JP5345868B2 - ペロブスカイト型酸化物膜、強誘電体、圧電素子、液体吐出装置 - Google Patents

ペロブスカイト型酸化物膜、強誘電体、圧電素子、液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、ペロブスカイト型酸化物膜及びこれを含む強誘電体膜、この強誘電体膜を用いた強誘電体素子及び液体吐出装置に関するものである。
ペロブスカイト型酸化物は、強誘電性を有するため、圧電素子やスイッチング素子等の用途に利用されている。例えば、良好な圧電特性を示すペロブスカイト型酸化物としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が知られている。PZTは電界無印加時において自発分極性を有する強誘電体であり、モルフォトロピック相境界(MPB)及びその近傍で高い圧電性能を示すと言われている。しかしながら、より大きな圧電特性の要求、更に鉛系材料の環境負荷を考慮した非鉛系圧電材料の要求が高まっており、ペロブスカイト型酸化物の新規非鉛系材料開発が進められている。
新規非鉛系材料開発を進めていく上で、理論上高特性と考えられるペロブスカイト型酸化物の中には、通常の常圧の高温焼成ではペロブスカイト型の結晶構造を取り得ないが、数GPaを超えるような高圧下での焼成によりペロブスカイト型酸化物となるようなものがある。例えば、Bi系ペロブスカイト型酸化物は、理論上圧電特性(強誘電特性)の高い非鉛系圧電材料であると考えられるが、その殆どが常圧での高温焼成ではペロブスカイト型構造を取りにくく、取り得ないものもある。現在、バルクセラミクスにおいて、常圧にて製造可能なBi系ペロブスカイト型酸化物はBiFeOだけであり、例えばBiAlOは6GPa、1000℃の高温高圧合成によってのみ、ペロブスカイト型構造のバルクセラミクスとなりうる(非特許文献1)。しかしながら高圧下での焼成は、装置構成が複雑であり、またそのプロセスは容易でない。
一方でデバイスの高密度高集積化の流れにおいて、各デバイスのダウンサイジングが進められている。圧電素子においても薄膜素子化が進められており、スパッタ法やゾルゲル法、CVD法等により成膜可能であり、素子特性の良好なペロブスカイト型酸化物膜が検討されている。
かかる背景下、上記のような、理論上高特性と考えられるが、これまで高圧合成法のような特別な手法でなければペロブスカイト構造を取り得ない、または取りにくい材料を、スパッタ法等の薄膜にて実現する試みがなされている。しかしながら、Bi系酸化物膜は、組成によっても異なるが、単独では常圧においてペロブスカイト構造をとりにくいか、または結晶性が悪化するものが多い。従って、高圧での焼成でないとペロブスカイト型の結晶構造を取り得ないBi系酸化物を、常圧でのバルク焼成及び薄膜にてペロブスカイト構造をとりやすいBiFeOとの固溶体とすることにより薄膜にてペロブスカイト型の結晶構造を作り出すことが試みられている。非特許文献2には、SrTiOペロブスカイト型基板上に、BiFeOにBiAlOを0−50%まで固溶させた、ペロブスカイト型構造のBi(Fe,Al)O膜が報告されている。また、非特許文献3には、SrTiOペロブスカイト型基板上に、BiFeOにBiCoOを0−33%までを固溶させた、ペロブスカイト型構造のBi(Fe,Co)O膜が報告されている。
J. Zylberberg et al, ISAF2007 proceedings, 28PS-B13 M. Okada et al, Japanese J. of Applied Physics, Vol. 43, 9B, p.6609-6645, 2004 S. Yasui et al, Japanese J. of Applied Physics, Vol. 46, 10B, p.6948-6951, 2007
しかしながら、非特許文献2に記載のBi(Fe,Al)O膜、非特許文献3に記載のBi(Fe,Al)O膜、非特許文献3のBi(Fe,Co)O膜は、いずれもBサイト中のFeの含有量が50%以上とされている。Feは遷移金属であるため価数が変化しやすく、電界を印加して駆動させる素子に利用する場合はリーク電流が発生しやすく、特に室温や低周波での駆動の際にリーク電流により素子特性が低下する恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、通常ペロブスカイト型構造を取りにくい、又は取り得ないBi系ペロブスカイト型酸化物を含み、リーク電流が生じにくい、強誘電性能(圧電性能)に優れた非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、かかるペロブスカイト型酸化物膜を実現することにより、これまで理論上高い圧電性能を有すると考えられるが、常圧にて製造できなかったペロブスカイト型酸化物を含む圧電膜及びそれを備えた圧電素子を提供することを目的とするものである。
本発明の第1のペロブスカイト型酸化物膜は、ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、下記一般式(P1)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするものである。
A(B,C1−x)O・・・(P1)
(式中、0<x<1.0、AはBiを主成分とするAサイト元素、BはAとペロブスカイト構造をとる元素を主成分とするBサイト元素(但し、Feを除く)、CはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい、少なくとも1種のBサイト元素。A〜Cは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
また本発明の第2のペロブスカイト型酸化物膜は、ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、下記一般式(P2)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするものである。
A(D,E1−x)O・・・(P2)
