JP4241985B2 - 医療用接着材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスのフィルムを積層してなる医療用接着材に関する。本発明の医療用接着材は、患部において血液または生体組織浸出液を吸収し、ゲル化するときに組織表面に接着するフィルムであり、特に外科手術用の組織接着材として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、外科手術用の組織接着材として、下記のようなものが知られている。
代表的なものとしては、フィブリノーゲン、血液凝固第XIII因子およびトロンビンからなる、いわゆるフィブリン糊が挙げられる。現在、数社から市販されているが、いずれもヒト血漿由来のフィブリノーゲンを用いているため、ウィルス等の病原体に感染する可能性を否定できないという問題点がある。さらに、使用直前に数種類の材料を混合する必要があり、操作性の点でも問題が残されている。
【0003】
また、シアノアクリレート系の組織接着材が市販されているが、硬化速度が早く接着強度も高い反面、硬化後の柔軟性に欠けることおよび生体内で分解した場合に有害なホルムアルデヒドを生成することが問題点として指摘されている。
さらに、ゼラチン、レゾルシノールおよびホルムアルデヒドからなる組織接着材が日本国内で最近上市されたが、これもホルムアルデヒドの毒性の問題を有している。また、使用直前に数種類の試薬を混合する必要があり、操作性の点でも満足できるものではない。
【0004】
さらに、特開昭62−290465号公報には、ジイソシアネートウレタンプレポリマーを用いる組織接着材が開示されているが、ジイソシアネートの分解産物には発癌性の問題が指摘されており、未だに実用化されていない。
以上のように、従来の組織接着材には、感染性、感作性、毒性などの生物学的安全性の問題や、操作性の問題が残されている。
【0005】
ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を水の共存化で混合すると、速やかにポリイオンコンプレックスが形成されることはよく知られており、ポリイオンコンプレックスは医薬品、医療用具をはじめ広い分野で利用されている。例えば、特開昭53−110693号公報にはデキストランの陰イオン性部分置換体と多糖類の陽イオン性部分置換体を反応させて得た高分子複合体を粉末、粒状または錠剤とした止血剤が開示されており、特開昭61−73665号公報には、カルシウム塩水溶液を添加したポリアニオン性材料水溶液とポリカチオン性材料水溶液を傷口に噴霧して皮膜を形成する傷口保護剤が開示されている。しかしながら、これらのポリイオンコンプレックスの利用法では、ポリイオンコンプレックスの粉末を患部に適用するか、患部で溶液を混合してポリイオンコンプレックスを形成するため、ゲル自体には強度が期待できず、組織接着材として適していない。
【0006】
また、特開平3−278538号公報には、歯周ポケット内に注入する、高分子電解質錯体を有効成分とする歯周組織再生促進用薬剤が開示されているが、組織接着材用途は記載されていない。
そして、特開平8−224293号公報には、キトサン、アルギン酸、キチン及び支持体を順次重ね合わせた構造を有する創傷治療用多層体が開示されている。しかしながら、該創傷治療用多層体は、予め製造したキトサン−アルギン酸複合体を支持体の上に形成したキチン分散液層またはキチン層の上に乗せて乾燥することにより製造されており、該キトサン−アルギン酸複合体はキトサンおよびアルギン酸を水に溶解することなく製造されるため、該創傷治療用多層体のキトサンとアルギン酸とはポリイオンコンプレックスを形成していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、患部に貼布した後に、患部の血液または組織浸出液を吸収してゲル化すると同時に患部と接着し、組織接着に十分なゲル強度を有する医療用接着材を提供することにある。
本発明の他の目的は、手術中などに混合、溶解等の前処理を必要としない、操作性に優れた医療用接着材を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は感染性、感作性などの心配がない生体安全性に優れた医療用接着材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するための手段を鋭意検討した結果、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスのフィルムを積層してなる医療用接着材を提供することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリカチオン性物質は、その分子中に複数個のカチオン性基を有し、水の存在下に後記ポリアニオン性物質とゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、該ポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものであれば特に制限はなく、特に、患部の組織が治癒した後に分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることが好ましい。
そして、ポリカチオン性物質は、水に溶解または膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でカチオン性基がプラスの電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。
【0010】
カチオン性基としては、例えばアミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基;グアニジノ基などが挙げられ、ポリカチオン性物質としては1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質が好ましい。
【0011】
