JP4269785B2 - プロジェクタ - Google Patents
プロジェクタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4269785B2 JP4269785B2 JP2003159363A JP2003159363A JP4269785B2 JP 4269785 B2 JP4269785 B2 JP 4269785B2 JP 2003159363 A JP2003159363 A JP 2003159363A JP 2003159363 A JP2003159363 A JP 2003159363A JP 4269785 B2 JP4269785 B2 JP 4269785B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- projection
- optical system
- light
- gate portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックレンズを含む投写レンズを備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタには、電気光学変調装置からの画像光を投写面に向けてあおり方向に表示するためのあおり機構を備えたものがある(図1参照。)。このようなプロジェクタの場合、投写レンズにおける、画像光が通過する領域(光学的使用領域)は、レンズ光軸から偏倚する部位にある。
【0003】
一方、プラスチックレンズはガラスレンズと比較して安価で非球面加工も容易であることから、このようなプラスチックレンズをプロジェクタの投写レンズとして用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、プラスチックレンズは一般に射出成形によって製造されるため、成形体のゲート部近傍において複屈折が発生する。このため、このようなプラスチックレンズを投写レンズに用いると、ゲート部近傍における複屈折によって画質が劣化してしまう。
そこで、特許文献1においては、このような複屈折による画質劣化を抑制するために、プラスチックレンズの材料として特殊な共重合樹脂からなるものを用いている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−242104号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような特殊な共重合樹脂を用いることによってゲート部近傍における複屈折をある程度は減ずることはできるが、このゲート部近傍における複屈折を画質に影響のない程度まで減ずるのは容易ではないという問題がある。
そこで、このようなプラスチックレンズを用いて投写レンズを製造する方法として、一旦射出成形により大きなプラスチック成形体を形成し、その後このプラスチック成形体の周囲を(ゲート部を含むように)大きく切除して、中心部の比較的小さな部分のみを残し、この小さな部分を投写レンズ用のプラスチックレンズとすることが考えられる。
しかしながら、この方法の場合には、大きな射出成形用金型を必要としたり、多大な材料を必要としたりするため、製造コストが嵩むという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができる投写レンズ及びこれを備えたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る投写レンズは、光軸方向に並列して配置された複数のレンズを含み、投写面に向けてあおり方向に画像光を投写するプロジェクタに用いるための投写レンズにおいて、上記複数のレンズのうち少なくとも1枚のレンズは射出成形によって形成され、ゲート部を有するプラスチックレンズであって、このプラスチックレンズのゲート部は画像光の光学的使用領域外に配置されていることを特徴とする。
【0008】
このため、本発明の投写レンズによれば、プラスチックレンズのゲート部は画像光が通過する領域(光学的使用領域)外に配置されているため、複屈折による画質劣化を効果的に抑制することができる。
また、本発明の投写レンズによれば、ゲート部を含む成形体をそのまま投写レンズ用のプラスチックレンズとして用いることができるため、製造コストの低廉化を図ることもできる。
このため、本発明の投写レンズによれば、複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができる。
【0009】
(2)上記(1)に記載の投写レンズにおいては、前記プラスチックのゲート部は前記投写レンズのレンズ光軸における前記光学的使用領域の反対側に配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、ゲート部は前記光学的使用領域から最も遠い位置に配置される(すなわち、画質劣化を抑制するに十分な距離をもって光学的使用領域から離間して配置される)ため複屈折による画質劣化をさらに効果的に抑制することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の投写レンズにおいては、前記プラスチックレンズはフォーカス調整によって回転するレンズであって、このレンズの回転によっても前記ゲート部が前記光学的使用領域の外側に配置されるように構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、フォーカス調整によってプラスチックレンズが回転しても、ゲート部が光学的使用領域の外側に配置されるため、複屈折による画質劣化を抑制することができる。
