JP4270650B2 - 散乱防止用x線グリッドの基板の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は診断用放射線撮影技術の分野に関するものであって、更に詳しく言えば、高分解能かつ高コントラストの放射線撮影像を形成することのできる散乱防止用グリッド及びそれのレーザ製法に関する。
【0002】
【発明の背景】
医学診断用の放射線撮影に際しては、X線が患者に照射される。かかるX線の一部は患者の生体によって吸収され、また残りのX線は生体を透過する。X線吸収度の違いにより、感光フィルム、イメージ・インテンシファイヤ又はディジタル受光器のごとき影像検出器上に放射線撮影像が形成される。
【0003】
生体を通過するX線のうち、一次放射線は最初にX線がX線源から放射された際の経路に沿って妨げられることなくまっすぐに進行する。散乱放射線は、生体を通過する際に生体の構成要素によって散乱され、従って本来の経路に対して一定の角度を成しながら進行するものである。一次放射線及び散乱放射線のいずれもが影像の形成に寄与するが、散乱放射線はそれの軌道の性質から投影される影像のコントラスト(鮮鋭度)を低下させる。たとえば従来の前方又は後方胸部X線検査においては、生体を透過する放射線の約60%が散乱放射線となることがあり、従って影像コントラストの著しい低下を引起こすことになる。それ故、フィルタを用いてできるだけ多くの散乱放射線を除去することが望ましいのである。
【0004】
フィルタを用いて散乱放射線を除去する技術の一例として、生体と影像検出器との間に散乱防止用グリッドを配置することが挙げられる。散乱放射線はグリッド中の(不透明な)吸収材に当って吸収される。しかしながら、一次放射線の一部もまた吸収材によって吸収される。この技術に基づく放射線撮影装置は、散乱放射線の顕著な低減の結果としてコントラストのより高い放射線写真を形成するが、写真材料を適正に露光させるため患者に照射する放射線量の増加を必要とする。所要放射線量が増加するのは、1つには散乱放射線がもはや撮影用X線ビームの一部を成さないためであり、また1つには一次放射線の30%以上がグリッド中の吸収材に当って除去(すなわち吸収)されてしまうからである。
【0005】
照射のために必要となる放射線量の増加は5倍以上にもなり得る。すなわち、放射線撮影装置の一部としてグリッドが使用される場合、患者は5倍のX線量を受けることがあり得るわけである。高いX線量は照射を受ける個人に健康被害を引起こすから、放射線検査に際して患者が受けるX線の量を低減させることは絶えず必要とされてきた。
【0006】
従来のグリッドの多くにおいては、X線吸収材として薄い鉛のストリップが使用され、また透明な隙間材料としてアルミニウム又は繊維複合材料のストリップが使用される。従来の製造方法に従えば、吸収材のストリップと非吸収性の隙間材料のストリップとを交互に配置して接着することにより、数千の層から成る積層物が形成される。更にまた、焦点を持ったグリッドを作製するため、各々の層が一定の収束点(すなわちX線源)を有するように個々の層を互いに僅かな角度を成して精密に配置することも必要である。かかるストリップの積層物から成る複合材料を形成した後、それを切断し、そして僅か0.5ミリメートルという所要のグリッド厚さに達するまで主面に沿って注意深く機械加工しなければならない。その場合、たとえば40センチメートル×40センチメートル×0.5ミリメートルの寸法を有する壊れ易い複合材料は非常に取扱いが難しい。次いで、かかる複合材料を十分に強い材料と積層しなければならない。これは、壊れ易いグリッドアセンブリを補強して現場での使用に十分な機械的強度を付与するためである。かかるグリッドを偶然にぶつけたり、曲げたり、あるいは落としたりすると、内部損傷(すなわち、層の剥離)を生じることがある。このような損傷は修理できないので、グリッドは完全に役に立たなくなる。
【0007】
積層方法の性質上、X線吸収材の層と透明な隙間材料の層とから成る従来の積層物を用いて作製されたグリッドは直線的な図形のみに限られる。更にまた、吸収材及び隙間材料が規格の範囲内にあっても、かかる方法は層の厚さの変動及び層間の接着剤の厚さの変動に由来する累積的な線位置の誤差を生じることが多い。
【0008】