ポリカチオン性物質としては既知のものを使用すればよく、好ましいものとして、キトサン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体または共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の塩基性ビニルポリマー、およびこれらの塩類(塩酸塩、酢酸塩など)が挙げられる。これらの中でも、塩基性多糖類、その誘導体(アセチル化物など)、それらの塩がより好ましく、塩基性多糖類としてはキトサンが好ましい。キトサンはキチンの脱アセチル化物であり、その脱アセチル化度としては、生体吸収性、水溶性の観点から、40〜100%の範囲内が好ましく、45〜90%の範囲内がより好ましく、50〜80%の範囲内がさらに好ましい。
さらに、上記のポリカチオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。ポリカチオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。ポリカチオン性ポリマーがアミノ基を有する場合には、ポリカチオン性ポリマーのアミノ基をジカルボン酸と縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
【0012】
ポリカチオン性物質の分子量は特に制限されないが、分子量が大きくなるにしたがって、フィルム製造時に溶液の粘度が高くなり流延が困難となること、乾燥時にフィルムが硬化して製造が困難となることおよび生体吸収性が低下する傾向があることから、ポリカチオン性物質の粘度(1%水溶液を20℃で測定)は10,000cp以下であるのが好ましく、5,000cp以下であるのがより好ましい。
【0013】
また、ポリカチオン性物質の好ましいものとして、低分子のジアミン、ポリアミンを使用することもできる。例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサンなどのジアミノアルカン類などのように1分子中に2個のアミノ基を有する化合物や、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N’−(ジリジル)−ジアミノヘキサンなどのモノまたはジリジルアミノアルカン類などのように1分子中に3〜4個のアミノ基を有する化合物や、1分子中に5個以上のアミノ基を有する化合物を用いることも可能である。
さらに、本発明の医療用接着材では、2種類以上のポリカチオン性物質を用いることも可能である。
【0014】
ポリアニオン性物質としては、その分子中に複数個のアニオン性基を有し、水の存在下に前記ポリカチオン性物質とゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、該ポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものであれば特に制限はなく、特に、患部の組織が治癒した後に分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることが好ましい。
そして、ポリアニオン性物質は、水に溶解または膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でアニオン性基が解離することによりマイナスの電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。
【0015】
アニオン性基としては、例えばカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、ポリアニオン性物質としては、特に1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する物質が好ましい。
【0016】
本発明に用いられるポリアニオン性物質の好ましい例としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチンなどのカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性基を有する天然酸性多糖類、その誘導体;セルロース、デキストラン、デンプンなどの天然ではカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性基を有しない多糖類にアニオン性基を結合させて人工的に合成された酸性多糖類、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化セルロース、硫酸化デキストラン、それらの誘導体;ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体などの酸性アミノ酸の単独重合体または共重合体;ポリアクリル酸などの酸性ビニルポリマー、およびこれらの塩類(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩)が挙げられる。さらにこれらのポリアニオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。ポリアニオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。ポリアニオン性ポリマーがカルボキシル基を有する場合には、ポリアニオン性ポリマーのカルボキシル基をジアミンと縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
【0017】
酸性多糖類の誘導体としては、それが有する水酸基の一部または全部を酢酸、硝酸、硫酸、リン酸などと反応させたもの;カルボキシル基を有する酸性多糖類のカルボキシル基の一部をエチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子アルコールでエステル化した化合物等が挙げられ、具体的には、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル、ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。これらの誘導体におけるエステル化度は特に制限されないが、エステル化度が高くなりすぎると、カルボキシル基の割合、すなわちアニオン性が低下し、前記ポリカチオン性物質との間に形成されるポリイオンコンプレックスの機械的強度が低下する傾向にあるため、エステル化度は80%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。
【0018】
酸性多糖類またはその誘導体の塩としては、酸性多糖類またはその誘導体と1価のイオンとの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
ポリアニオン性物質としては、特に酸性多糖類、その誘導体、それらの塩が好適であり、特にアルギン酸、その誘導体(具体的には、アルギン酸プロピレングリコールエステル)、それらの塩(例:ナトリウム塩などのアルカリ金属塩)が好ましい。
【0019】
ポリアニオン性物質の分子量は特に制限されないが、分子量が大きくなるにしたがって、フィルム製造時に溶液の粘度が高くなり流延が困難となること、乾燥時にフィルムが硬化して製造が困難となることおよび生体吸収性が低下する傾向があることから、ポリアニオン性物質の粘度(1%水溶液を20℃で測定)は10,000cp以下であるのが好ましく、5,000cp以下であるのがより好ましい。
【0020】
また、ポリアニオン性物質として1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物を用いることも可能であり、例えば、コハク酸、マロン酸などの1分子中に2個のカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。
さらに、本発明の医療用接着材では、2種類以上のポリアニオン性物質を用いることも可能である。
【0021】
本発明に用いるポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の組合せは、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成し、ゲル化するものであれば、いずれの組合せでもよく、安全性の観点から、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質のうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであるのが好ましい。
【0022】
また、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の混合比は、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成してゲル化する混合比であれば、どのような混合比でもよく、過剰量のポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質に、他方を混合してポリイオンコンプレックスを形成することもできる。
【0023】
本発明の医療用接着材は、薄層状に流延したポリイオンコンプレックスを乾燥してフィルムとすることにより製造することができる。薄層状に流延したポリイオンコンプレックスは、例えば、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を水または他の溶媒に別々に溶解し、混合した後薄層状に流延するか、薄層状に流延しつつ混合するか、あるいは一方の溶液を薄層状に流延した後他方の溶液を混合する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を水または他の溶媒に溶解し、該溶液に他方を溶解した後薄層状に流延するか、溶解しつつ薄層状に流延するか、あるいはいずれか一方を薄層状に流延した後他方を添加する方法、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を粉末状態で混合し、水または他の溶媒に溶解した後薄層状に流延するか、水または他の溶媒に溶解しつつ薄層状に流延するか、あるいは混合した粉末を薄層状に散布した後水または他の溶媒を加えて溶解する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を粉末、他方を乾燥フィルムとし、これに上記の粉末を散布した後、水または他の溶媒に溶解する方法などによって製造することができる。
【0024】
また、薄層状に流延されたポリイオンコンプレックスの乾燥方法としては、ポリカチオン性物質、ポリアニオン性物質および生成したポリイオンコンプレックスの変質などを生じない方法であればいずれも採用することができ、例えば、自然乾燥法、減圧乾燥法、溶媒置換乾燥法、加熱乾燥法、送風乾燥法などを挙げることができる。
【0025】
本発明の医療用接着材に用いるポリイオンコンプレックスを形成するポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質自体が組織接着性を有する場合、フィルムの一方の面に当該ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質に由来する部分をより多く分布させることにより、さらに高い組織接着性を得ることができる。また、ポリイオンコンプレックスのフィルムを積層してなる医療用接着材を製造する場合、積層した各フィルム相互の接着性を得るために、フィルムの一方の面にポリカチオン性物質に由来する部分、他方の面にポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布しているポリイオンコンプレックスのフィルムが好適に使用される。
このように、フィルムの少なくとも一方の面にポリイオンコンプレックスのポリカチオン性物質に由来する部分またはポリアニオン性物質に由来する部分をより多く分布させることにより、組織接着性、積層フィルムを構成する各フィルム間の接着性を向上させることができる。
【0026】
フィルムの少なくとも一方の面にポリカチオン性物質に由来する部分またはポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布しているポリイオンコンプレックスのフィルムを製造する方法としては、ポリイオンコンプレックスのフィルムを製造したときに目的の面にポリカチオン性物質に由来する部分またはポリアニオン性物質に由来する部分をより多く分布させることが可能な方法であればいずれも採用することができる。例えば、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質を水または他の溶媒に別々に溶解し、まず一方を薄層状に流延し、その上に他方を薄層状に流延した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を乾燥フィルムとし、他方を水または他の溶媒に溶解した溶液を該乾燥フィルムに塗布した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質のいずれか一方を水または他の溶媒に溶解した溶液を薄層状に流延し、その上から粉末状の他方を散布して溶解した後乾燥する方法、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質をそれぞれ乾燥フィルムとし、重ね合わせた状態で水または他の溶媒に溶解する方法などによって行うことができる。
