JP4271359B2 - 金属ベ−ス回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器、通信機、自動車等に用いられる半導体搭載用の金属ベース回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、通信機、自動車等の幅広い分野で半導体素子やいろいろの電気部品を搭載した回路基板が知られているが、安価で、しかも熱放散性に優れるという理由で金属ベース回路基板が注目され、用いられている。
【0003】
金属ベース回路基板は、熱放散性に優れる金属板の一主面上に絶縁層を介して回路を設けた構造を有し、前記金属板には鉄、アルミニウム等が多用され、絶縁層は酸化アルミニウム等の無機充填材を含有するエポキシ樹脂等の樹脂からなり、また、回路はいろいろな金属箔から形成され、通常は銅、アルミニウム、或いは銅とアルミニウムとの複合材が多用されている。
【0004】
金属ベース回路基板は効率良く生産するために大板に多数個で面付けされて形成され、個片への分割はプレス金型打ち抜きによる外形加工が一般に行われている。そして、前記打ち抜きの際に、傷、汚れ等の発生を防止するために、金属ベース回路基板の表面に保護フィルムを貼着して加工される。
【0005】
前記保護フィルムとしては、従来、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレンを単独あるい混合フィルム状にして、その片面に粘着剤を付与したものが用いられている。
【0006】
しかしながら、前記のフィルムに粘着剤を付与したものでは、厚さが薄く加工ができないこと及びフィルム材質の性状より延貼性がある為に切断性が悪いことから、プレス打ち抜き加工で金属板に大きなバリが発生しやすいことや、糸状のフィルム滓が発生する等の欠点が有った。前記のバリやフィルム滓は、電子部品実装の際の半田付け作業において障害となったり、また得られた金属ベース回路基板の電子部品と回路間或いは回路同士の短絡の原因となり、信頼性を低下させてしまう。この為に、従来は、プレス打ち抜き後にバリ取りやフィルム滓を除去する工程を設け、対応していたが、工程数が増加し、コスト上昇を招いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属板に絶縁層を介して金属箔を貼着させ該金属箔より回路を形成した金属ベース回路基板において、金属板上に絶縁層を介して複数の回路を形成した金属ベース回路基板大版を、プレス金型で打ち抜き、個々の金属ベース回路基板に分割する際に、金属板にバリが発生するのを抑え、更にフィルム滓が発生するのを抑制することで、これらが原因となって後工程でトラブルが発生するのを防止できる金属ベース回路基板の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、金属板に絶縁層を介して複数の回路を形成した金属ベース回路基板大版の表面にポリエステルフィルムを貼着してプレス金型で打ち抜く金属ベース回路基板の製造方法であり、前記ポリエステルフィルムの厚さが0.01〜0.06mmであり、ポリエステルフィルムの接着強度が200〜1500N/25mmであることを特徴とする前記の金属ベース回路基板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の金属ベース回路基板の製造方法の一例を示す図である。
【0011】
本発明に用いられる金属ベース回路基板大版は、金属板1上に、必要に応じて無機質充填材を含有する、樹脂層を塗布し、更に金属箔を貼着し、前記樹脂層を加熱硬化して絶縁層2とした後、前記金属箔をエッチングして、複数の回路3を形成したものである。図1(a)は、複数の回路3が形成された金属ベース回路基板大版の断面図である。更に、図1(b)は、前記金属ベース回路基板大版の表面に保護フィルム4を貼った後の断面図であり、図1(c)は前記金属ベース回路基板大版を個々の金属ベース回路基板に分割した後の個別の金属ベース回路基板の断面図であり、図1(d)は表裏面の保護フィルム4を剥がした後の金属ベース回路基板の断面図である。
【0012】
本発明は、前記保護フィルム4にポリエステルフィルムを用いることを特徴としており、ポリエステルフィルムを採用することにより、従来技術において見られた、金属板周縁部に大きなバリが発生したり、保護フィルムのフィルム滓が発生したりすることが原因となり、後工程でトラブルを発生したり、得られる金属ベース回路基板の信頼性を損ねてしまうという問題を解決することができる。本発明者の実験的検討結果に拠れば、前記ポリエステルフィルムの厚さが0.01〜0.06mmであるとき、前記の効果が一層確実なものとなる。更に、ポリエステルフィルムの接着強度が200〜1500N/25mmであるとき、保護フィルムがずれることなく打抜き作業ができ、しかも個別の金属ベース回路基板より簡単に剥がすことができ、金属板のバリが無く、フィルム滓の付着のない金属ベース回路基板を作業性良く得ることができる。つまり、接着強度が200N/25mm未満では打抜き時に保護フィルムがずれてフィルム滓が発生する場合があるし、1500N/25mmを超える場合には打抜き後の保護フィルムを剥がすときに作業性が低下するので、本発明の効果が充分とは言えなくなる。
【0013】
尚、本発明において、金属板1は、アルミニウム、鉄、銅等或いはこれらの合金、複合材のいずれでも構わないが、熱放散性が良く、安価で、軽量であることからアルミニウム或いはアルミニウム合金が好ましく用いられる。通常の板厚は1.0〜5.0mmの範囲である。
【0014】
また、絶縁層2に用いる樹脂については、絶縁性を有する材質であればいずれも採用でき、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が用いられる。このうち、エポキシ樹脂は金属板1、回路3との接着性に優れることから好ましく選択される。更に、前記の樹脂は、樹脂単独で用いる他、ガラス布、粉末状或いは繊維状のいろいろな無機フイラーを充填したもの、或いは、これらを組み合わせた形態で用いることもできる。絶縁層の作り方については、金属板上に塗布してもよいし、一旦フィルム状として、貼着することで設けることもできる。尚、前記無機フィラーに関しては、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素等の高い電気絶縁性を有し、しかも熱伝導率の高いものが好ましい。
【0015】
回路3となる金属箔は、銅箔、銅箔にNiめっきあるいAuめっきを施したもの、アルミニウム箔、或いはアルミニウム箔に銅箔を接合したもの等のいずれも採用できる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕酸化アルミニウム76質量%を含有するエポキシ樹脂を、加熱硬化後に150μmの厚みとなるようにアルミニウム板(厚さ2.0mm)上に塗布し、厚さ35μmの銅箔を接着し、加熱硬化した後、エッチング処理して回路形成して複数個の回路を有する金属ベース回路基板大版を作製した。
【0017】
前記金属ベース回路基板大版の表面にサンエー化研株式会社製のフィルム「B325PET(フィルム:材質ポリエステル、厚さ25μm、粘着剤アクリル系、接着強度;980N/25mm)」を貼着した。
【0018】
次いで、プレス金型を用い、個々の金属ベース回路基板を打ち抜き、個片に分割した。
【0019】
得られた個片の表裏の保護フィルムを剥がし金属ベース回路基板とし、金属板の周縁部のバリ高さを測定した。この結果を表1に示す。尚、バリ高さの測定は日商精密株式会社製の光段差深さ、厚み計を用いた。
【0020】
【表1】
【0021】
〔比較例2〕保護フィルム材質を、ポリエステル(粘着剤なし)で厚さを38μmとして作り、これを用いたこと以外は、実施例1と同条件で金属ベース回路基板を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0022】
〔比較例3〕表面保護フィルム材質はポリエステル(粘着剤なし)で厚さを50μmとして作り、これを用いたこと以外は、実施例1と同条件で金属ベース回路基板を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0023】
〔比較例3〕サンエー化研株式会社製のフィルム(材質ポリエチレン、厚さ50μm、粘着剤アクリル系、接着強度980N/25mm)を用いたこと以外は、実施例1と同条件で金属ベース回路基板を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0024】
〔比較例4〕保護フィルム材質をポリプロピレンで厚さを50μmとして作り、これを用いたこと以外は、実施例1と同条件で金属ベース回路基板を作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステルフィルムを表面保護用に使用することで、プレス打ち抜きにおける金属板のバリを小さくでき、更にフィルム滓の発生をも少なくすることができるので、従来必要であった、金属板のバリやフィルム滓を除去する作業工程が省略或いは簡略化できる、更には前記ポリエステルフィルムの接着力を適度にすることにより、プレス打ち抜き後のフィルムを剥離する作業も容易となり、高品質の金属ベース回路基板を極めて効率的に生産できるので、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ベース回路基板の製造方法の一例を示す図で、(a)は複数の回路が形成された金属ベース回路基板大版の断面図を示し、(b)は前記金属ベース回路基板大版の表面に保護フィルムを貼った断面図、(c)は前記金属ベース回路基板大版個片より分割された金属ベース回路基板の断面図、(d)は表裏の保護フィルムを剥がして得られる金属ベース回路基板の断面図である。
【符号の説明】
1 :金属板
2 :絶縁層
3 :回路
4 :ポリエステルフィルム
Claims (1)
- 金属板に絶縁層を介して複数の回路を形成した金属ベース回路基板大版の表面にポリエステルフィルムを貼着してプレス金型で打ち抜く金属ベース回路基板の製造方法であって、前記ポリエステルフィルムの厚さが0.01〜0.06mmであり、前記ポリエステルフィルムの接着強度が200〜1500N/25mmであることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
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