JP4272086B2 - 鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置 - Google Patents

鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置に係わり、特に圧延スケジュールを計算する圧延モデル機構を備えた鉄鋼鋼板連続冷間圧延機の制御装置に関する。
従来、鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置は圧延モデル機構を有し、圧延モデル機構は与えられた鋼板の母材寸法、目標寸法と制御対象である圧延機の仕様から鋼板の圧延スケジュールを計算する。鋼板圧延には圧延モデル機構の精度誤差、鋼板の圧延指示情報誤差やセンサー誤差などの外乱が多く、これら誤差を補正するための学習係数を計算する学習モデル処理が必要となる。圧延モデル機構はこの学習係数を用いることで鋼板圧延を最適に保っている。例えば、圧延モデル機構は溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュール(例えば圧延寸法)を計算し、その圧延スケジュールの差分で設定変更点においてFGC(Flying Gage Change:走間板厚変更)制御を行うかAGC制御(Automatic Gage Control:自動板厚制御)を行うかを判定する。この結果でFGC制御と判定された場合は、AGC制御を停止してFGC制御を行う。
この種の従来技術として、例えば特開平9−295020号公報に記載のものがある。
特開平9−295020号公報
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
従来の圧延モデル機構を用いた制御装置では、溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュールの差分で設定変更点においてFGC制御を行うかAGC制御を行うかを判定する。この場合、圧延モデル機構は学習係数を用いるため、近似仕様(近似スケジュール)の鋼板間の圧延であってもFGC制御と判定される場合がある。FGC制御と判定された場合はAGC制御を停止してFGC制御を行うため、鋼板先行端部の母材外乱を吸収することができず、FGC制御中に鋼板先後端部の品質低下による歩留まり悪化につながっていた。このように連続する近似仕様の鋼板圧延間でFGC制御を行うと両鋼板の接合点付近の板厚精度が悪化することになるため、FGC制御を頻繁に行うことは望ましくない。
しかしながら前述学習係数を用いずに、圧延モデル機構の精度誤差、鋼板の圧延指示情報誤差やセンサー誤差などの外乱を含む状態で圧延を継続することは、制御対象である圧延機を構成する複数スタンド間の負荷配分が乱れや、各スタンドの設定精度低下を招き、生産効率低下や製品品質低下の原因となる。
本発明の第1の目的は、近似スケジュール間設定変更点において、FGC制御を行わず、AGC制御を継続しながら設定変更を行うことで製品先後端部の製品品質を改善する鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、近似スケジュール間設定変更点において、FGC制御を行う場合においても前段スタンドでのみFGC制御を用い、後段スタンドはAGC制御を用いることで製品先後端部の製品品質を改善する鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置を提供することである。
1)上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、圧延スケジュールを計算する圧延モデル機構を備え、被制御対象である鉄鋼鋼板連続圧延機と直接信号の授受を行うDDCに前記圧延スケジュールを設定し、複数スタンドから構成される前記鉄鋼鋼板連続圧延機を制御する鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置において、前記圧延モデル機構が計算した溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュールを比較して、次の設定変更点に対してFGC制御を用いるかAGC制御を用いるかを判定する第1FGC判定手段と、前記第1判定手段でFGC制御を用いると判定されたときに、そのFGC制御が近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できるかどうか、或いはそのFGC制御が確定であるかどうかを更に判定する第2FGC判定手段と、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定された場合に、設定変更量をAGC制御許容範囲内に収めるよう圧延スケジュールを調整する第1FGC調整手段と、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定された場合に、鉄鋼連続圧延機を構成する複数スタンド毎に定めた優先順位に従い優先順位の高いスタンドで優先的にAGC制御を用い、他のスタンドでFGC制御を用いるよう圧延スケジュールを調整する第2FGC調整手段と、前記第1FGC判定手段でAGC制御が適切であると判定されたとき及び前記第2FGC判定手段でFGC制御が確定であると判定されたときは、前記圧延モデル機構が計算した圧延スケジュールを前記DDCに設定し、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定され前記第1FGC調整手段で圧延スケジュールが調整されたとき、及び前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定され前記記第2FGC調整手段で圧延スケジュールが調整されたときは、その調整された圧延スケジュールを前記DDCに設定するDDC出力手段とを備えるものとする。
圧延モデル機構が計算した溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュールを第1FGC判定手段で比較し、FGC制御を用いるかAGC制御を用いるか判定する。FGC制御を用いると判定された場合、第2FGC判定手段は、そのFGC制御が近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できるかどうか、或いはそのFGC制御が確定であるかどうかを判定し、近似スケジュール間でのFGC制御でありAGC制御のみで対応できると判定された場合、第1FGC調整手段はAGC制御を用いることが可能な許容範囲に収まるスケジュール変動量となるよう圧延スケジュールを調整する。これにより母材外乱を吸収し、製品先後端部の製品品質を改善することが可能となる。また、近似スケジュールではあるがAGC制御のみでは対応できないと判定された場合、第2FGC調整手段は鉄鋼連続圧延機を構成する複数スタンド毎に定めた優先順位に従い優先順位の高いスタンドで優先的にAGC制御を用い、他のスタンドでFGC制御を用いるよう圧延スケジュールを調整する。これによりFGC制御対象の圧延機は優先順位の低いスタンドに限定され優先順位の高いスタンドで部分的にAGC制御が継続されるため、母材外乱を吸収し、製品先後端部の製品品質を改善することが可能となる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第2FGC調整手段は、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であると判定された場合に、AGC制御許容最大板厚差を求め、設定変更点前の鋼板の板厚にそのAGC制御許容最大板厚差を加算した値を設定変更点後の目標板厚とし、この目標板厚によりAGC制御を行わせる。
3)また、上記(1)において、好ましくは、前記第2FGC判定手段は、設定変更点でのスケジュール差が第1基準値より小さい場合は、近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定し、設定変更点でのスケジュール差が前記第1基準値よりも大きく第1基準値よりも小さい場合は、近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定する。
本発明によれば、二つの異なる母材、製品寸法の鋼板の連続圧延であっても、母材外乱を吸収するAGC制御を有効に働かせることが可能となり、製品先後端の品質向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すシステム構成図である。
図1において、制御装置1は連続圧延機付き金属鋼板生産設備、例えば複数スタンドから構成される冷間連続圧延機を制御する計算機装置であり、DDC2は制御装置1が出力する制御信号を受信する。DDC2はセンサー3から制御対象4の制御状態を取り込み、制御装置1の出力に即した制御を行うための制御出力を行う。
制御装置1は圧延モデル機構5、制御用メモリー6、FGC判定機構8、DDC出力処理機構9、FGC調整機構10を備えている。
圧延モデル機構5は学習モデルを含むものであり、制御用メモリー6から金属鋼板の圧延指示情報を取り込み、圧延スケジュール7を出力する。
FGC判定機構8は連続する二つの圧延スケジュールから次の設定変更点である鉄鋼鋼板の溶接点でFGC制御が適切であるかAGC制御が適切であるかを判定する。FGC判定機構8は設定変更点がAGC制御が適切であると判定された場合は前述圧延スケジュール7をDDC出力処理9を介して前述DDC2へ設定する。また、FGC判定機構8の判定結果がFGC制御が適切である場合でFGC制御が確定である場合も、前述圧延スケジュール7をDDC出力処理9を介して前述DDC2へ設定する。FGC判定機構8の判定結果がFGC制御が適切である場合でFGC制御が確定でない場合は、前述圧延スケジュール7をFGC調整機構10へ出力する。
FGC調整機構10は前述圧延スケジュール7をAGC許容範囲となるよう各スタンド間の負荷配分を調整し、負荷配分補正11Aを前述圧延モデル機構3へ出力する。また、FGC調整機構10はFGC判定機構8でAGC制御許容範囲への調整が不可能と判断された場合、各スタンド間の優先順位に従いFGC制御を用いるスタンドとAGC制御を用いるスタンドを決定し、全スタンドがFGC制御となるのを避けるよう負荷配分補正11Bを圧延モデル機構3へ出力する。
