JP4272012B2 - ドライフィルムレジスト用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

ドライフィルムレジスト用積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ドライフィルムレジスト用二軸配向積層ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、基材用フィルムのみならずドライフィルム自体の巻き特性や光学的解像度に優れ、画像欠陥を防止する高品質なドライフィルムレジスト用二軸配向積層ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、印刷配線回路板の製造等において、ドライフィルムレジスト基材用フィルムが広く用いられている。ドライフィルムレジスト基材用フィルムは通常、支持体層/ドライフィルムレジスト層/保護層からなる積層構造体である。支持体としては、機械的性質、光学的性質、耐薬品性、耐熱性、寸法安定性、平面性等に優れたポリエステルフィルムが主に使用されている。ドライフィルムレジスト層は感光性樹脂からなる層であり、また、保護層としてはポリエチレンフィルムやポリエステルフィルムが用いられている。ドライフィルムレジスト基材用フィルムの使用方法を簡単に説明すると、まず保護層を剥し、露出したドライフィルムレジスト層を基盤に貼り付けた導電性基材の上に密着させる。導電性基材は一般的には銅板である。次に、ドライフィルムレジストフィルムの支持体層側に、回路が印刷されたガラス板を密着させ、当該ガラス板側から光を照射する。ガラス板に印刷された回路の画像で透明な部分を光が通り、ドライフィルムレジスト層の感光性樹脂はかかる露光が行われた部分のみ反応する。次いでガラス板と支持体層を取り除き、ドライフィルムレジスト層の未露光部分を適当な溶剤等を用いて除去する。さらに、酸等を用いてエッチングを行えば、ドライフィルムレジスト層が除去されて露出した導電性基材部分が除去される。しかる後、露光、反応したドライフィルムレジスト層を適当な方法で除去すれば、基盤上に導電性基材層が回路として形成される。
最近は、形成する回路が極めて複雑になり、線が細く、その間隔も狭くなってきており、画像形成の再現性、解像度が高度であることが必要になった。このため、支持体として用いられるポリエステルフィルムに対しても、高度な品質が要求されるようになってきた。
支持体として用いられるポリエステルフィルムは、透明性が高く、フィルムヘーズが低いことが必要である。ドライフィルムレジストフィルムにおいて、ドライフィルムレジスト層を露光する場合、前述のとおり光は支持体層を通ることになる。従って、支持体の透明性が低いとドライフィルムレジスト層が十分に露光されなかったり、また、光の散乱により解像度が悪化したりする等の問題が生ずる。
一方、支持体のポリエステルフィルムは、適度な滑り性を有することが必要である。すなわち、フィルムにドライフィルムレジスト層を形成させてドライフィルムレジストフィルムを製造する際の取扱い性を良好にするため、あるいはドライフィルムレジスト基材用フィルム自身の取り扱い性を良好とするために良好な滑り性を有することが必要である。通常、かかる特性を満足させるため、ポリエステルフィルム中に粒子を含有させ、表面に微細な突起を形成させる方法が用いられている(例えば、特許文献1 参照)。かかる突起は、ポリエステルフィルムと回路が印刷されたガラス板との間の密着性を満足させ、かつフィルムとガラス板との間に気泡が入って回路の画像の再現性を損ねる等の問題を防止するために必要である。
しかしながら、粒子添加による突起形成を行うと、一方でフィルムの透明性が低下することになり、このような相反する特性を有することから、透明性、滑り性、空気抜け性を同時に満足させた、高品質ドライフィルムレジスト基材用フィルムを得る方法はまだ見いだされていない。
特開平7−333853号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、ドライフィルムレジスト基材用フィルムとして使用した場合、解像度に優れ、かつ画像の欠陥発生が防止される高品質なドライフィルムレジスト基材用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムが優れた特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも片側の最表層に、平均粒径0.1〜1.0μmの架橋高分子粒子を100〜2000ppm、平均粒径0.1〜3.0μmのシリカ粒子を10〜500ppm含有する二軸配向共押出積層ポリエステルフィルムであって、当該最表層表面のRaが0.005〜0.020μm、Rtが0.5μm未満であり、フィルムヘーズが2.0%以下であることを特徴とするドライフィルムレジスト用積層ポリエステルフィルムに存する。

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいう積層フィルムとしては、例えば全ての層が押出機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたものを、延伸および熱処理されたものが挙げられる。以下、積層フィルムとして、おもに共押出3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、本発明は共押出3層フィルムに限定されず、2層またはそれ以上の多層であってもよい。本発明の積層フィルムの各層を構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下であれば、他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコール成分としては、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用いることができる。
