を示す模式図である。
はじめに、ねじり部材の製造装置の一実施形態である3DQ装置について説明する。
図1には、3DQ装置10が斜視図にて示されている。この3DQ装置10は、誘導加熱コイル12と、高周波電力発生装置14と、外力付与装置16と、冷却装置18と、冷却水供給装置20と、送り装置22と、制御装置24とを備えている。この3DQ装置10は、鋼管62に対して熱間加工及び焼入れ加工を連続して行うものである。
3DQ装置10が加工対象とする鋼管62は、断面円形とは異なる断面形状、例えば、正方形、長方形、台形などの多角形や楕円形等の断面形状を有する鋼管とされる。本実施形態では、一例として、鋼管62が横長の断面長方形状に形成されている。この鋼管62は、後述する送り装置22により鋼管62の長手方向に送られる。矢印Sは、鋼管62の送り方向を示している。また、矢印X、矢印Y、矢印Zは、3DQ装置で加工される鋼管62の横方向、縦方向、長手方向をそれぞれ示している。
誘導加熱コイル12は、鋼管62の断面形状に対応する矩形状に形成されており、鋼管62の外周面から所定距離離れて鋼管62を包囲して配置される。この誘導加熱コイル12は、高周波電力発生装置14から高周波電力が供給されることにより、誘導加熱コイル12の内側において鋼管62に局所的に誘導電流を発生させて、この鋼管62を局所的に誘導加熱する。この誘導加熱コイル12は、加熱装置の一例である。誘導加熱コイル12の代わりに、鋼管62を局所的に加熱できる加熱装置が用いられても良い。
高周波電力発生装置14は、誘導加熱コイル12に接続されており、誘導加熱コイル12に高周波電力を供給する。この高周波電力発生装置14は、例えば鋼管62を短時間(2秒程度)で変態点以上の所望の温度に急速に加熱できるように、誘導加熱コイル12への供給電力を調節可能である。
外力付与装置16は、一例として、二組の一対の支持ローラ32と、一対の可動ローラダイス34と、駆動部36とを備えている。二組の一対の支持ローラ32は、誘導加熱コイル12に対する鋼管62の送り方向上流側に配置されており、各一対の支持ローラ32は、鋼管62の横方向の両側から鋼管62を把持する。一対の可動ローラダイス34は、後述する冷却装置18に対する鋼管62の送り方向下流側に配置されており、鋼管62の横方向の両側から鋼管62を把持する。
外力付与装置16の駆動部36は、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の軸線周りに回転させるねじり機能と、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の縦方向及び横方向に移動させる曲げ機能とを有する。
駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において鋼管62にねじり力が加えられる。また、駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の縦方向及び横方向の少なくとも一方に移動させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において鋼管62に曲げ力が加えられる。
このような駆動部36は、例えば、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の縦方向及び横方向に移動させるX−Yステージと、このX−Yステージを作動させるモータと、一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転するようにX−Yステージをロールさせるロール機構と、このロール機構を作動させるモータ等を組み合わせた駆動装置により実現される。駆動部36として、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の軸線周りに回転可能であると共に、一対の可動ローラダイス34を鋼管62の縦方向及び横方向に移動可能なマニピュレータが用いられても良い。
冷却装置18は、誘導加熱コイル12に対する鋼管62の送り方向下流側に配置されている。この冷却装置18は、鋼管62の断面形状に対応する矩形環状に形成されており、鋼管62の外周面から所定距離離れて鋼管62を包囲して配置される。
図2には、誘導加熱コイル12及び冷却装置18が側断面図にて示されており、図3には、冷却装置18が正面図にて示されている。図2では、鋼管62の局所的に加熱された部分(高温部)が色付けされて示されている。図3は、冷却装置18を鋼管62の送り方向下流側から上流側に向かって見た図である。
