JP2005160744A - 殺菌容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被殺菌物をムラなく殺菌処理する。殺菌効果を安定して得る。殺菌処理を安心して行えるようにする。
【解決手段】 殺菌容器としての容器1に、貯水部2と、イオン溶出ユニット3とを設ける。貯水部2内には、イオン溶出ユニット3の電極11・12から溶出された金属イオンを含む液体が殺菌水として貯えられる。これにより、貯水部2内の液体中に被殺菌物を浸漬させれば、液体中の金属イオンが被殺菌物に対して全体的に均一に浸透する。また、殺菌水としての液体中に含まれるのは金属イオンであるので、液体の温度を多少増減させても、液体中の金属イオン量が変動することはなく、また、液体自体が大幅に蒸発することもない。したがって、液体の金属イオン濃度が大きく変動することはなく、有害物質が発生することもない。
【選択図】 図1
【解決手段】 殺菌容器としての容器1に、貯水部2と、イオン溶出ユニット3とを設ける。貯水部2内には、イオン溶出ユニット3の電極11・12から溶出された金属イオンを含む液体が殺菌水として貯えられる。これにより、貯水部2内の液体中に被殺菌物を浸漬させれば、液体中の金属イオンが被殺菌物に対して全体的に均一に浸透する。また、殺菌水としての液体中に含まれるのは金属イオンであるので、液体の温度を多少増減させても、液体中の金属イオン量が変動することはなく、また、液体自体が大幅に蒸発することもない。したがって、液体の金属イオン濃度が大きく変動することはなく、有害物質が発生することもない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被殺菌物を殺菌処理する殺菌容器に関するものであり、特に、被殺菌物を内部の液体に浸漬することで、被殺菌物を殺菌処理する殺菌容器に関するものである。
近年、清潔志向による除菌や殺菌のニーズが高まってきている。このような除菌や殺菌は、殺菌水を利用して行うことができる。殺菌水としては、例えば、次亜塩素水、オゾン水、金属イオン水などがある。このうち、金属イオン水、特に銀イオン水は、高い殺菌性(抗菌性)を示すことから、殺菌水として最近注目を集めており、衛生面で配慮が必要なあらゆる場面で用いられる傾向にある。
このような殺菌水を用いて被殺菌物を殺菌する技術については、例えば特許文献1および2に開示されたものがある。より詳しくは、特許文献1には、金属イオンを含む殺菌水を吐出部から被殺菌物に吹きかける構成とすることで、小型で手軽に持ち運ぶことを可能にした殺菌水生成器が開示されている。また、特許文献2には、足温浴槽内に次亜塩素酸を含む電解水を殺菌水として供給することで、足温浴槽内における雑菌の繁殖を抑制した足温浴器が開示されている。
特開2000−153278号公報
特開2003−180790号公報
ところが、特許文献1の構成では、殺菌水の被殺菌物への吹きかけにムラが生じる場合があり、被殺菌物をムラなく殺菌することが難しいという問題が生ずる。また、特許文献2の構成では、殺菌水として用いた次亜塩素酸は加熱すると揮発するので、殺菌水の濃度低下や、揮発時の臭気の発生によって人体に悪影響をもたらすという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、被殺菌物をムラなく殺菌できるとともに、殺菌効果を安定して得ることができ、かつ、殺菌処理を安心して行うことができる殺菌容器を提供することにある。
(1)本発明の殺菌容器は、被殺菌物を内部で殺菌処理する殺菌容器であって、被殺菌物が浸漬される液体を貯える貯水部と、電極から金属イオンを溶出し、上記液体に添加するイオン溶出ユニットとを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、貯水部内には、イオン溶出ユニットの電極から溶出された金属イオンを含む液体(殺菌水)が貯えられるので、この液体中に被殺菌物を浸漬させれば、液体中の金属イオンが被殺菌物に対して全体的に均一に浸透する。これにより、被殺菌物を貯水部内で均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを抑制することができる。
また、殺菌水としての上記液体中に含まれるのは金属イオンであるので、殺菌効果を有効に得るべく、例えば上記液体を加熱しても、液体中の金属イオン量が変動することはない。また、加熱温度が比較的低温(例えば20℃以上45℃以下)であれば、液体自体が大幅に蒸発することもない。したがって、液体の金属イオン濃度が大きく変動することはなく、また、有害物質が発生することもない。その結果、殺菌効果を安定して得ることができるとともに、殺菌処理を安心して行うことができる。
(2)本発明の殺菌容器は、上記貯水部内の液体中の金属イオン濃度を設定するための濃度設定部と、上記電極に通電する電源部と、上記電源部による上記電極への通電を制御する通電制御部とをさらに備え、上記通電制御部は、上記濃度設定部にて設定された金属イオン濃度が上記液体にて得られるように、上記電源部を制御する構成であってもよい。
ユーザーが濃度設定部にて金属イオン濃度を設定すると、通電制御部は、上記金属イオン濃度が得られるように電源部を制御する。このような濃度制御は、例えば、イオン溶出ユニットの電極に通電する時間を制御することで実現可能である。この構成により、殺菌処理にあたり、ユーザーの意図に応じた金属イオン濃度を実現することができるとともに、被殺菌物の種類に応じた金属イオン濃度で、被殺菌物を適切に殺菌処理することができる。
(3)本発明の殺菌容器は、上記被殺菌物を上記貯水部に対して出し入れするための開口部と、上記開口部に対して開閉可能に設けられる蓋部とをさらに備え、上記イオン溶出ユニットは、上記蓋部に設けられている構成であってもよい。
ここで、イオン溶出ユニットは、上記蓋部を閉めたときに上記電極の全部または一部が上記貯水部内の液体に浸かるように、上記蓋部に設けられてもよいし、上記蓋部を閉めたときに上記電極が上記液体につからないように、上記蓋部に設けられてもよい。上記後者の場合は、例えば、本殺菌容器内にポンプを設け、貯水部内の液体をポンプでくみ上げて上記電極を通過させ、貯水部に戻す構成とすることも可能である。
