JPWO2019235438A1 - 金属イオン水散布装置 - Google Patents

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Abstract

金属イオン水散布装置(100A)は、水を貯めるタンク(111)と、タンク(111)に貯められた水を外部の対象物に向けて散布する散布部としての給水管(121)、吹出しノズル(122)およびポンプ(123)と、散布部によって散布される前の水に抗菌作用を有する金属イオンを付加して金属イオン水を生成する金属イオン溶出ユニット(124)と、散布部によって散布される前の水を100℃未満の所定温度に温度調整する温調部としての伝熱温調装置(112)および温度センサ(113)を有している。

Description

本発明は、微生物の繁殖を効果的に抑制することのできる金属イオン水を散布する金属イオン水散布装置に関する。
浴室を始めとする種々の居住空間において、高湿度かつ中程度の温度といった菌の生育に適した領域では、カビなどの菌が発生しやすい。例えば、黒カビは浴室やエアコンのような結露の生じやすい場所で繁殖する。他にも、エアコンの吹き出し口にて繁殖する黒コウジカビや、食品に繁殖するサルモネラ菌などが居住空間中に存在する。
このため、居住空間における除菌や抗菌を簡単に行うために、除菌水や抗菌水を噴霧する噴霧器が開発されている。尚、除菌とは既に存在している菌を減少させる効果を指すものであり、抗菌とは菌を殺したり減少させるのではなく菌の増殖を抑制する効果を指すものである。
代表的な抗菌水としては、金属イオンを含む金属イオン水が挙げられる。例えば、銀イオンを含む銀イオン水を、浴室などの壁面に十分に塗布した場合、抗菌効果が長期的に得られることが分かっている。特許文献1には、水を銀電極にて電気分解して銀イオン水を生成し、この銀イオン水を散布する技術が示されている。
このような金属イオン水は、抗菌効果に優れている一方、除菌効果については十分でなく、低濃度の金属イオン水では瞬間的な除菌効果が課題となる。金属イオン水でも、金属イオン濃度を高くすれば除菌効果の向上を図ることは可能である。しかしながら、濃度の高い金属イオン水では金属の析出が生じ易く、十分な除菌効果が得られるほどの高濃度の金属イオン水を安定して得ることは困難である。
特許文献2には、銀イオン水にアルコール(例えばエタノール)を含ませて噴射する洗浄消毒器が開示されている。すなわち、抗菌効果の高い銀イオン水にアルコールを加えることで、アルコールによる除菌(もしくは殺菌)効果を付加できることを示している。
特開2003−24942号公報 特開2005−53840号公報
特許文献2に記載の洗浄消毒器では、銀電極を用いた水中での電気分解により銀イオン水を生成するが、水にアルコールを加えることで電気分解における電気抵抗が増加するといった課題がある。それ以外にも、使用者がアルコールを吸引する恐れがある、家庭ではアルコールの用意が困難であるなどといった課題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用者に悪影響を与えることなく除菌効果を高めた金属イオン水を、除菌および抗菌の対象物に直接散布することが可能となる金属イオン水散布装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様である金属イオン水散布装置は、水を貯めるタンクと、前記タンクに貯められた水を外部の対象物に向けて散布する散布部と、前記散布部によって散布される前の水に抗菌作用を有する金属イオンを付加して金属イオン水を生成する金属イオン水生成部と、前記散布部によって散布される前の水を所定温度に温度調整する温調部とを有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、金属イオン水散布装置は、単に抗菌効果のある金属イオン水を散布するのではなく、温調部によって温調(加熱または冷却)された金属イオン水を散布することができる。すなわち、この金属イオン水散布装置では、散布する金属イオン水の温度を上げるまたは下げることで、金属イオンによる抗菌効果に加え、熱による除菌効果を付加することができる。
また、居住空間における主要な菌の殆どは80℃以下の温調水を用いることで除菌できるものであり、温調部は散布する金属イオン水を蒸気になるまで(100℃以上まで)加熱する必要は無い。したがって、金属イオン水散布装置は、金属イオン水を熱によってスチーム状にして噴霧する場合に比べて、装置の大型化や消費電力の増加を抑制でき、携帯しての使用が容易となる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様である金属イオン水散布装置は、水を貯めるタンクと、前記タンクに貯められた水を外部の対象物に向けて散布する散布部と、前記散布部によって散布される前の水に抗菌作用を有する金属イオンを付加して金属イオン水を生成する金属イオン水生成部と、前記散布部によって前記対象物に向けて散布された後の金属イオン水を温度調整する温調部とを有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、金属イオン水散布装置は、単に抗菌効果のある金属イオン水を散布するのではなく、対象物に向けて散布された後の金属イオン水を温調部によって加熱または冷却することで、金属イオンによる抗菌効果に加え、熱による除菌効果を付加することができる。