図2、図3に示されるように、冷却装置18には、複数の噴射口42が形成されている。複数の噴射口42は、鋼管62に対する縦方向の両側と、鋼管62に対する横方向の両側にそれぞれ設けられている。図3では、複数の噴射口42の一部が表示されており、複数の噴射口42の残りの図示が省略されている。複数の噴射口42は、複数の列を成して配置されている。以下、この複数の列を、冷却装置18の内側から順に、A列、B列、C列、D列、E列、F列、G列、H列とする。
この複数の噴射口42が開口する面44は、環状に形成された冷却装置18の内側、かつ、鋼管62の送り方向下流側を向いている。このため、複数の噴射口42からは、鋼管62の送り方向下流側へ向けて冷却水が噴射される。
図1に示される冷却水供給装置20は、例えば、給水管に接続されたウォータポンプを有している。ウォータポンプが作動すると、冷却装置18に冷却水が供給されると共に、冷却装置18から冷却水が噴射される。
送り装置22は、上述の誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対する可動ローラダイス34と反対側に配置されている。この送り装置22は、本体部52と、可動部54と、駆動部56とを有する。
可動部54は、本体部52よりも支持ローラ32側に配置されており、鋼管62を保持する。可動部54は、本体部52に対して離間する方向に移動可能とされている。この可動部54には、例えば、鋼管62を保持するチャック機構が用いられる。このような本体部52、可動部54、及び、駆動部56を有する送り装置22は、例えば、ボールネジ機構や、産業用ロボット等を用いて実現される。
送り装置22の駆動部56は、例えば、モータ装置、油圧装置、空圧装置等の動力源であり、可動部54を本体部52に対して離間する方向に移動させる。この送り装置22では、可動部54が鋼管62を保持した状態で本体部52に対して離間する方向に移動することにより、鋼管62がその長手方向に送られる。
なお、図1に示される3DQ装置10では、鋼管62を送る送り装置22が用いられているが、誘導加熱コイル12及び冷却装置18を移動させる送り装置が用いられることにより、鋼管62が誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対して相対的に送られても良い。
制御装置24は、上述の高周波電力発生装置14と、冷却水供給装置20と、外力付与装置16の駆動部36と、送り装置22の駆動部56とに電気的に接続されている。この制御装置24は、演算装置や記憶装置等を有する電子回路を備えており、上述の高周波電力発生装置14、冷却水供給装置20、外力付与装置16の駆動部36、及び、送り装置22の駆動部56を制御する。
次に、上記3DQ装置10の基本動作を説明する。
<送り開始ステップ>
この3DQ装置10では、送り装置22の駆動部56が作動を開始すると、鋼管62を保持する可動部54が本体部52に対して離間する方向に移動し、鋼管62がその長手方向に送られる。鋼管62は、後述する冷却ステップが終了するまで継続して送られる。
<熱間加工ステップ>
また、鋼管62の送りが開始されると、高周波電力発生装置14から誘導加熱コイル12に高周波電力が供給される。そして、誘導加熱コイル12の内側において鋼管62に局所的に誘導電流が発生し、この鋼管62が局所的に誘導加熱される。
また、製品仕様に応じた所定のタイミングにおいて、外力付与装置16の駆動部36によって一対の可動ローラダイス34が鋼管62の軸線周りに回転させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において、鋼管62の局所的に加熱された部分にねじり力が加えられる。そして、鋼管62が熱間加工され、鋼管62の局所的に加熱された部分にねじり部が形成される。
<冷却ステップ>
また、鋼管62の送りが開始されると、冷却水供給装置20が作動する。そして、冷却装置18から鋼管62に冷却水が噴射され、ねじり部を含む鋼管62の全体が冷却されて焼入れされる。
この3DQ装置10では、以上の基本動作により、鋼管62からねじり部を有するねじり部材が製造される。図4には、ねじり部66を有するねじり部材64の一例が斜視図にて示されている。矢印Tは、鋼管62のねじり方向を示している。
なお、必要に応じて図1に示される駆動部56により一対の可動ローラダイス34が鋼管62の縦方向及び横方向の少なくとも一方に移動させられることにより、支持ローラ32と可動ローラダイス34との間において、鋼管62の局所的に加熱された部分に曲げ力が加えられても良い。そして、図4に示されるねじり部66に曲げ変形が加えられても良い。図1では、参考として、鋼管62が曲げ変形された状態で示されている。
また、上記基本動作では、鋼管62が全長に亘って誘導加熱コイル12及び冷却装置18を通過する間、誘導加熱コイル12及び冷却装置18が作動する以外に、鋼管62の一部分が誘導加熱コイル12及び冷却装置18を通過するタイミングにおいて誘導加熱コイル12及び冷却装置18が作動しても良い。
次に、上記3DQ装置10の検討結果を説明する。