上記の構成では、イオン溶出ユニットが蓋部に設けられているので、蓋部を開けているときは、イオン溶出ユニットを貯水部内から離脱させることができる。これにより、イオン溶出ユニットを貯水部に設置する構成に比べて、貯水部内を広く有効活用することができる。その結果、多量の被殺菌物や大きな殺菌物でも、貯水部内の液体(殺菌水)にて一度に殺菌処理することが可能となる。
特に、イオン溶出ユニットが、上記蓋部を閉めたときに上記電極の全部または一部が上記貯水部内の液体に浸かるように、上記蓋部に設けられれば、蓋部を閉めた状態で、イオン溶出ユニットから貯水部内の液体に金属イオンを溶出させることができる。したがって、イオン溶出ユニットを蓋部に設ける構成であっても、貯水部内で、金属イオンを含む殺菌水を確実に生成することができる。
(4)本発明の殺菌容器は、上記電極に通電する電源部と、上記電源部による上記電極への通電を制御する通電制御部とが設けられており、上記通電制御部は、上記蓋部を閉めたときに上記電極が通電状態となり、上記蓋部を開けたときに上記電極が非通電状態となるように、上記電源部を制御する構成であってもよい。
上記のように通電制御部が電源部を制御することにより、蓋部を閉めているときには、電極への通電により、貯水部内の液体に金属イオンが溶出されるので、貯水部内にて金属イオンを含む液体(殺菌水)を得ることができる。一方、蓋部を開けているときは、電極に通電されないので、蓋部を開けている状態でユーザーが電極に手を触れても感電することがなく、感電事故を防止することができる。
(5)本発明の殺菌容器は、上記電極を保護する保護手段をさらに備えている構成であってもよい。
この場合、保護手段により、ユーザーが電極に触れたり、異物が電極に触れるのを妨げることができる。したがって、電極への通電中に、ユーザーが電極に手を触れることによる感電事故や、異物が挟まることによる電極の短絡を防止することができ、安全性を高めることができる。
(6)本発明の殺菌容器は、上記イオン溶出ユニットは、当該容器に対して着脱可能に設けられている構成であってもよい。
この構成によれば、イオン溶出ユニットを容器から取り外して、そのメンテナンスを容易に行うことができる。例えば、電極に付着したスケールを容易に除去することができる。なお、イオン溶出ユニットが着脱可能に設けられるのであれば、イオン溶出ユニットは貯水部内に設けられてもよいし、貯水部外に設けられてもよい。また、上記(3)とも関連するが、蓋部を容器に対して取り外し可能に設けるとともに、その蓋部にイオン溶出ユニットを取り付けて、イオン溶出ユニットを蓋部ごと容器に対して脱着可能な構成としてもよい。
(7)本発明の殺菌容器は、上記貯水部内の液体を加熱する加熱手段をさらに備えている構成であってもよい。
加熱手段によって上記液体が加熱されると、菌の活性が低下し、上記液体に含まれる金属イオンに対する耐性が弱まる。これにより、上記金属イオンによる殺菌効果を高めることができる。
(8)本発明の殺菌容器は、上記液体の温度を設定するための温度設定部と、上記温度設定部にて設定された温度が上記液体にて得られるように、上記加熱手段を制御する温度制御部とをさらに備えている構成であってもよい。
ユーザーが温度設定部にて加熱温度を設定すると、温度制御部は、上記液体温度が上記設定温度となるように加熱手段を制御(例えばON/OFF制御)する。これにより、貯水部内の液体温度をユーザーの意図に応じて設定することができる。また、貯水部内の液体温度を被殺菌物の種類に応じて上げて、上記液体中に含まれる金属イオンによる殺菌効果を有効に得ることもできる。
(9)本発明の殺菌容器は、上記貯水部内の液体を攪拌する攪拌手段をさらに備えている構成であってもよい。
攪拌手段により、イオン溶出ユニットから溶出された金属イオンを、貯水部内の液体中で均一に分散させることができる。したがって、攪拌後に被殺菌物を貯水部内の液体に浸漬させたときに、被殺菌物をより均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを確実に無くすことができる。
(10)本発明の殺菌容器において、上記攪拌手段は、超音波振動子で構成されていてもよい。
超音波振動子によって上記液体が攪拌されれば、貯水部内の液体中でスケールが形成されていたとしても、そのスケールが超音波振動により確実に分散し、電極に付着しにくくなる。したがって、そのスケールが電極に蓄積されて、電極間が短絡するのを確実に防止することができる。
(11)本発明の殺菌容器は、上記貯水部内の液体を排水する排水手段をさらに備えている構成であってもよい。
この構成によれば、殺菌処理後の液体を排水手段によって排水することができるので、殺菌処理後は、電極および貯水部内を乾燥させて、これらへのスケールの付着およびヌメリの発生を抑えることができる。
本発明によれば、被殺菌物をムラなく殺菌処理することができるとともに、殺菌効果を安定して得ることができ、また、殺菌処理を安心して行うこともできる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の実施の一形態について、図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1.殺菌容器の概略的な構成)
図1は、本実施形態の殺菌容器としての容器1の概略の構成を示す一部破断断面図である。容器1は、人が容易に持ち運ぶことが可能な大きさおよび重さとなっており、被殺菌物を容器1内に出し入れするための開口部1aを有している。ここで、上記の被殺菌物としては、例えば、人体の一部(手、足)、小型のペット、衣類、タオル、靴、雑巾などを想定することができる。
図1は、本実施形態の殺菌容器としての容器1の概略の構成を示す一部破断断面図である。容器1は、人が容易に持ち運ぶことが可能な大きさおよび重さとなっており、被殺菌物を容器1内に出し入れするための開口部1aを有している。ここで、上記の被殺菌物としては、例えば、人体の一部(手、足)、小型のペット、衣類、タオル、靴、雑巾などを想定することができる。
