JP4261933B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、電子写真プリンタ等において、電子写真感光体或いは静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、この潜像を現像剤により顕像化して画像を得る電子写真方式或いは静電記録方式を利用した画像形成装置にて用いられる現像装置、これを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームプリンタや、複写機として、例えば図16に示すような電子写真方式を用いた画像形成装置がある。
【0003】
図16を参照して、像担持体としての通常ドラム状とされる電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)50は、帯電バイアス電源31から帯電バイアスが印加される帯電手段としての一次帯電器(帯電ローラ)51にて一様に帯電される。次に、パーソナルコンピュータ、原稿読み取り装置等の外部装置より入力された画像情報に対応して露光手段としてのレーザスキャナ等の露光装置52より感光ドラム50上に光照射Lを行い、感光ドラム50上に静電潜像を形成する。この感光ドラム50上の静電潜像は、現像部Gにおいて、現像装置60により、例えば、一次帯電器51の印加電圧と同極性の摩擦帯電極性を有する現像剤(トナー)Tで可視像(トナー像)として可視化される。
【0004】
一方、感光ドラム50へのトナー像の形成と同期して、記録材収容部としてのカセット56からピックアップローラ57、記録材搬送ガイド58a、レジストローラ59等の記録材搬送手段によって、感光ドラム50と転写手段としての転写帯電器(転写ローラ)53との対向部(転写部)Nに記録材Pが搬送される。こうして転写部Nにおいて、感光ドラム50上のトナー像は、転写バイアス電源33から転写バイアスが印加される転写帯電器53にて記録材Pに転写される。
【0005】
その後、記録材Pは感光体50より分離され、続いて記録材搬送ガイド58b等によって定着装置55に搬送されて、ここで熱、圧力により未定着のトナー像が記録材Pに定着され永久像となる。
【0006】
又、転写帯電器53で転写されずに残った感光体ドラム50上のトナーTは、クリーニング手段として感光ドラム50に当接配置されたクリーニングブレード54a等を有するクリーニング装置54にて除去され、感光ドラム50は次の画像形成プロセスに供される。
【0007】
従来、現像剤として非磁性一成分現像剤(トナー)を用いる非磁性一成分現像法がある。図16に即して説明すると、現像装置60は、現像容器64内に、例えば、負帯電性であり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の顔料を含有するトナーTを収容している。現像容器64は、感光ドラム50との対向部位が開口しており、この開口部から一部現像容器64の外に露出するように、現像剤担持体としての現像ローラ61が回転可能に設けられている。
【0008】
非磁性一成分現像法においては、磁力によるトナー供給が不可能となるため、現像ローラ61に、表層がウレタンスポンジ等の弾性体によって作製された現像剤剥ぎ取り/供給ローラ(以下「RSローラ」という。)62が当接され、これによって現像ローラ61にトナーTを供給する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。RSローラ62は、現像ローラ61とのニップ部でカウンタ方向(当接部にて表面移動方向が互いに逆方向)に回転することでトナーTを現像ローラ61上に供給すると同時に、感光ドラム50との対向位置(現像部)Gを通過しても現像に供されなかった現像ローラ61上のトナーを剥ぎ取る。
【0009】
又、現像ローラ61には、トナー量規制部材として規制ブレード63が当接されており、現像ローラ61上のトナーを規制してトナー薄層を形成し、現像部(ドラム対向位置)Gに搬送されるトナー量を規定している。現像部Gに搬送されるトナー量は、現像ローラ61上に接触する規制ブレード63の当接圧や当接長さ等により決定される。
【0010】
規制ブレード63としては、厚さ数百μmのリン青銅・ステンレス等の金属薄板上に接着若しくは溶着されており、金属薄板の弾性によって規制ブレード63は均一に現像ローラ61に当接されているチップブレードが好適に用いられる。このとき金属薄板の材質、厚さ、侵入量、設定角によって規制ブレード63の当接条件が決定される。
【0011】
現像部Gに搬送されたトナーは、磁性一成分現像法の場合と同様に、感光ドラム50上の潜像に付着し、潜像をトナー像として可視化する。
【0012】
【特許文献1】
特公平6−16210号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなRSローラを用いた場合、現像装置の駆動トルクが大きくなるという問題があり、又現像装置の小型化の妨げになる。
【0014】
そこで、本発明者らは、上記RSローラの代わりに、次のようなワイヤ状のトナー供給部材を用い得ることを見出した。これは、現像ローラに接触或いは近接してワイヤを配設させ、現像ローラとワイヤとの間で放電を行い、現像ローラの移動に伴って発生するトナー層流に対して放電によって帯電処理を行い、且つ、形成される電界によってトナーを現像ローラに継続的に供給するものである。これを用いることにより、低コスト、低トルク、且つ、小型化が可能な現像装置を提供することできる。
【0015】
しかしながら、本発明者らの更なる検討により、上述のようなワイヤ状のトナー供給部材を用いた現像装置では、長期にわたり画像出力を重ねていくうちにハーフトーン画像の濃度ムラという画像欠陥が問題となることがあることが分かった。
【0016】
つまり、上記トナー供給部材は、現像ローラとトナー供給部材との間に放電電圧を与えることにより、トナーを現像ローラへ供給させる。この時、放電の影響によってトナーに外添してある外添剤がトナーから遊離してしまう。これら遊離した外添剤は、現像ローラとトナー供給部材との間で形成される電界の影響を受けて、トナー供給部材の表面に付着してしまう。外添剤が付着した部分では、外添剤によってトナー供給部材と現像ローラとの間の抵抗値が上がるため、放電電流量が小さくなる。これにより、その付近のトナーの帯電能力が低下し、現像ローラにトナーが供給し難くなる。その結果、外添剤が付着している部分と付着していない部分とで、現像ローラ上のトナーコートにムラが生じ、この現像ローラ上のトナーのコートムラによって画像に濃度差を発生させてしまうのである。特に、ハーフトーン画像のように濃度均一性が必要な画像に対して目立ってしまう。