次に、図2を参照して圧延モデル機構5を説明する。
図2は、本発明の圧延モデル機構5を示すフローチャートである。初期圧下率決定処理51で予め与えられた母材寸法、製品寸法などの条件から初期圧下率を決定する。張力計算処理52は初期圧下率決定処理51で決定された圧延スケジュールを参照し、各スタンド前後張力を決定する。圧延速度決定処理53では制御対象4である圧延機の仕様を参照し、各スタンドのモーター回転数、圧延速度の条件から最大の圧延速度を計算する。圧延荷重及びロール扁平計算処理54では圧延速度計算処理53で決定された圧延速度などの条件を入力し、各スタンドの圧延荷重とロール扁平率を決定する。トルク計算処理55はトルク及び馬力を計算する。圧延荷重及びロール扁平計算処理54とトルク計算処理55を全スタンドについて繰り返す。これらの処理には学習係数を用いた計算が含まれる。
負荷配分判定機構56は全スタンドの負荷がモーター許容量範囲内であり、かつ全スタンドの負荷配分がモーター許容範囲であるかなどの判定を行う。その詳細は後述する。
圧下率配分修正処理57は負荷配分判定機構56で許容範囲内に収まっていない場合に許容範囲に収まる方向へ各スタンドの圧下率を調整する。FGCスタンド限定処理58はFGCスタンド限定モードが選択されている場合(後述図5の処理856参照)で、かつ負荷配分判定機構56で対象スタンドの負荷配分が適切と判断された場合に、FGC制御対象スタンドをさらに限定する。圧下位置計算処理59は圧延荷重及びロール扁平計算処理54で計算された圧延荷重から各スタンドの圧下位置を計算する。
FGC判定機構8は圧下位置計算処理59で計算された圧下位置から次の設定変更点でFGC制御が適切であるかAGC制御が適切であるか判定する。FGC判定機構8の判定結果でAGC制御が適切と判定された場合とFGC制御が確定である場合にDDC出力処理9を行う。
DDC出力処理9はDDC2が制御対象4を制御するために必要な項目を編集し、DDC2へ出力する。
FGC調整機構10は、FGC判定機構8の判定結果がFGC制御であるがAGC制御を適用できるように調整可能と判定された場合はFGC調整を行う。このとき、FGC判定機構8の判定結果でFGC制御が適切と判断された場合で圧延スケジュール変動量が大きくなく、AGC制御許容範囲内に収まり得ると判定された場合、各スタンド圧下率を調整することで圧延スケジュールを調整し、張力計算処理52から再計算を行う。この流れが前述負荷配分補正11Aである。一方、FGC判定機構8の判定結果でFGC制御が適切と判断された場合でFGCスタンド限定モードが選択されている場合は、FGC制御対象スタンドの限定処理を行う。この流れが前述負荷配分補正11Bである。
次に、図3を参照して負荷配分判定機構56の詳細を説明する。
図3は、本発明の負荷配分調整機構56の詳細を示すフローチャートである。負荷配分調整機構56は、負荷配分判定が必要かどうかを判定し、必要である場合に、全スタンドの負荷がモーター許容量範囲内であり、かつ全スタンドの負荷配分がモーター許容範囲であるかの判定を行うものである。FGC調整モード判定処理561はFGC判定機構8でFGC制御が適切と判断された場合で圧延スケジュール変動量が大きくなく、AGC制御許容範囲内に収まり得ると判定された場合は処理564に進み、負荷配分判定を不要と判定する。負荷配分判定処理562は必要スタンド数について繰り返し負荷配分の適否を判定するが、判定結果がNGである場合はFGCスタンド限定モード判定処理563に進み、FGC判定機構8でFGC制御対象スタンドの限定処理を必要と判断されている場合は処理565に進み、負荷配分判定をNG1と判定し、必要と判断されていない場合は処理566に進み、NG2と判定する。
FGC調整モード判定処理561で負荷配分判定を不要と判定された場合は、図2の圧下位置計算処理59に進み、FGCスタンド限定モード判定処理563でNG1と判定された場合(FGC判定機構8でFGC制御対象スタンドの限定処理を必要と判定された場合)、或いは負荷配分判定562で全スタンドの負荷配分が適切(OK)と判定された場合は、図2のFGCスタンド限定処理58に進む。FGCスタンド限定モード判定処理563でNG2と判定された場合(FGC判定機構8でFGC制御対象スタンドの限定処理を必要と判定されていない場合)された場合は、図2の圧下率配分修正処理57に進む。
次に、図4を参照してFGC判定機構8の詳細を説明する。
図4は、本発明のFGC判定機構8の詳細を示すフローチャートである。FGC判定機構8は次設定変更点について各スタンドの設定変更量を計算し、FGC制御が適切であるか判定するものである。圧下位置差判定処理81は各スタンドの圧下位置差がAGC制御最大圧下位置差よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はFGC制御が適切であると判定される。圧下位置計算式を式1に示す。
圧下位置差=板厚2−板厚1+{(荷重1−荷重2)/ミル剛性2} (式1)

