JP4270497B2 - プレス機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送りローラーの材料把持状態において加工材料を前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド側位置決めピンと加工材料側位置決め穴との嵌合により加工材料の送り方向の位置を修正可能に構成された材料前進送り装置を備え、駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械に関する。
【0002】
【背景の技術】
フライホイールを有するプレス機械(特許文献1を参照)は、比較便宜のために簡易表示した図12に示す如く、クランク機構(クランク軸12、コンロッド16)によりスライド17(上型)を静止側のボルスタ2(下型)に対して昇降可能に形成されている。クランク軸12は、メインギヤ13,ギヤ5G,回転軸5S並びにクラッチ・ブレーキ装置(ブレーキ板6B,クラッチ板6C)を介してフライホイール7に連結されている。このフライホイール7は、駆動ベルト8,プリー30Pを介して接続されたモータ30P1(モータ軸30S)により回転駆動される。70P1はモータ駆動装置である。
【0003】
かかるフライホイール方式の従来プレス機械10Wでは、フライホイール7に蓄積された回転エネルギーを、クラッチ・ブレーキ装置(6B,6C)を介してクランク軸12に選択的に伝達・分離し、プレス運転・停止をする構成となっている。フライホイール7の回転エネルギーはプレス加工(成形)を実行する加工領域で放出され、回転数が低下する。そして、非加工領域で回転エネルギーが蓄積(回復)され回転数は元に戻る。
【0004】
ここに、プレス加工対象である加工材料131が、材料前進送り装置(特許文献2を参照)100Pを用いてスライド(上型)とボルスタ(下型)との間に送り供給するように構築されたいわゆるプログレッシブ型のプレス機械(10W)が知られている。
【0005】
この材料前進送り装置100Pは、比較便宜のために簡易表示した図14,図15に示す如く、送りローラー106(,105)を材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換えでき、材料把持状態において加工材料131をX方向に前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド17側の位置決めピン18と加工材料131側の位置決め穴132との嵌合により加工材料131の送り方向(X方向)の位置(誤差)を修正可能に構成さている。
【0006】
詳しくは、図14のアンコイラー130から繰出される帯板上材料(131)の先端側を送りローラー105,106で把持しつつ両送りローラー105,106の回転によりX方向つまりプレス機械(2,17間)側に向けて所定長さ(定寸)分ずつ加工材料131を間欠送り(間欠前進送り)する。この定寸送りではプレス機械10W側で要求する精度での位置決めができない。
【0007】
そこで、加工材料131の1回前進送り終了後に、送りローラー106を上昇させて加工材料131から離反させ把持開放する。この把持開放状態において、スライド17を下降させてスライド側[金型(上型)]に一体的に取付けられた位置決めピン18を対応する位置決め穴132に嵌挿させれば、両者18,132の嵌合により加工材料131の位置修正ができる。これにより、プレス機械10W(スライド17)に対する加工材料131の高精度位置決め供給ができるわけである。プレス加工後に、次の前進送りために送りローラー106を下降させて送りローラー105との協働により、加工材料131を把持(クランプ)状態に戻す。
【0008】
かかる材料前進送り装置100Pの円滑な運転を確保するためには、当然に、プレス機械10Wの運転とのタイミング同期調整をしなければならない。スライド17(18)と加工材料131(132)との衝突(干渉)を回避させるために必須である。
【0009】
具体的には、プレス機械10Wの運転タイミングをクランク角度として捉えかつ各タイミングをカム型のタイミングスイッチで検出する。例えば、(1)材料前進送りの開始指令用の材料前進送り開始角度信号,(2)この信号を超えて送り継続することを禁止する送り限界角度信号,(3)送り完了確認タイミング用の送り完了確認角度信号,(4)材料把持開放タイミング用の材料把持開放開始信号,(5)材料把持タイミング用の材料把持開始信号を検出(出力)させるための5個のタイミングスイッチを個々に設定しなければならない。
【0010】
しかも、図12の駆動機構(12,7等)の特性からスライド17を微細量ずつ昇降させることが困難で、スライド17をストローク中の任意の位置で停止させることが不可能であることから、各タイミングスイッチの各設定は十分に余裕を持って行なわれている。一般的に、このような駆動機構(12,7等)でスライド昇降させる場合のプレス速度の高速化運転に比較して、材料前進送り装置100Pの前進送り速度の高速化運転の方が容易であることから、各タイミングスイッチの設定が一段の余裕をもって行なわれているのが実情である。
【0011】
一方において、フライホイール7は一方向に回転し、クランク軸12は一定速度で回転駆動(速度変更は可能であるが、加工途中での変更は不可。)されるものであるから、スライドモーション(クランク角―スライド位置)カーブがサイン波形状に固定化されるので、他の駆動機構(例えば、ナックル機構,リンク機構等)の場合と同様なスライドモーションカーブを採りえない。
【0012】
そこで、本出願人は、クランク機構の利点(大荷重値発生,構造簡単,堅牢,低コスト等)を活用しつつ、クランク軸をモータで回転駆動するいわゆるサーボモータ駆動方式のプレス機械を先に提案(特願2001−388835号)している。
【0013】
比較便宜のために簡易表現した図13において、かかる先提案のプレス機械10S[クランク軸12(メインギヤ13)]は、モータ30P2(ギヤ30G,モータ軸30S)により正転、逆転、速度変化が自由に回転駆動され、回転駆動態様はモータ駆動制御部70P2により選択・設定することができる。かくして、各種スライドモーションを切替使用可能であるから、プレス加工態様に対する適応性を拡大できるとともに、従来クランク機構方式のプレス機械10Wの場合に比較してフライホイール7,クラッチ・ブレーキ装置(6B,6C)の一掃化ができるから、設備経済上や小型軽量化等の点でも優位である。クラッチ・ブレーキ装置の頻繁動作による短命化問題も生じることが無くなる。
【0014】
しかも、先提案プレス機械10Sの場合は、スライド17を微細量ずつ昇降可能かつストローク中の任意の位置で停止させることができるとともにスライド位置等を目視確認しつつ設定作業ができるので、従来プレス機械10Wの場合に比較すれば、各タイミングスイッチを無駄(十分な余裕)なくシビアに設定することができるといえる。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−277784号公報(第2〜3頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−25833号公報(第2〜7頁、図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数(例えば、上記した5つ)のタイミングスイッチの設定作業が面倒で取扱が難しいことに変わりは無い。また、先提案プレス機械10Sの場合は、従来プレス機械10Wの場合と異なり、材料前進送り装置100Pの前進送り高速化運転に比較して、プレス高速化運転の方が遥かに容易である。したがって、先提案プレス機械10Sにおいて、各タイミングスイッチをシビアに設定すればする程に、スライド17(18)と加工材料131(132)との衝突(干渉)が生じる蓋然性が強く、万全の安全性を確保することが危ぶまれる。つまりは、取扱が難しくかつプレス高速化が制約され、飛躍的な生産性向上を阻害する。
【0017】
本発明の目的は、取扱が容易で確実に干渉回避させられるプレス機械を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
先提案プレス機械10Sを用いた試行によれば、複数のタイミングスイッチを当該各クランク角度に合わせかつ個々の作業により設定する従来角度検出設定方式の導入を前提とする限り、タイミングスイッチの構造的改善や設定作業性等に関する先提案プレス機械10Sへの対応性改善では、飛躍的なプレス運転高速化を実現することが難しいことが判明した。つまり、サーボモータ駆動方式のプレス機械10Sとして持つ能力が材料前進送り装置100Pとの組合せたことを事由として制約されてしまう。しかも、従来角度検出設定方式では、プレス機械10Sと材料前進送り装置100Pとの運転同期ずれが発生した場合、その修正ができないので運転停止しなければならない。
【0019】
加えて、先提案プレス機械10sの一段の高速化研究においては、駆動機構(クランク機構)の新規駆動運転態様が望まれつつある。つまり、クランク軸を1(360度)回転させていた従来駆動運転態様に対して、クランク軸12をクランク角度180度(下死点位置)を中心に左右に例えば45(〜90)度だけ揺動運転させることでスライドストロークの短縮化を図れば無駄時間を最小化でき、結果として超高速化運転が達成できるとする考え方である。この考え方を具現化した場合、揺動運転態様ではプレス運転中のクランク角度が限定的な狭小角度範囲でよいから、360度回転を前提とする従来角度検出設定方式は不向きでかつ採用し難いという技術的で致命的な問題もある。
【0020】
ここに、本発明は、プレス機械のタイミングを駆動機構(クランク軸)の駆動運転態様に左右されないスライド位置(クランク角度)を直接監視して検出可能かつ運転中の同期ずれを自動的に修正可能に形成し、前記目的を達成するものである。これにより、サーボモータ駆動方式による飛躍的なプレス高速化および大幅な生産性向上に大きく貢献することができる。
【0021】
すなわち、請求項1の発明に係るプレス機械は、送りローラーを材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換え可能で、材料把持状態において加工材料を前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド側の位置決めピンと加工材料側の位置決め穴との嵌合により加工材料の送り方向の位置を修正可能に構成された材料前進送り装置を備え、駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械において、前記駆動機構がクランク軸を含みモータの回転制御によりスライドを昇降可能に形成され、基準スライド位置と前記材料前進送り装置に係る基準送り動作進行状態とを対応させた基準相対関係情報を予め設定可能であるとともに、前記スライドの上下方向の位置である実際スライド位置と前記材料前進送り装置に係る実際送り動作進行状態とを検出可能に形成し、検出された実際スライド位置とこれに対応して検出された実際送り動作進行状態との相対関係が予め設定された基準相対関係情報に対応する基準相対関係を満すと判別されなかったことを条件として前記モータの回転を止めて前記スライドの昇降を強制的に停止可能であるとともに、その後に再検出された実際スライド位置とスライド強制停止中における材料前進送り装置の送り動作の進行に伴い再検出された実際送り動作進行状態との相対関係が基準相対関係を満すと判別されたことを条件状態に前記スライドを再昇降可能に形成したので、設定されたスライドモーションでのプレス加工を確実かつ安全に行え、加工材料との干渉を確実に回避できる。取扱いも容易である。
【0022】
また、請求項2の発明に係るプレス機械は、送りローラーを材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換え可能で、材料把持状態において加工材料を前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド側の位置決めピンと加工材料側の位置決め穴との嵌合により加工材料の送り方向の位置を修正可能に構成された材料前進送り装置を備え、駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械において、前記駆動機構がクランク軸を含みモータの回転制御によりスライドを昇降可能に形成され、前記位置決めピンの先端が前記加工材料の上面に非接触でかつ位置決め穴に対応接近した状態である定位置を設定するピン先端接近定位置設定手段と,前記位置決めピンの先端が位置決め穴に挿入された状態である挿入位置を設定するピン先端挿入位置設定手段とを設け、前記スライドの下降中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端接近定位置に到達したか否かを判別する下降ピン先端接近定位置判別手段と,前記材料前進送り装置により前進送りされた加工材料の所定部位が所定位置に到達したか否かを確認する材料前進所定位置確認手段と,下降ピン先端接近定位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端接近定位置に到達したと判別されたにも拘らず材料前進所定位置確認手段によって加工材料の所定部位が所定位置に到達したと確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第1の強制停止制御手段とを設け、前記スライドの下降中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したか否かを判別する下降ピン先端挿入位置判別手段と,前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあるか否かを確認するための材料把持開放確認手段と,下降ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたにも拘らず材料把持開放確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあると確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第2の強制停止制御手段とを設け、前記スライドの上昇中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したか否かを判別する上昇ピン先端挿入位置判別手段と,前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあるか否かを確認するための材料把持確認手段と,上昇ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたにも拘らず材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第3の強制停止制御手段とを設けたので、設定されたスライドモーションでのプレス加工を確実かつ安全に行え、加工材料との干渉を確実に回避でき、生産性を最大限的に向上させることができる。さらに、取扱いが一段と容易で、具体的生産現場において一段と安全かつ安定したプレス加工を誰でもが簡単に行える。
【0023】
また、請求項3の発明に係るプレス機械は、前記下降ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたことを条件に前記材料前進送り装置側に把持開放動作の実行を促すための把持開放指令信号を出力する把持開放指令信号出力手段と,この把持開放指令信号出力手段から把持開放指令信号が出力されたときから前記材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあると確認されたときまでの把持開放応答時間を計測する把持開放応答時間計測手段とを設け、スライド下死点位置判別手段によりスライドが下死点に到達したと判別されたことを条件に前記材料前進送り装置側に把持動作の実行を促すための把持指令信号を出力する把持指令信号出力手段と,この把持指令信号出力手段から把持指令信号が出力されたときから前記材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されたときまでの把持応答時間を計測する把持応答時間計測手段とを設け、さらに前記材料把持確認判別手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されたことを条件に前記材料前進送り装置側に材料前進送り動作の実行を促すための材料送り指令信号を出力する材料送り指令信号出力手段と,この材料送り指令信号出力手段から材料送り指令信号が出力されたときから前記材料前進定位置確認手段によって前進送りされた加工材料の所定部位が所定位置に到達したと確認されたときまでの材料送り時間を計測する材料送り時間計測手段とを設け、把持開放応答時間計測手段で計測された把持開放応答時間と把持応答時間計測手段によって計測された把持応答時間と材料送り時間計測手段によって計測された材料送り時間とを利用して前記スライドと加工材料との干渉を回避できる最高プレス速度を算出可能に形成されているので、作業者は最適な最高プレス速度(SPM)を簡単に知ることができる。
【0024】
さらに、請求項4の発明に係るプレス機械は、前記第1の強制停止制御手段,第2の強制停止制御手段および第3の強制停止制御手段によって前記スライドが強制停止された場合にスライド強制停止の旨を警報出力する警報出力制御手段が設けられているので、作業者に同期ずれが生じかつその解消のためにスライドが一時停止状態にあることを迅速かつ正確に知らせることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
本プレス機械10は、図1〜図10に示す如く、ピン先端接近定位置設定手段(84)とピン先端挿入位置設定手段(84)と下降ピン先端接近定位置判別手段(81,82)と材料前進所定位置確認手段(81,82)と第1の強制停止制御手段(81,82)と、下降ピン先端挿入位置判別手段(81,82)と材料把持開放確認手段(81,82)と第2の強制停止制御手段(81,82)と、上昇ピン先端挿入位置判別手段(81,82)と材料把持確認手段(81,82)と第3の強制停止制御手段(81,82)とを設け、(1)スライド下降中に位置決めピン18の先端位置が設定ピン先端接近定位置Haに到達したと判別されたにも拘らず加工材料131の所定部位(先端131F)が所定位置に到達したと確認されなかった場合、(2)スライド下降中に位置決めピン18の先端位置が設定ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別されたにも拘らず材料前進送り装置100が材料把持開放状態にあると確認されなかった場合、(3)スライド上昇中に位置決めピン18の先端位置が設定ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別されたにも拘らず材料前進送り装置100が材料把持状態にあると確認されなかった場合に、それぞれモータ30の回転を止めてスライド17を強制停止可能に構成とされている。
