JP4273050B2 - シャフト及びハブの動力伝達機構 - Google Patents

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Description

本発明は、シャフト及びハブからなる2部材間で回転トルクを円滑に伝達することが可能なシャフト及びハブの動力伝達機構に関する。
自動車等の車両において、エンジンからの駆動力を車軸に伝達するためにシャフトを介して一組の等速ジョイントが用いられている。この等速ジョイントは、アウタ部材とインナ部材との間に配設されたトルク伝達部材を介して前記アウタ部材とインナ部材間のトルク伝達を行うものであり、シャフトに形成されたシャフト歯部とハブに形成されたハブ歯部とが係合した歯部組立体を有するシャフト及びハブのユニットを含む。
ところで、近年、騒音、振動等の動力伝達系のガタに起因して発生する等速ジョイントの円周方向のガタを抑制することが要求されている。従来では、内輪とシャフトとのガタを抑制するために、等速ジョイントの軸セレーションにねじれ角を設けたものがあるが、前記ねじれ角の方向とトルク負荷方向によって、内輪及びシャフトの強度、寿命にばらつきが生じるおそれがある。
また、歯車等の技術分野において、例えば、特許文献1〜3に示されるように、その歯面部にクラウニングを設ける技術的思想が開示されている。
本出願人は、スプラインが形成されたスプラインシャフトのクラウニングトップの位置を、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に最小となる位置に設けることにより、所定部分に応力が集中することを抑制すると共に、装置の全体構成を簡素化することを提案している(特許文献4参照)。
特開平2−62461号公報 特開平3−69844号公報 特開平3−32436号公報 特開2001−287122号公報
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、所定部位に対する応力集中を抑制して、より一層、静的強度及び疲労強度を向上させることが可能なシャフト及びハブの動力伝達機構を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、シャフトに形成されたシャフト歯部と、前記シャフトの外周側に配置されたハブのハブ歯部とが係合することにより、前記シャフト及びハブ間で相互にトルク伝達が可能に結合された機構において、
前記シャフト歯部は、歯厚が一定の直線状からなる山部と、前記シャフトの端部からシャフトシャンク側に向かって外径が拡径することで前記ハブ歯部側に向かって所定角度傾斜しながら膨出し且つ上端面が平坦な段差部が形成された谷部とを有し、
前記ハブ歯部は、歯厚が一定の直線状からなり、且つ、前記端部から前記シャフトシャンク側に向かう軸線方向に沿って一定の内径からなる山部と谷部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態においてシャフト及びハブ間に回転トルクが付与された場合、応力が集中する部位であるシャフト歯部の谷部径を段差部によって増大させ、前記拡径したシャフト歯部にハブ歯部の山部を接触させることにより応力集中を分散して緩和させると共に、シャフト及びハブの軸強度を向上させることができる。従って、シャフト歯部とハブ歯部との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
この場合、前記段差部の傾斜角度を5度〜45度に設定するとよい。前記傾斜角度を5度未満に設定する応力分散効果を十分に発揮させることができなくなり、一方、前記傾斜角度が45度を超えるとシャフト歯部の谷部径が増大した段差部に応力が過剰に集中するからである。
また、本発明は、シャフトに形成されたシャフト歯部と、前記シャフトの外周側に配置されたハブのハブ歯部とが係合することにより、前記シャフト及びハブ間で相互にトルク伝達が可能に結合された機構において、
前記シャフト歯部は、歯厚が一定の直線状からなる山部と、前記シャフトの端部からシャフトシャンク側に向かって外径が拡径することで前記ハブ歯部側に向かって所定角度傾斜しながら膨出し且つ上端面が平坦な段差部が形成された谷部とを有し、