|圧下位置差|>AGC制御最大圧下位置差 (式2)

ここで補助数字1は設定変更点前鋼板、2は設定変更点後鋼板を示す
次に板厚変動量判定処理82で各スタンド出側の板厚差がAGC制御最大板厚差よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はFGC制御が適切であると判定される。板厚計算式を式3に示す。
板厚差=板厚2−板厚1 (式3)

|板厚差|>AGC制御最大板厚差 (式4)

次に板厚変動率判定処理83で各スタンド出側の板厚変動率がAGC制御最大板厚変動率よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はFGC制御が適切であると判定される。板厚計算式を式5に示す。
板厚変動率=(板厚2−板厚1)/板厚2 (式5)

|板厚変動率|>AGC制御最大板厚変動率 (式6)

圧下位置差判定処理81、板厚変動量判定処理82及び板厚変動率判定処理83の判定結果がすべて基準値以下の場合はAGC判定確定処理84でAGC制御が適切であると判断され、いずれかひとつでも基準値より大きい場合はFGC抑制機構85でFGC種別を調整及び判定する。
次に、図5を参照してFGC抑制機構85の詳細を説明する。
図5は、本発明のFGC抑制機構85の詳細を示す。FGC抑止種別判定処理851は既にFGC抑止種別が決定されているかを判定し、既に決定されている場合は前回決定種別選択処理855に進み、前回判定されたモードを決定として処理を終了し、未判定の場合はFGC調整判定処理852を実行する。FGC調整判定処理852は設定変更点の前後の圧延スケジュールを比較し、差分が基準値1以内であればAGC選択処理854に進み、AGC制御を選択する。FGC調整機構10は、その結果を受け、後述する如く各スタンドの圧下率を補正し、AGC制御を用いることができるように圧延スケジュールを調整する。
前述FGC調整判定処理852で圧延スケジュールの差分が基準値1より大きい場合はAGC許容範囲とするFGC調整は不可と判定し、FGC限定判定処理853でFGC制御対象スタンドの限定処理を行う。FGC限定判定処理853は設計変更点前後の圧延スケジュール差が基準値2以下であればFGCスタンド限定モード選択処理856に進み、FGCスタンド限定モードを選択する。FGC調整機構10は、その結果を受け、後述する如く後段スタンドからAGC制御を適用できる範囲内に圧延スケジュールを調整し、圧延スケジュールの差分を前段スタンドのみで吸収できるようにする。設計変更点前後の圧延スケジュール差が基準値2より大きい場合は通常FGC選択処理857に進み、通常FGCを適用する。
基準値1と基準値2は母材寸法差、目標寸法差及び鋼種差から計算される設定変更点前後の圧延スケジュールの差を判定するためのものである。基準値1は基準値2よりも小さい値を適用し、判定条件を厳しくする。
基準値1及び2の一例を以下に示す。
<基準値1>
・目標板圧差
1スタンド出側から5スタンド出側板圧差でそれぞれ下記の値。
0.060mm、0.050mm、0.040mm、0.030mm、0.020mm
・入側板圧差
0.100mm
・板幅
50mm
・各スタンド圧下位置差(図2の処理59で計算)
1スタンド−5スタンドそれぞれで下記の値。
0.080mm、0.070mm、0.060mm、0.050mm、0.040mm
・硬さクラス差
1(降伏点換算で3.0Kg/mm相当)
<基準値2>
・目標板圧差
1スタンド出側から5スタンド出側板圧差でそれぞれ下記の値。
0.080mm、0.070mm、0.060mm、0.050mm、0.040mm
・入側板圧差
0.100mm
・板幅
50mm
・各スタンド圧下位置差(図2の処理59で計算)
1スタンド−5スタンドそれぞれで下記の値。
0.100mm、0.090mm、0.080mm、0.070mm、0.060mm
・硬さクラス差
1(降伏点換算で3.0Kg/mm相当)
次に、図6及び図7を参照してFGC調整機構10の詳細を説明する。
FGC調整機構10は、図5のAGC選択処理854でAGC制御を選択する場合のFGC調整機構10Aと、図5のFGCスタンド限定モード選択処理856でFGCスタンド限定モードを選択する場合のFGC調整機構10Bとを有し、図6はFGC調整機構10Aの詳細を示し、図7はFGC調整機構10Bの詳細を示すフローチャートである。
図6において、FGC調整機構10AはAGC制御許容最大板厚差計算処理111と設定変更点後の板厚計算処理112を行う。
AGC制御許容最大板厚差計算処理111の計算式を式7に示す。
AGC制御許容最大板厚差=Min(板厚差1、板厚差2) (式7)