本発明の積層フィルムにおいて、少なくとも片側の最表層を形成する層は粒子を含有するが、以下、当該最表層をA層とする。A層はフィルムの少なくとも片側に形成させる。本発明においては、フィルムの透明性を高度に満足させる必要があるため、フィルムの滑り性を与えるA層は、片側であることが好ましい。また、A層以外の層は、実質的に粒子を含有しないか、含有するとしてもその含有量は少ないことが好ましい。ただし、A層の反対側の面における傷の発生防止やフィルムの巻き特性を向上するため、(A/B)の層構成としてB層にも少量の粒子を含有させたり、(A/B/C)の構成としてC層に粒子を含有させたりすることもできる。また、(A/B/A’)の構成、すなわち同じポリエステル組成物を原料として厚みを薄くしたA’層をA層の反対側に設けることにより、A’層表面にA層よりも少ない数の突起を形成させる方法も用いることができる。
本発明のフィルムのA層の厚みは、通常0.005〜3μm、好ましくは0.05〜2.5μm、さらに好ましくは0.5〜2.0μmである。A層厚みが3μmを超えると、フィルムの透明性を高度に満足することができなくなる恐れがある。一方、A層厚みが0.005μm未満では、A層中に含有する粒子が脱落しやすくなり、フィルムの耐摩耗性が悪化する恐れがある。脱落粒子や摩耗粉が発生してフィルムとドライフィルムレジスト層との間に入り込むと、感光性樹脂の反応性に影響を与えることがあり、画像形成の再現性が悪化する等の問題が生ずる。
本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、およびポリエステル重合時に生成させる析出粒子を挙げることができる。ここで言う析出粒子とは、例えばエステル交換触媒としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を用いた系を常法により重合することにより反応系内に析出するものを指す。また、エステル交換反応あるいは重縮合反応時にテレフタル酸を添加することにより析出させてもよい。これらの場合、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル等のリン化合物の一種以上を存在させてもよい。また、エステル化工程を経る場合にもこれらの方法で不活性物質粒子を析出させることができる。例えば、エステル化反応終了前または後にアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下あるいは非存在下に重縮合反応を行う。
本発明においては、上記粒子の中でも、特に高度な透明性と滑り性を得るために、架橋高分子粒子またはシリカ粒子を用いる。これらの粒子は、ポリエステルとの親和性や、屈折率の点で好ましい特性を有するため、フィルムのヘーズ値を高めずに滑り性を向上することができる。
A層中の架橋高分子粒子含有量は100〜2000ppm、シリカ粒子の含有量は10〜500ppmの範囲である。粒子を3種以上用いる場合、架橋高分子粒子およびシリカ粒子の含有量の方がそれ以外の粒子の含有量よりも多いことが好ましい。シリカ粒子の平均粒径は0.1〜3.0μm、架橋高分子粒子の平均粒径は、0.1〜1.0μmである。何れかの粒子の平均粒径が上限を超えると、フィルム表面に必要以上に大きな突起を形成してしまうため、回路印刷ガラスの表面との密着が不十分になって欠陥が発生する問題が生じたり、粒子がフィルム表面から脱落しやすくなるため、耐摩耗性悪化の原因となったりして好ましくない。また、何れかの粒子の平均粒径が下限を切ると、突起形成が不十分なためフィルムの滑り性が不足したり、ガラスと密着した時にフィルムとガラスの間に気泡が入り込む問題が生ずるようになったりする。
本発明において好ましく使用できる架橋高分子としては、例えば分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物の一種(a)の以上と、架橋剤として分子中に二個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(b)の一種以上とを特定の開始剤の存在下、乳化重合法で共重合させることにより得ることができる。ここで言う乳化重合法とは、シード乳化重合等の概念も包括した広義の乳化重合を指す。化合物(a)としては、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルキルまたはグリシジルエステル、無水マレイン酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アルキル置換スチレン等を挙げることができる。また化合物(b)としては、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレート等を挙げることができる。化合物(a)および(b)は各々一種類以上用いるが、窒素原子を含有する化合物やエチレンを共重合させてもよい。重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を挙げることができるが、これらに限定される訳ではない。
上記化合物の組み合わせ、あるいは粒子の合成条件によっては一部凝集粒子が生成する場合があるので、粒子の分散性を保持するため下記の分散安定剤を用いることが好ましい。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤やアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤およびアルキルベタイン、アミンオキサイド等の両性界面活性剤である。その中でも特にアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等で代表される陰イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
本発明で用いる架橋高分子は、通常次のようにして得ることができる。すなわち、分子中にただ一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物(A)と、架橋剤として分子中に二個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)との共重合体を例示することができる。この場合かかる共重合体はポリエステルと反応し得る基を持っていてもよい。
