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剥離可能銅箔付き基板及び回路基板の製造方法

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H05K3/4682 Manufacture of core-less build-up multilayer circuits on a temporary carrier or on a metal foil
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藤野 健太郎
健太郎 藤野
米本 神夫
神夫 米本
博文 緑川
博文 緑川
泰則 安部
泰則 安部
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Description

本発明は、剥離可能銅箔付き基板及びこれを用いた回路基板の製造方法に関するものである。
従来、コア材のない配線基板を製造する方法として、例えば、特許文献1に記載の配線基板の製造方法が提案されている。この方法ではまず、プリプレグ上の配線形成領域に下地層が配置される。そして、下地層の大きさより大きな銅箔が配線形成領域の外周部に接するように、下地層を介して銅箔をプリプレグ上に配置し、加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、プリプレグから仮基板を得ると同時に、仮基板の少なくとも片面に銅箔を接着する。次に、銅箔の上に、銅箔に接触し、金等からなる配線層を含むビルドアップ配線層を形成する。その後、仮基板上に下地層、銅箔及びビルドアップ配線層が形成された構造体の下地層の周縁に対応する部分を切断することにより、仮基板から銅箔を分離して、銅箔の上にビルドアップ配線層が形成された配線部材を得る。そして、配線部材の金等からなる配線層に対して銅箔を選択的に除去することにより、ビルドアップ配線層の最下の配線層の下面を露出させるようにして、コアレスの配線基板を製造するようにしている。
特許第4334005号公報
しかし、特許文献1に記載の配線基板の製造方法では、仮基板を分離する工程でその周縁部分を切断する必要があるため、その分の製造工数が多くなって製造コストが多くなるものであった。また、周縁部分を切断することによって得られる配線基板はサイズが小さくなるため、周縁部分が切断除去されることを考慮して、あらかじめ仮基板やビルドアップ配線層は大きく設計する必要がある。また切断除去された部分は再利用が困難であるため破棄されることとなり、その分の原材料コストも多くかかるものであった。さらに、分離された仮基板の残存部分も切断により当初の寸法より大きさが小さくなるため、他の用途に再利用することも難しく廃棄せざるを得ない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来よりも製造コスト及び原材料コストを低減してコアレスの回路基板を簡易に製造することができる剥離可能銅箔付き基板及び回路基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る剥離可能銅箔付き基板は、銅箔の一方の面に離型樹脂層を設けた離型樹脂層付き銅箔と、支持体層とを有し、前記離型樹脂層を接合面として前記離型樹脂層付き銅箔が前記支持体層と積層一体化されて構成され、前記離型樹脂層にて前記銅箔と前記支持体層とが剥離可能であると共に、前記支持体層と前記離型樹脂層付き銅箔との界面は前記剥離可能銅箔付き基板の側端面に露出しており、前記銅箔と前記支持体層とを剥離するときのピール強度が20〜300N/mであることを特徴とするものである。
前記剥離可能銅箔付き基板において、前記離型樹脂層が設けられている前記銅箔の一方の面がシャイン面であることが好ましい。
前記剥離可能銅箔付き基板において、前記銅箔の他方の面がマット面であることが好ましい。
前記剥離可能銅箔付き基板において、前記支持体層の両面に前記離型樹脂層付き銅箔が積層一体化されていることが好ましい。