板厚差1は前述(式4)中のAGC制御最大板厚差、板厚差2は前述(式6)中のAGC制御最大板厚変動率と次設定変更点前鋼板厚から得られる板厚差である。
設定変更点後の板厚計算処理112の計算式を式8に示す。
板厚2=板厚1±AGC制御許容最大板厚差 (式8)

この結果、板厚2と板厚1の差はAGC制御許容最大値に収まり、次設定変更点はAGC制御で処理が可能となる。
図7において、FGC調整機構10Bは、FGC判定処理8の判定結果がAGC制御とならず、かつ製品板厚が近似している場合、スタンド毎に定めた優先順位に従いAGC制御とするものである。まず、圧延モデル機構入力処理121は、優先スタンドN機の設定を次設定変更点前鋼板を基準にAGC制御適用範囲で固定し、圧延モデル機構5へ入力する。負荷配分判定処理122は、その結果で得られた圧延スケジュールの負荷配分が許容範囲内であるかどかを判定し、許容範囲内である場合、その圧延スケジュールを有効として採用する。本処理は最優先スタンドから開始し、非優先順位2位のスタンドまで繰り返す。この結果、負荷配分が適正な範囲でもっとも次設定変更点前鋼板に近いスケジュールを得ることが可能となる。負荷配分判定処理122及び圧延スケジュール更新処理123は圧延モデル機構の負荷配分判定機構56及びFGCスタンド限定処理58の機能を利用する。
上記はスタンド毎に定めた優先順位に従いAGC制御とするものであるが、前段スタンドを優先的にFGC制御として後段スタンドをAGC制御としてもよい。この場合、まず、圧延モデル機構入力処理121は、後段スタンドN機の設定を次設定変更点前鋼板を基準にAGC制御を適用できる範囲に固定し、圧延モデル機構5へ入力する。負荷配分判定処理122は、その結果で得られた圧延スケジュールの負荷配分が許容範囲内であるかどかを判定し、許容範囲内である場合、圧延スケジュール更新処理123が後段スタンドN機の設定を固定した圧延スケジュールを有効として採用する。本処理は後段固定スタンド数を最終スタンドのみから開始し、2番スタンド固定まで繰り返す。この結果、負荷配分が適正な範囲でもっとも次設定変更点前鋼板に近いスケジュールを得ることが可能となる。
以上のように構成した本実施の形態では、圧延モデル機構5が計算した溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュールをFGC判定機構8で比較して、FGC制御を用いるかAGC制御を用いるか判定する。FGC判定機構8でFGC制御を用いると判定された場合、FGC判定機構8は、更にFCG抑止判定機構85において、そのFGC制御が近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できるかどうか、或いはそのFGC制御が確定であるかどうかを判定し、近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定された場合、FGC調整機構10AはAGC制御を用いることが可能な許容範囲に収まるスケジュール変動量となるよう圧延スケジュールを調整する。これにより母材外乱を吸収し、製品先後端部の製品品質を改善することが可能となる。また、近似スケジュールではあるがAGC制御のみでは対応できないと判定された場合、FGC調整機構10Bは鉄鋼連続圧延機を構成する複数スタンド毎に定めた優先順位に従い優先順位の高いスタンドで優先的にAGC制御を用い、他のスタンドでFGC制御を用いるよう圧延スケジュールを調整する。これによりFGC制御対象の圧延機は優先順位の高いスタンド(例えば前段スタンド)に限定され優先順位の低いスタンド(例えば後段スタンド)で部分的にAGC制御が継続されるため、母材外乱を吸収し、製品先後端部の製品品質を改善することが可能となる。
従って、本実施の形態によれば、二つの異なる母材、製品寸法の鋼板の連続圧延であっても、母材外乱を吸収するAGC制御を有効に働かせることが可能となり、製品先後端の品質向上が可能となる。
なお、上記実施の形態では、FGC調整機構としてAGC制御を行う場合のFGC調整機構10AとFGCスタンド限定処理を行う場合のFGC調整機構10Bの2つのFGC調整機構を用いたが、そのいずれか一方を用いても良く、その場合もでも、全くFGC調整機構を用いない場合に比べ、母材外乱を吸収し、製品先後端部の製品品質を改善することができる。
本発明の一実施の形態に係わる鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置のシステム構成図である。 圧延モデル機構の詳細を示すフローチャートである。 負荷配分判定機構の詳細を示すフローチャートである。 FGC判定機構の詳細を示すフローチャートである。 FGC抑制機構の詳細を示すフローチャートである。 AGC制御を選択する場合のFGC調整機構の詳細を示すフローチャートである。 FGCスタンド限定モードを選択する場合のFGC調整機構の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御装置
2 DDC
3 センサー
4 制御対象
5 圧延モデル機構
6 制御用メモリー
7 圧延スケジュール
8 FGC判定機構
9 DDC出力処理機構
10(10A,10B) FGC調整機構
111 AGC制御許容最大板厚差計算処理
112 設定変更点後の板厚計算処理112
121 圧延モデル機構入力処理
122 負荷配分判定処理
123 圧延スケジュール更新処理