共重合体の一成分である化合物(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらのメチルまたはグリシジルエステル、無水マレイン酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アルキル置換スチレン等を挙げることができる。また、化合物(B)としてはジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。化合物(A)および(B)は、各々一種類以上用いるが、エチレンや窒素原子を有する化合物を共重合させてもよい。これらの共重合体の典型的な例としては、メタクリル酸メチルとジビニルベンゼン、アクリル酸メチルとジビニルベンゼンの共重合体を挙げることができる。
また、これらアルキルエステル基を有する架橋高分子をケン化するか、メタクリル酸エステルの代わりにメタクリル酸、アクリル酸エステルの代わりにアクリル酸を用いて共重合を行えば容易にカルボキシル基を有する架橋高分子を得ることができる。市販の弱酸性陽イオン交換樹脂は、架橋構造を有すると共にカルボキシル基を有しているので、本発明に用いる架橋高分子として好適に用いることができる。また、この中間原料であるアルキルエステル基を有する架橋高分子を利用してもよい。さらに、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体も好ましく用いることができる。
これらの粒子は多孔質であってもよく、そのためには化合物(a)と化合物(b)とを共重合させるに際し、化合物(c)を存在させ、重合後化合物(c)を有機溶媒で除去させる方法が一般に好適に採用される。化合物(c)としては例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ケロシン、トルエン、キシレン等の炭化水素化合物、n−ブタノール、n−ヘキサノール、プロピルアルコール等のアルコール化合物、およびポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド等を挙げることができる。なお、化合物(a)と化合物(b)とを共重合させるための重合開始剤としては周知の化学的ラジカル開始剤、例えばアゾイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等を用いるか、紫外線照射法が簡便であるが、単に加熱によって重合を開始させてもよい。
これらの共重合体は架橋構造を有し、ポリエステルの製造あるいは成型時の高温においても実質的に不溶、不融で耐熱性を有するものでなければならない。このためには、かかる架橋高分子の架橋度は6〜50%、さらには7〜45%が好ましい。架橋度は下記の式で定義される数値であるが、この値が8%未満であると粉砕が困難となる傾向があり、50%を超えても最早粉砕の容易さに変わりはなく、官能基の密度は減ずるのでポリエステルとの結合力が乏しくなる。
架橋度(%)=ジビニル化合物重量×100/モノマー量
いずれにしても本発明の要旨を満たすならば、用いる粒子の製造法は問わない。
また本発明におけるA層中の粒子総含有量は、A層を構成するポリエステルに対し、0.01〜0.25重量%、さらには0.05〜0.20重量%、特に0.10〜0.15重量%であることが望ましい。0.01重量%未満ではA層表面に形成される突起数が不足する傾向があり、そのためフィルムの滑り性の不足や、ガラスとの間の気泡を防止できないこと、フィルム製造時に表面に傷が生成して透明性が悪化する等の問題が生ずる恐れがある。一方、A層中の粒子含有量が0.25重量%を超えると、フィルムの透明性に問題が起こり、解像度が低下しやすくなったり、回路に欠陥を生じやすくなったりする等の問題が生ずる恐れがある。
また、A層以外の層中の粒子の含有量はA層中の含有量以下であることが好ましく、フィルムの取り扱い性に影響しない範囲で最小限であることが好ましい。
本発明のフィルムのヘーズは2.0%以下、好ましくは1.8%未満、さらに好ましくは1.6%未満である。ヘーズが2.0%を超えると解像度が不十分になるため好ましくない。
本発明のフィルムを構成する、粒子を含むポリエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、または水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、ベント式2軸混練押出機を用いてポリエステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を作っておき、それを製膜時に、実質的に粒子を含有しない原料で希釈して粒子含有量を調節する方法が有効である。
本発明のフィルムのA層表面のRaは、0.005〜0.020μm、好ましくは0.006〜0.018μm、さらに好ましくは0.007〜0.016μmである。Raが0.005μm未満では、フィルムの取扱い性、巻き特性が不十分となる。一方、0.020μmを超えると解像度が低下することがある。また、A層表面のRtは、0.50μm未満、好ましく0.40μm未満である。Rtが0.50μm以上になると、ガラスとの密着不良により解像度の低下をもたらすようになるため好ましくない。
本発明のフィルムのポリエステルの極限粘度は、0.45〜1.0、さらには0.50〜0.80であることが好ましい。極限粘度が1.0を超えると高粘度のためポリエステル製造時、およびポリマー溶融押出時の負荷が大きくなり生産効率の低下を招く恐れがある。一方、極限粘度が0.45未満では、フィルム製造時の破断等のトラブルが起こりやすくなる。
次に、本発明のフィルムの製造法を具体的に説明する。
