JP4273161B2 - 銀の除去方法と洗濯機 - Google Patents

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Description

この発明は、銀の除去方法とそれを応用した洗濯機に関する。
銀は貴金属であり、高価であるため、以前から、写真の定着廃液などに含まれる銀が回収されてきた。この定着廃液中の銀の濃度は、1g/L〜1mg/L程度である。
一方、近年、衛生意識の向上により、衣服等に抗菌や除菌の機能を付与する目的で、洗濯機におけるすすぎ用水等において銀イオンが付与されて用いられるケースが増加している。銀イオンは非常に低濃度で細菌に対して作用するため、抗菌や除菌の目的で用いられる液体中の銀の濃度は1mg/L未満であることが多い。また、銀イオンは安全性も高いため、上記のような銀が希薄な液体は、特に回収されることなく、廃棄されている。
しかし、近い将来、銀を含む多くの金属資源の枯渇が懸念されている。例えば、独立行政法人物質・材料研究機構の調査(2050年までに世界的な資源制約の壁 2007)によれば、銀は、金などと並んで、2020年の時点で累積使用量が現有埋蔵量を超えることが予想されており、枯渇する恐れが大きい金属である。そのため、微量であっても銀を回収することは重要であり、抗菌や除菌の目的で使用された低濃度の銀含有水から銀を回収する技術が求められている。
また、殺菌効果がある銀イオンが環境に排出されることによって、排水の排出経路等において殺菌作用を発揮し、銀含有水の環境への排出は用途によっては問題となる可能性がある。
銀の回収方法としては、電気化学的な方法、合成吸着剤による方法、微生物による方法がある。これらの方法のうち、比較的低濃度の銀イオン含有水から銀を回収するために利用可能な方法は、微生物による方法である。
微生物による銀の回収方法として、たとえば、特開2004−180582号公報(特許文献1)(以下、「文献1」という)では、微生物としてアシドボラックス テンペランス(Acidovorax temperans)を使用する方法、Nerson Duran 他、「Mechanistic aspects of biosynthesis of silver nanoparticles by several Fusarium oxysporum strains」、Journal of Nanobiotechnology、Biomed Central、2005年7月13日、3:8(2005)(非特許文献1)(以下、「文献2」という)、Absar Ahmad 他、「Extracellular biosynthesis of silver nanoparticles using the fungus Fusarium oxysporum」、Colloids and Surfaces B;Biointerfaces、28(2003)、p.313-318(非特許文献2)(以下、「文献3」という)では、微生物として、フザリウム オキシスポラム(Fusarium oxysporum)などの真菌を用いる方法、Robin M. Slawson 他、「Silver accumulation and resistance in Pseudomonas stutzeri」、Arch Microbiol、Archives of Microbiology、158(1992)、p.398-404(非特許文献3)(以下、「文献4」という)、Tanja Klaus 他、「Silver-based crystalline nanoparticles, microbially fabricated」、PNAS、1999年11月23日、第96巻、第24号、p.13611-13614(1999)(非特許文献4)(以下、「文献5」という)では、微生物としてシュードモナス スツゼリ(Pseudomonas stuzeri)を用いる方法がある。
しかしながら、従来の微生物による方法では、銀の濃度が低い銀イオン含有水では除去率が低くなるという課題があった。また、銀を分離除去するのに時間がかかるという課題があった。
例えば、文献1に記載の微生物としてアシドボラックス テンペランス(Acidovorax temperans)を使用する方法では、銀の濃度が2.48mg/Lの銀イオン含有水を4日間かけて処理した場合、除去率は62〜71%、銀の濃度が1.35mg/Lの銀イオン含有水を処理した場合、除去率は41〜58%である。
また、文献2、文献3に記載の微生物としてフザリウム オキシスポラム(Fusarium oxysporum)などの真菌を用いる方法では、銀の濃度が10−3M(約108mg/L)の銀イオン含有水を28〜72時間かけて処理している。文献3のFig.1に示された結果によれば、処理時間が2時間では、ほとんど銀が分離除去されず、72時間まで処理時間を長くするに従って、銀が分離除去される割合が増加することがわかる。
文献4に記載の微生物としてシュードモナス スツゼリ(Pseudomonas stuzeri)を用いる方法では、銀の濃度が0.5mM(約54mg/L)の銀イオン含有水を数分で処理している。処理後の液中の銀濃度については記述がないが、菌に蓄積された銀が液から分離除去されたものと考えられる。処理時間が1分間から30分間に長くなるにつれて、銀の蓄積量が増加しており、銀が1〜30分間の間に徐々に分離除去されたものと考えられる。
文献5に記載の微生物としてシュードモナス スツゼリ(Pseudomonas stuzeri)を用いる方法では、銀の濃度が5g/Lの銀イオン含有水を48時間で処理している。
