JP4267106B2 - 癒着防止用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、癒着防止用材料に関する。本発明の癒着防止用材料は、患部において血液または生体組織浸出液を吸収してゲル化する際に組織表面に接着し、一旦ゲル化した後のゲル表面は組織表面に対する接着性を示さないために、患部とそれに接触する他の生体組織との間の癒着を防止するのに有用である。
【0002】
【従来の技術】
手術、ケガなどによって、腎臓、肝臓、心臓、胃、腸等の内臓、血管、子宮などの生体組織に損傷、炎症などが発生すると、損傷部同士または損傷部と他の組織との間に癒着が生じて、種々の機能不全を起こし、場合によっては再手術が必要になるなどの問題が生じている。
【0003】
従来より、生体組織の癒着防止に当たっては、損傷部の組織が修復したり治癒したりするまでの期間、損傷部にオキシセルロース製の網を貼り付けて、損傷部を他の生体組織や他の生体箇所から隔離して癒着を防止する方法が広く採用されている。しかしながら、オキシセルロース製の癒着防止網は、使い勝手が悪く、生体組織への吸収が遅く、しかも異物反応を生じるなどの問題があり、十分に満足のいくものではない。
【0004】
また、近年、ヒアルロン酸ナトリウムとカルボキシメチルセルロースからなるフィルム状の癒着防止材が開発されて使用されているが、組織との接着性に乏しいため、患部に定着させることが難しいという問題がある。
【0005】
その他にも、生体組織の癒着防止を目的として種々の材料が従来から提案されており、そのような従来技術としては、
(1) ヒアルロン酸またはその誘導体の架橋ゲルからなる生体組織用の成形物(特開昭61−234864号公報);
(2) 体組織間の癒着および合着を防止するためのインプラントとして使用される、架橋カルボキシル含有ポリサッカライドゲル(特表昭61−502729号公報);
(3) ヒアルロン酸とその他の親水性ポリマーをジビニルスルホン架橋剤で架橋してなる、生体組織の癒着防止やその他の目的で用いられる生体組織用のゲル組成物(特開平2−138346号公報);
(4) 活性化されたヒアルロン酸をアミノ酸やその塩などからなる求核性試薬と反応させて形成してなる、生体組織の癒着防止材などとして使用し得るフィルム(特表平3−502704号公報);
(5) ヒアルロン酸、ポリアニオン多糖類および活性化剤を用いて形成された、生体組織の癒着防止や薬物のデリバリーに用いられる膜(特表平5−508161号公報);
(6) イオン架橋したカルボキシル基含有キチン誘導体を含んでなる、希酸性の水溶液に可溶な癒着防止用材料(特開平3−167201号公報);
(7) アルギン酸ナトリウムの水溶液を主剤とする腹腔内癒着防止剤(特開昭57−167919号公報);
(8) ケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸などの硫酸エステルから主としてなる生体組織の癒着防止材などに用いる医薬組成物(特表平6−502840号公報);
(9) 硫黄含有量が10重量%よりも大きいデキストラン硫酸を含む癒着防止などに用いる組成物(特表平6−508356号公報);
(10) スルホン酸基を有する多糖類を含む癒着防止材(特開平9−296005号公報);
などが提案されている。
【0006】
しかしながら、上記の(1)〜(10)のいずれの場合も、材料自身は、組織に対する接着性を有していないため、患部に適用した場合に、癒着を防止したい部位に長期間安定に存在することができず、損傷部の癒着防止を安定して行うことができないという欠点を有している。
【0007】
一方、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を水の共存化で混合すると、速やかにポリイオンコンプレックスが形成されることはよく知られており、ポリイオンコンプレックスは医薬品、医療用具をはじめ広い分野で利用されている。例えば、(11)特開昭53−110693号公報にはデキストランの陰イオン性部分置換体と多糖類の陽イオン性部分置換体を反応させて得た高分子複合体を粉末、粒状または錠剤とした止血剤が開示されており、(12)特開昭61−73665号公報には、カルシウム塩水溶液を添加したポリアニオン性材料水溶液とポリカチオン性材料水溶液を傷口に噴霧して皮膜を形成する傷口保護剤が開示されている。しかしながら、上記した(11)および(12)の公報には、ポリイオンコンプレックスを癒着防止用材料として利用することに関する記載はない。
【0008】
また、(13)特開平3−287538号公報には、歯周ポケット内に注入する、高分子電解質錯体を有効成分とする歯周組織再生促進用薬剤が開示されているが、癒着防止用材料としての用途は記載されていない。
そして、(14)特開平8−224293号公報には、キトサン、アルギン酸、キチン及び支持体を順次重ね合わせた構造を有する創傷治療用多層体が開示されている。しかしながら、該創傷治療用多層体は、予め製造したキトサン−アルギン酸複合体を支持体の上に形成したキチン分散液層またはキチン層の上に乗せて乾燥することにより製造されており、該キトサン−アルギン酸複合体はキトサンおよびアルギン酸を水に溶解することなく製造されるため、該創傷治療用多層体のキトサンとアルギン酸とはポリイオンコンプレックスを形成していない。また、上記(14)の公報には、癒着防止用材料に関する記載はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組織表面に対する接着性を有し、それにより癒着を防止したい損傷部の表面に長期間にわたって安定に存在し、損傷部近辺の他の生体組織との癒着を防止することができる癒着防止用材料を提供することである。