【0027】
すなわち、このプレス機械10は、基準スライド位置(下降時Ha、下降時Hb、上昇時Hb)と材料前進送り装置100に係る基準送り動作進行状態(材料前進所定位置到達済、材料把持開放済、材料把持済)とを対応させた基準相対関係情報(下降時Ha−材料前進所定位置到達済、下降時Hb−材料把持開放済、上昇時Ha−材料把持済)を予め設定可能で、スライド17の上下方向の位置である実際スライド位置Hi(例えば、検出クランク角度θkから演算した値)と材料前進送り装置100に係る実際送り動作進行状態とを検出可能に形成し、検出実際スライド位置Hiとこれに対応して検出された実際送り動作進行状態との相対関係が予め設定された基準相対関係情報に対応する基準相対関係を満すと判別されなかったことを条件としてモータ30の回転を止めてスライド17の昇降を強制的に停止可能で、その後に再検出された実際スライド位置Hiとスライド強制停止中における材料前進送り装置100の送り動作の進行に伴い再検出された実際送り動作進行状態との相対関係が基準相対関係を満すことになったと判別されたことを条件状態にスライド17を再昇降可能に形成されている。
【0028】
まず、本プレス機械10の基本的構成・機能は、図13に示した先提案例(10S)の場合と同様である。すなわち、図1,図2に示すように、プレス機械10は、駆動機構によりスライド17を昇降させつつ加工材料131をプレス加工(成形)することができる。材料前進送り装置100は、図4のリフト・ダウン装置115の動作により送りローラー106(,105)を材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換えることができる。つまり、材料把持状態において加工材料131をX方向に前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド17側の位置決めピン18と加工材料131側の位置決め穴132との嵌合により加工材料131の送り方向(X方向)への定寸送り制御による位置誤差を修正可能に形成されている。
【0029】
図1において、プレス機械10の駆動機構は、クランク軸等を含むクランク機構11から構成されている。このクランク軸は、軸受に回転自在に支持されかつ図4のモータ30にはギヤ(メインギヤ,ピニオン…減速機構)を介して間接的に連結されている。減速比γは例えば1/7である。なお、クランク軸12(図4,図13を参照)にモータ30を直結しても実施することができる。
【0030】
図4に示すモータ30は、サーボモータ駆動方式とするためのAC(交流)サーボモータから形成されている。モータ軸の回転停止状態は、停止状態保持ブレーキ19の働きによってその状態を保持(ロック)することができる。なお、モータ30は、DC(直流)サーボモータや永久磁石もブラシも有しないレラクタンスモータ等から形成してもよい。
【0031】
スライド17は、図1に示す如く、プレスフレーム1に上下方向に摺動自在に装着されている。クランク軸12を回転駆動すれば、コンロッド(図13を参照)を介してスライド17を昇降駆動することができる。
【0032】
さて、ACサーボモータ(30)には、図4に示すエンコーダ35が連結されている。このロータリーエンコーダ35は、原理的には多数の光学的スリットと光学式検出器とを有し、モータ30(クランク軸)の回転角度θmを出力するが、この実施の形態では、クランク角度θm(パルス信号)をスライド17の上下方向位置相当信号PT(パルス信号)に変換して出力する信号変換器(図示省略)を含むものとされている。
【0033】
プレス機械10のモータ30とクランク軸12との間に減速機構が介装されていることから、これに対応させるためにクランク軸12にスライド位置(スライド速度)検出用のエンコーダ37を設けてある。このエンコーダ37の基本的構成・機能は、モータ回転駆動制御用のエンコーダ35の場合と同様である。
【0034】
図4において、プレス機械10の設定選択指令駆動制御部は、設定選択指令部(80)と位置速度制御部60とモータ駆動制御部70とから形成されている。なお、位置速度制御部60とモータ駆動制御部70とを一体形成することもできる。
【0035】
コンピュータ80は、CPU(時計機能を含む)81,ROM82,RAM83,メモリ(電磁誘導体メモリ)83M,操作部(PNL)84,表示部(IND)85,インターフェイス(I/F)87,88,89、91,92を含み、プレス機械10についての設定選択指令部等を構成するとともに、この実施の形態ではプレス機械全体の監視部をも形成する。
【0036】
ROM82には各種の制御プログラムや固定値情報等が格納され、RAM83は主にワークメモリとして働く。メモリ83Mには、設定値(例えば、ピン先端接近定位置Ha,ピン先端挿入位置Hb,下死点位置や上死点位置等)を記憶させるための設定値メモリ83MSが設けられている。
【0037】
インターフェイス87は位置指令信号(PTs)の出力用で、インターフェイス88は自機(10)のスライド速度(位置)相当信号(クランク角度:θk)の検出用で、インターフェイス89は停止状態保持ブレーキ19の制御信号用である。
【0038】
インターフェイス91は、材料前進送り装置100を駆動制御するための材料送り指令信号(PTt),把持開放指令信号So(例えば、Hレベル)および把持指令信号Sc(Lレベル)の出力用である。
【0039】
また、インターフェイス92は、確認用信号Sfnの読込み(検出)用であるとともにこの確認用信号Sfnの読込み(検出)タイミングを指定するための補助信号AUXa、AUXo,AUXcの送出用である。なお、確認用信号Sfnは、各補助信号AUXa、AUXoおよびAUXcを送出して読込もうとする3つの材料前進所定位置確認用信号,材料把持開放確認用信号および材料把持確認用信号として共通利用される。回路簡素化のためである。
【0040】
すなわち、補助信号AUXaは、図2〜図4に示された材料前進所定位置(先端131F)の検出用スイッチ123がON状態(材料前進所定位置に到達済)であるかOFF状態(材料前進所定位置に未着)であるかを確認用信号Sfn(“H”レベルがON状態で、“L”レベルがOFF状態である。)として読込むために、第1の補助信号送出制御手段(CPU81,ROM82)によって図6のST(ステップ)13で送出(ON…“H”レベル)される。なお、ST16で消滅(OFF…“L”レベル)される。確認用信号Sfnの読込みは、第1の読込制御手段(CPU81,ROM82)によって行なわれる。
【0041】
補助信号AUXoは、図2,図4に示された材料把持開放状態の検出用スイッチ121がON状態(材料把持開放状態にある。)であるかOFF状態(材料把持開放状態ではない。)であるかを確認用信号Sfn(“H”レベルがON状態で、“L”レベルがOFF状態である。)として読込むために、第2の補助信号送出制御手段(CPU81,ROM82)によって図6のST(ステップ)20で送出(ON…“H”レベル)される。なお、ST23で消滅(OFF…“L”レベル)される。この確認用信号Sfnの読込みは、第2の読込制御手段(CPU81,ROM82)によって行なわれる。
【0042】
同様に、補助信号AUXcは、図2,図4に示された材料把持状態の検出用スイッチ122がON状態(材料把持状態にある。)であるかOFF状態(材料把持状態ではない。)であるかを確認用信号Sfn(“H”レベルがON状態で、“L”レベルがOFF状態である。)として読込むために、第3の補助信号送出制御手段(CPU81,ROM82)によって図7のST(ステップ)30で送出(ON…“H”レベル)される。なお、ST33で消滅(OFF…“L”レベル)される。この場合の確認用信号Sfnの読込みは、第3の読込制御手段(CPU81,ROM82)によって行なわれる。
【0043】
なお、コンピュータ80は、自機(10)の状況判断便宜のために表示部85に各種情報(例えば、クランク角度θk,スライド位置PT(Hi),スライド速度,加速度,荷重値等)の全てまたは操作部84(図1の84A,84Bも含む。)を用いて選択された一部を、表示出力可能に形成されている。なお、図4では、音色切換型の電子ブザー(BZR)が図示省略されている。
【0044】
以下では、各種の固定情報,制御プログラム,演算(算出)式等は、ROM82に固定的に格納されまたはメモリ83Mに書換え可能に記憶保持されているものとして説明するが、これらは書換え可能な記憶保持型の他メモリやハードディスク装置(HDD)等に格納させておくように形成してもよい。
【0045】
まず、設定選択指令部(80)は、速度設定器(84),モーションパターン選択器(81,82)およびモーション指令部(81,82)を含み、位置速度制御部60に図4に示す設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)PTsを出力可能に形成されている。
【0046】