本発明において、積層フィルムを得る方法としては、共押出法が好ましく用いられる。以下、共押出法による例について説明する。それぞれの層を構成するポリエステル原料を、共押出積層用押出装置に供給する。すなわち、2または3台以上の押出機、3層以上のマルチマニホールドまたはフィードブロックを用いて積層し、スリット状のダイから3層以上の溶融シートとして押し出す。その際、それぞれの層の厚みはメルトラインに設置したギヤポンプ等の定量フィーダーによるポリマーの流量の調整により設定することができる。次に、ダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においてはこのようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは70〜150℃、さらに好ましくは75〜130℃の温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方式の延伸機により3.0〜7倍、好ましくは3.2〜6倍に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは75〜150℃、さらに好ましくは80〜140℃の温度範囲で3.2〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸を行い、2軸に配向したフィルムを得る。なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。かくして得られたフィルムを150〜250℃で、30%以内の伸長、制限収縮、または定長下で1秒〜5分間熱処理する。二軸延伸した後さらに110℃〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.5倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用も可能である。また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必要に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構わない。
また、本発明のフィルムは、ドライフィルムレジスト層との接着性を調節することを目的として、A層表面、反対面または両面に塗布層を設けてもよい。かかる塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程の縦方向延伸後、横延伸工程に入る前に塗布する方法が好ましい。
塗布剤の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタンなどの樹脂およびこれらの樹脂の共重合体や混合体などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。なお、本発明においては、製膜に供するポリエステル全量に対し、1重量%程度以下の他のポリマー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。また、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。
本発明のフィルムは、ドライフィルムレジスト基材用フィルムとして使用した場合、解像度に優れ、かつ画像の欠陥発生が防止される高品質なドライフィルムレジスト基材用フィルムを得ることができ、その工業的価値は非常に大きい。
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における種々の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。実施例および比較例中「部」とあるは「重量部」を示す。
(1)平均粒径および粒度分布値
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径とした。
(2)ポリマーの極限粘度〔η〕(単位はdl/g)
ポリマ−1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定した。
(3)最表層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡H−9000を用いて断面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。ただし、加速電圧は300kV、倍率は最表層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定値とした。
(4)中心線平均粗さ(Ra)
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を〔μm〕で表した。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫L0|f(X)|dx
(5)最大高さ(Rt)
Ra測定時に得られた断面曲線の抜き取り部分を、その平均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、その値をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さRtとした。最大高さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。
(6)フィルムヘーズ
JIS−K6741に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
(7)ドライフィルムレジスト基材用フィルムの実用特性
ドライフィルムレジスト基材用フィルムを、常法に従って作製した。すなわち、ドライフィルムレジスト層をA層と反対側の面に設け、その上に保護層としてポリオレフィンフィルムを積層した。得られたドライフィルムレジスト基材用フィルムを用いて、プリント回路の作製を行った。すなわち、ガラス繊維含有エポキシ樹脂板上に設けられた銅板に、保護層を剥離したドライフィルムレジスト基材用フィルムのドライフィルムレジスト層面を密着させた。次に、ドライフィルムレジスト基材用フィルムの上に、回路が印刷されたガラス板を密着させ、当該ガラス板側から紫外線の露光を行った。しかる後ドライフィルムレジスト基材用フィルムを剥離し、洗浄、エッチング等、一連の現像操作を行って回路を作製した。かくして得られた回路を目視あるいは顕微鏡を使って観察し、その品質によりドライフィルムレジスト基材用フィルムの以下の実用評価を行った。
解像度
ランク1…極めて高度な解像度を有し、鮮明な回路が得られる