前記剥離可能銅箔付き基板において、前記支持体層が、基材に樹脂を含浸したプリプレグを用いて形成されていることが好ましい。
本発明に係る回路基板の製造方法は、前記剥離可能銅箔付き基板を仮基板として用いて回路基板を製造する方法であって、前記剥離可能銅箔付き基板の銅箔に絶縁層を形成し、前記絶縁層に化学的処理を伴うパターニングを行って回路パターンを形成し、さらに必要に応じて前記絶縁層及び前記回路パターンの形成を繰り返すことによって、前記剥離可能銅箔付き基板に回路基板層を形成して積層構造体を作製するビルドアップ工程と、前記積層構造体において前記銅箔と前記支持体層とを剥離することによって、前記回路基板層を前記回路基板として得る剥離工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、前記剥離可能銅箔付き基板が前記銅箔と前記支持体層との間で剥離可能であるため、前記剥離可能銅箔付き基板を仮基板として使用して、前記銅箔の表面にビルドアップ法等により回路基板を製造する場合に、製造過程で切断工程を要することなく仮基板を分離して回路基板を得ることができる。したがって、従来よりも製造コスト及び原材料コストを低減してコアレスの回路基板を簡易に製造することができるものである。また前記銅箔と前記支持体層とを剥離するときのピール強度が20N/m以上であることによって、回路基板の製造過程において回路パターンを形成するにあたって、化学的処理に用いる薬液が銅箔と支持体層との間の界面に染み込みにくくなり、銅箔が侵食されることを抑制することができる。また前記銅箔と前記支持体層とを剥離するときのピール強度が300N/m以下であることによって、回路基板を製造するにあたって、銅箔と支持体層とを剥離して得られる回路基板に歪みが生じることも抑制することができるものである。
剥離可能銅箔付き基板の一例を示す断面図である。 剥離可能銅箔付き基板の製造方法の一例を示す断面図である。 回路基板の製造方法の一例を示すものであり、(a)〜(d)は断面図である。 ピール強度の測定装置の一例を示す斜視図である。 ルータ加工を行った積層構造体の一例を示す斜視図である。 ルータ加工に用いたビットを示す写真である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず剥離可能銅箔付き基板5について説明する。
剥離可能銅箔付き基板5は、図1に示すように、支持体層4に離型樹脂層付き銅箔3を積層一体化して形成されている。離型樹脂層付き銅箔3は、銅箔1の一方の面に離型樹脂層2を設けて形成されており、この離型樹脂層2を接合面として支持体層4と積層一体化されている。そして、銅箔1と支持体層4とは離型樹脂層2を介して接合されているが、必要に応じて機械的外力を加えることにより、剥離可能となっている。
ここで説明する剥離可能銅箔付き基板5では、図1に示すように、支持体層4の両面に離型樹脂層付き銅箔3が積層一体化されている。この場合、後述のように剥離可能銅箔付き基板5を仮基板として用いて回路基板9を製造するにあたって、剥離可能銅箔付き基板5の両面に回路基板層12をビルドアップ法により形成することができるので、回路基板9の製造効率が向上するものである。なお、目的に応じて支持体層4の片面のみに離型樹脂層付き銅箔3が積層一体化されている構成としてもよい。
離型樹脂層付き銅箔3に用いられる銅箔1としては、特に制限はなく、例えば銅張積層板の用途において一般に使用されるものを用いることができる。銅箔1の厚みについても特に制限はないが、例えば厚み12〜70μmのものを使用することができるが、実用的には厚み12〜18μmのものを使用するとよい。