操作部84と,スライドモーションパターンやパターン選択制御プログラムを格納させたROM82と,CPU81とから形成されたモーションパターン選択器を用いて、予め設定記憶された複数のモーションパターン(経過時間t−スライド位置Hi)[または、クランク角度θk−スライド位置Hi]の中から希望のモーションパターン(t−Hiカーブ)を選択することができる。選択されたモーションパターンは、速度設定器を用いて設定されたモータ回転速度(いわゆるスライド速度)とともにモーション指令部に出力される。
【0047】
速度設定器は、操作部84から形成され、モータ30の回転速度[例えば、455rpm(×減速比γ)]を“手動”で設定することができる。“自動”を選択した場合には、予め選択設定されていた最高回転速度[例えば、65rpm(×減速比γ)]が選択されたものとして取扱われる。この実施の形態では、速度設定器は、SPM設定器としてSPMを直接設定できるようにも形成されている。
【0048】
モーション指令プログラムを格納させたROM82およびCPU81から形成されたモーション指令部は、位置パルスの払出し方式構造で、選択されたモーションパターンに則り位置指令パルスPTsを出力する。
【0049】
例えば、速度設定器を用いて設定されたモータ回転速度が450rpm(γ=1/7)で、エンコーダ35から1回転(360度)当りに出力されるパルス数が100万パルスで、払出しサイクルタイムが5mSである場合は、1サイクル(5mS)毎に出力されるパルス数は、37500パルス[=(1000000×450)/(60)×0.005]となる。
【0050】
なお、速度設定器,モーションパターン選択器およびモーション指令部は、各コンピュータ80に接続可能なセッター,ロジック回路,シーケンサ等から構成してもよい。
【0051】
図4の位置速度制御部60は、位置比較器,位置制御部,速度比較器,速度制御部を含み、電流制御部に電流指令信号を出力可能に形成され、モータ駆動制御部70に電流(トルク)指令信号を出力する。
【0052】
また、モータ駆動制御部(モータ駆動制御回路)70は、電流制御部とPWM制御部(ドライバー部)と相信号生成部とから構成され、モータ30にモータ駆動用電流Iu,Iv,Iwを流すことができる。
【0053】
ここにおいて、ピン先端接近定位置設定手段(84)は、操作部84の設定キーから形成され、位置決めピン18の下向きに尖ったテーパー形状の先端が図3、図8(D)のD1に示すように加工材料131の上面に非接触でかつ加工材料131側の位置決め穴132に対応接近した状態である定位置Ha[例えば、(加工材料の板厚+α)mm]をスライド位置として設定する。
【0054】
ピン先端挿入位置設定手段(84)は、操作部84の設定キーから形成され、位置決めピン18の先端が図8(D)のD2に示すように位置決め穴132に挿入(僅かに侵入)された状態である挿入位置をスライド位置として設定する。設定されたピン先端挿入位置Hbは、上記の設定ピン先端接近定位置Haの場合と同様に、設定値記憶制御手段(81,82)によって設定値メモリ83MSに記憶される。
【0055】
なお、ピン先端挿入位置設定手段(84)は、スライド下降時とスライド上昇時とで別個で異なる値として設定することも可能で、この場合にも実施することができる。
【0056】
下降ピン先端接近定位置判別手段(CPU81,ROM82)は、スライド17の下降(図6のST10でYES,ST11)中に、位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD1および図9に示す設定済ピン先端接近定位置Haに到達したか否かを、検出されたスライド現在位置Hiとの関係から判別する(ST12)。スライド17の現在位置Hiは、エンコーダ37の出力(θk)を利用して演算により検出(算出)される。
【0057】
材料前進所定位置確認手段(CPU81,ROM82)は、材料前進送り装置100により図1〜図3および図8(D)のD1に示すX方向に前進送りされた加工材料131の所定部位(131F)が所定位置に到達したか否かを補助信号AUXaを送出して読込んだスイッチ123のON・OFF状態を参照して確認する(ST14)。
【0058】
このプレス機械10では、図8(D)のD3に示すプレス加工段階で加工材料131の位置決め穴132,132間でX方向のほぼ真中を自動的に切断するものと構築されている。したがって、この実施の形態では、切断後に新しく形成された先端131Fを加工材料131の“所定部位”と選択した。なお、“所定部位”は、例えば位置決め穴132やその他の部位として選択してもよい。
【0059】
第1の強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、下降ピン先端接近定位置判別手段(81,82)により位置決めピン18の先端位置が設定済ピン先端接近定位置Haに到達したと判別(ST12でYES)されたにも拘らず材料前進所定位置確認手段(81,82)によって加工材料131の先端131Fが所定位置に到達したと確認されなかった場合(ST14でNO)に、位置速度制御部60に強制停止信号(PTs)を入力させることで、モータ30の回転を止めてスライド17を強制停止させる。
【0060】
つまり、衝突(位置決めピン18が位置決め穴132に入らないで加工材料131に噛み込む。)が生じるであろう蓋然性が強い現象つまり同期ずれが生じた場合には高速側のスライド17(モータ30)を強制停止させかつその後に材料前進送り装置100の送り動作が追いついて干渉回避(衝突防止)可能状態が確認された場合(ST14でYES)に、スライド17を再下降させる(ST17)。かくして、同期ずれを解消できるわけである。
【0061】
なお、強制停止中のモータ30は制動トルク保持状態であり、スライド17は自重により落下(下降)することはない。但し、位置速度制御部60およびモータ駆動制御部70の万が一の回路故障に対しても安全性を確保可能とするために、メカ方式でかつ電気的にセフティーサイド構造(電源断でブレーキ動作する。)である停止状態保持ブレーキ19を用いて選択的にブレーキ動作させることができる。この点に関しては、詳細後記する第2の強制停止制御手段および第3の強制停止制御手段による強制停止の場合も同様である。
【0062】
下降ピン先端挿入位置判別手段(CPU81,ROM82)は、スライド17の下降中に、位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD2および図9に示す設定済のピン先端挿入位置Hbに到達したか否かを、検出されたスライド現在位置Hiとの関係から判別する(ST18)。
【0063】
材料把持開放確認手段(CPU81,ROM82)は、材料前進送り装置100が材料把持開放状態にあるか否かを補助信号AUXoを送出して読込んだスイッチ121のON・OFF状態を参照して確認する(ST21)。
【0064】
第2の強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、下降ピン先端挿入位置判別手段(81,82)により位置決めピン18の先端位置が設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別されたにも拘らず材料把持開放確認手段(81,82)によって材料前進送り装置100が材料把持開放状態にあると確認されなかった場合(ST21でNO)に、モータ30の回転を止めてスライド17を強制停止(ST22)させる。
【0065】
つまり、衝突[スライド下降に伴って位置決めピン18が位置決め穴132に侵入しても材料把持状態ではその加工材料131をX方向に積極的に変位させて位置誤差の修正を行なえないばかりか、下降する位置決めピン18で加工材料131(位置決め穴132)を破壊してしまう。]が懸念される同期ずれが生じた場合には高速側のスライド17(モータ30)を停止させかつその後に材料前進送り装置100の把持解放動作が追つくことで干渉回避可能状態が確認された場合(ST21でYES)に、スライド17を再下降させる(図7のST24)。かくして、同期ずれを解消できるわけである。つまり、図8(D)のD3に示す位置誤差修正動作に入り、引続き図8(A)の加工領域に進みかつ図8(D)のD4に示すようにプレス加工(ST25)を施す。
【0066】
次に、上昇ピン先端挿入位置判別手段(CPU81,ROM82)は、スライド17の上昇(ST28)中に、位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD5および図9に示す設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したか否かを検出されたスライド現在位置Hiとの関係から判別する(図7のST29)。
【0067】
材料把持確認手段(CPU81,ROM82)は、材料前進送り装置100が材料把持状態にあるか否かを補助信号AUXcを送出して読込んだスイッチ122のON・OFF状態を参照して確認する(ST31)。
【0068】
第3の強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、上昇ピン先端挿入位置判別手段(81,82)により位置決めピン18の先端位置が設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別されたにも拘らず材料把持確認手段(81,82)によって材料前進送り装置100が材料把持状態にあると確認されなかった場合(ST31でNO)に、モータ30の回転を止めてスライド17を強制停止(ST32)させる。
【0069】
つまり、衝突[位置決めピン18が位置決め穴132から脱出する際になっても送りローラー105,106によって把持されていないと、加工材料131が自由状態となりX方向に動いてしまう。つまり、その後の本来的定寸送りに位置誤差が発生するので、加工材料131が無駄になる虞がある。]が懸念される同期ずれが生じた場合には高速側のスライド17(モータ30)を強制停止させかつ材料前進送り装置100の把持動作が追つくことで干渉回避可能状態が確認された場合(ST31でYES)に、図8(D)のD6に示すようスライド17を再上昇させる(ST34)。かくして、同期ずれを解消できるわけである。
【0070】
その後は、上死点位置を通過(ST37でYES)すれば、図6のST11に戻りスライド下降に進む。運転停止命令がある場合(ST36でYES)には上死点位置で停止させる(ST38でYES)。
【0071】
次に、把持開放応答時間Tfo、把持応答時間Tfcおよび材料送り時間Tc(Tcup、Tcdn)を自動的に計測しかつこれらを利用してスライド17と加工材料131との干渉を回避できる最高プレス速度(SPM)を自動算出可能とするための手段を説明する。
【0072】
まず、把持開放指令信号出力手段(CPU81,ROM82)は、下降ピン先端挿入位置判別手段(81,82)により位置決めピン18の先端位置が設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別(図6のST18でYES)されたことを条件に、材料前進送り装置100(リフト・ダウン装置115)側に把持開放動作の実行を促すための図8(C)のC2に示す把持開放指令信号Soを出力する(ST19)。出力時からタイムカウントされる。
【0073】
把持開放応答時間計測手段(CPU81,ROM82)は、把持開放指令信号出力手段(81,82)から把持開放指令信号Soが出力(ST19)されたときから材料把持確認手段(81,82)によって材料前進送り装置100が材料把持開放状態にあると確認(ST21でYES)されたときまでの把持開放応答時間Tfo[図8(C)のC2を参照]を計測する。
【0074】
把持指令信号出力手段(CPU81,ROM82)は、スライド下死点位置判別手段(81,82)によりスライド17が下死点位置に到達したと判別(図7のST26でYES)されたことを条件に、材料前進送り装置100(115)側に把持動作の実行を促すための図8(C)のC2に示す把持指令信号Scを出力する(ST27)。出力時からタイムカウントされる。
【0075】
把持応答時間計測手段(CPU81,ROM82)は、把持指令信号出力手段(81,82)から把持指令信号Scが出力(図7のST27)されたときから材料把持確認手段(81,82)によって材料前進送り装置100(115)が材料把持状態にあると確認(ST31でYES)されたときまでの把持応答時間Tfc[図8(C)のC2を参照]を計測する。
【0076】
材料送り指令信号出力手段(CPU81,ROM82)は、材料把持確認手段(81,82)によって材料前進送り装置100(115)が材料把持状態にあると確認(ST31でYES)されたことを条件に、材料前進送り装置100(110)側に材料前進送り動作の実行を促すための図4に示す材料送り指令信号PTtを出力する(ST35)。出力時からタイムカウントされる。
【0077】
さらに、材料送り時間計測手段(CPU81,ROM82)は、材料送り指令信号出力手段(81,82)から材料送り指令信号PTtが出力(ST35)されたときから材料前進所定位置判別手段(81,82)によって前進送りされた加工材料131の先端131Fが所定位置に到達したと判別(図6のST14でYES)されたときまでの表1に示す材料送り時間Tcを計測する。Tc=Tcdn+Tcupである。
【表1】
Figure 0004270497
【0078】
ここに、最高プレス速度算出制御手段(CPU81,ROM82)は、把持開放応答時間計測手段(81,82)で計測された把持開放応答時間Tfo、把持応答時間計測手段(81,82)によって計測された把持応答時間Tfcおよび材料送り時間計測手段(81,82)によって計測された材料送り時間Tcを利用して、スライド(金型…上型)17と加工材料131との干渉を回避できる最高プレス速度(SPM)を算出する。
【0079】
この実施の形態の場合は、次のようにして算出される。図10において、上死点位置Hsからピン先端接近定位置Haまでのスライド下降動作、下死点位置H0かピン先端挿入位置Hbまでの上昇動作、またピン先端接近定位置Haから上死点位置Hsまでのスライド上昇動作を、所定条件(モータ30の回転数・容量、制御部60,70の性能、スライド駆動機構の機械的許容値等を勘案した条件)を満たす範囲内で決定されかつ設定変更可能な最高スライド速度をVmaxとする。また、プレス加圧(加工)態様に応じて指定されるピン先端挿入位置Hbから下死点位置H0までの下降動作時の加工時スライド速度をVprsとする。
【0080】
ピン先端接近定位置Haからピン先端挿入位置Hbまでのスライド下降動作は、最高スライド速度Vmaxから加工時スライド速度Vprsまでの減速制御である。この下降動作時の平均スライド速度をVabaとする。
【0081】
なお、ピン先端挿入位置Hbからピン先端接近定位置Haまでのスライド上昇動作は、スライド側事情(原則的)としては、最高スライド速度Vmaxのままでよい。しかし、この実施の形態では材料前進送り装置100側との衝突防止(干渉回避)および同期再確立のためにスライド強制停止を行う場合(この点は、位置Haから位置Hbまでのスライド下降動作の場合も同じである。)がある。そこで、かかる上昇動作時の減速領域経過時間を含む位置Hbから位置Haまでの平均スライド速度をVbaaとする。
【0082】
すると、各スライド速度で当該各ストロークを通過するに必要な図10でカッコ書きされた各時間Tdn,Tab,Tprs,Tup1,Tba,Tup2は、上記表1に示す計算式で求めることができる。しかも、材料前進送り装置100側との干渉回避のためには、時間Tab≧把持開放応答時間Tfoかつ時間Tba≧把持応答時間Tfcで、また時間Tdn≧下降時間Tcdnおよび時間Tup2≧上昇時間Tcupでなければ成らない。
【0083】
ここに、時間Tab=把持開放応答時間Tfoおよび時間Tba=把持応答時間Tfcとし、かつ時間Tdn=下降時間Tcdnおよび時間Tup2=上昇時間Tcupとすれば、把持開放応答時間Tfo、把持応答時間Tfcおよび材料前進送り時間Tc(=Tcdn+Tcup)は自動的に計測される。
【0084】
したがって、1サイクル(フルストローク昇降)時間Ttlのうち、Tprs(=Hb/Vprs)とTup1(=Hb/Vmax)とを設定された加工時スライド速度Vprsおよび最高スライド速度Vmaxを利用して計算可能に形成しておけば、全項目(Tfo、Tfc、Tc、Tprs、Tup1)を自動的に求められる。すなわち、1サイクル時間Ttlを算出することで、最高プレス速度[SPM=(60/Ttl)を自動算出することができるわけである。
【0085】
さらにまた、警報出力制御手段(81,82)は、第1の強制停止制御手段(81,82),第2の強制停止制御手段(81,82)および第3の強制停止制御手段(81,82)によってスライド17が強制停止された場合に、それぞれの強制停止の旨を警報出力する。この実施の形態では、表示部85に文字表示し、また電子ブザーを鳴動させて知らせる。作業者はプレス停止の事由を容易に理解できる。
【0086】
以下に、この実施の形態に係るプレス機械10の作用・動作を説明する。
【0087】
(行程指定)
図4の操作部84を用いかつ表示部85の画面を参照して、図5に示す行程1,2,3に対応する目標位置(下降動作でのピン先端接近定位置Ha,下降動作でのピン先端挿入位置Hb,上昇動作でのピン先端挿入位置Hb)および補助信号(AUXa,AUXo,AUXc)の内容および組合せを設定をする。これら設定値は、設定値メモリ83MSに設定記憶される。
【0088】
(初期状態)
プレス機械10のスライド17は図9の上死点位置Hsに停止され、材料前進送り装置100は図8(B)のB1に示す送り停止状態である。この際、両ローラー105,106は、図8(B)のB2に示すように加工材料131を上下から挟んだ材料把持状態にある。
【0089】
(プレス運転)
プレス運転開始命令が発せられる(図6のST10でYES)と、速度設定器(84),モーションパターン選択器(81,82)およびモーション指令部(81,82)を含む設定選択指令部(80)は、図4の位置速度制御部60に設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)PTsを出力する。すると、モータ駆動制御部70は、位置速度制御部60の速度制御部から出力された電流指令信号(トルク信号相当)に基づき三相駆動電圧を生成出力し、その結果ドライバー回路からモータ30にモータ駆動用電流Iu,Iv,Iwを流すことができる。つまり、モータ30をクローズドループにより回転制御することができる。
【0090】
(材料前進所定位置確認)
かくして、クランク軸12が図9のR方向に回転するので、スライド17は図8(A)に示すように下降動作(DN)する(図6のST11)。下降ピン先端接近定位置判別手段(81,82)は、スライド下降中に位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD1に示すように設定済ピン先端接近定位置Haに到達したか否かを判別する(ST12)。
【0091】
ピン先端接近定位置Haに到達したと判別(ST12でYES)されると、第1の補助信号送出制御手段(81,82)が図8(C)のC1に示すタイミングで図4の補助信号AUXaを送出(ON)する(ST13)。これに伴い第1の読込制御手段(81,82)が確認用信号Sfnを読込む。そして、材料前進所定位置確認手段(81,82)によってX方向に前進送りされた加工材料131の所定部位(131F)が所定位置に到達したと確認(ST14でYES)できた場合は、スライド下降が続行される。
【0092】
しかし、到達したという確認ができなかった場合(ST14でNO)は、第1の強制停止制御手段(81,82)がスライド17の下降を強制停止する(ST15)。材料前進送り装置100側の材料前進送りの完了を待つ。警報出力制御手段(81,82)が強制停止の旨を警報出力するので、作業者は同期ずれが生じかつその解消のためにスライド17が一時停止状態にあることを迅速かつ正確に知ることができる。プレス速度(SPM)の再設定等の目安ともなる。取扱い容易性の向上にもなる。
【0093】
スライド17の停止による同期ずれの解消後、すなわち材料前進所定位置確認手段(81,82)による所定位置確認(スイッチ123がON状態)を前提(ST14でYES)に、強制停止が解除されかつスライド17が再下降動作(ST17)される。この際に、補助信号AUXaは消滅(OFF)される(ST16)。回路(CPU81等)の無駄な監視動作用負担を一掃するためである。
【0094】
(材料把持解放確認)
スライド下降中に、下降ピン先端挿入位置判別手段(81,82)は、位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD2に示すように設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したか否かを判別する(ST18)。
【0095】
ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別(ST18でYES)されると、把持開放指令信号出力手段(81,82)が材料前進送り装置100(115)側に把持開放動作の実行を促すための図8(C)のC2に示す把持開放指令信号Soを出力する(ST19)。また、第2の補助信号送出制御手段(81,82)が図8(C)のC3に示すタイミングで補助信号AUXoを送出(ON)する(ST20)。これに伴い第2の読込制御手段(81,82)が確認用信号Sfnを読込む。
【0096】
出力(ST19)された把持開放指令信号Soを受信した材料前進送り装置100が材料前進送りを開始しかつ把持開放応答時間Tfoが経過した時点で定寸送りが終了する。この段階で、材料把持解放確認手段(81,82)によって材料把持開放状態(スイッチ121がON状態)にあると確認(ST21でYES)された場合は、スライド下降が続行される。
【0097】
しかし、材料把持開放状態でない(スイッチ121がOFF状態)とされた場合(ST21でNO)は、第2の強制停止制御手段(81,82)がスライド17の下降を強制停止する(ST22)。警報出力制御手段(81,82)が強制停止の旨を警報出力する。材料前進送り装置100側の材料把持解放の完了を待つ。
【0098】
スライド17の停止による同期ずれの解消後、すなわち材料把持開放確認手段(81,82)の材料把持開放確認(スイッチ121がON状態)を前提(ST21でYES)に、強制停止が解除されかつスライド17が再下降動作(図7のST24)される。この際に、補助信号AUXoは消滅(OFF)される(図6のST23)。回路(CPU81等)の無駄な監視動作用負担を一掃するためである。
【0099】
(材料位置修正とプレス加工)
スライド17の下降(ST24)とともに位置決め穴132に挿入された位置決めピン18が図8(D)のD2の状態からD3の状態に下降するので、位置決めピン18と位置決め穴132とが嵌合する。つまり、材料前進送り装置100の定寸送りによる位置誤差を解消する材料位置修正動作が自動的に行なわれる。引続き、スライド17が図8(D)のD4に示す状態(下死点)まで下降しつつ、プレス加工が行なわれる(ST25)。
【0100】
(材料把持確認)
スライド下死点位置判別手段(81,82)によってスライド17が図8(D)のD4に示すように下死点位置H0に到達したと判別(ST26でYES)されると、把持指令信号出力手段(81,82)が材料前進送り装置100(115)側に把持動作の実行を促すための図8(C)のC2に示す把持指令信号Scを出力する(ST27)。下死点位置経過後、スライド17は図8(A)に示す上昇動作(ST28)に移る。
【0101】
出力(ST27)された把持指令信号Scを受信した材料前進送り装置100(115)は、材料把持動作(送りローラー106を下降させる。)を開始しかつ図8(C)のC2に示す把持時間Tfcの経過時点で材料把持動作が完了する筈である。
【0102】
下死点位置経過後のスライド上昇(ST28)中は、上昇ピン先端挿入位置判別手段(81,82)が、位置決めピン18の先端位置が図8(D)のD5および図9に示す設定済ピン先端挿入位置Hbに到達したか否かを判別する(ST29)。
【0103】
ピン先端挿入位置Hbに到達したと判別(ST29でYES)されると、第3の補助信号送出制御手段(81,82)が図8(C)のC3に示すタイミングで補助信号AUXcを送出(ON)する(ST30)。これに伴い第3の読込制御手段(81,82)が確認用信号Sfnを読込む。
【0104】
この段階で、材料把持確認手段(81,82)によって材料把持状態(スイッチ122がON状態)にあると確認(ST31でYES)された場合は、図8(D)のD6に示すようにスライド上昇(ST34)が続行される。しかし、材料把持状態でない(スイッチ122がOFF状態)とされた場合(ST31でNO)は、第3の強制停止制御手段(81,82)がスライド17の下降を強制停止する(ST32)。警報出力制御手段(81,82)が強制停止の旨を警報出力する。材料前進送り装置100側の材料把持の完了を待つ。
【0105】
スライド17の停止による同期ずれの解消後、すなわち材料把持確認手段(81,82)の材料把持確認(スイッチ122がON状態)を前提(ST31でYES)に、強制停止が解除されかつスライド17が再上昇(ST34)される。これに先立ち、補助信号AUXcは消滅(OFF)される(ST33)。回路(CPU81等)の無駄な監視動作用負担を一掃するためである。
【0106】
その後に、材料把持確認手段(81,82)により材料把持(スイッチ122がON状態)が確認(ST31でYES)されると、材料送り指令信号出力手段(81,82)が材料前進送り装置100(105,106)側に材料前進送り動作の実行を促すための材料送り指令信号PTtを出力する(ST35)。材料前進送り装置100(105,106)は、所定の定寸送りを開始する。スライド17が上死点位置に到達(ST37でYES)すると、スライド17は下降動作に反転する(図6のST11)。
【0107】
(プレス運転の終了)
運転停止命令が発せられる(ST36でYES)と、上死点位置(ST38でYES)でスライド停止する。作業者がスライド17の下方に手を入れたことが図示省略したセンサーにより検出された場合や操作部(84A)内の非常停止スイッチが押された場合に停止状態保持ブレーキ(メカブレーキ)19がONされ、モータ30およびスライド17は完全に停止される。
【0108】
(プレス再運転)
図6,図7の動作を“テストモード”に切換えて試行する。この際の最大スライド速度Vmaxは、操作部84のキー操作により設定する。必要によって加工時スライド速度Vprsを設定変更する。すると、最高プレス速度算出制御手段(81,82)が、把持開放応答時間計測手段(81,82)で計測された把持開放応答時間Tfo、把持応答時間計測手段(81,82)によって計測された把持応答時間Tfcおよび材料送り時間計測手段(81,82)によって計測された材料送り時間Tcを利用して、スライド17と加工材料131との干渉を回避できる最高プレス速度(SPM)を算出する。算出SPMは表示部85に表示される。したがって、次のプレス運転に関するプレス速度(SPM)を無理無く設定することができる。
【0109】
一方、材料前進送り装置100側の事情(例えば、加工材料131の板厚変更により把持開放応答時間Tfoおよび把持応答時間Tfcが変化する。)を考慮したり、あるいは結果として生産性を優先するために限界的プレス速度(SPM)を求めたいときには、スライド速度(Vmax)を何通りかに設定変更しかつ図6,図7の動作を設定変更回数分だけ繰返して実行させ、その様子を監視する。つまり、生産性が最も高くなる一番大きなプレス速度(SPM)を実機(10)の運転を通じて簡単に求めることができる。
【0110】
(スライドモーションの変更)