前記ハブ歯部は、歯厚が一定の直線状からなり、且つ、前記端部から前記シャフトシャンク側に向かって内径が漸次的に拡径する山部と、軸線方向に沿って一定の内径からなる谷部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態においてシャフト及びハブ間に回転トルクが付与された場合、応力が集中する部位であるシャフト歯部の谷部の径を増大させると共に、ハブ歯部の山部の内径も増大させることにより、シャフト及びハブの軸強度を向上させ、且つ、応力集中を分散することにより緩和させることができる。従って、シャフト歯部とハブ歯部との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
さらに、ハブ歯部の山部に、シャフト歯部から離間する方向に向かって徐々に拡径するテーパ部を形成することにより、前記シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態において、前記シャフト及びハブの間に回転トルクが付与された場合、前記ハブ歯部に徐々に拡径するように形成されるテーパ部と前記拡径したシャフト歯部との共働作用下にシャフト歯部とハブ歯部との係合部位に付与される応力が分散され、応力集中が緩和される。
また、前記テーパ部によって応力が集中する部位であるハブ歯部の山部の径を増大させることができ、軸強度を向上させることができる。
その際、前記シャフト歯部の谷部に所定角度傾斜する第1テーパ部を形成し、前記ハブ歯部の山部に前記第1テーパ部に対向する第2テーパ部を形成し、前記第1テーパ部の立ち上がりの起点と前記第2テーパ部の立ち上がりの起点とがシャフトの軸線方向に沿って所定距離だけオフセットした位置に設定されることにより、より一層応力の集中が緩和される。
さらにまた、ハブ歯部の山部に、シャフト歯部から離間する方向に所定の曲率で窪んだ円弧部を形成することにより、シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態において、前記シャフト及びハブの間に回転トルクが付与された場合、前記ハブ歯部に形成された所定の曲率半径からなる円弧部と前記拡径したシャフト歯部との共働作用下にシャフト歯部とハブ歯部との係合部位に付与される応力が分散され、応力集中が緩和される。
また、前記円弧部によって応力が集中する部位であるハブ歯部の山部の内径を増大させることができ、軸強度を向上させることができる。
その際、前記シャフト歯部の谷部に所定角度傾斜するテーパ部を形成し、前記テーパ部の立ち上がりの起点と前記円弧部の立ち上がりの起点とがシャフトの軸線方向に沿って所定距離だけオフセットした位置に設定されることにより、より一層応力の集中が緩和される。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、応力が集中する部位であるシャフト歯部における谷部の外径を増大させ、シャフト及びハブ間に回転トルクが付与された際、拡径したシャフト歯部をハブ歯部に接触させることにより、軸強度を向上させると共に応力を分散することができる。そのため、シャフト歯部とハブ歯部との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
本発明に係るシャフト及びハブの動力伝達機構について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において参照数字10は、本発明の実施の形態に係る動力伝達機構が適用されたシャフト及びハブのユニットを示す。このユニット10は、等速ジョイントの一部を構成するものであり、前記シャフト12は、駆動力伝達軸として機能し、ハブ14は、図示しないアウタ部材の開口部内に収納されて図示しないボールが係合する案内溝15を有するインナリングとして機能するものである。
シャフト12の一端部及び他端部には、それぞれハブ14の軸孔16に嵌合する嵌合部18が形成される。ただし、図1では、シャフト12の一端部のみを示し、他端部の図示を省略している。前記嵌合部18は、シャフト12の軸線に沿って所定の歯長からなり、周方向に沿って形成された複数のスプライン歯20を有するシャフト歯部22を備える。このシャフト歯部22は、凸状の山部22aと凹状の谷部22bとが周方向に沿って交互に連続して構成される。前記シャフト歯部22の山部22aは、図2に示されるように、略同一の歯厚からなり、シャフト12(図1参照)の軸線と略平行となるように形成されている。
また、シャフト12の中心側の前記シャフト歯部22に近接する部位には、シャフトシャンク24が設けられ、一方、シャフト12の端部側には、前記ハブ14の抜け止め機能を有する図示しない止め輪が環状溝(図示せず)を介して装着されている。
前記ハブ14の軸孔16の内周面には、前記シャフト12の嵌合部18に嵌合する複数の直線状のスプライン歯26を有するハブ歯部28が形成される。このハブ歯部28は、凸状の山部28aと凹状の谷部28bとが周方向に沿って交互に連続して構成され、前記ハブ歯部28の山部28aは、図2に示されるように、略同一の歯厚からなり、シャフト12(図1参照)の軸線と略平行となるように形成されている。
図3は、シャフト歯部22の谷部22bとハブ歯部28の山部28aとが係合した状態におけるシャフト12の軸線方向に沿った一部拡大縦断面図である。図3中において、P0は、シャフト歯部22の軸線方向の沿った中央点に対応する位置を示す。
シャフト歯部22の谷部22bは、図3に示されるように、シャフトシャンク24側に向かって水平方向に所定距離だけ延在され、中央点P0からシャフトシャンク24側に所定距離だけ移動した点P1を起点としてハブ歯部28側に向かって所定角度傾斜しながら膨出した段差部30が形成されている。
この段差部30は、点P2を起点として水平方向に所定距離だけ延在してシャフトシャンク24に連続するように形成されている。換言すると、シャフト歯部22は、谷部22bにおける谷部径φA1から段差部30における谷部径φA2へと変化(増大)するように形成されている。
この場合、前記段差部30は、例えば、傾斜面又は所定の曲率半径からなる円弧状の曲面又は複合面等によって形成するとよい。
また、シャフト歯部22の山部22aの外径は、図3〜図6に示されるように、軸線方向に沿って一定で変化しないものと、図7に示されるように、山部22aの外径が点P1の近傍部位からシャフトシャンク24側に向かって徐々に縮径(歯丈が短縮)するように変化するものとの両方が含まれる。前記山部22aの外径をシャフトシャンク24側に向かって徐々に縮径させることにより、後述する転造ラックによる製造が容易となる。また、回転トルクの伝達機能が低下することがない。なお、図7中における記号Hは、山部22aの外径の変化(落ち込み)と対比するための水平線を示す。
一方、ハブ歯部28の山部28aは、ハブ14の軸線方向に沿って一定の内径φB1で変化しないように形成されると共に、前記山部28aと同様に、谷部28bの内径φB2も前記ハブ14の軸線方向に沿って一定で変化しないものとする。
前記谷部径φA1、φA2は、それぞれ、シャフト12の軸心からシャフト歯部22の谷部22bの底面までの離間距離を示したものであり、前記山部径φB1は、シャフト12の軸心からハブ歯部28の山部28aの歯先までの離間距離を示したものである。
従って、シャフト歯部22とハブ歯部28とが係合したシャフト12及びハブ14のユニット10に対して回転トルクが付与された場合、前記ユニット10に付与された応力が、ハブ歯部28におけるシャフト歯部22の点P1と対向するC部と、該シャフト歯部22の段差部30と対向するD部とにそれぞれ分散されることにより応力集中を緩和することができる。
この結果、応力の集中を緩和して分散させることができるため、シャフト歯部22とハブ歯部28との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
また、図4に示されるように、シャフト歯部22の谷部22bにおける点P1、点P2′、点P3を結んだ直角三角形の断面積を増大させ、点P1及び点P3を結ぶ線分P13と点P1及び点P2′を結ぶ線分P12′とがなす角度θ、すなわち、段差部30の傾斜角度θを緩やかに設定することにより、前記段差部30に形成された第1テーパ部32によって応力集中がより一層緩和される。
前記段差部30(第1テーパ部32)の傾斜角度θと応力緩和及び生産技術性との関係を図8に示す。図8から諒解されるように、前記傾斜角度θを5度〜45度に設定すると良好(○印参照)であり、前記傾斜角度θを10度〜35度に設定すると最適(◎印参照)である。