また、上記金属イオン水散布装置では、前記温調部は、複数の温度に温度調整が可能な構成、もしくは、連続的な任意の温度に温度調整が可能な構成とすることができる。
上記の構成によれば、使用目的(除菌領域)に応じて温調部による調節温度を適切に設定することにより、不要な電力消費を抑制することができる。
また、上記金属イオン水散布装置は、少なくとも前記タンク、前記散布部および前記金属イオン水生成部を含む本体部と、前記本体部を載置可能な台座部とによって構成されており、前記温調部に対して給電する給電部は前記台座部に設けられており、前記本体部を前記台座部に載置している状態において前記温調部による温調制御が可能となる構成とすることができる。
上記の構成によれば、本体部が台座部に載せられた状態でタンク内の水の温調制御を行うことができ、タンク内の水が所定温度に温調された後の金属イオン水の散布時には、本体部のみを持ち上げて使用することができる。少なくとも給電部を台座部に設けることで本体部の軽量化を図ることができ、金属イオン水の散布時の使用者の負担を軽減できる。
また、上記金属イオン水散布装置では、前記金属イオン水生成部は、金属電極を用いた水中での電気分解により金属イオン水を生成する構成とすることができる。
本発明の金属イオン水散布装置は、温調部によって温調(加熱または冷却)された金属イオン水を散布することができ、もしくは散布された金属イオン水を温調部によって加熱または冷却することができ、金属イオンによる抗菌効果に加え、熱による除菌効果を付加することができる。すなわち、使用者に悪影響を与えることなく除菌効果を高めた金属イオン水を、除菌および抗菌の対象物に直接散布することができるといった効果を奏する。
実施の形態1に係る金属イオン水散布装置の内部概略構成を示す断面図であり、(a)は筐体下部と筐体上部とが接続された状態、(b)は筐体下部と筐体上部とが分離された状態を示す図である。 実施の形態1に係る金属イオン水散布装置の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る金属イオン水散布装置の他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る金属イオン水散布装置のさらに他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る金属イオン水散布装置のさらに他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る金属イオン水散布装置の内部概略構成を示す断面図であり、(a)は本体部が台座部に載せられた状態、(b)は本体部が台座部から持ち上げられた状態を示す図である。 実施の形態2に係る金属イオン水散布装置の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る金属イオン水散布装置の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る金属イオン水散布装置の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る金属イオン水散布装置の他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る金属イオン水散布装置のさらに他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る金属イオン水散布装置の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る金属イオン水散布装置の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る金属イオン水散布装置の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る金属イオン水散布装置の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る金属イオン水散布装置の他の変形例の内部概略構成を示す断面図である。 実施の形態6に係る金属イオン水散布装置における操作部の一例を示すものである。 実施の形態6に係る金属イオン水散布装置における操作部の他の例を示すものである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1(a),(b)は、本実施の形態1に係る金属イオン水散布装置100Aの内部概略構成を示す断面図である。金属イオン水散布装置100Aは、互いに分離可能な筐体下部110と筐体上部120とによって構成されており、図1(a)は筐体下部110と筐体上部120とが接続された状態、図1(b)は筐体下部110と筐体上部120とが分離された状態を示している。
筐体下部110は、貯水用のタンク111、タンク111内の水を温調するための伝熱温調装置112、タンク111内の水温を検出するための温度センサ113および給電部114を備えている。
伝熱温調装置112および温度センサ113は、金属イオン水散布装置100Aにおいて温調部を構成している。すなわち、温度センサ113によってタンク111内の水の温度を測定し、その測定値によって伝熱温調装置112による加熱または冷却を制御することで、タンク111内の水を所定温度に温調することができる。伝熱温調装置112としては、シーズヒーター、IHヒータまたはペルチェ素子などを用いることができる。また、給電部114は、主に伝熱温調装置112に電力を供給するものであり、例えば、商用電源から所望の電力を得るためのACアダプタを有している。
