JP4265523B2 - 電子写真機器用無端ベルト - Google Patents

電子写真機器用無端ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP4265523B2
JP4265523B2 JP2004314429A JP2004314429A JP4265523B2 JP 4265523 B2 JP4265523 B2 JP 4265523B2 JP 2004314429 A JP2004314429 A JP 2004314429A JP 2004314429 A JP2004314429 A JP 2004314429A JP 4265523 B2 JP4265523 B2 JP 4265523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base layer
endless belt
resin
todi
mdi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004314429A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005281670A (ja
Inventor
智志 鈴木
成輝 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2004314429A priority Critical patent/JP4265523B2/ja
Publication of JP2005281670A publication Critical patent/JP2005281670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4265523B2 publication Critical patent/JP4265523B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、耐久性に優れ、優れた画質が得られる電子写真機器用無端ベルトに関するものであり、詳しくはフルカラーLBP(レーザービームプリンター)やフルカラーPPC(プレーンペーパーコピア)等の電子写真技術を採用した電子写真機器において、中間転写ベルトや紙転写搬送ベルト等に用いられる電子写真機器用無端ベルトに関するものである。
一般に、フルカラーLBPやフルカラーPPC等の電子写真技術を採用した電子写真機器において、トナー像の転写用,紙転写搬送用,感光体基体用等の用途に、無端ベルト(シームレスベルト)が多用されている。このような無端ベルトとしては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂,ポリイミド樹脂等に、導電性カーボンブラックを配合したものを、ディッピング法,押出成形法,遠心成形法等の成形方法により、筒状フィルムに形成したものが用いられている。
しかし、上記フッ素系樹脂製ベルトは、電気特性には優れるものの、弾性率等のベルト物性が低く、コストが高くなるという難点がある。また、上記ポリイミド樹脂製ベルトは、ベルト物性については特に問題はないものの、電気特性においてロット毎のばらつきが大きく、コストも高いという難点がある。そして、このようなベルト物性の低さ、電気抵抗のばらつきは、複写画像の画質の低下原因となる。
また、数平均分子量1.3万以上のポリアミドイミド樹脂と半導電性カーボンブラックとからなる半導電性ポリアミドイミド組成物が提案されており、この組成物を中間転写ベルトに用いる旨の開示がある(特許文献1参照)。
特開2001−354854号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の半導電性ポリアミドイミド組成物を用いて、中間転写ベルトを作製した場合、引っ張り弾性率が低く、クリープ性が悪いため、画像不具合が発生するという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐久性に優れ、優れた画質が得られる電子写真機器用無端ベルトの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の電子写真機器用無端ベルトは、少なくとも基層を備えた電子写真機器用無端ベルトであって、上記基層が、下記の(A)〜(C)から誘導される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂を用いて形成され、かつ、上記(A)から誘導される構造単位(α)と、(B)から誘導される構造単位(β)とのモル比が、(α)/(β)=95/5〜50/50の範囲内であるという構成をとる。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)。
(B)トリジンジイソシアネート(TODI)。
(C)芳香族系多価カルボン酸の無水物、または芳香族系多価カルボン酸の無水物と芳香族系多価カルボン酸との混合物。
本発明者らは、耐久性に優れ、優れた画質が得られる電子写真機器用無端ベルトを得るべく、鋭意研究を重ねた。そして、上記特許文献1に記載の半導電性ポリアミドイミド組成物を用いてなる中間転写ベルトについて研究を続けたところ、上記ポリアミドイミドは、イソシアネート成分として、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートのみを用いているため、引っ張り弾性率が低く、クリープ性が悪いため、画像不具合が発生することを突き止めた。そこで、本発明者らは、イソシアネート成分を併用することを想起し、イソシアネート成分の好ましい組み合わせ、混合比等について研究を続けた結果、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、トリジンジイソシアネート(TODI)とを上記所定のモル比で混合するとともに、芳香族系多価カルボン酸の無水物、または芳香族系多価カルボン酸の無水物と芳香族系多価カルボン酸との混合物を用いてポリアミドイミド樹脂を作製し、このポリアミドイミド樹脂を用いて基層(ベース層)を形成すると好結果が得られることを突き止めた。すなわち、基層のみからなる単層、もしくは基層を含む2層以上の層からなる複層の電子写真機器用無端ベルトにおいて、その基層を、上記特殊なポリアミドイミド樹脂を用いて形成すると、耐久性に優れ、優れた画質が得られることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明の電子写真機器用無端ベルトは、基層のみからなる単層、もしくは基層を含む2層以上の層からなる複層の電子写真機器用無端ベルトにおいて、その基層を上記特殊なポリアミドイミド樹脂を用いて形成しているため、耐久性に優れ、優れた画質を得ることができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の電子写真機器用無端ベルトは、例えば、図1に示すように、基層1の外周面に表層2が直接形成されて構成されている。
本発明においては、上記基層1が、特定の構造単位を特定の割合で有する特殊なポリアミドイミド樹脂を用いて形成されているのであって、これが最大の特徴である。
上記基層1用材料である上記特殊なポリアミドイミド(PAI)樹脂は、下記の(A)〜(C)から誘導される構造単位を有している。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)。
(B)トリジンジイソシアネート(TODI)。
(C)芳香族系多価カルボン酸の無水物、または芳香族系多価カルボン酸の無水物と芳香族系多価カルボン酸との混合物(以下、「酸成分」と略す)。
上記(A)のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記MDIから誘導される構造単位(α)と、TODIから誘導される構造単位(β)とのモル比は、(α)/(β)=95/5〜50/50の範囲内に設定する必要があり、好ましくは(α)/(β)=80/20〜60/40の範囲内である。すなわち、αのモル比が95を超える(βのモル比が5未満である)と、引っ張り弾性率が低く、クリープ性が劣り、逆にαのモル比が50未満である(βのモル比が50を超える)と、引き裂き強度が低いため、耐久性が劣るからである。
上記酸成分(C)の芳香族系多価カルボン酸およびその無水物としては、上記MDIおよびTODIと縮合反応し、芳香族環を有するものであれば特に限定はないが、例えば、トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸およびこれらの無水物の他、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸(ピロメリット酸)、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ビフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、フェナントレン−1,3,9,10−テトラカルボン酸、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)およびこれらの二無水物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、反応性、コスト、溶解性等の点から、トリメリット酸の無水物(無水トリメリット酸)が好適に用いられる。
上記特殊なPAI樹脂は、数平均分子量(Mn)が10,000〜50,000の範囲内が好ましく、特には好ましくはMnが15,000〜40,000の範囲内である。すなわち、PAI樹脂のMnが10,000未満であると、引き裂き強度が低くなり耐久性が悪化し、逆にPAI樹脂のMnが50,000を超えると、溶液粘度が高くなり加工性が悪化する傾向がみられるからである。
上記特殊なPAI樹脂は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、撹拌機、窒素導入管、温度計、冷却管を備えた反応容器を準備し、MDIおよびTODIを前記所定のモル比となるよう配合するとともに、無水トリメリット酸等の酸成分の所定量を配合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC),γ−ブチロラクトン等の極性溶剤とを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら所定時間(好ましくは1時間)かけて所定温度(好ましくは130℃)まで昇温し、所定温度(好ましくは130℃)で所定時間(好ましくは約5時間)反応させた後反応を停止することにより、PAI樹脂の溶剤を調製することができる。
なお、上記基層用材料としては、上記特殊なPAI樹脂とともに、導電性充填剤を用いても差し支えない。
上記導電性充填剤としては、特に限定はないが、例えば、カーボンブラック,グラファイト等の導電性粉末、アルミニウム粉末,ステンレス粉末等の金属粉末、導電性酸化亜鉛(c−ZnO),導電性酸化チタン(c−TiO2 ),導電性酸化鉄(c−Fe3 4 ),導電性酸化錫(c−SnO2 )等の導電性金属酸化物、第四級アンモニウム塩,リン酸エステル,スルホン酸塩,脂肪族多価アルコール,脂肪族アルコールサルフェート塩等のイオン性導電剤等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記基層用材料には、上記各成分とともに、DMF,DMAC,トルエン,アセトン,NMP等の有機溶剤や、充填剤を、必要に応じて含有させることも可能である。
上記基層1を形成する導電性組成物は、例えば、PAI樹脂と、導電性充填剤と、有機溶剤と、充填剤とを必要に応じて適宜に配合し、撹拌羽根で混合した後、リングミル,ボールミル,サンドミル等を用いて分散させることにより調製することができる。
つぎに、基層1の外周面に形成される表層2用材料としては、特に限定はなく、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、通常作業性を考慮して、液状または溶剤可溶タイプが好適に用いられる。また、汚れ防止、塗膜強度、あるいは密着性を向上させる目的で、前記樹脂材料を変性したものを用いてもよく、例えば、変性アクリル系樹脂があげられる。この変性アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂の分子構造を母体とし、他の樹脂ないし樹脂成分で変性されたものであれば特に限定はないが、シリコーン変性アクリル系樹脂が好適に用いられる。
上記シリコーン変性アクリル系樹脂としては、例えば、シリコーングラフトアクリル系樹脂があげられる。このシリコーングラフトアクリル系樹脂としては、アクリル系樹脂(主鎖)にシリコーン系樹脂がグラフト重合したものであれば特に限定するものではない。このシリコーングラフトアクリル系樹脂の具体例としては、東亞合成社製のサイマックUS−350等があげられる。
なお、上記表層2用材料としては、前記樹脂材料に対して、イソシアネート樹脂,アミノ樹脂,フェノール樹脂,キシレン樹脂等の樹脂架橋剤を用いて、樹脂架橋を施した材料や、感光性モノマーまたはポリマーに光重合開始剤を混合した紫外線硬化型材料を用いても差し支えない。
上記表層2用材料は、例えば、変性アクリル系樹脂と、DMF,トルエン,アセトン等の有機溶剤とを適宜に配合し、撹拌羽根で混合することにより調製することができる。なお、各層を精度良く形成するためには、隣接する層の形成材料に用いる有機溶剤は、互いに異なった種類のものを使用することが好ましい。すなわち、表層2用材料に用いる有機溶剤と、基層1用材料に用いる有機溶剤とは、互いに異なった種類のものを使用することが好ましい。
前記図1に示した、本発明の電子写真機器用無端ベルトは、例えばつぎのようにして作製することができる。すなわち、前記と同様にして、基層用材料を調製し、これを金型(円筒形基体)の表面にスプレーコーティングする。ついで、これを150〜300℃で3〜6時間乾燥することにより、金型の表面に基層1を形成する。つぎに、この基層1の表面に、前記と同様にして調製した表層2用材料を、ディッピング法にてコーティングし乾燥した後、基層1と円筒形基体との間にエアー吹き付け等することにより、円筒形基体を抜き取り、基層1の表面に、表層2が形成されてなる2層構造の無端ベルト(図1参照)を作製することができる。なお、表層2の形成方法は、上記ディッピング法に限定されるものではなく、基層1の形成方法と同様に、スプレーコーティングすることにより形成しても差し支えない。
また、本発明の電子写真機器用無端ベルトの基層1は、上記製法以外に、押出成形法、インフレーション法、ブロー成形法、ディッピング法、遠心成形法等により、作製することも可能である。そして、上記表層2の形成を省略することにより、基層1のみからなる単層構造の無端ベルトを作製することができる。
本発明の電子写真機器用無端ベルトの各層の厚みは、ベルトの用途に応じて適宜に設定されるが、基層1の厚みは、通常、30〜300μmの範囲内であり、好ましくは50〜200μmの範囲内である。また、表層2の厚みは、0.1〜10μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。また、本発明の電子写真機器用無端ベルトは、内周長が90〜1500mmで、幅が100〜500mm程度のものが好ましい。すなわち、上記寸法の範囲内に設定すると、電子写真複写機等に組み込んで使用するのに適当な大きさとなるからである。
なお、本発明の電子写真機器用無端ベルトは、少なくとも基層1を備えた構造であればよく、前記図1に示したような、基層1の外周面に表層2を直接形成した2層構造に限定されるものではない。本発明の電子写真機器用無端ベルトは、例えば、基層1のみからなる単層構造、基層1と表層2との間に、熱可塑性樹脂層もしくはゴム弾性層を介在させた3層構造、基層1と表層2との間に、熱可塑性樹脂層およびゴム弾性層の双方を介在させた4層構造等であっても差し支えない。ただし、基層1は、前述の特殊なPAI樹脂を用いて形成されている必要がある。
この場合、上記基層1と表層2との間に介在させる熱可塑性樹脂層用材料としては、特に限定はないが、熱可塑性樹脂とともに、必要に応じて、メチルエチルケトン(MEK),トルエン等の溶剤等が用いられる。なお、この熱可塑性樹脂層用材料中にも、先に述べたような、導電性充填剤を配合しても差し支えない。
また、上記熱可塑性樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF),テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド系樹脂、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系樹脂、EEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合体)系樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、難燃性に優れる点で、PVDF等のフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
また、上記基層1と表層2との間に介在させるゴム弾性層用材料としては、ゴム材および加硫剤とともに、必要に応じて、加硫促進剤、溶剤、加工助剤、老化防止剤等が用いられる。なお、このゴム弾性層用材料中にも、先に述べたような、導電性充填剤を配合しても差し支えない。
上記ゴム材としては、特に限定はないが、難燃性の観点から、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、クロロプレンゴム(CR)等が用いられる。これらのなかで、各中間転写ベルトに要求される電気特性、弾力性、耐久性に合わせて最適材料が選定される。
本発明の電子写真機器用無端ベルトは、フルカラーLBPやフルカラーPPC等の電子写真技術を採用した電子写真機器において、トナー像の転写用,紙転写搬送用,感光体基体用等の用途に好適に用いられるが、これに限定するものではなく、例えば、フルカラーではない、単色の電子写真複写機の転写ベルト等にも使用することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔基層用材料の調製〕
撹拌機、窒素導入管、温度計、冷却管を備えた反応容器に、MDI(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT、Mn:250.06)48部と、TODI(日本曹達社製、TODI/R203、Mn:264.29)3部と、無水トリメリット酸38部と、NMP溶剤200部とを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、130℃で約5時間反応させた後反応を停止し、PAI−NMP溶剤を調製した。つぎに、このPAI−NMP溶剤に、カーボンブラック(昭和キャボット社製、ショウブラックN220)3部を配合し、撹拌羽根で混合した後、ボールミル分散させて基層用材料を調製した。
〔表層用材料の調製〕
シリコーングラフトアクリル系樹脂(東亞合成社製、サイマックUS−350)100部と、トルエン溶剤500部とを配合し、撹拌羽根で混合して、表層用材料を調製した。
〔無端ベルトの作製〕
金型(円筒形基体)を準備し、この表面に上記基層用材料をスプレーコーティングして、金型の表面に基層を形成し、250℃で2時間加熱処理をした。つぎに、この基層の表面に、上記表層用材料をディッピング法にてコーティングし、乾燥した後、基層と円筒形基体との間にエアーを吹き付けることにより、円筒形基体を抜き取り、基層(厚み:80μm)の表面に、表層(厚み:1μm)が形成されてなる2層構造の無端ベルトを作製した。
MDIの配合割合を38部に、TODIの配合割合を13部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
MDIの配合割合を25部に、TODIの配合割合を26部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
MDIの配合割合を30部に、TODIの配合割合を21部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
MDIの配合割合を40部に、TODIの配合割合を11部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
〔基層用材料の調製〕
撹拌機、窒素導入管、温度計、冷却管を備えた反応容器に、MDI(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT、Mn:250.06)25部と、TODI(日本曹達社製、TODI/R203、Mn:264.29)26部と、無水トリメリット酸36部と、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との脱水縮合により得られるカルボン酸両末端ポリエステル(酸価:57mgKOH/g、Mn:1968)20部と、NMP溶剤250部とを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、そのまま130℃で約5時間反応させた後反応を停止し、PAI−NMP溶剤を調製した。つぎに、このPAI−NMP溶剤に、カーボンブラック(昭和キャボット社製、ショウブラックN220)4部を配合し、撹拌羽根で混合した後、ボールミル分散させて基層用材料を調製した。
〔無端ベルトの作製〕
上記基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、基層(厚み:80μm)の表面に、表層(厚み:1μm)が形成されてなる2層構造の無端ベルトを作製した。
〔比較例1〕
MDIの配合割合を50部に変更するとともに、TODIを配合しない以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
〔比較例2〕
MDIを配合しないとともに、TODIの配合割合を53部に変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
〔比較例3〕
MDIの配合割合を20部に、TODIの配合割合を32部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
〔比較例4〕
MDIの配合割合を49部に、TODIの配合割合を1部にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして、基層用材料を調製した。そして、この基層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、無端ベルトを作製した。
このようにして得られた実施例品および比較例品の無端ベルトを用い、下記の基準に従って各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1および表2に併せて示した。なお、MDIとTODIとのモル比、および得られたPAIの数平均分子量(Mn)も併せて示した。
〔引張弾性率、破断伸び〕
JIS K7127に準じて、引張弾性率および破断伸びを測定した。なお、引張速度は、毎分10±2.0mmとした。
〔引き裂き強度〕
無端ベルトからクレセント形試験片を打ち抜き、切り込みと直角方向に毎分10±2.0mmの速度で引っ張り、引き裂き強度を測定した。
〔クリープ率〕
無端ベルトを20mm×180mmの大きさに切断して、短冊状のテストピースを作製した。このテストピースの一端に、250±5gの荷重をかけて吊るし、50℃×95%の環境下、24時間放置した後の伸び率を計算した。
〔ベンチ耐久試験〕
直径13mmの金属製ローラーを2本準備し、2本の金属製ローラー間に無端ベルト(幅150mm)を張架した状態で、一方の金属製ローラーをテーブル上に固定した。ついで、テーブルに固定していない他方の金属製ローラーがテーブルの端部になるように配置し、金属製ローラーの両端にオモリを2kgずつ吊り下げ(総荷重4kg)、ラボ環境(25℃×40%)下で、無端ベルトを回転駆動させた。そして、無端ベルトに亀裂が確認できるまでの累積回転数を測定した。
Figure 0004265523
Figure 0004265523
上記結果から、いずれの実施例品も、引っ張り弾性率、破断伸びおよび引き裂き強度が高く、またクリープ率が低く、耐久性に優れていた。特に実施例6品は、カルボン酸両末端ポリエステルを共重合させた変性PAI樹脂を用いているため、低クリープを維持したまま破断伸びと、耐久性が向上した。
これに対し、比較例1品は、TODIを併用していないため、引っ張り弾性率および引き裂き強度が低く、またクリープ率が高く、耐久性に劣っていた。比較例2品は、MDIを併用していないため、破断伸びおよび引き裂き強度が低く、耐久性に劣っていた。比較例3品は、MDIのモル比が低すぎ、TODIのモル比が高すぎるため、破断伸びおよび引き裂き強度が低く、耐久性に劣っていた。比較例4品は、MDIのモル比が高すぎ、TODIのモル比が低すぎるため、引っ張り弾性率および引き裂き強度が低く、またクリープ率が高く、耐久性に劣っていた。
本発明の電子写真機器用無端ベルトは、フルカラーLBP(レーザービームプリンター)やフルカラーPPC(プレーンペーパーコピア)等の電子写真技術を採用した電子写真機器において、中間転写ベルトや紙転写搬送ベルト等に好適に用いられる。
本発明の電子写真機器用無端ベルトの一例を示す部分断面図である。
符号の説明
1 基層
2 表層

Claims (2)

  1. 少なくとも基層を備えた電子写真機器用無端ベルトであって、上記基層が、下記の(A)〜(C)から誘導される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂を用いて形成され、かつ、上記(A)から誘導される構造単位(α)と、(B)から誘導される構造単位(β)とのモル比が、(α)/(β)=95/5〜50/50の範囲内であることを特徴とする電子写真機器用無端ベルト。
    (A)ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)。
    (B)トリジンジイソシアネート(TODI)。
    (C)芳香族系多価カルボン酸の無水物、または芳香族系多価カルボン酸の無水物と芳香族系多価カルボン酸との混合物。
  2. 上記(C)の芳香族系多価カルボン酸の無水物が、無水トリメリット酸である請求項1記載の電子写真機器用無端ベルト。
JP2004314429A 2003-11-26 2004-10-28 電子写真機器用無端ベルト Expired - Fee Related JP4265523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004314429A JP4265523B2 (ja) 2003-11-26 2004-10-28 電子写真機器用無端ベルト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003395805 2003-11-26
JP2004060739 2004-03-04
JP2004314429A JP4265523B2 (ja) 2003-11-26 2004-10-28 電子写真機器用無端ベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005281670A JP2005281670A (ja) 2005-10-13
JP4265523B2 true JP4265523B2 (ja) 2009-05-20

Family

ID=35180404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004314429A Expired - Fee Related JP4265523B2 (ja) 2003-11-26 2004-10-28 電子写真機器用無端ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4265523B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005281670A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7662481B2 (en) Endless belt for electrophotographic apparatus
JP5153240B2 (ja) 画像形成装置に用いられる多層弾性ベルト
JP4622584B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルトおよびその製法
JP4561369B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4525384B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4529729B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルトの製法
JP5314313B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4832925B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4265523B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4337649B2 (ja) 半導電性シームレスベルト
JP4127179B2 (ja) 半導電性シームレスベルト
JP2006330539A (ja) 電子写真装置用無端ベルト
JP4534696B2 (ja) 半導電性シームレスベルト
JP4475050B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4810086B2 (ja) 半導電性シームレスベルト
JP4832935B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4433980B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP5314373B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP5314371B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4751592B2 (ja) 半導電性シームレスベルト
JP2010066305A (ja) 電子写真機器の無端ベルト用樹脂組成物およびそれを用いた電子写真機器用無端ベルト
JP4525377B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP2009086087A (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP4407426B2 (ja) シームレス中間転写ベルトおよびその製法
JP2004310016A (ja) 半導電性シームレスベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4265523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees