JP4273132B2 - 有機発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機発光素子の製造方法に関するものである。
有機半導体材料または有機半導体材料と有機無機複合半導体材料を用いた有機半導体素子には、有機発光素子、有機トランジスタ、有機太陽電池などがある。
このうち、発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が、陰極と陽極との間に設けられた有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、無機EL素子に比べて印加電圧を大幅に低下させることができ、多彩な発光色の素子が作製可能である。
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、陰極と発光性有機層(発光層)との間や、陽極と有機発光層との間に、種々の層を設けるデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
このような層の一つに、陰極と有機発光層との間に設けられる電子輸送層や、さらに電子輸送層と陰極との間に設けられる電子注入層があるが、かかる電子輸送層や電子注入層の性能は、デバイス特性に大きく左右するため、その改良が急がれている。
例えば、特許文献1には、電子輸送性の有機化合物と、仕事関数の低い金属であるアルカリ金属を含む金属化合物とを共蒸着することにより、電子注入層中に金属化合物を混入させることにより、電子注入層の特性の改善を図る構成が提案されている。
ところが、かかる構成の電子注入層は、あくまで、駆動電圧の低下、発光効率の向上を図ることが目的であり、耐久性の改善が図られているとはいい難いものである。
また、電子注入層を真空蒸着法により成膜するため、大掛かりな設備を必要とし、2種以上の材料を同時に蒸着する際の蒸着速度の精密な調整が困難であり、生産性に劣るという問題もある。
特開2005−63910号公報
本発明の目的は、発光効率および耐久性に優れ、電子注入性および電子輸送性が高い有機発光素子を生産性よく製造し得る製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機発光素子の製造方法は、陽極上に有機発光層を形成する工程と、
前記有機発光層上に液状材料を塗布し、電子輸送層を形成する工程と、
前記電子輸送層上に陰極を形成する工程と、を含み、
前記液状材料が、下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、少なくとも芳香族環基を有する。)で表される化合物と、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種を含む金属塩を炭素数が1〜7の単価アルコールに溶解させることによって得られる前記アルカリ金属イオンおよび前記アルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンと、前記炭素数が1〜7の単価アルコールと、を含み、
前記一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数をA[個]とし、前記金属イオンの数をB[個]としたとき、前記一般式(1)で表される化合物と前記金属イオンの量比であるB/Aが0.2〜1.5であることを特徴とする。
Figure 0004273132
これにより、発光効率および耐久性に優れ、電子注入性および電子輸送性が高い有機発光素子を生産性よく製造することができる。
本発明の有機発光素子の製造方法では、前記金属塩は、CsまたはCaのうち少なくとも一種の金属イオンを含むものであることが好ましい。
これにより、高い効率および耐久性に優れ、電子注入性および電子輸送性が高い有機半導体素子をより一層生産性よく製造することができる。
以下、有機無機複合半導体材料、有機無機複合半導体を含む液状材料、有機発光素子、有機発光素子の製造方法、発光装置および電子機器の好適な実施形態について説明し、有機発光素子、発光装置および電子機器を添付図面に示す。
図1は、本発明の方法を用いて製造される有機発光素子の実施形態の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)1は、基板2上に設けられた陽極3と、陰極7と、陽極3と陰極7との間に、陽極3側から順に、正孔輸送層4と、有機発光層5と、電子輸送層6とを積層してなるものであり、その全体が封止部材8で封止されている。
基板2は、有機発光素子1の支持体となるものである。本実施形態の有機発光素子1は、基板2側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、基板2および陽極3は、それぞれ、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされている。
基板2の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基板2の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
なお、有機発光素子1が基板2と反対側から光を取り出す構成(トップエミッション型)の場合、基板2には、透明基板および不透明基板のいずれも用いることができる。
不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
陽極3は、後述する正孔輸送層4に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
一方、陰極7は、後述する電子輸送層6に電子を注入する電極であり、電子輸送層6の有機発光層5と反対側に設けられている。この陰極7の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極7の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極7の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極7の構成材料として用いることにより、陰極7の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
