JP4265284B2 - 車両のアームレスト構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のアームレスト構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車室内の内側壁パネルは、ドアのあるところではドアインナパネルにより形成され、ドアのないところでは車体のインナパネルにより形成されている。このような内側壁パネルには、車室内側から内装材としてのサイドトリムが取付けられている。このサイドトリムには、車室内側に突出した状態のアームレスト支持部が、サイドトリムと一体又は別体で形成されている。そして、このアームレスト支持部の上面部には、略水平なアームレスト本体が設けられ、該アームレスト本体の上に乗員の腕を載せることができる。
【0003】
このアームレスト本体は、本来的には乗員の腕から加わる荷重に耐えられるように全体を高剛性にする必要がある。また、その反面、車両の側面衝突時には、アームレスト本体が乗員の腰部付近に当たるため、潰れやすくして衝突エネルギーを吸収する機能も求められる。そのため、従来はアームレスト本体の一部に変形し易い衝撃緩和部(脆弱部)を設けていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−207695号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、アームレスト本体の一部に衝撃緩和部(脆弱部)が設けられていたため、乗員の腕を確実に支持するために必要なアームレスト本体の本来的な機能である剛性の確保が犠牲になっていた。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、アームレスト本体の剛性確保と衝突エネルギー吸収性能の両立を図ることができる車両のアームレスト構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車体の内側壁パネルより車室内側に配置したアームレスト支持部の上部にアームレスト本体を設けた車両のアームレスト構造であって、前記内側壁パネルに支持ブラケットを固定するとともに、前記支持ブラケットの上部を車室内側に延びる横面部を介して前記アームレスト本体に向けて延設し、前記支持ブラケットが車室内側からの荷重を受けた際に前記支持ブラケットの上部を上方へ変位させることで、前記アームレスト本体が前記アームレスト支持部から離脱するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記支持ブラケットの上下寸法が拡大することで前記支持ブラケットの上部が上方に変位することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記横面部が車室内側に向けて水平よりも上方へ傾いていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、支持ブラケットの横面部又は上部の少なくとも一方が、乗員腰部の腸骨に対応する高さ位置近傍に設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、支持ブラケットとアームレスト本体との間に、プルハンドル用のハンドルブラケットが設けられていることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1、2の発明によれば、アームレスト本体には、従来のような脆弱部を設ける必要がないため、アームレスト本体の本来的な機能である剛性確保を十分に行うことができる。また、このようにアームレスト本体を高剛性にしても、支持ブラケットが車室内側からの荷重を受けた時、該支持ブラケットの上部が上方へ変位するようになっているため、車両の側面衝突時にアームレスト本体が乗員の腰部付近に当たり、乗員の体から反作用としての荷重が加わると、支持ブラケットの上部が上方へ持ち上げられ、アームレスト本体がアームレスト支持部から離脱したり或いは回転したりする。従って、アームレスト本体自体が高剛性であっても、アームレスト構造全体が潰れやすくなり、衝突エネルギーを確実に吸収して、乗員の保護を図ることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、車室内側に延びる横面部が、車室内側に向けて水平よりも上方へ傾いているため、車室内側からの荷重が加わると、横面部が車外側の支点を中心に上方へ回転し、支持ブラケットの上部を上方へ持ち上げることができる。簡単な断面構造のため、支持ブラケットの製造が容易である。
【0013】
請求項4の発明によれば、支持ブラケットの横面部又は上部の少なくとも一方が、乗員腰部の骨格のうち、最も左右に張り出した腸骨に対応する高さ位置近傍に設定されているため、乗員腰部付近がアームレスト本体に当たる際に、当該腸骨から支持ブラケットへ対して早期に荷重を伝達して変形させることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、高剛性部品であるプルハンドル用のハンドルブラケットも、一緒に持ち上げることができるため、ハンドルブラケットがあっても、アームレスト構造を確実に潰すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。1は自動車の右側のフロントドアで、「内側壁パネル」としてのドアインナパネル2には、車室内側から「サイドトリム」としての樹脂製のドアトリム3が取付けられている。ドアトリム3の下部には、ポケットトリム4が車室内側から取付けられ、そこに小物入れ用のポケット部5が形成されている。
【0016】
ドアトリム3には、アームレスト支持部6が車室内側に突出した状態で取付けられている。アームレスト支持部6の裏面には上下にエンボス部7、8が形成されている。アームレスト支持部6の内部に位置するドアトリム3には前後方向に3カ所の開口9が形成され、その開口9内で露出するドアインナパネル2に対して、補強パネル10を介して、支持ブラケット11とハンドルブラケット12とが、近接して締結手段13により共締めされている。
【0017】
ハンドルブラケット12は、支持ブラケット11とドアインナパネル2との間に挟持され、上部にはドアトリム3に形成されたプルハンドル用の凹部14に対応する屈曲部15が形成されている。そして、このハンドルブラケット12の上部に、アームレスト支持部6の上部を覆う状態でアームレスト本体16が取付けられる。アームレスト本体16もハンドルブラケット12の上部と共に、凹部14から離間しており、凹部14内に入れた手をハンドルブラケット12の屈曲部15へ掛けることにより、フロントドア1を閉める場合のプルハンドルとして使用できる。
【0018】
支持ブラケット11は、ハンドルブラケット12と共締めされた下部17に対して、上部18が横面部19を介して車室内側のアームレスト本体16下方に近接してオフセットした断面クランク形をしている。この支持ブラケット11の上部18に、アームレスト支持部6の上側のエンボス部7を締結手段20により固定し、アームレスト支持部6の全体強度を確保している。このようなアームレスト支持部6の上部に取付けられたアームレスト本体16は断面略コ字形をしており、また裏面にはリブ21も形成されて、アームレスト本体16自体が大変に剛性の高い構造になっている。
【0019】
すなわち、この実施形態のアームレスト本体16には、従来のように変形しやすい脆弱部を形成する必要がないため、アームレスト本体16の本来的な機能である剛性確保を十分に行うことができる。従って、アームレスト本体16の上に載せられた乗員の腕を確実に支持することができる。
【0020】
このアームレスト本体16の下方には、ハンドルブラケット12の上部が位置しており、更にその下には支持ブラケット11の上部18が位置している。すなわち、ハンドルブラケット12の上部は、アームレスト本体16と支持ブラケット11との間に上下方向で挟まれた状態になっている。
【0021】
そして、この実施形態の支持ブラケット11は、その中間に位置する横面部19が水平でなく、車室内側に向けて所定の角度θだけ上方へ傾いた状態になっている。また、この支持ブラケット11における横面部19及び上部18は、一般的な乗員腰部22における腸骨23(図3参照)と対応する高さ位置近傍に設定されている。この腸骨23は乗員腰部22の骨格のうち、最も左右に張り出した部分である。
【0022】
従って、車両の側面衝突にアームレスト支持部6及びアームレスト本体16が乗員腰部22側に変位すると、アームレスト支持部6の内部の支持ブラケット11が、この左右に張り出した腸骨23と早期に当たり、該腸骨23側から反作用としての荷重Fを支持ブラケット11の上部18及び横面部19に加えることができる。
【0023】
そして、乗員側からこのような荷重Fが支持ブラケット11に対して加わると、支持ブラケット11の横面部19が車室内側へ向けて上方へ傾いた状態になっているため、横面部19が車外側の支点を中心に上方へ回転し、支持ブラケット11全体の上下寸法が、ドアインナパネル2に締結された下部17を固定した状態で、拡大するように変形する。
【0024】
そのため、支持ブラケット11の上部18が固定されているアームレスト支持部6が上方へ持ち上げられ、アームレスト本体16がアームレスト支持部6から離脱したり或いは回転したりするため、アームレスト本体16自体が高剛性であっても、アームレスト本体16及びアームレスト支持部6とから構成されるアームレスト構造全体が潰れやすく、衝突エネルギーを確実に吸収して、乗員の保護を図ることができる。
【0025】
また、アームレスト本体16の下方には、高剛性部品であるプルハンドル用のハンドルブラケット12も設けられているが、このハンドルブラケット12も、上昇する支持ブラケット11の上部18により、一緒に持ち上げることができるため、ハンドルブラケット12があっても、アームレスト構造を確実に潰すことができる。
【0026】
尚、以上の実施形態では、ドアトリム3に別物のアームレスト支持部6を取付ける例を示したが、ドアトリム3に一体成形のアームレスト支持部6を形成するようにしても良い。また、アームレスト支持部6の形成はドアトリム3に限定されず、ドア以外の車体内側壁パネルに車室内側から取付けられる「サイドトリム」に形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るドアを示す斜視図。
【図2】図1中矢示SA−SAに沿うドアの断面図。
【図3】アームレスト本体及びアームレスト支持部が乗員に当たった状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 フロントドア
2 ドアインナパネル(内壁パネル)
3 ドアトリム(サイドトリム)
6 アームレスト支持部
11 支持ブラケット
12 ハンドルブラケット
16 アームレスト本体
17 支持ブラケットの下部
18 支持ブラケットの上部
19 支持ブラケットの横面部
22 腰部
23 腸骨
θ 横面部の傾き
F 荷重
Claims (5)
- 車体の内側壁パネルより車室内側に配置したアームレスト支持部の上部にアームレスト本体を設けた車両のアームレスト構造であって、
前記内側壁パネルに支持ブラケットを固定するとともに、前記支持ブラケットの上部を車室内側に延びる横面部を介して前記アームレスト本体に向けて延設し、
前記支持ブラケットが車室内側からの荷重を受けた際に前記支持ブラケットの上部を上方へ変位させることで、前記アームレスト本体が前記アームレスト支持部から離脱するようにしたことを特徴とする車両のアームレスト構造。 - 請求項1記載の車両のアームレスト構造であって、
前記支持ブラケットの上下寸法が拡大することで前記支持ブラケットの上部が上方に変位することを特徴とする車両のアームレスト構造。 - 請求項2記載の車両のアームレスト構造であって、
前記横面部が車室内側に向けて水平よりも上方へ傾いていることを特徴とする車両のアームレスト構造。 - 請求項3記載の車両のアームレスト構造であって、
支持ブラケットの横面部又は上部の少なくとも一方が、乗員腰部の腸骨に対応する高さ位置近傍に設定されていることを特徴とする車両のアームレスト構造。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のアームレスト構造であって、
支持ブラケットとアームレスト本体との間に、プルハンドル用のハンドルブラケットが設けられていることを特徴とする車両のアームレスト構造。
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