JP4271815B2 - 凍結防止ヒータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば給湯器等の給水管が凍結するのを防止するための凍結防止ヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の凍結防止用のヒータ1は、図3に示すように、両端にリード線2を接続した発熱素子〔抵抗体(図示しない)〕と、給水管7(図4参照)に取り付け易くするための略V字状の溝3を底面に凹設すると共に、ずれを防止するための一対の突起4を少なくとも一方の側面に突設したセラミックケース5と、セラミックケース5の中に充填するセメント材6とからなり、発熱素子をセラミックケース5の中に収納し、リード線2をセラミックケース5の中から引き出した状態で、セラミックケース5の中にセメント材6を充填して、密封したものである。
【0003】
又、ヒータ1を給水管7に取り付けるブラケット8は、図4に示すように、ヒータ1の平面の幅とほぼ等しい長さの基部9の両端部を略垂直に折り曲げて脚部10を形成した上、両脚部10の先端部を更に内側に鋭角に折り込んで爪部11を形成したもので、ステンレス等の金属製である。
【0004】
ヒータ1を給水管7に取り付けるときには、直列又は並列に接続された複数のヒータ1を、ヒータ1の溝3の壁面が給水管7に当接するようにして給水管7の所望の箇所に載置した上、ブラケット8の脚部10をヒータ1の一対の突起4に沿わせながら、ヒータ1に跨るブラケット8の基部9を押圧して、脚部10の先端を給水管7の先まで押し込み、ヒータ1及び給水管7を2つの爪部11の間から両脚部10の間に割り込ませる。
【0005】
すると、ブラケット8の脚部10及び爪部11の復元力により、爪部11の先端が給水管7に食い付くと、基部9が給水管7の方に引っ張られて、ヒータ1は溝3の壁面が給水管7に圧接した状態で給水管7に取り付けられると共に、基部9の側の脚部10はヒータ1の一対の突起4の間に嵌合してヒータ1の横ずれを阻止する。
【0006】
このようにして給水管7に取り付けたヒータ1に通電すると、ヒータ1の発熱素子が発熱して、給水管7を加熱するため、給水管7の中の水は凍結しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ヒータ1の発熱素子を発熱させると、表面温度が最も高くなるヒータ1の中央部では200℃を超えるため、ヒータ1の周囲に緩やかに取り付けたリード線等に取り付けたハーネス等の低耐熱部品がヒータ1或いはブラケット8の高温部に接触すると、それらの部品が溶融する等して破損するという課題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、低耐熱部品がヒータ或いはブラケットの高温部に接触しないようにした凍結防止ヒータを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケースに発熱素子を密封したヒータと、2つの脚部の先端部を内側に鋭角に折り込んで爪部を形成したブラケットと、対向する2つの辺に近接させて2つの長窓を並設することにより係合部を形成したヒータカバーとからなり、係合部を脚部と爪部との曲折部に係合させてヒータカバーを空隙を設けた状態で取り付けたブラケットにより、ヒータを給水管に取り付けるものである。
【0010】
本発明によれば、ヒータ及びヒータカバーがブラケットによって給水管に取り付けられるため、リード線,ハーネス等の低耐熱部品のヒータへの接触がヒータカバーによって阻止されて、低耐熱部品が溶融する等して破損することを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は給水管に取り付けた状態における本発明の凍結防止ヒータを示し、図2は本発明の凍結防止ヒータにおけるヒータカバーを展開したものを示す。
【0013】
図1の参照番号において図3及び図4の参照符号と同一符号のものは、同一部分を示すものである。
【0014】
ヒータカバー12は、縦方向(図2において上下方向)がヒータ1のセラミックケース5の長さ(図3において左右方向)よりも若干長く、横方向(図2において左右方向)がヒータカバー12の表面温度が100℃以下になるような空隙をブラケット8との間に形成できる程度の長さの四角形の弾性部材からなるもので、ヒータカバー12の縦方向の2つの辺に近接させて2つの長窓13と長窓14とを並設することにより係合部15が形成されている。
【0015】
このような構成の本発明の凍結防止ヒータにおいて、ヒータカバー12の弾性に抗してヒータカバー12を彎曲させて、ブラケット8の2つの爪部11をそれぞれ長窓13から長窓14に順次挿通し、係合部15をブラケット8の脚部10と爪部11との曲折部16に係合させると、ヒータカバー12はその弾性によって外側に弾けて、係合部15が曲折部16に係止され、ヒータカバー12はブラケット8に空隙を設けた状態で取り付けられる。