本発明者は、上記3DQ装置10でねじり加工を実施し、実験と観察を繰り返した。その結果、鋼管62を大きくねじり加工すると、鋼管62の角部が赤熱した状態で冷却装置18を通過することがあり、この場合には、加工後の鋼管62のねじり部に機械特性の不均一が生じることがあることに発明者は気がついた。冷却装置18を通過後、鋼管62が赤熱するほど温度が高くない場合でも、焼入れ部が焼き戻されるか、又は、焼入れされない可能性がある。このため、ねじり加工において鋼管62の角部の温度変化を注意して管理する必要があると発明者は考えた。
冷却水同士が衝突して鋼管62への冷却水の衝突圧が損なわれることを避けるため、図2に示されるように、冷却装置18の噴射口42は、好ましくは、鋼管62の外面と冷却水との成す角度θが直角に近く、かつ、冷却水同士が衝突しないように配置される。発明者は鋼管62の角部に熱電対を取り付け、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度を測定した。
図5には、ねじり加工しない場合の冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度測定結果、すなわち、ねじり加工しない場合の鋼管62の角部の温度と送り量との関係を表わすグラフが示されている。図5の横軸のA〜Hは、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置に相当する。図6には、参考として、ねじり加工しない場合の鋼管62が三面図にて示されている。
図5に示されるように、ねじり加工しない場合、鋼管62は、A列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置において最も温度が高くなり、その後、B〜H列の噴射口42からの冷却水により冷却されて温度が低下する。
一方、図7には、ねじり加工した場合の冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度測定結果を表わすグラフが示されている。図7の横軸のA〜Hは、図5の横軸と同様に、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置に相当する。図3には、鋼管62のねじり部66が想像線(二点鎖線)にて示されており、図7の温度測定結果は、図3の想像線にて示される鋼管62のねじり部66における下側の角部、すなわち、角部Lについての温度測定結果である。
また、図7には、ねじり加工条件1〜4毎の温度測定結果が示されている。図7のねじり加工条件1〜4は、単位長さ当たりのねじり角度が、ねじり加工条件1〜4の順に大きくなっている。図8A〜図8Dには、参考として、上述のねじり加工条件1〜4でねじり加工された鋼管62が三面図にて示されている。
3DQによるねじり部66で強度不良が発生するのは、図7のねじり加工条件2〜4のように冷却の途中で鋼管62の温度が上昇した箇所である。鋼管62の温度上昇が発生する状況を確認するため、発明者はねじり加工条件2〜4において3DQ加工をねじり加工の途中で止めた後、温度上昇が発生し始めた噴射口42の上、下、左、右に位置する噴射口42からそれぞれ個別に冷却水を噴出させた。その結果、鋼管62の温度上昇が発生し始める位置において、一部の噴射口42からの冷却水が角部Lに当たっていないことが分かった。
ここで、図9には、図3の角部Lが拡大図にて示されている。図9に示されるように、角部Lには、下の右端からの冷却水aは当たっているが、この下の右端からの冷却水aはあまり冷却に寄与していない。角部Lの側面と下の右端からの冷却水aのなす角が小さい(平行に近い)ため、冷却水が鋼管62の表面にある水蒸気膜を突破できないからである。単位長さ当たりのねじり角度が大きくなるほど鋼管62の送り方向上流側で温度上昇が発生するのは、単位長さ当たりのねじり角度が大きくなるほど鋼管62の送り方向上流側で水蒸気膜を突破できる圧力で冷却水が当たらなくなり始めるからである。
図10には、図3の角部Uが拡大図にて示されている。3DQによるねじり加工の際、角部Uも上述の角部Lと同様に単位長さ当たりのねじり角度が大きくなると冷却に支障をきたす。これは、上の右端からの冷却水bと右の上端からの冷却水cが角部Uに当たる前にぶつかりあった結果、所定の圧力で鋼管62に冷却水が当たらないため、冷却水が鋼管62の表面にある水蒸気膜を突破できないから起こると考えられる。
なお、鋼管62が断面円形の丸管の場合、丸管をねじり加工しても冷却水の当たり方は変化しないため、上記課題は発生しない。上記課題が発生するのは、ねじり加工により鋼管62の断面の傾きが変化し、冷却水の当たり方が変化する異形管である。異形管とは鋼管62の断面の中心から鋼管62までの距離が周方向で変化する管、すなわち、例えば角管や楕円管のような断面円形とは異なる断面形状を有する管のことである。本実施形態では、3DQ装置10の加工対象を断面円形とは異なる断面形状を有する鋼管62とする。