上述したように、従来の微生物による銀の回収方法は、定着廃液のような比較的高濃度の銀を含有する廃水においては有効であるが、例えば、抗菌の目的で銀イオンを添加した水から銀を回収する場合など、1mg/L未満の低濃度の銀を含有する廃水に対しては、有効な回収方法ではなく、少量の銀を回収することは困難であった。
また、従来の微生物による銀の回収方法は、銀の濃度が1mg/Lを超える比較的高濃度の銀イオン含有水を長時間かけて処理しなければ、銀を分離除去することができない。このため、処理対象の銀イオン含有水を所定の処理槽等に長時間保持する必要があるので、流水を処理することは困難であった。
そこで、この発明の目的は、比較的低濃度の銀イオン含有液からでも効果的に銀を分離除去して回収することができ、短時間で銀を分離除去することが可能な銀の除去方法と、それを応用した洗濯機を提供することである。
この発明に従った銀の除去方法は、銀イオンを含む液体にシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させることを特徴とする。
この発明の銀の除去方法においては、銀イオンを含む液体に、特定されたシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させると、その直後に、上記の細菌に銀を付着させることができる。このため、極めて短時間で液体中の銀の濃度を低下させることができる。また、この発明の銀の除去方法によれば、銀の濃度が1mg/L未満の低濃度の銀イオン含有液体に対しても、特定されたシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させると、その直後に、上記の細菌に銀を付着させることができる。したがって、この発明の銀の除去方法によれば、極めて短時間で銀を分離除去することができるとともに、比較的低濃度の銀イオン含有液からでも効果的に銀を分離除去して回収することができる。
この発明の銀の除去方法において、上記の細菌は、死んだ菌体を含んでいてもよい。
この発明の方法では、上記の特定された細菌を死滅させた状態で、銀イオンを含む液体に接触させても、その直後に、上記の細菌に銀を付着させることができる。このため、銀イオン含有液体から銀を継続的に分離除去するために、上記の細菌を新たに生育したり、培養する必要がなく、細菌を所定の状態に保持する等の管理をする必要がない。したがって、銀イオン含有液体から極めて容易に銀を分離除去することができる。
また、この発明の銀の除去方法において、銀イオンを含む液体に上記の細菌の表面部分を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させてもよい。
この場合、上記の細菌の一部分を利用することによって銀を分離除去することができるので、銀イオン含有液体から銀を継続的に分離除去するために、上記の細菌を所定の状態に保持する等の管理をする必要がない。
この発明の銀の除去方法において、上記の細菌を接触させる前の液体中の銀の濃度は、1mg/L未満であることが好ましい。
この場合、特に銀濃度が極めて低濃度の銀イオン含有液体から銀を分離除去することができるので、抗菌や除菌の機能を付与する目的で用いられる銀イオン含有液体の廃液処理を効果的に行うことができる。
この発明に従った洗濯機は、洗濯に用いられる水に銀イオンを添加して銀イオン水を生成する銀イオン水生成手段を備え、銀イオン水生成手段で生成された銀イオン水を繊維構造体に接触させて繊維構造体に銀イオンを付与することが可能な洗濯機であって、洗濯に用いられる水に接触するように配置され、銀イオンを含む水にシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、水中の銀の濃度を低下させる銀回収ユニットを備える。
この発明の洗濯機では、繊維構造体に銀イオンを付与した後の銀イオン含有水に含まれる少量の銀を、銀イオン含有水が洗濯機から排出される前に、回収することができる。
以上のように、この発明によれば、極めて短時間で銀を分離除去することができるので、液が流動している状態でも銀の分離除去処理を行うことができるとともに、比較的低濃度の銀イオン含有液からでも効果的に銀を分離除去して回収することができるので、抗菌や除菌の目的で使用された銀イオン含有液体の廃液処理を効果的に行うことができる。
この発明は、発明者が鋭意検討し、以下の実験の結果による知見に基づいてなされたものである。
(実験例1)
本発明の方法の一つの実験例としてシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)(以下、「S. oneidensis」という)を、または、一つの参考例としてシワネラ アルゲ(Shewanella algae)(以下、「S. algae」という)を所定の濃度の銀イオン含有水と混合した後の銀濃度を調べた。
まず、硝酸銀を純水に溶解して作製した銀イオン含有水に、上記のそれぞれの細菌を含有個数が4×1015cells/mとなるように添加した。所定時間が経過した後に、水を採取し、遠心分離によって細菌を分離した後、原子吸光光度計にて液相中の銀濃度を測定した。また、分離された菌を透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(TEM−EDX)で観察し、分析した。
上記の実験の結果、S. oneidensisまたはS. algaeのいずれの細菌の場合にも、銀イオン含有水と細菌を混合した直後に、あるいは瞬時に、黒褐色の懸濁物が生成されることを確認することができた。
また、TEM−EDXの分析結果から、菌体に1〜100nm程度の大きさの微粒子が付着していることを確認することができた。微粒子の組成は条件や粒子毎に微妙に異なるが、分析結果の一例を表1に示す。