さらに、本発明の目的は、耐加水分解性に優れていて、加水分解によって短期間にその癒着防止効果が失われるという問題がなく、しかも生体組織によって適度に吸収・排泄され、それによって所望の期間にわたって安定してその癒着防止効果を発揮することができる、生物学的に安全な癒着防止用材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するための手段を鋭意検討した結果、ポリアニオン性物質とポリカチオン性物質から形成される特定のポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムを生体組織表面に貼り付けると、生体組織表面の水分を吸収してゲル化し、組織表面に強固に接着するが、一旦ゲル化が完了した後のゲル表面は生体組織に全く接着しないことを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明はポリアニオン性物質とポリカチオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムからなる癒着防止用材料であって、前記乾燥フィルムの一方の面にポリイオンコンプレックスのポリカチオン性物質に由来する部分がより多く分布し、他方の面にポリイオンコンプレックスのポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布していることを特徴とする、癒着防止用材料である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリアニオン性物質としては、その分子中に複数個のアニオン性基を有し、水の存在下に後記ポリカチオン性物質とゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、該ポリイオンコンプレックスが癒着防止作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものであれば特に制限はなく、特に、患部の組織が治癒した後に分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であるのが好ましい。
【0012】
そして、ポリアニオン性物質は、水に溶解または膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でアニオン性基が解離することによりマイナスの電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基などが挙げられる。
ポリアニオン性物質としては、上記のアニオン性基を有する酸性多糖類が好ましく、カルボシキル基、スルホン酸基を有する酸性多糖類がより好ましい。
【0013】
酸性多糖類としては、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有する天然酸性多糖類;天然では上記のアニオン性基を有しない多糖類に人工的にアニオン性基を導入することにより合成された酸性多糖類のいずれも用いることができる。
天然酸性多糖類としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチンなどを挙げることができ、生体に対する安全性の観点から、アルギン酸、ヒアルロン酸が好ましい。
【0014】
上記の人工的にアニオン性基を導入することにより合成された酸性多糖類としては、セルロース、デキストラン、デンプン等の天然ではアニオン性基を有しない多糖類にアニオン性基を導入して人工的に合成された酸性多糖類、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、硫酸化セルロース、硫酸化デキストランなどが挙げられる。さらに、キトサン、部分脱アセチル化キチン、アミノ化セルロース等のアミノ基を有する塩基性多糖類のアミノ基を利用してスルホン酸基、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基などを導入することにより人工的に合成された酸性多糖類が挙げられる。
【0015】
また、ポリアニオン性物質として、上記の酸性多糖類にさらに別のアニオン性基を導入した複数種類のアニオン性基を有する酸性多糖類、例えば、アルギン酸のカルボキシル基を利用してスルホン酸基を導入したアルギン酸誘導体、ヒアルロン酸のカルボキシル基を利用してスルホン酸基を導入したヒアルロン酸誘導体などを挙げることができる。上記のスルホン酸基を導入したアルギン酸誘導体、スルホン酸基を導入したヒアルロン酸誘導体を用いると、組織表面の繊維芽細胞の増殖を抑制する効果が増強され、癒着防止効果がより大きくなる。アルギン酸またはヒアルロン酸のカルボキシル基を利用してスルホン酸基を導入する方法としては、アルギン酸またはヒアルロン酸のカルボキシル基と、アミノ基およびスルホン酸基を合わせ持つタウリンなどの化合物のアミノ基とを、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩のような脱水縮合剤を用いて脱水縮合させ、アミド結合により結合させる方法が簡便である。