【0027】
いずれの方法を用いる場合も、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質を溶解する溶媒としては、ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質が溶解する溶媒であれば、どのような溶媒でも用いることができるが、ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質により多くの電荷を発生させる観点から、水または無機塩類の水溶液が適当である。ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質の溶液中の濃度は特に制限されず、各製造法に応じて適宜加減して設定すればよい。
【0028】
本発明の医療用接着材の製造に用いるポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質の少なくとも一方が塩であり、当該塩が有するカチオン性基またはアニオン性基の対イオンを除去することによりポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質の水への溶解性が低下する場合、ポリイオンコンプレックスのフィルムを形成した後に該フィルムに含まれる対イオンを除去することによって、医療用接着材の力学的強度を向上させることができる。
【0029】
対イオンを除去する方法としては、カチオン性基の対イオンを除去する場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の塩基の水溶液などのアルカリ性溶液、アニオン性基の対イオンを除去する場合は、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸の水溶液などの酸性溶液にポリイオンコンプッレクスのフィルムを浸漬した後、適当な溶媒で洗浄し、乾燥する方法が好ましい。洗浄に用いる溶媒としては、ポリイオンコンプレックスのフィルムを溶解することなく湿潤させることができる溶媒であれば特に制限はなく、フィルム中の対イオンを効率よく溶解して洗浄効果を高める観点から、水または塩化ナトリウム、塩化カルシウム、酢酸ナトリウム等の無機塩類の水溶液が好ましい。
上記のアルカリ性溶液、酸性溶液または洗浄に用いる溶媒には、ポリイオンコンプレックスが膨潤して力学的強度が低下するのを防ぐために、エタノール、メタノール、アセトン等の有機溶媒を添加することができる。
【0030】
また、揮発性が高い対イオンを除去する場合には、ポリイオンコンプレックスのフィルムを、当該フィルムを構成するポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質が変質しない程度に加熱する方法を採用することもできる。
【0031】
本発明の医療用接着材は、力学的強度を向上させる観点から、2枚以上のポリイオンコンプレックスのフィルムを積層した形態とする。積層するフィルムの枚数としては、フィルムの吸水性、乾燥状態でのフィルムの柔軟性の観点から、2〜15枚が好ましく、2〜10枚がより好ましい。また、2種以上のフィルムを積層することもでき、これにより医療用接着材に各フィルムを構成するポリイオンコンプレックスが有する力学的強度、組織接着性、生体吸収性などの特性を合わせもたせることができる。
【0032】
ポリイオンコンプレックスのフィルムを積層してなる医療用接着材は、積層するフィルムを適当な溶媒で湿潤させて重ね合わせるか、各フィルムを重ね合わせて適当な溶媒で湿潤させるかした後、乾燥することにより製造することができる。フィルムを湿潤させる溶媒としては、ポリイオンコンプレックスのフィルムが溶解することなく湿潤する溶媒であれば、どのような溶媒でも用いることができるが、個々のフィルムの電荷による接着性の観点から、水または無機塩類の水溶液が適当である。また上記の溶媒には、重ね合わせた面を接着するために適当なポリカチオン性物質またはポリアニオン性物質を添加することができ、ポリイオンコンプレックスの膨潤を防ぐために、エタノール、メタノール、アセトン等の有機溶媒を添加することができる。
【0033】
ポリイオンコンプレックスのフィルムの厚みは特に制限されないが、吸水性、乾燥状態での柔軟性の観点から、0.5mm以下であるのが好ましく、0.2mm以下であるのがより好ましい。また、ポリイオンコンプレックスのフィルムの水分含量が多いと、患部に貼布したときの吸水性が低下するため、フィルムの含水率は60%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。
【0034】
本発明の医療用接着材は、特に外科手術用の組織接着材として好適に用いられる。例えば、皮膚の接着、肝臓、脾臓等の実質臓器の切開部の接着、腸管、卵管等の吻合、硬膜、胸膜、筋膜、腹膜等の膜の接着、実質臓器からの湧出性出血を止める止血用接着材、縫合時の縫合糸穴からの出血などを止める縫合補助材、肺からの空気漏洩の防止用の接着材などとして用いられる。
【0035】
本発明の医療用接着材の使用方法としては、患部に貼布した後に、血液、組織液などの水分を吸収し、ゲル化させることが可能な方法であれば、いずれの方法でも用いることができる。例えば、本発明の医療用接着材を乾燥状態のまま接着したい患部に貼布し、患部の血液、組織液などの水分を吸収させることによりゲル化させればよい。
また、患部に水分が少なくゲル化が不十分な場合は、本発明の医療用接着材を患部に貼布した後、外部から水分を補給し、該接着材のゲル化を促進することもできる。外部から補給する水分としては、患部に無害な水溶液であればどのような溶液でも用いることができるが、生理食塩水またはリンゲル液が適当である。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はそれによって何ら制限されない。
【0037】
実施例1
0.1N塩酸100mlにポリアリルアミン(日東紡績株式会社製、L型、分子量1万)1gを溶解し、溶液1とした。また、100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度100〜150cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1と溶液2の全量をガラス板上で混合し、薄層状に流延した後自然乾燥した。
この乾燥状態のフィルムを蒸留水で湿潤させつつ3枚重ね合わせ、再度自然乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】
比較例8
0.1N酢酸100mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500、脱アセチル化度85%)1gを溶解し、溶液1とした。また、100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度500〜600cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1と溶液2の全量をガラス板上で混合し薄層状に流延した後、送風乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0039】
実施例3
0.1N酢酸100mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500、脱アセチル化度85%)1gを溶解し、溶液1とした。また、100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度300〜400cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1と溶液2の全量をガラス板上で混合し薄層状に流延した後、送風乾燥した。
この乾燥状態のフィルムを蒸留水で湿潤させつつ5枚重ね合わせ、再度送風乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
実施例4
0.1N酢酸100mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500、脱アセチル化度85%)1gを溶解し、溶液1とした。また、100mlの蒸留水にデキストラン硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、分子量50万)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1と溶液2の全量をガラス板上で混合し薄層状に流延した後、40℃で加熱乾燥した。
この乾燥状態のフィルムを蒸留水で湿潤させつつ5枚重ね合わせ、再度加熱乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】
実施例5
0.1N酢酸100mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500、脱アセチル化度85%)1gを溶解し、溶液1とした。また、100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度500〜600cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が下層、溶液2が上層となるように、溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後送風乾燥した。
この乾燥状態のフィルムを蒸留水で湿潤させつつ5枚重ね合わせ、再度送風乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、キトサンに由来する部分がより多く分布している面について試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0042】
実施例6
0.1N酢酸100mlにキトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500、脱アセチル化度85%)1gを溶解し、溶液1とした。また、蒸留水100mlにアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度500〜600cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が上層、溶液2が下層となるように溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、40℃で加熱乾燥してフィルムを得た。
得られた乾燥フィルムをガラス板ごと0.1N水酸化ナトリウム/60%エタノール水溶液に5分間浸漬し、60%エタノール水溶液で洗浄した後、送風乾燥した。フィルムをガラス板から剥離し、キトサンに由来する部分が多く分布している面について試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0043】
実施例7
0.1N酢酸100mlにキトサン(脱アセチル化度60%、粘度300〜400cp)1gを溶解し、溶液1とした。また、蒸留水100mlにアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度500〜600cp)1gを溶解し、溶液2とした。溶液1が上層、溶液2が下層となるように溶液1と溶液2の全量をガラス板上で薄層状に重層した後、40℃で加熱乾燥してフィルムを得た。
得られた乾燥フィルムをガラス板ごと0.1N水酸化ナトリウム/60%エタノール水溶液に5分間浸漬し、60%エタノール水溶液で洗浄した後、送風乾燥した。フィルムをガラス板から剥離し、キトサンに由来する部分が多く分布している面について試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0044】
比較例1
0.1N塩酸100mlにポリアリルアミン(日東紡績株式会社製、L型、分子量1万)1gを溶解し、ガラス板上に流延後、自然乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
比較例2
100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度300〜400cp)2gを溶解し、ガラス板上に流延後、送風乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0046】
比較例3
0.1N塩酸100mlにポリアリルアミン(日東紡績株式会社製、L型、分子量1万)1gを溶解した。100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度300〜400cp)2gを溶解した。
上記のポリアリルアミン塩酸塩水溶液とアルギン酸ナトリウム水溶液について、試験例に記載した試験を行った。ただし、両液を予め混合し、患部に塗布した。結果を表1に示す。
【0047】
比較例4
0.1N塩酸100mlにポリアリルアミン(日東紡績株式会社製、L型、分子量1万)1gを溶解した。100mlの蒸留水にアルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、粘度300〜400cp)2gを溶解した。
上記のポリアリルアミン塩酸塩水溶液とアルギン酸ナトリウム水溶液について、試験例に記載した試験を行った。ただし、使用時に両液を患部にて混合した。結果を表1に示す。
【0048】
比較例5
キトサン綿(不織布をほぐして綿状にしたもの)0.8gを水500mlに分散させ、30×25cmの濾紙上に均一になるように流し入れ、濾過することにより濾紙上にキトサン層を形成した。その上に厚み1mmのアルギン酸不織布を乗せ、キトサン層をアルギン酸不織布上に移し取った。これに、200mlの水を滴下した後凍結真空乾燥し、キトサン−アルギン酸シートを得た。このシートのキトサン面について、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0049】
比較例6
フィブリン糊(ベーリングベルケ社製)について、試験例に記載した試験を行った。
【0050】
比較例7
デキストラン硫酸ナトリウム(和光純薬株式会社製、分子量50万)0.13gを100mlの蒸留水に溶解し、塩酸を添加してpH2.8とした。
キトサン(和光純薬株式会社製、キトサン500)0.05gを50mlの蒸留水に分散し、塩酸を添加して溶解しpH2.6とした。
上記のデキストラン硫酸ナトリウム溶液およびキトサン溶液を室温で30分間混合し、遠心分離により反応溶液から白色沈殿を得た。この白色沈殿を水洗後、真空乾燥して白色粉末を得た。この粉末を25kGyのγ線照射により滅菌した後、試験例に記載した試験を行った。結果を表1に示す。
【0051】
試験例:皮膚の切開創の接着強度の測定8週齢のICR系のマウスの腹部を切開し、腹膜に長さ1cmの切開創を作製した。この切開創に実施例1、3、4、5、6、7、比較例1、2、または8の試料切片(1×1.5cm)を貼布するか(ただし、実施例5、6および7の試料切片についてはキトサンに由来する部分がより多く分布する面、比較例5の試料切片についてはキトサン面を貼布した)、比較例3、4、6または7の試料を塗布または散布するかして接着し、10分後に犠牲死させ、各々の創について1×2cmの短冊状の腹膜切片を切り出した。短冊の両端をナイロン糸で結紮し、オートグラフAGS−50A型((株)島津製作所製)を用いて、切開創接着面に対して垂直方向に引っ張り、切開創が剥がれた時点の張力を接着強度とした。試料切片の単位面積当たりの接着強度を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004241985
【0053】
表1から明らかなように、比較例1および2の試料を用いた場合には、貼布直後に溶解し、接着できなかった。また、比較例3および4の試料を用いた場合には接着せず脱落し、比較例5の試料を用いた場合には2gf/cm2、比較例6の試料を用いた場合には10gf/cm2、比較例7の試料を用いた場合には4gf/cm2という低い接着強度しか示さなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、患部に貼布した後に、患部の血液または組織浸出液を吸収してゲル化すると同時に患部と接着し、組織接着に十分なゲル強度を有する医療用接着材が提供される。
本発明の医療用接着材は、患部の組織と接着すると同時にゲル化し、組織との密着性が高く、また感染性、感作性などの心配がなく生体安全性に優れることから、組織接着材として、簡便かつ有効に使用することができる。
さらに、本発明の医療用接着材は、ポリイオンコンプレックスのフィルムとして提供され、患部組織液等でゲル化することから、組織接着材として手術中に使用する場合、混合、溶解等の前処理を必要とせず、操作性に極めて優れている。

Claims (9)

  1. ポリカチオン性物質とポリアニオン性物質から形成されるポリイオンコンプレックスのフィルムを積層してなる医療用接着材。
  2. ポリカチオン性物質が、1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質である請求項1に記載の医療用接着材。
  3. 1分子中に2個以上のアミノ基を有する物質が、塩基性多糖類、その誘導体またはそれらの塩である請求項2に記載の医療用接着材。
  4. 塩基性多糖類、その誘導体またはそれらの塩が、キトサン、その誘導体またはそれらの塩である請求項3に記載の医療用接着材。
  5. ポリアニオン性物質が、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する物質である請求項1〜4のいずれかに記載の医療用接着材。
  6. 1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する物質が、酸性多糖類、その誘導体またはそれらの塩である請求項5に記載の医療用接着材。
  7. 酸性多糖類、その誘導体またはそれらの塩が、アルギン酸、その誘導体またはそれらの塩である請求項6に記載の医療用接着材。
  8. ポリカチオン性物質およびポリアニオン性物質のうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の医療用接着材。
  9. フィルムの少なくとも一方の面にポリイオンコンプレックスのポリカチオン性物質に由来する部分またはポリアニオン性物質に由来する部分がより多く分布している請求項1〜8のいずれかに記載の医療用接着材。
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