本発明は、容器1の内部にて殺菌水として金属イオン水(例えば銀イオン水)を生成し、開口部1aを介して被殺菌物を内部の殺菌水に浸漬させることにより、被殺菌物を殺菌処理する点に大きな特徴がある。以下、容器1の具体的な構成について説明する。
容器1には、貯水部2と、イオン溶出ユニット3と、電源部4と、操作部5と、加熱手段6と、攪拌手段7と、排水手段8と、電極保護部材9と、制御部10とが設けられている。
(2.貯水部)
貯水部2は、被殺菌物が浸漬される液体を貯える槽である。上記の液体は、水道水であってもよいし、洗剤や柔軟材等の仕上剤を水道水に添加したものであってもよいし、さらには、お湯であってもよい。さらには、上記液体は、蒸留水や、イオン交換水や、電解水や軟水でもよい。軟水であれば、スケールが後述するイオン溶出ユニット3の電極11・12に付着するのを防ぐことができる。
貯水部2は、被殺菌物が浸漬される液体を貯える槽である。上記の液体は、水道水であってもよいし、洗剤や柔軟材等の仕上剤を水道水に添加したものであってもよいし、さらには、お湯であってもよい。さらには、上記液体は、蒸留水や、イオン交換水や、電解水や軟水でもよい。軟水であれば、スケールが後述するイオン溶出ユニット3の電極11・12に付着するのを防ぐことができる。
(3.イオン溶出ユニット)
イオン溶出ユニット3は、貯水部2内の液体中に金属イオンを溶出するものである。ここで、図2は、イオン溶出ユニット3の詳細な構成を示す断面図である。イオン溶出ユニット3は、一対の電極11・12と、スペーサ13・13と、電極保護筒14とを有して構成されている。以下、イオン溶出ユニット3の詳細について説明する。
イオン溶出ユニット3は、貯水部2内の液体中に金属イオンを溶出するものである。ここで、図2は、イオン溶出ユニット3の詳細な構成を示す断面図である。イオン溶出ユニット3は、一対の電極11・12と、スペーサ13・13と、電極保護筒14とを有して構成されている。以下、イオン溶出ユニット3の詳細について説明する。
電極11・12は、金属イオンを溶出するものである。電極11・12を構成する金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛もしくはそれらの合金であることが好ましい。銀電極から溶出する銀イオン、亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、殺菌(抗菌)効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは、防カビ性に優れている。また、これらの合金からは、成分金属のイオンを同時に溶出させるので、優れた殺菌(抗菌)効果および防カビ効果を得ることができる。本実施形態では、電極11・12を銀電極で構成している。
なお、通常、殺菌と言えば、瞬間的に菌を殺菌、除菌することを言い、抗菌とは、将来的に付着する菌に対して殺菌、除菌することを言うが、経時的な違いを除けば、どちらも菌の繁殖を無くすという点では同じであるため、本明細書では、殺菌という語を、抗菌の意味も含めて統一して用いるものとする。
電極11・12が貯水部2内の液体(原水)に浸漬しているときに、後述する制御部10の制御のもとで、電源部4から電極11・12間に電圧を印加すると(電流を流すと)、陽極側の電極にて、Ag→Ag++e-の反応が起こり、上記液体に銀イオンが溶出される。これにより、銀イオンを含む殺菌水が得られる。なお、金属イオン溶出量は、電極11・12間に流す電流の大きさによって決まる。また、本実施形態では、一定時間おきに反対の極性の電圧を電極11・12に印加することにより、電極11・12へのスケールの付着を抑制しているとともに、片側のみの電極消耗を抑制している。
なお、本実施形態では、金属イオンを溶出する電極として、電極11・12の2枚を用意しているが、3枚以上の複数枚であってもよい。つまり、電極は、二対(4枚)や三対(6枚)であってもよく、陽極に2枚、陰極に1枚(あるいはその逆)であってもよい。さらに、陽極が金属イオンを溶出する電極で、陰極が金属イオンを溶出しない電極(例えば貴金属メッキの電極、炭素電極、導電性プラスティックなど)であってもよい。
スペーサ13・13は、電極11・12間を一定の間隔で保持するためのものであり、電極11・12の両端にそれぞれ設けられている。
電極保護筒14は、電極11・12を覆うように設けられ、電極11・12を保護するカバーの役目を果たしている。この電極保護筒14は、人の指が入らないような幅(例えば幅5mm以下)の開口部(スリット)を複数有している。
このように電極保護筒14によって電極11・12を保護することにより、電極11・12間に通電中に、ユーザーが電極11・12に手を触れることによる感電などの事故を防ぐことができる。また、衣類などを容器1に入れた状態で通電を行った場合に、電極11・12間に異物が挟み込まれ、電極11・12間が短絡するのを防ぐこともできる。また、電極11・12は、電極保護筒14の開口部を介して浸透する液体に浸るので、上記液体中での金属イオンの溶出が妨げられることはない。
なお、電極保護筒14は、このようにスリット状でなくても、図3に示すように、例えば直径5mm以下の穴が並設される網目状で構成されても構わない。また、上記のスリットや穴は、一つだけであっても構わない。
また、上記の電極11・12は、一方の電極には触れても、他方の電極には触れることができないように、容器1内で配置されてもよい。例えば、図4に示すように、貯水部2の壁面の一部に凹部15を形成し、一方の電極(例えば電極11)を凹部15の底面と対向するように設け、他方の電極(例えば電極12)を凹部15の開口部15aから露出するように設けるようにしてもよい。これにより、一方の電極が邪魔になって他方の電極に物が触れることはない。また、電極11・12間に異物が挟み込まれ、電極11・12間が短絡するのを防ぐことができる。したがって、この場合は、上記した電極保護筒14の設置を不要とすることもできる。