このような陰極7の平均厚さは、特に限定されないが、100〜10000nm程度であるのが好ましく、200〜500nm程度であるのがより好ましい。
トップエミッション型の場合、仕事関数の小さい材料、またはこれらを含む合金を5〜20nm程度とし、透過性を持たせ、さらにその上面にITOなどの透過性の高い導電材料を100〜500nm程度の厚さで形成する。
なお、本実施形態の有機発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極7に、光透過性は、特に要求されない。
陽極3上には、正孔輸送層4が設けられている。この正孔輸送層4は、陽極3から注入された正孔を、有機発光層5まで輸送する機能を有するものである。
正孔輸送層4の構成材料としては、例えば、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
このような正孔輸送層4の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
正孔輸送層4上、すなわち、陽極3の一方の面側には、有機発光層5が設けられている。この有機発光層5には、後述する電子輸送層6から電子が、また、前記正孔輸送層4から正孔がそれぞれ供給(注入)される。そして、有機発光層5内では、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)が放出(発光)される。
有機発光層5の構成材料としては、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq)、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))のような低分子系のものや、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子、カルバゾール系高分子、ポリフルオレン系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子のような高分子系のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような有機発光層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
有機発光層5上には、電子輸送層6が設けられている。この電子輸送層6は、陰極7から注入された電子を、有機発光層5まで輸送する機能を有するものである。
本発明では、この電子輸送層6の構成(特に、構成する有機無機半導体材料)に特徴を有している。この点(特徴)ついては、後に詳述する。
このような電子輸送層6の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、10〜50nm程度であるのがより好ましい。
封止部材8は、有機発光素子1(陽極3、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6および陰極7)を覆うように設けられ、これらを気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。封止部材8を設けることにより、有機発光素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止(耐久性向上)等の効果が得られる。
封止部材8の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、封止部材8の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、封止部材8と有機発光素子1との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
また、封止部材8は、平板状として、基板2と対向させ、これらの間を、例えば熱硬化性樹脂等のシール材で封止するようにしてもよい。
さて、本発明者は、リン原子を含む有機化合物を主材料とする電子輸送層6において、その電子輸送特性と、これを用いて作製した有機発光素子1の特性および耐久性の向上を図るべく鋭意検討を重ねた。
その結果、下記一般式(1)
Figure 0004273132
(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される化合物を主材料とする電子輸送層6中に、アルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属を金属イオンとして混入することにより、有機発光素子1の発光特性(発光輝度の上昇、駆動電圧の低下、発光効率の向上等)および耐久性の向上を図り得ることを見出した。
この発光輝度の上昇および駆動電圧の低下は、次のような要因により生じるものであると推察される。すなわち、第一に、電子輸送層6上に陰極7を真空蒸着法などにより作製する際に、電子輸送層6の陰極7との界面付近に存在する前記金属イオンが中性の仕事関数が低い金属状態に還元されることにより、電子輸送層6への陰極7から電子の注入効率が向上すること、第二に、金属イオンが一般式(1)で表される化合物に含まれるリン原子との間において、化学的相互作用(例えば、イオン結合、配位結合等)を生じることにより、有機化合物のエネルギー準位が相対的に変化すること、すなわち、HOMO(最高占有分子軌道)とLUMO(最低非占有分子軌道)が相対的に低い準位に変化することである。これらのことから、電子輸送層6の陰極7との界面における電子注入障壁が小さくなり、陰極7から電子輸送層6への電子注入効率が向上して、有機発光層5への電子注入がより効果的に行われるようになる。その結果、発光輝度の上昇、駆動電圧の低下が生じるものと考えられる。
また、発光効率の向上は、前述のように、HOMO準位の低下により、再結合しなかった正孔が陰極7に送られることを抑制し、正孔が電子輸送層6の有機発光層5との界面に効果的に蓄積される結果、この蓄積された正孔が再び再結合に寄与することが可能とるところに大きな要因があると推察される。
一方、耐久性の向上は、一般式(1)で表される化合物と金属イオンとの間に化学的相互作用を生じることにより、金属イオンの有機発光層5への拡散が抑制され、金属イオンによる消光が抑制され、さらには、前記化学的相互作用による有機化合物の構造の安定化により、電子の輸送(受け渡し)に際して、立体構造が歪むなどの変化が抑制されるなど、駆動時における電子輸送層6の安定化に大きな要因があると推察される。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、電子輸送層6を、下記一般式(1)