【0017】
従って、本発明の目的は、低コスト、低トルクで、且つ、小型化が可能であると共に、長期にわたり、特にハーフトーン画像などにおいて、濃度ムラ等の画像欠陥を発生させることなく、安定した画像出力が可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、現像剤を収容する現像容器と、現像剤を表面に担持して搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に対向して配置され電圧が印加されて現像剤を前記現像剤担持体に供給する現像剤供給部材と、を有する現像装置であって、前記現像剤供給部材は、前記現像剤担持体の上の現像剤を規制する規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側に配置された導電性のワイヤ状部材であり、前記現像剤供給部材には、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間の電位差が放電開始電圧以上となり、且つ、該現像剤供給部材から前記現像剤担持体へ現像剤の帯電極性と同極性の電流が流れるように電圧が印加され、前記現像剤供給部材は、所定の期間に、前記現像剤供給部材を振動させる振動手段によって振動させられることを特徴とする現像装置である。
【0019】
上記本発明の一実施態様によると、前記所定の期間は、前記現像剤担持体の駆動時に設定される。
【0020】
上記本発明の一実施態様によると、前記振動手段は、前記現像剤供給部材に印加される振動電圧である。一実施態様では、前記振動電圧は、少なくとも2つの電圧値を行き来するものであり、該電圧値の少なくとも1つは前記現像剤の帯電極性と同極性の電位値である。他の実施態様では、前記振動電圧は、0Vと現像剤の帯電極性と同極性の電位値を行き来するものである。又、他の実施態様では、前記振動電圧は、交流電圧である。更に、他の実施態様では、前記振動電圧は、交流電圧に直流電圧を重畳した電圧である。好ましい一実施態様では、前記交流電圧のピーク間電圧は、前記現像剤供給部材に直流電圧を印加した時の前記現像剤担持体への放電開始電圧以上とされる。前記振動電圧は、非画像形成時に印加されることが好ましい。
【0021】
上記本発明の他の実施態様によると、前記振動手段は、前記現像剤供給部材に振動を伝達する圧電素子である。更に、上記本発明の他の実施態様によると、前記振動手段は、前記現像剤供給部材と係合し、且つ、弾発的に開放する突起を具備する移動可能な加振動部材である。
【0022】
上記本発明の現像装置は、静電潜像が形成される像担持体を有する画像形成装置に着脱可能であってよい。
【0023】
本発明の他の態様によると、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、少なくとも静電潜像が形成される像担持体と、上記本発明の現像装置と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0024】
本発明の他の態様によると、記録材に現像剤から成る画像を形成して出力する画像形成装置であって、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための上記本発明の現像装置と、前記所定の期間に前記現像剤供給部材に前記振動電圧を印加し得る電圧印加手段、前記圧電素子に該圧電素子を振動させる駆動信号を送信する手段若しくは前記加振動部材を移動させる加振動部材駆動手段と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0026】
実施例1
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、画像形成装置本体Aに通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部ホスト機器若しくは原稿読み取り装置等からの画像情報に従って、電子写真方式を用いて記録材、例えば、記録用紙、OHPシート等に画像を形成するレーザビームプリンタである。
【0027】
本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、図16を参照して説明したものと変わるところがないので、同一構成、作用を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、本実施例にて特徴的な点について以下に説明する。
【0028】
図2は、本実施例の現像装置10の概略断面を示す。本実施例では、本発明を、非磁性一成分現像装置に適用する。つまり、図2に示すように、現像装置10は、絶縁性の非磁性一成分現像剤であるトナーTを収容した現像容器4を有する。現像容器4は、被現像対象としての感光ドラム50との対向部が、感光ドラム50の長手方向に沿って開口しており、この開口部に位置して一部現像容器4の外に露出するように、現像剤担持体としての現像ローラ1が配置されている。そして、この現像ローラ1の長手方向に沿って対向するように、現像剤供給部材としてトナーTを現像ローラ1に供給するトナー供給部材(トナー供給電極)2が設けられている。
【0029】
現像容器4内には、現像剤撹拌部材たる板状のトナー攪拌部材5が、図中矢印方向に回転可能に設けられている。トナー攪拌部材5は、現像容器4中のトナーTを現像ローラ1の方向に搬送して、トナー供給路を形成している。
【0030】
現像ローラ1は、装置本体Aが備える駆動手段(図示せず)によって回転駆動を受け、図中矢印方向に120mm/secの周速度で回転する。そして、現像ローラ1は、表面に保持するトナーTを、回転に伴って現像装置10の外に設けられる被現像対象としての感光ドラム50に供給する。
【0031】
現像ローラ1には、電圧印加手段としての現像バイアス電源11が接続されており、感光ドラム50との間に設けられる電界によって現像ローラ1上のトナーTが感光ドラム50へと移動するように、現像ローラ5に印加されるバイアス電圧が調整される。本実施例では、現像バイアスは−400Vの直流電圧とした。
