JP4266036B2 - 圧電体、圧電素子、及び液体吐出装置 - Google Patents

圧電体、圧電素子、及び液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、電界印加により相転移する特性を有する強誘電体相を含む圧電体と、これを備えた圧電素子及び液体吐出装置とに関するものである。
電界印加強度の増減に伴って伸縮する圧電性を有する圧電体と、圧電体に対して電界を印加する電極とを備えた圧電素子が、インクジェット式記録ヘッドに搭載される圧電アクチュエータ等として使用されている。
圧電体材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のペロブスカイト型酸化物が知られている。かかる材料は電界無印加時において自発分極を有する強誘電体である。従来の圧電素子では、強誘電体の自発分極軸に合わせた方向に電界を印加することで、自発分極軸方向に伸びる通常の電界誘起歪を利用することが一般的であった。すなわち、従来は、電界印加方向と自発分極軸方向とが合うように、材料設計を行うことが重要とされてきた(自発分極軸=電界印加方向)。しかしながら、強誘電体のかかる圧電効果を利用するだけでは歪変位に限界があり、より大きな歪変位が求められるようになってきている。
一方、電子機器の小型軽量化・高機能化に伴い、これに搭載される圧電素子においても小型軽量化・高機能化が進められるようになってきている。例えば、インクジェット式記録ヘッドでは、高画質化のために、圧電素子の高密度化が検討されており、それに伴って圧電素子の薄型化が検討されている。圧電素子を薄型化すると、従来と同様に電圧を印加しても圧電体にかかる電界印加強度は増すこととなり、従来と同じ材料設計をそのまま適用しても充分な圧電効果は得られない。
強誘電体の上記通常の電界誘起歪による電界−歪特性は概略、図13の曲線IVに示すような関係にあることが知られている。曲線IVには、ある電界印加強度Exまでは電界印加強度の増加に対して歪変位が直線的に増加するが、電界印加強度Exを超えると、電界印加強度の増加に対する歪変位の増加が著しく小さくなり、歪変位がほぼ飽和することが示されている。
従来は、電界印加強度の増加に対して歪変位が直線的に増加する電界印加強度0〜Exの範囲内で使用されてきた(材料にもよるが、例えば、Ex=5〜100kV/cm程度、最大電界印加強度=0.1〜10kV/cm程度)。しかしながら、圧電素子を薄型化すると、従来と同様に電圧を印加しても圧電体にかかる電界印加強度は増すから、例えば0〜Ey(Ey>Ex)の範囲内で使用することになる。この場合の実質的な圧電定数は破線IV’で示す傾きで示され、0〜Exの範囲内の圧電定数よりも小さく、本来素子が持っている圧電特性が充分に発揮されない。
かかる背景下、特許文献1には、電界印加により相転移する特性を有する圧電体を用いた圧電素子が提案されている。該文献には、相転移膜と、電極と、相転移膜をキュリー点Tc付近の温度Tに調整する発熱体とを備える圧電素子が開示されている(請求項1参照)。相転移膜としては、正方晶系と菱面体晶系との間、又は菱面体晶系或いは正方晶系と立方晶系との間で転移する膜が挙げられている(請求項2参照)。特許文献1に記載の圧電素子では、強誘電体の圧電効果と相転移に伴う結晶構造の変化による体積変化とにより、従来よりも大きな歪変位が得られるとされている。
特許文献1には、相転移膜として、いずれも強誘電体である正方晶系と菱面体晶系との間で相転移する膜と、強誘電体である菱面体晶系或いは正方晶系と常誘電体である立方晶系との間で転移する膜とが挙げられている。しかしながら、特許文献1に記載の圧電素子は、キュリー点Tc付近で使用するものである。キュリー点Tcは強誘電体と常誘電体との相転移温度に相当するものであるから、キュリー点Tc付近で使用する場合には、正方晶系と菱面体晶系との間で相転移する膜はあり得ない。したがって、特許文献1に記載の圧電素子は、強誘電体と常誘電体との間の相転移を利用するものにしかならない。かかる素子では、常誘電体が自発分極を有しないので、相転移後には電界印加により分極軸方向に伸びる圧電効果は得られない。
特許文献1に記載の圧電素子の電界−歪特性は概略、図13の曲線IIIに示すものとなる。ここでは、比較しやすいよう、相転移前の圧電特性は強誘電体の通常の電界誘起歪のみを利用する場合の曲線IVと同様としてある。曲線IIIには、相転移前は強誘電体の圧電効果により電界印加強度の増加に対して歪変位が直線的に増加し、相転移が開始する電界印加強度E4から相転移が略完了する電界印加強度E5までは、相転移に伴う結晶構造の変化によって歪変位が増加し、常誘電体への相転移が略完了する電界印加強度E5を超えると、強誘電体の圧電効果が得られなくなるので、それ以上電界を印加しても、歪変位は増加しないことが示されている。強誘電体の通常の電界誘起歪のみを利用する圧電素子と同様、圧電素子を薄型化すると、歪変位のない電界印加強度の高い範囲を含めて使用することとなり、有効ではない。
本発明者は先に、特許文献2において、電界印加により少なくとも一部が他の結晶系の第2の強誘電体結晶に相転移する第1の強誘電体結晶を含む多結晶構造の圧電体を備え、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)、好ましくは下記式(2)を充足する条件で、駆動される圧電素子を出願している(請求項1,2)。
Emin<E4<Emax・・・(1)、
Emin<E4≦E5<Emax・・・(2)
(式中、電界強度E4は、第1の強誘電体結晶から第2の強誘電体結晶への相転移が開始する最小の電界強度である。電界強度E5は、第1の強誘電体結晶から第2の強誘電体結晶への相転移が略完全に終了する電界強度である。)
特許文献2に記載の圧電体の電界−歪特性は概略、図13の曲線IIに示すものとなる。図示するように、特許文献2に記載の圧電体においては、電界印加強度E=0〜E4(相転移前)では第1の強誘電体結晶の圧電効果による圧電歪が得られ、電界印加強度E=E4〜E5では相転移による圧電歪が得られ、電界印加強度E≧E5(相転移後)では第2の強誘電体結晶の圧電効果による圧電歪が得られる。このように、特許文献2に記載の圧電素子では、圧電体の相転移に伴う結晶構造の変化による体積変化が得られ、しかも、圧電体は相転移前後のいずれにおいても強誘電体結晶からなるので、相転移前後のいずれにおいても強誘電体の圧電効果が得られ、特許文献1に記載の圧電素子よりも大きな歪変位が得られる。