Figure 0004273132
(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される化合物と、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンとを含む材料を主材料として構成したことに特徴を有する。
一般式(1)で表される化合物は、リン原子を有しているため、適度に電気陰性度が高く、一般式(1)で表される化合物の構造中において電子を当該原子側に若干偏らせることができる。このため、一般式(1)で表される化合物と金属イオンとの化学的相互作用をより高めることができ、その結果、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定化させ、金属イオンの拡散を抑制することができる。また、当該原子は適度に結合次数が高いため、金属イオンと相互作用する不対電子を有し、かつ他の元素と容易に結合を形成する。
ここで、一般式(1)中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。
芳香族環基の炭素数は、特に限定されないが、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。
具体的には、ベンゼン環(フェニル基)などの単環式の芳香族炭化水素基、チオフェン環、トリアジン環、フラン環、ピラジン環、ピリジン環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリミジン環などの単環式の複素環基、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式の芳香族炭化水素基、チエノ[3,2−b]フラン環などの縮合多環式の複素環基、ビフェニル環、ターフェニル環などの環集合式の芳香族炭化水素基、ビチオフェン環、ビフラン環などの環集合式の複素環基、アクリジン環、イソキノリン環、インドール環、カルバゾール環、カルボリン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、シンノリン環、チオナフテン環、1,10−フェナントロリン環、フェノチアジン環、プリン環、ベンゾフラン環、シロール環などの芳香族環と複素環との組み合わせからなるものが挙げられる。これらのうち、特にベンゼン環(フェニル基)が好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができ、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた有機発光素子1を提供することができる。
かかる芳香族環基に結合し得る置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基、ジアリールホスフィニル基、アルコキシ基または下記一般式(2)
Figure 0004273132
(式中、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される基などが挙げられる。
これらの置換基のうち、一般式(2)で表される化合物が好ましい。これにより、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた有機発光素子1を提供することができる。
アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。また、当該置換基が結合するベンゼン環の炭素原子と共に互いに一緒になって置換または無置換の芳香環を形成することもできる。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができる。なお、当該芳香環が置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基およびジアリールホスフィニル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基が挙げられ、これらは無置換でも置換されていてもよい。なお、置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基およびジアリールホスフィニル基などが挙げられる。
ジアリールホスフィニル基のアリールは、前記アリール基と同様である。
アルコキシル基の炭素数は、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができる。
一般式(2)中のArおよびArの芳香族環基、芳香族環基に置換し得る置換基は、前記Ar、ArおよびArで説明した基と同様であるが、特に、フェニル基が好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができ、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた有機発光素子1を提供することができる。
以上説明した、一般式(1)で表される化合物のAr〜Ar芳香族環基およびそれに置換し得る置換基を組み合わせ、一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。なお、以下の具体例はあくまでも代表的なものであり、特にこれらに限定されるものではない。
(I):一般式(2)で表される置換基を1つ有する化合物
Figure 0004273132
(II):一般式(2)で表される置換基を2つ有する化合物
Figure 0004273132
Figure 0004273132
Figure 0004273132
(III):一般式(2)で表される置換基を3つ有する化合物
Figure 0004273132
Figure 0004273132
Figure 0004273132
一般式(1)で表される化合物の含有量は、電子輸送層6の構成材料に対して、30〜70wt%であることが好ましい。
なお、一般式(1)で表される化合物は、公知の方法、例えば、WO2005/104628に記載された方法により合成することができる。