さらに、図5(a)に示すように、電極11・12間に所定の間隙を形成したまま、電極11・12の両端部を筒状の電極保護ケース16で囲み、一方の電極(例えば電極11)が貯水部2の壁面と他方の電極(例えば電極12)との間に位置するように、電極保護ケース16を貯水部2の壁面に設置するようにしてもよい。なお、図5(b)は、同図(a)の電極保護ケース16を拡大した断面図であり、図5(c)は、電極保護ケース16を電極12側の開口部16a側から見たときの、当該電極保護ケース16の正面図である。
また、図6(a)に示すように、底面を有する電極保護ケース17内に電極11・12を収容して、この電極保護ケース17を貯水部2内に配置するとともに、電極保護ケース17内では、一方の電極(例えば電極11)をケース底面と他方の電極(例えば電極12)との間に配置し、他方の電極を電極保護ケース17の開口部17aから露出するように配置するようにしてもよい。なお、図6(b)は、電極保護ケース17を開口部17a側から見たときの、当該電極保護ケース17の正面図である。これらの構成であっても、図4の構成と同様の効果を得ることができる。
また、図7に示すように、電極11・12間に電極仕切り板18を設置してもよい。この電極仕切り板18は、例えば非導電性材料(例えばプラスチック)の網で構成することが可能である。この構成であっても、貯水部2内に浸漬している異物が電極11・12間に挟まりにくくなるので、電極11・12間の短絡を防ぐことができるなど、図4の構成と同様の効果を得ることができる。
以上のことから、凹部15、電極保護ケース16・17および電極仕切り板18は、電極保護筒14と同様に、電極11・12を保護する保護手段として機能するとも言える。
(4.電源部)
電源部4は、容器1の各部に電源供給を行うものであり、本実施形態では、特に、イオン溶出ユニット3の電極11・12に通電するための電源として機能している。この電源部4は、家庭用のコンセントから給電される商用電源を利用できるACアダプタであってもよいし、電池(乾電池や充電池等)であってもよい。電源部4を電池で構成すれば、近くに商用電源がない場合や野外であっても、容器1を使用することができる。
電源部4は、容器1の各部に電源供給を行うものであり、本実施形態では、特に、イオン溶出ユニット3の電極11・12に通電するための電源として機能している。この電源部4は、家庭用のコンセントから給電される商用電源を利用できるACアダプタであってもよいし、電池(乾電池や充電池等)であってもよい。電源部4を電池で構成すれば、近くに商用電源がない場合や野外であっても、容器1を使用することができる。
(5.操作部)
操作部5は、容器1の電源ON/OFFをはじめ、各種動作条件を設定するための設定部である。特に、操作部5は、貯水部2内の液体(殺菌水)中の金属イオン濃度を設定するための濃度設定部としての機能を有している。
操作部5は、容器1の電源ON/OFFをはじめ、各種動作条件を設定するための設定部である。特に、操作部5は、貯水部2内の液体(殺菌水)中の金属イオン濃度を設定するための濃度設定部としての機能を有している。
より具体的には、操作部5には、ユーザーが用途に応じて殺菌水の濃度を選択できるように、数種類の濃度を設定できるスイッチが設けられている。したがって、容器1が例えば衣類の殺菌に用いられる場合は、ユーザーは金属イオン濃度が100ppb(part per billion)〜300ppb程度に設定される静菌コース(菌増加抑制コース)に対応するスイッチを押圧すればよい。また、容器1が例えば靴下やストッキング、食器や哺乳瓶などの殺菌に用いられる場合は、ユーザーは金属イオン濃度が300ppb〜1000ppb程度に設定される殺菌コースに対応するスイッチを押圧すればよい。操作部5がこのようなスイッチで構成されることにより、殺菌水の金属イオン濃度を適切に設定することができる。なお、操作部5は、金属イオン濃度を数値入力で設定できるスイッチで構成されてもよい。
また、操作部5は、次に説明する加熱手段6にて加熱される貯水部2内の液体の温度を設定するための温度設定部としても機能している。この場合、操作部5は、所定の温度範囲に対応するスイッチを、上記温度範囲ごとに複数有していてもよいし、液体温度を数値入力で設定できるスイッチを有していてもよい。操作部5がこのようなスイッチで構成されることにより、加熱手段6による液体の加熱温度を適切に設定することができる。
(6.加熱手段)
加熱手段6は、貯水部2内の液体を加熱するものであり、例えばヒータで構成可能である。上記液体中に銀イオンが溶出された場合、銀イオン水の温度を上昇させると、細菌の生命活動において酵素の活性が温度上昇とともに低下し、銀への耐性が弱まるため、銀イオンによる殺菌効果を高めることができる。また、加熱手段6によって液体を暖めることにより、容器1を足温浴器として用いることもでき、人体に害のない金属イオンによる殺菌を皮膚に対して行うことができる。
加熱手段6は、貯水部2内の液体を加熱するものであり、例えばヒータで構成可能である。上記液体中に銀イオンが溶出された場合、銀イオン水の温度を上昇させると、細菌の生命活動において酵素の活性が温度上昇とともに低下し、銀への耐性が弱まるため、銀イオンによる殺菌効果を高めることができる。また、加熱手段6によって液体を暖めることにより、容器1を足温浴器として用いることもでき、人体に害のない金属イオンによる殺菌を皮膚に対して行うことができる。
なお、加熱手段6による加熱温度は、殺菌効果が確実に得られる点では、20℃以上45℃以下であるのが好ましく、さらには35℃以上40℃以下であることがより好ましい。また、容器1の貯水部2に上記温度範囲の液体(お湯)を供給するようにすれば、加熱手段6による加熱を不要とすることができ、液体の温度を維持するだけで済むため、消費電力を低減することができる。
(7.攪拌手段)
攪拌手段7は、貯水部3内の液体を攪拌するものであり、例えば攪拌羽で構成可能である。このような攪拌手段7を容器1に設けることにより、イオン溶出ユニット3から溶出された金属イオンを、貯水部2内の液体中で均一に分散させることができる。したがって、攪拌後に被殺菌物を貯水部2内の液体(銀イオン水)に浸漬させたときに、濃度分布の均一な殺菌水で被殺菌物を均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを無くすことができる。