【0032】
本実施例では、現像ローラ1は直径16mmの弾性ローラで、基層としての直径8mmの金属芯金1aの外周に、弾性層1bとして厚みが4mmで抵抗率が106Ωcmの導電ゴムを設けて形成し、更に表面処理を施した部材を用いた。
【0033】
又、現像ローラ1の表層のトナーTを均一な薄層にするために、現像剤量規制部材として、トナー規制部材3が、現像ローラ1の回転方向に対してカウンタ方向(自由端が現像ローラ1の回転方向上流に向くように)に、30g/cmの線圧で現像ローラ1と当接している。本実施例では、トナー規制部材3としては、厚さ0.1mmのステンレス板を用いた。
【0034】
そして、本実施例では、トナー供給部材2としては、断面がほぼ円形で直径が0.1mmのタングステンワイヤを用いた。トナー供給部材2は、現像ローラ1の軸方向と略平行で現像ローラ1のトナー担持領域にわたって張設されており、現像容器4内にトナーTが全く無い状態では現像ローラ1に接しているか、或いは現像ローラ1から0.5mm以内に近接して配設される。現像容器4内にトナーTがある状態では、トナー供給部材2の周りはトナーで充満される。又、トナー供給部材2と現像ローラ1が接している場合でもその当接圧は軽く、現像ローラ1が回転駆動を受けると現像ローラ1の表面に付着するトナーTが作るトナー流によって、トナー供給部材2が現像ローラ1から離間される程度である。
【0035】
トナー供給部材2には電圧印加手段としての供給バイアス電源21が接続されている。本実施例では、供給バイアス電源21には、直流電圧(DC)と交流電圧(AC)とが切り替え可能な電圧切り替え手段たるスイッチ22(後述)が設けられている。
【0036】
図3は、本実施例の画像形成装置100の概略制御ブロックを示す。画像形成装置100は、制御の中心的素子たるCPU81を有し、RAM82、ROM83に記憶されたデータ、プログラム等に従って画像形成装置100をシーケンス動作させる制御部80を有する。制御部80は、帯電バイアス電源31、露光装置52、現像バイアス電源11、供給バイアス電源21、転写バイアス電源33、感光ドラム50の駆動モータなどの各種駆動モータM等、画像形成装置100の動作を統括制御する。制御部80は、後述するように、ROM83等に予め設定された所定のタイミングで、供給バイアス電源21のスイッチ22を切り替え、供給バイアス電源21からトナー供給部材2に印加する電圧を変更するように制御信号を供給バイアス電源21に送信するバイアス切り替え制御手段としての機能を有する。
【0037】
又、制御部80には画像処理部90が接続されており、画像処理部90は、装置本体Aに対して通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部ホスト機器或いは原稿読み取り装置からの画像信号を受信すると共に、制御部80に画像形成に係る信号を送信する。制御部80は、斯かる画像形成信号に従って、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
【0038】
次に、トナー供給部材2による現像ローラ1へのトナーTの供給動作について説明する。
【0039】
図4は、現像装置10において、現像ローラ1を120mm/secの周速度で回転させてトナー供給部材2に直流電圧を印加したときに現像ローラ1とトナー供給部材2との間に流れる電流と、トナー供給部材2と現像ローラ1との間の電位差との関係を示す。又、その時の測定系を図5に示す。図5に示す測定系では、電圧計15のプラス側を現像ローラ1、マイナス側をトナー供給部材2に接続した。又、電流計25はプラス側をトナー供給部材2、マイナス側を供給バイアス電源21に接続した。従って、図4で電流がプラスの値であることは、現像ローラ1側からトナー供給部材2に電流が流れていることを意味する。つまり、この時、トナー供給部材2から現像ローラ5へは負の電流が流れており、本実施例では、負帯電性のトナーTを用いているので、トナー供給部材2から現像ローラ1への電流とトナーTの帯電極性が同極性である。
【0040】
図4に示すように、電位差を大きくしていくと、ある閾値の電位差以上になると電流値が増加する。ここでは、この閾値を放電開始電圧と定める。この放電開始電圧は、現像ローラ1の回転速度をVp(mm/sec)としたときに、0.04Vp(μA)以上電流が流れる領域で電位差と電流を数点測定して近似線を算出し、電流が0.04Vpとなる電位差から求めることができる。本実施例では、図示するように、4μA以上の電流が流れる点から1次の直線近似線を計算して、放電開始電圧を求めたところ、約750Vであった。
【0041】
通常、非磁性一成分現像装置においては、現像ローラ1上を搬送されるトナーTの量は、表面単位面積当たり0.6mg/cm2前後、又現像ローラ1上を搬送されるトナーTの帯電量は−30μC/g前後であるのが好適である。又、現像ローラ1の長手長さはA4サイズの記録材Pに対応する現像装置で230mm前後、A3サイズの記録材Pに対応する現像装置ならば320mm前後である。従って、この時現像ローラ1上を通過する単位時間当たりのトナー帯電量はA4サイズの記録材Pに対応する現像装置で0.0414Vp(μC/sec)、A3サイズの記録材Pに対応する現像装置で0.0576Vp(μC/sec)となる。この程度の電流は放電開始前の暗電流として流れる可能性があるため、この電流以上の領域を測定することで放電開始電圧を把握することができる。本発明者らの検討では、一律0.04Vp(μA)以上流れる領域で近似すれば放電開始電圧を測定できる。
【0042】
ところで、上記トナー供給部材2を備える現像装置10の構成において、トナー供給部材2に放電開始電圧よりも小さい電圧を印加した場合、現像ローラ1へのトナー供給はほとんど無い。そして、トナー供給部材2に放電開始電圧以上の電圧を印加することで、現像ローラ1へのトナー供給は始まり、印加電圧の増加に伴い、トナー供給量も増加していく。本発明者らの検討によって、本実施例の構成では、画像領域全面に渡って安定したトナー供給を行なうことができたトナー供給部材2への印加電圧は、−2kV以上であることが分かった。そこで、本実施例ではトナー供給部材2の印加電圧を−2kVとした。
【0043】
