JP4263422B2 - 単粒子層積層体の製造方法および単粒子層積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上にナノ粒子が単粒子層として固定化され、これにより種々の用途に展開可能な単粒子層積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材上にナノ粒子を単粒子状に積層して例えば反射防止膜として用いる等の技術が知られている。例えば、特開平6−155652号公報には、支持基材の表面に所定の粒径のシリカ微粒子を単粒子膜として形成し、これをカチオン重合性のモノマーを主成分とするバインダー成分により固定化して低反射部材として用いる発明が開示されている。しかしながら、この方法では、単粒子膜の配列が不規則であり、粒子間に隙間の開いた箇所が多く見られる。このため、例えば高い精度が要求される機能性素子等には用いることができないものであった。
【0003】
一方、このようなナノ粒子を基材上に規則的に配列された単粒子層として形成する方法として、ナノ粒子が分散された分散液を基材上に塗布し、その液膜の膜厚を調整することにより、いわゆるウェティングレイヤーとして機能させてナノ粒子を単粒子状に配列させる技術も知られている(例えば、J. Phys. Chem. B, 105, 3353-3357(2001))。特に、比較的粒径の揃った、好ましくは単分散のナノ粒子の場合、規則的に配列された単粒子層は、粒子間に大きな隙間が見られない密度の高い配列が可能である。
【0004】
しかしながら、これらの方法においては、ナノ粒子を基材上に単粒子層として配列させる技術は開示されているものの、このナノ粒子の単粒子層を基材上に固定化させる技術については、全く開示されていない。このようなナノ粒子の単粒子層は基材上に固定化されて例えば光学素子として用いることができるものであることから、基材上にナノ粒子を単粒子状に配列させ、かつ種々の機能性素子として用いることができるように固定化させる技術が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、基材上にナノ粒子を単粒子状に規則的に配列させ、かつ基材上に固定化させた単粒子層積層体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、平均粒径が100nm以下の微粒子と、硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方と、揮発性溶媒とを有する微粒子分散液を基材上に塗布する塗布工程と、上記微粒子分散液中の揮発性溶媒を揮発させることにより、液膜の膜厚をウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とし、微粒子を単粒子状に配列させる単粒子層形成工程と、上記液膜中の上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方を硬化させて単粒子層を基板上に固定化する固定化工程とを有し、上記微粒子は表面処理が施された微粒子であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記表面処理が施された微粒子表面と親和性を有するものであり、上記基材は密着処理が施された基材であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記密着処理が施された基材表面と親和性を有するものであることを特徴とする単粒子層積層体の製造方法を提供する。本発明においては、このように微粒子を単粒子層に配列させるためにウェッティングレイヤーとして機能する液膜が、そのまま固定化のための樹脂層となるものであるので、規則的に配列した単粒子層をそのまま基材上に固定化することができる。これにより、高品質な単粒子層積層体を容易に製造することが可能となる。
【0007】
上記請求項1に記載された発明においては、上記微粒子は表面処理が施された微粒子であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記表面処理が施された微粒子表面と親和性を有するものである。両者の親和性が低いと、上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーが、微粒子周囲に均一に配置されない可能性があり、固定化に問題が生じる場合があるからである。
【0008】
上記請求項1に記載された発明においては、上記基材は密着処理が施された基材であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記密着処理が施された基材表面と親和性を有するものである。単粒子膜を固定化するためには、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーが密着処理が施された基材表面との密着性が高いことが必要であり、このためには両者の親和性が高いことが好ましいからである。
【0009】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーの少なくとも一方の粘度が、使用する温度において、0.3〜50mPa・sの範囲内であることが好ましい。微粒子を単粒子膜にするには、液膜がいわゆるウェッティングレイヤーとして機能することが必要であり、そのためには微粒子が液膜の毛細管力により移動可能な程度の粘度である必要があるからである。
【0010】
上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーの少なくとも一方の表面張力が、20mN/m以上(dyn/cm=10−3N/m)であることが好ましい。微粒子を円滑に単粒子層とするためには、この範囲の表面張力を有することが好ましいからである。
【0011】
上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーが、活性照射線硬化型であることが好ましい。活性照射線硬化型であれば、活性照射線の照射により、容易に硬化することが可能であり、例えば熱による変形等の問題点を考慮する必要がないからである。