攪拌手段7は、貯水部3内の液体を攪拌するものであり、例えば攪拌羽で構成可能である。このような攪拌手段7を容器1に設けることにより、イオン溶出ユニット3から溶出された金属イオンを、貯水部2内の液体中で均一に分散させることができる。したがって、攪拌後に被殺菌物を貯水部2内の液体(銀イオン水)に浸漬させたときに、濃度分布の均一な殺菌水で被殺菌物を均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを無くすことができる。
本実施形態では、攪拌手段7は、例えば容器1の底部に設けられているが、実施の形態2のように容器1に蓋部32(図10参照)が設けられる場合は、その蓋部32に設置するようにしてもよい。また、攪拌手段7による攪拌は、通常、電極11・12に電流を通電するのと同時に行われるが、通電していない状態で行われてもよい。さらに、電極11・12がケースやカバーのようなものに設置されている場合は、攪拌手段7はケースやカバーに設けられてもよい。この場合、電極11・12の近くに攪拌手段7が配置されるので、電極11・12を洗浄する効果も得られ、また、その効果を多大に得ることもできる。
ところで、攪拌手段7は、超音波振動子で構成されてもよい。超音波振動による液体の攪拌であれば、電極11・12への通電中、もしくは通電直後に液体を攪拌すると、貯水部2に供給した液体が例えば水道水であれば、その水道水中に含まれる塩素イオンやカルシウムイオンなどと電極反応により生成されたスケール(例えば塩化銀、炭酸カルシウム)が超音波振動により分散する。したがって、そのスケールが電極11・12に蓄積されにくくなるので、上記構成は電極11・12のスケール除去対策として有効である。
また、容器1の底部に攪拌兼洗浄の用途で超音波振動子からなる攪拌手段7を設置しておけば、超音波により、細菌の細胞バリヤを弱めることができる。これにより、細胞内への銀の速やかな浸透を助長して、生命的に重要な細胞内の核の壊滅を助長することができるため、殺菌効果を高めることができる。したがって、容器1を超音波洗浄器として利用することも可能となる。
(8.排水手段)
排水手段8は、貯水部2内の液体を排水するものである。排水手段8としては、例えば排水口を考えることができる。このような排水口を容器1に設けることにより、容器1内にて使用後の殺菌水を、排水口を介して完全に排水することができる。したがって、容器1の使用後は、電極11・12および貯水部2内を乾燥させて、スケールの付着およびヌメリの発生を抑えることができる。
排水手段8は、貯水部2内の液体を排水するものである。排水手段8としては、例えば排水口を考えることができる。このような排水口を容器1に設けることにより、容器1内にて使用後の殺菌水を、排水口を介して完全に排水することができる。したがって、容器1の使用後は、電極11・12および貯水部2内を乾燥させて、スケールの付着およびヌメリの発生を抑えることができる。
ここで、上記の排水口は、排水弁を設けてコックによる開閉を行う構造としてもよいし、操作部5により電気的に排水を制御できる構造としてもよい。また、排水口は、ノズル状にしてホースを接続できる形状とし、これにキャップを被せるようにしてもよい。この場合は、水漏れを防止するために、ノズル先端とキャップとはネジ止めできる形状にすることが好ましい。また、ノズル先端にホースを取り付けることにより、容器1と貯水部2内の液体との合計重量が大きくても、ホースの長さを調節することで、周囲を汚すことなく適切な場所に排水を行うことができる。したがって、容器1を持ち上げるだけの力を備えていない子供や女性などでも、容易に貯水部2内の液体を排水させることができる。
また、排水手段8は、排水ポンプをさらに備えていてもよい。この場合、排水すべき液体が排水ポンプにて強制的に吸引されるので、例えば容器1の設置位置よりも高い場所にも排水することができ、容器1の設置位置の自由度を広げることができる。
(9.電極保護部材)
電極保護部材9は、イオン溶出ユニット3の電極11・12を保護するものであり、上述した電極保護筒14(図2参照)と同等の機能を有している。電極保護部材9は、例えば幅が5mm以下のスリット状または直径が5mm以下の穴を有する網目状で形成されており、貯水部2内を2部屋に仕切るように設けられ、一方の部屋にイオン溶出ユニット3を配置させている。したがって、貯水部2内では、イオン溶出ユニット3が配置される部屋と他方の部屋とは、電極保護部材9を介して連通することになる。なお、上記のスリットまたは穴は、一つであってもよいし、複数であってもよい。
電極保護部材9は、イオン溶出ユニット3の電極11・12を保護するものであり、上述した電極保護筒14(図2参照)と同等の機能を有している。電極保護部材9は、例えば幅が5mm以下のスリット状または直径が5mm以下の穴を有する網目状で形成されており、貯水部2内を2部屋に仕切るように設けられ、一方の部屋にイオン溶出ユニット3を配置させている。したがって、貯水部2内では、イオン溶出ユニット3が配置される部屋と他方の部屋とは、電極保護部材9を介して連通することになる。なお、上記のスリットまたは穴は、一つであってもよいし、複数であってもよい。
このように、電極保護筒14と同等の機能を有する電極保護部材9が容器1に設けられているので、感電防止や電極11・12間の短絡防止など、電極保護筒14を設けることによる効果と同様の効果を得ることができる。また、電極保護筒14と電極保護部材9とを併用することにより、その効果をより確実に得ることができ、感電防止や短絡防止に万全を期すことができる。
なお、電極保護筒14も電極保護部材9もどちらも、電極11・12を保護する保護手段である。
(10.制御部)
制御部10は、容器1内の各部の動作を制御するものである。特に、制御部10は、電源部4による電極11・12への通電を制御する通電制御部として機能している。