グリッドの設計に際して重要なパラメータは格子比である。これは、X線吸収材ストリップの高さとそれらの間の距離との比として定義される。この比は通例4:1〜16:1の範囲内にある。現行の製造技術によれば約0.050ミリメートルの鉛ストリップの厚さが実際上の限界であるから(すなわち、このような値又はそれ以下の厚さのストリップを取扱うことは非常に難しいから)、1センチメートル当り60本の線密度で4:1の比を有するグリッドを作製するためには隙間材料の幅が0.12ミリメートルであることが必要となるが、これではグリッドの厚さは僅か0.028ミリメートルとなる。製造上の制約のため、このようなグリッドにおける鉛ストリップの幅は一般に広過ぎるのであって、そのために一次放射線の30%以上を吸収する大きい断面積を形成するので望ましくない。更にまた、厚いストリップは、影像検出器上に陰影を生み出す点でも望ましくない。このような陰影を消去するためには、照射時間中にグリッドを移動させるための機械的手段を設けることが必要となる。このようなグリッドの運動は横方向の偏心を引起こし、その結果として更に20%の一次放射線の吸収をもたらすことがなる。それ故、厚い吸収材ストリップの使用はそれの欠点を補うために患者への照射線量の顕著な増加を必要とすることになる。
【0009】
電子式撮影業界の現在の目標は、フィルムの使用を前提とした撮影装置を取り替えることである。将来は、フィルムや電子管の代りに、電荷結合素子(CCD)検出器やフラットパネル形非晶質シリコン(α−Si)検出器のごとき影像検出器が使用されることになりそうである。かかる影像検出器としては、200マイクロメートル以下の画素ピッチを有する大形の素子アレイが挙げられる。これらのアレイに対して従来のX線グリッドを最適化することはできない。なぜなら、従来のX線グリッドは直線を用いて作製されているため、それらをアレイのピッチに合わせることは一般に不可能なのである。もしX線グリッドの吸収材が影像検出器の活性領域と重なった場合、影像検出器の効率が低下すると共に、モアレ模様が発生することがある。
【0010】
1996年9月17日付けの米国特許第5557650号の明細書中には、X線に対して実質的に非吸収性の材料から成りかつ溝を有する基板を用意する工程、及びX線を実質的に吸収する吸収材で溝を充填する工程を含む散乱防止用X線グリッドの製造方法が開示されている。実施の一態様に従えば、薄い円形ののこ刃を用いてプラスチック板をのこ引きすることによって基板が用意され、また吸収材を融解して得られた溶融吸収材を溝の中に流すことによって溝が充填される。こうして得られるグリッドは、従来の積層技術によって得られたものに比べて分解能が向上している。
【0011】
【発明の概要】
現在特に要望されているのは、散乱防止用X線グリッド中に様々なパターン、形状及び寸法の吸収材を配置することを可能にする製造方法である。
本発明の一態様に従って簡単に述べれば、医学診断用放射撮影において使用するための散乱防止用X線グリッドの実質的に透明な重合体基板の製造方法が提供される。かかる方法は、基板と高出力レーザとの間に位相マスクを配置する工程、レーザからレーザビームを放射する工程、レーザビームの状態を調整する工程、状態調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより位相マスクを通して基板の第1の部分を除去する工程、基板を移動する工程、並びに状態調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより位相マスクを通して基板の第2の部分を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
新規であると考えられる本発明の特徴は、前記特許請求の範囲中に詳細に記載されている。とは言え、本発明の構成及び実施方法並びにそれの追加の目的及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の説明を考察することによって最も良く理解できるはずである。なお、添付の図面中において、同じ構成要素は同じ番号によって表わされている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、従来の放射線撮影装置の側断面図である。X線管1によって発生されかつ放射されたX線2は、人体3に向かって進む。一部のX線4は人体によって吸収される一方、経路5及び6に沿って進むX線は一次放射線として人体を透過し、また経路7に沿って進むX線は人体により曲げられて散乱放射線となる。