前記傾斜角度θを3度に設定すると、応力分散効果を十分に発揮することができないと共に、後述する転造ラックによる生産が困難であって不適である。一方、前記傾斜角度θを90度に設定すると、階段状の段差部30に応力が過剰に集中するという問題があると共に、後述する転造ラックの耐久性を劣化させるという他の問題がある。
段差部30がない通常のシャフト及びハブのスプライン嵌合では、シャフトシャンク24の近傍部位に応力のピークポイントが発生するが、本実施の形態では、シャフト歯部22に段差部30を設けて点P1と対向するハブ歯部28にもある程度の応力が集中するように構成し、シャフトシャンク24側に集中する応力を分散させている。この場合、シャフト歯部22の段差部30の傾斜角度θを、例えば、90度のように大きく設定しすぎると点P1と対向するハブ歯部28に応力が過剰に集中しすぎて応力分散(応力緩和)効果を発揮することができない。従って、前記段差部30の立ち上がり角度である傾斜角度θを適正に設定することにより、シャフトシャンク24の近傍に発生する応力の集中を好適に分散させて、ピークポイントにおける応力値を低減することができる。
一方、図5に示されるように、上述したシャフト歯部22に係合されるハブ14aにおいて、水平方向に延在するハブ歯部28の山部28aに対して点P4を立ち上がりの起点とし、シャフトシャンク24側に向かって所定角度で傾斜して延在する第2テーパ部34を形成するようにしてもよい。この第2テーパ部34は、シャフト歯部22の段差部30の起点となる点P1及び第1テーパ部32と対向するように形成され、前記シャフト歯部22から離間する方向に山部径φB3からφB4へと拡径するように形成される。
なお、シャフト歯部22における段差部30(第1テーパ部32)の起点となる点P1と、ハブ歯部28における第2テーパ部34の起点となる点P4とをシャフト12の軸線方向に沿って所定距離だけオフセットさせるように設定してもよいし、前記点P1と点P4とを鉛直線上に一致させるように設定してもよい。この場合、シャフト歯部22側に形成された段差部30とハブ歯部28側に形成された第2テーパ部34の共働作用下に、前記ハブ歯部28の第2テーパ部34に付与される応力が分散されて応力集中を緩和することができる。
このように第2テーパ部34が形成されたハブ歯部28とシャフト歯部22とが係合したシャフト12及びハブ14aのユニット10に対して回転トルクが付与された場合、該ユニット10に付与された応力が第2テーパ部34によってハブ歯部28におけるシャフト歯部22の点P1と対向するE部と、点P2′と対向するF部とにそれぞれ分散され、応力集中を緩和して応力値のピークを低減することができる。その結果、ハブ歯部28に形成された第1テーパ部32によってシャフト歯部22とハブ歯部28との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
さらにまた、図6に示されるように、前記シャフト歯部22に係合されるハブ14bにおいて、水平方向に延在するハブ歯部28の山部28aに対して点P5を立ち上がりの起点としてシャフトシャンク24側に向かって所定の曲率半径Gで延在する円弧部36を形成するようにしてもよい。この円弧部36は、シャフト歯部22の段差部30の起点となる点P1及び第1テーパ部32と対向するように形成され、前記シャフト歯部22より離間する方向に窪んで形成されている。
なお、シャフト歯部22における段差部30(第1テーパ部32)の起点となる点P1と、ハブ歯部28における円弧部36の起点となる点P5とをシャフト12の軸線方向に沿って所定距離だけオフセットさせるように設定してもよいし、前記点P1と点P5とを鉛直線上に一致させるように設定してもよい。この場合、シャフト歯部22側に形成された段差部30とハブ歯部28側に形成された円弧部36の共働作用下に、前記ハブ歯部28の円弧部36に付与される応力が分散されて応力集中を緩和することができる。