【0016】
さらに、ポリアニオン性物質として、カルボキシル基を有する酸性多糖類のカルボキシル基の一部をエチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子アルコールでエステル化した化合物を用いることもできる。具体的には、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル、ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル等を挙げることができる。これらの化合物におけるエステル化度は特に制限されないが、エステル化度が高くなりすぎると、カルボキシル基の割合、すなわちアニオン性が低下し、後記ポリカチオン性物質との間に形成されるポリイオンコンプレックスの機械的強度が低下する傾向にあるため、エステル化度は80%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。
【0017】
また、ポリアニオン性物質として、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体等の酸性アミノ酸の単独重合体または共重合体;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体または共重合体のアミノ基を利用して、スルホン酸基、硫酸基、カルボキシル基、リン酸基等を導入することにより人工的に合成されたアニオン性ポリマー;ポリアクリル酸等の酸性ビニルポリマーなどを用いることもできる。
【0018】
さらに、これらのポリアニオン性物質を架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。ポリアニオン性物質を架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。ポリアニオン性物質がカルボキシル基を有する場合には、ポリアニオン性物質のカルボキシル基をジアミンと縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
【0019】
本発明におけるポリアニオン性物質は、1価のイオンとの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で用いることもできる。
【0020】
ポリアニオン性物質の分子量は特に制限されないが、分子量が大きくなるにしたがって溶液の粘度が高くなり、フィルム製造時における流延が困難となり、また乾燥時にフィルムが硬化して製造が困難となる傾向があることから、ポリアニオン性物質の粘度(1%水溶液を20℃で測定)は10,000cp以下であるのが好ましく、5,000cp以下であるのがより好ましい。
また、本発明の癒着防止用材料では、2種類以上のポリアニオン性物質を用いることもできる。
【0021】
本発明におけるポリカチオン性物質は、その分子中に複数個のカチオン性基を有し、水の存在下に前記ポリアニオン性物質とゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、該ポリイオンコンプレックスが癒着防止作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものであれば特に制限はなく、特に、患部の組織が治癒した後に分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であるのが好ましい。
そして、ポリカチオン性物質は、水に溶解または膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でカチオン性基がプラスの電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。
【0022】
カチオン性基としては、例えばアミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基;グアジニノ基などが挙げられ、ポリカチオン性物質としては、1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質が好ましい。
【0023】
ポリカチオン性物質としては、キトサン、部分脱アセチル化キチン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体または共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の塩基性ビニルポリマー、およびこれらの塩(塩酸塩、酢酸塩等)などのポリカチオン性ポリマーを挙げることができ、生体に対する安全性の観点から、塩基性多糖類またはその塩が好ましく、キトサンまたはその塩がより好ましい。さらに、これらのポリカチオン性物質を架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。ポリカチオン性物質を架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。ポリカチオン性物質がアミノ基を有する場合には、ポリカチオン性物質のアミノ基をジカルボン酸化合物と縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
【0024】
ポリカチオン性物質の分子量は特に制限されないが、分子量が大きくなるにしたがって溶液の粘度が高くなり、フィルム製造時における流延が困難となり、また乾燥時にフィルムが硬化して製造が困難となる傾向があることから、ポリカチオン性物質の粘度(1%水溶液を20℃で測定)は10,000cp以下であるのが好ましく、5,000cp以下であるのがより好ましい。
また、本発明の癒着防止用材料では、2種類以上のポリカチオン性物質を用いることもできる。
【0025】
本発明に用いるポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の組合せは、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成し、ゲル化するものであれば、いずれの組合せでもよく、安全性の観点から、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質のうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであるのが好ましい。
【0026】
また、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の混合比は、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成しゲル化する混合比であれば、どのような混合比でもよい。
【0027】
本発明の癒着防止用材料は、生体組織に対する接着性を高めるために、乾燥フィルムの一方の面にポリカチオン性物質に由来する部分がより多く分布している。さらに、生体組織表面に接着した後の癒着防止効果を高めるために、乾燥フィルムの他方の面にポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布している。
【0028】
本発明の癒着防止用材料は、薄層状に流延したポリイオンコンプレックスを乾燥し、フィルムとすることにより製造することができる
【0029】
また、薄層状に流延されたポリイオンコンプレックスの乾燥方法としては、ポリカチオン性物質、ポリアニオン性物質および生成したポリイオンコンプレックスの変質などを生じない方法であればいずれも採用することができ、例えば、自然乾燥法、減圧乾燥法、溶媒置換乾燥法、加熱乾燥法、送風乾燥法などを挙げることができる。
【0030】
フィルムの一方の面にポリカチオン性物質に由来する部分がより多く分布し、他方の面にポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布しているポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムを製造する方法としては、ポリイオンコンプレックスのフィルムを製造したときに一方の面にポリカチオン性物質に由来する部分をより多く分布させ、他方の面にポリアニオン性物質に由来する部分をより多く分布させることが可能な方法であればいずれも採用することができる。例えば、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質を水または他の溶媒に別々に溶解し、まず一方を薄層状に流延し、その上に他方を薄層状に流延した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を乾燥フィルムとし、他方を水または他の溶媒に溶解した溶液を該乾燥フィルムに塗布した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を水または他の溶媒に溶解した溶液を薄層状に流延し、その上から粉末状の他方を散布して溶解した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質をそれぞれ乾燥フィルムとし、重ね合わせた状態で水または他の溶媒に溶解する方法などによって行うことができる。
【0031】
いずれの方法を用いる場合も、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を溶解する溶媒としては、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質が溶解する溶媒であれば、どのような溶媒でも用いることができるが、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質により多くの電荷を発生させる観点から、水が好ましく、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質の溶解性を高めるために、塩酸、酢酸等の酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基の水溶液を用いてもよい。ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の溶液中の濃度は特に制限されず、各製造法に応じて適宜加減して設定すればよい。