本発明者は、特許文献2において、相転移前の第1の強誘電体結晶の自発分極軸方向は電界印加方向とは異なる方向であることが好ましく、電界印加方向は相転移後の第2の強誘電体結晶の自発分極軸方向に略等しいことが特に好ましいことを述べている(請求項3,4)。かかる構成では、エンジニアードドメイン効果が得られ、また相転移が効率よく進行するので、より大きな歪変位が安定的に得られ、好ましい。
特許第3568107号公報 特願2006-188765号
本発明は、より高圧電性能を得ることが可能な圧電体、及びこれを備えた圧電素子を提供することを目的とするものである。
本発明の圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むことを特徴とするものである。
前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1とし、2回目の相転移が開始する電界強度をE2とし、2回目の相転移が略完全に終了する電界強度をE3としたとき、
本発明の圧電体は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で駆動されることが好ましく、下記式(2)を充足する条件で駆動されることがより好ましく、下記式(3)を充足する条件で駆動されることが特に好ましい。
Emin<E1<Emax・・・(1)、
Emin<E1<E2<Emax・・・(2)、
Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
本明細書において、「強誘電体相の2回目の相転移が略完全に終了する電界強度E3」とは、それ以上電界を印加してもそれ以上相転移が起こらない電界強度を意味している。E3以上の電界強度を印加しても、上記強誘電体相の一部が相転移せずに残る場合がある。
本発明の圧電体は、エピタキシャル膜、結晶配向膜、又は粒子配向セラミックス焼結体からなることが好ましい。
前記強誘電体相は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有することが好ましい。前記強誘電体相は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有することが特に好ましい。
本明細書において、「結晶配向性」は、Lotgerling法により測定される配向率Fにより規定するものとする。
配向率Fは、下記式で表される。
F(%)=(P−P0)/(1−P0)×100・・・(i)
式(i)中、Pは、配向面からの反射強度の合計と全反射強度の合計の比である。(001)配向の場合、Pは、(00l)面からの反射強度I(00l)の合計ΣI(00l)と、各結晶面(hkl)からの反射強度I(hkl)の合計ΣI(hkl)との比({ΣI(00l)/ΣI(hkl)})である。例えば、ペロブスカイト結晶において(001)配向の場合、P=I(001)/[I(001)+I(100)+I(101)+I(110)+I(111)]である。
P0は、完全にランダムな配向をしている試料のPである。
完全にランダムな配向をしている場合(P=P0)にはF=0%であり、完全に配向をしている場合(P=1)にはF=100%である。
主な強誘電体結晶の自発分極軸は以下の通りである。
正方晶系:<001>、斜方晶系:<110>、菱面体晶系:<111>。
本明細書において、強誘電体相が自発分極軸<abc>方向に略等しい方向に結晶配向性を有するとは、(abc)配向の配向率Fが80%以上と定義する。
前記強誘電体相としては、電界無印加時において(100)配向の正方晶相であり、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、菱面体晶相、(001)配向の正方晶相に順次相転移する特性を有するものが挙げられる。
本発明の圧電体は、電界無印加状態において、結晶系の異なる複数の強誘電体相を含むことが好ましい。
本発明の圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、相転移が起こらない強誘電体相、及び/又は他の結晶系の強誘電体相への相転移が1回のみ起こる強誘電体相を含むことが好ましい。
本発明の圧電体の好適な態様としては、電界無印加状態において、(001)配向の正方晶相T(c)、(100)配向の菱面体晶相R、及び(100)配向の正方晶相T(a)を含むものが挙げられる。
本発明の圧電体は、1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことが好ましい。
本発明の圧電体は、下記一般式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことが特に好ましい。
一般式ABO
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,K,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本発明の圧電体の好適な組成としては例えば、Nbドープチタン酸ジルコン酸鉛を含むものが挙げられる。
本発明の圧電体において、前記強誘電体相の1回目及び2回目の電界誘起による相転移が、−50〜200℃の範囲にて生じることが好ましい。
本発明の圧電素子は、上記の本発明の圧電体と、該圧電体に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の圧電素子の駆動方法は、圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する電極とを備えた圧電素子の駆動方法において、
前記圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものであり、
前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1としたとき、
最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で、駆動することを特徴とするものである。
本発明の圧電素子の駆動方法において、前記強誘電体相の2回目の相転移が開始する電界強度をE2としたとき、