【0012】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記単粒子層形成工程における、液膜のウェッティングレイヤーとして機能する膜厚が、上記微粒子の平均粒径の10%〜100%の範囲内であることが好ましい。工程上許容される範囲内の時間で均一に単粒子層を形成するためには、液膜の膜厚をこの範囲内とすることが好ましいからである。
【0013】
上記請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記固定化工程において、上記硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの少なくとも一方をパターン状に硬化させ、上記単粒子層をパターン状に基材上に固定化させ、次いで固定化されていない単粒子層を除去することにより、基材上にパターン状に形成された固定化された単粒子層を形成するようにしてもよい。単粒子層を基板上にパターン状に形成することにより、さらに種々の機能性素子としての用途が広がるからである。
【0014】
上記請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項7に記載するように、上記微粒子分散液に、分散安定剤が含有されていることが好ましい。ナノ粒子を分散媒中に均一に分散させるためには、分散安定剤を加えることが好ましいからである。
【0015】
本発明はまた、請求項8に記載するように、基材と、上記基材上に形成された100nm以下の平均粒径を有する微粒子からなる単粒子層と、上記微粒子層を基材上に固定化する樹脂層とを有し、上記樹脂層の膜厚が上記微粒子の径の10%〜100%の範囲内であり、上記微粒子は表面処理が施された微粒子であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記表面処理が施された微粒子表面と親和性を有するものであり、上記基材は密着処理が施された基材であり、上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、上記密着処理が施された基材表面と親和性を有するものであることを特徴とする単粒子層積層体を提供する。このような単粒子層積層体は、単粒子層が基材上に樹脂層で固定化されたものであるので種々の用途に応用することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に含まれる単粒子層積層体の製造方法および単粒子層積層体についてそれぞれ説明する。
【0017】
A.単粒子層積層体の製造方法
本発明の単粒子層積層体の製造方法は、平均粒径が100nm以下の微粒子と、硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方と、揮発性溶媒とを有する微粒子分散液を基材上に塗布する塗布工程と、
上記微粒子分散液中の揮発性溶媒を揮発させることにより、液膜の膜厚をウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とし、微粒子を単粒子状に配列させる単粒子層形成工程と、
上記液膜中の上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方を硬化させて単粒子層を基板上に固定化する固定化工程と
を有することを特徴とするものである。
【0018】
本発明においては、このように微粒子を単粒子層に規則的に配列させるためにウェッティングレイヤーとして機能する液膜を形成する液体を、硬化型のモノマーおよび/または硬化型のオリゴマーとしたものであるので、液膜により規則的な単粒子層を形成した状態で、そのまま硬化させることにより、規則的に配置された単粒子層を基材上にそのまま固定化させることが可能となる。したがって、簡便な工程で規則的に配列した単粒子層が基材上に固定化した単粒子層積層体を得ることが可能となり、種々の用途への応用が可能となる。
【0019】
以下、このような単粒子層積層体の製造方法について、各工程毎に詳細に説明する。
【0020】
1.塗布工程
本発明においては、まず、平均粒径が100nm以下の微粒子と、硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方と、揮発性溶媒とを有する微粒子分散液を基材上に塗布する塗布工程が行われる。
【0021】
(微粒子)
本発明に用いられる平均粒径が100nm以下の微粒子は、製造される単粒子層積層体の用途に応じて適宜選択されるものであり、具体的には、反射防止や赤外線反射等の光学用途として、SiO2、TiO2、Ta2O5、ZrO2、SnO2、In2O3等が挙げられる。また、高密度メモリ用途として、各種磁性材料、例えば、Fe、Co、Ni等の鉄族元素または遷移金属元素から選ばれる金属単体、またはこれら元素のうち少なくとも一種類を含む合金や金属間化合物または金属酸化物、具体的には、Fe、Fe3O4、γ−Fe2O3、CrO2、Co−γ−Fe2O3、Co−Ni、Co−Ni−P、Co−Cr、Baフェライト等が挙げられる。さらに、高密度メモリや発光表示体の用途として、各種蛍光材料、例えば、無機酸化物やハロゲン化物、もしくはこれらを母材として希土類元素等を導入した化合物、具体的には(以下、:の左側が母材、右側が導入した元素を表す。)BaSi2O5:Pb、Sr2P2O7:Eu、BaMa2Al16O27:Eu、MgWO4、3Ca3(PO4)2Ca(F,Cl)2:Sb,Mn、MgGa2O4:Mn、Zn2SiO4、(Ce,Tb)MgAl11O19、Y2SiO5:Ce,Tb、Y2SiO5:Ce、Y2SiO5:Eu、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、(Sr,Mg,Ba)3(PO4)2:Sn、3.5MgO・5MgF2・GeO2:Mn、ZnS:Cu、ZnS:Mn、ZnS:TbF3、ZnS:Ag、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、ZnO:Zn等の材料を挙げることができる。
【0022】
このような微粒子の平均粒径も、用途に応じて選択されるものであるが、本発明においては少なくとも100nm以下の平均粒径の微粒子が用いられる。微粒子の単粒子層を固定化して用いる用途、例えば表面積の増大、光学的な利用等においては、少なくとも100nm以下の粒子を単粒子状に配列させた単粒子積層体が通常用いられるからである。
【0023】
本発明においては、中でも1〜80nmの範囲内、特に1〜50nmの範囲内のものが好適に用いられる。
【0024】
本発明に用いられる微粒子は、表面処理が施されたものを用いることが好ましい。分散性の向上と、後述する硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーとの密着性を向上させるためである。
【0025】
このような表面処理としては、まず、気相中で微粒子とテトラハイドロテトラメチルシクロテトラシロキサン蒸気を接触させ、微粒子表面にポリメチルシロキサン薄膜を形成する。続いて疎水処理をする場合には、ビニル基と疎水基とを有する有機化合物(例えば1-octeneまたは1-dodecene)とポリメチルシロキサン薄膜に存在するシラノール基を縮合反応させる。親水処理をする場合には、ポリオキシエチレンのように、ビニル基と親水基を有する有機化合物と、ポリメチルシロキサン薄膜に存在するシラノール基を縮合させる等の方法によりなされる。
【0026】
(硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマー)
本発明に用いられる硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーとは、活性照射線や熱等のエネルギー等が加えられることにより、液体状から固体状に変化する物質全般を示すものであり、具体的には、紫外線硬化型、電子線硬化型、熱硬化型等の種々の反応性の硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを挙げることができる。
【0027】
本発明においては、中でも活性照射線硬化型のモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。加熱等が行われるものでないことから、膨張や収縮による影響が小さく、かつ後述するようなパターン化を容易に行うことができるからであり、さらに活性照射線硬化型のものは種々の材料が提案されていることから、微粒子との親和性や基材との密着性に優れている等の材料の選択の幅が広がるからである。
【0028】
上述した活性照射線硬化型のモノマーを具体的に挙げると、スチレン、α-スチレンなどのビニルベンゼンモノマー、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート(以下、本発明においては、アクリレートおよびメタアクリレートを(メタ)アクリレートと称する。)、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸とグリコールのエステル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)メチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルなどの不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等の多官能性化合物、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等の分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、2−ヒドロキシヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0029】
また、脂肪族多官能(メタ)アクリレートとして、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキル型、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール型、ヒドロキシピバリン酸エステル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのエステル型、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどのトリメチロールプロパン型、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのペンタエリスリトール型、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート型、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの脂環型のものを挙げることができる。
【0030】
さらに、芳香族単官能(メタ)アクリレートとして、フェニル(メタ)アクリレート等のフェニル型、ベンジル(メタ)アクリレート等のベンジル型、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシ型、芳香族多官能アクリレートとして、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールSジ(メタ)アクリレートなどのビスフェノールA型、OH基を含む(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコール型、ブトキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビス(ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)、プロポキシ化ビスフェノールAビス(ヒドロキシフロロピル(メタ)アクリレート)などのエポキシ型、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリメチロール型、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのペンタエリスリトール型、アリル基含有(メタ)アクリレートとして、アリル(メタ)アクリレートがそれぞれ挙げることができる。
【0031】
また、活性照射線硬化型オリゴマーとしては、上述のモノマー単体もしくは組み合わせで数個重合したもの、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0032】
このような活性照射線硬化型のモノマーおよび/またはオリゴマーを紫外線で硬化させるときは、光重合開始剤を加える。光重合開始剤には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン塁、ミヒラ−ベンゾイルベンゾエート、アルドオキシム、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントンおよび/または光増感剤であるn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィンなどを混合して使用できる。波長180nm以上の紫外線又は可視光線を利用しフリーラジカルを発生させる光開始剤としては、ベンゾイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アシルホスフォンオキサイド、グリオキシエステル、環状ベンジルなどの分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサンソン、ベンジル、3−ケトマクリンなどの分子間水素引抜き型のラジカル重合開始剤、カンファーキノン,アンスラキノン、α−ナフチル、アセナフセン、p,p’−ジメトキシベンジル、p、p’−ジクロロベンジルなどのジカルボニル系可視光線硬化用ラジカル重合開始剤、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系可視光線硬化用ラジカル重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフォンオキサイド(TMDPO)、2,6−ジメチルベンゾイルホスフォンオキサイドなどのアシルホスフォンオキサイド系可視光線硬化用ラジカル重合開始剤、Eosin Y(2,4,5,7-tetrabromo-fluorescein disodium salt)等の可視光線硬化用ラジカル重合開始剤が挙げられる。また、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどの水溶性光開始剤や、α−アリルベンゾイン、α−アリルベンゾインアリールエーテル、ベンゾフェノン誘導体などの共重合性光開始剤が挙げられる。
【0033】
このような紫外線硬化に際しての、活性照射線硬化型モノマーおよびオリゴマーと、上記光重合開始剤との重量比は、モノマーおよび/またはオリゴマー100重量部に対して、1〜20重量部とすることができる。
【0034】
また、電子線硬化の場合は、コックロフルトワルトン型、バンテグラフ型、ダイナミトロン型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、高周波型などの各種電子線加速器から放出されるエネルギーを物質に与え、分子の励起やイオン化などを生じ、化学反応を起こすものである。加速電圧が50〜3000KeVの電子線が用いられるが、好ましくは150〜300KeVである。
【0035】
本発明においては、また、上述した表面処理が施された微粒子と共に用いられる場合は、表面処理が施された微粒子表面と親和性を有する硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーが好適に用いられる。親和性を有することにより、単粒子層の固定化能が向上するからである。なお、本発明において、「親和性を有する」とは、表面処理が施された微粒子表面に存在する表面処理剤と、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーのSP値(溶解性パラメータ)の差が小さいこと、具体的には、数値にして3以下の場合をいう。
【0036】
さらに、本発明においては、後述する密着処理が施された基材の表面とも親和性を有することが好ましい。基材上に単粒子層を固定化するためには、基材と単粒子層を構成する微粒子のいずれの表面ともに高い結合性を有することが好ましいからである。
【0037】
本発明においては、このような硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの粘度が、使用する温度において、0.3〜50mPa・sの範囲内、特に0.3〜30mPa・s、中でも0.3〜10mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、ここで使用する温度とは、実際に単粒子層を形成する際の温度を示すものであり、通常は、5℃〜30℃の範囲内となる。
【0038】
本発明においては、後述する単粒子層形成工程において、これらの硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを用い、これを所定の膜厚の液膜とすることにより、いわゆるウェッティングレイヤー機能を発揮させて単粒子層を形成するものである。この際の液膜の組成は、多少の揮発性溶媒が含まれる場合もあるが、後述するようにほぼこの硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーからなるものとすることが好ましい。したがって、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの粘度は、単粒子膜形成の重要な要因となる。
【0039】
本発明に用いられる硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの粘度が、上記範囲より高い場合は、いわゆるウェッティングレイヤー機能により微粒子を単粒子層とすることが困難となる場合があることから好ましくない。なお、一般的にはウェッティングレイヤー機能により微粒子を単粒子層とするためには、液膜の粘度は低いほうが好ましいのであるので、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの粘度は低ければ低いほどよいのであるが、上記範囲より低い粘度のものを入手することが困難であることから、下限を定めたものである。
【0040】
なお、本発明における粘度は、株式会社エーアンドデー製、振動式粘度計CJV−5000により測定した値である。
【0041】
さらに、本発明においては、上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの表面張力が、20mN/m以上であることが好ましく、特に30〜75mN/mの範囲内であることが好ましい。
【0042】