制御部10は、容器1内の各部の動作を制御するものである。特に、制御部10は、電源部4による電極11・12への通電を制御する通電制御部として機能している。
本実施形態では、上述したように、濃度設定部としての操作部5により、貯水部2内の液体中の金属イオン濃度を設定することができるが、このように金属イオン濃度が設定されると、制御部10は、設定された金属イオン濃度が上記液体にて得られるように、電源部4を制御している。
濃度制御の具体的な方法としては、電源部4が電極11・12に通電する時間を制御部10が制御することによって行う。つまり、電極11・12間に流す電流の量により、単位水量あたりに溶出される金属イオン量が決まるので、電極11・12間に流す単位時間あたりの電流量をあらかじめ一定に設定しておけば、制御部10は、電極11・12に通電する時間、すなわち、金属イオンが所定量の液体(殺菌水としての銀イオン水)に溶出される時間を変化させることにより、液体中の金属イオン濃度を変化させることができる。
したがって、制御部10は、操作部5にて、例えば静菌コースが設定されると、100ppb〜300ppb程度の金属イオン濃度が得られるように、また、殺菌コースが設定されると、300ppb〜1000ppb程度の金属イオン濃度が得られるように、電極11・12に通電する時間を制御し、用途に応じた量の金属イオンを電極11・12から溶出させることになる。これにより、ユーザーの好みに合わせた、きめ細かな濃度制御が可能となる。その他の例としては、液体中の金属イオン濃度を検知する濃度検知手段(不図示)を貯水部2内に設け、この濃度検知手段での検知結果に応じて金属イオン濃度の調整を行っても良い。この場合、貯水部2に液体を追加するなどで、金属イオン濃度に変動が生じた場合でも、所望の金属イオン濃度を維持できる。
また、制御部10は、温度設定部としての操作部5により、貯水部2内の液体の温度が設定されたときに、上記温度が上記液体にて得られるように、加熱手段6を制御する温度制御部としても機能している。より具体的には、制御部10は、液体温度が操作部5にて設定された温度(または温度範囲内)となるように、加熱手段6をON/OFF制御している。このような制御により、貯水部2内の液体温度をユーザーの意図に応じて設定することができるとともに、貯水部2内の液体温度を上げて、上記液体中に含まれる銀イオンによる殺菌効果を有効に得ることができる。また、ユーザーの好みに合わせた、きめ細かな温度制御も可能となる。また、温度設定の可能な範囲を、所定温度範囲(例えば、20℃以上45℃以下)に限定してもよい。例えば、20℃以上45℃以下の温度範囲は、殺菌効果が確実に得られる温度範囲であるため、このような温度範囲に限定することで、より高温の液体に触れて火傷を負う、殺菌不足が生じるなどの可能性を低減できる。
(11.動作)
次に、容器1の使用方法および動作について説明する。
次に、容器1の使用方法および動作について説明する。
まず、ユーザーは、容器1の貯水部2内に水道水等の液体を充填し、操作部5にて、装置の電源をONするとともに、用途または被殺菌物に応じた金属イオン濃度および液体の加熱温度を設定する。すると、制御部10の制御によって、上記金属イオン濃度および加熱温度が得られるように、イオン溶出ユニット3が液体に浸漬している状態で、電源部4から電極11・12への通電および加熱手段6への通電が開始される。これにより、電極11・12での酸化還元反応により、殺菌性を有する金属イオンである銀イオンを溶出され、貯水部2内に所定の金属イオン濃度で所定温度の液体(殺菌水)が充填される。
ユーザーは、容器1の開口部1aを介して、貯水部2内の殺菌水に被殺菌物を投入する。これにより、貯水部2内にて、上記殺菌水により、被殺菌物に対して殺菌処理が行われる。殺菌処理後は、被殺菌物を容器1から取り出し、その後、操作部5を操作して排水手段8を開状態とすることにより、殺菌処理後の殺菌水が外部に排出される。
(12.効果)
以上のように、本発明の容器1は、被殺菌物を内部で殺菌処理する殺菌容器であって、被殺菌物が浸漬される液体を貯える貯水部2と、上記液体中に金属イオン(例えば銀イオン)を溶出するイオン溶出ユニット3とを備えている構成である。この構成によれば、貯水部2内には、イオン溶出ユニット3によって溶出された金属イオンを含む液体(殺菌水)が貯えられるので、この液体中に被殺菌物を浸漬させれば、液体中の金属イオンが被殺菌物全体を均一に覆い、被殺菌物に浸透する。これにより、被殺菌物を貯水部2内で均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを抑制することができる。
以上のように、本発明の容器1は、被殺菌物を内部で殺菌処理する殺菌容器であって、被殺菌物が浸漬される液体を貯える貯水部2と、上記液体中に金属イオン(例えば銀イオン)を溶出するイオン溶出ユニット3とを備えている構成である。この構成によれば、貯水部2内には、イオン溶出ユニット3によって溶出された金属イオンを含む液体(殺菌水)が貯えられるので、この液体中に被殺菌物を浸漬させれば、液体中の金属イオンが被殺菌物全体を均一に覆い、被殺菌物に浸透する。これにより、被殺菌物を貯水部2内で均一に殺菌処理することができ、殺菌効果にムラが生じるのを抑制することができる。
また、被殺菌物を貯水部2内に浸漬させるだけで、金属イオンによる殺菌効果を被殺菌物に付与することができる。これにより、殺菌効果を容易に得ることができるとともに、金属イオンによる高い殺菌効果を得ることができる。
また、殺菌水としての上記液体中に含まれるのは金属イオンであるので、殺菌効果を有効に得るべく、例えば上記液体を20℃以上45℃以下に加熱しても、液体中の金属イオン量が変動することはない。また、上記温度範囲であれば、液体自体が大幅に蒸発することもない。したがって、液体の金属イオン濃度が大きく変動することはなく、有害物質が発生することもない。その結果、上記構成によれば、殺菌効果を安定して得ることができ、かつ、殺菌処理を安心して行うことができる。