伝熱温調装置112にペルチェ素子を用いる場合には、通電の向きを切り替えることで加熱だけでなく冷却を行うこともできる。温調部に冷却効果を持たせた場合は、所定温度に温められた水の温度を下げて使用を続けたい場合に、冷却することにより所望の温度により速く到達させることができる。例えば、金属イオン水散布装置100Aを80℃に温調した状態で使用した後、続けて40℃の温調に切り替える場合に、より速く40℃に到達させることができる。また、冷却を行うことで温調される水温を最初に給水される水の水温よりも下げることができる。例えば、給水される水の水温が20℃である場合に、10℃に冷却した金属イオン水を散布することもできる。浴室の使用においてレジオネラ菌への除菌及び抗菌効果は、このように冷却した金属イオン水を散布することで向上させることができる。このため、以下の説明における「温調」は、加熱や保温に限定されるものではなく、冷却をも含む概念である。
筐体上部120は、給水管121、吹出しノズル122、ポンプ123、金属イオン溶出ユニット(金属イオン水生成部)124、制御部125、電池126および操作部127を備えている。ここでは、給水管121、吹出しノズル122およびポンプ123が特許請求の範囲に記載の散布部を構成している。
給水管121は、ポンプ123を駆動することで、その下端からタンク111内の水を汲み上げ、その先端に設けられた吹出しノズル122にまで給水するものである。給水管121の下端は、筐体上部120の底面よりもさらに下方に突出しており、筐体下部110と筐体上部120とが接続された状態でタンク111の内部に挿入されるようになっている。そのため、タンク111は上面に開口111aを有しており、筐体下部110と筐体上部120とを分離したときに、開口111aが外部に露出する。タンク111に給水を行う場合には、筐体上部120を筐体下部110から取り外して開口111aから給水を行うことができる。
金属イオン溶出ユニット124は、給水管121の途中に設けられ、給水管121を通って給水される水の中に金属イオンを溶出させる。金属イオン溶出ユニット124は、例えば、複数の金属電極板124aを給水管121の流路方向に対して略平行に設け、給水管121の通水中に金属電極板124aに通電して電気分解を行うことで、陽極の金属電極板124a板から金属イオンを水中に溶出させることができる。
金属電極板124aの材質は、抗菌作用のある金属イオンを生成できるものであれば特に限定されるものではなく、銀、銅または亜鉛などが好適に利用できる。金属電極板124aは、その使用によって(金属イオンの溶出によって)消耗するため、金属イオン溶出ユニット124は金属イオン水散布装置100Aに対して着脱可能とし、容易に交換可能とすることが好ましい。あるいは、金属イオン溶出ユニット124に対して、金属電極板124aを容易に交換可能とする構成であってもよい。また、金属電極板124aの通電は、所定時間毎に電流の向きを反転させることが好ましい。これにより、金属電極板124aの消耗を均等化することができる。
金属イオン溶出ユニット124が配置される箇所は、金属イオン水散布装置100Aを地面に置いた時に給水管121が鉛直方向に立設される箇所とし、金属電極板124aは給水管121の流路方向に対して略平行になるように設置されることが好ましい。これにより、金属電極板124aが給水管121内の水の流れを阻害せず、また、単位時間当たりの揚水量が少なくても、電極間に水が常に満たされる状態になる。さらに、金属イオン水散布装置100Aの使用終了後、金属電極板124aに付着した水が滴下されることで、電極の経年劣化を防ぐこともできる。
制御部125は、金属イオン水散布装置100A全体の制御を行うものである。すなわち、制御部125は、温度センサ113の測定値に基づいて伝熱温調装置112をON/OFFしてタンク111内の水の温調(加熱、保温および冷却)制御を行ったり、ポンプ123および金属イオン溶出ユニット124の駆動制御を行ったりする。
電池126は、ポンプ123および金属イオン溶出ユニット124を駆動するための電力を供給するものであり、アルカリ乾電池、マンガン乾電池およびニッケル水素電池といった一次電池などを用いることができる。あるいは、電池126は、リチウムイオン電池などの二次電池を用いることもでき、この場合は、筐体下部110と筐体上部120とが接続された状態(図1(a)の状態)で給電部114からの充電も可能な構成とすることができる。また、電池126を二次電池とする場合、電池126は金属イオン水散布装置100Aに対して取り外し可能でも内蔵式でも良い。二次電池である電池126を取り外し可能とする場合、別途充電器を用いることで電池126を金属イオン水散布装置100Aから外した状態で充電してもよい。
操作部127は、金属イオン水散布装置100Aの筐体外側に設けられ、使用者が金属イオン水散布装置100Aを操作するために使用される。
本実施の形態1に係る金属イオン水散布装置100Aを使用するに当たっては、最初に温調部によってタンク111内の水が所定温度にまで温調される。この時の所定温度は、使用者が操作部127によって設定することができる。