【0014】
経路5、6及び7に沿ったX線は感光フィルム8のごとき影像検出器に向かって進み、そして可視光の波長を持った蛍光を発生する感光物質を塗布した増感スクリーン9によって吸収される。こうして生じた潜像によって感光フィルム8が露光される結果、放射線写真が得られることになる。
人体3と感光フィルム8との間に散乱防止用グリッド10が配置される場合、経路5、6及び7に沿ったX線は感光フィルム8に先立って散乱防止用グリッド10に入射する。経路6のX線はグリッド10の半透明材料11を通過して進む一方、経路5及び7のX線は吸収材12に入射して吸収される。経路7のX線の吸収は、散乱放射線の除去を意味する。経路5のX線の吸収は、一次放射線の一部の除去を意味する。一次放射線の残部である経路6のX線は、感光フィルム8に向かって進んで増感スクリーン9により吸収され、そしてこうして生じた潜像によって感光フィルム8が露光される。
【0015】
図2は、たとえばCCD検出器又はα−Si検出器から成る影像検出器500の一部分の拡大上面図である。影像検出器方式の場合における散乱防止用グリッドの作用は、感光フィルムが使用されない点で異なっている。かかる検出器の表面は、碁盤目状の電荷収集領域502を含んでいる。散乱防止用グリッドを通過したX線は、電荷収集領域間の隙間501ではなく電荷収集領域に実質的に入射することが重要である。
【0016】
図3は、本発明に従って散乱防止用グリッド110を作製するための基板114中に形成し得る各種の複雑な吸収材パターン116、118、120、122、124及び126を示す上面図である。なお、ここで使用される「複雑な」という語は、従来の途切れない平行直線パターン以外のパターンを意味するものである。
【0017】
本発明においては、レーザを用いたアブレーションによって実質的に透明な重合体基板の一部分が除去される。次いで、レーザアブレーションによって生じた基板の開口中に、実質的に吸収性の材料(たとえば鉛ビスマス)が充填される。ここで使用される「実質的に透明な」という語は、基板の厚さ及び材料が入射したX線エネルギーの実質的な減衰を防止するのに十分なものであり、従って少なくとも85%(好ましくは少なくとも90%)のX線エネルギーが基板を通過することを意味する。また、ここで使用される「実質的に吸収性の」という語は、少なくとも85%(好ましくは少なくとも90%)の入射エネルギーを吸収する材料及び厚さを意味する。材料が透明又は吸収性のいずれに分類されるかは、入射X線エネルギーの種類に依存する。なぜなら、高エネルギーX線は低エネルギーX線よりも容易に通過するからである。
【0018】
商業的に入手可能なモデル化ソフトウェアパッケージを用いたモデル化実験により、散乱防止用グリッドの性能はパターンの変化に伴って変動することが判明した。上記のごとく、電子式検出器を使用する場合、それはアレイを成して配列された多数の画素を含んでいる。モアレ模様を回避すると共に活性領域の露光量を最大にするため、かかる画素のサイズ及びピッチはグリッドパターンに整合していることが必要である。
【0019】
図4は吸収材パターンの上面図であって、基板114の追加領域115の除去を示している。吸収材117を充填した後に領域115を除去するのが最も効率的である。このような実施の態様は、より柔軟なX線グリッドを形成する。更にまた、実質的に透明な基板よりも空気の方が多量のX線を通過させることができる。
【0020】
図5は、本発明のレーザ製造装置を示すブロック図である。かかる装置は、レーザ310、ビームホモジナイザ316、位相マスク320、光学的対物レンズ322及びテーブル324を含んでいる。
高エネルギーの生ビーム311を放射するレーザ310は、ラムダ・フィジックス(Lambda Physics)社から入手可能なラムダ4000レーザのごとき高出力レーザから成ることが好ましい。かかるレーザは、少なくとも200ワット及び1パルス当り少なくとも600ミリジュールの出力を与えることができると共に、非吸収性の基板材料114のアブレーション特性に整合する適当な波長を有することが必要である。実施の一態様に従えば、基板材料114は重合体から成り、かつレーザ波長は248又は308ナノメートルである。好ましい種類の重合体としては、たとえば、ポリエーテルイミド、ポリイミド及びポリカーボネートが挙げられる。また、実施の一態様に従えば、基板の厚さは約0.3〜約1.5ミリメートルの範囲内にある。