【0011】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の投写レンズにおいては、前記複数のレンズのうち投写面側に配置されるレンズがプラスチックレンズであって、このプラスチックレンズのゲート部は前記光学的使用領域の下側に配置されていることが好ましい。
投写面側に配置されるレンズにおいては、画像光が通過する領域(光学的使用領域)はレンズ上部にあるが、このように構成することにより、このレンズにおけるゲート部は上記光学的使用領域から最も遠い下側に配置されるため、複屈折による画質劣化を効果的に抑制することができる。
【0012】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の投写レンズにおいては、前記複数のレンズのうち光源側に配置されるレンズがプラスチックレンズであって、このプラスチックレンズのゲート部は前記光学的使用領域の上側に配置されていることが好ましい。
光源側に配置されるレンズにおいては、画像光が通過する領域(光学的使用領域)はレンズ下部にあるが、このように構成することにより、このレンズにおけるゲート部は上記光学的使用領域から最も遠い上側に配置されるため、複屈折による画質劣化を効果的に抑制することができる。
【0013】
(6)本発明のプロジェクタは、照明光を射出する照明装置と、この照明装置から射出された照明光を複数の色光に分離する色分離光学系と、この色分離光学系によって分離された各色光をそれぞれ変調して画像を形成する複数の電気光学変調装置と、これら複数の電気光学変調装置から射出された変調光を合成する色合成光学系と、この色合成光学系によって合成された画像を投写面上に投写表示する投写光学系とを備えたプロジェクタにおいて、前記投写光学系は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の投写レンズを有する投写光学系であることを特徴とする。
【0014】
このため、本発明のプロジェクタによれば、上記したように複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができる投写レンズを有する投写光学系を備えているため、複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができるプロジェクタとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された投写レンズ及びプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
先ず、本発明の実施形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクタの説明図である。図2は、実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す平面図である。図3は、実施形態1に係る投写レンズを含む投写光学系を示す説明図である。図3(a)はその背面図であり、図3(b)はそのA−A断面図である。図4は、実施形態1に係る投写レンズの投写面側レンズを示す正面図である。図5は、実施形態1に係る投写レンズを画像光が透過する場合について示す光路図である。
【0016】
実施形態1に係るプロジェクタは、図1に示されるように、電気光学変調装置としての液晶表示装置からの画像光を投写面に向けてあおり方向に表示するためのあおり機構を備えたプロジェクタである。
【0017】
実施形態1に係るプロジェクタ1は、図2に示されるように、照明光学系100と、色分離光学系200と、リレー光学系300と、3つの液晶表示装置400R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投写光学系600とを備えている。そして、図1に示されるように、投写面としてのスクリーンSCに向けてあおり方向に画像光を投写する。各光学系の構成要素は、クロスダイクロイックプリズム500を中心に略水平方向に配置されている。
【0018】
照明光学系100は、光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを有している。光源110から射出された光束は第1のレンズアレイ120によって複数の微小な部分光束に分割され、各部分光束は第2のレンズアレイ130及び重畳レンズ150によって照明対象である3つの液晶表示装置400R,400G,400Bの光入射面上で重畳される。
【0019】
第1のレンズアレイ120及び第2のレンズアレイ130は、小レンズをマトリックス状に配列して形成されている。
偏光変換素子140は、非偏光な光を3つの液晶表示装置400R,400G,400Bで利用可能な偏光方向を有する偏光光に揃える機能を有している。
【0020】
色分離光学系200は、照明光学系100から射出される照明光を、それぞれ異なる波長域の3色の照明光に分離する機能を有している。第1のダイクロイックミラー210は、略赤色の光(以下「R光」という。)を透過させるとともに略緑色の光(以下「G光」という。)及び略青色の光(以下「B光」という。)を反射する。第1のダイクロイックミラー210を透過したR光は、反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ240Rを透過してR用の液晶表示装置400Rを照明する。
【0021】
フィールドレンズ240Rは、照明光学系100からの複数の部分光束がそれぞれ液晶表示装置400Rを照明するように集光する。通常、各部分光束が、それぞれ略平行な光束となるように設定されている。他の液晶表示装置400G,400Bの前に配設されたフィールドレンズ240G,350も、フィールドレンズ240Rと同様に構成されている。
【0022】