タンク111内の水が所定温度に到達した後は、使用者が金属イオン水散布装置100Aを手に持ち、吹出しノズル122を除菌および抗菌の対象物に向け、吹出しノズル122から金属イオン水を対象物に直接散布することができる。すなわち、吹出しノズル122を対象物に向けた状態で、所定の操作によってポンプ123を稼働させると、ポンプ123がタンク111内の水を揚水し、吹出しノズル122から散布することができる。また同時に、金属イオン溶出ユニット124にて電気分解を行うことで揚水された水に金属イオンを溶出させることができる。ポンプ123および金属イオン溶出ユニット124は電池126からの給電によって駆動されるため、タンク111内の水が所定温度に到達した後は、給電部114の電源プラグを抜いても金属イオン水散布装置100Aの使用が可能である。金属イオン水の散布を停止する時は、ポンプ123および金属イオン溶出ユニット124の両方の駆動を停止する。
吹出しノズル122から散布される金属イオン水は、ミスト状に噴霧されるものであってもよく、あるいはシャワー状に散布されるものであってもよい。また、図1では図示を省略しているが、金属イオン水散布装置100Aには使用者が手に持って操作しやすいように(任意の領域に金属イオン水を散布しやすいように)把持部が設けられていることが好ましい。
以上のように、本実施の形態1に係る金属イオン水散布装置100Aは、単に抗菌効果のある金属イオン水を散布するのではなく、温調部によって温調された金属イオン水を散布することができる。すなわち、金属イオン水散布装置100Aでは、散布する金属イオン水の温度を上げることで、金属イオンによる抗菌効果に加え、熱による除菌効果を付加することができる。また、菌によっては、冷却された金属イオン水を散布することで除菌効果を向上させることもできる。熱による除菌効果の付加は、アルコールなどを水に加えて除菌効果を付加する場合に比べ、電気分解における電気抵抗を増加させることは無く、また、使用者がアルコールを吸引するといった問題もない。また、水に付加するためのアルコールを準備するといった手間も省くことができる。
また、温調部によって所定温度に温調される水は、その所定温度を使用目的に応じて変更することができる。例えば、以下の表1は、居住空間に発育する主要な菌8種類の、各種菌の除菌に要する温度および菌の発育領域を一覧に示したものである。
Figure 2019235438
例として靴箱の除菌を行う場合、靴箱で発育するクラドスポリウム・クラドスポリオイデスは40℃で除菌されるので、温調部はタンク111内の水を40℃まで加熱すればよい。同様に、エアコン内部および押し入れの中の除菌を行う場合には50℃まで加熱すればよく、キッチンの除菌を行う場合には65℃まで加熱すればよく、浴室の除菌を行う場合には80℃まで加熱すればよい。
このように、使用目的(除菌領域)に応じてタンク111内の水を温調する所定温度を適切に設定することにより、不要な電力消費を抑制することができる。また、図1に示されている通り、居住空間における主要な8種類の菌は全て80℃以下の温調水を用いることで除菌できる。したがって、金属イオン水散布装置100Aにおける温調部は、タンク111内の水を蒸気になるまで(100℃以上まで)加熱する必要は無い。したがって、金属イオン水散布装置100Aは、金属イオン水を熱によってスチーム状にして噴霧する場合に比べて、装置の大型化や消費電力の増加を抑制でき、携帯しての使用が容易となる。
図1に示す金属イオン水散布装置100Aは、一構成例に過ぎず、各機能部を別のものに置き換えたり、配置の変更を行ったりした様々な変形例が考えられる。以下に、金属イオン水散布装置100Aの変形例をいくつか説明する。
図2に示す金属イオン水散布装置100Bは、図1に示す金属イオン水散布装置100Aのように筐体下部110と筐体上部120とを分離可能な形態とはせずに、一体型の形態としたものである。金属イオン水散布装置100Bでは、筐体側面に注水口131を設けており、筐体を分離することなく注水口131からタンク111へ給水することができ、利用者の使用時における負担を減らすことができる。
図3に示す金属イオン水散布装置100Cは、図1に示す金属イオン水散布装置100Aにおけるポンプ123を省略した構成である。金属イオン水散布装置100Cは、ポンプ123に代えて押圧レバー132を備えており、使用者が押圧レバー132を操作することによって給水管121内の流路の気圧が減少する。この流路の気圧減少によってタンク111の水が揚水され、吹出しノズル122から散布される。本構成ではポンプ123を用いずに手動によって散布を行うことで、金属イオン水散布装置100Cの省電力化および軽量化を図ることができ、また、任意の量の金属イオン水を散布できる。この構成では、押圧レバー132が特許請求の範囲に記載の散布部の一部となる。
図4に示す金属イオン水散布装置100Dは、金属イオン溶出ユニット124を給水管121の流路上に設けるのではなく、タンク111内に配置した構成である。この構成では、タンク111への貯水時に金属イオン溶出ユニット124の電極が浸漬するように配置される。これにより、商用電源からの給電中に金属イオン水を生成し、その後に噴霧が行えるため、噴霧中に電気分解のために電力を使用しなくてもよい。そのため、電池126はポンプ123のみを駆動できれば良く、電池126を二次電池とする場合にこれを小型化することができる。あるいは、図3に示すような、ポンプ123に代えて押圧レバー132を備えた構成では、電池126を不要とすることもできる。また、タンク111内で生成される金属イオン水の濃度を、電気分解を行う時間に応じて調整することもでき、金属イオン溶出ユニット124を給水管121の流路上に設ける場合に比べ、より高濃度の金属イオン水も得やすくなる。