図11には、ねじり加工される鋼管62の送り速度を変化させた場合の冷却水が当たる各位置での鋼管62の角部の温度測定結果を表わすグラフが示されている。図11の横軸のA〜Hは、図5、図7の横軸と同様に、図2、図3のA〜H列の噴射口42からの冷却水が当たる各位置に相当する。また、図11の温度測定結果は、図3の角部Lについての温度測定結果である。また、図11には、送り速度が低、中(基準)、高とした場合の温度測定結果が示されている。
この図11から分かるように、冷却装置18の入り口(A列の噴射口42の位置)において鋼管62を所定の温度にし、鋼管62の送り速度を低くすれば、より鋼管62の送り方向上流側で鋼管62の冷却を完了させることができる。
例えば、図7のねじり加工条件4において鋼管62の送り速度を低くすれば、図11に示されるように、E列の噴射口42の冷却水が鋼管62に当たる位置で鋼管62の角部(角部L)に冷却水が当たらなくなる。したがって、図7のねじり加工条件4において、図11の送り速度低で鋼管62を送れば、E列の噴射口42の冷却水が鋼管62に当たる位置で冷却を完了でき、3DQ加工後のねじり部66に機械特性の不均一が発生することを抑制することができる。
なお、鋼管62の全長に亘って送り速度を低にすると加工能率に支障をきたすため、鋼管62の送り速度はねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度(ねじり加工条件)の変化に合わせて調節すれば良い。
ただし、鋼管62の送り速度が低くなると鋼管62の単位長さ当たりに投入される熱量が増加し、誘導加熱コイル12と冷却装置18の間において、鋼管62の局所的に加熱された部分の温度が高くなり過ぎるため、鋼管62の局所的に加熱された部分の温度が送り速度にかかわらず冷却装置18の入口において所定の温度になるように、送り速度に応じて高周波電力発生装置14を制御しても良い。
また、鋼管62にねじり加工と同時に曲げ加工を実施する場合、曲げ変形が加えられたねじり部66の曲率半径(曲げ加工の条件)によっても、ねじり加工された場合と同様に、ねじり部66に機械特性の不均一が生じることが想定される。このため、曲げ変形が加えられたねじり部66の曲率半径によっても送り速度の調節をすることが望ましい。
次に、上記検討結果により、3DQ装置10に追加される機能について説明する。
本実施形態の3DQ装置10では、制御装置24に次の機能が追加されている。
<機能1>
鋼管62の送り速度を調節する制御機能
<機能2>
鋼管62の送り速度に応じた誘導加熱コイル12の出力(加熱条件)の制御機能
<機能3>
ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度(ねじり加工条件)に応じた鋼管62の送り速度調節機能
鋼管62の送り速度調節機能を実現するために、制御装置24には、ねじり加工条件から送り速度を導出するテーブルが記憶されていることが望ましい。本実施形態では、ねじり加工条件に応じて鋼管62の送り速度と加熱条件が制御される。具体的には、次の制御1、2である。
<制御1>
時々刻々と変化するねじり加工条件に合わせて送り速度と加熱条件を設定した加工条件が制御装置24に入力される。そして、制御装置24は、入力された加工条件に基づいて送り装置22の駆動部56、高周波電力発生装置14、及び、外力付与装置16の駆動部36を制御する。
<制御2>
ねじり加工条件に合わせて送り速度上限値を設定したテーブルが制御装置24に記憶される。制御装置24は、そのテーブルからねじり加工条件の変化に応じて送り速度上限値を導出すると共に、この送り速度上限値に応じた加熱条件を上述の加工条件から導出する。そして、制御装置24は、以上の導出結果に基づいて送り装置22の駆動部56及び高周波電力発生装置14(誘導加熱コイル12の出力)を制御する。
なお、鋼管62にねじり加工と同時に曲げ加工を加えると鋼管62への冷却水の当たる状況が変化する。したがって、鋼管62にねじり加工と同時に曲げ加工を加える場合には、上述の機能3は、以下とされる。
<機能3のその他の例>
ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径(ねじり加工条件及び曲げ加工条件)に応じた鋼管62の送り速度調節機能
また、鋼管62にねじり加工と同時に曲げ加工を加える場合、制御装置24には、ねじり加工条件及び曲げ加工条件から送り速度を導出するテーブルが記憶されていることが望ましい。鋼管62にねじり加工と同時に曲げ加工を加える場合、上述の制御1、2は、以下とされる。
<制御1のその他の例>