【0032】
本発明の癒着防止用材料は、力学的強度を向上させる観点から、2枚以上のポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムを積層した形態とすることもできる。積層する乾燥フィルムの枚数としては、フィルムの吸水性、乾燥状態でのフィルムの柔軟性の観点から、2〜15枚が好ましく、2〜10枚がより好ましい。
【0033】
また、2種以上の乾燥フィルムを積層することもでき、これにより癒着防止用材料に各フィルムを構成するポリイオンコンプレックスが有する力学的強度、組織接着性、生体吸収性などの特性を合わせもたせることができる。
【0034】
ポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムを積層してなる癒着防止用材料は、積層する乾燥フィルムを適当な溶媒で湿潤させて重ね合わせるか、各乾燥フィルムを重ね合わせて適当な溶媒で湿潤させるかした後、乾燥することにより製造することができる。乾燥フィルムを湿潤させる溶媒としては、ポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムが溶解することなく湿潤する溶媒であれば、どのような溶媒でも用いることができるが、個々のフィルムの電荷による接着性の観点から、水または塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩類の水溶液が好ましい。また上記の溶媒には、重ね合わせた面を接着するために適当なポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質を添加することができ、ポリイオンコンプレックスの膨潤を防ぐために、エタノール、メタノール、アセトン等の有機溶媒を添加することができる。
【0035】
ポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムの厚みは特に制限されないが、吸水性、乾燥状態での柔軟性の観点から、0.5mm以下であるのが好ましく、0.2mm以下であるのがより好ましい。
【0036】
本発明の癒着防止用材料は、特に外科手術時の癒着を防止するのに好適に用いられる。例えば、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、子宮、卵巣等の疾患に対する開腹手術や、アキレス腱や神経などの縫合手術などの際に手術によって傷つけられた生体組織表面が癒着するのを防止するために用いられる。
【0037】
本発明の癒着防止用材料の使用方法としては、患部に貼付した後に、血液、組織液などの水分を吸収し、ゲル化させることが可能な方法であれば、いずれの方法でも用いることができる。例えば、本発明の癒着防止用材料を乾燥状態のまま接着したい患部に貼付し、患部の血液、組織液などの水分を吸収させることによりゲル化させればよい。
【0038】
また、患部に水分が少なくゲル化が不十分な場合は、本発明の癒着防止用材料を患部に貼付した後、外部から水分を補給し、該材料のゲル化を促進することもできる。外部から補給する水分としては、患部に無害な水溶液であればどのような溶液でも用いることができるが、生理食塩水またはリンゲル液が適当である。
【0039】
さらに、本発明の癒着防止用材料は、例えば、γ線滅菌、電子線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌などの滅菌処理が可能であり、それらの処理を施すことによって安全性を高めることができる。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はそれによって何ら制限されない。
【0041】
実施例1
10mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度500〜600cp)0.1gを溶解し、溶液1とした。0.1N酢酸10mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500)0.1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0042】
実施例2
10mlの蒸留水にヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社製、ヒアルロンサンHA−QSS)0.1gを溶解し、溶液1とした。0.1N酢酸10mlに実施例1で用いたものと同じキトサン0.1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0043】
実施例3
10mlの蒸留水に実施例1で用いたものと同じアルギン酸ナトリウム0.1gを溶解し、溶液1とした。蒸留水10mlにポリ−L−リジン(株式会社ペプチド研究所製)0.1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0044】
実施例4