【0021】
ビームホモジナイザ316は、入射したレーザビームの非対称拡散を補正し、それにより照射範囲全体にわたって極めて均一なフルエンスを有するビーム317を生み出す。均一なフルエンスは、レーザによって供給されるビームエネルギー全体の利用を最適化するために重要である。
位相マスク320は、基板上に所望パターンの開口321を形成すると共に、入射ビームのできるだけ多くの部分の使用を可能にするために使用される。図5中には光ビーム323及び325が連続したビームとして示されているが、それらは複数の個別ビームを含んでいる。
【0022】
図6は、位相マスクによるパターン形成の一例を示すブロック図である。図示のごとく、位相マスクパターン410はマスク材料416によって隔離された開口418を有している。開口間の領域416の面積を少なくして浪費されるレーザ光の量を最小にするため、開口418同士は接近して配置されている。位相マスクにおいては開口418同士が接近して配置されているとは言え、除去パターン414中の除去領域420同士が接近するように位相マスクが光412を集束するわけではない。
【0023】
図5の光学的対物レンズ322は、ビーム電力の損失を低減させると共にスポットサイズを改善するため、商業的に入手可能なアグリン(AGRIN) レンズ(軸方向屈折率分布型レンズ)、ダブレット型クロマチックレンズ又は三枚構成クロマチックレンズから成っていればよい。かかるレンズは、基板上で所望のサイズとなるように位相マスクからの影像を集束すると共に、光線を遥かに小さなスポットに集束することを可能にする。このような能力により、より大きいフルエンス及びより良好な分解能が得られる。
【0024】
図5中のテーブル324は、加工すべき基板を移動させることのできるプログラム可能な精密運動テーブルから成ることが好ましい。
レーザアブレーションの実施例として、ラムダ・フィジックス社から入手可能なエキシマレーザ(型番号LPX2101)をエネルギー安定化モードで動作させることにより、1パルス当り300ミリジュールの出力を得た。丸い穴を有するマスクを通してビームを焦点に集束したが、その焦点におけるエネルギー密度は1平方センチメートル当り13ジュールに達した。食刻速度は1パルス当り0.73マイクロメートルであった。形成された穴の入射側直径は107ミリメートルであり、また出射側直径は100ミリメートルであった。(図5中に示された)内壁の勾配sは、4.4ミリラジアン(0.25度)と計算された。アブレーションの結果、厚さ1.5ミリメートルのポリエーテルイミド基板は2200回のパルス照射によって貫通された。
【0025】
かかるレーザを用いたアブレーションにより、基板を貫通する開口又は基板中に部分的に延びる開口を形成することができる。基板の開口中には、図4中に117として示されるような吸収材を適宜な方法で充填することができる。たとえば、前述の米国特許第5557650号明細書中には、溝の中に容易に溶融流動し得る吸収材を真空条件下で溝に充填する技術が記載されている。所望ならば、加圧条件下における浸漬のごとき他の方法を用いて吸収材を充填することもできる。有用な吸収材の実例としては、鉛−ビスマス合金に加え、鉛、ビスマス、金、バリウム、タングステン、白金、水銀、タリウム、インジウム、パラジウム、アンチモン、スズ、亜鉛及びそれらの合金が挙げられる。
【0026】
以上、特定の実施の態様のみに関連して本発明を説明したが、数多くの変更態様が可能であることは当業者にとって自明であろう。それ故、本発明の真の精神に反しない限り、前記特許請求の範囲はかかる変更態様の全てをも包括するものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の放射線撮影装置の側断面図である。
【図2】影像検出器の一部分の拡大上面図である。
【図3】本発明に従って形成することのできる幾つかの相異なるX線吸収材パターンの上面図である。
【図4】基板の追加領域の除去を示すX線吸収材パターンの上面図である。
【図5】本発明のレーザ製造装置のブロック図である。