最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(2)を充足する条件で駆動することが好ましく、下記式(3)を充足する条件で駆動することがより好ましい。
Emin<E1<Emax・・・(1)、
Emin<E1<E2<Emax・・・(2)、
Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
本発明の圧電装置は、
圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する電極とを備えた圧電素子と、
該圧電素子の駆動を制御する制御手段とを備えた圧電装置において、
前記圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものであり、
前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1としたとき、
前記制御手段は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で、前記圧電素子を駆動するものであることを特徴とするものである。
前記制御手段は、下記式(2)を充足する条件で前記圧電素子を駆動するものであることが好ましく、下記式(3)を充足する条件で前記圧電素子を駆動するものであることがより好ましい。
Emin<E1<Emax・・・(1)、
Emin<E1<E2<Emax・・・(2)、
Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電装置と、液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移(電界誘起相転移)が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものである。
本発明の圧電体は、強誘電体相−強誘電体相の相転移が起こる特性を有するものであるので、自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する強誘電体の通常の電界誘起圧電歪と、相転移による圧電歪とが得られる。
本発明の圧電体は、強誘電体相−強誘電体相の相転移が2回起こる特性を有するものであるので、強誘電体相−常誘電体相の相転移が1回起こる特許文献1に記載の圧電体、及び強誘電体相−強誘電体相の相転移が1回起こる特許文献2に記載の圧電体よりも、相転移による圧電歪がより大きく得られる。したがって、本発明によれば、特許文献1及び2に記載の圧電体よりも、高圧電性能を得ることが可能である。
本発明の圧電体において、上記強誘電体相は結晶配向性を有することが好ましい。かかる構成では、所望の電界誘起圧電歪及び相転移による圧電歪が安定的に得られ、好ましい。
上記強誘電体相は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有することが好ましい。上記強誘電体相は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有することが特に好ましい。かかる構成では相転移が起こりやすく、しかも、通常の電界誘起圧電歪及び相転移による圧電歪に加えて、エンジニアードドメイン効果等による圧電歪が得られ、より高圧電性能が得られる。
「圧電体、圧電素子、及びインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電体、これを備えた圧電素子及びインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図1はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1に示す圧電素子1は、基板11の表面に、下部電極12と圧電体13と上部電極14とが順次積層された素子である。圧電体13には、下部電極12と上部電極14とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
基板11としては特に制限なく、シリコン,ガラス,ステンレス(SUS),イットリウム安定化ジルコニア(YSZ),アルミナ,サファイヤ,シリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板11としては、シリコン基板上にSiO膜とSi活性層とが順次積層されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極12の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。上部電極14の主成分としては特に制限なく、下部電極12で例示した材料,Al,Ta,Cr,Cu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。下部電極12と上部電極14の厚みは特に制限なく、50〜500nmであることが好ましい。
圧電アクチュエータ(圧電装置)2は、圧電素子1の基板11の裏面に、圧電体13の伸縮により振動する振動板16が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、圧電アクチュエータ2の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)21及びインク室21から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)22を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)20が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子1に印加する電界強度を増減させて圧電素子1を伸縮させ、これによってインク室21からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板11とは独立した部材の振動板16及びインクノズル20を取り付ける代わりに、基板11の一部を振動板16及びインクノズル20に加工してもよい。例えば、基板11がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板11を裏面側からエッチングしてインク室21を形成し、基板自体の加工により振動板16とインクノズル20とを形成することができる。
本実施形態において、圧電体13は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移(電界誘起相転移)が少なくとも2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものである。
以下、圧電体13が、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相のみからなる場合を例として、その圧電特性について説明する。図2に、かかる圧電体の電界−歪特性の一例を示す(曲線I)。ここでは、上記強誘電体相が、初期状態において自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致している場合について説明する。
上記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1とし、2回目の相転移が開始する電界強度をE2とし、2回目の相転移が略完全に終了する電界強度をE3とする。E2<E3の場合もあるし、E2=E3の場合もある。
図2に示す特性の圧電体13においては、電界印加強度E=0〜E1(1回目の相転移前)では相転移前の初期の強誘電体相の通常の電界誘起歪が得られ、電界印加強度E=E1〜E2では1回目の相転移に伴う結晶構造の変化による体積変化による圧電歪が得られ、電界印加強度E=E2〜E3では主に2回目の相転移に伴う結晶構造の変化による体積変化による圧電歪が得られ、電界印加強度E≧E3(2回目の相転移後)では、2回目の相転移後の強誘電体相の通常の電界誘起歪が得られる。
相転移による圧電歪では結晶構造の変化による体積変化が起こるので、自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する強誘電体の通常の電界誘起歪よりも大きい圧電歪が得られる。
図2に示す特性の圧電体13では、相転移に伴う結晶構造の変化による体積変化が2回起こり、しかも、圧電体13は相転移前後のいずれにおいても強誘電体からなるので、相転移前後のいずれにおいても強誘電体の圧電効果が得られ、電界印加強度E=0〜E1、E=E1〜E2、E=E2〜E3、E≧E3のいずれの範囲内においても、大きい歪変位が得られる。
圧電体13は、駆動回路等からなる制御手段15によって、その駆動が制御される。圧電体13は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で駆動されることが好ましく、下記式(2)を充足する条件で駆動されることがより好ましく、下記式(3)を充足する条件で駆動されることが特に好ましい。図2では、圧電体13が下記式(3)を充足する条件で駆動される場合について図示してある。また、最小電界印加強度Eminが0〜E1の間である場合について図示してあるが、Emin=0でもよい。
Emin<E1<Emax・・・(1)、
Emin<E1<E2<Emax・・・(2)、
Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
「背景技術」の項において、図13の曲線IVに示したように、相転移を利用せず強誘電体の通常の電界誘起歪のみを利用する従来一般的な圧電素子では、ある電界印加強度Exまでは電界印加強度の増加に対して歪変位が直線的に増加するが、電界印加強度Exを超えると、電界印加強度の増加に対する歪変位の増加が著しく小さくなり、歪変位がほぼ飽和するため、電界印加強度の増加に対して歪変位が直線的に増加する電界印加強度0〜Exの範囲内で使用されてきたことを述べた。
同じ化学式組成の圧電体で比較すれば、圧電体13では、上記従来の圧電素子では歪変位がほぼ飽和する前に1回目の相転移が開始する(E1≦Ex)。本実施形態の圧電素子1は、最大電界印加強度Emax(>E1)が、相転移を利用せず強誘電体の通常の電界誘起歪のみを利用する従来一般的な圧電素子の最大電界印加強度と同等又はそれよりも高い条件で、駆動するものであり、従来と同様の電界を印加しても高い電界印加強度となる薄型の圧電素子にも適用可能なものである。
圧電体13は、強誘電体相−強誘電体相の相転移が起こる特性を有するものであるので、自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する強誘電体の通常の電界誘起圧電歪と、相転移による圧電歪とが得られる。
強誘電体相−常誘電体相の相転移が起こる特許文献1に記載の圧電体では、常誘電体相への相転移後には通常の電界誘起圧電歪が得られないが、圧電体13では強誘電体相−強誘電体相の相転移を利用しているので、相転移後にも通常の電界誘起圧電歪が得られる。
なお、圧電体13は、強誘電体相−強誘電体相の相転移が少なくとも2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものであれば、該強誘電体相による圧電歪が得られるので、相転移が起こらない強誘電体相、又は強誘電体相−強誘電体相の相転移が1回のみ起こる強誘電体相を含むものであってもよい。また、圧電体13は、常誘電体相を含むものであってもよい。
圧電体13は、強誘電体相−強誘電体相の相転移が少なくとも2回起こる特性を有するものであるので、強誘電体相−常誘電体相の相転移が1回起こる特許文献1に記載の圧電体、及び強誘電体相−強誘電体相の相転移が1回起こる特許文献2に記載の圧電体よりも、相転移による圧電歪がより大きく得られる。
圧電体13において、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が少なくとも2回起こる特性を有する上記強誘電体相は、結晶配向性を有することが好ましい。すなわち、圧電体13は、エピタキシャル膜、結晶配向膜、又は粒子配向セラミックス焼結体からなることが好ましい。かかる構成では、所望の電界誘起圧電歪及び相転移による圧電歪が安定的に得られ、好ましい。圧電素子1の薄型化を考慮すれば、圧電体13は、エピタキシャル膜又は結晶配向膜からなることが好ましい。圧電体13の膜厚は特に制限されず、圧電体13の薄膜化、成膜安定性、及び圧電性能等を考慮すれば、圧電体13の膜厚は10nm〜100μmが好ましく、100nm〜20μmが特に好ましい。
圧電体13において、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が少なくとも2回起こる特性を有する上記強誘電体相は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有することが好ましい。電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が少なくとも2回起こる特性を有する上記強誘電体相は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有することが特に好ましい。かかる構成では相転移が起こりやすく、しかも通常の電界誘起圧電歪及び相転移による圧電歪に加えて、エンジニアードドメイン効果等による圧電歪が得られ、より高圧電性能が得られる。
以下、圧電体13が図2に示した特性を有する場合(電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相のみからなる場合)を例として、エンジニアードドメイン効果等による圧電歪について、説明する。
「エンジニアードドメイン効果」は、相転移前の強誘電体相の自発分極軸方向と電界印加方向とを変えることにより、電界印加方向を相転移前の自発分極軸方向に合わせるよりも大きな変位量が安定的に得られる効果である。「単結晶体のエンジニアードドメイン効果」は、“Ultrahigh strain and piezoelectric behavior in relaxor based ferroelectric single crystals”, S.E.Park et.al., JAP, 82, 1804(1997)に記載されている。
すなわち、相転移前の強誘電体相が自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する構成、特に好ましくは相転移前の強誘電体相が電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有する構成では、電界印加強度E=0〜E1の範囲内において、電界印加強度の増加に対する歪変位が、エンジニアードドメイン効果により、電界印加方向を相転移前の強誘電体相の自発分極軸方向に合わせるよりも大きくなる。
上記結晶配向構造では、エンジニアードドメイン効果に加えて、以下のようなさらなる効果も得られる。
相転移前の強誘電体相が電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有する構成では、相転移が最も効率よく進行する。そのため、1回目及び2回目の相転移がより低電界で開始する。また、電界印加強度E3以上(最後の相転移が略完全に終了する電界強度以上)の電界を印加しても、本来相転移可能な強誘電体相が一部相転移せずに残る場合もあるが、相転移が効率よく進行することで、電界印加強度E3以上の電界を印加した際に、本来相転移可能でありながら相転移せずに残る強誘電体相の割合を少なくすることができる。この結果として、電界印加強度E=E1〜E2、及びE=E2〜E3の範囲内において、電界印加方向を相転移前の強誘電体相の自発分極軸方向に合わせるよりも大きな歪変位が安定的に得られる。
最後の相転移後は、電界印加方向と自発分極軸とが略一致することになるので、電界印加強度E≧E3(最後の相転移が略完全に終了する電界強度以上)において、最後の相転移後の強誘電体相の通常の電界誘起歪が効果的に発現し、電界印加方向を相転移前の強誘電体相の自発分極軸方向に合わせるよりも大きな歪変位が安定的に得られる。
以上の効果は、少なくとも相転移前の強誘電体相の自発分極軸方向が電界印加方向とは異なる方向であれば得られ、電界印加方向が最後の相転移後の強誘電体相の自発分極軸方向に近い程、顕著に発現する。
本発明者は、初期状態(電界無印加状態)において、自発分極軸が電界印加方向に対して垂直な(100)配向の正方晶相T(a)と、自発分極軸が電界印加方向に対して斜めの菱面体晶相Rと、自発分極軸が電界印加方向に対して平行な(001)配向の正方晶相T(c)とが混在した結晶相構造を有し、正方晶相T(a)の一部が比較的低い強度の電界印加によって菱面体晶相Rに相転移し、さらに比較的高い強度の電界印加によって(001)配向の正方晶相T(c)に相転移する圧電体膜を実際に調製している(後記実施例1を参照)。
この圧電体膜では、電界印加によって相転移する特性を有する正方晶相T(a)は自発分極軸が電界印加方向に対して垂直であり、自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致していないので、相転移前には正方晶相T(a)の通常の電界誘起歪効果は得られない。また、相転移前には菱面体晶相Rのエンジニアードドメイン効果による圧電歪、及び(001)配向の正方晶相T(c)の通常の電界誘起歪効果が得られる。
圧電体13の組成は特に制限されず、1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ものが挙げられる。
圧電体13としては、下記一般式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ものが好ましい。
一般式ABO
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,K,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ビスマスフェライト等の非鉛含有化合物、及びこれらの混晶系が挙げられる。
電気特性がより良好となることから、圧電体13は、Mg,Ca,Sr,Ba,Bi,Nb,Ta,W,及びLn(=ランタニド元素(La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,及びLu))等の金属イオンを、1種又は2種以上含むものであることが好ましい。
相転移が起こりやすいことから、圧電体13は、MPB(Morphotropic Phase Boundary)又はその近傍の組成とすることが好ましい。「MPBの近傍」とは、電界をかけた時に相転移する領域のことである。ちなみにこのMPB組成は温度により変化することが一般的である。
本実施形態の圧電素子1では、基本的には、圧電体13の相転移は、電界印加強度を変化させるだけで実施されるように、設計を行うことが好ましい。すなわち、圧電体13の組成は、使用環境温度にてMPB組成となるよう、決定することが好ましい。ただし、必要に応じて、MPB近傍となるよう素子を調温することは差し支えない。いずれにせよ、MPB又はその近傍で駆動することで、相転移が効率よく起こり、好ましい。
従来は、圧電素子は常温で使用されることが一般的であり、常温での使用を前提に設計されてきたが、今後は、より高温の環境下(例えば、車のエンジン周り、CPU周り等の用途では80℃以上、インクジェット用途でもインク粘度低減のため40〜80℃になり得る)、より低温の環境下(例えば、冷蔵庫内等)でも、使用される可能性がある。具体的には、今後は−50〜200℃の使用環境温度を考慮して材料を設計していくことが好ましい。本実施形態では、上記使用環境温度を考慮すれば、圧電体13の1回目及び2回目の電界誘起による相転移が、−50〜200℃の範囲にて生じることが好ましい。
同じ化学式組成の圧電体13で比較すれば、本実施形態の圧電素子1は、最大電界印加強度Emax(>E1)が、相転移を利用せず強誘電体の通常の電界誘起歪のみを利用する従来一般的な圧電素子の最大電界印加強度(通常0.1〜10kV/cm程度)と同等又はそれよりも高い条件(例えば100kV/cm以上)で、駆動するものであり、従来と同様の電圧を印加しても高い電界印加強度となる薄型の圧電素子にも適用可能なものである。
薄膜にかかる応力には、成膜時の内部応力に加え、基板との熱膨張係数差による応力があるが、一般的に−10〜+10GPaの範囲で材料設計すれば良い。
以上詳細に説明したように、本実施形態の圧電体13は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が少なくとも2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものである。本実施形態によれば、特許文献1及び2に記載の圧電体よりも、高圧電性能を得ることが可能である。
「インクジェット式記録装置」
図3及び図4を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図3は装置全体図であり、図4は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図3のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図3上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図3の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図4を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
基板としてSiウエハを用意し、その表面に、スパッタ法により、厚み150nmのIr下部電極と、厚み5.0μmのNbドープPZT圧電体膜と、厚み150nmのPt上部電極とを順次積層して、本発明の圧電素子を得た。下部電極と圧電体膜と上部電極とはいずれも、全面蒸着とした。圧電体膜の組成は、Zr/(Zr+Ti)モル比=0.52、Bサイト中のNbドープ量=13モル%とした。
上記圧電体膜について、シンクロトロンX線回折(XRD)測定を実施した。初期状態(電界無印加状態)、50kV/cmの電界を印加した状態、及び100kV/cmの電界を印加した状態におけるXRDパターンを図5に示す。
PZTの相図に本実施例及び後記比較例1,2におけるZr/(Zr+Ti)(モル%)をプロットしたものを図12に示しておく。PZTの相図から分かるように、本実施例の圧電体膜は、菱面体晶相と正方晶相とのMPB組成である。
初期状態(電界無印加状態)のXRDパターンには、2θ=32.2°、32.4°、32.6°において計3個の回折ピークが観測された。これら回折ピークは小角側からそれぞれ、(001)配向(c軸配向)の正方晶相T(c)、(100)配向の菱面体晶相R、(100)配向(a軸配向)の正方晶相T(a)に由来するものと推察された。すなわち、本実施例の圧電体膜は、初期状態(電界無印加状態)においてこれら3つの結晶相が混在した状態にあると推定された。電界を印加すると、XRDパターンが大きく変化し、相転移が2回起こることが明らかとなった。
T(c)、R、及びT(a)の存在比を定量化するため、初期状態(電界無印加状態)、50kV/cmの電界を印加した状態、及び100kV/cmの電界を印加した状態におけるXRDパターンをそれぞれピーク分離し、各回折ピークの積分強度を求めた。代表として、初期状態(電界無印加状態)のXRDパターンのピーク分離結果を図6に示しておく。電界印加強度と各回折ピークの積分強度との関係を図7に示す。
図5及び図7に示す結果から、初期状態(電界無印加状態)では、T(c)、R、及びT(a)は概ね同じような比率で存在しているが、50kV/cmの低電界印加では、正方晶相T(c)及びT(a)が減少して菱面体晶相Rが主となり、100kV/cmの高電界印加では、菱面体晶相Rが減少して(001)配向の正方晶相T(c)が主となることが明らかとなった。なお、電界印加しても全積分強度は殆ど変化していないことから、上記3相以外の相への変化は起こっていないと言える。これらの結果から、(100)配向の正方晶相T(a)→菱面体晶相R→(001)配向の正方晶相T(c)という2回の相転移が起こっていることが明らかとなった。
図8に、相転移の様子を模式的に示す。図8は、結晶格子の形と自発分極軸とを模式的に示す図である。この図には、初期状態(電界無印加状態)では、自発分極軸が電界印加方向に対して垂直な正方晶相T(a)が、電界印加によって、自発分極軸が電界印加方向に対して斜めの菱面体晶相Rを経て、自発分極軸が電界印加方向に対して平行な正方晶相T(c)に相転移する様子が示されている。
また、図5に示したXRDパターンでは、電界印加後の正方晶相T(c)の回折ピークは初期状態の同ピークよりも若干小角側にシフトしている。これは、正方晶相T(c)の電界印加方向への伸張によるものと考えられる。
<分極−電界特性、圧電性能>
本実施例の圧電体膜の最大印加電界Emaxを変化させたときのユニポーラ分極−電界曲線を図9に示す。
最大印加電界Emax=195kV/cmのユニポーラ分極−電界曲線には、1回目の相転移が開始する電界印加強度E1と2回目の相転移が開始する電界印加強度E2とにおいて、分極−電界曲線の傾きが大きく変化する変曲点が見られた。1回目の相転移が開始する電界印加強度E1=20kV/cm、2回目の相転移が開始する電界印加強度E2=60kV/cmであった。
誘電率ε=1330、残留分極値Pr=11μC/cm、正電界側の抗電界Ec=35kV/cmであった。また、最小電界印加強度Emin=0kV/cm〜最大電界印加強度Emax=100kV/cmにおける圧電定数d31=270pm/Vであった。
本実施例の圧電体膜では、50kV/cmの低電界印加でも相転移が起こっており、かつトータルで2回の相転移が起こっている。本実施例の圧電体膜では、これら相転移による圧電歪、エンジニアードドメイン効果による圧電歪、及び正方晶相T(c)の電界印加方向への伸張による圧電歪等によって、高圧電定数が得られる結果となった。
(比較例1)
圧電体膜の組成を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較用の圧電素子を得た。
圧電体膜の組成:Zr/(Zr+Ti)モル比=0.54、Bサイト中のNbドープ量=13モル%。
実施例1と同様に、シンクロトロンXRD測定を実施した。XRDパターンを図10に示す。初期状態(電界無印加状態)のXRDパターンには、2θ=32.3°にのみ回折ピークが観測された。図12に示したPZTの相図から、この回折ピークは(100)配向の菱面体晶相Rに由来するものと推察された。100kV/cmの電界を印加してもXRDパターンの変化はなく、相転移は起こらなかった。
最小電界印加強度Emin=0kV/cm〜最大電界印加強度Emax=100kV/cmにおける圧電定数d31を求めたところ、140pm/Vであった。
(比較例2)
圧電体膜の組成を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較用の圧電素子を得た。
圧電体膜の組成:Zr/(Zr+Ti)モル比=0.45、Bサイト中のNbドープ量=13モル%。
実施例1と同様に、シンクロトロンXRD測定を実施した。XRDパターンを図11に示す。初期状態(電界無印加状態)のXRDパターンには、2θ=32.0°、32.7°において回折ピークが観測された。図12に示したPZTの相図から、これら回折ピークは小角側からそれぞれ、(001)配向(c軸配向)の正方晶相T(c)、(100)配向(a軸配向)の正方晶相T(a)に由来するものと推察された。すなわち、本実施例の圧電体膜はこれら2つの結晶相が混在した状態にあると推定された。50kV/cmの電界を印加してもXRDパターンの変化はなく、相転移は起こらなかった。100kV/cmの電界印加では、(100)配向の菱面体晶相Rの回折ピークが小さいながらも観測され(2θ=32.4°)、僅かではあるが(100)配向の正方晶相T(a)の一部の菱面体晶相Rへの相転移が見られた。
最小電界印加強度Emin=0kV/cm〜最大電界印加強度Emax=100kV/cmにおける圧電定数d31を求めたところ、180pm/Vであった。
本発明の圧電体は、インクジェット式記録ヘッド,磁気記録再生ヘッド,MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス,マイクロポンプ、及び超音波探触子等に搭載される圧電アクチュエータ、及び強誘電メモリ(FRAM)等に好ましく利用できる。
本発明に係る実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造を示す要部断面図 本発明の圧電体の電界−歪特性の一例を示す図 図1のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図3のインクジェット式記録装置の部分上面図 実施例1の圧電体膜のシンクロトロンXRD測定結果を示す図 実施例1の圧電体膜の初期状態のXRDパターンのピーク分離結果を示す図 実施例1の圧電体膜の電界印加強度と各XRDピークの積分強度との関係を示す図 実施例1の圧電体膜の相転移の様子を模式的に示す図 実施例1の圧電体膜のユニポーラ分極−電界曲線 比較例1の圧電体膜のシンクロトロンXRD測定結果を示す図 比較例2の圧電体膜のシンクロトロンXRD測定結果を示す図 PZTの相図に実施例1及び比較例1,2におけるZr/(Zr+Ti)モル比をプロットした図 従来の圧電体の電界−歪特性を示す図
符号の説明
1 圧電素子
2 圧電アクチュエータ
3,3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
12、14 電極
13 圧電体
15 制御手段
20 インクノズル(液体貯留吐出部材)
21 インク室(液体貯留室)
22 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置

Claims (23)

  1. 電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むことを特徴とする圧電体。
  2. 前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で、駆動されるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電体。
    Emin<E1<Emax・・・(1)
  3. 前記強誘電体相の2回目の相転移が開始する電界強度をE2としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(2)を充足する条件で、駆動されるものであることを特徴とする請求項2に記載の圧電体。
    Emin<E1<E2<Emax・・・(2)
  4. 前記強誘電体相の2回目の相転移が略完全に終了する電界強度をE3としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(3)を充足する条件で、駆動されるものであることを特徴とする請求項3に記載の圧電体。
    Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
  5. エピタキシャル膜、結晶配向膜、又は粒子配向セラミックス焼結体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電体。
  6. 前記強誘電体相は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有することを特徴とする請求項5に記載の圧電体。
  7. 前記強誘電体相は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときの最後の相転移後の自発分極軸方向に略等しい方向に結晶配向性を有することを特徴とする請求項6に記載の圧電体。
  8. 前記強誘電体相は電界無印加時において(100)配向の正方晶相であり、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、菱面体晶相、(001)配向の正方晶相に順次相転移する特性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の圧電体。
  9. 電界無印加状態において、結晶系の異なる複数の強誘電体相を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の圧電体。
  10. 電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、相転移が起こらない強誘電体相、及び/又は他の結晶系の強誘電体相への相転移が1回のみ起こる強誘電体相を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の圧電体。
  11. 電界無印加状態において、(001)配向の正方晶相T(c)、(100)配向の菱面体晶相R、及び(100)配向の正方晶相T(a)を含むことを特徴とする請求項9に記載の圧電体。
  12. 1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の圧電体。
  13. 下記一般式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことを特徴とする請求項12に記載の圧電体。
    一般式ABO
    (式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,K,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
    B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
    O:酸素元素、
    Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
  14. Nbドープチタン酸ジルコン酸鉛を含むことを特徴とする請求項13に記載の圧電体
  15. 前記強誘電体相の1回目及び2回目の電界誘起による相転移が、−50〜200℃の範囲にて生じることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の圧電体。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の圧電体と、該圧電体に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする圧電素子。
  17. 圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する電極とを備えた圧電素子の駆動方法において、
    前記圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものであり、
    前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で、駆動することを特徴とする圧電素子の駆動方法。
    Emin<E1<Emax・・・(1)
  18. 前記強誘電体相の2回目の相転移が開始する電界強度をE2としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(2)を充足する条件で、駆動することを特徴とする請求項17に記載の圧電素子の駆動方法。
    Emin<E1<E2<Emax・・・(2)
  19. 前記強誘電体相の2回目の相転移が略完全に終了する電界強度をE3としたとき、
    最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(3)を充足する条件で、駆動することを特徴とする請求項18に記載の圧電素子の駆動方法。
    Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
  20. 圧電体と、該圧電体に対して所定方向に電界を印加する電極とを備えた圧電素子と、
    該圧電素子の駆動を制御する制御手段とを備えた圧電装置において、
    前記圧電体は、電界無印加時から電界印加強度を増加させたときに、他の結晶系の強誘電体相への相転移が2回起こる特性を有する強誘電体相を含むものであり、
    前記強誘電体相の1回目の相転移が開始する電界強度をE1としたとき、
    前記制御手段は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(1)を充足する条件で、前記圧電素子を駆動するものであることを特徴とする圧電装置。
    Emin<E1<Emax・・・(1)
  21. 前記強誘電体相の2回目の相転移が開始する電界強度をE2としたとき、
    前記制御手段は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(2)を充足する条件で、前記圧電素子を駆動するものであることを特徴とする請求項20に記載の圧電装置。
    Emin<E1<E2<Emax・・・(2)
  22. 前記強誘電体相の2回目の相転移が略完全に終了する電界強度をE3としたとき、
    前記制御手段は、最小電界印加強度Emin及び最大電界印加強度Emaxが下記式(3)を充足する条件で、前記圧電素子を駆動するものであることを特徴とする請求項21に記載の圧電装置。
    Emin<E1<E2≦E3<Emax・・・(3)
  23. 請求項20〜23のいずれかに記載の圧電装置と、
    液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
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