つまり、本実施形態では、人体に害のない金属イオンを用いているため、従来のような次亜塩素酸による殺菌水を加熱して生じるような問題がなく、殺菌水の温度を上昇または維持することで金属イオンの殺菌効果を高めることも可能となる。さらに、次亜塩素酸の効果は、被殺菌物が殺菌水に浸漬しているときだけ殺菌効果があるが、銀イオン等の抗菌性を有する金属イオンを付与した場合、殺菌効果を持続できる(将来的な殺菌効果である抗菌効果がある)というメリットもある。
また、容器1は、貯水部2に被殺菌物を出し入れするための開口部1aを有しているので、開口部1aを介して貯水部2に被殺菌物を投入すれば、容器1内で被殺菌物を確実に殺菌処理することができる。したがって、容器1を自由に持ち運んで、手軽に被殺菌物を殺菌処理することができ、携帯型の殺菌容器を容易に実現することができる。
以上のように、容器1は、必要な場所に簡単に持ち運びすることができ、容易に殺菌水を生成することができ、対象物を殺菌水に浸漬させることにより殺菌効果を高めるものである。したがって、容器1は、殺菌水を吹きかけることによる部分的な殺菌を目的とした従来の携帯用の殺菌水生成装置、および浸漬させることのない瞬時な手洗いなどを目的とした従来の殺菌水生成装置とは、構成が顕著に異なるものである。
(13.その他)
本実施形態では、図1、図4および図5で示したように、イオン溶出ユニット3を貯水部2内の壁面および底面に設置し、電極11・12を貯水部2内の液体に浸らせるようにしている。これにより、陽極側の電極にて溶出された金属イオン(銀イオン)が貯水部2内の液体中に拡散されやすくなり、金属イオンによる殺菌効果を高めることができる。
本実施形態では、図1、図4および図5で示したように、イオン溶出ユニット3を貯水部2内の壁面および底面に設置し、電極11・12を貯水部2内の液体に浸らせるようにしている。これにより、陽極側の電極にて溶出された金属イオン(銀イオン)が貯水部2内の液体中に拡散されやすくなり、金属イオンによる殺菌効果を高めることができる。
しかし、イオン溶出ユニット3の配置は、この貯水部2内に限定されるわけではない。イオン溶出ユニット3は、例えば図8に示すように、貯水部2の外側に、貯水部2と連通するように設けられてもよい。この場合、イオン溶出ユニット3を、電源部4とともに筐体19内に収容し、貯水部2の側壁に設けられる連通口2aを介して、筐体19と貯水部2とが連通するように、筐体19を貯水部2の側壁にねじ込めばよい。このようにイオン溶出ユニット3を貯水部2の外部に設けることにより、貯水部2内を広く使えるというメリットがある。
なお、上記構成においては、イオン溶出ユニット3の電極11・12を保護するため、筐体19と貯水部2との連通部分に保護網20(保護手段)を設けることが好ましい。また、筐体19と貯水部2とのシール性を確保するため、筐体19を、Oリング等のシール部材21を介して貯水部2の側壁にねじ込むことが好ましい。さらに、筐体19に設けられている電源部4が充電池である場合、容器1から取り外した筐体19を充電器に取り付けて充電できる構造にすれば、容器1を移動せずに済むので、利便性がよくなる。
また、イオン溶出ユニット3を貯水部2の外部に設ける場合、図9に示すように、イオン溶出ユニット3を収容した筐体19を、パイプ22を介して貯水部2と連通するように設けても、上記と同様に貯水部2内を広く使うことができる。
ところで、使用地域によっては、水質の影響で電極11・12にスケールが着きやすい場合がある。電極11・12に付着したスケールは、殺菌水の生成を妨げるため、この場合は電極11・12を定期的に手入れする必要がある。そこで、イオン溶出ユニット3(特に、電極11・12)は、容器1に対して着脱可能に設けられることが好ましい。これにより、イオン溶出ユニット3を上記したいずれの場所に設置した場合でも、ユーザーがイオン溶出ユニット3を容易に取り外して、そのメンテナンスを容易に行うことが可能となる。例えば、電極11・12の清掃や交換などは、ユーザー自身が簡単に行うことが可能となる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施の形態について、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図10は、本実施形態の殺菌容器としての容器31の概略の構成を示す断面図である。本実施形態の容器31は、蓋部32を有しているとともに、この蓋部32にイオン溶出ユニット3を配置した以外は、多少の構成の配置の変更はあるものの、基本的には実施の形態1の容器1と同様の構成である。
容器1は、被殺菌物を容器31内に出し入れするための開口部31aを有している。そして、蓋部32は、容器31の開口部31aに対して開閉可能に設けられている。この場合、蓋部32は、回動により開閉してもよいし、平行移動により開口部31aを開閉してもよい。そして、イオン溶出ユニット3は、蓋部32を閉めたときに、電極11・12が貯水部2内の液体に浸かるように蓋部32に設けられている。
このようにイオン溶出ユニット3を蓋部32に設けることで、蓋部32の開閉に連動して、イオン溶出ユニット3を貯水部2に対して投入または離脱させることができる。例えば蓋部32を開けているときは、イオン溶出ユニット3を貯水部2内から離脱させることができる。これにより、イオン溶出ユニット3を貯水部2内に設置する構成に比べて、貯水部2内を広く有効活用することができる。その結果、多量の被殺菌物や大きな殺菌物でも、貯水部2内の液体(殺菌水)にて一度に殺菌処理することが可能となる。また、貯水部2内を広く有効活用できるので、逆に、容器31全体の大きさを小型化することもできる。
また、イオン溶出ユニット3は、蓋部32を閉めたときに、電極11・12が貯水部2内の液体に浸かるように蓋部32に設けられているので、蓋部32を閉めた状態で、イオン溶出ユニット3から貯水部2内の液体に金属イオンを溶出させることができる。つまり、イオン溶出ユニット3を蓋部32に設けた場合でも、貯水部2内に金属イオンを含む液体(殺菌水)を確実に充填させることができる。その結果、イオン溶出ユニット3を蓋部32に設ける構成であっても、貯水部2内で被殺菌物を確実に殺菌処理することができる。
さらに、殺菌水生成終了後は、蓋部32を開いて容器31を使用することで、殺菌水に浸漬させる被殺菌物にて発生する汚れから電極11・12を守ることができる。また、貯水部2は液体を貯めるのみの単純な構造を持つので、使用後の掃除が容易であり、容器31を清潔に保つことができる。また、電極11・12が液体に浸からなければ通電できないため、液体の量をある程度限定することができる。よって、金属イオンの濃度が計算しやすくなる。
また、蓋部32にイオン溶出ユニット3を設けた場合、制御部10は、蓋部32を閉めたときに電極11・12が通電状態となり、蓋部32を開けたときに電極11・12が非通電状態となるように、電源部4を制御するようにしてもよい。この場合、制御部10は、電源部4による電極11・12への通電を制御する通電制御部として機能する。
なお、蓋部32の開閉は、例えば容器31に蓋部32が離接することによってその開閉を検知するスイッチ(検知手段)を容器31に設けることにより、検知することが可能である。したがって、制御部10は、上記スイッチからの信号に基づいて上記の制御を行うことになる。
このような制御により、蓋部32を閉めているときには、電極11・12への通電により、貯水部2内の液体に金属イオンが溶出されるので、貯水部2内にて金属イオンを含む液体(殺菌水)を得ることができる。一方、蓋部32を開けているときは、電極11・12に通電されないので、蓋部32を開けている状態でユーザーが電極11・12に手を触れても感電することがなく、感電事故を防止することができる。
なお、本実施形態では、蓋部32にイオン溶出ユニット3を設けた例について説明したが、容器31に蓋部32を設ける構成であっても、イオン溶出ユニット3を貯水部2内に設置するようにしてもよい。例えば、蓋部32として、当該蓋部32を閉めたときに蓋部32の一部が貯水部2内の液体中に沈むような形状のものを用いた場合、貯水部2の上方にイオン溶出ユニット3を設置しておけば、蓋部32を閉めることによって貯水部2内の液体の液位が増し、これによって、貯水部2内のイオン溶出ユニット3に液体を触れるようにすることができる。したがって、この状態でイオン溶出ユニット3の電極11・12に通電するようにしてもよい。
1 容器(殺菌容器)
1a 開口部
2 貯水部
3 イオン溶出ユニット
4 電源部
5 操作部(濃度設定部、温度設定部)
6 加熱手段
7 攪拌手段
8 排水手段
9 電極保護部材(保護手段)
10 制御部(通電制御部、温度制御部)
11 電極
12 電極
14 電極保護筒(保護手段)
15 凹部(保護手段)
16 電極保護ケース(保護手段)
17 電極保護ケース(保護手段)
18 電極仕切り板(保護手段)
31 容器(殺菌容器)
32 蓋部
1a 開口部
2 貯水部
3 イオン溶出ユニット
4 電源部
5 操作部(濃度設定部、温度設定部)
6 加熱手段
7 攪拌手段
8 排水手段
9 電極保護部材(保護手段)
10 制御部(通電制御部、温度制御部)
11 電極
12 電極
14 電極保護筒(保護手段)
15 凹部(保護手段)
16 電極保護ケース(保護手段)
17 電極保護ケース(保護手段)
18 電極仕切り板(保護手段)
31 容器(殺菌容器)
32 蓋部
Claims (11)
- 被殺菌物を内部で殺菌処理する殺菌容器であって、
被殺菌物が浸漬される液体を貯える貯水部と、
電極から金属イオンを溶出し、上記液体に添加するイオン溶出ユニットとを備えていることを特徴とする殺菌容器。 - 上記貯水部内の液体中の金属イオン濃度を設定するための濃度設定部と、
上記電極に通電する電源部と、
上記電源部による上記電極への通電を制御する通電制御部とをさらに備え、
上記通電制御部は、上記濃度設定部にて設定された金属イオン濃度が上記液体にて得られるように、上記電源部を制御することを特徴とする請求項1に記載の殺菌容器。 - 上記被殺菌物を上記貯水部に対して出し入れするための開口部と、
上記開口部に対して開閉可能に設けられる蓋部とをさらに備え、
上記イオン溶出ユニットは、上記蓋部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌容器。 - 上記電極に通電する電源部と、
上記電源部による上記電極への通電を制御する通電制御部とが設けられており、
上記通電制御部は、上記蓋部を閉めたときに上記電極が通電状態となり、上記蓋部を開けたときに上記電極が非通電状態となるように、上記電源部を制御することを特徴とする請求項3に記載の殺菌容器。 - 上記電極を保護する保護手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の殺菌容器。
- 上記イオン溶出ユニットは、当該容器に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の殺菌容器。
- 上記貯水部内の液体を加熱する加熱手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の殺菌容器。
- 上記液体の温度を設定するための温度設定部と、
上記温度設定部にて設定された温度が上記液体にて得られるように、上記加熱手段を制御する温度制御部とをさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の殺菌容器。 - 上記貯水部内の液体を攪拌する攪拌手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の殺菌容器。
- 上記攪拌手段は、超音波振動子で構成されていることを特徴とする請求項9に記載の殺菌容器。
- 上記貯水部内の液体を排水する排水手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の殺菌容器。
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- 2003-12-03 JP JP2003403919A patent/JP2005160744A/ja active Pending
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