時々刻々と変化するねじり加工条件及び曲げ加工条件に合わせて送り速度と加熱条件を設定した加工条件が制御装置24に入力される。そして、制御装置24は、入力された加工条件に基づいて送り装置22の駆動部56、高周波電力発生装置14、及び、外力付与装置16の駆動部36を制御する。
<制御2のその他の例>
ねじり加工条件及び曲げ加工条件に合わせて送り速度上限値を設定したテーブルが制御装置24に記憶される。制御装置24は、そのテーブルからねじり加工条件及び曲げ加工条件の変化に応じて送り速度上限値を導出すると共に、この送り速度上限値に応じた加熱条件を上述の加工条件から導出する。そして、制御装置24は、以上の導出結果に基づいて送り装置22の駆動部56及び高周波電力発生装置14を制御する。
次に、上記機能が追加された3DQ装置10によるねじり部材の製造方法について説明する。
上記機能が追加された3DQ装置10によるねじり部材の製造方法では、上述の3DQ装置10の基本動作と同様に、送り開始ステップ、熱間加工ステップ、及び、冷却ステップが実行される。
ただし、冷却ステップでは、以下に説明するように、鋼管62の送り速度が調節される。鋼管62の送り速度は、一例として、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に応じて調節される。
制御装置24は、ねじり加工の向き及び単位長さ当たりのねじり角度からなるねじり加工条件と、曲げ加工の向き及び曲率半径からなる曲げ加工条件とに基づいて、上記テーブルから鋼管62の送り速度を導出する。
テーブルにおいて、ねじり加工条件は、ねじり方向とねじり角度を組み合わせて、「R−0」、「R−1」、「R−2」、「R−3」、「L−0」、「L−1」、「L−2」、「L−3」と分類される。ねじり方向について、「R」は、右回りであること、「L」は、左回りであることを表している。また、単位当たりのねじり角度について、ねじり加工しない場合には「0」で表され、ねじり加工する場合には、単位当たりのねじり角度が小さい順に「1」、「2」、「3」で表される。
また、テーブルにおいて、曲げ加工条件は、曲げ方向と曲率半径を組み合わせて、「0−0」、「0−1」、「0−2」、「0−3」、「1−0」、「1−1」、・・・「11−0」、「11−2」、「11−3」と分類される。曲げ方向については、鋼管62の送り方向下流側から上流側に向かって12方向に区分けしている。すなわち、時計と同じように、上を「0」で表され、右を「3」、下を「6」、左を「9」と区分けしている。また、曲率半径について、曲げ加工しない場合には「0」、曲げ加工する場合には、曲率半径の大きい順に「1」、「2」、「3」で表される。
また、テーブルにおいて、鋼管62の送り速度は、ねじり加工も曲げ加工もしない場合と同じ速度である「High」と、「High」よりも遅い「Mid」と、「Mid」よりも遅い「Low」の3段階に分類される。
図12には、制御装置24に記憶されたテーブル26の一例を表す表が示されている。この図12に示されるテーブル26は、右回りのねじり加工で1時の方向に曲げ加工する場合を示すものである。図12に示されるテーブル26は、一例であり、制御装置24には、他のねじり加工の方向と曲げ加工の方向を含むテーブルが記憶されても良い。
なお、加工対象であるの鋼管62の断面形状によっては、複数のテーブルを統合することも可能である。例えば、断面長方形状の鋼管62を対象とする場合には、右回りのねじり加工で1時の方向に曲げ加工する場合のテーブル1に、以下に例示するテーブル2〜8を統合することが可能である。
テーブル2:右回りのねじり加工で5時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル3:右回りのねじり加工で7時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル4:右回りのねじり加工で11時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル5:左回りのねじり加工で1時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル6:左回りのねじり加工で5時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル7:左回りのねじり加工で7時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
テーブル8:左回りのねじり加工で11時の方向に曲げ加工する場合のテーブル
このように、制御装置24には、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径と鋼管62の送り速度との関係を表わすテーブル26が記憶される。そして、制御装置24は、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に基づいてテーブル26から鋼管62の送り速度を導出し、該導出した送り速度になるように送り装置22を制御する。つまり、制御装置24は、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度が大きいほど、また、曲率半径が小さいほど、鋼管62の送り速度を低下させる。
ここで、図13には、ねじり加工及び曲げ加工により鋼管62の角部の位置が移動する様子が模式図にて示されている。図13において、細線の長方形は、ねじり加工も曲げ加工もしない場合の鋼管62の断面の位置を示しており、二点鎖線の長方形は、ねじり加工をした場合の鋼管62の断面の位置を示している。また、太線の長方形は、ねじり加工と曲げ加工をした場合の鋼管62の断面の位置を示している。
鋼管62の冷却むらの発生する鋼管62の角部の位置の変化は、ねじり加工による位置の変化と曲げ加工による位置の変化の合計である。ねじり角度φのねじり加工により、鋼管62の角部は、縦方向にh1移動する。h1は、以下の式(1)で算出される。以下の式(1)において、Wは、鋼管62の幅である。
h1=(W/2)・sinφ・・・(1)
さらに曲げ加工により、鋼管62の角部は移動する。図13に示されるように、4時の方向にlの大きさに曲げる場合、曲げ加工により、鋼管62の角部は、縦方向にh2移動する。h2は、以下の式(2)で算出される。ねじり加工と曲げ加工による縦方向の鋼管62の角部の移動量hは、以下の式(3)で算出される。
h2=lsinφ・・・(2)
h=h1+h2 ・・・(3)
図3に示されるように、本実施形態の3DQ装置10では、縦方向と横方向からの冷却水が互いに過度に干渉しないように冷却水は鋼管62に噴射される。鋼管62の角部が縦方向にどれだけ移動すると横方向からの冷却水が鋼管62の角部に当たらなくなるかということについては、冷却装置18の構造、例えば、各噴射口42の配置位置や隣り合う噴射口42間の距離等により異なるので、事前に把握しておくことが望ましい。
例えば、鋼管62に冷却水が衝突する箇所のうち鋼管62の送り方向の最も下流側に位置する箇所(図2のH列の噴射口42からの冷却水が当たる箇所)における断面上で、鋼管62の角部の位置が、鋼管62を熱間加工しない場合の角部の位置に比べて、鋼管62の送り方向視で角部に噴射される冷却水の噴射方向と直交する方向(この場合、縦方向)に規定量(例えば、10mm)以上移動したときに、鋼管62の角部に冷却水が当たらなくなり始める場合がある。
この場合には、鋼管62の送り方向の最も下流側に位置する噴射口42から鋼管62に水が当たる位置でねじり部の冷却が完了するように送り速度を調節することが望ましい。つまり、鋼管62の送り速度を、鋼管62を熱間加工しない場合の送り速度に比べて低下させること、例えば、図12に示されるテーブルで「Mid」か「Low」に変更することが望ましい。鋼管62の角部の横方向の移動と縦方向から噴射される冷却水との関係も同様である。
上述した方法では、実際に3DQ加工しなくても事前に加工条件と送り速度のテーブルを作ることは可能である。しかし、量産の前には、さらに実機でテーブルを調整することが望ましい。その理由は、次の通りである。
<理由1>
設備上流側の冷却水と下流側の冷却水では鋼管62への衝突角度が異なる。すなわち、冷却水が鋼管62に衝突する際に、下流側の方が鋼管62と噴射口42から噴射される冷却水のなす角度が小さくなる。このため、上流側の冷却水と下流側の冷却水では冷却能力が異なり、上流側の方の冷却能力が高くなるので、減速を緩和できる可能性がある。
<理由2>
鋼管62の角部に当たった冷却水がどのように跳ね返り、他の冷却水にどのように干渉するか分からない。
<理由3>
冷却装置18は、鋼管62の外形に合わせて配置されるが、鋼管62の断面形状が湾曲形状や楕円形状である場合、角管のように縦横のずれと冷却能力の変化が容易には分かりにくい。
<理由4>
冷却水が中途半端に鋼管62の角部に当たっている場合、十分に冷却されないことがある。
テーブルの調整は、実際に3DQ加工を行い、鋼管62を分析して冷却不足になっていないか確認して行われる。具体的には、加工後の鋼管62の硬度(例えばビッカース高度Hv420以上)、表面残留応力(例えばX線回折法による測定で引張応力80MPa以下)が、ばらつきを考慮しても所定の範囲に収まっていれば十分冷却されたと判定する。
本実施形態のように、可動ローラダイス34を用いた3DQ装置10の場合、制御装置24は、可動ローラダイス34の動きに基づいてテーブルから送り速度を出力すれば良い。
しかしながら、鋼管62の端部に取り付けられたチャックを介してマニピュレータで曲げモーメントを付与する場合、鋼管62の端部の動きから加工条件を導出するのは難しい。この場合、目標とする製品の形状に基づいて鋼管62の長手方向に沿ったねじり量と曲げ量からねじり加工条件と曲げ加工条件を導出しても良い。この方法は、可動ローラダイス34を用いる場合にも適用可能である。
なお、上記3DQ装置10において、曲げ加工が行われない場合、上述のテーブル26から曲率半径と鋼管62の送り速度との関係が削除されても良い。そして、制御装置24は、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度に基づいてテーブル26から鋼管62の送り速度を導出し、該導出した送り速度になるように送り装置22を制御しても良い。つまり、制御装置24は、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度が大きいほど鋼管62の送り速度を低下させても良い。
また、鋼管62を誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対して相対的に送るために、誘導加熱コイル12及び冷却装置18を移動させる送り装置が用いられる場合、テーブル26には、鋼管62の相対的な送り速度として、誘導加熱コイル12及び冷却装置18の移動速度が含まれていても良い。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、鋼管62が誘導加熱コイル12及び冷却装置18に対して相対的に送られながら、冷却装置18から噴射した冷却水によりねじり部66が冷却される際に、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度に応じて鋼管62の相対的な送り速度が調節される。これにより、鋼管62の角部の冷却むらを抑制することができるので、3DQで熱間加工したねじり部材64のねじり部66に生じる機械特性の不均一を解消することができる。
また、鋼管62にねじり力及び曲げ力を加えてねじり部66に曲げ変形が加えられる場合には、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に応じて鋼管62の相対的な送り速度が調節される。これにより、曲げ変形を考慮した適切な送り速度で鋼管62を相対的に送ることができるので、ねじり部66に曲げ変形が加えられる場合でも、曲げ変形に応じて鋼管62の角部の冷却むらを抑制することができる。
また、例えば、鋼管62に冷却水が衝突する箇所のうち鋼管62の送り方向の最も下流側に位置する箇所(図2のH列の噴射口42からの冷却水が当たる箇所)における断面上で、鋼管62の角部の位置が、鋼管62を熱間加工しない場合の角部の位置に比べて、鋼管62の送り方向視で角部に噴射される冷却水の噴射方向と直交する方向(この場合、縦方向)に規定量(例えば、10mm)以上移動する場合には、鋼管62の送り速度が、鋼管62を熱間加工しない場合の送り速度に比べて低下させられる。鋼管62の角部の横方向の移動と縦方向から噴射される冷却水の場合も同様である。これにより、鋼管62の角部が十分に冷却される前に冷却水による冷却が終了してしまうことを回避できるので、鋼管62の角部の冷却むらをより一層効果的に抑制することができる。
また、制御装置24には、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度と鋼管62の相対的な送り速度との関係を表わすテーブル26が記憶される。そして、制御装置24は、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度に基づいてテーブル26から鋼管62の相対的な送り速度を導出し、該導出した送り速度になるように送り装置22を制御する。したがって、テーブル26に基づいて鋼管62の相対的な送り速度が調節されるので、鋼管62の角部の冷却むらを安定して抑制することができる。
また、鋼管62にねじり力及び曲げ力を加えてねじり部66に曲げ変形が加えられる場合、テーブル26には、ねじり部66の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径と鋼管62の相対的な送り速度との関係が含まれる。したがって、ねじり部66に曲げ変形が加えられる場合でも、曲げ変形に応じて鋼管62の角部の冷却むらを安定して抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 3DQ装置(ねじり部材の製造装置の一例)
12 誘導加熱コイル(加熱装置の一例)
14 高周波電力発生装置
16 外力付与装置
18 冷却装置
20 冷却水供給装置
22 送り装置
24 制御装置
26 テーブル
42 噴射口
62 鋼管
64 ねじり部材
66 ねじり部

Claims (8)

  1. 断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を加熱装置及び冷却装置に対して前記鋼管の長手方向に相対的に送りながら、前記加熱装置により前記鋼管を局所的に加熱すると共に前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する熱間加工ステップと、
    前記鋼管を前記加熱装置及び前記冷却装置に対して相対的に送りながら、前記冷却装置から噴射した冷却水により前記ねじり部を冷却して焼入れすると共に、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度に応じて前記鋼管の相対的な送り速度を調節する冷却ステップと、
    を備えるねじり部材の製造方法。
  2. 前記熱間加工ステップにおいて、前記鋼管にねじり力及び曲げ力を加えて前記ねじり部に曲げ変形を加え、
    前記冷却ステップにおいて、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に応じて前記鋼管の相対的な送り速度を調節する、
    請求項1に記載のねじり部材の製造方法。
  3. 前記冷却ステップにおいて、前記鋼管に前記冷却水が衝突する箇所のうち前記鋼管の送り方向の最も下流側に位置する箇所における断面上で、前記鋼管の角部の位置が、前記鋼管を熱間加工しない場合の前記角部の位置に比べて、前記鋼管の送り方向視で前記角部に噴射される前記冷却水の噴射方向と直交する方向に規定量以上移動する場合には、前記鋼管の相対的な送り速度を、前記鋼管を熱間加工しない場合の相対的な送り速度に比べて低下させる、
    請求項1又は請求項2に記載のねじり部材の製造方法。
  4. 断面円形とは異なる断面形状を有しねじり部材の基になる鋼管を局所的に加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置によって前記鋼管の局所的に加熱された部分にねじり力を加えてねじり部を形成する外力付与装置と、
    前記ねじり部に冷却水を噴射して前記ねじり部を冷却して焼入れする冷却装置と、
    前記加熱装置及び前記冷却装置が作動している状態で、前記鋼管を前記加熱装置及び前記冷却装置に対して前記鋼管の長手方向に相対的に送る送り装置と、
    前記鋼管が前記加熱装置及び前記冷却装置に対して相対的に送られながら、前記冷却装置から噴射した冷却水により前記ねじり部が冷却される際に、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度に応じて前記送り装置を制御して前記鋼管の相対的な送り速度を調節する制御装置と、
    を備えるねじり部材の製造装置。
  5. 前記制御装置には、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度と前記鋼管の相対的な送り速度との関係を表わすテーブルが記憶されており、
    前記制御装置は、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度に基づいて前記テーブルから前記鋼管の相対的な送り速度を導出し、該導出した送り速度になるように前記送り装置を制御する、
    請求項4に記載のねじり部材の製造装置。
  6. 前記外力付与装置は、前記鋼管にねじり力及び曲げ力を加えて前記ねじり部に曲げ変形を加え、
    前記制御装置は、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に応じて前記送り装置を制御して前記鋼管の相対的な送り速度を調節する、
    請求項4に記載のねじり部材の製造装置。
  7. 前記制御装置には、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径と前記鋼管の相対的な送り速度との関係を表わすテーブルが記憶されており、
    前記制御装置は、前記ねじり部の単位長さ当たりのねじり角度及び曲率半径に基づいて前記テーブルから前記鋼管の相対的な送り速度を導出し、該導出した送り速度になるように前記送り装置を制御する、
    請求項6に記載のねじり部材の製造装置。
  8. 前記制御装置は、前記鋼管に前記冷却水が衝突する箇所のうち前記鋼管の送り方向の最も下流側に位置する箇所における断面上で、前記鋼管の角部の位置が、前記鋼管を熱間加工しない場合の前記角部の位置に比べて、前記鋼管の送り方向視で前記角部に噴射される前記冷却水の噴射方向と直交する方向に規定量以上移動する場合には、前記鋼管の相対的な送り速度が、前記鋼管を熱間加工しない場合の送り速度に比べて低下するように、前記送り装置を制御する、
    請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載のねじり部材の製造装置。
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