第1のダイクロイックミラー210で反射されたG光とB光のうちG光は、第2のダイクロイックミラー220によってさらに反射され、フィールドレンズ240Gを透過してG用の液晶表示装置400Gを照明する。一方、B光は、第2のダイクロイックミラー220を透過し、リレー光学系300を通過してB用の液晶表示装置400Bを照明する。
【0023】
リレー光学系300は、入射側レンズ310,入射側反射ミラー320,リレーレンズ330,射出側反射ミラー340及びフィールドレンズ350を有している。色分離光学系200から射出されたB光は、入射側レンズ310によってリレーレンズ330の近傍で収束し、フィールドレンズ350(射出側反射ミラー340)に向かって発散する。フィールドレンズ350に入射する光束の大きさは、入射側レンズ310に入射する光束の大きさに略等しくなるように設定されている。
【0024】
液晶表示装置400R,400G,400Bは、入射した色光(R光,G光,B光)を、それぞれに対応する色信号(画像信号)に応じた光に変換し、これら変換された光を透過光として射出する。これら液晶表示装置400R,400G,400Bの入射側には入射側偏光板918R、918G、918Bが、また射出側には射出側偏光板920R,920G,920Bがそれぞれ配置されている。液晶表示装置400R,400G,400Bとしては、例えば透過型の液晶表示装置が用いられる。
【0025】
クロスダイクロイックプリズム500は、各色用の液晶表示装置400R,400G,400Bから射出される各色の変換光を合成する色合成光学系としての機能を有する。クロスダイクロイックプリズム500において生成された合成光は、投写レンズ600に向かって射出される。
【0026】
投写光学系600は、図3に示されるように、鏡筒700,レンズ枠800及び投写レンズ900からなり、クロスダイクロイックプリズム500からの合成光を表示画像としてスクリーン(投写画)SC上に投写するように構成されている。
【0027】
鏡筒700は、内外2つの鍔部700A,700Bを有し、プロジェクタ用筐体(図示せず)の前面部に取り付けられている。
レンズ枠800は、前方枠800A,後方枠800B及び中間枠800Cからなり、鏡筒700の仮想軸線上に配置されている。前方枠800Aは、鏡筒700の前方端部(投写面側端部)に、フォーカス調整によって移動・回転可能に取り付けられている。後方枠800Bは、鍔部800bを有し、この鍔部800bの端面に鍔部700Bの端面に当接させて鏡筒700の後方端部(光源側端部)に取り付けられている。中間枠800Cは、鍔部800cを有し、前方枠800Aと後方枠800Bとの間に位置し、鏡筒700内に取り付けられている。
【0028】
投写レンズ900は、光軸方向に並列して配置された5枚のレンズ900A〜900Eを含み、レンズ枠800に取り付けられている。
レンズ900Aは、射出成形によって形成された両面を非球面とするプラスチック製の凹レンズからなり、前方枠800Aの内周面に取り付けられている。レンズ900Bは、ガラス製の凸レンズからなり、鏡筒700における鍔部700Aの投写面側端面に取り付けられている。
【0029】
レンズ900Cは、レンズ900Dとともレンズユニットを構成するガラス製の凹レンズからなり、鏡筒700の内周面に中間枠800Bを介してレンズ900Dとともに取り付けられている。レンズ900Dは、光源側面を非球面とするプラスチック製の凸レンズからなり、レンズ900Cの光源側面に組み付けられている。レンズ900Eは、ガラス製の凸レンズからなり、後方枠800Bの内周面に取り付けられている。
【0030】
上記したように、実施形態1に係る投写レンズ900においては、レンズ900Aとレンズ900Dとがプラスチックレンズからなる。このため、レンズ900Aとレンズ900Dについて、詳細に説明する。
【0031】
(レンズ900A)
上記したように、レンズ900Aは、射出成形によって形成された両面を非球面とするプラスチック製の凹レンズからなる。そして、フォーカス調整による前方枠800Aの移動回転によって移動回転するように構成されている。
レンズ900Aには、図4に示されるように、液晶表示装置400R,400G,400B(図2参照。)の各表示領域(縦横比が3:4の矩形状)と略相似関係にある平面形状を有する、画像光の光学的使用領域900A1が形成されている。
【0032】
この光学的使用領域900A1は、レンズ回転基準位置において、下方の横辺がレンズ900Aにおける縦横のレンズ仮想中心線a,bのうち横のレンズ仮想中心線bに合致し、縦のレンズ仮想中心線aに関して対称な平面形状となる部位に配置されている。
レンズ900Aのレンズ周縁一部にはいわゆるDカット面加工処理が施されており、この加工処理部には縦のレンズ仮想中心線上aに位置するゲート部900aが形成されている。ゲート部900aは、光学的使用領域900A1の下側(レンズ光軸OCにおける光学的使用領域900A1の反対側)に配置されている。
このため、ゲート部900aは光学的使用領域900A1の外側に配置されているため、複屈折による画質劣化が効果的に抑制される。
【0033】
投写レンズ900においては、レンズ900Aが液晶表示装置から離間するようなフォーカス調整によって回転基準位置から時計方向に回転すると、光学的使用領域900A1もそれに従って(ゲート部900aに対して)相対的に回転する。また、レンズ900Aが液晶表示装置に接近するようなフォーカス調整によって回転基準位置から反時計方向に回転すると、光学的使用領域900A1もそれに従って(ゲート部900aに対して)相対的に回転する。
【0034】
ここで、レンズ900Aの回転範囲を回転基準位置から時計方向及び反時計方向にともに30°とすると、フォーカス調整による光学的使用領域900A1下端の、レンズ仮想中心線aに沿った最大移動量Mは、「N×sin30°」となる。