ランク2…鮮明度がやや劣り、線が多少太くなる等の現象が見られるが、実用上問題ない
ランク3…鮮明度が劣るため、高密度の回路には使用できない
回路の欠陥
ランク1…回路の欠陥は見られない
ランク2…まれに回路の欠陥が見られる
ランク3…回路の欠陥発生があり、実用上支障がある
取り扱い性
また、ドライフィルムレジスト基材用フィルム作製時および使用時の取り扱い性に関して、評価を行った。
ランク1…フィルムが十分な滑り性を有するため、取り扱い性は良好
ランク2…滑り性がやや不足するため取扱い性は多少劣るが、実用上問題ない ランク3…滑り性が不足するため、ドライフィルムレジスト基材用フィルム作製時、使用時のフィルム走行ストップ等、取り扱い性に問題がある
以下の実施例、比較例において使用した原料の製造方法は以下のとおりである。
[粉砕型架橋高分子粒子の製造]
メタクリル酸メチル100部、ジビニルベンゼン35部、エチルビニルベンゼン32部、過酸化ベンゾイル1部、トルエン100部および平均分子量20000のポリスチレン30部の均一溶液を水700部に分散させた。次に窒素雰囲気下で70℃に15時間撹拌しながら加熱し重合を行った。得られた架橋高分子粒状体の平均粒径は約0.2mmであった。生成ポリマーを水洗した後、室温で500部のトルエンを用いて抽出操作を行い、少量の未反応モノマー、線状モノマーおよびポリスチレンを除いた。次いでメタノール200部および水500部で洗った後、減圧下80℃で24時間乾燥した。次にジェットミルを用いて粒状体を粗粉砕し、さらにサンドグラインダーを用いて微粉砕を行い、分級ならびにろ過工程を経て平均粒径がそれぞれ0.1μm、0.3μm、1.0μm、1.2μmなる架橋高分子粒子を得た。
[ポリエステルの製造]
ジメチルテレフタレート80部、ジメチルイソフタレート20部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去してエステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。
次いで、先に製造した平均粒径が0.3μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと平均粒径2.4μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加した。スラリー添加後、さらにリン酸0.03部、三酸化アンチモン0.04部を加え、徐々に反応系を減圧とし、温度を高めて重縮合反応を4時間行い、極限粘度0.650の共重合ポリエチレンテレフタレート(A)を得た。このとき架橋高分子粒子の濃度は500ppm、シリカ粒子の濃度は300ppmとした。また、上記(A)と同様の方法でシリカ粒子の濃度のみを150ppmとした極限粘度0.651の共重合ポリエチレンテレフタレート(B)を得た。
また、上記(A)と同様の方法で架橋高分子粒子の濃度のみを1000ppmとした極限粘度0.652の共重合ポリエチレンテレフタレート(C)を得た。
また、上記(A)と同様の方法で平均粒径1.0μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと平均粒径2.4μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを用いて、極限粘度0.650の共重合ポリエチレンテレフタレート(D)を得た。架橋高分子粒子の濃度は1000ppm、シリカ粒子の濃度は100ppmとした。また、上記(A)と同様の方法で平均粒径0.3μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと平均粒径3.0μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを用いて、極限粘度0.649の共重合ポリエチレンテレフタレート(E)を得た。架橋高分子粒子の濃度は100ppm、シリカ粒子の濃度は500ppmとした。 また、上記(A)と同様の方法で平均粒径0.1μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと平均粒径0.1μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを用いて、極限粘度0.652の共重合ポリエチレンテレフタレート(F)を得た。架橋高分子粒子の濃度は1000ppm、シリカ粒子の濃度は500ppmとした。また、上記(A)と同様の方法で平均粒径1.0μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと平均粒径3.0μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを用いて、極限粘度0.651の共重合ポリエチレンテレフタレート(G)を得た。架橋高分子粒子の濃度は1000ppm、シリカ粒子の濃度は500ppmとした。また、平均粒径2.4μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを加えなかったこと以外は上記(A)と同様の方法で極限粘度0.650の共重合ポリエチレンテレフタレート(H)を得た。架橋高分子粒子の濃度は500ppmとした。また、平均粒径0.3μmの架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーを加えなかったこと以外は上記(A)と同様の方法で極限粘度0.649の共重合ポリエチレンテレフタレート(I)を得た。架橋高分子粒子の濃度は500ppmとした。
また、平均粒径2.4μmのシリカ粒子の濃度が600ppmであること以外は上記(A)と同様である極限粘度0.651の共重合ポリエチレンテレフタレート(J)を得た。また、平均粒径0.3μmの架橋高分子粒子の濃度が1200ppmであること以外は上記(A)と同様である極限粘度0.652の共重合ポリエチレンテレフタレート(K)を得た。また、平均粒径1.2μmの架橋高分子粒子の濃度が500ppmであること以外は上記(A)と同様である極限粘度0.650の共重合ポリエチレンテレフタレート(L)を得た。また、平均粒径3.5μmのシリカ粒子の濃度が300ppmであること以外は上記(A)と同様である極限粘度0.652の共重合ポリエチレンテレフタレート(M)を得た。また、上記(A)の架橋高分子粒子およびシリカ粒子を添加せず、出発原料のジカルボン酸をテレフタル酸100部とした以外は、上記と同様にエステル交換反応、重縮合反応を行い、実質的に不活性粒子を含まない極限粘度0.630のポリエチレンテレフタレート(N)を得た。ポリエチレンテレフタレート(A)〜(M)の内部を顕微鏡で観察したところ、粒子が均一に分散していることが確認された。