斯かるトナー供給部材2によって、継続的に現像ローラ1にトナーTを供給し得ると共に、低コスト、低トルク且つ小型化を実現することが可能である。しかし、前述のように、斯かるトナー供給部材2を用いる場合、長期に渡り画像出力を重ねていくうちに、特に、ハーフトーン画像の濃度ムラ等の画像欠陥が生じることがあることが分かった。
【0044】
以下に本発明に従ういくつかの具体例と比較例とについての画像評価を参照して本発明の効果について更に詳しく説明する。
【0045】
先ず、具体例1と比較例1とによりトナー供給部材2に振動を与えることによる効果を説明する。
【0046】
以下の各例において、現像ローラ1、トナー規制部材3、現像容器4、トナー撹拌部材5等、現像装置10の基本構成は全てを通して同じ構成とした。又、以下の全ての例において、トナーTとしては、負帯電性の非磁性一成分現像剤を用い、外添剤としてシリカ微粉末を、樹脂トナー粒子100重量部に対し、1.5重量部添加した。外添剤としては、この他、金属酸化物粉末、フッ素樹脂微粉末等が挙げられるが、本発明者らの検討によれば、いずれの外添剤(或いはこれらの混合物)が用いられる場合にも、以下詳述する本発明の効果は同等に得られる。
【0047】
(具体例1)
画像形成時にはスイッチ22をDC側に入れて、トナー供給部材2に−2kVの直流電圧を印加し、非画像形成時にはスイッチ22を切り替えAC側に入れて、トナー供給部材2に交流ピーク間電圧(両極性)1kV、周波数150Hz、Sin波の交流電圧を印加した。いずれのバイアスもトナー供給部材2の周辺にトナーTが充満し、且つ、現像ローラ1が回転駆動されている際に印加する。図6に本例のタイミングチャート図を示す。つまり、本例では、所定の期間として、記録材Pの1枚に対して画像を形成して出力する度に、非画像形成部である記録材Pと記録材Pとの間で、1秒間、トナー供給部材2に交流バイアスを印加した。
【0048】
尚、画像形成時とは、記録材Pに転写して出力する画像を形成しているときをいい、非画像形成時とは、画像形成時以外をいう。非画像形成時には、上記複数の記録材Pに対する一連の画像形成動作中における記録材Pと記録材Pとの間に相当する期間(所謂、紙間)の他、画像形成動作終了後の準備動作時(所謂、後回転動作)、画像形成動作前の準備動作時(所謂、前回転動作)等がある。
【0049】
(比較例1)
スイッチ22をDC側に固定し、トナー供給部材2に印加する供給バイアスは、常に−2kVの直流電圧とした。
【0050】
(画像評価方法)
各例の現像装置10を画像形成装置100に装着して、画像印字率4%の画像を2000枚形成した。その間、0、100、500、1000、1500、2000枚通紙時に全面ハーフトーンのサンプルを出力した。
【0051】
全面ハーフトーンのサンプル画像において、画像中10個所の濃度を測定し、最大値−最小値を求め1画像中の濃度差とした。濃度測定には、MacbethSeries1200を用いた。この濃度差測定において、濃度差0.1以下を優良画像(下記表中◎)、0.1から0.2まで良画像(下記表中○)、0.2から0.3までを不良画像(下記表中△)、0.3以上を画像欠陥(下記表中×)であると判断した。
【0052】
図7に具体例1及び比較例1に関して、耐久枚数の増加に伴う濃度差変化を示す。図7から分かるように、耐久枚数が増すにつれて比較例1では濃度差が増加し、画像欠陥の値である濃度差0.3以上になるのに対し、本発明に従う具体例1では、濃度差0.2以内であった。
【0053】
上記結果について以下に説明する。
【0054】
耐久枚数の増加に伴い、特に、ハーフトーン画像において濃度ムラ等の画像欠陥が生じる理由は、次のように考えられる。現像装置10では、トナー供給部材2と現像ローラ1との間に放電電圧以上の電圧を印加している。この時、放電電圧領域に存在するトナーTは帯電され、現像ローラ1へいっきに引き寄せられる。これにより現像ローラ1へのトナー供給が可能となるが、トナー供給部材2の周辺のトナーTのトナー流は、現像ローラ1の回転の影響も加わり、かなり激しいものとなる。その際、トナーTに外添してある外添剤がトナーから遊離してしまう場合がある。これら遊離させた外添剤は、現像ローラ1とトナー供給部材2との間で形成される電界の影響を受け、トナー供給部材2の表面に付着してしまう。外添剤が付着した部分では、外添剤によってトナー供給部材2と現像ローラ1との間の抵抗値が上がるため、放電電流量が小さくなる。これにより、その付近のトナーTの帯電能力が低下し、現像ローラ1にトナーTが供給し難くなる。その結果、外添剤が付着している部分と付着していない部分とで、現像ローラ1上のトナーコートにムラが生じ、この現像ローラ1上のトナーTのコートムラによって画像に濃度差を発生させてしまう。
【0055】
ここで、比較例1では、上記説明したトナー供給部材2への外添剤付着の現象が繰り返されるため、通紙枚数の増加に伴い現像ローラ1上のトナーコートムラは悪化し、濃度差も増加してしまう。
【0056】
これに対し、具体例1では、1枚画像出力する度に1秒間トナー供給部材2を交流バイアス印加によって振動させ、トナー供給部材2に付着した外添剤を除去することができる。更に、具体例1においては、この動作を現像ローラ1の回動時に行っており、トナー供給部材2から剥ぎ取られた外添剤は、現像ローラ1の回転に伴い形成されたトナー流によって拡散される。その結果、具体例1では、外添剤の付着による現像ローラ1上のトナーコートムラの発生は抑えられ、耐久を通じて画像濃度差が安定して低い値を示した。
【0057】
このように、導電性のトナー供給部材2を有し、放電開始電圧以上の電位差をトナー供給部材2と現像ローラ1との間に印加して現像ローラ1へのトナー供給を行なう場合に、トナー供給部材2を振動させることで、トナー供給部材2に付着した外添剤を取り除き、長期にわたり濃度差の少ない安定した画像を出力できる。
【0058】
次に、具体例2をも参照して、現像ローラ1の動作とトナー供給部材2の振動との関係を説明する。尚、画像評価方法は上記同様である。
【0059】
(具体例2)
画像形成時にはスイッチ22をDC側に入れて、トナー供給部材2に−2kVの直流電圧を印加し、非画像形成時にはスイッチ22を切り替えAC側に入れて、トナー供給部材2に交流ピーク間電圧(両極性)1kV、周波数150Hz、Sin波の交流電圧を印加した。但し、本例では、交流電圧を印加しているときには、現像ローラ1を停止させた。又、本例のトナー供給部材2へのバイアスの印加タイミングは具体例1と同じである。
【0060】
図8に具体例1、具体例2及び比較例1に関して、耐久枚数の増加に伴う濃度差の変化を示す。