そこで、本実施形態においては、レンズ仮想中心線bを反時計方向に回転させて得られるレンズ仮想中心線b1と光学的使用領域900A1における左方の縦辺の延長線との交点をmとするとき、この交点mを通りレンズ仮想線bに平行な線cを保証ラインcとして用いている。
この保証ラインcとレンズ仮想中心線bとの距離Lは、「N×tan30°」となり、常に「L>M」を満足する。このため、ゲート部900aをこの保証ラインcの下側に配置することにより、フォーカス調整によってレンズ900Aが回転しても、ゲート部900aは常に光学的使用領域A1の外側に配置されることになり、複屈折による画質劣化が効果的に抑制される。
【0035】
なお、光学的使用領域900A1の大きさは液晶表示装置の表示領域の大きさと略等しいので、液晶表示装置として表示領域が対角0.5インチ(12.7mm)のものを用いるとすれば、NがN=12.7mm×(4/5)/2≒5.08mmとなるため、最大移動量Mは2.54mmとなり、上記した距離Lは2.93mmとなる。
【0036】
ゲート部900a近傍の複屈折の影響をより確実に抑制するために、この保証ラインをさらに下げることもできる。この場合、例えば、安全率50%とすれば、レンズ仮想中心線bとの間の距離Lは、L=2.93×1.5≒4.40mmとなる。
【0037】
(レンズ900D)
レンズ900Dは、上記したように、光源側面を非球面とするプラスチック製の凸レンズからなる。
レンズ900Dには、レンズ900Aと同様に、液晶表示装置400R,400G,400Bの各表示領域と略相似関係にある平面形状を有する光学的使用領域900D1が形成されている。
この光学的使用領域900D1は、上方の横辺がレンズ900Dにおける縦横のレンズ仮想中心線のうち横のレンズ仮想中心線に合致し、縦のレンズ仮想中心線に関して対称な平面形状となる部位に配置されている。
【0038】
レンズ900Dのレンズ周縁一部にはレンズ900Aと同様にいわゆるDカット面加工処理が施されており、この加工処理部には縦のレンズ仮想中心線上に位置するゲート部(図示せず)が形成されている。レンズ900Dのゲート部は、光学的使用領域900D1の上側(レンズ光軸OCにおける光学的使用領域900D1の反対側)に配置されている。
このため、ゲート部は光学的使用領域900D1の外側に配置されているため、複屈折による画質劣化が効果的に抑制される。
【0039】
以上の構成により、実施形態1に係るプロジェクタは、照明光学系100からの射出光を色分離光学系200によってR,G,Bの各色光として取り出し、これら各色光を液晶表示装置400R,400G,400Bに導いてカラー画像信号に応じて変調した後、各色光をクロスダイクロイックプリズム500によって合成し、投写光学系600によって表示画像としてスクリーン上に拡大表示する。
【0040】
このとき、液晶表示装置400R,400G,400Bからの画像光は、図5に示されるように、投写レンズ900(レンズ900A〜900E)を透過し、この投写レンズ900からあおり方向にスクリーンSCに向けて投写される。この際、投写レンズ900(レンズ900A,900D)におけるゲート部は、画像光が透過する領域(光学的使用領域)外に配置されているため、複屈折による画質劣化を効果的に抑制することができる。
また、ゲート部を含む成形体をそのまま投写レンズ用のプラスチックレンズとして用いることができるため、製造コストの低廉化を図ることもできる。
このため、実施形態1に係る投写レンズ900によれば、複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができる。
【0041】
次に、本発明の実施形態2について、図6を用いて説明する。
[実施形態2]
図6は、本発明の実施形態2に係る投写レンズの投写面側レンズを示す正面図である。実施形態2においては、同実施形態で使用される光学部品の構成及び機能が実施形態1と同様(投写レンズの光学的使用領域の形成位置は異なる)であるため、実施形態1の説明に用いた光学部品の符号を用いて説明する。
【0042】
本実施形態に示す投写レンズ900は、回転基準位置における投写面側プラスチックレンズの光学的使用領域が実施形態1に示す光学的使用領域より下方(光源側プラスチックレンズの光学的使用領域にあっては上方)にずらした位置に配置されている点に特徴がある。
【0043】
このため、レンズ900Aには、図6に示されるように、液晶表示装置400R,400G,400B(図2参照。)の各表示領域と略相似関係にある平面形状を有する光学的使用領域900A1が形成されている。
【0044】
この光学的使用領域900A1は、レンズ回転基準位置において、下方の横辺がレンズ900Aにおける縦横のレンズ仮想中心線a,bのうち横のレンズ仮想中心線bと平行な仮想線分d(但し、光学的使用領域900Aにおける上方の横辺とレンズ仮想中心線bとの間の寸法s:レンズ仮想中心線bと仮想線分dとの間の寸法t=9:1である。)に合致し、縦のレンズ仮想中心線aに関して対称な平面形状となる部位に配置されている。
レンズ900Aのレンズ周縁一部にはいわゆるDカット面加工処理が施されており、この加工処理部には縦のレンズ仮想中心線上aに位置するゲート部900aが形成されている。ゲート部900aは、光学的使用領域900A1の下側(レンズ光軸OCにおける光学的使用領域900A1の反対側)に配置されている。
このため、ゲート部900aは光学的使用領域900A1の外側に配置されているため、複屈折による画質劣化が効果的に抑制される。
【0045】
投写レンズ900においては、レンズ900Aが液晶表示装置から離間するようなフォーカス調整によって回転基準位置から時計方向に回転すると、光学的使用領域900A1もそれに従って(ゲート部900aに対して)相対的に回転する。また、レンズ900Aが液晶表示装置に接近するようなフォーカス調整によって回転基準位置から反時計方向に回転すると、光学的使用領域900A1もそれに従って(ゲート部900aに対して)相対的に回転する。
