JP4266854B2 - リサイクル対応型太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池モジュールに関し、特に、太陽電池のリサイクル使用に好適なリサイクル対応型太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵のエネルギー源である太陽からの光を直接電気変換できることから新しいエネルギー源として期待されている。
斯かる太陽電池を家庭或いはビル等の電源として用いるにあたっては、太陽電池1枚当たりの出力が精々数W程度と小さいことから、通常複数の太陽電池セルを電気的に直列、並びに並列に接続することで、出力を数100Wにまで高めた太陽電池モジュールとして使用されている。
図7は、斯かる従来の太陽電池モジュールの一部分を示す構造断面図であり、複数の太陽電池セル100が互いに銅箔等の導電材よりなるタブ102により電気的に接続され、ガラス、透光性プラスチックのような透光性を有する表面部材130と、アルミニウム(Al)箔を間に挟んだ弗化ビニールフィルムからなるサンドイッチ型裏面部材120との間に、耐候性、耐湿性に優れたEVA(ethylene vinylacetate、エチレン酢酸ビニル)等の透光性を有する封止材140により封止されている。
上記の太陽電池モジュールに使用される太陽電池セル100としては、例えば、p型の導電性を有する単結晶シリコン111の表面には約5μm程度の深さにまでn層112が、n型不純物を熱拡散させることにより形成されており、このn層112上に櫛型状の集電極113が形成されている。また、基板111の裏面には前記集電極113と対をなす裏面電極114とが形成されたものが用いられている。
図7に示すような従来の太陽電池モジュールにおいては、リサイクルを意識せずに製造されているために、そこから太陽電池セルを回収することは困難であった。
そこで、太陽電池セルの周囲を封止剤で封止する太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルと封止材との間に、太陽電池セルとは接着しない非接着シートを介在させて、リサイクルを容易にする方法が提案されている(例えば、特開2003−142720号公報)。
上記した太陽電池セルと封止材との間に、太陽電池セルとは接着しない非接着シートを介在させた場合には、モジュールを廃棄する際には、太陽電池セルの外周の非接着シートを切断することにより、容易に太陽電池セル回収することができる。
特開2003−142720号公報
しかしながら、上記した回収方法においては、太陽電池セル自体は回収することができるが、1個の太陽電池セル毎に分離されるため、太陽電池セル同士を接続するタブも切断されてしまうことになる。このため、これら太陽電池セルを再利用しようとすると、前のタブの残りを取り除いた後、タブを再び接続する必要があり、この作業が煩わしいという難点がある。
この発明は、上記した従来の難点を解決するためになされたものにして、太陽電池モジュール用に適した単位でのリサイクルが可能なリサイクル型太陽電池モジュールを提供することを目的とする。太陽電池モジュール内の一単位、即ちタブで接続された複数の太陽電池セルを一単位として、タブを切断することなく回収、取り替えが可能な太陽電池モジュールを提供するものである。
この発明は、光入射側から透光性基板、封止材、太陽電池セルには接着せず且つ前記透光性基板より大きさが小さい非接着シート、タブによって接続された複数の太陽電池セル、裏面材の順で積層され、前記複数の太陽電池セルからなる単位ユニットの周囲が封止材で封止されると共に、前記非接着シートは、複数の単位ユニットを覆う大きさを有するとともに、単位ユニットを囲むように複数の穴が設けられ、単位ユニット毎に区画するように構成できる。
また、前記単位ユニットは、ストリング単位或いはバイパスダイオードの接続単位で構成することができる。
上記した構成によれば、裏面部材を剥がすことで、単位ユニット毎に太陽電池セルを回収することができ、タブで接続された複数の太陽電池セルを一単位として、タブを切断することなく回収、取り替えができる。
また、単位ユニットを覆う非接着シートを用いるため、単位ユニット間で封止材と裏面材の接着が可能となり、単位ユニット間の位置ずれが生じることもなく、外観及び特性不良が起きない良好な太陽電池モジュールを提供することができる。
また、裏面側に封止材を用いないことで、材料費削減により低コストな太陽電池モジュールが提供できる。
更に、前記単位ユニットとして、バイパスダイオードの接続単位で構成すると、交換の単位もこのユニット単位とすれば、不良セルの生じたユニット毎交換できるので、再利用の際等は非常に作業性が向上する。
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略を示す分解斜視図、図2は、この発明の実施形態の太陽電池モジュールの平面図、図3は、図2のA−A線断面図、図4は、図2のB−B線断面図である。
この発明の太陽電池モジュールは、図1及び図2に示すように、複数の太陽電池セル1…を備えている。この太陽電池セル1は、従来例で示すような単結晶シリコンや多結晶シリコンなどで構成される結晶系電池セルや単結晶シリコン基板と非晶質シリコン層との間に実質的に真性な非晶質シリコン層を挟み、その界面での欠陥を低減し、ヘテロ接合界面の特性を改善した構造、いわゆるHIT構造の太陽電池セルなどで構成されている。この複数の太陽電池セル1の各々は互いに隣接する他の太陽電池セル1と扁平形状の銅箔などで構成されたタブ12を介して直列に接続されている。即ち、タブ12の一方端側が所定の太陽電池セル1の上面側の集電極に接続されるとともに、他方端側がその所定の太陽電池セル1に隣接する別の太陽電池素子1の下面側の集電極に接続される。
この実施形態においては、12個の太陽電池セル1…を1単位ユニットとし、この実施形態ではストリングを1単位ユニットとしている。1つのストリングス10は、12個の太陽電池セル1…がタブ12を用いて直列に接続されている。そして、8つのストリングス10が並列に接続されている。この太陽電池モジュール11は、太陽電池セル1が12直列×8列で構成されている。尚、直列数が増減、即ち、ストリング10における太陽電池セル1の数が増減しても同様にこの発明は適用できる。また、ストリング10の接続方法は、直列でも並列であっても良い。
この太陽電池モジュールは、太陽光線に入射側から透光性基板としての表面ガラス2、EVA(エチレン酢酸ビニル)からなる封止材3、非接着シート5、タブ12によって接続された複数の太陽電池セル1…で構成さているストリングス10、PET(Poly Ethylene Terephtalate)/アルミニウム(Al)箔/PETの3層構造からなる裏面材4の順で積層し、一体化されている。非接着シート5は、表面ガラス2と裏面材4よりは少し小さく形成されている。図1の裏面材4上に点線で記載しているように、積層したときに非接着シート5の端部は表面ガラス2及び裏面材4より内側に位置し、太陽電池モジュールの周囲は表面ガラス2と裏面材4と封止材3が直接接着される。
太陽電池モジュールの周囲にはアルミニウムなどからなるフレーム6が取り付けられる。
この太陽電池モジュールは、表面ガラス2の上にEVAシートからなる封止材3を載せた後、非接着シート5を介して複数のストリングス10を載せる。そして、その上にPET/アルミニウム箔/PETの3層構造を有する裏面材4を載せる。その後、加熱しながら加圧することによって、表面ガラス2、封止材3、非接着シート5、タブ12により接続した複数の太陽電池セル1からなるストリングス10および裏面材4を一体化させる。
上記した非接着シート5の全体の大きさは、全てのストリング10…を覆う大きさより若干大きく、表面ガラス2、封止材3、裏面材4より若干小さく構成されている。そして、ストリングス10よりはみ出した部分が切り代となる。
図5に示すように、非接着シート5は、この実施形態においては、PTFE(4弗化エチレン)からなり、各ストリング10より若干大きくストリング10を囲むように複数の穴51…が設けられている。この複数の穴51…により、非接着シート5の各ストリング10間は分離され、ストリング10毎に区画されている。
上記したように、太陽電池モジュールを一体化すると、図3及び図4に示すように、非接着シート5が無い表面ガラス2の周囲と裏面部材4とが封止材3により接着され、密封されると共に、穴51間に封止材3が入り込み、ストリングス10間でも表面ガラス2と裏面材4とが封止材3により固定される。各ストリング10は、穴51に入り込んだ封止材により表面ガラス2と裏面材4との間で固定される。この結果、隣接するストリング10とストリング10間は、表面ガラス2と太陽電池セル1間に介在する封止材3により裏面材4と接着しているため、ストリング10の位置ずれは生じない。
また、図3及び図4に示すように、太陽電池セル1、タブ12を含むストリングス10の表裏は、非接着シート5と裏面材4とで挟まれた状態で固定されている。
リサイクルの際などで、ストリング10を取り出す場合には、表面ガラス2側より、ストリング10より若干大きく囲むように構成された穴51…とストリング10との間を確認し、裏面部材4側からこの位置を切り代として切開することにより、ストリング10単位で取り出すことができる。
ストリング10単位での取り出しは、隣接する太陽電池セル1同士のタブ12を切断すること無く行える。このため、検査などを行い、ストリング10が再利用可能な場合には、太陽電池セル1間を接続するタブ12がそのまま利用できるので、ストリング10間の接続だけで太陽電池モジュールを構成することができ、再利用のための作業性が向上する。
また、太陽電池セル1と裏面材4との剥離を容易にするには、図6に示したように、裏面部材4側に切り込み線7を入れるとよい。
上記した実施形態においては、1枚の非接着シート5にストリング10を囲むように、穴51をもうけ、各ストリング10を分離しているが、各ストリング10毎に若干大きな非接着シートを用意するように構成してよい。例えば、上記実施形態のように、12直列×8列のように、8個のストリング10で構成されている場合に、8個のストリング10より若干大きな非接着シートを用意し、この非接着シートをストリング10と封止材との間に介在させるように構成してもよい。このように、非接着シートの大きさをストリング10より大きくすることにより、ストリング単位での太陽電池セルの取り出しが可能となる。この場合、電力不良などが生じたストリングを取り出すことで、他の太陽電池セルと交換することも可能となる。
また、上記したストリングは、12直列を1つのストリングとしてこれを単位ユニットとしているが、単位ユニットはこれに限られず、例えば、バイパスダイオードを介在させる単位を1つの単位ユニットとしてもよい。この実施形態の場合は、12直列×2列を1つの単位ユニットとすればよく、この単位の大きさの非接着シートを用意すればよい。バイパスダイオードとは、そもそも影あるいは不良等の影響により太陽電池セル1の発電量が低下したときに、この発電量が低下した太陽電池セル1を含むユニット毎バイパスして、他のユニットだけで発電を行うものである。従って、交換の単位もこのユニット単位とすれば、不良セルの生じたユニットの確認作業が容易となり、また交換もユニット単位で行うことができるので、再利用の際等は非常に作業性が向上する。
上記した構造によれば、非接着シート5と裏面材4との間で挟まれた太陽電池セル1は、封止材3で表裏面が覆われることはない。このため、リサイクル時には、容易に太陽電池セル1を含むストリング10が回収できる。ただし、封止材により完全に被覆された従来の構造に比べると耐候性がやや落ちる虞がある。そこで、太陽電池セル1の表裏面に被覆膜を形成したものを用いることが好ましい。被覆膜としては、SiOx、SiOxNy、SiNなどの材料をスパッタ法、ディップ法、蒸着法などにより形成すればよい。
また、非接着シート5の材料としては、PTFE(4弗化エチレン)を用いたが、PTFE以外にも、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、PCTFE(3弗化塩化エチレン)なども使用でき、太陽光を透過する透過性に優れていることが好ましい。
また、上記した実施形態においては、裏面材4としては、PET/アルミニウム(Al)箔/PETの3層構造の積層フィルムを用いたが、積層構造に限らず単層構造のものでもよい。材料としては、PET、PVF(ポリ弗化ビニル)、PVDF(ポリ弗化ビニリデン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロポロピレン共重合体)、ETFE、PC(ポリカーボネート)、PVC、PMMA(アクリル)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、FRP(繊維強化プラスチック)、PVDC、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)、PCTFE(3弗化塩化エチレン)などを使用することができる。また、これらから選択した複数材料による複合シートでもよい。例えば,PET/PVFの複合シートを用いてもよい。更に、これらフィルムに無機酸化物(アルミニウム酸化物、珪素酸化物)、窒化物(SiN)、弗化物(HgF、CaF)等を蒸着させたシートを用いてもよい。また、フィルム間に金属箔を挟む構造としては、上記したAl箔以外に、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などの金属箔を用いてもよい。
この発明の実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略を示す分解斜視図である。 この発明の実施形態の太陽電池モジュールの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 この発明に用いる非接着シートの一例を示す平面図である。 この発明に用いる非接着シートの他の例を示す平面図である。 従来の太陽電池モジュールの一部分を示す構造断面図である。
符号の説明
1 太陽電池セル
2 表面ガラス
3 封止材(EVA)
4 裏面材
5 非接着シート
6 フレーム
10 ストリングス
12 タブ
51 穴

Claims (3)

  1. 光入射側から透光性基板、封止材、太陽電池セルには接着せず且つ前記透光性基板より大きさが小さい非接着シート、タブによって接続された複数の太陽電池セル、裏面材の順で積層され、前記複数の太陽電池セルからなる単位ユニットの周囲が封止材で封止されると共に、前記非接着シートは、複数の単位ユニットを覆う大きさを有するとともに、単位ユニットを囲むように複数の穴が設けられ、単位ユニット毎に区画されていることを特徴とするリサイクル対応型太陽電池モジュール。
  2. 前記単位ユニットがストリング単位であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクル対応型太陽電池モジュール。
  3. 前記単位ユニットがバイパスダイオードの接続単位であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクル対応型太陽電池モジュール。
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