【0061】
先ず、比較例1と具体例2を比較すると、具体例2の方が耐久後半の濃度差が少ない。これは、現像ローラ1が停止している状態においてもトナー供給部材2を振動させることで、課題であるハーフトーンの濃度ムラをある程度低減する効果があることを示す。
【0062】
但し、具体例1と具体例2を比較することで分かるように、現像ローラ1を回転させている間にトナー供給部材2を振動させる具体例1の方が、ハーフトーンの濃度ムラをより低減できる。
【0063】
これは、具体例2におけるように現像ローラ1が停止した状態では、交流バイアスを印加することによってトナー供給部材2を振動させて、トナー供給部材2に付着した外添剤を取り除いても、剥ぎ取られた外添剤が現像容器4内に拡散することなく、すぐにトナー供給部材2に再度付着してしまうためであると考えられる。これに対し、具体例1の場合、トナー供給部材2から剥ぎ取られた外添剤は、現像ローラ1の回転に伴い形成されたトナー流によって現像容器4内に拡散され、トナー供給部材2は奇麗な状態を維持できる。
【0064】
このように、現像ローラ1の動作と関係なくトナー供給部材を振動させることで、ハーフトーンの濃度ムラを低減できる。望ましくはトナー供給部材の振動を現像ローラ1が回転駆動されている最中に行なうことで、長期にわたり濃度差の少ない安定した画像を出力できる。
【0065】
次に、本発明に従う更なる具体例をも参照して、トナー供給部材2に印加する最適な振動電圧について説明する。尚、画像評価方法は上記同様である。
【0066】
(具体例3)
画像形成時にはスイッチ22をDC側に入れて、トナー供給部材2に−2kVの直流電圧を印加し、非画像形成時にはスイッチ22をDC側とグランド側とで−2kVと0Vのオンオフバイアスを印加する。オンオフの間隔は、10mmsecとした。いずれのバイアスもトナー供給部材2の周辺にトナーTが充満し、且つ、現像ローラ1が回転駆動されている際に印加する。図9に本例のタイミングチャートを示す。つまり、本例では、記録材Pの1枚に対して画像を形成して出力する度に、非画像形成部として記録材Pと記録材Pとの間で上記オンオフバイアスを2秒間トナー供給部材2に印加した。
【0067】
(具体例4)
画像形成時にはスイッチ22をDC側に入れて、トナー供給部材2に−2kVの直流電圧を印加し、非画像形成時にはスイッチ22を切り替えて、2秒間、−2kVの直流電圧に、ピーク間電圧(両極性)1kV、周波数150Hz、Sin波の交流電圧を重畳させた電圧を印加した。いずれのバイアスもトナー供給部材2の周辺にトナーTが充満し、且つ、現像ローラ1が回転駆動されている際に印加する。
【0068】
(具体例5)
画像形成時にはスイッチ22をDC側に入れて、トナー供給部材2に−2kVの直流電圧を印加し、非画像形成時にはスイッチ22を切り替えて、2秒間、ピーク間電圧(両極性)1.5kV、周波数150Hz、Sin波の交流電圧を印加した。いずれのバイアスもトナー供給部材2の周辺にトナーTが充満し、且つ、現像ローラ1が回転駆動されている際に印加する。
【0069】
図10に具体例1、3、4、5及び比較例1に関して、通紙枚数の増加に伴う濃度差の変化を示す。
【0070】
図10から分かるように、具体例3、4及び5のいずれも比較例1よりも濃度差の増加がなく、良画像である濃度差0.2以内であった。これは、具体例1と同様に、トナー供給部材2を振動させてトナー供給部材2に付着する外添剤を剥ぎ取ることで、濃度差の増加を抑える効果が得られたことを示す。
【0071】
又、具体例3においては、供給バイアス電源21は、直流電圧のみの回路とし得るので、低価格な電源回路を用いることができる。
【0072】
具体例4及び具体例5は、具体例1よりも更に、耐久枚数の増加に伴う濃度差の変化を抑える効果が良く、2000枚通紙時の濃度差は、具体例4で1.5以内、具体例5では1.0以内であった。
【0073】
具体例4及び5の効果について以下に説明する。
【0074】
図11にトナー供給部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧を変化させたとき(周波数は150Hz固定)のトナー供給部材2の振動量を測定した結果を示す。図11中の実線は交流電圧のみを印加した場合であり、波線は交流電圧と−1kVの直流電圧を重畳させた電圧を印加した場合である。
【0075】
又、その時の測定系を図12に示す。図12に示すように、この測定系は、端部に固定端40aを有する振動板40を具備する。振動板40は、非固定側の面をトナー供給部材2に接触させている。トナー供給部材2に振動電圧を印加すると、トナー供給部材2の振動に伴い振動板40も振動する。このとき、振動板40の非固定端にメジャー41を設置し、振動板40の非固定端部40bの振動量をトナー供給部材2の振幅量とした。振動板40の振幅量は、トナー供給部材2の振動の増加に伴い増加するものである。
【0076】
図11から分かるように、いずれの場合も、トナー供給部材2に印加する交流電圧成分のピーク間電圧が0.75kV以上でトナー供給部材2の振動は急激に大きくなっている。又、交流電圧に直流電圧を重畳させた振動電圧にすることで、交流電圧のみの振動電圧よりも大きい振動量になっていることが分かる。
【0077】
トナー供給部材2に印加する交流電圧成分のピーク間電圧が0.75kV以上で振動量が大きくなったのは、図4に示す、トナー供給部材2への印加電圧(現像ローラ1とトナー供給部材2との電位差)と電流量の関係から分かるように、本実施例の現像装置10の構成では、0.75kVが現像ローラ1とトナー供給部材2との間の放電開始電圧である。
【0078】
この放電開始電圧以上の電圧が印加されたとき、トナー供給部材2は現像ローラ5に引き寄せられる。トナー供給部材2は、本実施例では、その長手両端側でもって現像容器4に張設されており、トナー供給部材2には張力がかかっているため、引き寄せられる力がとけたときには、元に戻ろうとする力がかかる。そして、トナー供給部材2に交流電圧を印加した場合では、それらの力が交互に繰り返されるため、トナー供給部材2は大きく振動するのである。
【0079】
本発明者らの検討によると、トナー供給部材2が大きく振動し始める交流電圧のピーク間電圧は、放電開始電圧以上であり、それ以上の電圧を印加するほど振動量も大きくなる。従って、より効果的にトナー供給部材2に付着した外添剤を除去し、長期にわたり濃度差のない安定した画像を出力するためには、トナー供給部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧は、現像ローラ1とトナー供給部材2との間の放電開始電圧以上とすることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上、更に好ましくは2倍以上とする。但し、放電電流量が大きすぎると、トナーが熱により融着する恐れがあるので、上限として8倍以下とするのが好ましい。
【0080】
又、具体例1と具体例4とを比較すると分かるように、交流電圧と直流電圧との重畳電圧を印加することで、耐久枚数の増加に伴う濃度差の増加が低減された。これは、交流電圧に直流電圧を重畳させることで、よりトナー供給部材2は現像ローラ1に引き寄せられるため、トナー供給部材2の振動量が大きくなるためと考えられる。
【0081】
このように、トナー供給部材2に印加する振動電圧は、
(1)直流電圧を切り替えて成るものを用いても、交流電圧を用いた場合と同じような効果を得ることができる。その場合、交流電圧を用いるよりも電気回路を低コストにすることができる。
(2)交流電圧に直流電圧を重畳させた振動電圧にすることで、交流電圧のみ印加した場合よりもトナー供給部材の振動量を大きくすることができ、外添剤の剥ぎ取り効果を高めることができる。
(3)交流電圧のピーク間電圧を放電開始電圧の2倍以上にすることで、トナー供給部材の振動量を大きくすることができ、外添剤の剥ぎ取り効果を高めることができる。
【0082】
更に、上記項目(2)、(3)を同時に満たすことで、耐久枚数の増加に伴う濃度差の増加を更に低減することできる。
【0083】
次に、振動電圧を非画像形成時に印加することによる効果を説明する。
【0084】
トナー供給部材2に振動電圧を印加しているとき、現像ローラ1上のトナーコートにムラが生じる場合がある。特に、トナー供給部材2の振動量が大きくなると、トナー供給部材2が直接現像ローラ1に接触してしまい、物理的に現像ローラ1上のトナーTを掻き落としてしまう。そして、トナーTが掻き落とされた箇所では、画像に濃度差が発生してしまう。
【0085】
そこで、非画像形成時にトナー供給部材2に振動電圧を印加することで、上記問題を発生させることなく、且つ、トナー供給部材2から外添剤を取り除くことができ、画像形成動作を繰り返し行なっても、濃度差が少ない安定した画像を出力し続けることができる。
【0086】
以上説明した具体例及び比較例について、画像評価結果を下記表1にまとめる。
【0087】
【表1】
【0088】
以上説明したように、本実施例によれば、トナー供給部材2を振動させる振動手段を設け、好ましくは少なくとも現像ローラ1の回動時に振動手段によってトナー供給部材を振動させることで、トナー供給部材2に付着した外添剤を取り除くことが可能となる。振動手段を、トナー供給部材2に振動電圧を印加する供給バイアス電源とすることで、トナー供給部材2を自己振動させることができるため、新たに外部機器等を取り付けることなく低コストであるといった利点を有する。又振動電圧が少なくとも2つの電圧値を行き来するものであり、外電圧値の少なくとも1つはトナーTの帯電極性と同極性の電位値とすることで、交流回路を必要とせず、低コストな高圧回路を用いることができる。このとき、該振動電圧を0Vとトナーの帯電極性と同極性の電位値を行き来するような電圧とすることで、直流電圧をオンオフさせる構成であるため、簡易な高圧回路にすることができる。
【0089】
又、該振動電圧として、交流電圧に直流電圧を重畳した電圧とするか、或いは、トナー供給部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧を、トナー供給部材2に直流電圧を印加した時の現像ローラ1への放電開始電圧以上とすることで、より効果的にトナー供給部材2に付着した外添剤を取り除くことができる。更に、該振動電圧は、非画像形成時に印加することが、トナー供給部材2の振動の影響を画像に出さない点で有利である。
【0090】
尚、放電領域の電圧を現像ローラ1の全域に印加することができ、且つ、容易に振動させることを可能とするために、トナー供給部材2としては、直径が2mm以下の導電性ワイヤを好適に用いることができ、好ましくは0.2mm以下の導電性ワイヤが良い。但し、トナー供給部材2の線径は、トナーTとの摺擦等に耐え得る機械的強度を有している必要があり、例えば、金属であれば、ある程度の張力でも破断しない10μm以上であることが好ましい。又、トナー供給部材2の最外層に、中高抵抗皮膜等が設けられていても良い。これによって、例えば、定温低湿環境下等の、トナー供給部材2と現像ローラ1との間の放電電流の局所的なバラツキが発生し易い状況においても、これを防止して、現像ローラ1へムラなく安定したトナー供給を行える効果がある。更に、トナー供給部材2は、断面が円形のものでなくても良い。
【0091】
又、振動電圧について、本実施例においてはSin波を用いるとして説明したが、本発明者らの更なる検討により、矩形波、三角波等の交流電圧の場合でもSin波と同等の効果を得ることができた。
【0092】
(他の実施例)
上記実施例においては、非画像形成時に現像ローラ1が回転している時に交流バイアスを印加してトナー供給部材2を振動させ、トナー供給部材2に付着した外添剤を剥ぎ取っているものであった。本発明は斯かる態様に限定されるものなく、非画像形成時に現像ローラ1が回転している時にトナー供給部材2を外部からの機械的動力によって振動させてもよい。
【0093】
例えば、図13に示すように、トナー供給部材2を圧電素子43によって機械的に振動させることができる。図13(a)は、現像装置10の現像ローラ1、トナー供給部材2の近傍の斜視モデル図であり、ワイヤ状部材であるトナー供給部材2が現像容器4の側壁4a、4bに設けられた支持穴を通して適当な張力をもって張設されている様子を示す。又、図13(b)は、現像ローラ1、トナー供給部材2を端部からその軸線方向に見た側面図である。図示の例では、圧電素子43は、トナー供給部材2の端部近傍に直接張り合わされている。そして、好ましくは非画像形成時で、且つ、現像ローラ1が回転している時に圧電素子に、圧電素子43を振動させるための信号を送信する手段として制御部80からパルス信号を送り、トナー供給部材2を振動させる。これにより、トナー供給部材2に付着した外添剤を取り除くことができる。斯かる構成によれば、パルス信号を変化させるだけで、振動量を自由に制御できるようになる。