一方、金属イオンとしては、一般式(1)で表される化合物の種類に応じて、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属イオンまたはYb、Sc、Yなどの希土類金属イオンから適宜選択されるものである。一般式(1)で表される化合物として、例えば、前記化12(特に化13)で表される化合物を用いる場合には、Li、Cs、Ca、Mg、Ybのような金属イオンが好適である。これら金属イオンは、2種以上組み合わせて用いてもよい。
電子輸送層6は、一般式(1)で表される化合物とアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンとを含む材料を主材料としていることが好ましく、電子輸送層6の構成材料に対して当該材料を31〜100wt%含んでいることがより好ましく、50〜100wt%含んでいることが最も好ましい。これにより、電子注入性および電子輸送性が向上し、発光効率および耐久性に優れる有機発光素子1を得ることができる。
電子輸送層6中において、これらの一般式(1)で表される化合物と金属イオンとの量比は、一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数をA[個]とし、金属イオンの数をB[個]としたとき、B/Aが0.05以上であるのが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.2〜1.5程度であるのが最も好ましい。B/Aを前記範囲とすることにより、一般式(1)で表される化合物に対して金属イオンを過不足なく存在させることができ、一般式(1)で表される化合物の構造をより確実に安定化させることができる。また、金属イオンの作用による電子輸送層6への陰極7から電子の注入効率の向上を十分に図ることができる。このようなことから、電子輸送層6の特性をより向上させることができる。さらに、電子輸送層6中において、一般式(1)で表される化合物との間に化学的相互作用を生じない金属イオンの数を十分に少なくでき、金属イオンが有機発光層5に拡散するのを確実に防止することができる。その結果、有機発光素子1の時間経過および駆動に伴う発光輝度が低下するのを好適に防止することができる。
このような電子輸送層6を構成する前記一般式(1)で表される化合物とアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンとを含む材料は、有機無機複合半導体材料としても用いることができる。
一般式(1)で表される化合物のAr、ArおよびAr、一般式(2)で表される化合物のArおよびAr、各置換基、好ましい態様ならびにアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属イオン、かかる材料の含有量は、前記電子輸送層6で説明したものと同様である。
また、有機無機複合材料において、これらの一般式(1)で表される化合物と金属イオンとの量比は、一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数をA[個]とし、金属イオンの数をB[個]としたときの、B/Aの値も前記電子輸送層6で説明したものと同様である。
このような材料は、電子注入性、電子輸送性が高く、耐久性および寿命に優れるため、各種デバイスの半導体材料としても用いることができる。
また、これら有機無機複合材料に溶媒を含ませることにより、各種液状材料としても用いることができる。
かかる溶媒としては、有機発光素子1に用いた場合に有機発光層5を膨潤または溶解し難いものが好ましい。これにより、発光材料の変質・劣化や、有機発光層5が溶解し、膜厚が極端に減少することを防止することができる。その結果、有機発光素子1の発光効率の低下を防止することができる。
また、金属化合物を容易に溶解して金属イオンを解離するものが好ましい。具体的には、プロトン性極性溶媒を用いるのが好適である。
プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の単価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールのようなアルコール類、酢酸、ギ酸、(メタ)アクリル酸のようなカルボン酸類、エチレンジアミン、ジエチルアミンのようなアミン類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、フェノール、p−ブチルフェノールのようなフェノール類、アセチルアセトン、マロン酸ジエチルのような活性メチレン化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、水およびアルコール類のうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。水やアルコール類は、金属化合物の溶解性が高いため、プロトン性極性溶媒として、水およびアルコール類のうちの少なくとも1種を主成分とするものを用いることにより、金属化合物から確実に金属イオンを解離させることができ、液状材料の調製が容易となる。
特に、アルコール類としては、炭素数が1〜7、好ましくは炭素数1〜4の単価アルコールが好ましい。このような炭素数の単価アルコールは、金属化合物の溶解性が高い点で好ましい。例えば、金属化合物として炭酸セシウム(CsCO)を単価アルコール(R−OH)に溶解すると、以下のような反応により、Csイオン(金属イオン)が解離するものと考えられる。
CsCO+2ROH → 2Cs(OR)+CO+H
Cs(OR)+HO → Cs+OH+ROH
なお、有機無機複合半導体材料を含む液状材料中には、一般式(1)で表される化合物と金属化合物とを、得られる電子輸送層6において、一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数A[個]と、金属イオンの数B[個]とが前記有機無機複合半導体材料で説明した関係と同様の関係になるように混合する。
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを有する金属化合物は、金属塩、金属錯体および金属アルコキシドであることが好ましい。これにより、金属イオンを解離し易く、高い効率および耐久性に優れる有機半導体素子の製造に用いる、より一層生産性に優れる液状材料が得られる。これらは、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、金属塩、金属錯体および金属アルコキシドならびにそれらの含有量は、後述する有機発光素子1の製造方法で説明する。
このような有機発光素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。なお、上記説明したものと重複する事項はその説明を省略する。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、陽極3上に正孔輸送層4を形成する。
正孔輸送層4は、例えば、正孔輸送材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる正孔輸送層形成用材料を、陽極3上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することにより形成することができる。
正孔輸送層形成用材料の供給方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。かかる塗布法を用いることにより、正孔輸送層4を比較的容易に形成することができる。
正孔輸送層形成用材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
また、本工程に先立って、陽極3の上面には、酸素プラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、陽極3の上面を親液性を付与すること、陽極3の上面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、陽極3の上面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、基板2の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
[3] 次に、正孔輸送層4上(陽極3の一方の面側)に、有機発光層5を形成する。
有機発光層5は、例えば、発光材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる有機発光層形成用材料を、正孔輸送層4上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することにより形成することができる。
有機発光層形成用材料の供給方法および乾燥の方法は、前記正孔輸送層4の形成で説明したのと同様である。
なお、前述したような発光材料を用いる場合、有機発光層形成用材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独またはこれらを含む混合溶媒して用いることができる。
[4] 次に、有機発光層5上に、電子輸送層6を形成する。
(a)第1の工程
まず、前述したような一般式(1)で表される化合物と金属イオンとを含有する、有機無機複合半導体を含む液状材料(液状材料)を調製する。
これは、一般式(1)で表される化合物と、アルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属を含む少なくとも1種の金属化合物と溶媒とを混合し、金属化合物から金属イオンを解離させることにより調製することができる。
また、一般式(1)で表される化合物と金属イオンの溶液をそれぞれ個別に調製し、混合してもよい。すなわち、一般式(1)で表される化合物を含む第1の溶液と、金属化合物を含む第2の溶液とを混合して混合してもよい。この際、それぞれの溶液に使用する溶媒は、分離せず、混合が可能ならば異なっていても良い。これにより、単一の溶媒に対する一般式(1)で表される化合物と金属化合物の溶解性が大きく変化し、所望の量比で混合することが困難な場合においても、溶液の調製が可能となる。
さらに、前記いずれの液状材料の調製方法においても、前述のB/Aが所望の値、すなわち、液状材料で説明した値と同様の値となるよう混合することができる。これにより、発光効率および耐久性に優れる有機発光素子1を生産性よく製造することができる。
金属化合物は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたは希土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを有する化合物である。たとえば、Li、Na、Kなどのアルカリ金属、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属またはYb、Sc、Yなどの希土類金属の、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、アセチル酢酸塩等の有機酸塩ならびに塩化物、臭化物のようなハロゲン化物などといった金属塩、メトキシド、エトキシドのような金属アルコキシド、アセチルアセトネートのような脱離しやすい配位子を有する金属錯体等が挙げられる。
より具体的には、炭酸セシウム、酢酸セシウム、塩化セシウム、セシウムアセチルアセトネート、炭酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム、リチウムアセチルアセトネート、炭酸イッテルビウム、酢酸イッテルビウム、塩化イッテルビウム、イッテルビウムアセチルアセトネート、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、カルシウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。
これらのうち、少なくとも1種類を主成分とすることが好ましく、特に、大気中において比較的安定であり、取り扱いが容易であり、金属イオンを解離し易いということから、炭酸セシウム、酢酸セシウム、塩化セシウム、塩化イッテルビウム、塩化カルシウム、リチウムアセチルアセトネートが好ましい。これにより、高い効率および耐久性に優れ、電子注入性および電子輸送性が高い有機半導体素子をより一層生産性よく製造することができる。
電子輸送層6中の金属化合物の含有量は、電子輸送層6の構成材料に対して1〜30wt%であることが好ましい。
有機無機複合半導体材料を含む液状材料の調製に用いる溶媒としては、有機発光層5を膨潤または溶解し難いものが好ましい。これにより、発光材料の変質・劣化や、有機発光層5が溶解し、膜厚が極端に減少することを防止することができる。その結果、有機発光素子1の発光効率の低下を防止することができる。
さらに、この溶媒、一般式(1)で表される化合物と金属化合物の溶液をそれぞれに別に用意する場合、金属化合物の溶液に用いる溶媒は金属化合物を容易に溶解して金属イオンを解離するものが好ましい。
以上のことを考慮した場合、溶媒には、プロトン性極性溶媒を用いるのが好適である。これにより、発光効率の低下を防止することができ、有機発光素子1を生産性よく製造することができる。
プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の単価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールのようなアルコール類、酢酸、ギ酸、(メタ)アクリル酸のようなカルボン酸類、エチレンジアミン、ジエチルアミンのようなアミン類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、フェノール、p−ブチルフェノールのようなフェノール類、アセチルアセトン、マロン酸ジエチルのような活性メチレン化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、プロトン性極性溶媒としては、水およびアルコール類のうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。水やアルコール類は、金属化合物の溶解性が高いため、プロトン性極性溶媒として、水およびアルコール類のうちの少なくとも1種を主成分とするものを用いることにより、金属化合物から確実に金属イオンを解離させることができ、有機無機複合半導体材料を含む液状材料の調製が容易となる。
特に、アルコール類としては、炭素数が1〜7(好ましくは炭素数1〜4)の単価アルコールが好ましい。このような炭素数の単価アルコールは、金属化合物の溶解性が高い。
例えば、金属化合物として炭酸セシウム(CsCO)を単価アルコール(R−OH)に溶解すると、以下のような反応により、Csイオン(金属イオン)が解離するものと考えられる。
CsCO+2ROH → 2Cs(OR)+CO+H
Cs(OR)+HO → Cs+OH+ROH
なお、有機無機複合半導体材料を含む液状材料中には、一般式(1)で表される化合物と金属化合物とを、得られる電子輸送層6において、一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数A[個]と、金属イオンの数B[個]とが前述した関係、B/Aが0.05以上であることが好ましく、0.2であることがより好ましく、0.2〜1.5であることが最も好ましい。これにより、より一層高い発光効率および耐久性に優れ、電子注入性および電子輸送性が高い有機発光素子1をより一層生産性よく製造することができる。
例えば、一般式(1)で表される化合物として下記化13に示す化合物を用い、金属化合物としてCsCOを用いて、B/Aを0.2とする場合について説明する。
化13に示す化合物には、P=O結合が4個含まれる。これに対して、CsCOからは、Csイオンが2個解離する。このため、B/Aを0.2とするためには、化13に示す化合物1モルに対して、CsCOを0.4モル混合するようにすればよい。
Figure 0004273132
(b)第2の工程
次に、調製した有機無機複合半導体材料を含む液状材料を有機発光層5上に供給した後、乾燥(脱溶媒)する。これにより、有機無機複合半導体材料で構成される電子輸送層6が得られる。
有機無機複合半導体材料を含む液状材料の供給方法および乾燥の方法は、前記正孔輸送層4の形成で説明したのと同様である。
[5] 次に、電子輸送層6上(有機発光層5と反対側)に、陰極7を形成する。
(c)第3の工程
本工程は、電子輸送層6の有機発光層5と反対側に陰極を形成する工程である。
陰極7は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合、金属微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
以上のような工程を経て、有機発光素子1が得られる。
最後に、得られた有機発光素子1を覆うように封止部材8を被せ、基板2に接合する。
以上のような製造方法によれば、有機層(ホール輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6)の形成や、金属微粒子インクを使用する場合は陰極7の形成においても、真空装置等の大掛かりな設備を要しないため、有機発光素子1の製造時間および製造コストの削減を図ることができる。また、インクジェット法(液滴吐出法)を適用することで、大面積の素子の作製や多色の塗り分けが容易となる。
なお、本実施形態では、正孔輸送層4および有機発光層5を液相プロセスにより製造することとして説明したが、本発明では、用いる正孔輸送材料および発光材料の種類に応じて、これらの層を、例えば、真空蒸着法等の気相プロセスにより形成するようにしてもよい。
このような有機発光素子1は、例えば光源等として使用することができる。また、複数の有機発光素子1をマトリックス状に配置することにより、ディスプレイ装置(発光装置)を構成することができる。
なお、ディスプレイ装置の駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
次に、上述したような発光装置を適用したディスプレイ装置の一例について説明する。
図2は、上述したような発光装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。
図2に示すディスプレイ装置10は、基体20と、この基体20上に設けられた複数の有機発光素子1とで構成されている。
基体20は、基板21と、この基板21上に形成された回路部22とを有している。
回路部22は、基板21上に形成された、例えば酸化シリコン層からなる保護層23と、保護層23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層25と、第2層間絶縁層26とを有している。
駆動用TFT24は、シリコンからなる半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、それぞれ、有機発光素子1が設けられている。また、隣接する有機発光素子1同士は、第1隔壁部31および第2隔壁部32により区画されている。