本発明においては、上述するように単粒子層形成に際して硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを用い、これを所定の膜厚の液膜とすることにより、いわゆるウェッティングレイヤー機能を発揮させて単粒子層を形成するものであるが、このウェッティングレイヤー機能は、液体の毛細管力、すなわち表面張力を利用して微粒子を単粒子層とするものである。したがって、基本的には表面張力が高い液体ほど微粒子の単粒子層形成に際しては好ましいものであるといえる。本発明においては、このような観点から、上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの表面張力が上述した範囲内のものを選択することが、微粒子の単粒子層の形成を円滑に正確に行う上で好ましいといえる。なお、上述したように、表面張力は高ければ高い方が好ましいのであるが、一般的に上記範囲を超える表面張力を有する硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーは存在しないことから上述したように上限を定めた。
【0043】
なお、本発明における表面張力は、ISO9101に準拠した滴重法(滴下体積法)により測定した値である。
【0044】
(揮発性溶媒)
本発明に用いられる揮発性溶媒としては、後述する単粒子層形成工程において容易に揮発除去することが可能な溶媒であり、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーと相溶性を有するものであれば特に限定されるものではない。
【0045】
具体的に用いることができる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセトアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)等の極性溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン等の炭化水素類、水、THF、ジオキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタンまたは上記溶媒の混合体等を挙げることができる。
【0046】
(微粒子分散液)
本発明においては、必須成分として、上記微粒子、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマー、および揮発性溶媒を有する微粒子分散液を調製し、これを基材上に塗布する。
【0047】
このような本発明の微粒子分散液には、上記必須成分以外に、微粒子の分散性を向上させるために分散安定剤を添加することが好ましい。微粒子の種類および粒径等においては、この分散安定剤が必須成分とされる場合もある。
【0048】
このような分散安定剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、フッ素系等の界面活性剤等を挙げることができる。
【0049】
上記微粒子分散液には、その他、上述したように必要に応じて光重合開始剤等を添加してもよい。
【0050】
このような微粒子分散液の処方としては、用いる微粒子の種類、粒径、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの種類、さらには得られる微粒子分散液に必要とされる粘度等によって大きく異なるものであるが、一般的には微粒子を1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%の範囲内、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%の範囲内、揮発性溶媒を1重量%〜98重量%、好ましくは20重量%〜95重量%の範囲内で処方し、必要に応じて分散安定剤を0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜2重量%の範囲内で添加されるものである。
【0051】
また、微粒子と硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーとの処方量の関係は、揮発性溶媒乾燥後に形成される単粒子層に対して後述する所定の膜厚を形成するような液膜となる量である。これは、微粒子の粒径に応じて異なるものであるが、具体的には、微粒子の全体積を100とした場合に、10〜10000、特に10〜1000の範囲内となるような量で硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを添加することが好ましい。
【0052】
このような微粒子分散液の調製方法は、微粒子の種類等に応じて種々のものがあり、通常の分散液の製造方法にしたがって調製される。なお、微粒子の合成に引き続いて微粒子分散液を調製する場合は、特に限定されるものではないが、上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを微粒子の合成段階から配合すると、合成時に付与される熱や圧力等で上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーが重合してしまうため、これらは微粒子重合後に添加することが好ましい。
【0053】
(基材)
本発明においては、上述したような微粒子分散液を基材上に塗布するものであるが、このような本発明に用いられる基板は、単粒子層積層体の具体的用途によって種々のものが用いられる。
【0054】
例えば、ガラス、シリコンウエハ、PETやPEN等のプラスチックフィルム等を挙げることができる。
【0055】
本発明においては、上記基材上に密着処理が施されていることが好ましい。上記硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーとの密着性を向上させ、単粒子層の固定化をより良好な状態とするためである。
【0056】
このような密着処理としては、ガラスやシリコンウエハに対しては、シランカップリング剤処理等の方法を挙げることができ、プラスチックフィルムに対しては、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の方法によりなされる。
【0057】
(基材上への微粒子分散液の塗布)
本発明における上記基材上への微粒子分散液の塗布方法は、均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではない。一般的に行われているスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、キャストコート法等の種々のコーティング方法を用いることができる。また、必要に応じてパターン状に塗布したい場合等においては、例えばインクジェット法等の吐出法、スクリーン印刷法、凸版もしくは凹版印刷法等の種々の印刷法等によりパターン状に塗布することも可能である。
【0058】
2.単粒子層形成工程
次に、基材上に塗布された微粒子分散液中の揮発性溶媒を揮発させることにより、液膜の膜厚をウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とし、微粒子を単粒子状に配列させる単粒子層形成工程が行われる。
【0059】
上記揮発性溶媒の揮発方法は、膜内に気泡が生じないような方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な加熱、送風等の方法により行われる。
【0060】
そして、この揮発性溶媒の揮発により、液膜の膜厚をウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とする。ここで、ウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とは、微粒子の粒径の10%〜100%の範囲内、特に50%〜90%の範囲内である。
【0061】
なお、本発明において用いられる「ウェッティングレイヤーとして機能する」とは、微粒子が液体の膜(ウェッティングレイヤー)に部分的に濡れることにより、微粒子間に引力だけでなく横毛管力が働き、微粒子同士が引き付け合う現象のことを意味する。
【0062】
本発明においては、上記範囲内の膜厚となるように揮発性溶媒を揮発させるのであるが、この膜厚を調整することは困難であることから、予め微粒子分散液を処方する際に、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの量が、上記液膜のウェッティングレイヤーとして機能する膜厚となるように調整する。そして、単粒子層形成工程において揮発性溶媒を除去することにより、容易に上記範囲内の液膜を形成することが可能とするように微粒子分散液を調製することが好ましい。なお、本発明においては、ウェッティングレイヤーとして機能する液膜の組成が、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーのみとする点に限定されるものではないが、上述したように液膜の膜厚の調整が容易である点および単粒子層の基材上への固定能が良好である点等を考慮すると、ウェッティングレイヤーとして機能する液膜が、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを主成分とするものであることが好ましいといえる。
【0063】
3.固定化工程
本発明においては、上述した単粒子層形成工程の後、上記液膜中の上記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方を硬化させて単粒子層を基板上に固定化する固定化工程が行われる。
【0064】
この固定化工程は、用いる硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーの種類に応じて、例えば上述した活性照射線硬化型のものであれば、紫外線照射や電子線照射による硬化反応が行われて、単粒子層が基材上に固定化される。
【0065】
その後必要に応じてポストキュア等が行われて単粒子層積層体が製造される。この単粒子層積層体上には必要に応じて保護層等の他の層が形成されてもよく、用途に応じて種々の加工がなされる。
【0066】
本発明においては、上記固定化工程において、パターン状に硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを硬化させ、未硬化の部分の微粒子分散液を除去することにより、基材上にパターン状の単粒子層が形成された単粒子層積層体としてもよい。パターン状に形成することにより、例えば蛍光体微粒子を用いた表示素子等の用途に用いることができるからである。
【0067】
なお、単粒子層をパターン状に形成する方法は、上述したように予め微粒子分散液をパターン状に塗布する方法もあるが、精度面等を考慮すると、固定化工程における液膜の硬化をパターン状に行う方法が好ましいといえる。
【0068】
また、この液膜をパターン状に精度良く硬化させる点を考慮すると、上述したように、硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーは、活性照射線硬化型のものが好適に用いられる。
【0069】
4.用途
上記単粒子層積層体の製造方法により得られる単粒子層積層体は、上述したように規則的に配列されたナノ粒子が基板上に固定化されたものであるので、種々の用途に応用することができる。
【0070】
例えば、反射防止膜、赤外線反射膜、光フィルタ、高密度メモリ、表示素子等を挙げることができる。
【0071】
B.単粒子層積層体
次に、本発明の単粒子層積層体について説明する。本発明の単粒子層積層体は、上述した単粒子層積層体の製造方法を製法の一例として得られるものであり、基材と、上記基材上に形成された100nm以下の平均粒径を有する微粒子からなる単粒子層と、上記微粒子層を基材上に固定化する樹脂層とを有し、上記樹脂層の膜厚が上記微粒子の径の所定の範囲内であることを特徴とするものである。
【0072】
ここで、上記所定の範囲とは、上記微粒子の径の10%〜100%の範囲内であり、中でも50%〜90%の範囲内とすることが好ましい。樹脂層の膜厚を上記範囲内とすることにより、単粒子層の固定化を良好な状態とすることができるからである。
【0073】
本発明の単粒子層積層体に用いられる基材および微粒子については、上述した「A.単粒子層積層体の製造方法」の欄に記載されたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。また樹脂層の成分に関しても、上述した「A.単粒子層積層体の製造方法」の欄において説明した硬化型モノマーおよび/または硬化型オリゴマーを硬化させたものであるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
本発明の単粒子層積層体は、上記「A.単粒子層積層体の製造方法」の欄に記載された方法により製造されたものであることが好ましい。上述した方法により製造されたものであれば、単粒子層が規則的に配列されており、高品質な単粒子層積層体とすることができるからである。
【0075】
また、本発明の単粒子層積層体の用途も、上記「A.単粒子層積層体の製造方法」において説明した、製造された単粒子層積層体の用途と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0077】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
【0078】
(参考例)
Co金属微粒子の逆ミセル溶液を、以下に示す逆ミセル法により調整した。即ち、界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)をオクタンとブタノールの混合溶液中に溶解させ、30℃に設定した。この溶液を攪拌し、Arガスでバブリングしながら、CoSO4(硫酸コバルト)水溶液を滴下させ、CTAB逆ミセル中にCoSO4水溶液が存在するような構造を形成させた。この構造を形成する溶液中に、NaBH4水溶液を滴下し、Coの2価イオンを0価に還元して、Co金属微粒子の逆ミセル溶液を調整した。この溶液のCo金属微粒子濃度は、8.9重量%で、微粒子の大きさは、約20nmで比較的粒径が揃っていた。
【0079】
この溶液とヘキサンジオールジアクリレート(商品名:NKエステル A−HD、新中村化学工業株式会社製)と、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、長瀬産業株式会社製)とを、重量比で100:1:0.02に配合した微粒子分散液を調整した。
【0080】
これを、1mm厚のガラス基板上にキャストコート法により塗布し、100℃で5分間オーブンにて乾燥後、10分間、25℃の室温にて放置し、その後窒素雰囲気下で紫外光(照射エネルギー:1J/cm2)をガラス基板上に照射すると、粒子間に大きな隙間の見られない、規則正しく配列したCo微粒子の単粒子層が形成され、指の腹でこすっても粒子が剥離しない程度に固定化されていた。
【0081】
これを分解能100nmの磁気ヘッドで、書き込み、読み取りの実験を行ったところ、分解能100nmで良好な記録(書き込み)特性と読み取り特性を示した。
【0082】
【発明の効果】
本発明においては、このように微粒子を単粒子層に配列させるためにウェッティングレイヤーとして機能する液膜が、そのまま固定化のための樹脂層となるものであるので、規則的に配列した単粒子層をそのまま基材上に固定化することができる。これにより、高品質な単粒子層積層体を容易に製造することが可能となる。
Claims (8)
- 平均粒径が100nm以下の微粒子と、硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方と、揮発性溶媒とを有する微粒子分散液を基材上に塗布する塗布工程と、
前記微粒子分散液中の揮発性溶媒を揮発させることにより、液膜の膜厚をウェッティングレイヤーとして機能する膜厚とし、微粒子を単粒子状に配列させる単粒子層形成工程と、
前記液膜中の前記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方を硬化させて単粒子層を基板上に固定化する固定化工程と
を有し、
前記微粒子は表面処理が施された微粒子であり、前記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、前記表面処理が施された微粒子表面と親和性を有するものであり、
前記基材は密着処理が施された基材であり、前記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、前記密着処理が施された基材表面と親和性を有するものであることを特徴とする単粒子層積層体の製造方法。 - 前記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーの少なくとも一方の粘度が、使用する温度において、0.3〜50mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 前記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーの少なくとも一方の表面張力が、20mN/m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 前記硬化型モノマーまたは硬化型オリゴマーが、活性照射線硬化型であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 前記単粒子層形成工程における、液膜のウェッティングレイヤーとして機能する膜厚が、前記微粒子の平均粒径の10%〜100%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 前記固定化工程において、前記硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの少なくとも一方をパターン状に硬化させて前記単粒子層をパターン状に基材上に固定化させ、次いで固定化されていない単粒子層を除去することにより、基材上にパターン状に形成された固定化された単粒子層を形成することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 前記微粒子分散液に、分散安定剤が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の単粒子層積層体の製造方法。
- 基材と、前記基材上に形成された100nm以下の平均粒径を有する微粒子からなる単粒子層と、前記微粒子層を基材上に固定化する樹脂層とを有し、前記樹脂層の膜厚が前記微粒子の径の10%〜100%の範囲内であり、前記微粒子は表面処理が施された微粒子であり、前記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、前記表面処理が施された微粒子表面と親和性を有するものであり、前記基材は密着処理が施された基材であり、前記硬化型モノマーおよび硬化型オリゴマーの少なくとも一方が、前記密着処理が施された基材表面と親和性を有するものであることを特徴とする単粒子層積層体。
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