3台の押出機を用い、A層原料を共重合ポリエチレンテレフタレート(A)、B層原料をポリエチレンテレフタレート(N)、A’層原料をポリエチレンテレフタレート(A)とし、それぞれ別個の溶融押出機により、溶融押出して(A/B/A’)の3種積層の無定形シートを得た。なお、A層およびA’層原料の溶融押出しには、ベント付き二軸押出機を使用した。次いで、上記の無定形シートをフィルムの流れ方向(縦方向)に93℃で3.6倍、横方向に110℃で4.2倍延伸し、230℃で6秒間熱処理を行い、二軸配向積層フィルムを得た。フィルムの全厚さは16μm、A層厚みは1.5μmであった。B層の厚みは14μm、A’層の厚みは0.5μmであった。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(B)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(C)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(D)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(E)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(F)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(G)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
2台の押出機を用い、A層原料を共重合ポリエチレンテレフタレート(A)、B層原料をポリエチレンテレフタレート(N)とし、それぞれ別個の溶融押出機により、溶融押出して(A/B)の2種積層の無定形シートを得た以外は実施例1と同様にして、(A/B)の構造を有する二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。フィルムの全厚さは16μm、A層厚みは2.0μmであった。B層の厚みは14μmであった。
比較例1
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(H)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例2
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(I)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例3
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(J)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例4
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(K)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例5
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(L)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例6
実施例1において、A層およびA’層の原料として共重合ポリエチレンテレフタレート(M)を用いた以外は実施例1と同様にして(A/B/A’)の構造を有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例7
1台の押出機を用い、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)を原料として厚み16μmの単層ポリエステルフィルムを製造した。
比較例8
1台の押出機を用い、共重合ポリエチレンテレフタレート(D)を原料として厚み16μmの単層ポリエステルフィルムを製造した。
実施例および比較例で得られたフィルムの物性と実用特性評価結果を、下記表1および2にまとめて示した。
Figure 0004272012
Figure 0004272012
実施例で得られたフィルムは本発明の要件を満たしており、これらを使用したドライフィルムレジスト基材用フィルムは、優れた特性を示す高品質のものであった。これに対し比較例1および2のフィルムは、含有粒子の不足により表面の粗度が小さくなり、取り扱い性が劣るという問題があった。また、比較例3、4、5および6のフィルムは、粗度が大きすぎるため解像度ならびに回路の欠陥で劣る問題があった。比較例7および8のフィルムはいずれも単層フィルムの例であるが、透明性を向上させるために粒子量を少なくすると取扱い性が著しく悪化し、一方取扱い性を満足させようとすると透明性が低下して、高品質のドライフィルムレジスト基材用フィルムが得られなかった。
本発明のフィルムは、高品質のドライフィルムレジスト基材用として好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも片側の最表層に、平均粒径0.1〜1.0μmの架橋高分子粒子を100〜2000ppm、平均粒径0.1〜3.0μmのシリカ粒子を10〜500ppm含有する二軸配向共押出積層ポリエステルフィルムであって、当該最表層表面のRaが0.005〜0.020μm、Rtが0.5μm未満であり、フィルムヘーズが2.0%以下であることを特徴とするドライフィルムレジスト用積層ポリエステルフィルム。
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