本実施形態では、各有機発光素子1の陽極3は、画素電極を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線27により電気的に接続されている。また、各有機発光素子1の陰極7は、共通電極とされている。
そして、各有機発光素子1を覆うように封止部材(図示せず)が基体20に接合され、各有機発光素子1が封止されている。
ディスプレイ装置10は、単色表示であってもよく、各有機発光素子1に用いる発光材料を選択することにより、カラー表示も可能である。
このようなディスプレイ装置10(発光装置)は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図3は、本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
図4は、本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
図5は、本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の方法を用いて製造される電子機器は、図3のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図4の携帯電話機、図5のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、有機無機複合半導体材料、液状材料、有機発光素子、有機発光素子の製造方法、発光装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、本発明の方法を用いて製造される有機発光素子には、各層同士の間の少なくとも1つに、任意の目的の層を1層以上設けることもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.有機発光素子の製造
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。
<2> 次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した。
<3> 次に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の水分散液を、ITO電極上に、スピンコート法により塗布した後、200℃に加熱したホットプレート上で、大気圧下にて10分間乾燥した。これにより、平均厚さ60nmの正孔輸送層を形成した。
<4> 次に、ポリビニルカルバゾールとファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムとを溶解したモノクロロベンゼン溶液を、正孔輸送層上に、スピンコート法により塗布した後、乾燥した。これにより、平均厚さ70nmの有機発光層を形成した。
なお、ポリビニルカルバゾールとファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムとの配合比は、重量比で97:3とした。
<5> まず、金属化合物として炭酸セシウム(CsCO)を2−プロパノールに溶解した。次いで、この溶液を、4,4',4''−トリス(ジフェニルホスフィニル)−トリフェニルホスフィンオキシド(以下、「TPPO−Burst」と略す。)に添加した後、TPPO−Burstの濃度が0.5wt%となるように2−プロパノールで希釈した。これにより、電子輸送層形成用材料を得た。
なお、TPPO−Burstと炭酸セシウムとの配合比は、モル比で2:1とした。すなわち、前記B/Aを0.25となるようにした。
この調製した電子輸送層形成用材料を、有機発光層上に、スピンコート法により塗布した後、130℃に加熱したホットプレート上で、窒素雰囲気下にて10分間乾燥した。これにより、平均厚さ15nmの電子輸送層を形成した。
<6> 次に、電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ200nmのAl電極(陰極)を形成した。
次に、形成した各層を覆うように、ガラス製の保護カバー(封止部材)を被せ、エポキシ樹脂により固定、封止した。
(実施例2)
前記工程<5>において、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と炭酸セシウムとの配合比を、モル比で10:1とし、前記B/Aを0.05となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例3)
前記工程<5>において、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と炭酸セシウムとの配合比を、モル比で5:1とし、前記B/Aを0.1となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例4)
前記工程<5>において、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と炭酸セシウムとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.5となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例5)
前記工程<5>において、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と炭酸セシウムとの配合比を、モル比で1:2とし、前記B/Aを1.0となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例6)
前記工程<5>において、金属化合物としてリチウムアセチルアセトネート(Li(acac))を用い、TPPO−Burst(化13に示す化合物)とリチウムアセチルアセトネートとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.25となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例7)
前記工程<5>において、金属化合物として塩化セシウムを用い、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と塩化セシウムとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.25となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例8)
前記工程<5>において、金属化合物として酢酸セシウムを用い、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と酢酸セシウムとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.25となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例9)
前記工程<5>において、金属化合物として塩化カルシウム(CaCl)を用い、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と塩化カルシウムとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.25となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(実施例10)
前記工程<5>において、金属化合物として、塩化イッテルビウム(YbCl)を用い、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と塩化イッテルビウムとの配合比を、モル比で1:1とし、前記B/Aを0.25となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(比較例1)
前記工程<5>において、炭酸セシウムを配合するのを省略した以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
(比較例2)
前記工程<5>において、炭酸セシウムとTPPO−Burst(化13に示す化合物)との前記B/Aを0.05となるようにし、共蒸着して電子輸送層を形成した以外は、前記実施例1と同様にして、有機発光素子を製造した。
なお、TPPO−Burst(化13に示す化合物)と炭酸セシウムとの比は、モル比で2:1とした。
2.評価
2−1.金属イオンの存在の確認
各実施例および各比較例において、それぞれ、Al電極を形成する前に、電子輸送層中に存在する金属の電子状態を、X線光電子分光分析法(XPS法)により確認した。
なお、このX線光電子分光分析法は、XPS装置(PHI社製、「Quantera SXM」)を用いて行った。
その結果、各実施例における電子輸送層中には、いずれも、金属イオンの存在が確認できた。
2−2.発光効率の評価
各実施例および各比較例で製造した有機発光素子に対して、それぞれ、陽極と陰極との間に直流電源より8Vの電圧を印加し、このときの電流値および輝度を測定した。そして、これらの値から、発光効率[cd/A]を求めた。
2−3.耐久性の評価
各実施例および各比較例で製造した有機発光素子に対して、それぞれ、陽極と陰極との間に直流電源より電圧を印加し、初期輝度400Cd/mの定電流駆動を行った。そして、輝度が初期の半分になる期間(半減期)を求めた。
2−2(発光効率の評価)および2−3(耐久性の評価)の評価結果を、下記表1に示す。
Figure 0004273132
なお、表1には、各評価結果について、それぞれ、実施例1〜10は、比較例1および2を「1」としたときの相対値として示した。
表1に示すように、各実施例で製造した有機発光素子は、いずれも、発光効率および耐久性に優れるものであった。
これに対して、各比較例で製造した有機発光素子は、いずれも、各実施例で製造した有機発光素子の発光効率および耐久性に劣るものであった。
本発明の方法を用いて製造される有機発光素子の実施形態の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の方法を用いて製造される発光装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の方法を用いて製造される電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1……有機発光素子 2……基板 3……陽極 4……正孔輸送層 5……有機発光層 6……電子輸送層 7……陰極 8……封止部材 10……ディスプレイ装置 20……基体 21……基板 22……回路部 23……保護層 24……駆動用TFT 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 25……第1層間絶縁層 26……第2層間絶縁層 27……配線 31……第1隔壁部 32……第2隔壁部 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306……シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (2)

  1. 陽極上に有機発光層を形成する工程と、
    前記有機発光層上に液状材料を塗布し、電子輸送層を形成する工程と、
    前記電子輸送層上に陰極を形成する工程と、を含み、
    前記液状材料が、下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、少なくとも芳香族環基を有する。)で表される化合物と、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種を含む金属塩を炭素数が1〜7の単価アルコールに溶解させることによって得られる前記アルカリ金属イオンおよび前記アルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンと、前記炭素数が1〜7の単価アルコールと、を含み、
    前記一般式(1)で表される化合物に含まれるP=O結合の数をA[個]とし、前記金属イオンの数をB[個]としたとき、前記一般式(1)で表される化合物と前記金属イオンの量比であるB/Aが0.2〜1.5であることを特徴とする有機発光素子の製造方法。
    Figure 0004273132
  2. 前記金属塩は、CsまたはCaのうち少なくとも一種の金属イオンを含むものである請求項1に記載の有機発光素子の製造方法。
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