実施例1で用いたものと同じアルギン酸ナトリウムを濃度が1重量%になるようにして300mlの注射用水(大塚製薬株式会社製)に溶解した。これに、タウリン(和光純薬株式会社製)1.25gおよび水溶性カルボジイミド(株式会社ペプチド研究所製、WSCD・HCl)4gを加えて溶解し、4℃の温度に保ちながら2日間撹拌下に反応させた。その後、注射用水に対して4℃の温度で7日間透析した(VISKASE SALES CORP社製の透析膜を使用;1回当たり1,000mlの注射用水を使用して13回注射用水を交換)。
上記で得られた反応生成物を凍結乾燥して、固形物約3.1gを得た。この固形物をIR分析したところ、1561cm-1の位置に、アルギン酸のカルボキシル基とタウリンのアミノ基との間にアミド結合が形成され且つタウリンのスルホン酸基がナトリウム塩の形態になっていることを示す、基−NH−CH2−CH2−SO3Naに相当する吸収があり、基−NH−CH2−CH2−SO3Naで修飾されたアルギン酸(以下、スルホン酸化アルギン酸ナトリウムと略記する)であることが確認された。
また、上記で得られたスルホン酸化アルギン酸ナトリウム(凍結乾燥物)の一部を採って燃焼フラスコ中で分解(02雰囲気下で燃焼後、水に吸収)した後、イオンクロマトアナライザー(横河電気社製「IC500S」)を用いて硫黄含有量を定量したところ、0.38%であった。
10mlの蒸留水に、上記で得られたスルホン酸化アルギン酸ナトリウム0.1gを溶解し、溶液1とした。0.1N酢酸10mlに実施例1で用いたものと同じキトサン0.1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0045】
実施例5
実施例2で用いたものと同じヒアルロン酸ナトリウムを濃度が0.5重量%になるようにして200mlの注射用水(大塚製薬株式会社製)に溶解した。これに、タウリン(和光純薬株式会社製)1.25gおよび水溶性カルボジイミド(株式会社ペプチド研究所製、WSCD・HCl)4gを加えて溶解し、4℃の温度に保ちながら2日間撹拌下に反応させた。その後、注射用水に対して4℃の温度で7日間透析した(VISKASE SALES CORP社製の透析膜を使用;1回当たり1,000mlの注射用水を使用して13回注射用水を交換)。上記で得られた反応生成物を凍結乾燥して、固形物約1.2gを得た。この固形物をIR分析したところ、1562cm-1の位置に、ヒアルロン酸のカルボキシル基とタウリンのアミノ基との間にアミド結合が形成され且つタウリンのスルホン酸基がナトリウム塩の形態になっていることを示す、基−NH−CH2−CH2−SO3Naに相当する吸収があり、基−NH−CH2−CH2−SO3Naで修飾されたヒアルロン酸(以下、スルホン酸化ヒアルロン酸ナトリウムと略記する)であることが確認された。
また、上記で得られた、スルホン酸化ヒアルロン酸ナトリウム(凍結乾燥物)の一部を採って燃焼フラスコ中で分解(02雰囲気下で燃焼後、水に吸収)した後、イオンクロマトアナライザー(横河電気社製「IC500S」)を用いて硫黄含有量を定量したところ、0.17%であった。
10mlの蒸留水に、上記で得られたスルホン酸化ヒアルロン酸ナトリウム0.1gを溶解し、溶液1とした。0.1N酢酸10mlに実施例1で用いたものと同じキトサン0.1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0046】
比較例1
10mlの蒸留水に実施例1で用いたものと同じアルギン酸ナトリウム0.1gを溶解し、全量をガラス板上で薄層状に流延した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0047】
比較例2
10mlの蒸留水に実施例2で用いたものと同じヒアルロン酸ナトリウム0.1gを溶解し、全量をガラス板上で薄層状に流延した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0048】
比較例3
10mlの0.1N酢酸水溶液に実施例1で用いたものと同じキトサン0.1gを溶解し、全量をガラス板上で薄層状に流延した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0049】
比較例4
10mlの蒸留水に実施例3で用いたものと同じポリ−L−リジン0.1gを溶解し、全量をガラス板上で薄層状に流延した後、送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0050】
比較例5
10mlの蒸留水に実施例4で調製したスルホン酸化アルギン酸ナトリウム(凍結乾燥品)0.1gを溶解し、全量をガラス板上で薄層状に流延した後送風乾燥した。乾燥後、ガラス板のフィルムを剥離し、25kGyのγ線で滅菌処理を行い、癒着防止用材料を製造した。
得られた癒着防止用材料を用いて、試験例1および2に示す試験を行った。
【0051】
試験例1
(生体組織表面に対する接着強度の測定)
8週齢のICR系のマウスの腹部を切開し、腹膜の内側を露出させ、長さ1cmの切開創を作成した。この切開創を覆うように、実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例5の癒着防止用材料(1×1.5cm)を貼布し、10分後に犠牲死させ、各々の創について1×2cmの短冊状の腹膜切片を切り出した。短冊の両端をナイロン糸で結紮し、オートグラフAGS−50A型((株)島津製作所製)を用いて、接着面に対して垂直方向に引っ張り、切開創が剥がれた時点の張力を接着強度とした。試料切片の単位面積当たりの接着強度を表2に示す。
【0052】
試験例2
(癒着防止効果の評価)
雄SDラットを各群6匹ずつ11群準備し(平均体重250g)、第1群〜第10群のラットはそれぞれ実施例1〜5および比較例1〜5の試験に使用し、第11群のラットは対照用として使用した。
上記で準備した第1群〜第10群のラットの盲腸の漿膜をガーゼで摩擦して、およそその1/2を剥離した。
上記で盲腸の漿膜を剥離したラットのうち、第1群〜第10群のラットについては、漿膜を剥離した盲腸の表面に、実施例1〜5および比較例1〜5で得られたそれぞれの癒着防止用材料(2cm四方)を、ラット1匹当たり1枚ずつ貼付した。
第1群〜第10群のラットについては、癒着防止用材料貼付後、1週間目に剖検して、癒着状態を肉眼で観察し、下記の表1に示す評価基準にしたがって点数評価し、6匹の平均値を採ったところ、各群の癒着状態は下記の表2に示すとおりの結果であった。
また、第11群のラットには実施例1〜5および比較例1〜5の癒着防止用材料のいずれも貼付しないで1週間後に剖検して、癒着状態を肉眼で観察し、下記の表1に示す評価基準にしたがって点数評価し、6匹の平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0053】
【表1】
Figure 0004267106
【0054】
【表2】
Figure 0004267106
【0055】
上記の表2の結果から、ポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムからなる実施例1〜5の癒着防止用材料の場合には、生体組織表面に対する良好な接着性を示すと共に、優れた癒着防止効果を示すことが判る。それに対して、ポリイオンコンプレックスを形成していないポリアニオン性物質またはポリカチオン性物質からなる比較例1〜5の乾燥フィルムの癒着防止効果は十分ではないことが判る。
さらに、上記の表2の結果から、ポリアニオン性物質としてスルホン酸化アルギン酸またはスルホン酸化ヒアルロン酸を用いた実施例4および実施例5の癒着防止用材料では、その癒着防止効果が一層高いことが判る。
【0056】
【発明の効果】
本発明のポリカチオン性物質とポリアニオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムからなる癒着防止用材料は、生体組織表面に貼り付けると、組織浸出液や血液中の水分を吸収してゲル化して、生体組織表面に接着し、移動しないため、長期間にわたって癒着防止効果を発揮することができる。そして、一旦ゲル化した後のゲル表面は組織表面に対する接着性を示さないために、患部と接触する他の生体組織との間の癒着を防止することができる。

Claims (11)

  1. ポリアニオン性物質とポリカチオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスの乾燥フィルムからなる癒着防止用材料であって、前記乾燥フィルムの一方の面にポリイオンコンプレックスのポリカチオン性物質に由来する部分がより多く分布し、他方の面にポリイオンコンプレックスのポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布していることを特徴とする、癒着防止用材料。
  2. ポリアニオン性物質が酸性多糖類またはその塩である請求項1に記載の癒着防止用材料。
  3. 酸性多糖類がカルボキシル基およびスルホン酸基から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を有する酸性多糖類である請求項2に記載の癒着防止用材料。
  4. 酸性多糖類がアルギン酸である請求項3に記載の癒着防止用材料。
  5. 酸性多糖類がヒアルロン酸である請求項3に記載の癒着防止用材料。
  6. 酸性多糖類がスルホン酸基を有するアルギン酸誘導体である請求項3に記載の癒着防止用材料。
  7. 酸性多糖類がスルホン酸基を有するヒアルロン酸誘導体である請求項3に記載の癒着防止用材料。
  8. ポリカチオン性物質が1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質である請求項1〜7のいずれか1項に記載の癒着防止用材料。
  9. 1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質が塩基性多糖類またはその塩である請求項8に記載の癒着防止用材料。
  10. 塩基性多糖類がキトサンである請求項9に記載の癒着防止用材料。
  11. ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質のうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の癒着防止用材料。
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