離型樹脂層2は、銅箔1の一方の表面を覆うように形成されている。離型樹脂層2の形成方法としては、例えば、液状の離型樹脂を銅箔1の一方の表面にコーティングする方法、離型樹脂からなるフィルムを銅箔1の表面に転写したり接着剤や粘着剤を用いて貼着したりする方法が挙げられる。ここで用いる離型樹脂としては、離型樹脂層付き銅箔3を支持体層4から剥離する際に所定のピール強度(後述)を発現しうるものであれば特に限定されないが、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の離型樹脂、あるいは、エポキシ樹脂等の膜形成樹脂にフッ素系成分、シリコーン系成分等の剥離成分を添加した複合樹脂材料などが挙げられる。また、離型樹脂層2の厚みについても、特に制限はなく、銅箔1の厚みや離型樹脂の種類に応じて所定のピール強度(後述)となるように設計することができるものであるが、例えば0.5〜2.0μmの範囲とするのが実用上好ましい。離型樹脂層2の厚みが大きくなるとピール強度が小さくなる傾向があるため、離型樹脂層2の厚みとの関係で離型樹脂に用いる材料を選択してその離型性を調整することもできる。
離型樹脂層2が設けられる銅箔1の一方の表面(内側の面)はシャイン面であることが好ましい。この場合、離型樹脂層付き銅箔3を支持体層4から剥離したとき、銅箔1の表面を良好な状態とすることができる。また、銅箔1に対する離型樹脂層2の剥離性が良くなるため、離型樹脂層2を形成するのに用いる離型樹脂の材料選定も行いやすくなる。
離型樹脂層2が設けられる面とは反対側の面である銅箔1の他方の表面(外側の面)はマット面であることが好ましい。この場合、後述のように剥離可能銅箔付き基板5を仮基板として用いて銅箔1にビルドアップ法により回路基板層12を形成するとき(図3参照)、銅箔1を絶縁層10に対して強固に接合することができるものである。
離型樹脂層付き銅箔3は、支持体層4に対して離型樹脂層2の側を接合面として積層一体化され、これにより剥離可能銅箔付き基板5が構成されている。このとき支持体層4と離型樹脂層付き銅箔3とは平面視の大きさは略同一であり、支持体層4と離型樹脂層付き銅箔3との界面は剥離可能銅箔付き基板5の側端面に露出した状態となる。
支持体層4は、板状形状を有し、離型樹脂層付き銅箔3と積層一体化が可能であり、かつ銅箔1と支持体層4との間で剥離可能となるものであれば、特に制限はないが、基材6に樹脂7を含浸してなるプリプレグ8を用いて形成されていることが好ましい。この場合にはまず、図2に示すように、プリプレグ8と離型樹脂層付き銅箔3とを離型樹脂層2がプリプレグ8と対向するように重ね合わせる。そして、これをプレス成形機(図示省略)で加熱加圧成形すると、プリプレグ8の樹脂7が硬化して、図1に示すように支持体層4となる絶縁層14が形成されると共に、この絶縁層14に離型樹脂層付き銅箔3が密着接合される。このとき用いるプリプレグ8の枚数は特に制限はなく、1枚でもよく、所望の厚みや剛性が得られるように複数枚でもよい。
上記のプリプレグ8は、基材6に樹脂ワニスを含浸させ、Bステージ状態(半硬化状態)となるまで加熱乾燥させることによって製造することができる。前記樹脂ワニスは、樹脂組成物を溶剤等に溶解することにより調製することができる。前記樹脂組成物において樹脂成分は特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に硬化剤、硬化促進剤等を配合して樹脂組成物を製造することができる。必要に応じて、無機フィラー等を配合してもよい。この場合、支持体層4の熱膨張率を低減することができ、剥離可能銅箔付き基板5の反りを抑制することができる。さらに後述のように剥離可能銅箔付き基板5を仮基板として用いて回路基板9を製造する場合に、この回路基板9に反りが発生することも抑制することができる。前記無機フィラーの含有量は樹脂成分100質量部に対して50〜400質量部であることが好ましい。前記基材としては、ガラス織布やガラス不織布等の繊維基材を用いることができる。
剥離可能銅箔付き基板5では、離型樹脂層2にて銅箔1と支持体層4とが剥離可能となるものであるが、このときの具体的な剥離界面は、離型樹脂層2と支持体層4との界面、あるいは離型樹脂層2と銅箔1との界面のいずれであってもよく、特に制限されない。剥離界面が前者の場合、剥離後は離型樹脂層2が銅箔1の側に残ることとなるが、離型樹脂層2と接合されている銅箔1の表面を露出させる必要がある場合は、化学的処理等を施して離型樹脂層2を除去するとよい。このとき、離型樹脂層2が設けられた面が銅箔1のシャイン面であると、離型樹脂層2をきれいに除去しやすく、銅箔1の表面に残渣が残ることを抑制することができる。一方、剥離界面が後者の場合、剥離後は離型樹脂層2が支持体層4の側に残るので、剥離後の銅箔1の表面を露出させるのに好適である。この場合も、離型樹脂層2が設けられた面が銅箔1のシャイン面であると、離型樹脂層2と銅箔1とをきれいに剥離しやすく、また部位毎のピール強度のバラツキも小さくすることができる。