スライドモーションを変更して一段と大きなSPMでプレス運転を実行させることができる。モータ30の任意位置での停止可能性を利用して、クランク軸12を図9に示すR方向に1(360度)回転させることなく、図11に示すように例えば半回転(180度)内で往復反転回転させる。つまり、スライド17をフルストローク(上死点位置から下死点位置まで)分だけ往復昇降させるのでなく、パーシャルストローク分すなわち下死点位置から設定位置[ピン先端接近定位置Ha+設定量Hupr(=Hdnr)]までを、往復昇降させる。すなわち、クランク軸12はR1方向に約半回転させかつ方向転換してR2方向に約半回転され、この繰返しでプレス運転される。かくすれば、図11に例示した無駄ストロークHls[=Hs−(Hupr+Ha)]分のスライド昇降動作を省略することができるので、一段と大きなSPMでのプレス運転を可能ならしめると理解される。
【0111】
しかして、この実施の形態によれば、検出実際スライド位置Hiと対応する検出実際送り動作進行状態との相対関係が設定済基準相対関係情報に対応する基準相対関係を満すと判別されなかった場合にモータ30の回転を止めてスライド17の昇降動作を強制停止させ、かつその後に再検出された実際スライド位置とスライド強制停止中における材料前進送り装置100の送り動作の進行に伴い再検出された実際送り動作進行状態との相対関係が設定済基準相対関係を満すと判別されたことを条件にスライド17を再昇降可能に形成されたプレス機械10であるから、設定されたスライドモーションでのプレス加工を確実かつ安全に行え、加工材料131との干渉を確実に回避でき、生産性を最大限的に向上させることができる。かくして、サーボモータ駆動のプレス機械(10S)の普及拡大に大きく貢献することができる。
【0112】
また、設定される基準相対関係情報が3通り(下降時ピン先端接近定位置Haまでに材料前進所定位置到達済、下降時ピン先端挿入位置Hbまでに材料把持開放済、上昇時ピン先端接近定位置Haまでに材料把持済)とされ、第1の強制停止制御手段(81,82)は位置決めピン18が設定ピン先端接近定位置Haに到達しても加工材料131(131F)が所定位置に到達したと判別できない場合、また第2の強制停止制御手段(81,82)は位置決めピン18が設定ピン先端挿入位置Hbに到達しても材料前進送り装置100が材料把持開放状態にあると確認できない場合、さらに第3の強制停止制御手段(81,82)は位置決めピン18が設定ピン先端挿入位置Hbに到達しても材料前進送り装置100が材料把持状態にあると確認できない場合に、それぞれスライド17を強制停止可能に形成されているので、設定されたスライドモーションでのプレス加工を確実かつ安全に行え、加工材料131との干渉を確実に回避でき、生産性を最大限的に向上させることができる。さらに、取扱いが容易で、具体的生産現場において一段と安全かつ安定したプレス加工を誰でもが簡単に行える。よって、サーボモータ駆動のプレス機械(10S)の普及拡大に一段と貢献することができる。
【0113】
また、把持開放応答時間計測手段(81,82)、把持応答時間計測手段(81,82)および材料送り時間計測手段(81,82)によって把持開放応答時間Tfo、把持応答時間Tfcおよび材料送り時間Tc(Tcup、Tcdn)を自動的にそれぞれ計測しかつこれらを利用してスライド17と加工材料131との干渉を回避できる最高プレス速度(SPM)を自動算出可能に形成されているので、最適な最高プレス速度(SPM)を簡単に知ることができるから、一段と生産性を向上できる。一方において、無理な超高速の設定および過激プレス運転を回避できるので、一段と安全性を向上できる。
【0114】
さらに、警報出力制御手段(81,82)が、第1の強制停止制御手段,第2の強制停止制御手段および第3の強制停止制御手段によってスライド強制停止された旨を警報出力可能に形成されているので、作業者は同期ずれが生じかつその解消のためにスライド17が一時停止状態にあることを迅速かつ正確に知ることができる。プレス速度(SPM)の設定変更等の目安としても有効である。取扱い容易性の向上にもなる。
【0115】
また、それぞれの強制停止の旨は、表示部85への文字表示、電子ブザーの鳴動によりを警報出力されるので、作業者はより簡単にプレス強制停止を知ることができる。
【0116】
優先するために限界的プレス速度(SPM)を求めたいときには、スライド速度(Vmax)を何通りかに設定変更しかつ図6,図7の動作を設定変更回数分だけ繰返して実行(シュミレーション)させるだけで、スライド強制停止が一時的に生じることがあっても、その停止時間の長短に拘わらず生産性が最も高くなる一番大きなプレス速度(SPM)を実機(10)の運転を通じて、目視しつつ迅速かつ簡単に求めることができる。この点からも、取扱いが容易でかつサーボモータ駆動方式による前記利点を十二分に発揮した運用ができる。
【0117】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、検出された実際スライド位置とこれに対応して検出された実際送り動作進行状態との相対関係が設定基準相対関係情報に対応する基準相対関係を満すと判別されなかった場合にモータの回転を止めてスライドを強制停止可能で、その後の材料前進送り装置の送り動作の進行に伴い再検出された実際送り動作進行状態との相対関係が基準相対関係を満すことになった場合にスライドを再昇降可能に形成されたプレス機械であるから、設定されたスライドモーションでのプレス加工を確実かつ安全に行え、加工材料との干渉を確実に回避でき、取扱いが容易で生産性を最大限的に向上させることができる。よって、サーボモータ駆動のプレス機械の普及拡大に大きく貢献することができる。
【0118】
また、請求項2の発明によれば、位置決めピンが設定ピン先端接近定位置に到達しても加工材料の所定部位が所定位置に到達していない場合,位置決めピンが設定ピン先端挿入位置に到達しても材料前進送り装置が材料把持開放状態になかった場合,位置決めピンが設定ピン先端挿入位置に到達しても材料前進送り装置が材料把持状態になかった場合に、第1の強制停止制御手段,第2の強制停止制御手段,第3の強制停止制御手段がそれぞれにスライドを強制停止可能に形成されているので、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができる他、さらに、取扱いが一段と容易で、具体的生産現場において一段と安全かつ安定したプレス加工を誰でもが簡単に行える。よって、サーボモータ駆動のプレス機械の普及拡大に一段と貢献することができる。
【0119】
また、請求項3の発明によれば、把持開放応答時間計測手段で計測された把持開放応答時間、把持応答時間計測手段によって計測された把持応答時間および材料送り時間計測手段によって計測された材料送り時間を利用してスライドと加工材料との干渉を回避できる最高プレス速度を算出可能に形成されているので、請求項2の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに最適な最高プレス速度(SPM)を簡単に知ることができるから、一段と生産性を向上できる。
【0120】
さらに、請求項4の発明によれば、警報出力制御手段が、第1の強制停止制御手段,第2の強制停止制御手段および第3の強制停止制御手段によってスライドが強制停止された場合に強制停止の旨を警報出力可能に形成されているので、請求項2および請求項3の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに作業者は同期ずれが生じかつその解消のためにスライド17が一時停止状態にあることを迅速かつ正確に知ることができる。したがって、プレス速度(SPM)の設定変更等の指針(乃至目安)として有効である。取扱い容易性を助長する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプレス機械の外観斜視図である。
【図2】同じく、主に材料前進送り装置を説明するための図である。
【図3】同じく、加工材料側の位置決め穴とスライド側の位置決めピンとの関係を説明するための図である。
【図4】同じく、プレス運転制御部(コンピュータ)、モータ駆動制御部、材料前進送り装置等を説明するためのブロック図である。
【図5】同じく、干渉防止情報設定例を説明するための図である。
【図6】同じく、動作を説明するためのフローチャート(1)である。
【図7】同じく、動作を説明するためのフローチャート(2)である。
【図8】同じく、動作を説明するためのタイミングチャートで、(A)はプレス本体側のスライド動作を示し、(B)は材料前進送り装置側の送り動作進行状態を示し、(C)はコンピュータ側から材料前進送り装置側へ出力する各種信号の出力タイミングを示し、(D)はスライド昇降動作と位置決めピンおよび位置決め穴との相対位置関係を示すものである。
【図9】同じく、フルストロークに渡るスライド昇降時におけるピン先端接近定位置およびピン先端挿入位置を説明するための図である。
【図10】同じく、行程別スライド速度を説明するための図である。
【図11】同じく、パーシャルストロークに限定したスライド昇降時におけるピン先端接近定位置およびピン先端挿入位置を説明するための図である。
【図12】従来例のフライホイールを有するプレス機械10Wを説明するための概略図である。
【図13】先提案のサーボモータ駆動のプレス機械10Sを説明するための概略図である。
【図14】従来材料前進送り装置100Pを説明するための図である。
【図15】加工材料の位置誤差修正機能を説明するための図である。
【符号の説明】
1 プレスフレーム
10 プレス機械
12 クランク軸
17 スライド