Figure 0004273161
表1に示すように、多くの微粒子において銀(Ag)の含有量が高い結果が得られた。なお、この分析対象物には、菌体の成分も一部含まれているものと考えられ、表1に示す炭素(C)、酸素(O)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)などの値には、菌体の成分が含まれている可能性がある。したがって、微粒子のみを対象にして分析した場合、銀の含有量はもっと高い可能性がある。
表1に示す分析結果から、この微粒子には、金属銀が含まれているものと考えられる。また、この微粒子は、細菌と銀イオン含有水を混合した直後に確認することができた黒褐色の懸濁物であると考えられる。さらに、銀イオン含有水中の銀イオンが、細菌に接触した直後に銀を含む微粒子となり、瞬時に菌体の表面に付着して液相中から除去されているものと推測される。
図1は、上記の実験にて、銀濃度が136mg/L、71mg/Lの銀イオン含有水に対して、S. oneidensis(ATCC 700550)、S. algae(ATCC 51181)のそれぞれを使用し、これらの細菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。なお、図1において、□は銀濃度が136mg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisを混合した場合、■は銀濃度が136mg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合、△は銀濃度が71mg/Lの銀イオン含有水にS. algaeを混合した場合、▲は銀濃度が71mg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合のそれぞれの銀濃度の時間的変化を示す。
図1から、S. oneidensisまたはS. algaeのいずれの細菌を使用した場合においても、1分経過後の測定で、136mg/Lから9mg/L(S. oneidensi)、71mg/Lから24mg/L(S. algae)と、急激に液相中の銀濃度が低下していることがわかる。これは、銀イオンが瞬時に液相中から除去されるという上記の推測と一致する。このように、銀濃度が瞬時に低下するので、流水中の銀イオンを除去する場合に、銀イオン含有水と上記の細菌との接触時間を長くする必要がない。
また、図1に示すように、S. oneidensisを使用した場合は、S. algaeを使用した場合と比較して、銀濃度がより低くなっている。特に、S. oneidensisは、S. algaeを使用した場合と比較して、短時間(1分)経過後における銀濃度の低下量が大きいことがわかる。この点から、銀イオン含有水から銀を分離除去するためにS. oneidensiを用いることは、特に有効であるといえる。
上述したように、分離除去された銀は、菌体に付着しているので、細菌を回収することによって銀を回収することができる。また、この分離除去された銀は金属銀の状態であるので、還元する必要がなく、貴金属として利用しやすい。また、1〜100nm程度の大きさの微粒子が生成するので、酸化触媒などの微粒子として利用することもできる。
(実験例2)
本発明のもう一つの実験例またはもう一つの参考例として、実験例1よりも銀濃度が低い銀イオン含有水を用いて、S. oneidensisまたはS. algaeを銀イオン含有水と混合した後の銀濃度を調べた。また、比較のため、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(以下、「P. aeruginosa」という)を実験例1よりも銀濃度が低い銀イオン含有水と混合した後の銀濃度も調べた。実験方法は、実験例1と同様の方法で行った。
図2は、上記の実験にて、銀濃度が85μg/L、93μg/L、129μg/Lの銀イオン含有水に対して、S. oneidensis(ATCC 700550)、S. algae(ATCC 51181)、P. aeruginosa(NBRC 3080)のそれぞれを使用し、これらの細菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。なお、図2において、□は銀濃度が85μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisを混合した場合、■は銀濃度が85μg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合、△は銀濃度が93μg/Lの銀イオン含有水にS. algaeを混合した場合、▲は銀濃度が93μg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合、○は銀濃度が129μg/Lの銀イオン含有水にP. aeruginosaを混合した場合、●は銀濃度が129μg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合のそれぞれの銀濃度の時間的変化を示す。
図2から、P. aeruginosaを使用した場合では、30分経過しても銀濃度は64μg/Lまでしか低下しないのに対し、S. oneidensis、S. algaeを使用した場合では、30分経過すると、銀濃度が2〜3μg/Lまで低下しており、急激に液相中の銀濃度が低下していることがわかる。このように、本発明の特定された細菌を用いた方法では、低濃度の銀イオン含有水に対しても、銀の分離除去において高い効果を示すことがわかる。