【0046】
ここで、レンズ900Aの回転範囲を回転基準位置から時計方向及び反時計方向にともにに30°とすると、フォーカス調整による光学的使用領域900A1下端の最大移動量M1は、少なくとも実施形態1で計算されたM(=N×sin30°)より小さくなる。
そこで、本実施形態においては、レンズ仮想中心線bを反時計方向に回転させて得られるレンズ仮想中心線b1と光学的使用領域900A1における左方の縦辺の延長線との交点をmとするとき、この交点mを通りレンズ仮想線bに平行な線cをtだけ下方に移動させた線c1を保証ラインc1として用いている。
この保証ラインc1は常に光学的使用領域900A1の最下端より下方に存在することになる。このため、ゲート部900aをこの保証ラインc1の下側に配置することにより、フォーカス調整によってレンズ900Aが回転しても、ゲート部900aは常に光学的使用領域A1の外側に配置されることになり、複屈折による画質劣化が効果的に抑制される。
【0047】
なお、光学的使用領域900A1の大きさは液晶表示装置の表示領域の大きさと略等しいので、液晶表示装置として表示領域が対角0.5インチ(12.7mm)のものを用いるとすれば、NがN=12.7mm×(4/5)/2≒5.08mmとなるため、この保証ラインc1からレンズ仮想中心線bの距離L1は2.93mm+0.76mm=3.70mmとなる。
【0048】
ゲート部900a近傍の複屈折の影響をより確実に抑制するために、この保証ラインをさらに下げることもできる。この場合、例えば、安全率50%とすれば、レンズ仮想中心線bとの間の距離L1は、L1=3.70mm×1.5≒5.60mmとなる。
【0049】
したがって、本実施形態においても、実施形態1の場合と同様に、投写レンズ900におけるゲート部900aは、画像光が通過する領域(光学的使用領域)外に配置されているため、複屈折による画像劣化を効果的に抑制することができる。
また、ゲート部を含む成形体をそのまま投写レンズ用のプラスチックレンズとして用いることができるため、製造コストの低廉化を図ることもできる。
よって、実施形態2に係る投写レンズ900によれば、複屈折率による画質劣化を抑制するとともに製造コストの低廉化を図ることができる。
【0050】
なお、本発明における投写レンズを構成するレンズの個数及びプラスチックレンズの個数等は、上記した各実施形態に特に限定されるものでないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係るプロジェクタの説明図。
【図2】 実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す平面図。
【図3】 実施形態1に係る投写レンズを含む投写光学系を示す説明図。
【図4】 実施形態1に係る投写レンズの投写面側レンズを示す正面図。
【図5】 実施形態1に係る投写レンズを画像光が通過する場合について示す光路図。
【図6】 実施形態2に係る投写レンズの投写面側レンズを示す正面図。
【符号の説明】
1 プロジェクタ、400R,400G,400B 液晶表示装置、500 クロスダイクロイックプリズム、600 投写光学系、700 鏡筒、800 レンズ枠、800A 前方枠、800B 後方枠、800C 中間枠、900 投写レンズ、900A〜900E レンズ、900A1 光学的使用領域、900a ゲート部、a,b レンズ仮想中心線、c 保証ライン、m 交点、OCレンズ光軸、SC スクリーン
Claims (2)
- 照明光を射出する照明装置と、
この照明装置から射出された照明光を複数の色光に分離する色分離光学系と、
この色分離光学系によって分離された各色光をそれぞれ液晶表示装置を介して変調して画像を形成する複数の電気光学変調装置と、
これら複数の電気光学変調装置から射出された変調光を合成する色合成光学系と、
この色合成光学系によって合成された画像を投写面上に投写表示する投写光学系と、を備えたプロジェクタにおいて、
前記投写光学系は、投写レンズを有し、
該投写レンズは、光軸方向に並列して配置された複数のレンズを含み、投写面に向けてあおり方向に画像光を投写する投写レンズであって、
前記複数のレンズのうち投写面側に配置されるレンズは、射出成形によって形成されゲート部を有するプラスチックレンズであって、
このプラスチックレンズのゲート部は、前記液晶表示装置を介して変調された矩形状の画像光の光学的使用領域の下側に配置されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1記載のプロジェクタにおいて、
前記投写レンズの複数のレンズのうち光源側に配置されるレンズは、射出成形によって形成され、ゲート部を有するプラスチックレンズであって、
このプラスチックレンズのゲート部は、前記光学的使用領域の上側に配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003159363A JP4269785B2 (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | プロジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003159363A JP4269785B2 (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | プロジェクタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004361620A JP2004361620A (ja) | 2004-12-24 |
JP4269785B2 true JP4269785B2 (ja) | 2009-05-27 |
Family
ID=34052447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003159363A Expired - Fee Related JP4269785B2 (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | プロジェクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4269785B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4709626B2 (ja) | 2005-09-30 | 2011-06-22 | 富士フイルム株式会社 | レンズ装置 |
JP2007094335A (ja) | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Fujinon Corp | 投写レンズ及びプロジェクタ装置 |
CN102445823B (zh) * | 2010-10-04 | 2017-04-26 | 日立麦克赛尔株式会社 | 投影型影像显示装置 |
CN115453811B (zh) * | 2022-11-10 | 2023-01-13 | 深圳市橙子数字科技有限公司 | 一种具有高稳定性的投影照明装置 |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159363A patent/JP4269785B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004361620A (ja) | 2004-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6666557B1 (en) | Reflection type projector | |
US7568805B2 (en) | Illumination unit and image projecting apparatus employing the same | |
JP2003029339A (ja) | リアプロジェクション光学系 | |
US20080291400A1 (en) | Projection display device | |
US7993011B2 (en) | Projection display device in which positions of projection lens unit and projection mirror unit relative to illumination optical systems are switched | |
CN103852960A (zh) | 投影装置与聚光模组 | |
US7963657B2 (en) | Projection display device | |
JP6830222B2 (ja) | ヘッドアップディスプレイ | |
US20070252956A1 (en) | Projection type display apparatus | |
JP4269785B2 (ja) | プロジェクタ | |
JP3620509B2 (ja) | リアプロジェクタ | |
JP2007025652A (ja) | 画像表示装置 | |
JP2004138821A (ja) | 液晶表示素子及び表示装置並びに液晶表示素子の製造方法 | |
JPWO2005114319A1 (ja) | プロジェクタ | |
US8562138B2 (en) | Projection display device | |
JP4827872B2 (ja) | 投写型映像表示装置 | |
JP7342854B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP4306020B2 (ja) | 表示光学装置 | |
JP3365618B2 (ja) | プロジェクタ装置 | |
JP2003075769A (ja) | 光学ユニット及びそれを用いた映像表示装置 | |
JP4333355B2 (ja) | 空間光変調装置及びプロジェクタ | |
JP2005221980A (ja) | プロジェクタ | |
JP3610804B2 (ja) | 照明装置及び投写型表示装置 | |
JP2007101875A (ja) | 照明光学装置及び反射型画像投射装置 | |
JP2001051347A (ja) | 背面投写型表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050913 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070403 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081008 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081028 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090203 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090216 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4269785 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |