JP4263938B2 - コード・ゴム複合体、及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチールコードとそれを被覆する被覆ゴムとの初期接着性及び熱・湿熱接着性を向上させたコード・ゴム複合体、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム製品の補強素子としてスチールコードが、コード強力が高く補強効果に優れるなどの観点から多用されており、例えば、空気入りタイヤにおいても、大型タイヤのカーカスやべルト層、乗用車用タイヤのベルト層などの補強層に用いられている。そして、この補強層をなすコード・ゴム複合体では、従来、スチールコードとゴムとの接着を高めるために、スチールコード側に対してブラスメッキ等を施すとともに、ゴム側に対してはゴム中に有機酸コバルト塩等を配合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし最近の道路網の整備化、車両の高速化や高性能化とともに、タイヤに要求される性能もますます厳しくなってきており、そのためスチールコードと被覆ゴムとの接着性のさらなる向上が求められている。
【0004】
このような状況に鑑み、本発明者が研究した結果、スチールコードとして、メッキ処理の後さらに所定の加熱処理を施した加熱処理コードを用る一方、被覆ゴムとして、未加硫状態において0.3〜1.0%の水分を含有したゴム組成物を用いることにより、初期接着性はもとより熱及び湿熱下での経時接着性である熱・湿熱接着性をも向上させうることを究明し得た。
【0005】
その理由としては、まず前記加熱処理によってメッキ表面に酸化被膜が発生し、この酸化被膜が、接着力を発現させる硫化物(CuS)の生成を適正化すること、及びゴム中に含有する水分がメッキ表面を活性化し、加硫の際に前記硫化物の生成を迅速化することが挙げられ、これらの相乗効果によって、初期接着性及び熱・湿熱接着性が向上すると推測される。なお酸化被膜を形成しない従来的な場合には、硫化物の生成が過剰となり、この硫化物の層の肥大化を招くなど凝集破壊を起こし、初期接着性を損ねることとなる。しかもメッキ表面にのこる未反応のZnが、水分等の影響でZn(OH)2 となって接着劣化を起こすなど、熱・湿熱接着性をも減じることとなる。又ゴム中の水分が少ないと、加硫中の硫化物の生成が遅れ、加熱処理による前記効果が有効に発揮されなくなる。
【0006】
そこで本発明は、スチールコードとしてメッキ処理の後さらに所定の加熱処理を施した加熱処理コードを用る一方、被覆ゴムとして未加硫状態において水分を0.3〜1.0%含有したゴム組成物を用いることを基本として、スチールコードと被覆ゴムとの初期接着性及び熱・湿熱接着性を向上しうるコード・ゴム複合体、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−164604号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、スチールコードとそれを被覆する被覆ゴムとからなるコード・ゴム複合体であって、
前記スチールコードは、スチールワイヤを用いた加熱処理コードからなるとともに、
該加熱処理コードは、ブラスメッキ後の引抜き伸線加工により最終仕上げ寸法となったスチールワイヤにおけるメッキの厚さを0.1〜0.3μmとし、
かつこの最終仕上げされたスチールワイヤに加熱温度400〜800℃かつ加熱時間30〜250秒の加熱処理が施されることにより前記加熱処理コードとするとともに、
前記被覆ゴムは、未加硫状態において0.3〜1.0%の水分を含有したゴム組成物からなることを特徴としている。
【0009】
又請求項2の発明では、前記ブラスメッキは、銅の含有量を55〜62%とし、かつブラスメッキの層のさらに外側に、厚さ0.001〜0.10μmの薄い銅メッキ層をさらに形成することにより、この銅メッキ層を潤滑剤として伸線加工性を行ない、最外側の前記銅メッキ層は、その一部が伸線時の磨耗によって消失させ、残部を摩擦熱によってブラスメッキ内に熱拡散することを特徴とし、請求項3の発明は、前記被覆ゴムの水分の含有は、混練り工程において水を混入させることによりなされることを特徴とする。
【0010】
又請求項4の発明では、前記加熱処理は、加熱温度450〜750℃、かつ加熱時間40〜200秒であることを特徴としている。
【0011】
又請求項5は空気入りタイヤの発明であって、前記1〜4のいずれかに記載のコード・ゴム複合体をタイヤの補強層に用いたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のコード・ゴム複合体を用いた空気入りタイヤを例示する断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
【0013】
そして本例では、前記カーカス6及びベルト層7を含む補強層9のうち、前記ベルト層7を、スチールコード10を有するコード・ゴム複合体21によって形成している。
【0014】
なお前記カーカス6は、本例では、従来的な構造をなし、有機繊維のカーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75゜〜90゜の角度で配列した1枚以上のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りで内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを具える。そして、前記該プライ本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のエーペックスゴム8が配置される。
【0015】
次に、前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して10〜45°の角度で傾斜配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bからなり、各コードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高めトレッド部2を強固に補強する。このベルトプライ7A、7Bは、図2に示すように、スチールコード10が互いに平行に引き揃えられたコード配列体11の両面を、トッピングゴムである被覆ゴム12によって被覆したシート状のコード・ゴム複合体21によって形成される。
【0016】
そして本発明では、このコード・ゴム複合体21のスチールコード10に、
メッキ後に所定の加熱処理が施されたスチールワイヤからなる加熱処理コードを用いる一方、被覆ゴム12に、未加硫状態において0.3〜1.0%の水分を含有させたゴム組成物を使用している。
【0017】
前記スチールコード10は、少なくとも1本のスチールワイヤからなり、本例では、例えば3本のスチールワイヤを撚り合わせた1×3構造のものを例示している。このスチールコード10では、まずスチールワイヤにメッキ処理を施し、しかる後、所定太さ(線径)となるように伸線加工が行われる。そして、伸線加工した所定太さのスチールワイヤを撚り合わせた後、或いは撚り合わせる前に加熱処理を施すことにより加熱処理コードを形成している。
【0018】
ここで、前記メッキとしてブラスメッキが採用されるとともに、本例ではこのブラスメッキに、従来的な拡散メッキ法を採用している。
【0019】
即ち、まずスチールワイヤを、銅メッキ浴および亜鉛メッキ浴にそれぞれ通過浸漬してメッキ処理し、スチールワイヤ表面に、銅メッキ層と亜鉛メッキ層とを積層する。その後、このスチールワイヤを加熱装置によって熱拡散処理(例えば420℃程度)し、前記銅メッキ層と亜鉛メッキ層とを拡散させることにより、合金化されたブラスメッキ層を形成する。このときブラスメッキ中の銅の含有率(重量比)は、熱・湿熱接着性の観点から、従来的な範囲(62〜70%)よりも低い55〜62%、さらには55〜60%、さらには55〜58%の範囲に抑えることが好ましい。
【0020】
なお前記メッキの順序は「亜鉛メッキ」→「銅メッキ」でも良い。また銅メッキ浴としてピロリン酸銅浴や硫酸銅浴などが、亜鉛メッキ浴として硫酸亜鉛浴などがあり、又加熱装置として、通電加熱装置、高周波加熱装置、流動層加熱炉などがある。
【0021】
又伸線加工では、従来と同様、前記メッキ処理したスチールワイヤをダイスで引き抜き、最終仕上げ寸法である所定太さのワイヤになるまで多段階に分けて伸線する。即ち引抜き伸線加工を施す。
【0022】
このとき、前記ブラスメッキ中の銅の含有率が、前記55〜62%と低い場合には、展延性が減じるため伸線加工性が低下する傾向となる。係る場合には、ブラスメッキ層のさらに外側に、例えば厚さ0.001〜0.10μmの薄い銅メッキ層をさらに形成することにより、この銅メッキ層を潤滑剤として前記伸線加工性を行うことが可能となる。なお最外側の前記銅メッキ層は、その一部が伸線時の磨耗によって消失するが、残部は摩擦熱によってブラスメッキ内に熱拡散する。
【0023】
又前記メッキ処理では、最終仕上げ寸法となったスチールワイヤにおけるメッキの厚さを0.1〜0.3μm、好ましくは0.15〜0.25μmの範囲内に抑えることも重要である。
【0024】
これは、メッキの厚さが厚いと接着性、特に熱・湿熱接着性を損ねる傾向にあるからであり、特に本発明の効果を有効に発揮せしめ、とりわけ熱・湿熱接着性を向上させるためには、メッキ厚さをより薄く前記0.1〜0.3μmの範囲に規制することが好ましい。
【0025】
さらに本発明では、前記最終仕上げ寸法となったスチールワイヤの複数本を1つに撚り合わせた後、加熱処理を行うことにより加熱処理コードを形成する。なお伸線処理されたスチールワイヤに加熱処理を施し、しかる後撚り合わせることにより加熱処理コードを形成しても良い。又加熱処理コードはスチールワイヤの1本で形成しても良く、このときには撚り合わせは排除される。
【0026】
前記加熱処理は、前記メッキ処理工程における熱拡散のための加熱、及び伸線加工に伴う摩擦発熱とは相違するもので、前記メッキ表面に酸化被膜を形成することを目的としている。又この加熱処理では、スチールワイヤ自体の物性をできるだけ損ねないことも必要である。そのため、該加熱処理は、加熱温度400〜800℃、かつ加熱時間30〜250秒で行う。
【0027】
ここで、従来のようにメッキ表面に酸化被膜を形成しない場合には、ゴムとの接着力を発現させる硫化物(CuS)の生成が過剰となってこの硫化物(CuS)の層が肥大化し、凝集破壊を起こすなど初期接着性が有効に発揮されない傾向にあった。さらにメッキ表面では未反応のZnが多く残るため、このZnが水分等の影響でZn(OH)2 となって接着劣化を起こすなど、熱・湿熱接着性をも減じていた。
【0028】
従って、加熱処理によりメッキ表面に酸化被膜を形成することにより、硫化物(CuS)の生成を適正化しうるとともに、未反応のZnがZn(OH)2 となるのを抑えることができ、初期接着性及び熱・湿熱接着性の双方を効果的に向上させることができる。なお加熱時間が400℃未満及び加熱時間が30秒未満では、メッキ表面の酸化が進まず、逆に加熱時間が800℃より大及び加熱時間が250秒より大では、スチールワイヤ自体に組成変化をもたらすなど強力低下の恐れを招く。従ってより好ましくは、加熱温度450〜750℃、かつ加熱時間40〜200秒とするのが良い。
【0029】
なお前記ブラスメッキとしては、含有量10%以下以下の範囲であれば、例えばニッケル、コバルトなどの第3の金属を一部含有させても良い。
【0030】
次に、このような加熱処理による前記効果を有効に発揮させるために、前記被覆ゴム12に、未加硫状態において、被覆ゴムの全重量に対して0.3〜1.0%の重量の水分を含有したゴム組成物を使用する。
【0031】
なおゴム組成物のゴム基材としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等が好適であり、要求によりエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等も使用できる。これらは単独で或いは2種以上をブレンドして用いうる。特に、加硫剤として硫黄とともに耐熱性架橋剤を使用する場合には、架橋機構上、NR、IR、BR、SBRが使用される。
【0032】
又ゴム組成物に前記範囲の水分を含有させる方法は特に限定されるものではないが、例えばゴム組成物の混練り工程の際に、水を混入させるのが好ましい。
【0033】
このように混入した水分は、スチールコード10のメッキ表面を活性化させ、加硫中の前記硫化物(CuS)の生成を迅速化させる。その結果、前記メッキ表面における酸化被膜との相乗作用によって、初期接着性及び熱・湿熱接着性を向上させることができる。
【0034】
なお水分の含有量が0.3%未満であれば、本発明の効果を十分に発揮させることが困難であり、逆に1.0%を越えると、水分過多となってゴムの強度を損ねる傾向となる。
【0035】
なお、前記ゴム基材には、前記水分以外に、一般的なゴム用の添加剤、例えばカーボンブラック,シリカなどの補強性充填剤、炭酸カルシウム,酸化亜鉛などの無機充填剤、硫黄などの加硫剤、ステアリン酸などの軟化剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、有機酸金属塩等を適宜配合することができる。
【0036】
このようなスチールコード10と被覆ゴム12とを用いたコード・ゴム複合体21は、ベルト層7の他、カーカス6、バンド層(図示しない)、或いはビード部4を補強するビード補強層(図示しない)など種々のタイヤ補強層に使用することができ、さらにはタイヤ以外にも、コンベヤーベルト、ホースなど種々のゴム製品に採用することができる。
【0037】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0038】
【実施例】
(1)
表1の仕様で作成したスチールコードの配列体の両面を、表2の仕様の未加硫のゴム組成物のシートで挟み、圧接状態で加熱加硫(150℃、30分)してコードプライのサンプルを試作するとともに、各サンプルにおけるスチールコードの初期接着性及び湿熱接着性をテストした。なおゴム組成物への水分の含有は、ゴムの混練り工程の際に水を混入させることにより行い、又水分の含有率は、カールフィッシャー法によりJISK0068に基づいて定量測定した。
【0039】
初期接着性は、加硫後のサンプルを常温・常湿(20℃、50%(相対湿度))で自然冷却させた後、剥離テストを行って評価した。又湿熱接着性は、加硫後のサンプルを温度80℃、湿度95%(相対湿度)のオ一ブンに5日間放置し、その後、常温・常湿で自然冷却させた後、剥離テストを行って評価した。評価基準は下記の通りであり、夫々サンプル100個について評価し、その平均値を表1に示している。
5−−−完全にゴムで覆われ、スチールコードのメッキ面が見えない。
4−−−メッキ面が3〜6箇所見える。
3−−−メッキ面が13〜20箇所見える。
2−−−メッキ面が21箇所以上見えるが、全体として60%以上ゴムで覆われている。
1−−−ゴムで覆われた部分が30%未満である。
【0040】
(2)
表1の比較例1、実施例1、2に対しては、その仕様のコード・ゴム複合体でベルト層を形成したタイヤ(サイズ180/55R17)を試作し、該タイヤの吸湿高速耐久性をテストした。
ベルト層
・プライ数 ----2枚
・コード角度 ----(+20°、−20°)
・コード打ち込み数----40本/5cm
カーカスド
・コード ----1100dtex/2(ポリエチレンテレフタレート)
・プライ数 ----1枚
・コード角度 ----(90°)
・コード打ち込み数----38本/5cm
【0041】
(A)吸湿高速耐久性:
タイヤを温度70℃、湿度98%(相対湿度)の雰囲気に7日間放置して吸湿させた。しかる後、ドラム走行試験機を用い、内圧(255kPa)、荷重(2.45kN)の条件で、速度80km/hからスタートし、24時間走行毎に10km/hつづスピードアップさせ、タイヤが破壊するまでの走行距離を、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
実施例のものは、加熱処理をしない従来的な比較例1に対して、初期接着性及び湿熱接着性の双方を向上しうるのが確認できる。
【0045】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、スチールコードとしてメッキ処理の後さらに所定の加熱処理を施した加熱処理コードを用る一方、被覆ゴムとして未加硫状態において水分を0.3〜1.0%含有したゴム組成物を用いているため、スチールコードと被覆ゴムとの初期接着性及び熱・湿熱接着性を向上でき、コード・ゴム複合体、及びそれを用いた空気入りタイヤ等の耐久性を高めうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコード・ゴム複合体を補強層に用いた空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのコード・ゴム複合体を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
9 補強層
10 スチールコード
12 被覆ゴム
21 コード・ゴム複合体
Claims (5)
- スチールコードとそれを被覆する被覆ゴムとからなるコード・ゴム複合体であって、
前記スチールコードは、スチールワイヤを用いた加熱処理コードからなるとともに、
該加熱処理コードは、ブラスメッキ後の引抜き伸線加工により最終仕上げ寸法となったスチールワイヤにおけるメッキの厚さを0.1〜0.3μmとし、
かつこの最終仕上げされたスチールワイヤに加熱温度400〜800℃かつ加熱時間30〜250秒の加熱処理が施されることにより前記加熱処理コードとするとともに、
前記被覆ゴムは、未加硫状態において0.3〜1.0%の水分を含有したゴム組成物からなることを特徴とするコード・ゴム複合体。 - 前記ブラスメッキは、銅の含有量を55〜62%とし、かつブラスメッキの層のさらに外側に、厚さ0.001〜0.10μmの薄い銅メッキ層をさらに形成することにより、この銅メッキ層を潤滑剤として伸線加工性を行ない、最外側の前記銅メッキ層は、その一部が伸線時の磨耗によって消失させ、残部を摩擦熱によってブラスメッキ内に熱拡散することを特徴とする請求項1記載のコード・ゴム複合体。
- 前記被覆ゴムの水分の含有は、混練り工程において水を混入させることによりなされることを特徴とする請求項1又は2記載のコード・ゴム複合体。
- 前記加熱処理は、加熱温度450〜750℃、かつ加熱時間40〜200秒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに2記載のコード・ゴム複合体。
- 請求項1〜4の何れかに記載のコード・ゴム複合体を補強層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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