剥離可能銅箔付き基板5では、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度が20〜300N/mの範囲であり、好ましくは50〜300N/mの範囲であり、より好ましくは120〜300N/mの範囲である。ピール強度が20N/mより小さいと、後述のように回路基板層12を形成する場合において、エッチングや金属めっき等の化学的処理を行って回路パターン11を形成するときに、後で剥離すべき界面に薬液が染み込んで銅箔1が侵食されるおそれがある。一方、ピール強度が300N/mより大きいと、回路基板層12を形成した後に銅箔1と支持体層4とを剥離するときに、回路基板層12に影響する応力が大きくなり、回路基板9に反りや歪み等の不具合を生じさせるおそれがある。
次に回路基板9の製造方法について説明する。
回路基板9は、上記の剥離可能銅箔付き基板5を用いて製造することができる。剥離可能銅箔付き基板5は、後述のようにビルドアップ法における回路基板層12の支持体となる仮基板として用いる。なお、以下では剥離可能銅箔付き基板5として、図1に示すように支持体層4の両側に離型樹脂層付き銅箔3を有するものを用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、図3に示す回路基板9の層構成についても一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
回路基板9の製造方法は、図3(a)〜(c)に示すビルドアップ工程と、図3(d)に示す剥離工程とを含む。
まずビルドアップ工程では、剥離可能銅箔付き基板5の銅箔1に絶縁層10を形成する。具体的には図3(a)に示すように、剥離可能銅箔付き基板5の両面の銅箔1に絶縁層10及び銅箔等の金属箔15をこの順に重ねてプレス成形機(図示省略)で加熱加圧して積層する。絶縁層10としては、上述のプリプレグ8のように内部に基材6を含むものを用いたり、基材6を含まない接着シート(接着フィルム)等を用いたりすることができる。また、金属箔15を用いる代わりに、絶縁層10を形成した後に、この絶縁層10の表面にめっき処理を行って金属導電層を形成するようにしてもよい。
次に、絶縁層10に化学的処理を伴うパターニングを行って、導電材料からなる回路パターン11を形成する。具体的には図3(b)に示すように、金属箔15をエッチングにより所定の回路形状にパターニングして絶縁層10の表面に回路パターン11を形成する。このように化学的処理にはエッチング処理が含まれるが、金属めっき処理なども含まれる。上記のようにして、銅箔1、絶縁層10及び回路パターン11からなる回路基板層12を剥離可能銅箔付き基板5に形成することができ、このような回路基板層12を支持体層4の両側に有する積層構造体13を作製することができる。
さらに必要に応じて絶縁層10及び回路パターン11の形成を繰り返すことによって、回路基板層12を多層化してもよい。すなわち、図3(b)に示す積層構造体13の回路基板層12において必要に応じて層間接続及び粗化処理を行った後、図3(c)に示すように回路パターン11が形成された絶縁層10の表面に他の絶縁層30及び他の金属箔15をこの順に重ねてプレス成形機で加熱加圧して積層する。このようにして、さらに多層化された回路基板層12を剥離可能銅箔付き基板5に形成することができる。
ところで、剥離可能銅箔付き基板5の銅箔1は最終的には回路基板9の一部(具体的には外層)を構成することとなるが、この銅箔1は、剥離可能銅箔付き基板5において支持体層4と上述のピール強度の範囲における密着強度(特に20N/m以上)で接着されている。したがって、ビルドアップ工程中に回路基板層12が剥離可能銅箔付き基板5から不用意に剥離することが防止される。また、エッチングやめっき処理等の化学的処理を伴うパターニングを行って回路パターンを形成するときに、薬液等が、剥離可能銅箔付き基板5における銅箔1と支持体層4との界面に浸入することも抑制される。
そして剥離工程では、図3(d)に示すように、積層構造体13において所定の機械的外力を加えることにより銅箔1と支持体層4とを剥離する。銅箔1と支持体層4との間における剥離界面は、図3(d)では銅箔1と離型樹脂層2との間であるが、ピール強度が20〜300N/mの範囲であれば、離型樹脂層2と支持体層4との間でもよく、厳密に制限されるものではない。そして、上記のように銅箔1と支持体層4とを剥離することによって、支持体層4から2つの回路基板層12を分離し、これらを回路基板9として得ることができる。このとき、ピール強度が所定の範囲(特に300N/m以下)であるため、剥離時に加わる応力が回路基板9に破損等の悪影響を及ぼしにくく、良好な回路基板9を得ることができる。
以上説明したように、剥離可能銅箔付き基板5は、離型樹脂層2にて銅箔1と支持体層4とが剥離可能であるため、仮基板として用いて銅箔1にビルドアップ法により回路基板層12を形成すれば、切断工程を要することなく回路基板9を得ることができる。このように製造工数が少なく原材料の無駄がないので、従来よりも製造コスト及び原材料コストを低減して、コアレスの回路基板9を簡易に製造することができるものである。
また、剥離可能銅箔付き基板5の側端面において、銅箔1と離型樹脂層2との界面及び離型樹脂層2と支持体層4との界面が露出していてもよい。この場合、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度が20N/m以上であるので、回路パターン11を形成するにあたって、エッチングや金属めっき等の化学的処理に用いる薬液が上記の界面に染み込みにくくなり、銅箔1が侵食されることを抑制することができる。
また、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度が300N/m以下であることで、比較的小さな機械的外力を加えることで剥離可能であり、支持体層4から回路基板層12を分離して得られる回路基板9に歪みが生じることも抑制することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
<プリプレグの製造>
エポキシ樹脂(新日化エポキシ製造株式会社製:YDB−500EK80/64.67質量%、新日化エポキシ製造株式会社製:YDCN−220EK75/8.9質量%)、硬化剤(DIC株式会社製/フェノライトTD−2090 60M 26.4質量%)、硬化促進剤(四国化成工業株式会社製 イミダゾール2E4MZ/0.03質量%)を樹脂成分として準備した。また、この樹脂成分100質量部に対して無機フィラー(平均粒径0.5μmの球状シリカ)180質量部を準備した。そして、溶媒としてメチルエチルケトンを使用してこれらを配合することによって樹脂ワニスを調製した。
この樹脂ワニスをガラス織布基材(日東紡績株式会社製:WEA7628、厚み0.18mm)に含浸し、150℃の乾燥機で加熱乾燥させることによって、樹脂量43質量%及び溶融粘度20000poiseのプリプレグ8を製造した。なお、プリプレグ8の平面視の形状は、縦340mm、横510mmの矩形状である。
<実施例1>
離型樹脂層付き銅箔3として、サンアルミ株式会社製、セパニウムCu18B1C−M(厚み18μmで縦340mm×横510mmの寸法を有する銅箔1のシャイン面に、膜形成樹脂であるエポキシ樹脂に対してシリコーン添加剤を30質量%含有させた離型樹脂を塗布量1.5g/mでコーティングして離型樹脂層2を設けたもの)を使用した。そして、図2に示すように、プリプレグ8を4枚重ね合わせ、これと離型樹脂層付き銅箔3とを離型樹脂層2がプリプレグ8と対向するように重ね合わせた。そして、これをプレス成形機で加熱加圧成形することによって、図1に示すような剥離可能銅箔付き基板5を製造した。このときの加熱加圧は、昇温速度2.5℃/分で200℃以上(最高温度210℃)まで加熱し、この温度で90分間保持すると共に、2.9MPa(30kgf/cm)の圧力を加えて行った。なお、剥離可能銅箔付き基板5は後述の各評価に必要な数量製造した。
<実施例2〜5、比較例1、2>
実施例1の離型樹脂層付き銅箔3における離型樹脂中のシリコーン添加剤の含有量及び離型樹脂の塗布量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、剥離可能銅箔付き基板5を製造した。
<比較例3>
離型樹脂層付き銅箔3の代わりに、キャリア銅箔に極薄銅箔を設けて形成されたキャリア付銅箔(三井金属鉱業株式会社製、品番MT18)を使用した以外は、実施例1と同様にして、剥離可能銅箔付き基板5を製造した。
<ピール強度の測定(剥離試験)>
実施例1〜5、比較例1〜3の剥離可能銅箔付き基板5について、JIS規格番号C6481に規定された方法に基づいて、図4に示す測定装置を用いることにより、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度を測定した。具体的には、剥離可能銅箔付き基板5から長さ10cm、幅10mmのピール試験片16を切り出し、これを支持板17に貼り付けて固定すると共に、この上面を複数のロールバー18で押さえる。そして、ピール試験片16の縁端部から銅箔1を部分的につまみ上げてバイス19に挟み込み、これを垂直に引き上げてピール試験片16から銅箔1を引き剥がしていく。このときに要する力の大きさを測定した。その結果を表1に示す。
<評価用試験片の作製>
実施例1〜5、比較例1〜3の剥離可能銅箔付き基板5を用いて、図3(a)に示すような積層構造体13を評価用試験片20として作製した。
具体的には、剥離可能銅箔付き基板5の両側の銅箔1の表面に上記のプリプレグ8を1枚重ね合わせ、さらに金属箔15として厚み12μmの銅箔を重ね合わせた。このように積層した状態でプレス成形機を用いて温度200℃、圧力2.9MPaの条件で90分間加熱加圧成形して積層一体化させることによって、積層構造体13を評価用試験片20として作製した。この評価用試験片20は、剥離可能銅箔付き基板5の両面に回路基板層12を有する。
<耐薬品性試験(エッチング侵食性評価)>
実施例1〜5、比較例1〜3の評価用試験片20に、図5に示すようにルータ加工を行った。具体的には、評価用試験片20のコーナー部位4箇所にビアホール21(φ3.175mm)とビアホール22(φ1.45mm)、中央部に円形開口23(φ20mm)、1端辺部に半円状の端面ビア24(φ8.0mm)、他の1端辺部に略半楕円形の端面ビア25(長径10.0mm、短径3.3mm)と略半円状の複数の端面ビア26をルータ加工により形成した。ルータ加工は、図6に示すように異なる形状のビットA〜Hを有するブレードを使用して、表2に示す異なるルータ加工条件で実施し、それぞれルータ加工条件毎に試験片(1)〜(9)とした。
そして、上記の試験片(1)〜(9)にエッチング処理を行って、最外層の金属箔15を全面除去した。エッチング処理としては、塩化第二銅/塩酸/過酸化水素を主成分とするエッチング液(酸濃度3.3mol/L)を使用し、温度45℃、圧力0.25MPaで、1分間浸漬する条件で行った。その後、ルータ加工により形成された各ビアの周辺や、評価用試験片20(試験片(1)〜(9))の端面部位を観察し、内層に位置する銅箔1についてエッチング液による侵食の有無を確認して評価を行った。この評価は、目視観察により、侵食が認められなかったものを「○」、ごく一部のルータ加工部位(2割未満)で侵食が認められたものを「△」、多くのルータ加工部位(2割以上)で侵食が認められたものを「×」と判定して行った。評価結果を表3に示す。
<剥離後の回路基板の評価>
実施例1〜5、比較例1〜3の評価用試験片20について、銅箔1と支持体層4とを剥離することによって、積層構造体13から回路基板層12を回路基板9として分離した。このときの剥離は、評価用試験片20を平坦な作業面に載せて、評価用試験片20における1つのコーナー部位を剥離を開始する起点として、手作業で銅箔1と支持体層4とが剥離するように徐々に上下に分離する力を加えて行った。そして、外観の目視観察により回路基板9に反りや、銅箔1や金属箔15の表面にシワや歪みが生じていないかを確認した。すなわち、評価は、反りや歪みが認められなかったものを「○」、反りや歪みが認められたものを「×」と判定して行った。評価結果を表3に示す。
表3から明らかなように、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度が20〜300N/mである剥離可能銅箔付き基板5を用いた実施例1〜5では、ルータ加工後の耐薬品性試験で良好な結果が得られ、かつ、支持体層4から剥離した後の評価においても回路基板9に反りや歪みは認められなかった。実施例1と実施例4では、ルータ加工条件によってはごく一部にエッチングによる侵食が見られたものの、ルータ加工条件を適切に選択すれば侵食を抑制することができることが分かった。特に、銅箔1と支持体層4とを剥離するときのピール強度が120〜300N/mである剥離可能銅箔付き基板5を用いた実施例2,3,5では、いずれのルータ加工条件による評価用試験片20でも耐薬品性試験でエッチングによる侵食が見られなかった。
一方、上記のピール強度が20N/m未満の比較例1とキャリア付銅箔を用いた比較例3では、全ての評価用試験片20において耐薬品性試験でエッチングによる侵食が生じた。また、上記のピール強度が300N/mを超える比較例2では、耐薬品性試験の結果は良好なものの、支持体層4から剥離した後の評価において回路基板9に反りや歪みを生じた。
1 銅箔
2 離型樹脂層
3 離型樹脂層付き銅箔
4 支持体層
5 剥離可能銅箔付き基板
6 基材
7 樹脂
8 プリプレグ
9 回路基板
10 絶縁層
11 回路パターン
12 回路基板層
13 積層構造体

Claims (6)
Hide Dependent

  1. 剥離可能銅箔付き基板であって、
    前記剥離可能銅箔付き基板は、銅箔の一方の面に離型樹脂層を設けた離型樹脂層付き銅箔と、支持体層とを有し、
    前記離型樹脂層を接合面として前記離型樹脂層付き銅箔が前記支持体層と積層一体化されて構成され、
    前記離型樹脂層にて前記銅箔と前記支持体層とが剥離可能であると共に、
    前記支持体層と前記離型樹脂層付き銅箔との界面は前記剥離可能銅箔付き基板の側端面に露出しており、
    前記銅箔と前記支持体層とを剥離するときのピール強度が20〜300N/mであることを特徴とする
    剥離可能銅箔付き基板。
  2. 前記離型樹脂層が設けられている前記銅箔の一方の面がシャイン面であることを特徴とする
    請求項1に記載の剥離可能銅箔付き基板。
  3. 前記銅箔の他方の面がマット面であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の剥離可能銅箔付き基板。
  4. 前記支持体層の両面に前記離型樹脂層付き銅箔が積層一体化されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の剥離可能銅箔付き基板。
  5. 前記支持体層が、基材に樹脂を含浸したプリプレグを用いて形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の剥離可能銅箔付き基板。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の剥離可能銅箔付き基板を仮基板として用いて回路基板を製造する方法であって、
    前記剥離可能銅箔付き基板の銅箔に絶縁層を形成し、前記絶縁層に化学的処理を伴うパターニングを行って回路パターンを形成し、さらに必要に応じて前記絶縁層及び前記回路パターンの形成を繰り返すことによって、前記剥離可能銅箔付き基板に回路基板層を形成して積層構造体を作製するビルドアップ工程と、
    前記積層構造体において前記銅箔と前記支持体層とを剥離することによって、前記回路基板層を前記回路基板として得る剥離工程と
    を含むことを特徴とする
    回路基板の製造方法。