(式中、0<x<0.5、であり、AはBiを主成分とするAサイト元素、Dは、Feを主成分とするBサイト元素、EはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい、少なくとも1種のBサイト元素。A,D,Eは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
また本発明の第3のペロブスカイト型酸化物膜は、ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、下記一般式(P3)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするものである。
A(D,E1−z)O・・・(P3)
(式中、0<z<1.0、であり、AはBiを主成分とするAサイト元素、DはFeを主成分とするBサイト元素、EはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい少なくとも1種のBサイト元素。A,D,Eは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本明細書において、「主成分」とは、含量80質量%以上の成分を意味する。
また、本明細書において、「ペロブスカイト型構造を取り得ない、または取りにくい」とは、常圧での固相焼結法を用いて、焼結体を作製した場合にペロブスカイト構造を実現できない、またはペロブスカイト構造のほかにも異相が確認されるものをさす。その際のペロブスカイト構造の評価は、X線回折(XRD)によって評価を行う。本発明での、XRD測定は、リガク製UltimaIII、標準Cu管球を用いた2θ/ωスキャン(θ・2θスキャン)により行い、膜厚は500nm程度として一般的な方法で測定している。詳細条件は、別途表1に示すとおりである。
上記本発明のペロブスカイト型酸化物膜において、Bサイト元素Bとしては、Mn及び又はCrであることが好ましい。
Bサイト元素C及びEは、イオン価数3価の少なくとも1種の金属元素であることが好ましく、また、Bサイト元素C及びEは、Al,Ga,Coからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素であることが好ましい。また、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で、Mn,Cu,Nbからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加元素を含んでいてもよい。
本発明によれば、モルフォトロピック相境界(MPB)又はその近傍の組成を有するペロブスカイト型酸化物膜を提供することができる。
「MPBの近傍」とは、電界をかけた時に相転移する領域のことである。
本発明のペロブスカイト型酸化物膜としては、圧電体膜等の強誘電体膜が挙げられる。かかるペロブスカイト型酸化物膜は、結晶配向性を有する強誘電体相を含むことが好ましい。
本明細書において、「結晶配向性を有する」または「配向膜である」とは、Lotgerling法により測定される配向率Fが、80%以上であることと定義する。
配向率Fは、下記式(i)で表される。
F(%)=(P−P0)/(1−P0)×100・・・(i)
式(i)中、Pは、配向面からの反射強度の合計と全反射強度の合計の比である。(001)配向の場合、Pは、(00l)面からの反射強度I(00l)の合計ΣI(00l)と、各結晶面(hkl)からの反射強度I(hkl)の合計ΣI(hkl)との比({ΣI(00l)/ΣI(hkl)})である。例えば、ペロブスカイト結晶において(001)配向の場合、P=I(001)/[I(001)+I(100)+I(101)+I(110)+I(111)]である。
P0は、完全にランダムな配向をしている試料のPである。
完全にランダムな配向をしている場合(P=P0)にはF=0%であり、完全に配向をしている場合(P=1)にはF=100%である。
また、圧電体膜である本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する強誘電体相を含むことが好ましい。
自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する前記強誘電体相は、略<100>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<111>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<100>方向に結晶配向性を有する斜方晶相、及び略<111>方向に結晶配向性を有する斜方晶相からなる群より選択された少なくとも1つの強誘電体相であることが好ましい。
本明細書において、「略<abc>方向に結晶配向性を有する」とは、その方向の結晶配向率Fが80%以上であると定義する。
自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する前記強誘電体相は、該強誘電体相の自発分極軸方向とは異なる方向の電界印加により、該強誘電体相の少なくとも一部が相転移する性質を有するものであることが好ましい。
本発明の圧電素子は、上記の圧電体膜である本発明のペロブスカイト型酸化物膜と、該ペロブスカイト型酸化物膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電素子と、該圧電素子に隣接して設けられた液体吐出部材とを備え、該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、前記圧電体に対する前記電界の印加に応じて該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有することを特徴とするものである。
特開2005−39166号公報には、BiFeO膜からなる圧電体膜をSi単結晶基板上に備えた圧電素子において、磁性の向上及びリーク特性の向上を目的として、Bサイトに磁性金属元素(1〜10%)又は、Feより価数の高い金属元素(1〜30%)を置換固溶させた圧電素子が開示されている。しかしながら、特開2005−39166号公報では、上記の元素添加後のBiFeO膜を実際に作製した例がなく、かかる膜においてペロブスカイト構造となるかどうか不明であり、圧電性能についても不明である。
また、“Sc modified multiferroic BiFeO3 thin films prepared through a sol-gel process.”, S.R. Shannigrahi et al, Applied Physics Letter, Vol. 90, 022901, 2007 には、BiFeOのリーク特性を向上させるために、BiFeOにBiScOを10mol%、30mol%、50mol%添加したペロブスカイト型構造のBi(Fe,Sc)O膜がSi基板上に成膜されたことが報告されている。この文献ではBi(Fe,Sc)O膜をSi基板上に成膜しており、ScをBサイト中に50mol%添加したものではペロブスカイト単相ではなく異相が含まれていることが記載されており、良好なリーク特性を得るのに充分なSc添加ができておらず、良好な強誘電性が得られていない。
上記したように、本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、通常ペロブスカイト型構造を取りにくい、又は取り得ないBi系ペロブスカイト型酸化物を含み、リーク電流が生じにくい、強誘電性能(圧電性能)に優れた非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜である。従って、特開2005−39166号公報及び上記S.R. Shannigrahiらの文献に記載されたものではない。
更に、特開2005−39166号公報及び上記S.R. Shannigrahiらの文献では、ペロブスカイト構造を有するBiFeO膜に、添加元素として他元素を置換固溶させたものであり、ペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくいBi系酸化物をペロブスカイト構造とするためにBiFeOとの固溶体とすることについて記載も示唆もされていない。
本発明は、圧電性能(強誘電性能)に優れた新規な非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜を提供するものである。本発明によれば、理論上圧電性能(強誘電性能)に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるが、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、または取りにくいBi系酸化物を、薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすい酸化物と固溶させることにより、ペロブスカイト型酸化物膜とすることができる。本発明のペロブスカイト型酸化物膜において、ペロブスカイト型構造を取りやすい酸化物としてBiFeOを用いる場合は、リーク電流を発生しやすいBiFeOの含有量を少なくすることで、リーク特性も良好なものとなる。従って、本発明によれば、リーク電流が発生しにくく、圧電性能(強誘電性能)に優れた非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜を提供することができる。
「ペロブスカイト型酸化物膜」
本発明は、薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすいBi系酸化物と、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、または取りにくいが、理論上強誘電性能(圧電性能)に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるBi系酸化物を固溶させることにより、新規のBi系ペロブスカイト型酸化物膜を実現したものである。
本明細書において「常圧」とは、大気圧近傍の圧力、及び薄膜の成膜方法において一般的な圧力の範囲内での圧力範囲を意味する。圧電体薄膜の成膜方法はスパッタ法、パルスレーザデポジション法(PLD法)、化学気相成長法(CVD法)等の気相法とゾルゲル法等の液相法とに大別され、気相法では10−4〜10Pa(7.6×10−4mTorr〜7.6×10mTorr)程度の範囲、液相法では、大気圧下(約10Pa(760Torr))の成膜環境が一般的とされている。
「背景技術」の項において、非特許文献2等では、常圧でのバルク焼成及び薄膜にてペロブスカイト構造をとりやすいBiFeOと、単独では常圧においてペロブスカイト型の結晶構造を取り得ない、または取りにくいBi系酸化物とを固溶させることにより、ペロブスカイト型構造のBi(Fe,Al)O膜を得ているが、いずれもBサイト中のFeの含有量が50%以上であるため、電界を印加して駆動させる素子に利用する場合はリーク電流が発生しやすいものとなることを述べた。
本発明においても、同様の設計手法で単独では常圧においてペロブスカイト型の結晶構造を取り得ない、または取りにくいBi系酸化物を含む新規なBi系ペロブスカイト型酸化物膜(以下、新規Bi系ペロブスカイト型酸化物膜とする)を得るが、本発明者は、新規Bi系ペロブスカイト型酸化物膜中のBiFeOの含有量を少なくしてリーク電流の発生を低減させることに成功した。本発明では、リーク電流を発生しやすいBiFeOの含有量を50%未満としても、その固溶体をペロブスカイト型酸化物膜とすることができるので、リーク電流が発生しにくく、強誘電性能に優れた新規Bi系ペロブスカイト型酸化物膜を提供することができる。
以下に本発明のペロブスカイト型酸化物膜について詳述する。
本発明の第1のペロブスカイト型酸化物膜は、ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、
下記一般式(P1)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするものである。
A(B,C1−x)O・・・(P1)
(式中、0<x<1.0、AはBiを主成分とするAサイト元素、BはAとペロブスカイト構造をとる元素を主成分とするBサイト元素(但し、Feを除く)、CはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい、少なくとも1種のBサイト元素。A〜Cは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
また本発明の第2のペロブスカイト型酸化物膜は、ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、下記一般式(P2)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするものである。
A(D,E1−x)O・・・(P2)
(式中、0<x<0.5、であり、AはBiを主成分とするAサイト元素、Dは、Feを主成分とするBサイト元素、EはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい、少なくとも1種のBサイト元素。A,D,Eは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本発明では、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、または取りにくいBi系酸化物を、薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすいBi系ペロブスカイト型酸化物との固溶体とすることによりペロブスカイト構造とするものであるが、成膜される膜が、よりペロブスカイト構造をとりやすくするために、基板はペロブスカイト型単結晶基板を用いる。本発明において基板は、ペロブスカイト型単結晶基板であれば特に制限されないが、成膜される膜と格子整合性のよい材料を選択することが好ましい。また、格子整合のとれた、バッファー層(例えば、LaNiOなど)や下部電極(例えばSrRuOなど)などが複数、積層されている場合も同様に含まれる。エピタキシャル成長可能な格子整合性を有する基板を用いることにより、基板と同様の結晶配向性を有するペロブスカイト型酸化物エピタキシャル膜とすることができる。例えば基板の(001)面にBiXOの(001)面が格子整合する形で成膜した場合に、基板の格子定数をCs、BiXOの格子定数をCとした際にnCs / mCが、0.95~1.05(n,m=1〜5)の範囲内となるように材料を選択すればよい。Bi系酸化物と格子整合性が良好で、エピタキシャル膜を形成可能な基板としては、SrTiO,NdGaO,LaAlO等が挙げられ、中でも格子整合性の高いNdGaOがより好ましい。
上記一般式(P1)で表されるペロブスカイト型酸化物は、薄膜にてペロブスカイト型構造を取り得る、BiFeO以外のBi系酸化物(BiBO)と、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、またはとりにくいが、理論上強誘電性能に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるBi系酸化物BiCOの複合酸化物である。
また、上記一般式(P2)で表されるペロブスカイト型酸化物は、薄膜にてペロブスカイト型構造を取り得るBi系酸化物であるBiFeOと、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、またはとりにくいが、理論上強誘電性能に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるBi系酸化物BiEOの複合酸化物である。
一般式(P1)及び(P2)において、Aサイト元素Aは、Biを主成分とするものである。すなわち、Aサイト元素Aは、Bi単独でもよいし、Biの一部がその他の元素で置換された組成でもよい。Biはイオン価数が3価であるので、置換元素としては3価のものであることが好ましく、Nd等が挙げられる。
一般式(P1)において、薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすいBi系ペロブスカイト型酸化物BiBOとしては、BiFeO以外であれば特に制限されないが、Biと薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすいBサイト元素BとしてはMn及び/又はCrが好ましい。
一方、一般式(P2)において、Bサイト元素Dは、Feを主成分とするものである。BiFeOは、常圧でのバルク焼成においてもペロブスカイト構造を取り得るものであり、薄膜においてもペロブスカイト構造を容易に取ることができる。
単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取り得ない、または取りにくいが、理論上強誘電性能に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるBi系酸化物BiCO又はBiEOとしては特に制限されず、電気的中性の観点から、C及びEはイオン価数が3価のものであることが好ましいが、ペロブスカイト構造を保つ程度まで複数の価数をとっても構わない。Bサイト元素C及びEは、Al,Ga,Coからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素であることが好ましい。
本発明者は、圧電性能の良好なペロブスカイト型酸化物の新規な材料設計法に基づいたペロブスカイト型酸化物の製造方法及びそれにより製造されたペロブスカイト型酸化物に関する特許を出願している(特願2007−10185(本特許出願時において未公開))。特願2007−10185号には、Aサイト元素としてBiを主成分とした、MPB組成及びその近傍の組成を有する圧電性能の優れた非鉛系ペロブスカイト型酸化物が得られることが記載されている。しかしながら、本特許ではMPB組成およびその近傍の組成に限らず、また圧電特性に限らず、ペロブスカイト構造を実現する組成について、広く言及しているものである。「背景技術」の項において述べたように、Aサイト元素がBiを主成分とするものの場合、組成によっても異なるが単独では常圧においてペロブスカイト構造を取りにくい、または結晶性が悪化するものが多く、特願2007−10185にて挙げられている新規Bi系酸化物においてもその傾向が見られる。本発明では、このようなペロブスカイト構造を取り得ない、または取りにくいBi系酸化物を、ペロブスカイト構造をとりやすいBi系酸化物(例えばBiFeO)との固溶体とすることにより、ペロブスカイト構造とすることが可能である。従って、本発明によれば、これまで理論上優れた圧電性能を有するが単独ではペロブスカイト構造を取り得ない、または取りにくいために製造が困難であったBi系ペロブスカイト型酸化物を含む、新規Bi系ペロブスカイト型酸化物膜を実現することができる。
式(P1)中、薄膜にてペロブスカイト型構造を取り得るBi系酸化物の組成、つまりxは、0<x<1.0の範囲であればよく、0.3≦x<1.0であることが好ましい。
また、薄膜にてペロブスカイト型構造を取り得るBi系酸化物がBiFeOである場合においても、BiFeOの組成、つまりxは、0<x<1.0の範囲とすることができるが(一般式(P3))、上記したように、BiFeOの割合xはリーク特性の点で少ない方が好ましいため、BiFeOの組成xは、0<x<0.5の範囲とすることにより、リーク電流が発生しにくく、圧電性能(強誘電性能)に優れたペロブスカイト型酸化物膜とすることができる(一般式(P2))。この場合も、式(P1)の場合と同様に、0.3≦xであることが好ましい。特に、一般式(P2)では、リーク特性の改善の観点からは、Mnを微量添加されていることが好ましく、更にペロブスカイト構造を取り得る範囲内で、遷移金属元素やCoやCr、Cu、Nb等が添加されていてもよい。式(P3)中のAサイト元素A、Bサイト元素D及びEは、既に例示した式(P2)におけるA,D,Eと同様である。
A(D,E1−z)O・・・(P3)
(式中、0<z<1.0、であり、AはBiを主成分とするAサイト元素、DはFeを主成分とするBサイト元素、EはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい少なくとも1種のBサイト元素。A,D,Eは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本発明では、一般式(P1)〜(P3)で表されるペロブスカイト型酸化物の相構造は特に制限されない。従って、一般式(P1)〜(P3)で表されるペロブスカイト型酸化物の各成分が共存した2相の混晶構造になる場合もあるし、各成分が完全固溶して1つの相になる場合もあるし、その他の構造もあり得る。
圧電体膜の用途では、各成分が共存した2相の混晶構造であることが好ましい。例えば、一般式(P2)で表されるペロブスカイト型酸化物の場合は、BiFeOの最も安定な結晶系が菱面体晶であるので、BiEOとしては、最も安定な結晶系が菱面体晶以外の結晶系のものが好ましい。かかる混晶構造とすることにより、モルフォトロピック相境界(MPB)又はその近傍の組成を有するペロブスカイト型酸化物とすることができる。例えば、本発明者らの検討では、Bサイト元素EをAlとしたBiAlOは最も安定な結晶系が正方晶であると推察され、MPB組成又はその近傍の組成とすることが可能である。
MPB組成及びその近傍においては、高い圧電性能を示すと言われており、特に、本発明者が提案している特開2007−116091号に示される電界誘起相転移の系では、電界印加により少なくとも一部が結晶系の異なる他の強誘電体相に相転移する性質を有するので、より大きな圧電利得が得られる。
電界誘起相転移の系では、相転移が起こる強誘電体相が、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有していることが好ましく、相転移後の自発分極軸方向と略一致した方向に結晶配向性を有していることが特に好ましい。電界印加方向を相転移後の自発分極軸方向と略一致した方向とすることで、相転移前においては「エンジニアードドメイン効果」により、相転移中においては相転移が効率良く進行するため相転移せずに残る強誘電体相の割合が少なくなり、更に相転移後においては、相転移後の強誘電体相の通常の圧電効果が効果的に発現するため、大きな歪み変位量が安定的に得られる。「エンジニアードドメイン効果」については、“Ultrahigh strain and piezoelectric behavior in relaxor based ferroelectric single crystals”, S.E.Park et al, JAP, 82, 1804(1997)”を、電界誘起相転移の系の詳細は特開2007−116091号を参照されたい。
従って、圧電体膜の用途では、本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、一般式(P1)〜(P3)で表されるペロブスカイト型酸化物が、上記した電界誘起相転移の系に好適なMPB組成又はその近傍の組成を有するものであることが好ましく、また結晶配向性を有する強誘電体相を含んでいることが好ましい。
さらに、相転移が起こる強誘電体相は、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有していることが好ましく、相転移後の自発分極軸方向と略一致した方向に結晶配向性を有していることが特に好ましい。
強誘電体の自発分極軸は以下の通りである。
正方晶系:<001>、斜方晶系:<110>、菱面体晶系:<111>
電界印加方向を相転移後の自発分極軸方向と略一致させるには、相転移する第1成分及び/又は第2成分の強誘電体相を、略<100>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<111>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<100>方向に結晶配向性を有する斜方晶相、及び略<111>方向に結晶配向性を有する斜方晶相のうちいずれかとすればよい。
また、強誘電体メモリ等の用途では、ペロブスカイト型酸化物膜は、角形性の良好な電界―歪みヒステリシスを有する強誘電体膜であることが好ましい。
本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、例えばPLD法等によって成膜することができる。図1に、一般的なPLD装置50の概略図を示す。PLD法では、パルスレーザ51から、回転可能なターゲットホルダ52上に設置されたターゲットTにレーザ光Lが照射されると、ターゲットTの表面とほぼ垂直方向にプラズマを生じ(プルームP)、ターゲットTの構成成分がプラズマや分子状態になって基板11に到達する。次いで基板11上でマイグレーションしながら結晶核生成と結晶成長をレーザパルス毎に生じ、このプロセスを繰り返すことによって結晶成長する。成膜される膜13が酸化物膜である場合は、真空チャンバ53内は、酸素導入部54と減圧部55とにより低酸素分圧雰囲気とする必要がある。従って、プラズマ状態及び酸素分圧により得られる膜特性や結晶構造が変化する。
本発明者は、ビスマス系化合物は、蒸気圧が高く揮発しやすいため、Biの揮発が結晶成長に影響を及ぼして、ペロブスカイト構造を取ることが難しくなると考えた。また、上記したように、基板に到達した原子や分子は基板11上でマイグレーションをしながら結晶核生成と結晶成長をレーザパルス毎に繰り返す。従って、レーザパルス周波数が高すぎると、マイグレーションした原子がペロブスカイト構造をとる前に次の原子が到達して堆積して異相を形成する可能性があり、レーザパルス周波数が低すぎると成膜速度が遅く、膜厚を確保できない。特に、Biとペロブスカイト構造を取りやすいFe等の元素が少なくなると、より異相を作りやすい。
そこで本発明者は、PLD法において、酸素分圧の最適化によりビスマス系化合物の揮発を抑制し、更に、レーザパルス周波数をコントロールしてプラズマ状態の最適化を行うことにより、異相の割合を低減し、Bサイト中のFeの割合が50%未満となってもペロブスカイト構造とすることに成功した。
例えば、酸素分圧50mmTorr,レーザパルス周波数5Hz等の条件において、ペロブスカイト構造のSrTiO単結晶基板上に形成されたSrRuO電極上に、ペロブスカイト単相のBi(Fe,Al)Oペロブスカイト酸化物膜が得られたことをXRDによる評価によって確認している(実施例1を参照)。
このように、本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、PLD法において、成膜される膜がペロブスカイト構造をとりうる条件で酸素分圧及びレーザパルス周波数を制御することにより成膜することができる。
本発明のペロブスカイト型酸化物膜の膜厚は特に制限されず、500nm〜数十μm程度の膜厚を有していてもよい。
以上説明したように、本発明は、圧電性能(強誘電性能)に優れた新規な非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜を提供するものである。本発明によれば、理論上圧電性能(強誘電性能)に優れたペロブスカイト型酸化物となりうるが、単独では常圧においてペロブスカイト型構造を取りにくい、または結晶性が悪化するBi系酸化物を、薄膜にてペロブスカイト型構造を取りやすい酸化物と固溶させることにより、ペロブスカイト型酸化物膜とすることができる。また、本発明のペロブスカイト型酸化物膜において、ペロブスカイト型構造を取りやすい酸化物としてBiFeOを用いる場合は、リーク電流を発生しやすいBiFeOの含有量を少なくすることで、リーク特性も良好なものとなる。従って、本発明によれば、リーク電流が発生しにくく、圧電性能(強誘電性能)に優れた非鉛系ペロブスカイト型酸化物膜を提供することができる。
「強誘電体素子(圧電素子)、インクジェット式記録ヘッド」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図2はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図2に示す圧電素子1は、基板11の表面に、下部電極12と上記実施形態の強誘電体膜(圧電体膜)13と上部電極14とが順次積層された素子である。強誘電体膜13はリーク電流が発生しにくく、圧電性能(強誘電性能)に優れた非鉛系(Bi系)ペロブスカイト型酸化物膜であり、下部電極12と上部電極14とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
基板11は、上記したようにペロブスカイト型単結晶基板であり、上記本発明のペロブスカイト型酸化物膜と格子整合性が良好なものであることが好ましい。詳細は、上記本発明のペロブスカイト型酸化物膜の実施形態にて記載したとおりである。
下部電極12の主成分としては特に制限されないが、ペロブスカイト型酸化物が好ましく、LaNiO及びSrRuO等が挙げられる。下部電極12は、基板11上にエピタキシャル成長して得られたエピタキシャル膜であることが好ましい。
上部電極14の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物及びこれらの組合せが挙げられる。また、Al,Ta,Cr,及びCu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料も用いることができる。
下部電極12と上部電極14の厚みは特に制限なく、50〜500nmであることが好ましい。強誘電体膜13の膜厚は特に制限ないが、良好な圧電性能を得るには500nm以上が好ましい。
圧電アクチュエータ2は、圧電素子1の基板11の裏面に、強誘電体膜13の伸縮により振動する振動板16が取り付けられたものである。圧電アクチュエータ2には、圧電素子1の駆動を制御する駆動回路等の制御手段15も備えられている。インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、圧電アクチュエータ2の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)21及びインク室21から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)22を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)20が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子1に印加する電界強度を増減させて圧電素子1を伸縮させ、これによってインク室21からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板11とは独立した部材の振動板16及びインクノズル20を取り付ける代わりに、基板11の一部を振動板16及びインクノズル20に加工してもよい。例えば、基板11がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板11を裏面側からエッチングしてインク室21を形成し、基板自体の加工により振動板16とインクノズル20とを形成することができる。
圧電素子1は、上記本発明のペロブスカイト型酸化物膜(強誘電体膜)13を備えたものであるので、これまで理論上高い圧電性能を有すると考えられるが、常圧にて製造できなかったペロブスカイト型酸化物を含み、リーク電流が発生しにくく、圧電性能(強誘電性能)に優れ、かつ環境負荷の少ない圧電素子となる。
「インクジェット式記録装置」
図3及び図4を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図3は装置全体図であり、図4は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図3のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図3上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図3の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図4を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
(100)SrTiO単結晶基板表面に、PLD法にて厚み0.2μmの(100)SrRuO下部電極を形成した。次いで、ターゲットとしてBi1.1Fe0.3Al0.7を用い、PLD法において、レーザ強度300mJ,レーザパルス周波数5Hz,酸素分圧50mmTorr,基板―ターゲット間距離50mm,ターゲット回転数9.7rpm,基板温度585℃の条件で、100分間成膜を行って膜厚700nmのBiFe0.3Al0.7薄膜を形成した。
ターゲット及び得られた圧電体膜のX線回折(XRD)測定を行った結果を図5,図6に示す。図5に示されるターゲットのXRDにおいては、ペロブスカイト構造に帰属するピークは見られないが、図6では基板のピークとほぼ同様の場所にピークがみられ、ペロブスカイト単相の(100)優先配向が確認された。
(実施例2)
ターゲットの組成をBi1.1Fe0.4Al0.6とした以外は実施例1と同様にして、膜厚700nmのBiFe0.4Al0.6薄膜を形成した。ターゲット及び得られた圧電体膜のX線回折(XRD)測定を行った結果を図7,図8に示す。図7(a)に示されるターゲットのXRDにおいては、ペロブスカイト構造に帰属するピークは見られないが、図8(a)では実施例1と同様、基板のピークとほぼ同様の場所にピークが観察され、ペロブスカイト単相の(100)優先配向が確認された。
次に、得られた膜について、リーク電流特性の評価を実施した。リーク電流特性の評価は、Agilent4155Cを用い、ステップ幅0.3Vとして測定した。その結果を、同様の条件で成膜した膜厚700nmのBiFeO膜の結果と併せて図9に示す。図9には、BiFeO膜では、±50kV/cmまでに大きなリーク電流が発生しているが、一方、BiFe0.4Al0.6薄膜ではリーク電流の発生が著しく低減されていることが示されている。図9より、本発明のペロブスカイト型酸化物膜は、リーク特性が良好であることが確認された。
(実施例3)
(100)SrTiO単結晶基板表面に、PLD法にて厚み0.2μmの(100)SrRuO下部電極を形成した。次いで、ターゲットとしてBi1.1Fe0.75Co0.25を用い、PLD法において、レーザ強度350mJ,レーザパルス周波数5Hz,酸素分圧50mmTorr,基板―ターゲット間距離50mm,ターゲット回転数9.7rpm,基板温度560℃の条件で、100分間成膜を行って膜厚300〜400nmのBiFe0.75Co0.25薄膜を形成した。
得られた圧電体膜のX線回折(XRD)測定を行った結果を図10に示す。図10に示されるように、得られた圧電体膜は基板のピークとほぼ同様の場所にピークがみられ、ペロブスカイト単相の(100)優先配向が確認された。
(実施例4)
BサイトにMnを微量添加してターゲット組成をBi1.1Fe0.675Co0.225Mn0.10とした以外は実施例3と同様にして、膜厚300〜400nmのBiFe0.675Co0.225Mn0.10薄膜を形成した。得られた圧電体膜に対して電圧を印加して、バイポーラ分極−電界特性(PEヒステリシス特性)を測定した。測定を周波数10KHz(温度80K)の条件で最大印加電界をV=2500kV/cmに設定して実施したところ、図11に示されるように、良好な強誘電性を確認することができた。
(比較例1)
ターゲットとしてBi1.1AlOを用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚700nmのBiAlO薄膜を形成した。
ターゲット及び得られたBiAlO薄膜のX線回折(XRD)測定を行った結果を図7(b)、図8(b)にそれぞれ示す。図示されるように、ターゲット及びBiAlO薄膜共にペロブスカイト構造に帰属するピークは観察されず、BiAlO薄膜ではペロブスカイト構造を実現することができなかった。
本発明の強誘電体膜は、インクジェット式記録ヘッド,磁気記録再生ヘッド,MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス,マイクロポンプ,超音波探触子等に搭載される圧電アクチュエータ、及び強誘電体メモリ等の強誘電体素子に好ましく利用できる。
Figure 0005345868
パルスレーザデポジション装置の装置構成を示す概略図 本発明に係る一実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造を示す要部断面図 図2のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図3のインクジェット式記録装置の部分上面図 実施例1の成膜ターゲットのXRD結果 実施例1のBiFe0.3Al0.7膜のXRD結果 実施例2及び比較例1の成膜ターゲットのXRD結果 実施例2のBiFe0.4Al0.6膜、及び比較例1BiAlO膜のXRD結果 実施例2のBiFe0.4Al0.6膜及びBiFeO膜のリーク特性示す図 実施例3のBi1.0Fe0.75Co0.25膜のXRD結果 実施例4のBiFe0.675Co0.225Mn0.10膜のPEヒステリシス特性を示す図
1 圧電素子
3,3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
12、14 電極
13 ペロブスカイト型酸化物膜(強誘電体膜,圧電体膜)
20 インクノズル(液体貯留吐出部材)
21 インク室(液体貯留室)
22 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置

Claims (14)

  1. ペロブスカイト型単結晶基板上に成膜され、
    下記一般式(P2)で表されるペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とするペロブスカイト型酸化物膜。
    A(D,E1−x)O・・・(P2)
    (式中、0<x<0.5、であり、AはBiを主成分とするAサイト元素、DはFeを主成分とするBサイト元素、EはAとペロブスカイト構造を取り得ない、又は取りにくい、少なくとも1種のBサイト元素。A,D,Eは各々1種又は複数種の金属元素である。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
  2. Bサイト元素Eが、イオン価数3価の少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする請求項1に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  3. Bサイト元素EがAl,Ga,Coからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素であることを特徴とする請求項に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  4. ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で、Mn,Cu,Nbからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加元素を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  5. モルフォトロピック相境界又はその近傍の組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  6. 圧電体膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  7. 強誘電体膜であることを特徴とする請求項に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  8. 結晶配向性を有する強誘電体相を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  9. 自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する強誘電体相を含むことを特徴とする請求項に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  10. 自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する前記強誘電体相が、
    略<100>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する菱面体晶相、略<110>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<111>方向に結晶配向性を有する正方晶相、略<100>方向に結晶配向性を有する斜方晶相、及び略<111>方向に結晶配向性を有する斜方晶相からなる群より選択された少なくとも1つの強誘電体相であることを特徴とする請求項に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  11. 自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する前記強誘電体相は、該強誘電体相の自発分極軸方向とは異なる方向の電界印加により、該強誘電体相の少なくとも一部が結晶系の異なる他の強誘電体相に相転移する性質を有するものであることを特徴とする請求項9又は10に記載のペロブスカイト型酸化物膜。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載のペロブスカイト型酸化物膜と、該ペロブスカイト型酸化物膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする圧電素子。
  13. 請求項6〜11のいずれかに記載のペロブスカイト型酸化物膜と、該ペロブスカイト型酸化物膜に対して電界を印加する電極とを備え、前記ペロブスカイト型酸化物膜の自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する前記強誘電体相の自発分極軸方向と、前記電極による電界印加方向とが異なっていることを特徴とする圧電素子。
  14. 請求項12又は13に記載の圧電素子と、
    該圧電素子に隣接して設けられた液体吐出部材とを備え、
    該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、前記圧電体に対する前記電界の印加に応じて該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有することを特徴とする液体吐出装置。
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