また、特に、S. oneidensisを使用した方法では、1分経過後に銀濃度が9μg/Lまで低下しており、短時間で銀を分離除去する効果が顕著であった。このようにS. oneidensisを用いることによって、銀イオン含有水中からの銀の除去において、短時間でより高い効果を得ることができる。このような短時間で銀を除去することができるという効果は、流水から銀イオンを除去する場合には、極めて重要である。
(実験例3)
本発明のさらにもう一つの実験例として、実験例2よりも銀濃度が低い銀イオン含有水を用いて、S. oneidensisを銀イオン含有水と混合した後の銀濃度を調べた。また、比較のため、P. aeruginosaを実験例2よりも銀濃度が低い銀イオン含有水と混合した後の銀濃度も調べた。実験方法は、実験例1と同様の方法で行った。
図3は、上記の実験にて、銀濃度が39μg/L、14μg/L、9μg/Lの銀イオン含有水に対して、S. oneidensis(ATCC 700550)を使用し、この細菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。図4は、上記の実験にて、銀濃度が40μg/L、17μg/Lの銀イオン含有水に対して、P. aeruginosa(NBRC 3080)を使用し、この細菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。なお、図3において、△は銀濃度が39μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisを混合した場合、□は銀濃度が14μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisを混合した場合、○は銀濃度が9μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisを混合した場合、図4において、△は銀濃度が40μg/Lの銀イオン含有水にP. aeruginosaを混合した場合、◇は銀濃度が17μg/Lの銀イオン含有水にP. aeruginosaを混合した場合のそれぞれの銀濃度の時間的変化を示す。
図3から、S. oneidensisを使用した場合では、40〜10μg/Lといった非常に低い銀濃度の銀イオン含有水に対しても、1分経過後には銀濃度が3〜5μg/Lまで低下していることがわかる。これに対し、P. aeruginosaを使用した場合では、30分経過した後でも、15μg/L程度までしか銀濃度が低下せず、銀濃度の除去効果が飽和しているものと考えられる。したがって、S. oneidensisを用いることによって、非常に低い銀濃度の銀イオン含有水に対しても、銀イオン含有水中からの銀の除去において、短時間でより高い効果を得ることができる。
(実験例4)
本発明の別の実験例として、死んだ菌体としてのS. oneidensisを、実験例3と同様に銀濃度が低い銀イオン含有水と混合した後の銀濃度を調べた。
まず、オートクレーブを使用し、S. oneidensisに対して1気圧(ゲージ圧)、温度121℃、15分間の滅菌処理を行なった。このようにして死んだ菌体としてのS. oneidensisを用いて、実験1と同様の実験を行った。
図5は、上記の実験にて、銀濃度が24μg/Lの銀イオン含有水に対して、死んだ菌体としてのS. oneidensis(ATCC 700550)を使用し、この死菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。図6は、上記の実験にて、銀濃度が8μg/Lの銀イオン含有水に対して、死んだ菌体としてのS. oneidensis(ATCC 700550)を使用し、この死菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。なお、図5において、□は銀濃度が24μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisの死菌を混合した場合、■は銀濃度が24μg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合、図6において、□は銀濃度が8μg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisの死菌を混合した場合、■は銀濃度が8μg/Lの銀イオン含有水に細菌を混合しない場合のそれぞれの銀濃度の時間的変化を示す。
図5と図6から、S. oneidensisの死菌を用いた場合、1分経過後には銀濃度は初期濃度の1/10程度まで低下していることがわかる。
この結果から、S. oneidensisによる銀イオンの除去作用は、S. oneidensisの生死とは関係なく、発揮されるものであることがわかる。
また、S. oneidensisによる銀イオンの除去は、1分経過した後には銀濃度が低下していること、実験1で示したように、銀イオン含有水と細菌を混合した直後に懸濁物が生じることから、通常の細菌の活動に伴う反応に比べて、非常に急激に行われる作用によるものであることがわかる。
これらの実験結果から、S. oneidensisによる銀イオンの除去作用は、代謝などの生菌の生命活動によるものではなく、菌体表面のタンパク質や酵素による触媒作用などの化学反応によるものであることが推測される。
したがって、細菌の死体を利用すること、または、この反応に係る菌体の一部分を利用することによって、銀イオン含有水から銀の分離除去を行うことができるものと考えられる。このように、死菌、または、菌体の表面などの菌体の一部を使用することによって、銀イオン含有水から銀の分離除去を行うことができるので、銀の分離除去を継続的に行うために、細菌を生きたまま保つ必要がなくなり、温度、湿度などに関して厳密な制御を行う必要がない。また、銀を分離除去するために、用いられる細菌が死滅すること、または、用いられる細菌が過剰に増殖すること等によって、問題が発生するのを防ぐことができる。
また、実験例1〜4に示したS. oneidensis、S. algaeによる銀イオンの除去効果は、好気性、嫌気性条件によらず発揮された。また、これらの細菌による銀イオンの除去効果は、添加剤を用いることなく、発揮された。このように、添加剤が不要で、かつ、銀の除去効果が高いので、S. oneidensis、S. algaeを用いて銀を回収することは有用である。
(実験例5)
S. oneidensisを用いて、パラジウムイオンの除去と銀イオンの除去の実験を行った。
基本的に実験例1と同じ条件で行った。ただし、パラジウムイオンの除去については、硝酸銀の代わりに塩化パラジウム酸ナトリウムを使用してパラジウムイオン溶液を作製した。また、本実験では、細菌とともに乳酸塩(乳酸ナトリウム)を添加することによってパラジウムイオンの除去と銀イオンの除去の実験も行った。
上記の実験の結果、パラジウムイオンの場合には、銀イオンの場合と異なり、細菌と混合した直後に懸濁物が生じるようなことはなく、30分程度経過すると、徐々に懸濁物が生成されることを確認することができた。
図7は、上記の実験にて、パラジウム濃度が99mg/L、110mg/Lのパラジウムイオン含有水に対し、S. oneidensis(ATCC 700550)を使用し、この細菌によるパラジウムイオンの除去の実験結果、すなわち、パラジウムイオン含有水におけるパラジウム濃度の時間的変化を示す図である。図8は、上記の実験にて、銀濃度が123mg/L、136mg/Lの銀イオン含有水に対してS. oneidensis(ATCC 700550)を使用し、この細菌による銀イオンの除去の実験結果、すなわち、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。なお、図7において、□はパラジウム濃度が99mg/Lのパラジウムイオン含有水にS. oneidensisとともに乳酸ナトリウムを添加した場合、△はパラジウム濃度が110mg/Lのパラジウムイオン含有水にS. oneidensisのみを添加した場合、■はパラジウム濃度が110mg/Lのパラジウムイオン含有水に乳酸ナトリウムを添加し、細菌を混合しない場合、図8において、□は銀濃度が123mg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisとともに乳酸ナトリウムを添加した場合、△は銀濃度が136mg/Lの銀イオン含有水にS. oneidensisのみを添加した場合、■は銀濃度が123mg/Lの銀イオン含有水に乳酸ナトリウムを添加し、細菌を混合しない場合のそれぞれの銀濃度の時間的変化を示す。
図7から、パラジウムイオン含有水に対しては、乳酸塩を添加しない場合には、パラジウムイオンの除去効果はほとんどないことがわかる。また、乳酸塩を添加した場合では、10分経過すると、パラジウム濃度は99mg/Lから15mg/L程度まで低下することがわかる。
これに対し、図8から、銀イオン含有水に対しては、乳酸塩の添加の有無にかかわらず、銀イオンの除去効果があることがわかる。また、1分経過した後には、銀濃度が初期濃度の1/10以下まで低下しており、パラジウムイオン含有水の場合と比較して、短時間で多量の銀イオンを分離除去することができるという効果があることがわかる。
このように、S. oneidensisによるパラジウムイオン含有水の処理では、パラジウム濃度が低下するのに時間がかかるため、流水からパラジウムイオンを効果的に分離除去することは困難である。また、S. oneidensisを用いてパラジウムイオンを除去するためには、乳酸塩などの添加剤が必要となるため、継続した分離除去を行うためには添加剤を供給することが必要になるという問題がある。
なお、パラジウムイオン含有水からパラジウムを分離除去処理するために乳酸塩が必須である理由は、その分離除去が、乳酸塩の酸化に伴ってパラジウムイオンの還元が起こることによる作用に依存しているからであると考えられる。このように銀イオンとパラジウムイオンの分離除去処理において作用が異なるということは、本発明においてS. oneidensisを用いて銀イオンが分離除去される作用が、従来のパラジウムイオンの分離除去作用とは異なる機構によるものであることを示唆しているといえる。
以上の実験結果に基づいて、本発明の銀の除去方法は、銀イオンを含む液体、一例として銀イオン含有水に、シワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させることを特徴とするものである。なお、対象となる銀イオンを含む液体は、銀イオン含有水に限定されるものではなく、少なくとも銀イオンを含む種々の液体であればよい。
上記の実験例1〜3によれば、銀イオン含有水に、特定されたシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させると、その直後に、上記の細菌に銀を付着させることができる。このため、極めて短時間で液体中の銀の濃度を低下させることができる。また、上記の実験例2と3によれば、銀の濃度が1mg/L未満の低濃度の銀イオン含有液体に対しても、特定されたシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させると、その直後に、上記の細菌に少量の銀を付着させることができる。したがって、この発明の銀の除去方法によれば、極めて短時間で銀を分離除去することができるとともに、比較的低濃度の銀イオン含有水からでも効果的に銀を分離除去して回収することができる。
上記の実験例4によれば、上記の特定された細菌を死滅させた状態で、銀イオンを含む液体に接触させても、その直後に、上記の細菌に銀を付着させることができる。このため、銀イオン含有液体から銀を継続的に分離除去するために、上記の細菌を新たに生育したり、培養する必要がなく、細菌を所定の状態に保持する等の管理をする必要がない。したがって、銀イオン含有液体から極めて容易に銀を分離除去することができる。
また、この発明の銀の除去方法において、銀イオンを含む液体に上記の細菌の表面部分を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させてもよい。この場合、上記の細菌の一部分を利用することによって銀を分離除去することができるので、銀イオン含有液体から銀を継続的に分離除去するために、上記の細菌を所定の状態に保持する等の管理をする必要がない。
上記の実験例2と3によれば、上記の細菌を接触させる前の液体中の銀の濃度が1mg/L未満の場合、特に銀濃度が極めて低濃度の銀イオン含有液体から銀を分離除去することができるので、抗菌や除菌の機能を付与する目的で用いられる銀イオン含有液体の廃液処理を効果的に行うことができる。
以上の本発明の銀の除去方法の一つの応用例として洗濯機に適用した場合について次に説明する。
(実施の形態)
以下、この発明の洗濯機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、洗濯機の構成について説明する。
図9は、洗濯機の全体構成を示す垂直断面図である。洗濯機1は、全自動型のものである。
図9に示すように、洗濯機1は外装10を備えている。外装10は、直方体形状で、その上面および底面は開口部となっている。外装10の上面開口部には、合成樹脂製の上面板11が重ねられ、この上面板11が外装10にネジで固定されている。
上面板11には、後述する洗濯槽30に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設されている。蓋16は、上面板11にヒンジ部17で結合され、垂直面内で回動するとともに、洗濯物投入口15を上から覆う。
外装10の内部には、水槽20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽30とが配置されている。水槽20および洗濯槽30は、両者ともに、上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々の軸線が鉛直方向となり、かつ、水槽20が外側、洗濯槽30が内側となるように同心状に配置されている。
水槽20は、サスペンション部材21によって吊り下げられている。
洗濯槽30の内部底面には、槽内で洗濯水あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33が配置されている。パルセータ33で覆われる洗濯槽30の底部には、排水口34が形成されている。
水槽20の下面には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、モータ41、クラッチ機構42およびブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から、脱水軸44とパルセータ軸45とが上向きに突出している。
図9に示すように、水槽20の底部には、水槽20および洗濯槽30の中の水を外装10の外に排水する排水経路として排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には、排水管61から水が流れ込む。排水管61は、水槽20の底面の外周寄りの箇所に連結されている。
洗濯槽30に供給された水は、排水時には、洗濯槽30の下部の排水口34を通じて、洗濯槽30と水槽20の間の空間に排出され、排水管61、排水弁62を通って排水ホース60内へ流れ込み、外部へ排出される。また、洗濯槽30内の水は、洗濯槽30の脱水孔31を通って洗濯槽30と水槽20の間の空間に排出され、排水管61、排水弁62を通って排水ホース60内へ流れ込み、外部へ排出される。
排水ホース60には、銀回収ユニット200が設けられている。洗濯槽30から排出された水は、排水ホース60内を流通する際に銀回収ユニット200の内部を通過する。
排水管61には、電磁的に開閉する排水弁62が設けられている。排水管61の排水弁62の上流側にあたる箇所には、エアトラップ(図示せず)が設けられており、エアトラップからは導圧管70が延び出している。導圧管70の上端には、洗濯槽30または水槽20の水量検知手段である水位スイッチ71が接続されている。
外装10の正面側には、制御部80が配置されている。制御部80は、上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部81を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水装置2などに動作指令を発する。また、制御部80は、操作/表示部81に表示指令を発する。
バックパネル12の下の空間には、給水装置2が設けられており、給水装置2は、容器状の給水口53に接続されている。給水口53は、洗濯槽30の内部に臨む位置に設けられている。給水装置2は、バックパネル12に設けられた透孔18を通じて上方に突きだす接続管51を有している。接続管51には、水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続されており、ホースを介して水道の蛇口に接続される。給水装置2は、図10に示す構造を有している。前述した給水口53を通して、洗濯槽30に給水されるようになっている。