Claims (3)

  1. 圧延スケジュールを計算する圧延モデル機構を備え、被制御対象である鉄鋼鋼板連続圧延機と直接信号の授受を行うDDCに前記圧延スケジュールを設定し、複数スタンドから構成される前記鉄鋼鋼板連続圧延機を制御する鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置において、
    前記圧延モデル機構が計算した溶接された二つの先行鋼板及び後行鋼板の圧延スケジュールを比較して、次の設定変更点に対してFGC制御を用いるかAGC制御を用いるかを判定する第1FGC判定手段と、
    前記第1判定手段でFGC制御を用いると判定されたときに、そのFGC制御が近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できるかどうか、或いはそのFGC制御が確定であるかどうかを更に判定する第2FGC判定手段と、
    前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定された場合に、設定変更量をAGC制御許容範囲内に収めるよう圧延スケジュールを調整する第1FGC調整手段と、
    前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定された場合に、鉄鋼連続圧延機を構成する複数スタンド毎に定めた優先順位に従い優先順位の高いスタンドで優先的にAGC制御を用い、他のスタンドでFGC制御を用いるよう圧延スケジュールを調整する第2FGC調整手段と
    前記第1FGC判定手段でAGC制御が適切であると判定されたとき及び前記第2FGC判定手段でFGC制御が確定であると判定されたときは、前記圧延モデル機構が計算した圧延スケジュールを前記DDCに設定し、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定され前記第1FGC調整手段で圧延スケジュールが調整されたとき、及び前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定され前記記第2FGC調整手段で圧延スケジュールが調整されたときは、その調整された圧延スケジュールを前記DDCに設定するDDC出力手段とを備えることを特徴とする鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置。
  2. 請求項1記載の鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置において、前記第2FGC調整手段は、前記第2FGC判定手段で近似スケジュール間でのFGC制御であると判定された場合に、AGC制御許容最大板厚差を求め、設定変更点前の鋼板の板厚にそのAGC制御許容最大板厚差を加算した値を設定変更点後の目標板厚とし、この目標板厚によりAGC制御を行わせることを特徴とする鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置。
  3. 請求項記載の鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置において、前記第2FGC判定手段は、設定変更点でのスケジュール差が第1基準値より小さい場合は、近似スケジュール間でのFGC制御でありかつAGC制御のみで対応できると判定し、設定変更点でのスケジュール差が前記第1基準値よりも大きく第1基準値よりも小さい場合は、近似スケジュール間でのFGC制御であるがAGC制御のみでは対応できないと判定することを特徴とする鉄鋼鋼板連続圧延機の制御装置。
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