【図6】位相マスクによるパターン形成を示す線図である。
【符号の説明】
110 散乱防止用X線グリッド
114 基板
115 追加の除去領域
117 吸収材
310 レーザ
316 ビームホモジナイザ
320 位相マスク
321 開口
322 光学的対物レンズ
324 テーブル

Claims (12)

  1. 医学診断用放射線撮影において使用するための散乱防止用X線グリッドの製造方法において、
    入射するX線に対して実質的に透明な基板と高出力レーザとの間に位相マスクとビームホモジナイザの組み合わせを配置することにより、均一なフルエンスを有する高出力レーザビームを放射する工程、
    前記ビームホモジナイザを用いて前記レーザビームの均一性を調整する工程、
    前記調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより前記位相マスクを通して前記基板の第1の部分を除去する工程、
    前記基板及び前記レーザの一方を移動する工程、
    前記調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより前記位相マスクを通して前記基板の第2の部分を除去する工程、
    前記基板の除去部分にX線を実質的に吸収する吸収材を充填する工程、並びに
    前記吸収材を充填する工程の後に前記基板の一部分である前記基板の材料の追加領域を除去する工程
    を含むことを特徴とする前記方法。
  2. 前記基板の第2の部分を除去する工程が前記基板を完全に貫通する開口を形成することから成る請求項1記載の方法。
  3. 前記基板が重合体から成る請求項1記載の方法。
  4. 前記位相マスクと前記基板との間に対物レンズを配置する工程を更に含む請求項1記載の方法。
  5. 前記基板の第1及び第2の部分を除去する前記工程が、途切れない平行直線パターン以外のパターンの除去部分を前記基板中に形成することを含む請求項1記載の方法。
  6. 前記基板の第1及び第2の部分を除去する前記工程が、前記散乱防止用X線グリッドと共に使用することのできる影像検出器のパターンと整合するように設計されたパターンの除去部分を前記基板中に形成することを含む請求項1記載の方法。
  7. 医学診断用放射線撮影において使用するための散乱防止用X線グリッドを形成するための装置において、
    レーザ光を放射するための高出力レーザ、
    前記レーザ光の均一性を調整するためのビームホモジナイザ、
    前記調整されたレーザ光の量を低減させると共に前記調整されたレーザ光のパターンを生み出すための位相マスク、
    入射するX線に対して実質的に透明な基板を支持すると共に、前記基板の相異なる領域を前記調整されたレーザ光のパターンに暴露することができるように前記基板を移動させるための可動テーブル、
    前記調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより前記位相マスクを通して前記基板の第1の部分を除去する手段、
    前記調整されたレーザビームを用いたアブレーションにより前記位相マスクを通して前記基板の第2の部分を除去する手段、
    前記基板の除去部分にX線を実質的に吸収する吸収材を充填する手段、並びに
    前記吸収材を充填した後に前記基板の一部分である前記基板の材料の追加領域を除去する手段を含むことを特徴とする前記装置。
  8. 前記調整されたレーザ光のパターンを前記基板上に集束させるための対物レンズを更に含む請求項記載の装置。
  9. 前記対物レンズが軸方向屈折率分布型レンズである請求項記載の装置。
  10. 前記調整されたレーザ光の集束パターンが、前記基板を完全に貫通する開口を形成することができる請求項記載の装置。
  11. 前記状態調整されたレーザ光の集束パターンが、途切れない平行直線パターン以外のパターンの除去部分を前記基板中に形成することができる請求項記載の装置。
  12. 前記調整されたレーザ光の集束パターンが、前記散乱防止用X線グリッドと共に使用することのできる影像検出器のパターンと整合するように設計されたパターンの除去部分を前記基板中に形成することができる請求項記載の装置。
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