図10は、給水装置2を正面から見たときの模式的な垂直断面図である。
図10に示すように、給水装置2は、メイン給水弁50aと、サブ給水弁50bと、接続管51と、第1給水経路であるメイン給水管52aと、給水経路であるサブ給水管52bと、メイン給水管52a内を流れる水に銀イオンを添加する銀イオン水生成手段90とからなる。
接続管51の出水側は、メイン給水管52a、サブ給水管52bと連結され、それぞれの給水管は、給水口53に給水できるようになっている。メイン給水管52aには、銀イオン水生成手段90が設けられている。
図11は、銀イオン水生成手段の概略断面図である。図11(A)は水平概略断面図、図11(B)は垂直概略断面図である。
図11(A)、図11(B)に示すように、図10に示す給水装置2内に設けられた銀イオン水生成手段90は、合成樹脂などの絶縁材料から形成されるケース91を有し、ケース91の内部には、板状の銀電極92a、92bが約5mmの距離を隔ててほぼ平行となるように配設されている。銀電極は、たとえば、大きさ20mm×50mm、厚さ1mm程度である。ケース91には、水が流入する流入口94、水が流出する流出口95が設けられており、流入口94からからケース91内に水が流入し、流出口95から水がケース91外に流出することができる。すなわち、銀電極92a、92bの長手方向と平行に水が流れることになる。
銀電極92a、92bが水中に浸かり水が流れている状態で、制御部80により銀電極92a、92b間に電圧が印加される。陽極側の銀電極において、Ag→Ag+eの反応が起こり、水中に銀イオン(Ag)が溶出する。銀電極92aまたは銀電極92bから溶出する銀イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。
銀イオン水の銀イオン濃度は、電極間を流れる電気量と水の量などで制御することができる。銀イオンの溶出量は、低電流域を除いて、電気量(C)=一定電流値(A)×時間(sec)に概ね比例する。また、水量が一定であれば、電気量と得られる銀イオン水の銀濃度には相関がある。このため、洗濯機の設定水位に応じて、電流や電解時間を調節することで、所望濃度の銀イオン水を得ることができる。
例えば、洗濯機の水量が40Lの時、電流値300mAで、130秒間電解を実施することで、銀イオン濃度を約1mg/Lにすることができる。電流値30mA、電解時間130秒の場合には、銀イオン濃度は約100μg/Lとなる。
銀イオン濃度は、洗濯物を抗菌する目的であれば、10〜100μg/L程度が適当であり、洗濯機内のカビの繁殖を抑制する目的であれば、10μg/L〜1mg/L程度が適当である。また、水が洗濯機内に残留した場合にその水の腐敗を抑制する目的であれば、1〜100μg/L程度の銀イオン濃度が適当である。
銀イオン水生成手段90としては、電気分解によるもの以外に、洗濯水に浸漬することにより銀イオンを徐放または溶解できる構造を持つ銀イオン含有物質を使用してもよい。銀イオン含有物質の具体例としては、銀イオンを担持しているゼオライト、シリカゲル、ガラス、りん酸カルシウム、りん酸ジルコニウム、ケイ酸塩、酸化チタン、ウィスカー、セラミックスなど、またはこれらの物質を含む樹脂や繊維などである。
また、洗濯水に銀イオンを付与する手段としては、銀イオン水生成手段を設けるのではなく、銀担持ゼオライトを含む洗剤を使用するなどして、別の形で銀イオンを供給してもよい。
ここで、洗濯水とは、洗いやすすぎに使用される水や除湿のための冷却水など、洗濯機において使用する流体全般をいう。
これらの方法で、洗濯水に添加された銀イオンは、洗濯機1の動作にともない、洗濯中に除菌作用を発揮したり、洗濯物や洗濯機1内部に付着するなどして抗菌作用を発揮したりする。しかし、そのうちいくらかはどこにも付着することなく、排水管61、排水弁62を経て、排水ホース60に流入する。排水ホース60に流入した銀イオンは、銀回収ユニット200に流入し、銀イオンが除去される。その後排水は、下水口などへ排出される。
このように、洗濯機に銀回収ユニットを備えることで、ユーザーが洗濯機を廃棄する際に、メーカーや処分事業者などが洗濯機を回収することで銀を回収でき、銀を再利用することができる。そのため、洗濯機を回収する上でのメリットをもたらし、洗濯機の回収、リサイクルを促進し、不法な廃棄などを抑制することができる。
また、銀回収ユニットを定期的に交換するようにしてもよい。そうすることで、ひとつの銀回収ユニットの使用期間が短くなるので、担持する菌の量を少なくしたり、効果を保持する必要がある期間を短くしたりすることができる。
図12は、排水ホースに取り付けられた、銀回収ユニットを示す図である。図12(A)には、銀回収ユニットが排水ホースに取り付けられた状態を示す。図12(B)には、銀回収ユニットの内部を示す。
図12(A)に示すように、銀回収ユニット200は、排水ホース60の途中に設置されている。排水ホース60と銀回収ユニット200の接続部分は、差込式で着脱が可能になっている。
銀回収ユニット200は、内部に担体201が担持されており、担体201には、一例としてS. oneidensisが担持されている。S. oneidensisの表面に銀を含む微粒子が付着することによって、排水中の銀イオン濃度を低下させることができる。S. oneidensisは、短時間で、あるいは瞬時に、かつ、高い割合で排水中の銀イオン濃度を低下させることができるので、この担体201が、銀イオンを含む水に接触することによって、水から銀イオンを分離除去することができる。
一例として、図12(B)に示すように、銀回収ユニット200の内周壁に凹部が形成されており、この凹部202に担体201の粒子が収納されている。凹部202の開口部には、フィルター203が取り付けられており、銀イオンは通過するが、糸くずなどの侵入を防ぐ構造になっている。
このように、排水のうち、一部がフィルター203を通過して担体201に接触し、一部がフィルター203を通過せず、そのまま排水される構成にすることによって、糸屑などが、担体201に付着したり、詰まったりするのを防ぐことができる。処理対象である銀イオンは水に溶解しているため、フィルター203があっても問題なく担体201に接触することができる。また、担体201において排水からの銀の分離除去は瞬時にしかも高い除去率で行なわれるので、フィルター203を通過せず、そのまま通る水の量を最小限にすることによって、全体として高い除去率を維持することができる。
担体201としては、活性炭やPVAゲルやセラミックスなどの既知の担体を用いることができる。
また、担体201は、生菌ではなく、死菌を担持したり、菌体表面などの菌体の一部分を担持したりしてもよい。その場合、温度や水分や栄養分などを管理する必要が少なくなるというメリットがある。
また、本発明は、上記実施形態でとり上げたような形式の全自動洗濯機の他、横型ドラム(タンブラー方式)、斜めドラム、乾燥機兼用のもの、または二層式など、あらゆる形式の洗濯機に応用可能である。
以上説明したように、この発明に従った洗濯機は、繊維構造体に銀イオンを付与することが可能な洗濯機であって、洗濯に用いられる水に接触するように配置され、銀イオンを含む水にシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、水中の銀の濃度を低下させる銀回収ユニットを備える。
この発明の洗濯機では、繊維構造体に銀イオンを付与した後の銀イオン含有水に含まれる少量の銀を、銀イオン含有水が洗濯機から排出される前に、回収することができる。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
実験例1にて、銀濃度が100mg/L程度の銀イオン含有水にS. oneidensis、S. algaeを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験例2にて、銀濃度が100μg/L程度の低い銀イオン含有水にS. oneidensis、S. algae、P. aeruginosaを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験例3にて、銀濃度が40〜10μg/L程度のより低い銀イオン含有水にS. oneidensisを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験3にて、銀濃度が40〜10μg/L程度のより低い銀イオン含有水にP. aeruginosaを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験例4にて、銀濃度が24μg/Lの銀イオン含有水に、死んだ菌体としてのS. oneidensisを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験例にて、銀濃度が8μg/Lの銀イオン含有水に、死んだ菌体としてのS. oneidensisを混合したとき、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 実験例5にて、パラジウムイオン含有水に、S. oneidensisおよび/または乳酸塩を添加した場合において、パラジウムイオン含有水におけるパラジウム濃度の時間的変化を示す図である。 実験例にて、銀イオン含有水に、S. oneidensisおよび/または乳酸塩を添加した場合において、銀イオン含有水における銀濃度の時間的変化を示す図である。 本発明の一つの実施の形態として、洗濯機の全体構成を示す垂直断面図である。 給水装置を正面から見たときの、模式的な垂直断面図である。 銀イオン水生成手段の概略断面図である。(A)は水平概略断面図、(B)は垂直概略断面図である。 排水ホースに取り付けられた銀回収ユニットを示す図(A)と、銀回収ユニットの内部の一例を示す図(B)である。
符号の説明
1:洗濯機、60:排水ホース、200:銀回収ユニット、201:担体。

Claims (5)

  1. 銀イオンを含む液体にシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させることを特徴とする、銀の除去方法。
  2. 前記細菌は、死んだ菌体を含む、請求項1に記載の銀の除去方法。
  3. 銀イオンを含む液体に前記細菌の表面部分を接触させることによって、液体中の銀の濃度を低下させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の銀の除去方法。
  4. 前記細菌を接触させる前の前記液体中の銀の濃度は、1mg/L未満である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の銀の除去方法。
  5. 洗濯に用いられる水に銀イオンを添加して銀イオン水を生成する銀イオン水生成手段を備え、
    前記銀イオン水生成手段で生成された銀イオン水を繊維構造体に接触させて繊維構造体に銀イオンを付与することが可能な洗濯機であって、
    洗濯に用いられる水に接触するように配置され、銀イオンを含む水にシワネラ オネイデンシス(Shewanella oneidensis)の細菌を接触させることによって、水中の銀の濃度を低下させる銀回収ユニットを備える、洗濯機。
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