このように円弧部36が形成されたハブ歯部28とシャフト歯部22とが係合したシャフト12及びハブ14bのユニット10に対して回転トルクが付与された場合、該ユニット10に付与された応力が円弧部36によってハブ歯部28におけるシャフト歯部22の点P1と対向するI部と、点P2′と対向するJ部とにそれぞれ分散され、応力集中を緩和して応力値のピークを低減することができる。その結果、ハブ歯部28に形成された円弧部36によってシャフト歯部22とハブ歯部28との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
ここで、シャフト歯部22に段差部30が形成されていない比較例に係る応力値の特性曲線K(破線参照)と、点P1を起点としてシャフト歯部22に段差部30が形成された場合の応力値の特性曲線L(実線参照)を、それぞれ図9に示す。特性曲線Kと特性曲線Lとを比較すると、段差部30を有する構造の特性曲線Lでは、応力値のピークが減少して応力の集中が緩和されていることが諒解される。
また、図10は、前記段差部30の傾斜角度θを、前記特性曲線Lと比較して緩やかに設定したときの応力値の特性曲線Mを示したものであり、前記傾斜角度θが緩やかに設定された第1テーパ部32を形成することにより、前記第1テーパ部32によって応力がより一層緩和されることが諒解される(図9に示す特性曲線Lのア部分と図10に示す特性曲線Mのイ部分とを比較参照)。
次に、回転トルクが付与されていない無負荷状態から、回転トルクが付与されて直線形状を有するシャフト歯部22の山部22aと直線形状を有するハブ歯部28の山部28aとが噛合した状態を図2に示す。なお、回転トルクによる荷重入力方向は、シャフト歯部22の軸線と直交する矢印Y方向に設定した。
この場合、応力値と測定位置(図2の矢印X参照)との関係を表した図11に示されるように、入力される荷重の度合いを、例えば、低荷重(破線)、中荷重(一点鎖線)、高荷重(実線)の3段階とすると、前記段階に対応した低荷重特性曲線、中荷重特性曲線、高荷重特性曲線より、応力のピークポイントが、それぞれ、点a、点b、点cのように略同一の測定位置N(図2参照)となることがわかる。
図12及び図13は、シャフト12とハブ14とを組み付けた際のシャフト歯部22の谷部22bとハブ歯部28の山部28aとの接触状態を示す縦断面図である。なお、図12及び図13中におけるφd1〜φd3は、それぞれシャフト12の軸心からのピッチ円径を示す。
シャフト歯部22を直線形状とすると共に、ハブ歯部28を直線状とすることにより、前記シャフト歯部22の側面とハブ歯部28の側面とが、常に、面接触した状態となる(図2、図12及び図13参照)。
また、図12及び図13とを比較して諒解されるように、シャフト歯部22及びハブ歯部28のシャフトシャンク24に近接する部位に段差部30を形成することにより、応力が集中する領域のシャフト歯部22の径φd2及びφd3をαだけ増大させることができる。
従って、応力が集中する領域のシャフト歯部22の径φd2及びφd3をαだけ増大させることにより、前記シャフト歯部22の谷部22bの歯底Rの曲率を大きく設定することが可能となり(図13中のR′参照)、応力を分散させることができる。また、シャフトシャンク24に近接する部位の径を他の部位と比較して増大させることにより、全体応力(主応力)を低減させることができる。
なお、図12及び図13に示されるシャフト歯部及びハブ歯部の歯形形状を、図14に示されるように、インボリュート歯形としてもよい。その際、シャフト歯部22のシャフト歯22cとハブ歯部28のハブ歯28cとが、互いの基準ピッチ円直径T上で接触した状態となる。すなわち、ラック形工具等によってシャフト12及びハブ14に対して簡便に前記シャフト歯部22及びハブ歯部28を加工することができると共に、前記シャフト歯部22とハブ歯部28を係合する際に円滑に係合させることができる。
次に、シャフト歯部22のスプライン歯20の製造方法について説明する。
図15に示されるように、超硬材料によって略直線状に形成された上下一組の転造ラック38a、38bの間に、前加工であるツール加工によって所定形状に形成された棒状の被加工物40を挿入し、相互に対向する一組の転造ラック38a、38bによって被加工物40を押圧した状態において、図示しないアクチュエータの駆動作用下に前記一組の転造ラック38a、38bを相互に反対方向(矢印方向)に変位させることにより、被加工物40の外周面に対してスプライン加工が施される。
本実施の形態では、転造成形を用いることにより、シャフト歯部22のスプライン歯20を簡便に成形することができる。なお、前記ツール加工によりシャフト歯部22のスプライン歯20の歯先には、約50μm程度の深さからなる図示しないツール溝(ツール目)が形成される。
また、転造成形を用いた場合、圧造(鍛造)成形と比較して、成形サイクルが速く、前記転造ラック38a、38b等の成形歯具の耐久性を向上させることができる。さらに、転造成形では、転造ラック38a、38b等の成形歯を再研磨して再利用することが可能である。従って、転造成形を用いた場合、圧造(鍛造)成形と比較して、寿命、成形サイクル、再利用等の点からコスト的に有利である。
ただし、転造成形の場合は歯先へ向かっての肉流れによって成形されるため、歯先の断面形状は必ずしも均等でない場合がある。
本発明の実施の形態に係る動力伝達機構が適用されたシャフト及びハブのユニットの一部切欠斜視図である。 シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態における部分拡大横断面図である。 図1のシャフト歯部の谷部とハブ歯部の山部とが係合した状態におけるシャフトの軸線方向に沿った部分拡大縦断面図である。 図3のシャフトにおける段差部の緩やかな傾斜角度θとなる第1テーパ部が形成された状態を示す部分拡大縦断面図である。 図4のシャフトに対してハブ歯部に第2テーパ部を有するハブを係合させた状態におけるシャフトの軸線方向に沿った部分拡大縦断面図である。 図4のシャフトに対してハブ歯部に所定の曲率半径の円弧部を有するハブを係合させた状態におけるシャフトの軸線方向に沿った部分拡大縦断面図である。 図4において、シャフト歯部の山部の外径をシャフトシャンク側に向かって変化させた状態を示す部分拡大縦断面図である。 シャフト歯部に形成された段差部の傾斜角度θと応力緩和及び生産技術性との関係を示す説明図である。 シャフト歯部に段差部が形成されていない状態と、前記段差部が形成された状態におけるハブに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 段差部の傾斜角度θをさらに緩やかにした状態におけるシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 回転トルクが付与されたときの入力荷重に対応してシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 図3のXII−XII線に沿った拡大縦断面図である。 図3のXIII−XIII線に沿った拡大縦断面図である。 シャフト歯部及びハブ歯部におけるスプライン歯の断面形状を、インボリュート歯形とした変形例を示す拡大縦断面図である。 シャフト歯部のスプライン歯を転造ラックによって転造成形する状態を示す一部省略斜視図である。
符号の説明
10…ユニット 12…シャフト
14、14a、14b…ハブ 16…軸孔
18…嵌合部 20、26…スプライン歯
22…シャフト歯部 22a、28a…山部
22b、28b…谷部 24…シャフトシャンク
28…ハブ歯部 30…段差部
32…第1テーパ部 34…第2テーパ部
36…円弧部

Claims (2)

  1. シャフトに形成されたシャフト歯部と、前記シャフトの外周側に配置されたハブのハブ歯部とが係合することにより、前記シャフト及びハブ間で相互にトルク伝達が可能に結合された機構において、
    前記シャフト歯部は、歯厚が一定の直線状からなる山部と、前記シャフトの端部からシャフトシャンク側に向かって外径が拡径することで前記ハブ歯部側に向かって所定角度傾斜しながら膨出し且つ上端面が平坦な段差部が形成された谷部とを有し、
    前記ハブ歯部は、歯厚が一定の直線状からなり、且つ、前記端部から前記シャフトシャンク側に向かう軸線方向に沿って一定の内径からなる山部と谷部とを有することを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  2. 請求項1記載の機構において、
    前記段差部の傾斜角度は、5度〜45度に設定されることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
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