【0016】
そこで、ヒータ1を給水管7に取り付けるときには、直列又は並列に接続された複数のヒータ1を、ヒータ1の溝3の壁面が給水管7に当接するようにして給水管7の所望の箇所に載置した上、ブラケット8の脚部10をヒータ1の一対の突起4に沿わせながら、ヒータ1に跨るブラケット8の基部9をヒータカバー12の上から押圧して、脚部10の先端を給水管7の先まで押し込み、ヒータ1及び給水管7を2つの爪部11の間から両脚部10の間に割り込ませる。
【0017】
すると、ブラケット8の脚部10及び爪部11の復元力により、爪部11の先端が給水管7に食い付くと、基部9が給水管7の方に引っ張られて、ヒータ1は溝3の壁面が給水管7に圧接した状態で給水管7に取り付けられ、ヒータカバー12はブラケット8との間に空隙を設けた状態でブラケット8の外周に取り付けられ、基部9の側の脚部10はヒータ1の一対の突起4の間に嵌合してヒータ1の横ずれを阻止する。
【0018】
このように、ヒータ1及びヒータカバー12がブラケット8によって給水管7に取り付けられるため、ヒータ1の周囲に緩やかに取り付けたリード線等に取り付けたハーネス等の低耐熱部品のヒータ1への接触が、ヒータ1の中央部の表面温度が200℃を超えても、中央部の表面温度が100℃以下に保持されるヒータカバー12によって阻止され、低耐熱部品であっても溶融する等して破損することはない。
【0019】
なお、ヒータカバー12の材質としては、少なくとも弾性及び100℃を若干超す程度の耐熱性を有するものであれば、ポリアミド等の短繊維と合成パルプとを抄紙したアラミド紙、例えばノーメックス(デュポンの登録商標)や、シート状の金属,プラスチック等を使用できる。
【0020】
又、長窓14の横方向(図2において左右方向)の幅をブラケット8の板厚よりも若干広い程度、長窓13の横方向(図2において左右方向)の幅を長窓14の横方向の2倍程度、即ち長窓13を長窓14より大きくし、係合部15の横方向(図2において左右方向)の幅を長窓14の幅と等しい寸法にすることにより、係合部15が曲折部16に係合させ易くなると共に、係合部15が曲折部16から脱落し難くなる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヒータ及びヒータカバーがブラケットによって給水管に取り付けられるため、リード線,ハーネス等の低耐熱部品のヒータへの接触がヒータカバーによって阻止されて、低耐熱部品が溶融する等して破損することを防止できるという効果がある。
【0022】
又、本発明によれば、ヒータカバーは従来から販売されているブラケットに取り付けることもできるため、既に給水管に取り付けられている凍結防止ヒータへの接触による低耐熱部品の破損も防止することができるという効果がある。
【0023】
更に、本発明によれば、ヒータカバーは少なくとも弾性及び耐熱性を有する材質ものであれば、何でも使用できる上、ヒータカバー及びブラケットの構造が単純なため、製造原価が安くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は給水管に取り付けた状態における本発明の凍結防止ヒータの正面図、
(b)は給水管に取り付けた状態における本発明の凍結防止ヒータの側面図、
(c)は給水管に取り付けた状態における本発明の凍結防止ヒータの底面図
【図2】本発明の凍結防止ヒータにおけるヒータカバーの展開図
【図3】凍結防止ヒータの斜視図
【図4】凍結防止ヒータをブラケットによって給水管に取り付けた状態を示す正面図
【符号の説明】
1 ヒータ
2 リード線
3 溝
4 突起
5 セラミックケース
6 セメント材
7 給水管
8 ブラケット
9 基部
10 脚部
11 爪部
12 ヒータカバー
13 長窓
14 長窓
15 係合部
16 曲折部
Claims (2)
- ケースに発熱素子を密封したヒータと、2つの脚部の先端部を内側に鋭角に折り込んで爪部を形成したブラケットと、対向する2つの辺に近接させて2つの長窓を並設することにより係合部を形成したヒータカバーとからなり、
前記係合部を前記脚部と前記爪部との曲折部に係合させて前記ヒータカバーを空隙を設けた状態で取り付けた前記ブラケットにより、前記ヒータを給水管に取り付けることを特徴とした凍結防止ヒータ。 - 2つの前記長窓において、内側に位置する前記長窓は広く、外側に位置する長窓は狭いことを特徴とする請求項1記載の凍結防止ヒータ。
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