【0094】
又、図14に示す例では、トナー供給部材2を、往復移動する振動部材44でトナー供給部材2を弾くことにより機械的に振動させる。つまり、図14(a)、図14(b)は、図13(a)、(b)と同様の図であって、トナー供給部材2の端部近傍に、加振動部材44が移動可能に設けられている様子を示す。加振動部材44の先端には、トナー供給部材2側に突起した略三角形の形状の作用部44aが設けられており、上下運動することでトナー供給部材2にこの作用部44aが係合し、又弾発的に開放し、トナー供給部材2を加振動部材44で弾くようになっている。トナー供給部材2には張力がかかっているため、加振動部材44に弾かれることにより振動させられる。装置本体Aにはこの制御部80からの制御信号によってこの加振動部材44を移動させる駆動手段が設けられている。この動作を、好ましくは非画像形成時で、且つ、現像ローラ1が回転している時に行うことで、トナー供給部材2に付着した外添剤を取り除くことができる。斯かる構成によれば、電気的な力でトナー供給部材2を振動させるよりも大きな振動を起こすことができる。そのため、トナー供給部材2の周辺にトナーが少量しかない場合でも、剥ぎ取った外添剤を現像容器4内にばらまくことができる。
【0095】
図13、図14に示すようにトナー供給部材2を機械的に振動させる場合にも、上記実施例1と同様に、画像形成を繰り返し行った際にトナー供給部材2に外添剤が付着することで生じる濃度ムラの画像欠陥を低減することができた。
【0096】
又、本発明は、現像装置が単体若しくは他の部材と一体で画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジとされている場合にも等しく適用可能である。この場合、カートリッジは画像形成装置本体に設けられた装着手段を介して、画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着される。
【0097】
例えば、図15は、電子写真感光体50と、この電子写真感光体50に作用するプロセス手段としての現像手段10、帯電手段51及びクリーニング手段54とが枠体72によって一体的に構成され、画像形成装置本体Aに着脱可能とされたプロセスカートリッジBを示す。プロセスカートリッジBは、画像形成装置本体Aに設けられた装着ガイド、位置決め手段等の装着手段71を介して、画像形成装置本体Aに対して取り外し可能に装着される。プロセスカートリッジ方式によれば、例えば、トナーが消耗した時、感光ドラム1が寿命となった時、或いはクリーニング装置54中の廃トナーが所定量となった時等に、装置のメンテナンスをサービスマンによらずに、ユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。
【0098】
プロセスカートリッジBが正常に装置本体Aに装着されると、装置本体Aに設けられた駆動手段と、感光ドラム50に駆動を伝達するギア等とされる駆動伝達手段とが連結され、感光ドラム50は駆動可能な状態となる。更にこの駆動は、現像ローラ1、トナー撹拌部材5に伝達される。又、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されると、現像ローラ1、トナー供給部材2への給電接点部として、装置本体側に設けられた装置本体側現像バイアス接点73a、装置本体側供給バイアス接点74aが、それぞれプロセスカートリッジ側に設けられたカートリッジ側現像バイアス接点73b、カートリッジ側供給バイアス接点74bと電気的に接続される。これにより、これら接点部を介して、装置本体Aに設けられた現像バイアス電源11、供給バイアス電源21から、それぞれ現像ローラ1、トナー供給部材2にバイアスを印加することが可能となる。
【0099】
プロセスカートリッジBは、図示の態様に制限されず、クリーニング手段54、帯電手段51のいずれか一方若しくは両方が設けられていなくても良い。つまり、プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも1つを一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に対して着脱可能としたものであるが、本発明は、少なくとも電子写真感光体と、現像剤を収容する現像容器、現像容器内の現像剤を被現像対象へと搬送する現像剤担持体及び現像剤供給部材を有する現像手段と、を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に対して着脱可能としたものであれば、好適に適用できる。
【0100】
現像装置が単体で画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジ(現像カートリッジ)は、図15に示すプロセスカートリッジBから、電子写真感光体50、帯電手段51、クリーニング手段54を省いたものに相当する。
【0101】
尚、本明細書に開示した実施例はいずれも本発明を好適に具現化し得るものであるが、本発明はここに開示される態様に限定されるものではないことを理解されたい。トナー供給部材2を使用した現像装置10を用いる場合、好ましくは非画像形成時に現像ローラ1が回転している時に、トナー供給部材2を振動させることができれば他の任意の方法を用い得る。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低コスト、低トルクで、且つ、小型化が可能であると共に、長期にわたり濃度ムラ等の画像欠陥を発生させることなく、安定した画像出力が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像装置の一実施例の概略構成図である。
【図3】図1の画像形成装置の制御態様を説明するための概略制御ブロック図である。
【図4】トナー供給部材印加電圧と電流との関係を示すグラフ図である。
【図5】トナー供給部材印加電圧と電流との関係を測定する測定系の説明図である。
【図6】トナー供給部材へ振動電圧を印加する一実施例における電圧印加のタイミングチャート図である。
【図7】具体例1(本発明)及び比較例1の通紙枚数における濃度差の変化を示すグラフ図である。
【図8】具体例1、2(本発明)及び比較例1の通紙枚数における濃度差の変化を示すグラフ図である。
【図9】トナー供給部材へ振動電圧を印加する他の実施例における電圧印加のタイミングチャート図である。
【図10】具体例1、3、4、5(本発明)及び比較例1の通紙枚数における濃度差の変化を示すグラフ図である。
【図11】トナー供給部材の振動量とピーク間電圧との関係を示すグラフ図である。
【図12】トナー供給部材振動量測定方法の説明図である。
【図13】トナー供給部材を振動させる振動手段の他の実施例を説明するための現像ローラ及びトナー供給部材近傍を模式的に示す(a)斜視図、(b)側面図である。
【図14】トナー供給部材を振動させる振動手段の更に他の実施例を説明するための現像ローラ及びトナー供給部材近傍を模式的に示す(a)斜視図、(b)側面図である。
【図15】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の概略構成図である。
【図16】従来の電子写真画像形成装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 現像ローラ(現像剤担持体)
2 トナー供給部材(現像剤供給部材)
3 トナー規制部材(現像剤量規制部材)
4 現像容器(現像剤収容部)
5 トナー攪拌部材(現像剤撹拌部材)
11 現像バイアス電源(電圧印加手段)
21 供給バイアス電源(電圧印加手段)
22 切り替えスイッチ(電圧切り替え手段)
50 感光ドラム(像担持体、電子写真感光体)
51 帯電ローラ(帯電手段)
52 露光装置(露光手段)
53 転写ローラ(転写手段)
54 クリーニング装置(クリーニング手段)
P 記録材
T トナー
Claims (16)
- 現像剤を収容する現像容器と、現像剤を表面に担持して搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に対向して配置され電圧が印加されて現像剤を前記現像剤担持体に供給する現像剤供給部材と、を有する現像装置であって、
前記現像剤供給部材は、前記現像剤担持体の上の現像剤を規制する規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側に配置された導電性のワイヤ状部材であり、前記現像剤供給部材には、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間の電位差が放電開始電圧以上となり、且つ、該現像剤供給部材から前記現像剤担持体へ現像剤の帯電極性と同極性の電流が流れるように電圧が印加され、
前記現像剤供給部材は、所定の期間に、前記現像剤供給部材を振動させる振動手段によって振動させられることを特徴とする現像装置。 - 前記所定の期間は、前記現像剤担持体の駆動時に設定されることを特徴とする請求項1の現像装置。
- 前記振動手段は、前記現像剤供給部材に印加される振動電圧であることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
- 前記振動電圧は、少なくとも2つの電圧値を行き来するものであり、該電圧値の少なくとも1つは前記現像剤の帯電極性と同極性の電位値であることを特徴とする請求項3の現像装置。
- 前記振動電圧は、0Vと現像剤の帯電極性と同極性の電位値を行き来するものであることを特徴とする請求項4の現像装置。
- 前記振動電圧は、交流電圧であることを特徴とする請求項3の現像装置。
- 前記振動電圧は、交流電圧に直流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする請求項3の現像装置。
- 前記交流電圧のピーク間電圧は、前記現像剤供給部材に直流電圧を印加した時の前記現像剤担持体への放電開始電圧以上とされることを特徴とする請求項6又は7の現像装置。
- 前記振動電圧は、非画像形成時に印加されることを特徴とする請求項3〜8のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記振動手段は、前記現像剤供給部材に振動を伝達する圧電素子であることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
- 前記振動手段は、前記現像剤供給部材と係合し、且つ、弾発的に開放する突起を具備する移動可能な加振動部材であることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
- 静電潜像が形成される像担持体を有する画像形成装置に着脱可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の現像装置。
- 画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、少なくとも静電潜像が形成される像担持体と、請求項1〜11のいずれかの項に記載の現像装置と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 記録材に現像剤から成る画像を形成して出力する画像形成装置であって、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための請求項1〜9のいずれかの項に記載の現像装置と、前記所定の期間に前記現像剤供給部材に前記振動電圧を印加し得る電圧印加手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
- 記録材に現像剤から成る画像を形成して出力する画像形成装置であって、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための請求項10の現像装置と、前記圧電素子に該圧電素子を振動させる駆動信号を送信する手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
- 記録材に現像剤から成る画像を形成して出力する画像形成装置であって、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための請求項11の現像装置と、前記加振動部材を移動させる加振動部材駆動手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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