尚、金属イオン溶出ユニット124は、金属電極板124aを用いた電気分解によって金属イオンを生成するものに限定されるものではない。例えば、抗菌作用を持つ金属イオンをゼオライトなどの試料に吸着させ、この試料をタンク111内に入れておき、この試料から金属イオンを水道水に溶出させるものであってもよい。
また、図4の構成では、伝熱温調装置112もタンク111内に配置した構成とされている。この構成では、伝熱温調装置112がタンク111内の水に直接接触するため、伝熱温調装置112から水への熱伝導の高効率化が実現でき、伝熱温調装置112を小型化することができる。
図5に示す金属イオン水散布装置100Eは、伝熱温調装置112をタンク111ではなく、給水管121の流路上に配置した構成である。また、温度センサ113も給水管121の流路上で伝熱温調装置112の下流側に配置されている。この構成では、伝熱温調装置112はタンク111に貯められた水を温調するのではなく、金属イオン水散布装置100Eから散布される水を散布直前に温調することができる。すなわち、金属イオン水を散布する分だけ温調するため、タンク111内に余った温調水を捨てる必要がなく、電力の消費を抑えられる。また、タンク111内の温調水の保温に電力を使用する必要がなくなる。
図5の例において、伝熱温調装置112は金属イオン溶出ユニット124の手前(上流側)に配置されているが、伝熱温調装置112の配置箇所はこれに限定されるものではなく、給水管121の流路上であれば任意の位置に配置できる。すなわち、伝熱温調装置112は、金属イオン溶出ユニット124の内部、金属イオン溶出ユニット124の直後、あるいは吹出しノズル122の手前などに配置されていてもよい。
〔実施の形態2〕
実施の形態1で説明した金属イオン水散布装置は、その使用時(金属イオン水の散布時)には、使用者が金属イオン水散布装置を手に持って使用する。そのため、金属イオン水散布装置は、使用者が手に持って使用する部分の軽量化を図ることが望まれる。本実施の形態2では、そのような軽量化に適した構成の金属イオン水散布装置について説明する。
図6(a),(b)は、本実施の形態2に係る金属イオン水散布装置100Fの内部概略構成を示す断面図である。金属イオン水散布装置100Fは、本体部101と台座部102とによって構成されており、図6(a)は本体部101が台座部102に載せられた状態、図6(b)は本体部101が台座部102から持ち上げられた状態を示している。
金属イオン水散布装置100Fにおける本体部101は、図1に示す金属イオン水散布装置100Aとほぼ類似した構成であるが、給電部114は備えておらず、代わりに第1給電端子133を備えている。そして、台座部102には、給電部114と第2給電端子134とが備えられている。
図6(a)に示すように、本体部101が台座部102に載せられた状態では、第1給電端子133と第2給電端子134とが接続される。この状態では、伝熱温調装置112によるタンク111内の水の温調制御、および電池126の充電(電池126が二次電池の場合)を行うことができる。タンク111内の水が所定温度に温調された後の金属イオン水の散布時には、図6(b)に示すように、本体部101のみを持ち上げて使用することができる。この時、給電部114は台座部102側に残るため、本体部101の軽量化を図ることができる。
図7は、本実施の形態2に係る金属イオン水散布装置の変形例を示すものである。図7に示す金属イオン水散布装置100Gは、給電部114に加えて伝熱温調装置112をも台座部102に配置した構成である。この時、タンク111は本体部101の下面に露出し、伝熱温調装置112は台座部102の上面に露出する構成とされ、本体部101が台座部102に載せられた状態でタンク111が伝熱温調装置112に接触し、熱伝導によってタンク111内の水を温調することができる。これにより、金属イオン水散布装置100Gは、本体部101から伝熱温調装置112を無くすことで、本体部101のさらなる軽量化を図ることができる。
尚、図7に示す金属イオン水散布装置100Gは、図6に示す金属イオン水散布装置100Fのような第1および第2給電端子133,134を備えない構成を例示している。このような構成であっても、温度センサ113および温調操作部135を台座部102に設ければ台座部102側で温調制御を行うことは可能である。温調操作部135は、温調制御時においてタンク111内の水が温調される所定温度を使用者が設定するための手段である。
〔実施の形態3〕
実施の形態1で説明した金属イオン水散布装置は、伝熱温調装置112を用いてタンク111内もしくは給水管121内の水を温調して散布するものであった。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、吹出しノズル122から除菌および抗菌の対象物に向けて散布された後の金属イオン水を温調する手段を備えるものであってもよい。本実施の形態3では、そのような散布後の金属イオン水を温調する手段を備えた構成の金属イオン水散布装置について説明する。
図8は、本実施の形態3に係る金属イオン水散布装置100Hの内部概略構成を示す断面図である。金属イオン水散布装置100Hは、図1に示す金属イオン水散布装置100Aとほぼ類似した構成であるが、水を温調する伝熱温調装置112および温度センサ113を備えておらず、代わりに吹出しノズル122の周囲に放射温調装置(温調部)136を備えている。放射温調装置136は、散布前の金属イオン水を加熱するのではなく、吹出しノズル122から金属イオン水が散布された対象物(壁など)に向かって熱を放射する。この構成では、壁などについた金属イオン水を温めることで、熱による除菌効果を得ることができる。
尚、図8では図示を省略しているが、金属イオン水散布装置100Hは非接触式の温度センサ(例えば赤外線センサ)を有し、散布後に放射温調装置136によって温められた金属イオン水の温度を検出するようにしてもよい。これにより、散布後の金属イオン水が所定温度に到達した時点でユーザに報知したり、放射温調装置136を自動的にOFFしたりすることで、散布後の金属イオン水を所定温度にまで確実に温調する温調制御が可能となる。
図9は、本実施の形態3に係る金属イオン水散布装置の変形例を示すものである。図9に示す金属イオン水散布装置100Iは、図8の金属イオン水散布装置100Hにおける放射温調装置136の代わりに温調風発生部(温調部)137を備えた構成である。
温調風発生部137は、ファン137a、ヒータ137b、温度センサ137cを備えており、ファン137aによって気流を発生させ、この気流にヒータ137bによる熱を加えて温風として放出する。また、温度センサ137cの温度検知に基づき、温風の温度を調整することもできる。温調風発生部137は、吹出しノズル122から金属イオン水が散布された対象物(壁など)に向かって温風を放出する。この構成では、温調風発生部137から放出される温風によって壁などについた金属イオン水を温めることで、熱による除菌効果を得ることができる。
尚、温調風発生部137は、温調風を放出する際にヒータ137bをOFFにしたり、ヒータ137bにペルチェ素子を用いたりするなどして冷風を放出してもよい。これにより、温調風発生部137は、散布後の金属イオン水を加熱する以外に冷却することも可能となる。金属イオン水を冷却することで、浴室のレジオネラ菌などに対しては除菌および抗菌効果が向上する。
また、図10および図11に示す金属イオン水散布装置100H’,100I’は、図8および図9に示す金属イオン水散布装置100H,100Iの変形例である。金属イオン水散布装置100H’,100I’は、放射温調装置136や温調風発生部137に加えて、タンク111内の水を温調するための伝熱温調装置112をも備えた構成とされている。無論、伝熱温調装置112は給水管121内の水を温調する位置に設けられていてもよい。
金属イオン水散布装置100H’,100I’では、例えば、散布前に冷却温調した金属イオン水を散布後に加熱することで、高い温度に弱い菌と低い温度に弱い菌との2種類に対して除菌および抗菌効果を得ることができる。無論、散布前に加熱温調した金属イオン水を散布後に冷却してもよい。
〔実施の形態4〕
本実施の形態4では、図1などに示すポンプ123を省略しながらも金属イオン水の散布を可能とする構成の金属イオン水散布装置について説明する。
図12は、本実施の形態4に係る金属イオン水散布装置100Jの内部概略構成を示す断面図である。金属イオン水散布装置100Jは、図4に示す金属イオン水散布装置100Dとほぼ類似した構成であるが、ポンプ123を備えておらず、また、給水管121の先端では吹出しノズル122の代わりに金属メッシュ138と超音波振動子139とを有している。さらに、給水管121の内部には海綿状の吸水体が充填されており、給水管121はこの吸水体の毛細管現象によりタンク111内の水を先端まで吸い上げることができるようになっている。
給水管121の先端まで吸い上げられた水は、金属イオン水散布装置100Jの不使用時(超音波振動子139の停止時)には、金属メッシュ138の表面張力によって外部への漏れが防止される。そして、金属イオン水散布装置100Jの使用時には、超音波振動子139を駆動することで給水管121によって吸い上げられた水がミスト化され、ミスト状の金属イオン水が噴霧される。この構成では、金属メッシュ138および超音波振動子139が特許請求の範囲に記載の散布部の一部となる。
図13は、本実施の形態4に係る金属イオン水散布装置の変形例を示すものである。図13に示す金属イオン水散布装置100Kは、タンク111内の水を給水管によって吸い上げてから噴霧するのではなく、タンク111から金属イオン水を直接噴霧することが可能な構成である。
金属イオン水散布装置100Kに備えられるタンク111は、金属イオン水散布装置100Kの筐体上部に開口(給水口)111aを有し、筐体下部側面に排出口111bを有している。そして、排出口111bには金属メッシュ138と超音波振動子139とが設けられている。
金属イオン水散布装置100Kの不使用時(超音波振動子139の停止時)には、金属メッシュ138の表面張力によって外部への水の漏れが防止される。そして、金属イオン水散布装置100Kの使用時には、超音波振動子139を駆動することで排出口111b付近の水がミスト化され、ミスト状の金属イオン水が噴霧される。
尚、図12に示す金属イオン水散布装置100Jおよび図13に示す金属イオン水散布装置100Kの何れも、金属イオン溶出ユニット124はタンク111の内部に配置されることが好ましい。
〔実施の形態5〕
本実施の形態5では、図1などに示すポンプ123を省略しながらも金属イオン水の散布を可能とする構成の金属イオン水散布装置について説明する。
図14は、本実施の形態5に係る金属イオン水散布装置100Lの内部概略構成を示す断面図である。金属イオン水散布装置100Lは、図1に示す金属イオン水散布装置100Aとほぼ類似した構成であるが、ポンプ123を備えておらず、給水管121と吹出しノズル122との間に送風部140を有している。送風部140は、送風チャンバ140aおよびファン140bを備えている。給水管121および吹出しノズル122は送風チャンバ140aを介して接続されており、ファン140bによる送風方向は送風チャンバ140a内から吹出しノズル122に向かう方向とされている。
金属イオン水散布装置100Lは、ファン140bを作動させることで金属イオン水の散布が行われる。すなわち、ファン140bによって送風チャンバ140aから吹出しノズル122へ空気を流すことで、送風チャンバ140a内の気圧が下がり、給水管121から金属イオン水が吸い上げられる。送風チャンバ140a内に吸い上げられた金属イオン水は、ファン140bの送風により吹出しノズル122から散布される。この構成では、送風部140が特許請求の範囲に記載の散布部の一部となる。
図15,16は、本実施の形態5に係る金属イオン水散布装置の変形例を示すものである。図15,16に示す金属イオン水散布装置100M,100Nは、伝熱温調装置112および温度センサ113をタンク111内ではなく、送風チャンバ140a内もしくは送風チャンバ140aよりも下流側に設けた構成である。
図15に示す金属イオン水散布装置100Mは、伝熱温調装置112および温度センサ113を送風チャンバ140aと給水管121との接続位置よりも後方(ファン140bによる送風方向の上流側)に配置している。この構成では、ファン140bによって送られる空気が伝熱温調装置112によって温調され、温調された空気と給水管121から吸い込まれた金属イオン水とが混合される。これにより、温調された金属イオン水を散布することができる。
図16に示す金属イオン水散布装置100Nは、伝熱温調装置112および温度センサ113を送風チャンバ140aと給水管121との接続位置よりも前方(ファン140bによる送風方向の下流側)に配置している。この構成では、ファン140bによって送られる空気と給水管121から吸い込まれた金属イオン水とが伝熱温調装置112によって同時に温調される。これにより、温調された金属イオン水を散布することができる。
〔実施の形態6〕
本実施の形態6では、上述した金属イオン水散布装置100A〜100N(以下、金属イオン水散布装置100と総称する)における操作部127の構成例について説明する。
図17は、操作部127の一例を示すものである。図17に示す操作部127は、作動スイッチ127a、温度選択ボタン127b、温度表示部127cを備えている。作動スイッチ127aは、これを押圧することで金属イオン水散布装置100のON/OFFを切り替えるスイッチである。
温度選択ボタン127bは、使用者が複数の温度帯から所望の温度帯を選択するためのボタンであり、選択可能な温度帯の数に応じて複数設けられている。図16の例では、温度選択ボタン127bは、より高い温度帯から順に「強」、「中」、「弱」および「微弱」ボタンが設けられている。また、これらのボタンは、それぞれ80℃、65℃、50℃、40℃の温度帯に対応しているものとする。また、温度選択ボタン127bによって選択された温度帯は温度表示部127cにて表示される。これにより、使用者は現在選択されている温度帯を容易に認識することができる。
前述した表1において、居住空間に発育する主要な菌8種類の、各種菌の除菌に要する温度および菌の発育領域を一覧に示している。これより、例として靴箱に噴霧する場合、発育するクラドスポリウム・クラドスポリオイデスは40℃で除菌されるので、温度選択ボタン127bは「微弱」ボタンを選択すればよい。同様に、エアコン内部および押し入れの中の菌は50℃で除菌されるので「弱」ボタンを選択すればよく、キッチンの菌は65℃で除菌されるので「中」ボタンを選択すればよく、浴室の菌は80℃で除菌されるので「強」ボタンを選択すればよい。
尚、温度選択ボタン127bの数(選択可能な温度帯の数)は4種類に限る必要はなく、各ボタンが設定する温度も上記の組み合わせに限らない。また、温度選択ボタン127bの記載も「強」、「中」、「弱」および「微弱」といった記載に限定されるものではなく、「キッチン」「浴室」などの使用場所を記載してもよい。このように利用者は居住空間の中でどの領域に使用するか選択することで、最適な温度での金属イオン水の散布が可能となり、省電力で安全に使用できる。
また、温度表示部127cによる選択温度帯の表示方法も特に限定されるものでなく、例えば、液晶画面などの表示パネルを用いた表示や、LEDライトの点灯などによる表示方法が考えられる。LEDライトの点灯では、タンク111内の水の予熱中はLEDを点滅させ、予熱完了したらLEDを点灯させるといった表示制御が行える。
図18は、操作部127の他の例を示すものである。図18に示す操作部127は、図17における温度選択ボタン127bに代えて温度設定ダイヤル127dを有している。すなわち、操作部127では、温度設定ダイヤル127dによって連続的に温度を設定できる構成にしてもよい。これにより、上記の菌以外の除菌においても、効力を発揮する適切な水温の金属イオン水を散布できる。
<実験>
本実施の形態に係る金属イオン水散布装置100による除菌効果の実験結果を以下の表2,3に示す。表2は、菌に対して温水(金属イオンを含まない)を掛けた際の菌の減少率を示すものである。表3は、菌に対して温められた銀イオン水を掛けた際の菌の減少率を示すものである。浴室や靴箱、キッチンなどの居住空間において発育している主要な菌8種類に対して温調水のもたらす効果について検討した。
Figure 2019235438
Figure 2019235438
表2において、10^5 CFU/mlの菌を含む懸濁液1mlに対して0℃から100℃まで5度刻みで温度を指定した温調水を9ml噴霧した。噴霧後コロニーの形成が見られるまで保管し、水を掛けなかった統制群の菌数に対する各温度の水を掛けた場合の菌数を集計した。また、表3においては、濃度10ppmの銀イオンを含む水を0℃から100℃まで5度刻みで指定して噴霧した結果を示している。
表の各種記号は菌数が統制群に比べて以下の比率になったことを表している。
×:50%以上
△:10%以上
○:1%以上
◎:1%未満
表2に示されるように、75℃以上の温水を噴霧した際、レジオネラ菌以外の菌において生菌数の比が10%未満となった。又、食中毒の原因となるシュードモナス・フラギは65℃の温水の噴霧で生菌数の比が10%未満となった。
また、表3に示されるように、80℃以上の温調銀イオン水においては全ての菌において生菌数の比が1%未満となった。さらに、40℃の場合は8種類中1種類、50℃の場合は8種類中3種類、65℃の場合は8種類中7種類の菌にて生菌数の比が1%未満となった。このことから温調される金属イオン水の温度は、少なくとも40℃、50℃、65℃、80℃の4種類の制御ができることが望ましいといえる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
〔援用の記載〕
本国際出願は、2018年6月7日に日本特許庁に出願された日本国特許出願第2018−109534号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018−109534号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
100,100A〜100N 金属イオン水散布装置
101 本体部
102 台座部
110 筐体下部
120 筐体上部
111 タンク
112 伝熱温調装置(温調部)
113 温度センサ(温調部)
114 給電部
121 給水管(散布部)
122 吹出しノズル(散布部)
123 ポンプ(散布部)
124 金属イオン溶出ユニット(金属イオン水生成部)
125 制御部
126 電池
127 操作部
131 注水口
132 押圧レバー(散布部)
133 第1給電端子
134 第2給電端子
135 温調操作部
136 放射温調装置136(温調部)
137 温調風発生部(温調部)
138 金属メッシュ(散布部)
139 超音波振動子(散布部)
140 送風部(散布部)

Claims (6)

  1. 水を貯めるタンクと、
    前記タンクに貯められた水を外部の対象物に向けて散布する散布部と、
    前記散布部によって散布される前の水に抗菌作用を有する金属イオンを付加して金属イオン水を生成する金属イオン水生成部と、
    前記散布部によって散布される前の水を所定温度に温度調整する温調部とを有していることを特徴とする金属イオン水散布装置。
  2. 水を貯めるタンクと、
    前記タンクに貯められた水を外部の対象物に向けて散布する散布部と、
    前記散布部によって散布される前の水に抗菌作用を有する金属イオンを付加して金属イオン水を生成する金属イオン水生成部と、
    前記散布部によって前記対象物に向けて散布された後の金属イオン水を温度調整する温調部とを有していることを特徴とする金属イオン水散布装置。
  3. 請求項1または2に記載の金属イオン水散布装置であって、
    前記温調部は、複数の温度に温度調整が可能なことを特徴とする金属イオン水散布装置。
  4. 請求項1または2に記載の金属イオン水散布装置であって、
    前記温調部は、連続的な任意の温度に温度調整が可能なことを特徴とする金属イオン水散布装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の金属イオン水散布装置であって、
    当該金属イオン水散布装置は、少なくとも前記タンク、前記散布部および前記金属イオン水生成部を含む本体部と、前記本体部を載置可能な台座部とによって構成されており、
    前記温調部に対して給電する給電部は前記台座部に設けられており、前記本体部を前記台座部に載置している状態において前記温調部による温調制御が可能となることを特徴とする金属イオン水散布装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の金属イオン水散布装置であって、
    前記金属イオン水生成部は、金属電極を用いた水中での電気分解により金属イオン水を生成するものであることを特徴とする金属イオン水散布装置。
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