18 位置決めピン
30 ACサーボモータ(モータ)
60 位置速度制御部
70 モータ駆動制御部
80 パソコン(プレス運転制御部…設定選択指令部)
81 CPU(下降ピン先端接近定位置判別手段,材料前進所定位置確認手段,第1の強制停止制御手段、下降ピン先端挿入位置判別手段,材料把持解放確認手段,第2の強制停止制御手段、上昇ピン先端挿入位置判別手段,材料把持確認手段,第3の強制停止制御手段、把持解放指令信号出力手段,把持解放応答時間計測手段,スライド下死点位置判別手段,把持指令信号出力手段,把持解答時間計測手段,材料送り指令信号出力手段,材料送り時間計測手段、最高プレス速度算出手段、警報出力制御手段)
82 ROM(下降ピン先端接近定位置判別手段,材料前進所定位置確認手段,第1の強制停止制御手段、下降ピン先端挿入位置判別手段,材料把持解放確認手段,第2の強制停止制御手段、上昇ピン先端挿入位置判別手段,材料把持確認手段,第3の強制停止制御手段、把持解放指令信号出力手段,把持解放応答時間計測手段,スライド下死点位置判別手段,把持指令信号出力手段,把持解答時間計測手段,材料送り指令信号出力手段,材料送り時間計測手段、最高プレス速度算出手段、警報出力制御手段)
83M メモリ
83MS 設定値記憶手段
84 操作部(ピン先端接近定位置設定手段、ピン先端挿入位置設定手段)
85 表示部
100 材料前進送り装置
105 送りローラー
105M 送りモータ
106 ピンチローラー
110 モータ駆動制御部
115 リフト・ダウン装置
121 材料把持解放状態の検出用スイッチ
122 材料把持状態の検出用スイッチ
123 材料前進定位置の検出用スイッチ
131 加工材料
131F 先端(所定部位)
132 位置決め穴
Ha ピン先端接近定位置
Hb ピン先端挿入位置
PTs スライド位置指令信号
So 把持解放指令信号
Tfo 把持解放応答時間
Sc 把持指令信号
Tfc 把持応答時間
Ttf 材料送り時間
Tcup 上昇時送り時間
Tcdn 下降時送り時間
AUXo 把持解放確認用の補助信号
AUXc 把持確認用の補助信号
AUXa 材料前進所定位置確認用の補助信号
Sfn 動作終了済信号

Claims (4)

  1. 送りローラーを材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換え可能で、材料把持状態において加工材料を前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド側の位置決めピンと加工材料側の位置決め穴との嵌合により加工材料の送り方向の位置を修正可能に構成された材料前進送り装置を備え、駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械において、
    前記駆動機構がクランク軸を含みモータの回転制御によりスライドを昇降可能に形成され、
    基準スライド位置と前記材料前進送り装置に係る基準送り動作進行状態とを対応させた基準相対関係情報を予め設定可能であるとともに、前記スライドの上下方向の位置である実際スライド位置と前記材料前進送り装置に係る実際送り動作進行状態とを検出可能に形成し、
    検出された実際スライド位置とこれに対応して検出された実際送り動作進行状態との相対関係が予め設定された基準相対関係情報に対応する基準相対関係を満すと判別されなかったことを条件として前記モータの回転を止めて前記スライドの昇降を強制的に停止可能であるとともに、その後に再検出された実際スライド位置とスライド強制停止中における材料前進送り装置の送り動作の進行に伴い再検出された実際送り動作進行状態との相対関係が基準相対関係を満すと判別されたことを条件状態に前記スライドを再昇降可能に形成した、ことを特徴とするプレス機械。
  2. 送りローラーを材料把持状態および材料把持開放状態のいずれかに選択的に切換え可能で、材料把持状態において加工材料を前進送り可能かつ材料把持開放状態においてスライド側の位置決めピンと加工材料側の位置決め穴との嵌合により加工材料の送り方向の位置を修正可能に構成された材料前進送り装置を備え、駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械において、
    前記駆動機構がクランク軸を含みモータの回転制御によりスライドを昇降可能に形成され、
    前記位置決めピンの先端が前記加工材料の上面に非接触でかつ位置決め穴に対応接近した状態である定位置を設定するピン先端接近定位置設定手段と,前記位置決めピンの先端が位置決め穴に挿入された状態である挿入位置を設定するピン先端挿入位置設定手段とを設け、
    前記スライドの下降中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端接近定位置に到達したか否かを判別する下降ピン先端接近定位置判別手段と,前記材料前進送り装置により前進送りされた加工材料の所定部位が所定位置に到達したか否かを確認する材料前進所定位置確認手段と,下降ピン先端接近定位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端接近定位置に到達したと判別されたにも拘らず材料前進所定位置確認手段によって加工材料の所定部位が所定位置に到達したと確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第1の強制停止制御手段とを設け、
    前記スライドの下降中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したか否かを判別する下降ピン先端挿入位置判別手段と,前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあるか否かを確認するための材料把持開放確認手段と,下降ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたにも拘らず材料把持開放確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあると確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第2の強制停止制御手段とを設け、
    前記スライドの上昇中に位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したか否かを判別する上昇ピン先端挿入位置判別手段と,前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあるか否かを確認するための材料把持確認手段と,上昇ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたにも拘らず材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されなかった場合に前記モータの回転を止めてスライドを強制停止させる第3の強制停止制御手段とを設けた、ことを特徴とするプレス機械。
  3. 前記下降ピン先端挿入位置判別手段により位置決めピンの先端位置が設定済のピン先端挿入位置に到達したと判別されたことを条件に前記材料前進送り装置側に把持開放動作の実行を促すための把持開放指令信号を出力する把持開放指令信号出力手段と,この把持開放指令信号出力手段から把持開放指令信号が出力されたときから前記材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持開放状態にあると確認されたときまでの把持開放応答時間を計測する把持開放応答時間計測手段とを設け、
    スライド下死点位置判別手段によりスライドが下死点に到達したと判別されたことを条件に前記材料前進送り装置側に把持動作の実行を促すための把持指令信号を出力する把持指令信号出力手段と,この把持指令信号出力手段から把持指令信号が出力されたときから前記材料把持確認手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されたときまでの把持応答時間を計測する把持応答時間計測手段とを設け、
    前記材料把持確認判別手段によって前記材料前進送り装置が前記材料把持状態にあると確認されたことを条件に前記材料前進送り装置側に材料前進送り動作の実行を促すための材料送り指令信号を出力する材料送り指令信号出力手段と,この材料送り指令信号出力手段から材料送り指令信号が出力されたときから前記材料前進定位置確認手段によって前進送りされた加工材料の所定部位が所定位置に到達したと確認されたときまでの材料送り時間を計測する材料送り時間計測手段とを設け、
    把持開放応答時間計測手段で計測された把持開放応答時間と把持応答時間計測手段によって計測された把持応答時間と材料送り時間計測手段によって計測された材料送り時間とを利用して前記スライドと加工材料との干渉を回避できる最高プレス速度を算出可能に形成されている、請求項2記載のプレス機械。
  4. 前記第1の強制停止制御手段,第2の強制停止制御手段および第3の強制停止制御手段によって前記スライドが強制停止された場合にスライド強制停止の旨を警報出力する警報出力制御手段が設けられている、請求項2または請求項3記載のプレス機械。
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